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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A63F |
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管理番号 | 1360752 |
審判番号 | 訂正2019-390125 |
総通号数 | 245 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-05-29 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2019-12-12 |
確定日 | 2020-02-17 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6616238号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6616238号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔2-6〕について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6616238号の請求項1ないし8に係る特許についての出願は、平成26年12月22日に出願した特願2014-259500号の一部を平成27年10月29日に新たな特許出願とした特願2015-213339号の一部を平成28年5月16日に新たな特許出願(特願2016-98230号)としたものであって、その後、平成29年9月25日に手続補正書が提出され、平成30年10月23日に手続補正書が提出され、令和元年11月15日に、その特許権の設定登録がされ、同年12月12日に訂正審判の請求がされたものである。 第2 請求の趣旨 本件審判の請求の趣旨は、「特許第6616238号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2?6について訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。 第3 訂正の内容 本件審判請求書及び請求書に添付した訂正特許請求の範囲の記載によれば、本件訂正審判において求める訂正の内容は、以下のとおりである。 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項2に「請求項1に記載のゲーム制御方法」と記載されているのを、「請求項1に記載のコンピュータ」に訂正する(請求項2の記載を引用する請求項3?6も同様に訂正する)。 2 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項3に「請求項1または2に記載のゲーム制御方法」と記載されているのを、「請求項1または2に記載のコンピュータ」に訂正する(請求項3の記載を引用する請求項4?6も同様に訂正する)。 3 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項4に「請求項1?3の何れか一項に記載のゲーム制御方法」と記載されているのを、「請求項1?3の何れか一項に記載のコンピュータ」に訂正する(請求項4の記載を引用する請求項5及び6も同様に訂正する)。 4 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項5に「請求項1?4の何れか一項に記載のゲーム制御方法」と記載されているのを、「請求項1?4の何れか一項に記載のコンピュータ」に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項6も同様に訂正する)。 5 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項6に「請求項1?5の何れか一項に記載のゲーム制御方法」と記載されているのを、「請求項1?5の何れか一項に記載のコンピュータ」に訂正する。 第4 当審の判断 以下、特許第6616238号の願書に添付された特許請求の範囲(特許掲載公報に記載のもの)の請求項1ないし8を、それぞれ、「訂正前の請求項1ないし8」という。 1 訂正の目的について (1)訂正事項1について ア 訂正前の請求項2の記載について 訂正前の請求項2には、「前記制御部は、前記第2バトルにおける対戦組合せを決定した後に、前記第2バトルを開始するまでの残り時間を前記第2バトルに参加するプレイヤに通知する第3画面の表示データを前記通信部を介してプレイヤの端末に送信する、請求項1に記載のゲーム制御方法。」と記載されていた。 訂正前の請求項2の記載の末尾には、「ゲーム制御方法」とあるから、請求項2に係る発明は、当該記載のみに基づけば、「ゲーム制御方法」という方法の発明が特定されているものと解されることになるが、ここで訂正前の請求項2は、請求項1を引用する形式で記載されたいわゆる引用形式請求項であり、「請求項1に記載のゲーム制御方法」と特定されていることから、請求項1の記載についても考慮する必要がある。 イ 訂正前の請求項2が引用する請求項1の記載について 訂正前の請求項2が引用するところの請求項1には、 「第1バトル及び第2バトルを実行するゲームを行うコンピュータであって、 プレイヤのパラメータを記憶する記憶部と、 通信部と、 前記通信部を介してプレイヤの端末から第1要求を受信した場合、前記パラメータが前記第2バトルへの参加条件を満たしているか否かを判定し、前記パラメータが前記第2バトルへの参加条件を満たしている場合に前記第2バトルへの参加要求を受け付ける第1ボタンを表示する第1画面の表示データを前記通信部を介してプレイヤの端末に送信する制御部と、を備え、 前記制御部は、 前記通信部を介してプレイヤの端末から第2要求を受信した場合、前記第1バトルが実行された後に、前記パラメータが前記第2バトルへの参加条件を満たしているか否かを判定し、前記第1バトルの実行結果を表示しつつ、前記パラメータが前記第2バトルへの参加条件を満たしている場合はさらに前記第2バトルへの参加要求を受け付ける第2ボタンを表示する第2画面の表示データを前記通信部を介してプレイヤの端末に送信し、 前記第1画面において前記第1ボタンが表示されている状態で前記第1ボタンが指定されなかった場合、以後に出力される第1画面においても前記第1ボタンを表示し、 前記第2画面において前記第2ボタンが表示されている状態で前記第2ボタンが指定されなかった場合、以後に出力される第2画面において、プレイヤが前記第2バトルに参加するための条件を満たしているか否かに関わらず、前記第2ボタンを表示せず、前記第1バトルを実行するための第3ボタンを表示する、 ことを特徴とするコンピュータ。」 と記載されているように、請求項1に記載の発明は、「第1バトル及び第2バトルを実行するゲームを行うコンピュータ」であって、「記憶部」、「通信部」、「制御部」とを備える「コンピュータ」という物の発明が特定されていたものと解される。 ウ 訂正事項1の目的について (ア)上記アのとおり、訂正前の請求項2は「請求項1に記載のゲーム制御方法」と特定された引用形式の請求項であるから、その引用先である請求項1について検討すると、上記イのとおり、その引用先である請求項1においては、「ゲーム制御方法」との記載は存在しないし、請求項1に係る発明は、「コンピュータ」という「物の発明」が特定されているのであるから、訂正前の請求項2の記載と、請求項1の記載とは、明らかに整合しない。 (イ)訂正前の請求項2の記載について検討すると、訂正前の請求項2は、「前記制御部」の内容を限定するものであるところ、ここでの「前記制御部」は、請求項1において特定されている「コンピュータ」が備える「制御部」であることは文理上明らかであることからすれば、訂正前の請求項2は、請求項1において特定されている「コンピュータ」が備える「制御部」をさらに限定することを意図したものであることは、客観的に見て明らかというべきである。 (ウ)以上検討したとおり、請求項1の記載及び訂正前の請求項2の記載に接した当業者であれば、訂正前の請求項2の「請求項1に記載のゲーム制御方法」との記載が、本来「請求項1に記載のコンピュータ」を意味するものであると理解するものといえるから、訂正前の請求項2の「請求項1に記載のゲーム制御方法」との記載は「請求項1に記載のコンピュータ」の誤記であると認められる。 (エ)このような理解は、出願当初の特許請求の範囲の請求項1及び2がいずれもその末尾が「ゲーム制御方法」の発明であったが、平成29年9月25日に提出された手続補正書により、請求項1の末尾が「コンピュータ」と変更されたにもかかわらず、請求項2は「ゲーム制御方法」のままとされたという本件特許に係る出願の手続の経緯とも矛盾しない。 エ 小括 以上のとおりであるから、訂正事項1は、誤記の訂正を目的とするものであって、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる事項を目的とするものに該当する。 (2)訂正事項2?5について 訂正前の請求項3ないし6は、「請求項1・・・に記載のゲーム制御方法」と特定された引用形式の請求項であり、訂正前の請求項2と同様に、「コンピュータ」という「物の発明」を特定する請求項1を引用するものである。加えて、訂正前の請求項3ないし6は、訂正前の請求項2と同様に、「前記制御部」の内容を限定するものである。 したがって、訂正前の請求項2の「請求項1に記載のゲーム制御方法」との記載が「請求項1に記載のコンピュータ」の誤記であると認められることと同様に、訂正前の請求項3ないし6の「請求項1・・・に記載のゲーム制御方法」との記載は、「請求項1・・・に記載のコンピュータ」の誤記であると認められる。 以上のとおりであるから、訂正事項2?5は、いずれも誤記の訂正を目的とするものであって、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる事項を目的とするものに該当する。 2 特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 上記1で検討したとおり、訂正事項1?5は、いずれも誤記の訂正を目的とするものであり、訂正前の請求項2ないし6に記載の「請求項・・・に記載のゲーム制御方法」が本来「請求項・・・に記載のコンピュータ」との記載であることは客観的に明らかであるといえるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。 3 新規事項の追加の存否について 上記1で検討したとおり、訂正事項1?5は、いずれも誤記の訂正を目的とするものであり、訂正前の請求項2ないし6に記載の「請求項・・・に記載のゲーム制御方法」が本来「請求項・・・に記載のコンピュータ」との記載であることは客観的に明らかであるといえるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。 4 独立特許要件について 訂正事項1?5により訂正された訂正後の請求項2ないし6に係る発明について、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるとする事情は見受けられず、独立して特許を受けることができないとする理由も見いだせない。 したがって、訂正事項1?5は特許法第126条第7項の規定に適合する。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書き第3号に掲げる事項を目的とするものである。 また、同条第5項、第6項、第7項の規定にも適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 第1バトル及び第2バトルを実行するゲームを行うコンピュータであって、 プレイヤのパラメータを記憶する記憶部と、 通信部と、 前記通信部を介してプレイヤの端末から第1要求を受信した場合、前記パラメータが前記第2バトルへの参加条件を満たしているか否かを判定し、前記パラメータが前記第2バトルへの参加条件を満たしている場合に前記第2バトルへの参加要求を受け付ける第1ボタンを表示する第1画面の表示データを前記通信部を介してプレイヤの端末に送信する制御部と、を備え、 前記制御部は、 前記通信部を介してプレイヤの端末から第2要求を受信した場合、前記第1バトルが実行された後に、前記パラメータが前記第2バトルへの参加条件を満たしているか否かを判定し、前記第1バトルの実行結果を表示しつつ、前記パラメータが前記第2バトルへの参加条件を満たしている場合はさらに前記第2バトルへの参加要求を受け付ける第2ボタンを表示する第2画面の表示データを前記通信部を介してプレイヤの端末に送信し、 前記第1画面において前記第1ボタンが表示されている状態で前記第1ボタンが指定されなかった場合、以後に出力される第1画面においても前記第1ボタンを表示し、 前記第2画面において前記第2ボタンが表示されている状態で前記第2ボタンが指定されなかった場合、以後に出力される第2画面において、プレイヤが前記第2バトルに参加するための条件を満たしているか否かに関わらず、前記第2ボタンを表示せず、前記第1バトルを実行するための第3ボタンを表示する、 ことを特徴とするコンピュータ。 【請求項2】 前記制御部は、前記第2バトルにおける対戦組合せを決定した後に、前記第2バトルを開始するまでの残り時間を前記第2バトルに参加するプレイヤに通知する第3画面の表示データを前記通信部を介してプレイヤの端末に送信する、請求項1に記載のコンピュータ。 【請求項3】 前記制御部は、前記第2バトルにおける対戦組合せを決定する前に、前記対戦組合せを決定するまでの残り時間を前記参加要求を受け付けたプレイヤに通知する第4画面の表示データを前記通信部を介してプレイヤの端末に送信する、請求項1または2に記載のコンピュータ。 【請求項4】 前記制御部は、前記第2バトルにおける対戦組合せを決定してから、前記第2バトルを開始するまでの間に、プレイヤから対戦相手へのメッセージを受け付けた場合、プレイヤ又は対戦相手に特典を付与する、請求項1?3の何れか一項に記載のコンピュータ。 【請求項5】 前記制御部は、前記第2バトルにおける対戦組合せを決定してから、前記第2バトルを開始するまでの間に、プレイヤから、プレイヤを救援するプレイヤを前記第2バトルへ参加させる要求を受け付ける、請求項1?4の何れか一項に記載のコンピュータ。 【請求項6】 前記制御部は、前記第2バトルにおける対戦組合せを決定してから、前記第2バトルを開始するまでの間に、プレイヤから、前記第2バトルへの参加のキャンセル又は前記対戦組合せの変更の要求を受け付ける、請求項1?5の何れか一項に記載のコンピュータ。 【請求項7】 第1バトル及び第2バトルを実行するゲームにおけるゲーム制御方法であって、 第1制御手段が、プレイヤのパラメータを記憶部に記憶し、 第2制御手段が、プレイヤの端末から第1要求を受信した場合、前記パラメータが前記第2バトルへの参加条件を満たしているか否かを判定し、前記パラメータが前記第2バトルへの参加条件を満たしている場合に前記第2バトルへの参加要求を受け付ける第1ボタンを表示する第1画面の表示データをプレイヤの端末に送信し、 第3制御手段が、プレイヤの端末から第2要求を受信した場合、前記第1バトルが実行された後に、前記パラメータが前記第2バトルへの参加条件を満たしているか否かを判定し、前記第1バトルの実行結果を表示しつつ、プレイヤが前記第2バトルへの参加条件を満たしている場合はさらに前記第2バトルへの参加要求を受け付ける第2ボタンを表示する第2画面の表示データをプレイヤの端末に送信することを含み、 前記第1画面において前記第1ボタンが表示されている状態で前記第1ボタンが指定されなかった場合、以後に出力される第1画面においても前記第1ボタンを表示し、 前記第2画面において前記第2ボタンが表示されている状態で前記第2ボタンが指定されなかった場合、以後に出力される第2画面において、プレイヤが前記第2バトルに参加するための条件を満たしているか否かに関わらず、前記第2ボタンを表示せず、前記第1バトルを実行するための第3ボタンを表示する、 ことを特徴とするゲーム制御方法。 【請求項8】 通信部を備え、第1バトル及び第2バトルを実行するゲームを行うコンピュータの制御プログラムであって、 プレイヤのパラメータを記憶部に記憶し、 前記通信部を介してプレイヤの端末から第1要求を受信した場合、前記パラメータが前記第2バトルへの参加条件を満たしているか否かを判定し、前記パラメータが前記第2バトルへの参加条件を満たしている場合に前記第2バトルへの参加要求を受け付ける第1ボタンを表示する第1画面の表示データを前記通信部を介してプレイヤの端末に送信し、 前記通信部を介してプレイヤの端末から第2要求を受信した場合、前記第1バトルが実行された後に、前記パラメータが前記第2バトルへの参加条件を満たしているか否かを判定し、前記第1バトルの実行結果を表示しつつ、前記パラメータが前記第2バトルへの参加条件を満たしている場合はさらに前記第2バトルへの参加要求を受け付ける第2ボタンを表示する第2画面の表示データを前記通信部を介してプレイヤの端末に送信することを前記コンピュータに実行させ、 前記第1画面において前記第1ボタンが表示されている状態で前記第1ボタンが指定されなかった場合、以後に出力される第1画面においても前記第1ボタンを表示し、 前記第2画面において前記第2ボタンが表示されている状態で前記第2ボタンが指定されなかった場合、以後に出力される第2画面において、プレイヤが前記第2バトルに参加するための条件を満たしているか否かに関わらず、前記第2ボタンを表示せず、前記第1バトルを実行するための第3ボタンを表示する、 ことを特徴とする制御プログラム。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2020-01-16 |
結審通知日 | 2020-01-20 |
審決日 | 2020-02-06 |
出願番号 | 特願2016-98230(P2016-98230) |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(A63F)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 彦田 克文 |
特許庁審判長 |
吉村 尚 |
特許庁審判官 |
河内 悠 尾崎 淳史 |
登録日 | 2019-11-15 |
登録番号 | 特許第6616238号(P6616238) |
発明の名称 | ゲーム制御方法、コンピュータ及び制御プログラム |
代理人 | 阿形 直起 |
代理人 | 三橋 真二 |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 南山 知広 |
代理人 | 三浦 剛 |
代理人 | 三浦 剛 |
代理人 | 青木 篤 |
代理人 | 南山 知広 |
代理人 | 阿形 直起 |
代理人 | 三橋 真二 |