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審決分類 |
審判 一部申し立て 2項進歩性 G01N 審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載 G01N |
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管理番号 | 1361449 |
異議申立番号 | 異議2019-700466 |
総通号数 | 245 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2020-05-29 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2019-06-07 |
確定日 | 2020-03-04 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6475069号発明「粒子検出装置及び粒子の検出方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6475069号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1,〔2-7〕、8、〔9-14〕について訂正することを認める。 特許第6475069号の請求項3ないし7、10ないし14に係る特許を維持する。 特許第6475069号の請求項1及び8に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6475069号の請求項1?14に係る特許についての出願は、平成27年4月23日に特許出願され、平成31年2月8日にその特許権の設定登録がされ、同月27日に特許掲載公報が発行された。その後、請求項1、3?8、10?14に係る特許に対し、令和元年6月7日に特許異議申立人 リオン株式会社 により特許異議の申立てがされ、同年12月10日付けで取消理由が通知され、令和2年2月10日に意見書の提出及び訂正請求がされたものである。 なお、令和2年2月10日にした訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)は、審判便覧67-05.4の「2.」に記載の特別の事情に当たると判断し、同特許異議申立人に意見書を提出する機会を与えなかった。 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 (1)本件訂正は、請求項1?7及び請求項8?14をそれぞれ一群の請求項として訂正することを求めるものであり、その具体的内容は、以下の訂正事項1?10のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示す(訂正事項に係る記載において以下同様。)。 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に、 「前記パルス検出部が、前記電気信号のパルスの重心を与える時刻を、前記パルスが現れた時刻として特定し、 前記関連づけ部が、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスが現れた時刻に対し、前記所定の時間差の範囲内の時刻に現れた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスを、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスと関連づける、 請求項1に記載の粒子検出装置。」 と記載されているのを、独立形式に改め、 「検査光を発する検査光源と、 前記検査光を照射された粒子で生じた反応光を検出してそれぞれのチャネルに電気信号を生成する複数の光検出器と、 前記それぞれのチャネルにおける電気信号のパルスを検出するパルス検出部と、 信号雑音比が最も大きいチャネルである基準チャネルにおける電気信号のパルスと、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスに対して所定の時間差の範囲内で生じた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスと、を関連づける関連づけ部と、 前記関連づけられた電気信号のパルスに基づき、前記粒子の属性を特定する属性特定部と、 を備える、粒子検出装置であって、 前記パルス検出部が、前記電気信号のパルスの重心を与える時刻を、前記パルスが現れた時刻として特定し、 前記関連づけ部が、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスが現れた時刻に対し、前記所定の時間差の範囲内の時刻に現れた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスを、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスと関連づける、 粒子検出装置。」 に訂正する(請求項2の記載を直接又は間接的に引用する請求項3?7も同様に訂正する)。 ウ 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に、 「前記電気信号のパルスが、前記電気信号の強度に基づいて検出される、請求項1又は2に記載の粒子検出装置。」 と記載されているのを、 「前記電気信号のパルスが、前記電気信号の強度に基づいて検出される、請求項2に記載の粒子検出装置。」 に訂正する(請求項3の記載を直接又は間接的に引用する請求項4?7も同様に訂正する)。 エ 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に、 「前記反応光が、前記粒子で生じる散乱光を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の粒子検出装置。」 と記載されているのを、 「前記反応光が、前記粒子で生じる散乱光を含む、請求項2又は3に記載の粒子検出装置。」 に訂正する(請求項4の記載を直接又は間接的に引用する請求項5?7も同様に訂正する)。 オ 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項6に、 「前記反応光が、前記粒子で生じる蛍光を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の粒子検出装置。」 と記載されているのを、 「前記反応光が、前記粒子で生じる蛍光を含む、請求項2から5のいずれか1項に記載の粒子検出装置。」 に訂正する(請求項6の記載を引用する請求項7も同様に訂正する)。 カ 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項8を削除する。 キ 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項9に、 「前記パルスを検出することにおいて、前記電気信号のパルスの重心を与える時刻を、前記パルスが現れた時刻として特定し、 前記基準チャネルにおける電気信号のパルスが現れた時刻に対し、前記所定の時間差の範囲内の時刻に現れた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスを、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスと関連づける、 請求項8に記載の粒子の検出方法。」 と記載されているのを、独立形式に改め、 「検査光を照射された粒子で生じた反応光を複数の光検出器で検出してそれぞれのチャネルに電気信号を生成することと、 前記それぞれのチャネルにおける電気信号のパルスを検出することと、 信号雑音比が最も大きいチャネルである基準チャネルにおける電気信号のパルスと、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスに対して所定の時間差の範囲内で生じた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスと、を関連づけることと、 前記関連づけられた電気信号のパルスに基づき、前記粒子の属性を特定することと、 を備える、粒子の検出方法であって、 前記パルスを検出することにおいて、前記電気信号のパルスの重心を与える時刻を、前記パルスが現れた時刻として特定し、 前記基準チャネルにおける電気信号のパルスが現れた時刻に対し、前記所定の時間差の範囲内の時刻に現れた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスを、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスと関連づける、 粒子の検出方法。」 に訂正する(請求項9の記載を直接又は間接的に引用する請求項10?14も同様に訂正する)。 ク 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項10に、 「前記電気信号のパルスが、前記電気信号の強度に基づいて検出される、請求項8又は9に記載の粒子の検出方法。」 と記載されているのを、 「前記電気信号のパルスが、前記電気信号の強度に基づいて検出される、請求項9に記載の粒子の検出方法。」 に訂正する(請求項10の記載を直接又は間接的に引用する請求項11?14も同様に訂正する)。 ケ 訂正事項9 特許請求の範囲の請求項11に、 「前記反応光が、前記粒子で生じる散乱光を含む、請求項8から10のいずれか1項に記載の粒子の検出方法。」 と記載されているのを、 「前記反応光が、前記粒子で生じる散乱光を含む、請求項9又は10に記載の粒子の検出方法。」 に訂正する(請求項11の記載を直接又は間接的に引用する請求項12?14も同様に訂正する)。 コ 訂正事項10 特許請求の範囲の請求項13に、 「前記反応光が、前記粒子で生じる蛍光を含む、請求項8から12のいずれか1項に記載の粒子の検出方法。」 と記載されているのを、 「前記反応光が、前記粒子で生じる蛍光を含む、請求項9から12のいずれか1項に記載の粒子の検出方法。」 に訂正する(請求項13の記載を引用する請求項14も同様に訂正する)。 (2)訂正の単位について 特許請求の範囲に係る訂正事項1?5は、一群の請求項〔1?7〕に対して請求されたものである。また、特許請求の範囲に係る訂正事項6?10は、一群の請求項〔8?14〕に対して請求されたものである。 また、訂正後の請求項2?7、9?14については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別の訂正単位として扱われることを求めている。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1及び6について 訂正事項1及び6は、それぞれ、請求項1及び8を削除するという訂正であるから、いずれも、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (2)訂正事項2及び7について 訂正事項2及び7は、いずれも、請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であるから、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3)訂正事項3?5、8?10について 訂正事項3?5、8?10は、いずれも、択一的に引用する請求項を削除する訂正であるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 3 小括 上記2のとおり、訂正事項1?10に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、〔2?7〕、8、〔9?14〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記のとおり訂正が認められるから、本件特許の請求項2?7、9?14に係る発明(以下「本件発明2」?「本件発明7」、「本件発明9」?「本件発明14」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項2?7、9?14に記載された事項により特定される、次のとおりのものである(請求項1及び8に係る発明は、本件訂正により削除されている。)。 (本件発明2) 「検査光を発する検査光源と、 前記検査光を照射された粒子で生じた反応光を検出してそれぞれのチャネルに電気信号を生成する複数の光検出器と、 前記それぞれのチャネルにおける電気信号のパルスを検出するパルス検出部と、 信号雑音比が最も大きいチャネルである基準チャネルにおける電気信号のパルスと、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスに対して所定の時間差の範囲内で生じた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスと、を関連づける関連づけ部と、 前記関連づけられた電気信号のパルスに基づき、前記粒子の属性を特定する属性特定部と、 を備える、粒子検出装置であって、 前記パルス検出部が、前記電気信号のパルスの重心を与える時刻を、前記パルスが現れた時刻として特定し、 前記関連づけ部が、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスが現れた時刻に対し、前記所定の時間差の範囲内の時刻に現れた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスを、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスと関連づける、 粒子検出装置。」 (本件発明3) 「前記電気信号のパルスが、前記電気信号の強度に基づいて検出される、請求項2に記載の粒子検出装置。」 (本件発明4) 「前記反応光が、前記粒子で生じる散乱光を含む、請求項2又は3に記載の粒子検出装置。」 (本件発明5) 「前記複数の光検出器の少なくとも一つが前記散乱光を検出する、請求項4に記載の粒子検出装置。」 (本件発明6) 「前記反応光が、前記粒子で生じる蛍光を含む、請求項2から5のいずれか1項に記載の粒子検出装置。」 (本件発明7) 「前記複数の光検出器の少なくとも一つが前記蛍光を検出する、請求項6に記載の粒子検出装置。」 (本件発明9) 「検査光を照射された粒子で生じた反応光を複数の光検出器で検出してそれぞれのチャネルに電気信号を生成することと、 前記それぞれのチャネルにおける電気信号のパルスを検出することと、 信号雑音比が最も大きいチャネルである基準チャネルにおける電気信号のパルスと、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスに対して所定の時間差の範囲内で生じた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスと、を関連づけることと、 前記関連づけられた電気信号のパルスに基づき、前記粒子の属性を特定することと、 を備える、粒子の検出方法であって、 前記パルスを検出することにおいて、前記電気信号のパルスの重心を与える時刻を、前記パルスが現れた時刻として特定し、 前記基準チャネルにおける電気信号のパルスが現れた時刻に対し、前記所定の時間差の範囲内の時刻に現れた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスを、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスと関連づける、 粒子の検出方法。」 (本件発明10) 「前記電気信号のパルスが、前記電気信号の強度に基づいて検出される、請求項9に記載の粒子の検出方法。」 (本件発明11) 「前記反応光が、前記粒子で生じる散乱光を含む、請求項9又は10に記載の粒子の検出方法。」 (本件発明12) 「前記複数の光検出器の少なくとも一つが前記散乱光を検出する、請求項11に記載の粒子の検出方法。」 (本件発明13) 「前記反応光が、前記粒子で生じる蛍光を含む、請求項9から12のいずれか1項に記載の粒子の検出方法。」 (本件発明14) 「前記複数の光検出器の少なくとも一つが前記蛍光を検出する、請求項13に記載の粒子の検出方法。」 第4 取消理由の概要 当審において、請求項1、3?8、10?14に係る特許に対して通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 1 請求項1、3?8、10?14に係る発明は、甲第1号証(特開2013-117466号公報)に記載された発明であるから、請求項1、3?8、10?14に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 2 請求項1、3?8、10?14に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲6に記載された事項(特公平6-52232号公報)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1、3?8、10?14に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 第5 甲各号証の記載 特許異議申立人が提出した証拠は、以下の甲第1号証?甲第6号証(以下「甲1」?「甲6」という。)である。 甲1:特開2013-117466号公報 甲2:特許第4284031号公報 甲3:特開2001-281135号公報 甲4:特開2006-258776号公報 甲5:特開2005-300292号公報 甲6:特公平6-52232号公報 1 甲1について (1)甲1の記載 甲1には、次の事項が記載されている。なお、下線は当審で付加した。 (甲1ア) 「【請求項1】 検出する対象物を含む液体に向けて所定の波長の光を照射する発光手段と、 前記対象物又は前記液体と前記発光手段により照射された光との相互作用により放出される光のうち、透過する前記液体から放出されるラマン散乱光を低減し、且つ前記対象物から放出される自家蛍光を透過させる自家蛍光選択光学手段と、 前記自家蛍光選択光学手段により前記ラマン散乱光が低減された後の光に基づいて、前記液体に含まれる前記対象物が生物粒子であるか否かを判定する生物粒子判定手段とを備え、 前記発光手段は、照射後放出される前記自家蛍光のピーク波長と前記ラマン散乱光のピーク波長とを異ならせる前記所定の波長の光を照射することを特徴とする生物粒子計数器。 【請求項2】 請求項1に記載の生物粒子計数器において、 前記対象物から放出される散乱光を反射し、前記自家蛍光及び前記ラマン散乱光を含む光を透過する散乱光選択光学手段をさらに備え、 前記生物粒子判定手段は、 前記散乱光選択光学手段及び前記自家蛍光選択光学手段を経た後の光に基づいて、前記液体に含まれる前記対象物が生物粒子であるか否かを判定することを特徴とする生物粒子計数器。 【請求項3】 請求項2に記載の生物粒子計数器において、 前記自家蛍光選択光学手段を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じる大きさの第1信号を出力する自家蛍光受光手段と、 前記散乱光選択光学手段を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じる大きさの第2信号を出力する散乱光受光手段と、 前記散乱光受光手段により出力された前記第2信号の大きさが所定の閾値以上である場合、前記液体に含まれる対象物から放出された散乱光を検出したとして検出信号を出力する散乱光検出信号出力手段と、 前記散乱光選択光学手段から前記自家蛍光選択光学手段を経て前記自家蛍光受光手段までの光路に、前記光路以外から入射する光が入り込むことを防ぐ遮光壁とをさらに備え、 前記生物粒子判定手段は、 前記散乱光検出信号出力手段により前記検出信号が出力された場合であって、前記散乱光受光手段により前記液体に含まれる前記対象物から放出された前記散乱光が受光された時点と同時期に前記自家蛍光受光手段により光が受光され、前記時点と同時期に前記自家蛍光受光手段により前記受光された光に対応する前記第1信号の大きさが所定の閾値以上である場合、前記散乱光検出信号出力手段により出力された前記検出信号に対応する前記液体に含まれる前記対象物を生物粒子であると判定することを特徴とする生物粒子計数器。」 (甲1イ) 「【0080】 〔蛍光用受光装置及び散乱用受光装置からの出力信号の一例〕 図12は、蛍光用受光装置及び散乱用受光装置からの出力信号の一例を示す図である。 図12中の上段の信号は蛍光用受光装置のフォトマル90から出力された検出信号に対応する信号Aの時間変化分布、図12中の下段の信号は散乱用受光装置のフォトダイオード110から出力された検出信号に対応する信号Bの時間変化分布を示している。ここで、図12中の上下段に示されている信号A及び信号Bの分布はタイミング調整された分布であると想定する。また、横軸の時間については、時刻t1、t2、t3、…といった順に時間が経過していることを示している。」 (甲1ウ)図12 (2)甲1発明 上記(1)の記載を総合すると、甲1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「検出する対象物を含む液体に向けて所定の波長の光を照射する発光手段と、 前記対象物又は前記液体と前記発光手段により照射された光との相互作用により放出される光のうち、透過する前記液体から放出されるラマン散乱光を低減し、且つ前記対象物から放出される自家蛍光を透過させる自家蛍光選択光学手段と、 前記対象物から放出される散乱光を反射し、前記自家蛍光及び前記ラマン散乱光を含む光を透過する散乱光選択光学手段と、 前記散乱光選択光学手段及び前記自家蛍光選択光学手段を経た後の光に基づいて、前記液体に含まれる前記対象物が生物粒子であるか否かを判定する生物粒子判定手段と、 を備える生物粒子計数器であって、 前記自家蛍光選択光学手段を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じる大きさの第1信号を出力する自家蛍光受光手段と、 前記散乱光選択光学手段を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じる大きさの第2信号を出力する散乱光受光手段と、 前記散乱光受光手段により出力された前記第2信号の大きさが所定の閾値以上である場合、前記液体に含まれる対象物から放出された散乱光を検出したとして検出信号を出力する散乱光検出信号出力手段と、 をさらに備え、 前記生物粒子判定手段は、 前記散乱光検出信号出力手段により前記検出信号が出力された場合であって、前記散乱光受光手段により前記液体に含まれる前記対象物から放出された前記散乱光が受光された時点と同時期に前記自家蛍光受光手段により光が受光され、前記時点と同時期に前記自家蛍光受光手段により前記受光された光に対応する前記第1信号の大きさが所定の閾値以上である場合、前記散乱光検出信号出力手段により出力された前記検出信号に対応する前記液体に含まれる前記対象物を生物粒子であると判定する、 生物粒子計数器。」 2 甲2について 甲2には、次の事項が記載されている。 (甲2ア) 「【0019】 図2は信号処理部9の構成を示すブロック図であり、図3は処理される電気信号を示すタイムチャートである。 図2において、電気信号Sa,Sbがスムージングフィルタ11a,11bによりそれぞれ平滑化され、例えば、図3の(a),(b)に示す信号SA,SBが得られる。この場合、信号SBは信号SAより位相が遅れている。 【0020】 信号SA,SBはそれぞれしきい値設定部12a,12bから出力されるしきい値Ta,Tbと比較部13a,13bにおいて比較される。比較部13a,13bは図3の(c),(d)に示すようにそれぞれ信号SA,SBがしきい値Ta,Tbより大きい期間Wa,Wbがアクティブとなるイネーブル信号Ea,Ebを出力する。 【0021】 論理和算出部14は、イネーブル信号Ea,Ebの論理和を算出し、算出結果から図3の(e)に示すように期間Wcがアクティブとなるイネーブル信号Ecを出力する。 【0022】 そして、論理積算出部15aはイネーブル信号EaとEcの論理積Faを算出する。ピーク値算出部16aおよび時間幅算出部17aは、論理積Faがアクティブである期間において、それぞれピーク値Paと時間幅(パルス幅)Waを算出する。 【0023】 一方、論理積算出部15bも同様に、イネーブル信号EbとEcの論理積Fbを算出する。ピーク値算出部16bおよび時間幅算出部17bは、論理積Fbがアクティブである期間において、それぞれピーク値Pbと時間幅(パルス幅)Wbを算出する。分析部18は、ピーク値Pa,Pbおよび時間幅Wa,Wbを統計的に処理して測定対象粒子の分析を行い、分析結果を出力部19から出力する。 【0024】 図3に示す例では、信号SBが信号SAより遅れているので、従来のように信号Ea,Ebのいずれか一方をトリガ信号とすると、他方の信号のパルス幅は部分的に削除され誤って検出されるが、この発明では、いずれの信号に対しても正しいパルス幅が得られることが分かる。」 (甲2イ)図2 (甲2ウ)図3 3 甲3について 甲3には、次の事項が記載されている。 「【0006】また、蛍光等の微弱な光の検出信号は高周波ノイズのために一般的にS/N比が低く、その高周波ノイズを低減するために、従来ではアナログ回路によるフィルタを設けるのが一般的であった。」 4 甲4について 甲4には、次の事項が記載されている。 「【0018】 前記構成からなる粒子分類装置においては、蛍光は散乱光に比較して、極めて弱い光のため、感度とS/N比を上げることが重要になる場合がある。すなわち、蛍光励起用の光源および散乱光励起用の光源からの直接光は、各種の光学素子やフローセルで反射・屈折・散乱を生じる。このような光は、検出しようとしている蛍光と比較して、極めて大きな強度となっている(これを迷光という)。」 5 甲5について 甲5には、次の事項が記載されている。 「【0035】 図6は蛍光測定用カット6の1例である。蛍光測定では、通常、蛍光測定用カットフィルタは励起光を可能な限り透過させないような特性のフィルタ(例えば励起波長透過率0.0001%以下、蛍光波長帯透過率80%以上)とするのが一般的である。図5ではラインセンサにより励起波長成分と、蛍光波長成分を同時に分光して検出する。そのため、図6のように、励起波長域の透過率が0.1%程度、蛍光波長帯透過率80%以上のように、励起波長成分を一部透過するような特性とする。一般に蛍光体からの蛍光強度は(蛍光体濃度が1nM程度と低いため)非常に弱く、散乱光強度はそれに比して十分に大きいため、そのままでは強度比が大きく同一検出器では測定できない。」 6 甲6について 甲6には、次の事項が記載されている。 (甲6ア) 「a 各チャンネル間で互いに位相のずれた信号パルス列の中で、正確に1個の粒子に対応した信号パルスの幅、面積の情報を得るための判断として、1個の粒子に対応して確実に1つのピークを持つ信号パルスが得られるチャンネルをベースとし、そのチャンネルの信号パルスのピーク時点において、他のチャンネルの検出信号レベルが、幅を定義するためのスレッシュホールドレベル以上の時に、現時点の他のチャンネルの信号パルスは1個の粒子に対応したものであると判断する。第3図のAでは、ベースチャンネルの信号パルスのピーク時点において、他のチャンネルの信号レベルがスレッシュホールドレベル以上にあるから、1個の粒子に対応したものであると判断され、Bではベースチャンネルと他のチャンネルのパルスは、1個の粒子に対応していないと判断される。」(第8欄第1?15行) (甲6イ)第3図 第6 当審の判断 1 本件発明3について (1)対比 本件発明3と引用発明とを対比する。 ア 引用発明の「検出する対象物を含む液体に向けて所定の波長の光を照射する発光手段」は、本件発明3の「検査光を発する検査光源」に相当する。 イ 引用発明の「前記自家蛍光選択光学手段を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じる大きさの第1信号を出力する自家蛍光受光手段と、 前記散乱光選択光学手段を経た後の光を受光し、前記受光した際の光の光量に応じる大きさの第2信号を出力する散乱光受光手段」は、本件発明3の「前記検査光を照射された粒子で生じた反応光を検出してそれぞれのチャネルに電気信号を生成する複数の光検出器」に相当する。 ウ 引用発明の「前記散乱光受光手段により出力された前記第2信号の大きさが所定の閾値以上である場合、前記液体に含まれる対象物から放出された散乱光を検出したとして検出信号を出力する散乱光検出信号出力手段」が、本件発明3の「前記それぞれのチャネル」のうち一方のチャネル「における電気信号のパルスを検出するパルス検出部」に相当する。 また、引用発明の「前記生物粒子判定手段」が、「前記第1信号の大きさが所定の閾値以上である」か否か、すなわち、対象物から自家蛍光が放出されたか否かを検出する手段(工程)を備えていることは明らかであるから、本件発明3の「前記それぞれのチャネル」のうち他方のチャネル「における電気信号のパルスを検出するパルス検出部」に相当する構成を備えているといえる。 よって、引用発明は、本件発明3の「前記それぞれのチャネルにおける電気信号のパルスを検出するパルス検出部」に相当する構成を備えているといえる。 エ 引用発明の「散乱光受光手段」は、「自家蛍光受光手段」と比べて、信号雑音比が大きいチャネルであることは明らかである。 また、引用発明の「前記生物粒子判定手段」が、「散乱光受光手段により」「対象物から放出された前記散乱光が受光された時点」と、「前記自家蛍光受光手段により」対象物から放出された自家蛍光が受光された時点とが、「同時期」であるか否かを判断する手段を備えていることは明らかである。 よって、引用発明は、本件発明3の「信号雑音比が最も大きいチャネルである基準チャネルにおける電気信号のパルスと、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスに対して所定の時間差の範囲内で生じた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスと、を関連づける関連づけ部」と、「信号雑音比が最も大きいチャネルである基準チャネルにおける電気信号のパルスと、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスに対して同時期に生じた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスと、を関連づける関連づけ部」の点で共通する構成を備えているといえる。 オ 上記ウ及びエを踏まえると、引用発明の「前記散乱光検出信号出力手段により前記検出信号が出力された場合であって、前記散乱光受光手段により前記液体に含まれる前記対象物から放出された前記散乱光が受光された時点と同時期に前記自家蛍光受光手段により光が受光され、前記時点と同時期に前記自家蛍光受光手段により前記受光された光に対応する前記第1信号の大きさが所定の閾値以上である場合、前記散乱光検出信号出力手段により出力された前記検出信号に対応する前記液体に含まれる前記対象物を生物粒子であると判定する」「生物粒子判定手段」は、本件発明3の「前記関連づけられた電気信号のパルスに基づき、前記粒子の属性を特定する属性特定部」に相当する。 カ 引用発明の「第1信号」及び「第2信号」が、「受光した際の光の光量に応じる大きさ」で「出力」されることは、本件発明3の「前記電気信号のパルスが、前記電気信号の強度に基づいて検出される」ことに相当する。 キ 引用発明の「生物粒子計数器」は、本件発明3の「粒子検出装置」に相当する。 (2)一致点・相違点 してみると、本件発明3と引用発明とは、次の点で一致し、次の点で相違する。 (一致点) 「検査光を発する検査光源と、 前記検査光を照射された粒子で生じた反応光を検出してそれぞれのチャネルに電気信号を生成する複数の光検出器と、 前記それぞれのチャネルにおける電気信号のパルスを検出するパルス検出部と、 信号雑音比が最も大きいチャネルである基準チャネルにおける電気信号のパルスと、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスに対して同時期に生じた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスと、を関連づける関連づけ部と、 前記関連づけられた電気信号のパルスに基づき、前記粒子の属性を特定する属性特定部と、 を備える、粒子検出装置であって、 前記電気信号のパルスが、前記電気信号の強度に基づいて検出される、 粒子検出装置。」 (相違点) 同時期に生じたパルス同士を関連付けるに際し、本件発明3では、「前記パルス検出部が、前記電気信号のパルスの重心を与える時刻を、前記パルスが現れた時刻として特定し、前記関連づけ部が、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスが現れた時刻に対し、前記所定の時間差の範囲内の時刻に現れた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスを、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスと関連づける」のに対し、引用発明では、「前記生物粒子判定手段」が、「散乱光受光手段により」「対象物から放出された前記散乱光が受光された時点」と、「前記自家蛍光受光手段により」対象物から放出された自家蛍光が受光された時点とが、「同時期」であるか否かを判断している点。 (3)判断 上記相違点について検討する。 本件特許明細書には、「所定の時間差」について、段落【0035】に「所定の時間差は、例えば、チャネルCh.1、Ch.2、Ch.3のそれぞれの遅延時間の違い等に基づき、予め設定される」と記載されている。一方、甲第1号証には、段落【0080】に「図12中の上段の信号は蛍光用受光装置のフォトマル90から出力された検出信号に対応する信号Aの時間変化分布、図12中の下段の信号は散乱用受光装置のフォトダイオード110から出力された検出信号に対応する信号Bの時間変化分布を示している。ここで、図12中の上下段に示されている信号A及び信号Bの分布はタイミング調整された分布であると想定する。」との記載があるが、前記「タイミング調整」を具体的にどのように行うかの記載が一切ないことを踏まえると、引用発明の、「散乱光受光手段により」「対象物から放出された前記散乱光が受光された時点」と、「前記自家蛍光受光手段により」対象物から放出された自家蛍光が受光された時点とが、「同時期」であるか否かを判断する手段における「同時期」は、散乱光受光手段からの信号と自家蛍光受光手段からの信号とが、何かしらの手段により遅延時間の調整が前もってなされた、遅延時間を含まない時間幅の短いもの(前者)と理解することもできるし、遅延時間の調整が前もってなされずに、遅延時間を折り込んだ時間幅の長いもの(後者)と理解することもできる。 してみると、上記前者の理解に立つと、引用発明において、パルス同士を関連付けるための「同時期」を、何かしらの手段により遅延時間の調整が前もってなされた、遅延時間を含まない時間幅の短いものから、例えば甲6の第8欄第1?15行の記載や第3図(上記第5 の6)を参照し、遅延時間を折り込んだ時間幅の長いものとすることで、「所定の時間差の範囲内」とすることは、当業者が容易になし得ることであり、また、上記後者の理解に立つと、この点は実質的な相違点とはならない。 しかしながら、所定の時間差の範囲内(又は同時期)に生じたパルス同士を関連付けるに際し、本件発明3のように、「前記電気信号のパルスの重心を与える時刻を、前記パルスが現れた時刻として特定し、」「前記基準チャネルにおける電気信号のパルスが現れた時刻に対し、前記所定の時間差の範囲内の時刻に現れた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスを、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスと関連づける」ことは、甲1?6(上記第5の1?6)に記載も示唆もなく、周知技術であるという証拠もない。 よって、上記相違点に係る本件発明3の構成は、引用発明及び甲1?6に記載された事項に基づいて当業者が容易に想到し得ることではない。 そして、本件特許明細書の【0050】に記載の「パルス波形の重心を算出することにより、パルスが現れた時刻を算出している。重心の算出においては、一定の期間のパルス波形を用いるため、ノイズの影響を抑制することが可能となる。また、パルスの幅や高さの変化がパルス位置の検出に与える影響も抑制することが可能となる。」などの本件発明3の奏する作用効果は、甲1?6の記載から予測される範囲内のものではない。 (4)小括 したがって、上記相違点は実質的な相違点であるから、本件発明3は、引用発明ではなく、また、引用発明及び甲1?6に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 2 本件発明4?7について 本件発明4?7は、上記相違点に係る本件発明3の構成を備えているから、上記本件発明3についての判断と同様の理由により、本件発明4?7は、引用発明ではなく、また、引用発明及び甲1?6に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 3 本件発明10?14について 本件発明10?14は、それぞれ、本願発明3?7の粒子検出装置に実質的に相当する粒子の検出方法であるから、上記本件発明3?7についての判断と同様の理由により、本件発明10?14は、引用発明ではなく、また、引用発明及び甲1?6に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明3?7、10?14に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明3?7、10?14に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 そして、請求項1及び8に係る特許は、本件訂正により削除されたので、本件特許の請求項1及び8に対してなされた特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (削除) 【請求項2】 検査光を発する検査光源と、 前記検査光を照射された粒子で生じた反応光を検出してそれぞれのチャネルに電気信号を生成する複数の光検出器と、 前記それぞれのチャネルにおける電気信号のパルスを検出するパルス検出部と、 信号雑音比が最も大きいチャネルである基準チャネルにおける電気信号のパルスと、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスに対して所定の時間差の範囲内で生じた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスと、を関連づける関連づけ部と、 前記関連づけられた電気信号のパルスに基づき、前記粒子の属性を特定する属性特定部と、 を備える、粒子検出装置であって、 前記パルス検出部が、前記電気信号のパルスの重心を与える時刻を、前記パルスが現れた時刻として特定し、 前記関連づけ部が、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスが現れた時刻に対し、前記所定の時間差の範囲内の時刻に現れた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスを、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスと関連づける、 粒子検出装置。 【請求項3】 前記電気信号のパルスが、前記電気信号の強度に基づいて検出される、請求項2に記載の粒子検出装置。 【請求項4】 前記反応光が、前記粒子で生じる散乱光を含む、請求項2又は3に記載の粒子検出装置。 【請求項5】 前記複数の光検出器の少なくとも一つが前記散乱光を検出する、請求項4に記載の粒子検出装置。 【請求項6】 前記反応光が、前記粒子で生じる蛍光を含む、請求項2から5のいずれか1項に記載の粒子検出装置。 【請求項7】 前記複数の光検出器の少なくとも一つが前記蛍光を検出する、請求項6に記載の粒子検出装置。 【請求項8】 (削除) 【請求項9】 検査光を照射された粒子で生じた反応光を複数の光検出器で検出してそれぞれのチャネルに電気信号を生成することと、 前記それぞれのチャネルにおける電気信号のパルスを検出することと、 信号雑音比が最も大きいチャネルである基準チャネルにおける電気信号のパルスと、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスに対して所定の時間差の範囲内で生じた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスと、を関連づけることと、 前記関連づけられた電気信号のパルスに基づき、前記粒子の属性を特定することと、 を備える、粒子の検出方法であって、 前記パルスを検出することにおいて、前記電気信号のパルスの重心を与える時刻を、前記パルスが現れた時刻として特定し、 前記基準チャネルにおける電気信号のパルスが現れた時刻に対し、前記所定の時間差の範囲内の時刻に現れた、前記基準チャネル以外のチャネルにおける電気信号のパルスを、前記基準チャネルにおける電気信号のパルスと関連づける、 粒子の検出方法。 【請求項10】 前記電気信号のパルスが、前記電気信号の強度に基づいて検出される、請求項9に記載の粒子の検出方法。 【請求項11】 前記反応光が、前記粒子で生じる散乱光を含む、請求項9又は10に記載の粒子の検出方法。 【請求項12】 前記複数の光検出器の少なくとも一つが前記散乱光を検出する、請求項11に記載の粒子の検出方法。 【請求項13】 前記反応光が、前記粒子で生じる蛍光を含む、請求項9から12のいずれか1項に記載の粒子の検出方法。 【請求項14】 前記複数の光検出器の少なくとも一つが前記蛍光を検出する、請求項13に記載の粒子の検出方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2020-02-20 |
出願番号 | 特願2015-88349(P2015-88349) |
審決分類 |
P
1
652・
121-
YAA
(G01N)
P 1 652・ 113- YAA (G01N) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 西岡 貴央 |
特許庁審判長 |
森 竜介 |
特許庁審判官 |
渡戸 正義 ▲高▼見 重雄 |
登録日 | 2019-02-08 |
登録番号 | 特許第6475069号(P6475069) |
権利者 | アズビル株式会社 |
発明の名称 | 粒子検出装置及び粒子の検出方法 |
代理人 | 大貫 敏史 |
代理人 | 稲葉 良幸 |
代理人 | 大貫 敏史 |
代理人 | 内藤 和彦 |
代理人 | 伊東 有道 |
代理人 | 江口 昭彦 |
代理人 | 山崎 崇裕 |
代理人 | 伊東 有道 |
代理人 | 内藤 和彦 |
代理人 | 江口 昭彦 |
代理人 | 稲葉 良幸 |