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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  C08G
審判 全部申し立て 特174条1項  C08G
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C08G
管理番号 1361483
異議申立番号 異議2020-700009  
総通号数 245 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-05-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-01-09 
確定日 2020-03-27 
異議申立件数
事件の表示 特許第6543489号発明「水性硬化性樹脂組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6543489号の請求項1ないし7に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6543489号に係る発明は、平成27年3月19日に特許出願され(優先権主張 平成26年5月29日)、令和元年6月21日にその特許権の設定登録がなされ、同年7月10日に特許公報への掲載がなされ、その後、令和2年1月9日に特許異議申立人 岡本正義(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。

第2 本件発明
本件の請求項1?7に係る発明(以下、「本件発明1」?「本件発明7」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1?7に記載された以下の事項によって特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルション粒子と、重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートとを含有する水性硬化性樹脂組成物であって、前記(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの原料として用いられるモノマー成分における(ブロック)イソシアネート基を有するモノマーの含有率が5?80質量%であり、前記水性硬化性樹脂組成物の有効成分における(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの含有率が10?70質量%であり、前記有効成分における重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートの含有率が30?90質量%であり、前記有効成分が(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルション粒子および重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートであることを特徴とする水性硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記モノマー成分における(ブロック)イソシアネート基を有するモノマーの含有率が10?50質量%であり、前記有効成分における(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの含有率が20?60質量%であり、前記有効成分における重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートの含有率が40?80質量%である請求項1に記載の水性硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記(ブロック)イソシアネート基を有するモノマーが、イソシアネート基がピラゾールでブロックされた(メタ)アクリレートである請求項1または2に記載の水性硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
前記水性硬化性樹脂組成物が加飾フィルムまたは水性インクの用途に用いるための水性硬化性樹脂組成物である請求項1または2に記載の水性硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルション粒子と、重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートとを含有する水性硬化性樹脂組成物の製造方法であって、(ブロック)イソシアネート基を有するモノマーを含有するモノマー成分を乳化重合させて前記(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを製造する際に、前記モノマー成分における(ブロック)イソシアネート基を有するモノマーの含有率を5?80質量%に調整し、前記水性硬化性樹脂組成物の有効成分として(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルション粒子および重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートを用い、前記水性硬化性樹脂組成物の有効成分における(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの含有率を10?70質量%を調製し、前記有効成分における重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートの含有率を30?90質量%に調整することを特徴とする請求項1に記載の水性硬化性樹脂組成物の製造方法。
【請求項6】
(ブロック)イソシアネート基を有するモノマーが(ブロック)イソシアネート基および重合性不飽和二重結合を有するモノマーである請求項5に記載の水性硬化性樹脂組成物の製造方法。
【請求項7】
前記モノマー成分として(ブロック)イソシアネート基を有するモノマーを10?50質量%の含有率で含有するモノマー成分を用いて前記(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを製造し、前記有効成分における(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの含有率を20?60質量%に調整し、前記有効成分における重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートの含有率を40?80質量%に調整する請求項5または6に記載の水性硬化性樹脂組成物の製造方法。」

第3 異議申立ての理由の概要
申立人の異議申立ての理由は、概要以下のとおりである。
・申立ての理由1
本件請求項1?7に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第3?4号証に記載された技術的事項に基づいて、また、甲第2号証に記載された発明及び甲第3?4号証に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到したものであり、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものであるから、係る発明の特許は同法第113条第2号の規定により取り消すべきものである。
・申立ての理由2
本件請求項1?7に係る発明の特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号の規定により取り消すべきものである。
・申立ての理由3
本件請求項1?7に係る発明の特許は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第1号の規定により取り消すべきものである。

<証拠方法>
甲第1号証:特開2009-234257号公報
甲第2号証:特開2002-256130号公報
甲第3号証:特表2009-510179号公報
甲第4号証:米国特許出願公開第2006/0135684号明細書
(以下、「甲第1号証」?「甲第4号証」を、それぞれ「甲1」?「甲4」という。)

第4 異議申立ての理由についての判断
1 申立ての理由1について
(1) 甲1を主引用例とする主張について
ア 甲1に記載された事項
(ア)「【請求項1】
ガラス転位温度が-10℃以下であり、酸価が100mgKOH/g以下であり、且つその構成成分として少なくともアルキル(メタ)アクリレートおよび/または環状アルキル(メタ)アクリレートと、エチレン系不飽和基および反応性基を有する反応性化合物とを用いて合成された高分子微粒子を含んでなることを特徴とする顔料定着液。
【請求項2】
前記反応性基が、ブロックイソシアネートまたはオキサゾリン基であることを特徴とする請求項1記載の顔料定着液。」
(イ)「【0001】
本発明は、耐擦性およびドライクリーニング性に優れる顔料定着液、当該顔料定着液と、発色性、吐出安定性、定着性に優れるインク組成物とを有するインクセット、並びに当該顔料定着液と当該インク組成物とを用いる耐擦性およびドライクリーニング性に優れた印捺物の製造方法および当該方法により得られる印捺物に関する。」
(ウ)「【0012】
そこで本発明は、上述した課題を解決するもので、その目的とするところは、耐擦性およびドライクリーニング性に優れる顔料定着液(パディング液)、当該顔料定着液と、発色性、吐出安定性、定着性に優れ、インクジェット記録用に好適に使用できるインク組成物とを有するインクセット、並びに当該顔料定着液と当該インク組成物とを用いる耐擦性およびドライクリーニング性に優れる印捺物の製造方法および印捺物を提供することにある。」
(エ)「【0026】
高分子微粒子が構成成分として含有するエチレン系不飽和基を有するブロックイソシアネートの例として、昭和電工製カレンズMOI-BM、カレンズMOI-BP等が入手できる。」
(オ)「【0055】
以下、本発明を実施例等により、さらに具体的に説明する。なお、本発明はかかる実施例に何ら限定されるものではない。尚、下記実施例の各組成において「部」「%」は、特に断りのない限りそれぞれ「質量部」「質量%」を意味する。
【0056】
(実施例A-1)

【0058】
(2)顔料定着液の調製
顔料定着液の調製は、下記の方法で作製した高分子微粒子水分散液(エマルジョンAA)を用い、表3に示すビヒクル成分と混合することによって行った。尚、本実施形態Aにおける本顔料定着液並びにその他の実施例、比較例および参考例の顔料定着液中の「イオン交換水(残量)」には、インクの腐食防止のためトップサイド240(パーマケムアジア社製)が0.05%、インクジェットヘッド部材の腐食防止のためベンゾトリアゾールが0.02%、およびインク中の金属イオンの影響を低減するためにEDTA(エチレンジアミン四酢酸)・2Na塩が0.04%含まれている。
【0059】
高分子微粒子の作製
反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部を添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、グリシドキシアクリレート4部、エチルアクリレート15部、ブチルアクリレート15部、テトラヒドロフルフリルアクリレート6部、ブチルメタクリレート5部およびt-ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート30部、メチルアクリレート25部、昭和電工製カレンズMOI-BMを6部、アクリル酸5部、t-ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8?8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作製してエマルジョンAA(EM-AA)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ-15℃であった。株式会社日立製作所製L7100システムのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、溶剤をTHFとして測定したときのスチレン換算分子量は150000であった。また、滴定法による酸価は20mgKOH/gであった。
【0060】
(3)印捺物の製造方法
上記インクを用い、インクジェットプリンターとしてセイコーエプソン株式会社製PX-V600を用いて、綿布にベタ印字した印刷物を作成した。その後、この印刷物に上記顔料定着液を同プリンターを用いてベタ印字し、150℃で5分間加熱処理して、サンプルの印捺物を得た。

【0063】
(実施例A-2)

【0066】
(2)顔料定着液の調製
顔料定着液の調製は、下記の方法で作製した高分子微粒子水分散液(エマルジョンAB)を用い、表3に示すビヒクル成分と混合することによって行った。
【0067】
高分子微粒子の作製
反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.2部を添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート19部、ブチルアクリレート15部、テトラヒドロフルフリルアクリレート6部、ブチルメタクリレート5部およびt-ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート30部、メチルアクリレート25部、ブチルアクリレート10部、昭和電工製カレンズMOI-BMを6部、アクリル酸5部、t-ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8?8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作成してエマルジョンAB(EM-AB)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ-17℃であった。実施例A-1と同様に分子量を測定したところ200000であった。また、滴定法による酸価は20mgKOH/gであった。
【0068】
(3)印捺物の製造方法
実施例A-2のインクおよび顔料定着液を用い、実施例A-1と同様の方法でサンプルの印捺物を得た。

【0092】
(実施例A-5)

【0094】
(2)顔料定着液の調製
顔料定着液の調製は、下記の方法で作製した高分子微粒子水分散液(エマルジョンAI)を用い、表6に示すビヒクル成分と混合することによって行った。
【0095】
高分子微粒子の作製
反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.3部を添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート20部、ブチルアクリレート15部、ラウリルアクリレート6部、ブチルメタクリレート5部およびt-ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート24部、昭和電工製カレンズMOI-BPを6部、ブチルアクリレート25部、ラウリルアクリレート16部、アクリル酸5部、t-ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8?8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作成してエマルジョンAI(EM-AI)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ-19℃であった。実施例A-1と同じ方法で分子量を測定したところ180000であった。また、滴定法による酸価は18mgKOH/gであった。
【0096】
(3)印捺物の製造方法
実施例A-5のインクおよび顔料定着液を用い、実施例A-1と同様の方法でサンプルの印捺物を得た。

【0099】
(実施例A-6)

【0102】
(2)顔料定着液の調製
顔料定着液の調製は、下記の方法で作製した高分子微粒子水分散液(エマルジョンAJ)を用い、表6に示すビヒクル成分と混合することによって行った。
【0103】
高分子微粒子の作製
反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過流酸カリを0.3部を添加しておき、イオン交換水7部にラウリル硫酸ナトリウムを0.05部、エチルアクリレート20部、ブチルアクリレート25部、ラウリルアクリレート6部、ブチルメタクリレート5部およびt-ドデシルメルカプタン0.02部を入れたモノマー溶液を、70℃に滴下して反応させて1次物質を作製する。その1次物質に、過流酸アンモニウム10%溶液2部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30部、ラウリル硫酸カリ0.2部、エチルアクリレート14部、昭和電工製カレンズMOI-BMを6部、ブチルアクリレート20部、ラウリルアクリレート20部、アクリル酸5部、t-ドデシルメルカプタン0.5部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8?8.5にして0.3μmのフィルターでろ過した高分子微粒子水分散液を作成してエマルジョンAJ(EM-AJ)とした。この高分子微粒子水分散液の一部を取り乾燥させた後、示差操作型熱量計(セイコー電子製EXSTAR6000DSC)によりガラス転位温度を測定したところ-21℃であった。また、滴定法による酸価は18mgKOH/gであった。
【0104】
(3)印捺物の製造方法
実施例A-6のインクおよび顔料定着液を用い、実施例A-1と同様の方法でサンプルの印捺物を得た。」

イ 甲3に記載された事項
(ア)「【請求項1】
乳化重合によって製造されたアクリル系エマルションを必須成分とする水系硬化性樹脂組成物であって、
該アクリル系エマルションは、エマルション粒子中に硬化性モノマー及び/又はオリゴマーを含有するものであることを特徴とする水系硬化性樹脂組成物。

【請求項3】
前記硬化性モノマーは、多官能(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1又は2記載の水系樹脂硬化組成物。」
(イ)「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、環境対応において有利であり、また成膜助剤を用いることなく塗工が可能で、エマルションの分散安定性を向上させることができ、しかも硬化性、耐久性、耐汚染性等の塗膜物性を向上させることができる水系硬化性樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】

【0007】
すなわち本発明は、乳化重合によって製造されたアクリル系エマルションを必須成分とする水系硬化性樹脂組成物であって、上記アクリル系エマルションは、エマルション粒子中に硬化性モノマー及び/又はオリゴマーを含有するものであることを特徴とする水系硬化性樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。」
(ウ)「【0009】
本発明においては、硬化性モノマー及び/又はオリゴマーがアクリル系エマルション粒子中に存在することにより、造膜過程において、成膜助剤を用いなくとも、硬化性モノマー及び/又はオリゴマーが成膜助剤効果を発現して塗膜を形成することができ、かつ、硬化する際に硬化性モノマー及び/又はオリゴマーも硬化に寄与し、塗膜の硬化性、耐久性及び耐汚染性が向上することになる。

【0014】
上記硬化性モノマー及び/又はオリゴマーとしては、モノマー及び/又はオリゴマーであり、紫外線並びに熱及び/又は電子線にて硬化又は重合するものであり、親水性又は疎水性のものである。すなわち、上記硬化性モノマー及び/又はオリゴマーの好ましい形態としては、(1)紫外線硬化性親水性モノマー、熱硬化性親水性モノマー又は電子線硬化性親水性モノマー、(2)紫外線硬化性疎水性モノマー、熱硬化性疎水性モノマー又は電子線硬化性疎水性モノマー、(3)紫外線硬化性親水性オリゴマー、熱硬化性親水性オリゴマー又は電子線硬化性親水性オリゴマー、(4)紫外線硬化性疎水性オリゴマー、熱硬化性疎水性オリゴマー又は電子線硬化性疎水性オリゴマーであり、成膜助剤機能と硬化機能、特に紫外線、熱、又は電子線硬化機能とを両立させるようなものが好適である。より好ましくは、エマルション粒子中に吸わせることができ、含浸させやすい疎水性モノマー及び/又は疎水性オリゴマーである。すなわち、上記硬化性モノマー及び/又はオリゴマーは、疎水性であることがより好ましい。疎水性の硬化性モノマー及び/又はオリゴマーとしては、20℃における水への溶解度が1.0質量%以下のものが好ましく、具体的には、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等、水に対する溶解性がほとんどないものが好適である。また、硬化性モノマーとしては、硬化反応性を有する官能基を2個以上もつ多官能モノマーであることが好ましい。これにより、水系硬化性樹脂組成物によって形成される塗膜がより強靱なものとなり、塗膜物性を向上させることができる。
すなわち、上記水系硬化性樹脂組成物は、紫外線、熱及び電子線の少なくとも一つで硬化又は重合することが好ましい。つまり、それぞれ単独で硬化又は重合してもよいし、2種以上を併用してもよい。具体的には、例えば、加熱後に、必要に応じて紫外線照射や電子線照射を行う形態や、紫外線照射又は電子線照射後、必要に応じて加熱を行う形態等が挙げられる。中でも、紫外線照射又は電子線照射後、更に硬化を完結するために、通常行われるように必要に応じて加熱を行うことがより好ましい。
【0015】
上記硬化性モノマー及び/又はオリゴマーを例示すると、1,6-ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、多官能(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオール(メタ)アクリレート、EO変性1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることが好適である。なお、多官能(メタ)アクリレートとしては、ポリエチレングリコール鎖を有する多官能(メタ)アクリレートであってもよい。
【0016】
上記硬化性モノマーとしては、多官能(メタ)アクリレートであることが好ましく、これにより、硬化性、耐久性、耐汚染性等の塗膜物性をより充分に向上させることが可能となる。ここで、多官能(メタ)アクリレートとは、1分子中に重合性二重結合や各種官能基等の反応点を2以上有し、かつ、当該化合物自身が反応する化合物である(メタ)アクリル酸エステル系化合物を意味する。好ましくは、1分子中に、(メタ)アクリル酸エステルに起因する重合性二重結合(-C=C-COO-、-C=C(CH_(3))-COO-)を2以上有する化合物である。」
(エ)「【0057】
以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
【0058】
以下の実施例及び比較例では、まず、硬化性モノマー又は硬化性オリゴマーを添加する前のアクリル系エマルションが分散した溶液(重合体分散液)を製造する方法(製造例1?6)について説明する。その後、製造例1?6において製造した重合体分散液等に硬化性モノマー又は硬化性オリゴマーを添加して水系硬化性樹脂組成物を製造する方法について、実施例1?16及び比較例1?4として説明する。最後に、用途別の実施例及び比較例として実施例17?25及び比較例5?7について説明する。

【0061】
製造例1
滴下ロート、攪拌機、窒素導入管、温度計及び還流冷却管を備えたフラスコに脱イオン水76.8gを仕込んだ。また、滴下ロートにアクアロンHS-10の25%水溶液4.0g、RN-20の25%水溶液4.0g、脱イオン水5.8g、シクロヘキシルメタクリレート26.0g、n-ブチルメタクリレート3.0g、アクリル酸1.0gからなる一段目のプレエマルションを調整し、そのうち、トータルモノマー量の5%にあたる7.3gをフラスコに添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら攪拌下に75℃まで昇温した。昇温後、5%の過硫酸カリウム水溶液を6.0g添加し、重合を開始した。この時に、反応系内を80℃まで昇温し、10分間維持した。なお、ここまでを初期反応とした。初期反応終了後、反応系内を80℃に維持したまま、調整した1段目用のプレエマルションを50分間にわたって均一滴下した。滴下後、脱イオン水5gで滴下ロートを洗浄し、洗浄液をフラスコに添加した。その後も、同温度で30分間維持し、一段目の重合を終了した。
【0062】
次に、25%アンモニア水を0.9g添加し、10分間攪拌した。引き続いて、アクアロンRN-20の25%水溶液2.0g、脱イオン水23.2g、2-エチルヘキシルアクリレート17.0g、シクロヘキシルメタクリレート14.0g、n-ブチルメタクリレート22.0g、メチルメタクリレート15.0g、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.0g、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジニルメタクリレート1.0gからなる二段目のプレエマルションを130分間にわたって均一滴下した。滴下後、脱イオン水5gで滴下ロートを洗浄し、洗浄液をフラスコに添加した。その後も同温度で30分間維持し、二段目の重合を終了した。得られた反応液を室温まで冷却後、100メッシュの金網でろ過して、固形分43.9%、粘度320mPa・s、pH9.0、MFT70℃のエマルション型の重合体分散液1を得た(計算Tgは31℃である)。
【0063】
製造例2
製造例1で用いた1段目用の重合性単量体のうち、シクロヘキシルメタクリレート26.0gをメチルメタクリレート22.0gに、n-ブチルメタクリレート3.0gから7.0gに代え、2段目用の重量性単量体のうち、シクロヘキシルメタクリレート14.0g及びn-ブチルメタクリレート22.0gをシクロヘキシルメタクリレート35.0gに、2-エチルヘキシルアクリレート17.0gから19.0gに、更に1,2,6,6-ペンタメチルピペリジニルメタクリレート1.0gを使用しないこと以外は、製造例1と同様の方法にて、固形分43.8%、粘度600mPa・s、pH9.0、MFT30℃のエマルション型の重合体分散液2を得た(計算Tgは21℃である)。

【0068】
実施例1
製造例1において得られた重合体分散液1:100部にポリエチレングリコールジアクリレート(商品名:サートマーSR-344)を20部、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-メチル-1-プロパン-1-オン1部を混ぜ、エマルション型の水系硬化性樹脂を得た。
得られた水系硬化性樹脂分散液をアルミ板にWET4milのアプリケーターにて塗工し、1時間室温にて予備乾燥させた後、紫外線照射装置にて4.0kW/cm、500mJ/cm^(2)の条件にて照射を行い、得られた硬化塗膜の性能(振り子式硬度、耐溶剤性、耐汚染性、耐候性)をテストした。結果を表2(A)に示す。
なお、硬化塗膜の性能(振り子式硬度、耐溶剤性、耐汚染性、耐候性)は以下のようにして求めた。

【0073】
実施例2?7
実施例2?7については、重合分散体及び硬化性モノマー又は硬化性オリゴマーを表1に示すものを用いた以外は、同様の操作を繰り返してエマルション型の水系硬化性樹脂組成物(水系硬化性樹脂分散液)を得た。また、得られた水系硬化性樹脂分散液についても実施例1と同様の操作を繰り返し、得られた硬化塗膜の性能(振り子式硬度、耐溶剤性、耐汚染性、耐候性)をテストした。結果を表2(A)に示す。
【0081】
【表1】

【0082】
【表2(A)】

【表2(B)】

【0083】
なお、実施例1?16において用いた硬化性モノマー又は硬化性オリゴマーは、造膜過程における最低造膜温度(MFT)を低下させることができるが、比較例1及び4において用いた硬化性モノマーは、MFTを低下させることができないものである。
また比較例1及び4は均一な膜が得られなかったため、試験をすることができなかった。」

ウ 甲4に記載された事項
甲4は英文で作成されたものであるところ、合議体で作成した訳を並記する。
(ア)「BACKGROUND
[0002] There is a significant need for lower VOC-containing (volatile organic compound-containing) and formaldehyde-free systems in the coatings industry due to increasing environmental restrictions. Aqueous-based thermoplastic coatings, such as latexes can be applied with low levels of solvents and formaldehyde, but they do not have the hardness and chemical resistance required for many applications. Chemically crosslinked coatings, such as aqueous-based melamine cured coatings, that give good block and chemical resistance contain low levels of formaldehyde. For interior applications such as coatings for kitchen cabinets, however, many consumers desire "Green" systems, which are carcinogen free. Other crosslinking technologies such as blocked isocyanates or ethylenically unsatured compounds also achieve the desired performance; however, these technologies are often cost prohibitive or highly irritating either to skin, eyes, or both.
[0003] Thus, what is needed are coating compositions that have one or more of the following properties: high performance, low VOC levels, substantially no formaldehyde content, and low irritation levels.
SUMMARY
[0004] The present invention provides aqueous coating compositions that include polymers having one or more of the following acetoacetyl-functional groups:
O O
|| ||
──C─R^(1)─C─R^(2)
wherein R^(1) is a C1 to C22 alkylene group and R^(2) is a C1 to C22 alkyl group. Preferably, R^(1) is a C1 to C4 alkylene group and R^(2)is a C1 to C4 alkyl group, and more preferably, R^(1) is methylene (─CH_(12)─) and R^(2) is methyl (─CH_(3)).
[0005] Such functionalized polymers are desirable because they can become part of a crosslinked network, thereby providing advantageous coating properties. Preferred compositions also possess one or more of the following properties: low VOC levels, substantially no formaldehyde content, high performance, and low irritation levels.
(訳:従来技術
増大する環境規制のため、塗料業界において、より低いVOC含有(揮発性有機化合物含有)及びホルムアルデヒドを含有しない系の必要性が高まっている。水性ベースの熱可塑性コーティングは、ラテックスのような、溶媒と低レベルのホルムアルデヒドを用いて塗布することができるが、多くの用途のために必要とされる硬度および耐薬品性を有していない。良好なブロックおよび耐薬品性を与える化学的に架橋されたコーティング、水性メラミン硬化コーティングは、低レベルのホルムアルデヒドを含有する。キッチンキャビネットのためのコーティングのような内装用途には、多くの消費者は、発癌性物質を含まない「グリーン」系を望んでいる。ブロックされたイソシアネート、またはエチレン性不飽和化合物のような他の架橋技術もまた、所望の性能を達成するが、しかしながら、これらの技術はしばしば法外なコストになるまたは皮膚、目のいずれか、あるいは双方に高度に刺激性である。
概要
本発明は、以下の1以上のアセトアセチル官能基を有するポリマーを含む水性コーティング組成物を提供する。
(構造式略)
式中、R^(1)は、C1?C22のアルキレン基であり、R^(2)は、C1?C22のアルキル基である。好ましくは、R^(1)はC1?C4のアルキレン基であり、R^(2)は、C1?C4のアルキル基であり、より好ましくは、R^(1)は、メチレンである(-CH_(12)-)及びR^(2)はメチル(-CH_(3))である。
このような官能化ポリマーは、架橋ネットワークの一部となることができ、これによって有利なコーティング特性を提供するので、望ましい。好ましい組成物はまた、1つまたは複数の以下の特性を有する:低VOCレベルを実質的に有さない、ホルムアルデヒド含有率、高性能、および低刺激レベルである。)
(イ)「DETAILED DESCRIPTION OF ILLUSTRATIVE EMBODIMENTS
[0023] The present invention is directed to aqueous coating compositions (e.g., paints) that include acetoacetyl functional polymers and ethylenically unsaturated compounds (monomers, oligomers, polymers, or mixtures thereof), coatings prepared therefrom, and methods of making and using. In some embodiments, the ethylenically unsaturated compounds are (meth)acrylate functional compounds.
(訳:例示的な実施形態の詳細な説明
本発明は、アセトアセチル官能性ポリマーおよびエチレン性不飽和化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマー、またはそれらの混合物)を含む水性のコーティング組成物(例えば、塗料)、それから調製されるコーティング、およびその製造および使用方法に向けられている。いくつかの実施形態において、エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート官能性化合物である。)
(ウ)「[0047] In addition to polymers having acetoacetyl functionality, coating compositions of the present invention also include ethylenically unsaturated compounds. Preferably, such compounds are multifunctional (i.e., include two or more ethylenically unsaturated groups), which makes them suitable crosslinkable diluents. Such compounds may be monomers, oligomers, polymers, or mixtures thereof.
[0048] Preferred such ethylenically unsaturated compounds include (meth)acrylate functionality (wherein "(meth)acrylate" refers to an acrylate and a methacrylate), vinyl functionality, vinyl ether functionality, (meth)allyl ether functionality (wherein (meth)allyl ether refers to an allyl ether and a methallyl ether), or mixtures thereof.
[0049] Coating compositions of the present invention can include one or more different ethylenically unsaturated compounds, preferably one or more (meth)acrylate monomers. Preferably, the (meth)acrylate monomers have two or more (meth)acrylate groups (i.e., they are multifunctional). The (meth)acrylate functional groups of the (meth)acrylate monomers are bonded to core structural groups, which may be based on a wide variety of organic structures including tripropylene glycol, isobornyl alcohol, isodecyl alcohol, phenoxyethyl alcohol, trishydroxyethyl isocyanurate, trimethylolpropane ethoxylate, hexanediol, ethoxylated and propoxylated neopentyl glycol, oxyethylated phenol, polyethylene glycol, bisphenol ethoxylate, neopentyl glycol propoxylate, trimethylolpropane, propoxylated glycerol, di-trimethylolpropane, pentaerythritol, tetrahydrofurfuryl alcohol, beta-carboxyethyl alcohol, substituted derivatives of the above, combinations of the above, and the like.

[0054] The ethylenically unsaturated compounds may be used in various combinations and may also provide a crosslinkable diluent function to the coating compositions.

[0057] Coating compositions of the present invention preferably include an ethylenically unsaturated compound in an amount of at least 5 wt-%, more preferably in an amount of at least 7.5 wt-%, and even more preferably in an amount of at least 10 wt-%, based on the combined weight of the ethylenically unsaturated compound and the acetoacetyl-functional polymer component of the composition. Coating compositions of the present invention preferably include an ethylenically unsaturated compound in an amount of no more than 70 wt-%, more preferably in an amount of no more than 50 wt-%, and even more preferably in an amount of no more than 40 wt-%, based on the combined weight of the ethylenically unsaturated compound and the acetoacetyl-functional polymer component of the composition.」
(訳:アセトアセチル官能基を有するポリマーに加えて、本発明のコーティング組成物はまた、エチレン性不飽和化合物が挙げられる。好ましくは、このような化合物は、多官能性(すなわち、2以上のエチレン性不飽和基を含む)は、それらに適切な架橋性希釈剤となる。このような化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、またはそれらの混合物であってもよい。
好ましいエチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリレート官能性(「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートを指す)、ビニル官能基、ビニルエーテル官能基、(メタ)アリルエーテル((メタ)アリルエーテルはアリルエーテルおよびメタリルエーテルを指す)、またはこれらの混合物が挙げられる。
本発明のコーティング組成物は、1種以上の異なるエチレン性不飽和化合物、好ましくは1種以上の(メタ)アクリレートモノマーを含むことができる。好ましくは、(メタ)アクリレートモノマーは、2個以上の(メタ)アクリレート基(すなわち、多官能性)を有している。(メタ)アクリレートモノマーの(メタ)アクリレート官能基が、トリプロピレングリコール、イソボルニルアルコール、イソデシルアルコール、フェノキシエチルアルコール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、エトキシル酸トリメチロールプロパン、ヘキサンジオール、エトキシル化およびプロポキシル化されたネオペンチルグリコール、オキシエチル化アルキルフェノール、ポリエチレングリコール、ビスフェノールエトキシレート、ネオペンチルグリコールプロポキシラートトリアクリラート、トリメチロールプロパン、プロポキシル化グリセロール、ジ-トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、テトラヒドロフルフリルアルコール、β-カルボキシエチルアルコール、上記の置換された誘導体、上記のものの組み合わせなどを含む、各種の有機構造に基づくコア構造基に結合される。

エチレン性不飽和化合物は、様々な組合せで使用することができ、コーティング組成物に架橋性希釈剤機能を提供することもできる。

本発明のコーティング組成物は、エチレン性不飽和化合物の組み合わせの重量および組成のアセトアセチル官能性ポリマー成分に基づき、少なくとも5重量%の量で、より好ましくは少なくとも7.5重量%の量で、そして更により好ましくは少なくとも10重量%の量でエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましい。本発明のコーティング組成物は、エチレン性不飽和化合物の組み合わせの重量および組成のアセトアセチル官能性ポリマー成分に基づき、好ましくは70重量%以下の量で、より好ましくは50重量%以下の量で、更により好ましくは40重量%以下の量でエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましい。)
(エ)「EXAMPLES
[0086] The following examples are offered to aid in understanding of the present invention and are not to be construed as limiting the scope thereof. Unless otherwise indicated, all parts and percentages are by weight.
Reagents:

[0089] EOTMPTA-Ethoxylated trimethylol propane triacrylate (Sartomer, Exton, Pa.)

[0095] RHODAPON UB-Sodium Lauryl Sulfate (Rhodia, Cranbury, N.J.)

[0097] RHODAPEX CO-436-Nonylphenol Ethoxylated, Sulfate, NH3 Salt (Rhodia, Cranbury, N.J.)

[0103] AAEM-2-(acetoacetoxy) ethyl methacrylate (Aldrich Chemical, Milwaukee, Wis.)

[0105]…
Example 1
Preparation of an acetoacetyl-functional latex polyer
[0106] A reactor is charged with 775.2 parts of deionized water and 18.4 parts CO-436. The reaction mixture is heated to 75℃. under a nitrogen blanket. During heating, a premulsion is formed comprising: 336.4 parts of deionized water, 12.2 parts CO-436, 0.8 parts ammonium persulfate, 370.0 parts of butyl acrylate, 190.2 parts of methyl methacrylate, 118.3 parts of styrene, 78.9 parts AAEM and 31.5 parts of methacrylic acid. Once the reaction mixture reaches 75℃., 5% of the preemulsion is added to the reactor followed by the addition of a mixture of 2.4 parts of ammonium persulfate and 7.5 parts of water. The reaction is held 5-10 minutes, whereupon an exotherm results and then the remaining preemulsion is fed into the reactor vessel over 2 hours. The reaction temperature is held between 80℃. and 85℃., during polymerization. Once the preemulsion feed is complete, the container is rinsed with 20 parts of deionized water and the reaction is held 30 minutes. Once the 30 minute hold is complete, the resulting latex polymer is cooled to 40℃. and a 28% concentrate ammonia is added to adjust the pH to 7.0-7.5 and deionized water is added to adjust the weight solids to 40%.
Example 2
Preparation of a Ultraviolet curable acetoacetyl-functional coating composition
[0107] Under agitation to a stainless steel mixing vessel is added 100 grams of deionized water, 14.2 grams of RHODAPAN UB, and 200 grams EOTMPTA. The mixture is blended until a pre-emulsion forms.
[0108] Under agitation to a stainless steel mixing vessel is added 1000 grams of latex polymer from Example 1, 93 grams of deionized water, and 157 grams of the EOTMPTA pre-emulsion prepared above. This mixture is then held under agitation for 8 hours until the EOTMPTA migrates into the latex polymer. Fifteen (15) grams of IRGACURE 500 is then added to the mixture and held under agitation for another 15 minutes. The mixture is then left overnight to allow the release of any entrapped air.
[0109] The resulting mixture will cure to a hard, chemically resistant finish upon exposure to ultraviolet light. The resulting mixture from Example 2 will also cure to a hard, chemically resistant finish without the need of photoinitiator under electron beam radiation.」
(訳:実施例
以下の実施例は本発明の理解を助けるために提供され、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。他に示されない限り、全ての部およびパーセントは重量基準である。
試薬:

EOTMPTA エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート(Sartomer, Exton, Pa.)

RHODAPON UB ラウリル硫酸ナトリウム(Rhodia, Cranbury, N.J.)

RHODAPEX CO-436 硫酸エトキシル化ノニルフェノールNH3塩(Rhodia, Cranbury, N.J.)

AAEM 2-(アセトアセトキシ)エチルメタクリレート(Aldrich Chemical, Milwaukee, Wis.)。

実施例1
アセトアセチル官能性ラテックスポリマーの調製
反応器に775.2部の脱イオン水と18.4部のCO-436を充填する。反応混合物を窒素ブランケット下で75℃に加熱する。加熱中に、336.4部の脱イオン水、12.2部のCO-436、0.8部の過硫酸アンモニウム、370.0部のブチルアクリレート、190.2部のメチルメタクリレート、118.3部のスチレン、78.9部のAAEM及び31.5部のメタクリル酸からプレエマルションを形成する。反応混合物が75℃に到達すると、プレエマルションの5%を反応器に加え、次いで2.4部の過硫酸アンモニウムと7.5部の水の混合物を添加する。反応は5?10分保持され、発熱が生じ、その後残りのプレエマルションを2時間かけて反応容器に供給する。反応温度は、80℃と85℃との間に保持され、重合される。プレエマルションの供給が終了した後、容器を20部の脱イオン水でリンスした後、反応液を30分間保持する。30分間の保持が完了すると、得られたラテックスポリマーは40℃に冷却しそして28%濃度アンモニアを添加してpHを7.0?7.5に調整し、脱イオン水を重量固形分が40%となるように加える。
実施例2
紫外線硬化性アセトアセチル官能性コーティング組成物の調製
ステンレススチールの混合容器に、攪拌しながら100gの脱イオン水、14.2gのRHODAPAN UB及び200gのEOTMPTAを添加する。この混合物をプレエマルジョンが形成されるまでブレンドする。
ステンレススチールの混合容器に、撹拌下に実施例1のポリマーラテックス1000g、脱イオン水93gと、上記で調製したEOTMPTAプレエマルション157gを加えた。この混合物EOTMPTAはラテックスポリマー中に移行するまで8時間攪拌下に保持する。15gのIRGACURE 500を混合物に添加し、さらに15分間攪拌下に保持する。混合物は、次に、捕捉された空気の放出を可能にするために一晩放置する。
得られた混合物を紫外光に露光することにより、硬質で耐薬品性の仕上がりに硬化するであろう。実施例2から得られた混合物は、電子線照射下で光開始剤を必要とせず、硬質で耐薬品性の仕上がりに硬化するであろう。)

エ 甲1に記載された発明
各実施例で使用される「昭和電工製カレンズMOI-BM」及び「昭和電工製カレンズMOI-BP」は、上記ア(エ)によると「エチレン系不飽和基を有するブロックイソシアネート」であるが、本件実施例によると、両化合物ともエチレン系不飽和基はメタクリル基である。このため、両化合物とも本件発明でいう「(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマー」に相当する。そして、この化合物を「前記(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの原料として用いられるモノマー成分における(ブロック)イソシアネート基を有するモノマーの含有率が5?80質量%」との範囲で満たしうる実施例は「実施例A-1」のもののみである。(参考までに、「実施例A-1」5.41質量%、「実施例A-2」4.96質量%、「実施例A-5」4.92質量%、「実施例A-6」4.96質量%)
そうすると、上記「実施例A-1」からみて、甲1には、次の甲1発明が記載されている。
「グリシドキシアクリレート4質量部、エチルアクリレート15質量部、ブチルアクリレート15質量部、テトラヒドロフルフリルアクリレート6質量部、ブチルメタクリレート5質量部を含むモノマー溶液を反応させて1次物質を作製し、その1次物質に、エチルアクリレート30質量部、メチルアクリレート25質量部、昭和電工製カレンズMOI-BMを6質量部、アクリル酸5質量部を含む反応液を添加して重合反応させて得られたエマルジョン」

オ 本件発明1と甲1発明との対比・判断
(ア)本件発明1と甲1発明とを対比する。
「エマルジョン」は「エマルション」の別称であり、水性であるといえる。
そうすると、本件発明1と甲1発明は以下の点で一致する。
「(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルション粒子を含有する水性樹脂組成物であって、前記(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの原料として用いられるモノマー成分における(ブロック)イソシアネート基を有するモノマーの含有率が5.41質量%である水性樹脂組成物。」

そして、両者は下記の点で相違する。
相違点1:
本件発明1は、上記「(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルション粒子」と、「重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート」とを含有するのに対し、甲1発明はこの点が明らかでない。
相違点2:
本件発明1は「水性硬化性樹脂組成物」であるのに対し、甲1発明は「水性樹脂組成物」ではあるものの「硬化性」か否か明らかでない。
相違点3:
本件発明1は「水性硬化性樹脂組成物の有効成分における(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの含有率が10?70質量%であり、前記有効成分における重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートの含有率が30?90質量%であり、前記有効成分が(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルション粒子および重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートである」のに対し、甲1発明はこの点が明らかでない。

(イ)上記相違点について検討する。
相違点1及び2に関し、甲1発明が硬化性を有することは、甲1からは確認できない。甲1には「本発明は、…その目的とするところは、耐擦性およびドライクリーニング性に優れる顔料定着液(パディング液)…を提供することにある。」(上記ア(イ))と記載されているものの、この記載からは甲1発明が硬化性を有することと解されるとはいえない。
仮に、係る「耐擦性」が硬化性を有することを意味するとしても、あるいは甲1発明において「耐擦性」を高めることが課題であるとしても、更には、甲3や甲4に「重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート」を加えることによって、樹脂が硬化したときの硬度を上げることが記載されているとしても、甲1からは、そのために甲1発明において「重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート」を更に加えることや、それによって樹脂が硬化したときの硬度を上げることの動機づけを見いだすことができない。
また、相違点3に関し、甲1からは、甲1発明に対して「重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート」を更に加えることの動機づけが見いだせない以上、「水性硬化性樹脂組成物の有効成分における(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの含有率」や「前記有効成分における重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートの含有率」を調整することを想到し得ないことは当然である。
加えて、甲3に記載された技術は「アクリル系エマルション…粒子中に硬化性モノマー及び/又はオリゴマーを含有するものである」(上記イ(ア))ものの、「アクリル系エマルション」に「(ブロック)イソシアネート基」を導入しうることの記載ないし示唆は甲3からは見いだせない。また、甲4には「ブロックされたイソシアネート、またはエチレン性不飽和化合物のような他の架橋技術もまた、所望の性能を達成するが、しかしながら、これらの技術はしばしば法外なコストになるまたは皮膚、目のいずれか、あるいは双方に高度に刺激性である。」(上記ウ(ア))と記載されるように、甲4に記載された技術はそもそも「(ブロック)イソシアネート基」が導入されたポリマーを対象とするものではない。このように、甲3や甲4の記載事項からみても、甲1発明に甲3や甲4に記載された技術的事項を組み合わせる動機づけは存在しない。
このため、本件発明1は、甲1に記載された発明と、甲3及び甲4に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に想到したものとはいえない。

カ 本件発明2?7について
本件発明2?7は、いずれも本件発明1を引用し、更に限定を加えたものであるから、本件発明2?7も、本件発明1と同様、甲1に記載された発明及び甲第3?4号証に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に想到したものとはいえない。

(2)甲2を主引用例とする主張について
甲3及び4に記載された事項は、上記(1)イ及びウのとおりである。

ア 甲2に記載された事項
(ア)「【請求項1】下記重合体(A)を含むことを特徴とする撥水撥油剤組成物。
重合体(A):ポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートの重合単位、炭素数が2?12であるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの重合単位、ならびにイソシアネート基がブロック化された2-イソシアネートエチルメタクリレート、下記式1で表わされる化合物のイソシアネート基がブロック化された単量体および下記式2で表わされる化合物のイソシアネート基がブロック化された単量体から選ばれる少なくとも1種のブロック化イソシアネート基含有単量体の重合単位を含む共重合体。
【化1】

【請求項2】さらに、下記水系媒体(B)および界面活性剤(C)を含む請求項1に記載の撥水撥油剤組成物。
水系媒体(B):水のみからなる媒体、または水と水溶性溶剤からなる混合媒体。
界面活性剤(C):ノニオン性界面活性剤および/またはカチオン性界面活性剤。」
(イ)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 被処理物に耐久性に優れた撥水撥油性を付与できる撥水撥油剤組成物に関する。」
(ウ)「【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、検討の結果、被処理物に耐久性に優れた撥水撥油性を付与できる撥水撥油剤組成物を提供する。すなわち、本発明は、下記重合体(A)を含むことを特徴とする撥水撥油剤組成物を提供する。
重合体(A):ポリフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートの重合単位、炭素数が2?12であるアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの重合単位、ならびにイソシアネート基がブロック化された2-イソシアネートエチルメタクリレート、下記式1で表わされる化合物のイソシアネート基がブロック化された単量体および下記式2で表わされる化合物のイソシアネート基がブロック化された単量体から選ばれる少なくとも1種のブロック化イソシアネート基含有単量体の重合単位を含む共重合体。
【0006】
【化2】

【0007】また、本発明は、上記撥水撥油剤組成物において、さらに、下記水系媒体(B)および界面活性剤(C)を含む撥水撥油剤組成物を提供する。
水系媒体(B):水のみからなる媒体、または水と水溶性溶剤からなる混合媒体。
界面活性剤(C):ノニオン性界面活性剤および/またはカチオン性界面活性剤。
さらに、本発明は、上記撥水撥油剤組成物において、水系媒体(B)が水のみからなる媒体、または水とプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルから選ばれる少なくとも1種とからなる混合媒体である撥水撥油剤組成物を提供する。」
(エ)「【0017】また、モノマ(a^(3))は、特定のブロック化イソシアネート基含有単量体であり、イソシアネート基がブロック化された構造を持つ化合物である。イソシアネート基のブロック化は、イソシアネート基とブロック化剤を反応させることにより行うことができる。ブロック化剤としては周知のものが使用できる。例えば、ピラゾール、3-メチルピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール、インダゾール、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ε-カプロラクタム、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、フェノール、メタノール、ジエチルマロネート、重亜硫酸塩などが挙げられる。安定性または反応性のバランスの点から、メチルエチルケトオキシム、アセト酢酸エチル、ジエチルマロネート、ピラゾール、3-メチルピラゾールまたは3,5-ジメチルピラゾールが好ましく、撥水撥油性の洗濯耐久性に優れることから、特にメチルエチルケトオキシム、3-メチルピラゾールまたは3,5-ジメチルピラゾールが好ましい。

【0020】重合体(A)は、モノマ(a^(1))、(a^(2))、(a^(3))の重合単位とともに、モノマ(a^(4))の重合単位を含む重合体であるのが好ましい。重合体(A)中の各重合単位の割合は、モノマ(a^(1))の重合単位を40?80質量%、モノマ(a^(2))の重合単位を15?58質量%、モノマ(a^(3))の重合単位を2?10質量%とするのが好ましい。特に、モノマ(a^(1))の重合単位を50?70質量%、モノマ(a^(2))の重合単位を22?46質量%、モノマ(a^(3))の重合単位を4?8質量%とするのが好ましい。また、重合体(A)がモノマ(a^(4))の重合単位を含む場合は、モノマ(a^(1))の重合単位を40?80質量%、モノマ(a^(2))の重合単位を15?55質量%、モノマ(a^(3))の重合単位を2?10質量%、モノマ(a^(4))の重合単位を1?5質量%とするのが好ましい。特に、モノマ(a^(1))の重合単位を50?70質量%、モノマ(a^(2))の重合単位を23?43質量%、モノマ(a^(3))の重合単位を4?7質量%、モノマ(a^(4))の重合単位を1?3質量%とするのが好ましい。」
(オ)「【0041】

本発明の撥水撥油剤組成物は目的または用途等に応じて任意の濃度に希釈し、被処理物に適用させる。被処理物への適用方法も、被処理物の種類または組成物の調製形態等に応じて、任意の方法が採用されうる。たとえば、浸漬塗布等の被覆加工方法により被処理物の表面に付着させ乾燥する方法が採用される。また、必要ならば適当な架橋剤とともに適用し、キュアリングなどの熱処理を行ってもよい。
…」
(カ)「【0042】
【実施例】以下に、実施例等(例1?4は実施例、例5?15は比較例)により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されない。
[例1]1Lのガラス製ビーカにペルフルオロアルキルエチルアクリレート[F(CF_(2))_(n)CH_(2)CH_(2)OCOCH=CH_(2)であり、nが6?16の混合物であり、nの平均値は9、純度は93.6質量%である。(以下、FAと記す。)]173.4g、2-エチルヘキシルメタクリレート(以下、2EHMAと記す。)100.1g、2-イソシアネートエチルメタクリレートのメチルエチルケトオキシムブロック体(以下、MOI-BMと記す。)16.2g、n-ドデシルメルカプタン(DoSH)0.5g、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(エチレンオキシドの平均付加モル数30)(日本油脂(株)社製、商品名「ノニオンE230」、以下、E230と記す。)10.8g、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロック共重合体(日本油脂(株)製、商品名「プロノン204」、以下P204と記す。)2.7g、ビスポリオキシエチレン2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7ジエーテル(Air Products and Chemical Inc. 製、商品名「サーフィノール485」、以下、S485と記す。)1.4g、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド(純度63%)(以下、STMACと記す。)2.1g、トリプロピレングリコール(以下、TPGと記す。)108.2g、イオン交換水391.3gを入れた。続いてこの混合物を湯浴中で50℃に加熱し、ホモミキサー(特殊機化(株)製、TKホモミクサーMK2)を用いて混合した。次にこの乳化液を50℃に保ったまま高圧乳化器(APVゴーリン社製、LAB60-10TBS)を用い、40MPaの条件で乳化した。得られた乳化液の698.8gの1Lをオートクレーブに移液し、30℃以下に冷却した。これに2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩(和光純薬(株)製、商品名:「V-50」、以下V-50と記す。)1.2gを加え、窒素で内部を置換した。撹拌しながら温度を60℃に上げて10時間重合し、乳白色のエマルション得た。これをアドバンテック社製C-63ろ紙を用いて加圧ろ過した。ろ過後のエマルションを120℃、4時間の条件で乾燥して求めた固形分濃度は34.5質量%、動的光散乱粒子径測定装置(大塚電子製、ELS-800)で測定した重合体の平均粒子径は130nmであった。これをさらにイオン交換水を用いて固形分濃度を20質量%としたものを撥水撥油剤組成物とした。
【0043】[例2?10]表1および表2にしたがった以外は、例1と同様にして、例2?10の撥水撥油剤組成物を調製した。
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】

【0046】BMA:ブチルメタクリレート
MMA:メチルメタクリレート
StA:ステアリルアクリレート
StMA:ステアリルメタクリレート
HEA:2-ヒドロキシエチルメタクリレート
MOI-py:2-イソシアネートエチルメタクリレートの3,5-ジメチルピラゾールブロック体
VI-BM:
【化15】

【0047】MAA:N-メチロールアクリルアミド
SLS:ラウリル硫酸ナトリウム
DPG:ジプロピレングリコール
TePG:テトラプロピレングリコール
n-DoSH:n-ドデシルメルカプタン
V-501:4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)(和光純薬(株)製)」

イ 甲2に記載された発明
甲2【表1】及び【表2】の例1?10の「MOI-BM」、「MOI-py」、「VI-BM」は、本件発明でいう「(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマー」に相当する。
同例1?10における各原料の数値は、[例1](【0042】)を参考にして、g(グラム)で表記されているものと解した。ただし、甲2【表1】における「MOI-BM」の数値は、同じく[例1]を参考にして、「16.2」の誤記と解し、その他の数値において誤記と解される根拠は見いだせないので、表記どおりの数値と解した。「ペルフルオロアルキルエチルアクリレート」(FA)の数値については、「純度は93.6質量%」(【0042】)であるから、(173.4g×93.6質量%=)162.3gと解した。
そして、上記「MOI-BM」、「MOI-py」、「VI-BM」を「前記(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの原料として用いられるモノマー成分における(ブロック)イソシアネート基を有するモノマーの含有率が5?80質量%」との範囲で満たしうる実施例は[例1]のもののみである。
そうすると、上記[例1]からみて、甲2には、次の甲2発明が記載されている。
「ペルフルオロアルキルエチルアクリレート162.3g、2-エチルヘキシルアクリレート100.1g、MOI-BM16.2gを含む乳化液を重合させて得られたエマルション」

ウ 本件発明1と甲2発明との対比・判断
(ア)本件発明1と甲2発明とを対比する。
「エマルション」は水性であるといえる。
そうすると、本件発明1と甲2発明は以下の点で一致する。
「(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルション粒子を含有する水性樹脂組成物であって、前記(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの原料として用いられるモノマー成分における(ブロック)イソシアネート基を有するモノマーの含有率が5.81質量%である水性樹脂組成物。」

そして、両者は下記の点で相違する。
相違点1:
本件発明1は、上記「(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルション粒子」と、「重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート」とを含有するのに対し、甲2発明はこの点が明らかでない。
相違点2:
本件発明1は「水性硬化性樹脂組成物」であるのに対し、甲2発明は「水性樹脂組成物」ではあるものの「硬化性」か否か明らかでない。
相違点3:
本件発明1は「水性硬化性樹脂組成物の有効成分における(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの含有率が10?70質量%であり、前記有効成分における重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートの含有率が30?90質量%であり、前記有効成分が(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルション粒子および重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートである」のに対し、甲2発明はこの点が明らかでない。

(イ)上記相違点について検討する。
相違点1及び2に関し、甲2発明が硬化性を有することは、甲2からは確認できない。
ところで、甲2には「本発明の撥水撥油剤組成物は…。また、必要ならば適当な架橋剤とともに適用し、キュアリングなどの熱処理を行ってもよい。」(上記ア(オ))と記載されている。しかし、この記載によっても、更には、甲3や甲4に「重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート」を加えることによって、樹脂を硬化させることが記載されているとしても、甲2からは、そのために甲2発明において「重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート」を選択して更に加えることや、それによって樹脂を硬化させることの動機づけを見いだすことができない。
また、相違点3に関し、甲2からは、甲2発明に対して「重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート」を選択して更に加えることの動機づけが見いだせない以上、「水性硬化性樹脂組成物の有効成分における(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの含有率」や「前記有効成分における重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートの含有率」を調整することを想到し得ないことは当然である。
また、上記(1)オ(イ)で検討したことと同様、甲3や甲4の記載事項からみても、甲2発明に甲3や甲4に記載された技術的事項を組み合わせる動機づけは存在しない。
このため、本件発明1は、甲2に記載された発明と、甲3及び甲4に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に想到したものとはいえない。

エ 本件発明2?7について
本件発明2?7は、いずれも本件発明1を引用し、更に限定を加えたものであるから、本件発明2?7も、本件発明1と同様、甲2に記載された発明及び甲第3?4号証に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に想到したものとはいえない。

(3)まとめ
以上のことから、申立ての理由1には理由がない。

2 申立ての理由2について
(1)「(IV-1)モノマー成分の量に関する規定について」と題する主張
ア 申立人は、大旨以下のとおり主張する。
「本件特許明細書には、モノマー成分における(ブロック)イソシアネート基を有するモノマーの含有率が、実施例では10質量%と20質量%、比較例では10質量%と0質量%の各場合しかなく、また、該イソシアネート基が水性硬化性樹脂組成物でどのような作用効果をもたらすか、明細書から予測することができない。このため、イソシアネート基を含むモノマーの量に関して、本件発明1の範囲まで拡張ないし一般化できるとはいえない。」

イ 本件発明の解決課題について、本件明細書には以下の記載がある。
「【0008】
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、成形体を成形したときに、その表面硬度が高く、耐擦傷性に優れ、フィルムに成形したときに成形性および耐薬品性に優れ、塗料に用いたときに耐水性に優れた塗膜を形成し、インクジェット用インクに用いたときに間欠吐出安定性に優れ、インクによって形成された画像の耐擦過性に優れ、例えば、加飾フィルム、水性コーティング剤、水性インクなどの種々の用途に使用することができる水性硬化性樹脂組成物を提供することを課題とする。」
上記課題の解決手段として、本件明細書には以下の記載がある。
「【0028】
モノマー成分における(ブロック)イソシアネート基を有するモノマーの含有率は、フィルムに成形したときに成形性および耐薬品性に優れ、塗料に用いたときに耐水性に優れた塗膜を形成し、インクジェット用インクに用いたときに間欠吐出安定性に優れ、インクに用いたときに形成された画像の耐擦過性に優れ、例えば、加飾フィルム、水性コーティング剤、水性インクなどの種々の用途に使用することができる水性硬化性樹脂組成物を得る観点から、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上であり、フィルムに成形したときに成形性および耐薬品性に優れ、塗料に用いたときに耐水性に優れた塗膜を形成し、インクジェット用インクに用いたときに間欠吐出安定性に優れ、インクに用いたときに形成された画像の耐擦過性に優れ、例えば、加飾フィルム、水性コーティング剤、水性インクなどの種々の用途に使用することができる水性硬化性樹脂組成物を得る観点から、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。」
そうすると、本件発明が「成形体を成形したときに、その表面硬度が高く、耐擦傷性に優れ、フィルムに成形したときに成形性および耐薬品性に優れ、塗料に用いたときに耐水性に優れた塗膜を形成し、インクジェット用インクに用いたときに間欠吐出安定性に優れ、インクによって形成された画像の耐擦過性に優れ」るものとなるためには、「(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーの原料として用いられるモノマー成分における(ブロック)イソシアネート基を有するモノマーの含有率」は「5?80質量%」とすることが理解できる。また、この範囲内において、上記本件発明の解決課題を解決し得ない場合が存在することの具体的な理由を見いだすことができず、そのような技術常識も確認できない。

ウ このため、本件発明は、本件発明の詳細な説明に記載された発明であり、該記載により当業者が本件発明の課題を解決できると認識できるものといえ、この主張には理由がない。

(2)「(IV-2)イソシアネート基と反応する官能基に関する規定について」と題する主張
ア 申立人は、大旨以下のとおり主張する。
「実施例には、「重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート」と(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーのいずれにもイソシアネート基と反応する官能基を含まない組成物は存在しないが、本件発明1の規定は、係る組成物を含むことになる。このため、イソシアネート基と反応する官能基を含まない水性硬化性樹脂組成物を含む本件発明1の範囲まで拡張ないし一般化できるとはいえない。」

イ 「(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマー」を構成する原料となるモノマーに関し、本件明細書【0056】?【0058】には以下の記載がある。
「【0056】
(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーは、形成される被膜の鉛筆硬度を向上させる観点から、(ブロック)イソシアネート基と反応する官能基を有するモノマー成分を併用することが好ましい。(ブロック)イソシアネート基と反応する官能基としては、例えば、水酸基、アミノ基、カルボニル基、チオール基、アミド基、オキシム基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの官能基のなかでは、水酸基、アミノ基およびカルボニル基が好ましい。
【0057】
(メタ)アクリル系ポリマーは、形成される被膜の耐擦傷性を向上させる観点から、(ブロック)イソシアネート基以外の反応性官能基をさらに有していてもよい。
【0058】
反応性官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、グリシジル基、ビニル基、ビニルエーテル基、アリルエーテル基、アミノ基、ベンゾフェノン基、イミド環基、オキサゾリン基などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの反応性官能基は、それぞれ単独で用いてもよく、併用してもよい。」
すなわち、「(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマー」においては、「(ブロック)イソシアネート基と反応する官能基を有するモノマー成分を併用することが好ましい」とされる。
また、本件実施例6は以下のとおりである。
「【0166】
実施例6
滴下ロート、撹拌機、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内に脱イオン水1040部を仕込んだ。また、滴下ロートに脱イオン水290部、乳化剤としてアニオン性界面活性剤〔ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロン(登録商標)HS-10〕の25%水溶液120部、メチルメタクリレート680部、シクロヘキシルメタクリレート100部、スチレン50部、2-[O-(1’-メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート〔昭和電工(株)製、商品名:カレンズMOI-BM〕100部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート50部およびアクリル酸20部からなる滴下用プレエマルションを調製し、そのうち全単量体成分の総量の5%にあたる85部をフラスコ内に添加した。その後、ゆるやかに窒素ガスをフラスコ内に吹き込みながら撹拌下で60℃まで昇温し、3.5%過硫酸アンモニウム水溶液43部をフラスコ内に添加し、重合反応を開始した。重合反応の終了後、滴下用プレエマルションの残部、3.5%過硫酸アンモニウム水溶液43部および2.5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を300分間にわたり均一にフラスコ内に滴下した。
【0167】
滴下終了後、フラスコ内の温度を60℃に120分間維持し、25%アンモニア水をフラスコ内に添加し、pHを9に調整することにより、重合反応を終了した。得られた反応液を室温まで冷却し、不揮発分含量が40%の重合体分散液を得た。得られた重合体分散液に含まれている重合体のガラス転移温度および重量平均分子量を以下の方法に基づいて調べた。その結果、前記重合体のガラス転移温度は93℃であり、重量平均分子量は95万であった。
【0168】
次に、前記で得られた重合体分散液に含まれる不揮発分1000部に対し、硬化性モノマーおよび/または硬化性オリゴマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA〕100部およびポリエチレングリコールジメタクリレート(サートマー社製、品番:SR603、エチレンオキサイド基の付加モル数:400)900部を添加し、脱イオン水を添加し、有効成分の含有率を40%に調整することにより、水性硬化性樹脂組成物を得た。得られた水性硬化性樹脂組成物に、硬化促進剤〔日東化成(株)製、商品名:ネオスタンU-820〕を有効成分100部あたり1部の割合で添加した後に使用に供した。」
この実施例の「重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート」に相当する成分は、「ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA〕」及び「ポリエチレングリコールジメタクリレート(サートマー社製、品番:SR603、エチレンオキサイド基の付加モル数:400)」と認められる。両者とも、イソシアネート基と反応する官能基は存在しない。また、「(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマー」の原料となるモノマー成分は「メチルメタクリレート」、「シクロヘキシルメタクリレート」、「スチレン」、「2-[O-(1’-メチルプロピリデンアミノ)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート〔昭和電工(株)製、商品名:カレンズMOI-BM〕」、「2-ヒドロキシエチルメタクリレート」及び「アクリル酸」と認められる。
すなわち、該実施例6は、「(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマー」には、本件発明の詳細な説明で好ましいとされるカルボキシル基が導入されたものを用い、「重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート」には、イソシアネート基と反応する官能基を含まないものを用いている。
このため、「(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマー」には、本件発明の詳細な説明で好ましいとされるカルボキシル基が導入されたものを用いたに過ぎないと解され、そうすると、イソシアネート基と反応する官能基を含まない水性硬化性樹脂組成物を含む本件発明1の範囲まで拡張ないし一般化しうるものと解するのが相当である。

ウ したがって、本件発明は、本件発明の詳細な説明に記載された発明であり、該記載により当業者が本件発明の課題を解決できると認識できるものといえ、この主張には理由がない。

(3)まとめ
以上のことから、申立ての理由2には理由がない。

3 申立ての理由3について
(1)申立人は、大旨以下のとおり主張する。
「令和1年5月20日提出の手続補正の「前記有効成分が(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルション粒子および重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートである」に関し、本件当初明細書には、「有効成分が(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルション粒子および重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートであること」は開示されていない。「(ブロック)イソシアネート基を有するモノマーを含有するモノマー成分を重合させてなる(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルション粒子」には、当然、「(ブロック)イソシアネート基を有するモノマーを含有するモノマー成分を重合させてなる(メタ)アクリル系ポリマー」以外の成分が含まれているはずである。
してみると、本件明細書【0112】の記載から、「前記有効成分が(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルション粒子および重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートである」という定義を導き出すことはできず、上記補正は新規事項の追加に該当する。」

(2)本件発明における水性硬化性樹脂組成物は、「エマルション粒子中に硬化性モノマーおよび/または硬化性オリゴマーを導入」(本件明細書【0139】)して硬化反応に供するものであり、該エマルション粒子はすなわち「(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルション粒子」である。そして、仮に該エマルション粒子内に何らかの他の成分が含まれているとしても、硬化反応に供するものは実質的に「(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマー」であるから、「有効成分が(ブロック)イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系ポリマーを含有するエマルション粒子および重合性不飽和二重結合を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレートである」といえる。

(3)したがって、上記補正は新規事項の追加とまではいえず、申立ての理由3には理由がない。

第5 むすび
以上のとおりであるから、申立人が主張する異議申立ての理由及び証拠によっては、本件発明1?7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1?7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2020-03-18 
出願番号 特願2015-55583(P2015-55583)
審決分類 P 1 651・ 55- Y (C08G)
P 1 651・ 121- Y (C08G)
P 1 651・ 537- Y (C08G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松浦 裕介  
特許庁審判長 佐藤 健史
特許庁審判官 橋本 栄和
大熊 幸治
登録日 2019-06-21 
登録番号 特許第6543489号(P6543489)
権利者 株式会社日本触媒
発明の名称 水性硬化性樹脂組成物  
代理人 赤松 善弘  

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