• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1362199
審判番号 不服2018-15621  
総通号数 246 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-11-26 
確定日 2020-05-14 
事件の表示 特願2017-214829「電子機器、プログラムおよび制御方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 6月 6日出願公開、特開2019- 87036〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年11月7日の出願であって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。
平成29年12月14日付け:拒絶理由通知書
平成30年 3月 8日: 意見書、手続補正書の提出
平成30年 4月 5日付け:拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
平成30年 6月14日: 意見書、手続補正書の提出
平成30年 8月14日付け:平成30年6月14日の手続補正についての補正の却下の決定、拒絶査定
平成30年11月26日: 審判請求書、手続補正書の提出

第2 平成30年11月26日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正却下の結論]
平成30年11月26日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は補正箇所である。)
「ディスプレイと、
前記ディスプレイに、実行アプリケーションの表示領域とホームボタンを含むバーとに接するように、前記実行アプリケーションを含むアプリケーションのアイコンと、ユーザ操作に応じて前記実行アプリケーションを終了しまたはバックグラウンドでの実行に変更するクローズアイコンと、を一列に並べたツールバーを表示させるコントローラと、
を備える電子機器。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、平成30年3月8日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「ディスプレイと、
前記ディスプレイに、実行アプリケーションの表示領域とホームボタンを含むバーとに接するように、前記実行アプリケーションを含むアプリケーションのアイコンを一列に並べたツールバーを表示させるコントローラと、
を備える電子機器。」

2 補正の適否
本件補正は、上記のとおり、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である、
「前記実行アプリケーションを含むアプリケーションのアイコンを一列に並べたツールバーを表示させるコントローラ」について、
「前記実行アプリケーションを含むアプリケーションのアイコンと、ユーザ操作に応じて前記実行アプリケーションを終了しまたはバックグラウンドでの実行に変更するクローズアイコンと、を一列に並べたツールバーを表示させるコントローラ」との限定を付加することを含むものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、特許法第17条の2第3項、第4項に違反するところはない。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献1-2の記載事項、引用発明、各周知文献の記載事項
ア 引用文献1の記載事項、引用発明
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、“Android★SQUARE:■ひょっこりBOX?シンプルで使いやすいサブランチャー”,[online],2015年7月21日,URL,http://blog.livedoor.jp/an_square/archives/51887709.html(引用文献1。以下「引用例」という。)には、図面と共に、次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。以下同様。)

(ア) 1/6ページ
「■ひょっこりBOX ?サブランチャー?

・・・(中略)・・・・

今回紹介するのは、シンプルで初心者にも扱いやすいサブランチャーアプリです。

・・・(中略)・・・・

Androidはホーム画面がかなりカスタマイズできるからマシなんだけど、・・・(以下略)」

(イ) 2/6ページ
「こんな悩みを容易に解決してくれるのがサブランチャー。
常用するアプリだけを登録しておけば、端末の仕様効率(当審注:「使用効率」の誤記と認める。)がものすごく向上するって訳さ。」

(ウ) 3/6ページ
「まずは環境設定から始めましょう。
メイン画面、右上にある[スパナ]ボタンを押してメニューに入ります。
日本語で記述されているので、あまり悩まずに設定できると思います。
まずは起動方法を指定しましょう。
"ステータスバースイッチ"、"スクリーンスイッチ"のどちらかをオンにするか、別途ホーム画面に本アプリのウィジェットを設置します。
(当審注:3つの画面のうち、中央の画面は、以下のとおりである。)

画面左から"ステータスバースイッチ"、"スクリーンスイッチ"、"ウィジェット"です。
どの方法で起動しても同じようにランチャーは起動します。
スクリーンスイッチは、水色固定なので背景によっては目立たないこともありますので注意してください。」

(エ) 4/6ページ
「ここに登録されているアプリアイコンをタップするとアプリが起動するという訳ですね。

・・・(中略)・・・

なお、アプリの表示順はアイコンの長押しで可能です。

登録されたアプリの個数が多い場合にはスクロールして表示するタイプです。」

(オ) 5/6ページ



アイコンサイズの設定も変更できます。」

(カ) 上記「(ウ) 3/6ページ」、上記「(エ) 4/6ページ」、上記「(オ) 5/6ページ」の各画面のアイコン等を参照すると、これらの画面が、周知のAndroid OS搭載スマートホンのディスプレイに表示されたホーム画面であることは明らかであるといえる。

(キ) 上記「(ウ) 3/6ページ」の画面を参照すると、ランチャー起動前には、ホーム画面の下端に、円形の「ホームボタン」を含むバーが表示され、ホーム画面の右端の中央部に、水色の半円形の「スクリーンスイッチ」が表示されていることが開示されていると認定できる。

(ク) 上記「(エ) 4/6ページ」の「登録されたアプリの個数が多い場合にはスクロールして表示するタイプです」の上の画面、及び、「(オ) 5/6ページ」の「アイコンサイズの設定も変更できます」の上の画面を参照すると、ランチャー起動後には、ホーム画面の下端に、円形の「ホームボタン」を含むバーが表示され、これと接するように、ホーム画面の右端に、アプリケーションのアイコンを一列に並べた縦長のランチャーが表示されていることが開示されていると認定できる。

(ケ) 引用発明
上記(ア)-(ク)から、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「「ひょっこりBOX」サブランチャーアプリをインストールした、Android OS搭載スマートホンのディスプレイに表示されたホーム画面において、
"スクリーンスイッチ"でランチャーは起動し、
スクリーンスイッチは、水色固定なので背景によっては目立たないこともあり、
登録されているアプリアイコンをタップするとアプリが起動し、
アプリの表示順はアイコンの長押しで可能で、
登録されたアプリの個数が多い場合にはスクロールして表示するタイプであり、
アイコンサイズの設定も変更でき、
ランチャー起動前には、ホーム画面の下端に、円形の「ホームボタン」を含むバーが表示され、ホーム画面の右端の中央部に、水色の半円形の「スクリーンスイッチ」が表示されており、
ランチャー起動後には、ホーム画面の下端に、円形の「ホームボタン」を含むバーが表示され、これと接するように、ホーム画面の右端に、アプリケーションのアイコンを一列に並べた縦長のランチャーが表示されている、
「ひょっこりBOX」サブランチャーアプリをインストールした、Android OS搭載スマートホン。」

イ 引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、“ひょっこりBOX:よく使うアプリを登録しておこう! サクッと表示されるサブランチャーアプリ”,[online],2015年9月1日,URL,https://octoba.net/archives/20150901-android-app-hyokkori-box-455108.html(以下「引用文献2」という。)には、図面と共に、2/6ページ-3/6ページに、次の事項が記載されている。

(ア) 2/6ページ-3/6ページ
「続いて設定メニューより、起動スイッチをONにします。起動スイッチはステータスバーとスクリーンの2ヶ所設定できます。両方ONでも、片方だけONにするかは自由です。
ステータスバー、またはスクリーンの水色の部分をタップすると、先ほど登録したアプリが”ひょっこり”と表示されます。
このほか、ウィジェットにも対応しています。

ランチャーは他のアプリやゲームを起動しているときにも利用できるので、別のアプリを起動するときにホーム画面に戻る必要はありません。
ただし、ゲームアプリを利用する場合は誤タッチしてしまうこともあるので、スクリーン側はOFFにしておいたほうがよさそうです。

・・・(中略)・・・

アプリ名 ひょっこりBOX ?サブランチャー?
価格 無料
対応OS Android3.2以上
バージョン 2.4
デベロッパー名 WalkingIdealist」

(イ) 上記「(ア) 2/6ページ-3/6ページ」の左右の2種類の画面を参照すると、ランチャー起動前には、「天気予報」の画面、及び、「ゲーム」の画面それぞれの右端の中央部に、(強調用の太枠で囲まれている)水色の半円形の「スクリーンスイッチ」が表示され、「他のアプリやゲーム起動中も」と記載されていることが開示されていると認定できる。

ウ 周知文献3の記載事項
前置報告で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特表2016-531340号公報(以下「周知文献3」という。)の平成28年7月22日付け「誤訳訂正書」で補正された明細書には、図面(特に、【図3】)と共に、次の事項が記載されている。

(ア) 段落【0046】
「【0046】
上記モバイル操作システムは直接完全アプリケーション終了機能を備え、
アプリケーションのインターフェースで、1本又はそれ以上の指を用いて、画面下端から下から上にスライドし、又は画面上端から上から下にスライドして、直接該アプリケーションを完全に終了し、
又は、アプリケーションのインターフェースで、システムのメニューバーを引き出すことができ、メニューバー上に仮想終了ボタンがあり、仮想終了ボタンをクリックすると直接該アプリケーションを完全に終了し、
又は、アプリケーションのインターフェースで、ホームボタンを長押しすると、直接該アプリケーションを完全に終了し、
又は、アプリケーションのインターフェースで、電源ボタンをクリックすると、直接該アプリケーションを完全に終了し、
又は、アプリケーションのインターフェースで、システムは装置が画面を下向きにして回転し、かつ画面と水平面の間の角度が設定値以下であると検出する場合は、システムが直接該アプリケーションを完全に終了し、
アプリケーションのインターフェースで、ホームボタンをダブルクリックして前に実行中のアプリケーションを直接開き、それによりアプリケーション間を素早く切り替え、
ホームボタン及び音量ボタンを同時に押すと画面照度を調整する。
上記のモバイル操作システムは、ユーザーの重要な連絡先の全ての情報を1カ所に統合する重要連絡先アプリケーションを備える。ユーザーの重要な連絡先の頭の写真が重要連絡先アプリケーションのアイコンであり、重要連絡先アプリケーションのアイコンをクリックすると該重要連絡先に関する全ての下位オプションを表示する。
ユーザーが重要な連絡先の写真をデスクトップの背景写真として設定した後に、重要連絡先アプリケーションが、デスクトップの背景写真を結合しうる。ユーザーが1本又はそれ以上の指で背景写真をクリックすると、直接下位オプションに変更する。ユーザーが背景写真を固有の経路に沿ってスライドすると、背景写真内の重要な連絡先に関する固有の機能を直接開く。固有の機能は電話の発信、メッセージの送信、音声メッセージを残すこと、ビデオ通話等を含む。ソーシャルネットワークでのユーザーと重要な連絡先との同意が、背景写真に自動的に表示する重要な連絡先のソーシャルの個人のアップデート状態を提供する。」

(イ) 段落【0206】-【0210】
「【0206】
本発明の操作システムは、直接完全アプリケーション終了機能を備え、「クイック終了」、または「クイック完全終了」と呼ばれる。現在のiOSとAndroidシステムは、この機能はない。iOSとAndroidでは、ユーザーは、物理または仮想ホームボタンをクリックし、現在実行中のアプリケーションを終了させる。しかし、このアプリケーションは実際、バックグラウンドで実行されている。特に現在のiOSとAndroidのシステムは、マルチタスクの機能を支持するため、ユーザーがホームボタンをクリックして、アプリケーションを終了させたと思っているが、実際にアプリケーションがまだ終了しておらず、まだ実行している。Androidは一押しで、すべてのアプリケーションを終了する機能を用意しているが、ほとんどの場合、ユーザーがわざとマルチタスク管理インターフェースにおいて操作することはない。それゆえ、多くのアプリケーションが同時に実行していて、システム資源を消費し、特に、ユーザーの知らないうちに、貴重な携帯電話のバッテリー寿命を消耗している。
【0207】
本発明の操作システムは、ユーザに終了ボタンを用意している。ユーザーは、あるアプリケーションを使用終了後、このアプリケーションの実行を継続したいと願っているのであれば、ホームボタンをクリックして、ホーム画面または他のアプリケーションに切り替える。
【0208】
ときに、ユーザーは、あるアプリケーションの使用終了後、このアプリケーションを完全に終了したいと願っているのであれば、本発明の提供する終了ボタンをクリックすればよい。
【0209】
本発明の終了ボタンの設定は、図7に示すように、アプリケーションインターフェース上の画面の下部において、下から上にスライドして、完全にこのアプリケーションを終了する。図7の例では、画面下部の中央部分から、下から上へスライドする。本発明はまた、画面の下部の両端から、下から上へスライドすることもできる。また、画面上部の中央部分から、または画面上部の両端から、上から下へスライドするように設定することもできる。上記4つのスライド操作は、1本指であってもよいし、複数の指であってもよい。
【0210】
本発明の終了ボタンの設定は、メニューバー36上に仮想ボタンを設定し、「終了ボタン」と名付けて、形状がクロス(X)とすることができる。メニューバーは、図3に示すように、画面の下部にあることができ、また、画面の上部に配置することもできる。またはiOSの「アシストタッチ」機能の仮想ホームボタンをクリックすると、仮想終了ボタン(X)が表示される。」

エ 周知文献4の記載事項
本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開2013-65288号公報(以下「周知文献4」という。)には、図面(特に、【図12】)と共に、段落【0101】-【0110】に、次の事項が記載されている。

「【0101】
図12は、第2実施形態に係るスマートフォンが行う制御の第3の例を示す図である。ステップS51では、履歴リスト45がホーム画面40の下部に表示されている。履歴リスト45の左端には、ゴミ箱アイコン56が表示されている。そして、ゴミ箱アイコン56の右側には、“Browser”アイコン、“Music”アイコン、“Camera”アイコンが表示されている。“Browser”アイコンおよび“Music”アイコンは、“Camera”アイコンとゴミ箱アイコン56との間に挟まれている。
【0102】
そして、ステップS51では、利用者の指F1が、“Camera”アイコンに対応する領域に接触した状態で、ホーム画面40の左方向へ高速で移動しながらタッチスクリーン2B(タッチスクリーンディスプレイ2)から離れている。この場合、スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2を介して、“Camera”アイコンに対する左フリックを検出する。すなわち、スマートフォン1は、“Camera”アイコンに対する、ゴミ箱アイコン56へ向かう方向へのフリックを検出する。
【0103】
スマートフォン1は、“Camera”アイコンに対する左フリックを検出すると、ステップS52に示すように、3つのアイコン55を左方向へ移動するようにディスプレイ2Aに表示する。また、スマートフォン1は、ゴミ箱アイコン56を、蓋が開いた状態でディスプレイ2Aに表示する。このとき、スマートフォン1は、上記の3つのアイコン55を、左方向へ移動するにつれて次第に小さくなりながら蓋が開いた状態のゴミ箱アイコン56に吸い込まれるように表示する。
【0104】
ステップS52に示す状態から全てのアイコンがゴミ箱アイコン56に吸い込まれると、ステップS53に示すように、3つのアイコン55の表示が消去され、履歴リスト45にはゴミ箱アイコン56のみが表示された状態となる。このとき、スマートフォン1は、消去したアイコン55に対応するアプリケーションを終了する。すなわち、スマートフォン1は、履歴リストに表示された“Camera”アイコンに対してゴミ箱アイコン56へ向かうフリックが検出されると、“Camera”アイコン、ならびに“Camera”アイコンとゴミ箱アイコン56とに挟まれる“Browser”アイコンおよび“Music”アイコンの表示を消去し、消去した3つのアイコンに対応するアプリケーションを終了する。
【0105】
スマートフォン1は、ステップS53で3つのアイコン55の表示を消去した後に、ステップS54として、履歴リスト45に再び3つのアイコン55(“SMS”アイコン、“Navigate”アイコンおよび“Mail”アイコン)を表示する。これらは、“Camera”アプリケーションよりも先に実行されたアプリケーションに対応するアイコンである。スマートフォン1は、ステップS53でアイコンの表示を消去した後に、これらのアイコン55を、履歴リスト45の右端から左方向へスライドするようにして出現させてもよい。
【0106】
なお、図12に示す第3の例では、ゴミ箱アイコン56に向かうフリックが履歴リスト45の右端に位置する“Camera”アイコンに対して行われているが、本発明はこれに限定されない。例えば、スマートフォン1は、“Music”アイコンに対する左フリックが検出された場合、“Music”アイコンおよび“Music”アイコンとゴミ箱アイコン56とに挟まれた“Browser”アイコンを消去すると共にそれらのアイコンに対応するアプリケーションを終了してもよい。この場合、“Camera”アイコンは消去されず、“Camera”アプリケーションは終了されない。同様に、スマートフォン1は、“Browser”アイコンに対するゴミ箱アイコン56へのフリックが検出された場合、“Browser”アイコンのみを消去すると共に、“Browser”アプリケーションのみを終了する。
【0107】
また、スマートフォン1は、フリックの対象であるアイコンとゴミ箱アイコン56との間に配置されるアイコンを消去しなくてもよいし、そのアイコンに対応するアプリケーションを終了しなくてもよい。例えば、スマートフォン1は、ステップS51で“Camera”アイコンに対する左フリックが検出された場合に、“Camera”アイコンのみを消去すると共に“Camera”アプリケーションのみを終了してもよい。
【0108】
また、スマートフォン1は、アイコン55に対するゴミ箱アイコン56へのドラッグが検出された場合にも、アイコン55の表示を消去すると共に当該アイコン55に対応するアプリケーションを終了してよい。
【0109】
以上に述べたように、第2実施形態に係るスマートフォン1は、履歴リスト45に表示されたアイコン55に対する所定方向へのフリックジェスチャが検出されると、そのアイコン55に対応するアプリケーションを終了する。これにより、スマートフォン1は、フォアグランドまたはバックグランドで実行しているアプリケーションを簡便な操作により終了することができるため、操作性が向上する。
【0110】
なお、第2実施形態に係るスマートフォン1も、図9に示す第1実施形態の第2の例と同様に、例えばフリックされるアイコン55とゴミ箱アイコン56とに挟まれるアイコンに対応するアプリケーションが所定のアプリケーションである場合には、アイコンの消去およびアプリケーションの終了に係る処理を行わなくてもよい。ただし、スマートフォン1は、上記所定のアプリケーションを示すアイコンに対する左フリックが検出された場合には、アイコンの消去およびアプリケーションの終了に係る処理を行ってもよい。」

オ 周知文献5の記載事項
本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開2014-235612号公報(以下「周知文献5」という。)には、図面(特に、【図3】)と共に、段落【0023】-【0026】に、次の事項が記載されている。

「【0023】
表示処理部153は、タッチパネル110に画面情報を出力し、タッチパネルに所定の画面を表示させる。例えば、タッチパネル110に表示させる画面には、複数のアイコンが含まれる。図3は、表示処理部がタッチパネルに表示させる画面の一例を示す図である。図3に示す例では、タッチパネル110に、アイコン20a、20b、20cが表示されている。
【0024】
表示処理部153は、各アイコン20a?20cと、各アプリとを対応付けており、利用者によってアイコンがタッチされた場合には、アイコンに対応するアプリを起動する。例えば、表示処理部153は、アイコン20aがタッチされた場合には、アプリAを起動し、アプリAに対応する画面をタッチパネル110に表示させる。表示処理部153は、アイコン20bがタッチされた場合には、アプリBを起動し、アプリBに対応する画面をタッチパネル110に表示させる。表示処理部153は、アイコン20cがタッチされた場合には、アプリCを起動し、アプリCに対応する画面をタッチパネル110に表示させる。
【0025】
表示処理部153は、アプリに対応する画面を表示している間に、画面に表示されている終了ボタンをタッチされた場合には、起動中のアプリを終了する。
【0026】
表示処理部153は、各アイコン20a?20cの領域および終了ボタンの領域の情報を保持しており、補正部152から取得する入力座標P’と、各領域の情報とを比較して、各アイコンや終了ボタンがタッチされたか否かを判定するものとする。例えば、表示処理部153は、アイコン20aの領域内に、入力座標P’が含まれている場合には、アイコン20aがタッチされたと判定する。」

カ 周知文献6の記載事項
本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開2017-107513号公報(平成29年6月15日公開。以下「周知文献6」という。)には、図面(特に、【図4】)と共に、段落【0054】-【0063】に、次の事項が記載されている。

「【0054】
図4に示されているように、画面200においては、作業車両選択を行うことができるトップページが表示されている。
【0055】
画面200は、通信が可能である作業車両50に対応して表示されてもよい。
【0056】
そして、画面200は、当該アプリケーションが起動されたタイミングで表示される初期画面として採用されてもよい。
【0057】
ボタンアイコン201は、登録された作業車両である田植機1号に関する画面を表示するためのボタンアイコンである。ボタンアイコン201の状態は、タッチ選択で影付きとなるように変化している。

・・・(中略)・・・

【0061】
ボタンアイコン205は、農作業計画カレンダーがその大部分に表示される画面300などを表示するためのボタンアイコンである。
【0062】
ボタンアイコン206は、当該アプリケーションを終了するためのボタンアイコンである。
【0063】
ボタンアイコン207は、設定に関する画面を表示するためのボタンアイコンである。」

(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。

(ア) 引用発明の「「ひょっこりBOX」サブランチャーアプリをインストールした、Android OS搭載スマートホンのディスプレイ」は、本件補正発明の「ディスプレイ」に対応する。

(イ) 引用発明の「アプリケーションのアイコンを一列に並べた縦長のランチャー」は、本願補正発明の「ツールバー」に対応する。
引用発明の「ひょっこりBOX」サブランチャーアプリをインストールした、Android OS搭載スマートホンのディスプレイについての、各種の表示制御は、スマートホンを構成する、CPUなど何らかの「コントローラ」によって行われることが自明であるといえる。
よって、引用発明で「ランチャー起動後には、ホーム画面の下端に、円形の「ホームボタン」を含むバーが表示され、これと接するように、ホーム画面の右端に、アプリケーションのアイコンを一列に並べた縦長のランチャーが表示されている」ことは、本件補正発明の「前記ディスプレイに、実行アプリケーションの表示領域とホームボタンを含むバーとに接するように、前記実行アプリケーションを含むアプリケーションのアイコンと、ユーザ操作に応じて前記実行アプリケーションを終了しまたはバックグラウンドでの実行に変更するクローズアイコンと、を一列に並べたツールバーを表示させるコントローラ」と「前記ディスプレイに、ホームボタンを含むバー、に接するように、前記実行アプリケーションを含むアプリケーションのアイコン、を一列に並べたツールバーを表示させるコントローラ」である点で共通するといえる。

(ウ) 引用発明の「「ひょっこりBOX」サブランチャーアプリをインストールした、Android OS搭載スマートホン」は、本件補正発明の「電子機器」に対応する。

イ 一致点・相違点
以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

[一致点]
「ディスプレイと、
前記ディスプレイに、ホームボタンを含むバー、に接するように、前記実行アプリケーションを含むアプリケーションのアイコン、を一列に並べたツールバーを表示させるコントローラと、
を備える電子機器。」

[相違点1]
本件補正発明の「ツールバー」は表示される際に、「実行アプリケーションの表示領域と」ホームボタンを含むバーとに「接するように」表示されるのに対して、引用発明の「アプリケーションのアイコンを一列に並べた縦長のランチャー」は、「ホーム画面」に表示されるものであって、そもそも「実行アプリケーションの表示領域と」は一緒に表示されておらず、当然に「実行アプリケーションの表示領域と」「接するように」表示されることは特定されていない点。

[相違点2]
本件補正発明の「ツールバー」の表示内容は、前記実行アプリケーションを含むアプリケーションのアイコン「と、ユーザ操作に応じて前記実行アプリケーションを終了しまたはバックグラウンドでの実行に変更するクローズアイコンと」を一列に並べたものであるのに対して、引用発明の「ランチャー」の表示内容は、「アプリケーションのアイコンを一列に並べた」ものであって、アプリケーションのアイコンと「ユーザ操作に応じて前記実行アプリケーションを終了しまたはバックグラウンドでの実行に変更するクローズアイコン」を「一列に並べた」ものではない点。

(4)判断
[相違点1]について
上記のとおり、引用発明の「アプリケーションのアイコンを一列に並べた縦長のランチャー」は、「ホーム画面」に表示されるものであって、「実行アプリケーションの表示領域と」「接するように」ランチャーを表示することは特定されていない。
しかし、引用文献2には、引用発明と同じ「ひょっこりBOX」サブランチャーアプリについて、実行アプリケーション起動中の「天気予報」画面や、「ゲーム」画面にも、引用発明のホーム画面と同様の、ランチャーを起動するための水色の半円形の「スクリーンスイッチ」が表示されているから(上記(2)「イ 引用文献2の記載事項」、特に下線部を参照。)、引用発明でも同様に、「ゲーム」等の実行アプリケーション起動中の「実行アプリケーションの表示領域」に、「ランチャー」起動用の「スクリーンスイッチ」が表示されると解するのが自然である。
そして、この状態で「ランチャー」起動用の「スクリーンスイッチ」にタッチすれば、「実行アプリケーションの表示領域」に、起動された「ランチャー」が表示されると解するのが自然である。
ここで、一般に、ウインドウなどのオブジェクトを画面上に新たに配置する際、既存の画面と隣り合わせに「接するように」オブジェクトを配置することも、既存の画面の上に「重なるように」オブジェクトも配置することも極めて普通に行われており、このような複数のオブジェクト間の配置関係の具体的形態は、ユーザインタフェースの設計において、使い勝手等を考慮して当業者が適宜選択すべき設計的事項であると認められる。
したがって、引用発明において、「ゲーム」等の「実行アプリケーションの表示領域」の画面において、「ホーム画面」の場合と同様に、「ランチャー」を表示させるとともに、この際、ランチャーを「実行アプリケーションの表示領域と」「接するように」表示させるように構成することによって、上記[相違点1]に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。

[相違点2]について
一般に、ユーザの使い勝手等を考慮して、利用しないアプリケーションを終了したり、バックグラウンドでの実行に切り替えるための「アイコン」や「ボタン」等を画面上に設けることは、上記の周知文献3-6に記載されるように、周知技術である(上記(2)「ウ 周知文献3の記載事項」-「カ 周知文献6の記載事項」、特に下線部を参照。)
よって、引用発明において、利用しないアプリケーションを終了したり、バックグラウンドでの実行に切り替えるためのアイコンやボタンを画面上に設ける上記周知技術を付加するとともに、その際、アイコンやボタンの配列は当業者が適宜決定し得る設計的事項であって、引用発明において、ランチャー上にはアイコンが一列に並んでいることを考慮すれば、これらのアイコンとともに、仮想終了ボタンを一列に並べることによって、上記[相違点2]に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。

そして、本件補正発明の奏する作用効果は、当業者であれば、引用発明、引用文献2に記載された事項、及び、周知技術から予測できる範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

したがって、本件補正発明は、引用発明、引用文献2に記載された事項、及び、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
平成30年11月26日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成30年3月8日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-10に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1-10に係る発明は、本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1-8に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:“Android★SQUARE:■ひょっこりBOX?シンプルで使いやすいサブランチャー”,[online],2015年7月21日,URL,http://blog.livedoor.jp/an_square/archives/51887709.html
引用文献2:ひょっこりBOX:よく使うアプリを登録しておこう! サクッと表示されるサブランチャーアプリ”,[online],2015年9月1日,URL,https://octoba.net/archives/20150901-android-app-hyokkori-box-455108.html
引用文献3:国際公開第2008/016031号
引用文献4:特開2015-87861号公報
引用文献5:iPhone本体の回転による操作,[0nline],2015年3月26日,URL,http://simpleguide.blog.jp/archives/25586528.html
引用文献6:特開2009-217815号公報
引用文献7:米国特許出願公開第2007/0118813号明細書
引用文献8:特開2016-72888号公報

3 引用例
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1(「引用例」)、引用文献2、及びその記載事項は、前記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2[理由]2で検討した本件補正発明から、「前記実行アプリケーションを含むアプリケーションのアイコンを一列に並べたツールバーを表示させるコントローラ」に係る限定事項を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明、引用文献2に記載された事項、及び、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明、引用文献2に記載された事項、及び、周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。


第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2020-03-16 
結審通知日 2020-03-17 
審決日 2020-03-30 
出願番号 特願2017-214829(P2017-214829)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 大輔  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 稲葉 和生
岩田 玲彦
発明の名称 電子機器、プログラムおよび制御方法  
代理人 河合 隆慶  
代理人 杉村 憲司  
代理人 甲原 秀俊  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ