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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 G01L |
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管理番号 | 1362328 |
異議申立番号 | 異議2019-700587 |
総通号数 | 246 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2020-06-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2019-07-26 |
確定日 | 2020-03-27 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6462946号発明「力覚センサ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6462946号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-17〕について訂正することを認める。 特許第6462946号の請求項1-6,9-17に係る特許を維持する。 特許第6462946号の請求項7,8に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
1 手続の経緯 特許第6462946号の請求項1-17に係る発明は、平成30年10月3日に特許出願され、平成31年1月11日にその特許権の設定登録がされ、平成31年1月30日にその特許掲載公報が発行された。その後、令和元年7月26日に、特許異議申立人嶋村早織より請求項1-17に対して特許異議の申立てがされ、令和元年10月30日付けで取消理由が通知され、令和元年12月24日に意見書の提出及び訂正請求がされた。 2 訂正の適否 (1)訂正の内容 ア 特許権者は、特許請求の範囲の請求項1を以下のとおりに訂正する(訂正事項1)。また、請求項1の記載を引用する請求項17も同様に訂正する。 「【請求項1】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、を備え、前記コネクタは、前記検出リングの中心軸に沿って設けられている、力覚センサ。」(下線は訂正箇所。以下同様。) イ 特許権者は、特許請求の範囲の請求項2を以下のとおりに訂正する(訂正事項2)。また、請求項2の記載を引用する請求項3,16,17も同様に訂正する。 「【請求項2】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体は、前記受力体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、 前記第2の主面には凹部が設けられ、 前記コネクタは、前記凹部の底部に設けられた貫通孔に嵌合していることを特徴とする力覚センサ。」 ウ 特許権者は、特許請求の範囲の請求項4を以下のとおりに訂正する(訂正事項3)。また、請求項4の記載を引用する請求項5,16,17も同様に訂正する。 「【請求項4】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体は、前記受力体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、 前記第1の主面と前記の第2の主面間を貫通する貫通孔が設けられ、 前記第1の主面側における前記貫通孔の開口を覆うとともに、前記コネクタを固定するコネクタ固定体をさらに備えることを特徴とする力覚センサ。」 エ 特許権者は、特許請求の範囲の請求項6を以下のとおりに訂正する(訂正事項4)。また、請求項6の記載を引用する請求項16,17も同様に訂正する。 「【請求項6】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体は、前記受力体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、 前記コネクタは、前記支持体に設けられた貫通孔に嵌合しており、 前記第2の主面から突出した前記コネクタを囲うように突設されたコネクタ保護体をさらに備えることを特徴とする力覚センサ。」 オ 特許権者は、特許請求の範囲の請求項7を削除する(訂正事項5)。 カ 特許権者は、特許請求の範囲の請求項8を削除する(訂正事項6)。 キ 特許権者は、特許請求の範囲の請求項9を以下のとおりに訂正する(訂正事項7)。また、請求項9の記載を引用する請求項11,16,17も同様に訂正する。 「【請求項9】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体が環状であり、前記外装体の内周面が前記支持体の外周側面に接続しており、 外周面が前記支持体の内周側面に接続する筒状の内装体と、 前記内装体の内周面に設けられ、前記コネクタを固定するコネクタ固定体と、をさらに備え、 前記コネクタのうち少なくとも一部は前記内装体の内部に配置され、 前記コネクタ固定体は、 前記コネクタを固定する固定板部と、 前記固定板部および前記内装体の内周面に接続し、前記コネクタのうち前記固定板部より上方の部分を取り囲むカバー部と、 を有することを特徴とする力覚センサ。」 ク 特許権者は、特許請求の範囲の請求項10を以下のとおりに訂正する(訂正事項8)。また、請求項10の記載を引用する請求項11,16,17も同様に訂正する。 「【請求項10】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体が環状であり、前記外装体の内周面が前記支持体の外周側面に接続しており、 外周面が前記支持体の内周側面に接続する筒状の内装体をさらに備え、 前記コネクタのうち少なくとも一部は前記内装体の内部に配置され、 前記コネクタは、L字状に構成されており、前記内装体に設けられた貫通孔に嵌合されていることを特徴とする力覚センサ。」 ケ 特許権者は、特許請求の範囲の請求項11を以下のとおりに訂正する(訂正事項9)。また、請求項11の記載を引用する請求項16,17も同様に訂正する。 「【請求項11】 前記内装体には、前記電気ケーブル以外のケーブルを挿通可能な配線スペースが確保されていることを特徴とする請求項9または10に記載の力覚センサ。」 コ 特許権者は、特許請求の範囲の請求項12を以下のとおりに訂正する(訂正事項10)。また、請求項12の記載を引用する請求項16,17も同様に訂正する。 「【請求項12】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体が環状であり、前記外装体の内周面が前記支持体の外周側面に接続しており、 外周面が前記支持体の内周側面に接続する筒状の内装体をさらに備え、 前記コネクタのうち少なくとも一部は前記内装体の内部に配置され、 前記支持体は、前記受力体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、 前記コネクタは、前記第2の主面側に露出する接続面が前記第2の主面よりも奥側に位置するように前記内装体の内部に配置されていることを特徴とする力覚センサ。」 サ 特許権者は、特許請求の範囲の請求項13を以下のとおりに訂正する(訂正事項11)。また、請求項13の記載を引用する請求項14?17も同様に訂正する。 「【請求項13】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記コネクタを固定するとともに、前記支持体側から前記外装体または前記支持体に取り付けられたコネクタ固定外装体をさらに備えることを特徴とする力覚センサ。」 シ 特許権者は、特許請求の範囲の請求項16を以下のとおりに訂正する(訂正事項12)。また、請求項16の記載を引用する請求項17も同様に訂正する。 「【請求項16】 前記コネクタは、前記検出リングの中心軸に沿って設けられていることを特徴とする請求項2?6、9?15のいずれかに記載の力覚センサ。」 ス 特許権者は、特許請求の範囲の請求項17を以下のとおりに訂正する(訂正事項13)。 「【請求項17】 前記検出部は、前記検出リングの中心点から見て均等に分散して複数設けられていることを特徴とする請求項1?6、9?16のいずれかに記載の力覚センサ。」 また、訂正前の請求項1-17は、請求項2-17が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を直接または間接的に引用する関係にあるから、訂正前において一群の請求項に該当するものである。したがって、訂正の請求は、一群の請求項ごとにされたものである。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 ア 訂正事項1は、訂正前の請求項1において、「・・・コネクタと、を備える力覚センサ。」とされていた記載を、訂正前の請求項16の記載に基づいて、「・・・コネクタと、を備え、前記コネクタは、前記検出リングの中心軸に沿って設けられている、力覚センサ。」とするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 イ 訂正事項2は、訂正前の請求項1の記載を引用する請求項2の記載を、請求項1の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 エ 訂正事項3は、訂正前の請求項1の記載を引用する請求項4の記載を、請求項1の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 オ 訂正事項4は、訂正前の請求項1の記載を引用する請求項6の記載を、請求項1の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 カ 訂正事項5,6は、それぞれ請求項7,8を削除するというものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 キ 訂正事項7は、訂正前の請求項1の記載を引用する請求項7の記載を引用する請求項8の記載を引用する請求項9の記載を、請求項1,7及び8の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ク 訂正事項8は、訂正前の請求項1の記載を引用する請求項7の記載を引用する請求項10の記載を、請求項1及び7の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ケ 訂正事項9は、訂正前の請求項11において、「・・・請求項7?10のいずれかに記載の力覚センサ。」とされていた記載を、「・・・請求項9または10のいずれかに記載の力覚センサ。」とするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 コ 訂正事項10は、訂正前の請求項12において、「・・・請求項7?11のいずれかに記載の力覚センサ。」として、請求項7?11が引用されていた記載を、訂正前の請求項1の記載を引用する請求項7の記載を引用する請求項12の記載に限定して、請求項1及び7の記載を引用しない形式とするものであるから、特許請求の範囲の減縮、及び引用関係の解消を目的とするものに該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 サ 訂正事項11は、訂正前の請求項1の記載を引用する請求項13の記載を、請求項1の記載を引用しないものとすることを目的とするものに該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 シ 訂正事項12は、訂正前の請求項16において、「・・・請求項1?15のいずれかに記載の力覚センサ。」とされていた記載について、請求項1,7,8を引用する請求項の対象から除いて、「・・・請求項2?6、9?15のいずれかに記載の力覚センサ。」とするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ス 訂正事項13は、訂正前の請求項17において、「・・・請求項1?16のいずれかに記載の力覚センサ。」とされていた記載について、請求項7,8を引用する請求項の対象から除いて、「・・・請求項1?6、9?16のいずれかに記載の力覚センサ。」とするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 セ 訂正後の請求項3,5,14,15は、それぞれ請求項2,4,13,14を引用するものであって、それ自体の記載は訂正されていない。 (3)小括 したがって、上記訂正請求による訂正事項1ないし訂正事項13は、特許法第120条の5第2項ただし書第1,4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項及び第4項、並びに同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 なお、本件特許異議申立事件においては訂正前の請求項1-17について特許異議の申立てがされていることから、訂正が特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであっても、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 したがって、訂正後の請求項〔1-17〕について訂正を認める。 3 訂正後の発明 上記訂正請求により訂正された請求項1-17に係る発明(以下、それぞれを請求項の番号にしたがって「本件訂正発明1」のようにいう。)は、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、を備え、前記コネクタは、前記検出リングの中心軸に沿って設けられている、力覚センサ。 【請求項2】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体は、前記受力体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、 前記第2の主面には凹部が設けられ、 前記コネクタは、前記凹部の底部に設けられた貫通孔に嵌合していることを特徴とする力覚センサ。 【請求項3】 前記コネクタは、前記第2の主面側に露出する接続面を有しており、前記接続面が前記第2の主面よりも奥側に位置するように前記支持体に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の力覚センサ。 【請求項4】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体は、前記受力体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、 前記第1の主面と前記の第2の主面間を貫通する貫通孔が設けられ、 前記第1の主面側における前記貫通孔の開口を覆うとともに、前記コネクタを固定するコネクタ固定体をさらに備えることを特徴とする力覚センサ。 【請求項5】 前記コネクタは、前記第2の主面側に露出する接続面を有しており、前記接続面が前記第2の主面よりも奥側に位置するように前記コネクタ固定体に固定されていることを特徴とする請求項4に記載の力覚センサ。 【請求項6】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体は、前記受力体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、 前記コネクタは、前記支持体に設けられた貫通孔に嵌合しており、 前記第2の主面から突出した前記コネクタを囲うように突設されたコネクタ保護体をさらに備えることを特徴とする力覚センサ。 【請求項7】 (削除) 【請求項8】 (削除) 【請求項9】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体が環状であり、前記外装体の内周面が前記支持体の外周側面に接続しており、 外周面が前記支持体の内周側面に接続する筒状の内装体と、 前記内装体の内周面に設けられ、前記コネクタを固定するコネクタ固定体と、をさらに備え、 前記コネクタのうち少なくとも一部は前記内装体の内部に配置され、 前記コネクタ固定体は、 前記コネクタを固定する固定板部と、 前記固定板部および前記内装体の内周面に接続し、前記コネクタのうち前記固定板部より上方の部分を取り囲むカバー部と、 を有することを特徴とする力覚センサ。 【請求項10】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体が環状であり、前記外装体の内周面が前記支持体の外周側面に接続しており、 外周面が前記支持体の内周側面に接続する筒状の内装体をさらに備え、 前記コネクタのうち少なくとも一部は前記内装体の内部に配置され、 前記コネクタは、L字状に構成されており、前記内装体に設けられた貫通孔に嵌合されていることを特徴とする力覚センサ。 【請求項11】 前記内装体には、前記電気ケーブル以外のケーブルを挿通可能な配線スペースが確保されていることを特徴とする請求項9または10に記載の力覚センサ。 【請求項12】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体が環状であり、前記外装体の内周面が前記支持体の外周側面に接続しており、 外周面が前記支持体の内周側面に接続する筒状の内装体をさらに備え、 前記コネクタのうち少なくとも一部は前記内装体の内部に配置され、 前記支持体は、前記受力体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、 前記コネクタは、前記第2の主面側に露出する接続面が前記第2の主面よりも奥側に位置するように前記内装体の内部に配置されていることを特徴とする力覚センサ。 【請求項13】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記コネクタを固定するとともに、前記支持体側から前記外装体または前記支持体に取り付けられたコネクタ固定外装体をさらに備えることを特徴とする力覚センサ。 【請求項14】 前記コネクタ固定外装体は、筒部と、前記筒部の下端を閉塞する底部と、前記底部に設けられた貫通孔を覆うように設けられ、前記コネクタを固定するコネクタ固定部とを有することを特徴とする請求項13に記載の力覚センサ。 【請求項15】 前記底部は、前記支持体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、 前記コネクタは、前記第2の主面側に露出する接続面が前記第2の主面よりも奥側に位置するように前記コネクタ固定部に固定されていることを特徴とする請求項14に記載の力覚センサ。 【請求項16】 前記コネクタは、前記検出リングの中心軸に沿って設けられていることを特徴とする請求項2?6、9?15のいずれかに記載の力覚センサ。 【請求項17】 前記検出部は、前記検出リングの中心点から見て均等に分散して複数設けられていることを特徴とする請求項1?6、9?16のいずれかに記載の力覚センサ。」 4 当審の判断 (1)取消理由について ア 取消理由の概要 当審が令和元年10月30日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 取消理由 本件特許の請求項1,7-9,11,17に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内または外国において頒布された引用文献に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、それらの請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 イ 取消理由についての判断 (ア)引用文献等 上記取消理由において引用した文献、及び本件特許異議申立理由において引用された文献は、以下のとおりである。 引用文献一覧(取消理由において引用した文献) 甲第2号証:特開2015-129740号公報 甲第1号証:特開2018-91859号公報 甲第10号証:特開2015-85449号公報 その他の文献 甲第3号証:ATI INDUSTRIAL AUTOMATION社ウェブサイト、「カスタマイズF/Tトランスデューサ」、2016年11月3日(米国の第三者機関であるInternet ArchiveのWayback MachineによるURL:https://web.archive.org/web/20161103183331/http://www.ati-ia.com/ja-JP/products/ft/ft_CustomApps.aspx) 甲第4号証:ATI INDUSTRIAL AUTOMATION社ウェブサイト、「F/T Sensor:Mini85」、2016年4月18日(米国の第三者機関であるInternet ArchiveのWayback MachineによるURL:https://web.archive.org/web/20160418223215/http://www.ati-ia.com/products/ft/ft_models.aspx?id=Mini85) 甲第5号証:レプトリノ社ウェブサイト、「6軸力覚センサ」、(米国の第三者機関であるInternet ArchiveのWayback MachineによるURL:https://web.archive.org/web/20161213084932/http://leptrino.co.jp/PDF/CFSHP.pdf) 甲第6号証:特許第6462946号公報 甲第7号証:特開平7-14642号公報 甲第8号証:特開2015-200703号公報 甲第9号証:特開2001-142566号公報 甲第11号証:ATI INDUSTRIAL AUTOMATION社ウェブサイト、「F/T Models」、2018年6月15日(米国の第三者機関であるInternet ArchiveのWayback MachineによるURL:https://web.archive.org/web/20180615115457/http://www.ati-ia.com/Products/ft/ft_ModelListing.aspx) 甲第12号証:ATI INDUSTRIAL AUTOMATION社ウェブサイト、「Titanium Mini27 Transducer」、(URL:https://www.ati-ia.com/app_content/Documents/9230-05-1420.auto.pdf) (イ)本件訂正発明1について a 引用発明1 甲第2号証には、以下のように記載されている。(下線は当審による。以下同様。) 「【0001】 本発明は、外力を検出することができる力覚センサに関する。」 「【0020】 (実施形態) 図1は、本実施形態に係る力覚センサを示す模式図である。力覚センサ1は、加えられた外力を検出することができる装置である。力覚センサ1は、例えば、ロボットの動きを規制するモータ等の回転機械に接続される。力覚センサ1は、加えられた外力の大きさおよび方向を検出し、加えられた外力の大きさおよび方向に応じた当該モータ等を制御する制御部に送る制御信号を送出することができる。 【0021】 力覚センサ1は、基部10と、第1可動部21と、第2可動部22と、を有する。例えば、基部10は、円筒状の筐体100の底面に固定された円盤状の部材であり、支持体30を備える。なお、基部10は、筐体100の底面と一体になっていてもよい。以下の説明において、基部10の中心軸Zrに平行なZ軸と、Z軸に対して直交するX軸、Z軸およびX軸に対して直交するY軸と、からなる直交座標系が用いられる。支持体30は、第1可動部21および第2可動部22を揺動可能に支持する。支持体30は、例えば、ディスク型カップリングであり、基部10の表面の中央部分に固定される。」 「【0028】 図1に示すように、基部10は、第1センサ15を有する。第1センサ15は、例えば、フォトリフレクタであり、基部10の表面にセンサ台15bを介して固定されている。第1センサ15は、例えば、支持体30の外側に、中心軸Zrを中心とした周方向で等間隔に4つ配置されている。また、4つの第1センサ15のうち2つの第1センサ15は、X軸に平行な直線上に配置されており、残りの2つの第1センサ15は、Y軸に平行な直線上に配置されている。」 「【0035】 図6は、本実施形態に係る力覚センサにY軸廻りのモーメントが加えられた場合を示す模式図である。なお、図面上で変形をわかりやすくするため、図6では、ストッパー19の記載が省略されている。Y軸廻りのモーメントMyは、第1可動部21および第2可動部22を揺動させる第1の分力である。力覚センサ1にY軸廻りのモーメントMyが加えられた場合、支持体30のディスク33が変形することで、第1可動部21および第2可動部22は、揺動しYZ平面に対して所定の角度θだけ傾斜する。このため、第1可動部21は、XY平面に対して角度θだけ傾斜する。第1可動部21および第2可動部22が一緒に揺動するので、第1可動部21および第2可動部22は、平行な状態を保っている。また、第1可動部21は、基部10に対して傾斜している。その結果、X軸に平行な直線上に配置された2つの第1センサ15のうち一方の第1センサ15から当該第1センサ15に対向する反射板16までの距離Dz1は、距離Dzよりも大きくなる。X軸に平行な直線上に配置された2つの第1センサ15のうち他方の第1センサ15から当該第1センサ15に対向する反射板16までの距離Dz2は、距離Dzよりも小さくなる。具体的には、中心軸Zrから各第1センサ15までの距離Dsを用いて、距離Dz1は、距離DzよりもDs×tanθだけ大きくなり、距離Dz2は、距離DzよりもDs×tanθだけ小さくなる。これにより、X軸に平行な直線上に配置された2つの第1センサ15が検出する反射光強度に差が生じる。力覚センサ1は、当該反射光強度の差によって、加えられたY軸廻りのモーメントMyの大きさおよび方向を検出する。」 「【0042】 図11は、本実施形態に係る第1検出部および第2検出部の構成を示す模式図である。力覚センサ1は、第1検出部91と、第2検出部92と、を有している。第1検出部91および第2検出部92は、モータ等の回転機械の制御部41と接続されている。第1検出部91および第2検出部92は、力覚センサ1に加えられた外力の情報である外力データP1、P2を制御部41へ出力する。第1検出部91は、第1センサ15と、AD変換部51と、距離演算部61と、力演算部71と、を有する。第2検出部92は、第2センサ28と、AD変換部52と、角度演算部62と、力演算部72と、を有する。4つの第1センサ15は、それぞれが検出した反射光強度に応じてセンサ出力S11、S12、S13、S14をAD変換部51に送る。第2センサ28は、検出した反射光強度に応じてセンサ出力S2をAD変換部52に送る。AD変換部51、52、距離演算部61、角度演算部62および力演算部71、72は、例えば、1つの演算処理部42に備えられる。なお、AD変換部51、距離演算部61および力演算部71が1つの演算処理部に備えられ、AD変換部52、角度演算部62および力演算部72が異なる演算処理部に備えられてもよい。」 「【0113】 (変形例7) 図24は、変形例7に係る力覚センサを示す模式図である。図25は、変形例7に係る力覚センサを、中心軸を含む平面で切った断面図である。図26は、変形例7に係るディスクの一例を示す平面図である。図27は、変形例7に係るディスクの一例を示す平面図である。変形例7に係る力覚センサ1Eは、上述した実施形態に対して、変形例6と同様に第2可動部22および第2検出部92を有さない点が異なる。なお、上述した実施形態および変形例6で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。 【0114】 図24に示すように、変形例7に係る力覚センサ1Eは、基部10Eと、支持体30Eと、を備える。例えば、基部10Eは、円盤状の部材であり、Z軸方向に貫通する貫通孔である第1内部通路10hを備える。また、基部10Eは、第1可動部21に対向する表面の中央部でZ軸方向に突出する突出部101を備える。第1内部通路10hは、突出部101を貫通している。このため、突出部101は筒状になっている。」 「【0117】 上述したように、変形例7に係る力覚センサ1Eにおいて、支持体30Eは、第1可動部21を貫通している。基部10Eを貫通する第1内部通路10hおよび支持体30Eを貫通する第2内部通路30hが、同一直線上に並んで配置されている。 【0118】 力覚センサ1Eにおいては、基部10Eから第1可動部21に至る配線または配管が設けられる。変形例7に係る力覚センサ1Eにおいては、配線または配管は、第1内部通路10hおよび第2内部通路30hを通って、基部10Eから第1可動部21まで到達することができる。このため、配線または配管が各部材の外側を通される場合に比べて、力覚センサ1Eは、装置全体を小型化することができる。」 ここで、図1及び図24から、図24の実施例(変形例7)において「基部10」が「筐体100の底面と一体に」(【0021】)なった場合、『第1センサ15を内蔵する円筒状の筐体100』の『一方の開口部に第1可動部21が配置され、他方の開口部に前記基部10が配置される』構成となることは明らかといえる。 そうすると、甲第2号証には以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「ロボットの動きを規制するモータ等の回転機械に接続される力覚センサ1(【0020】)であって、 力覚センサ1にY軸廻りのモーメントMyが加えられた場合、第1可動部21は、揺動しYZ平面に対して所定の角度θだけ傾斜して、2つの第1センサ15が検出する反射光強度に差が生じ、加えられたY軸廻りのモーメントMyの大きさおよび方向を検出し(【0035】)、 第1センサ15が表面に固定されている、基部10と(【0028】)、 第1センサ15と、AD変換部51と、距離演算部61と、力演算部71と、を有し、力覚センサ1に加えられた外力の情報である外力データP1を制御部41へ出力する、第1検出部91と(【0042】)、 一方の開口部に前記第1可動部21が配置され、他方の開口部に前記基部10が配置され、前記第1センサ15を内蔵する円筒状の筐体100(【0021】、図1、図24)、を備え、 配線は、第1内部通路10hおよび第2内部通路30hを通って、基部10Eから第1可動部21まで到達する(【0118】)、 力覚センサ1。」 b 周知技術 甲第1号証には、以下のように記載されている。 「【0001】 本発明は、本発明は、力覚センサに関し、特に、三次元直交座標系における各座標軸方向の力および各座標軸まわりのモーメントを検出するのに適したセンサに関する。 【背景技術】 【0002】 ロボットや産業機械の動作制御を行うために、種々のタイプの力覚センサが利用されている。また、電子機器の入力装置のマン・マシンインターフェイスとしても、小型の力覚センサが組み込まれている。このような用途に用いる力覚センサには、小型化およびコストダウンを図るために、できるだけ構造を単純にするとともに、三次元空間内での各座標軸に関する力をそれぞれ独立して検出できるようにすることが要求される。」 「【0115】 <3-2.基本的実施形態の構造> 続いて、本発明の基本的実施形態(第1の実施形態)に係る力覚センサの構造を説明する。図16は、当該実施形態に係る力覚センサの基本構造部の上面図(上段の図)およびこれをXZ平面で切断した側断面図(下段の図)である。図示のとおり、この基本構造部は、受力体100と、検出リング600と、支持基板300とを備えている。 【0116】 検出リング600は、§3-1で詳述したとおり、図13に示す構造を有する円環状の部材であり、4組の検出部D1?D4を有している。受力体100は、この検出リング600の外側を取り囲むように配置された円環状の部材である。一方、支持基板300は、下段の側断面図に示されているとおり、検出リング600および受力体100の下方に配置された円盤状の部材である。受力体100の内周面と検出リング600の外周面との間は、X軸に沿った位置に配置された2本の接続部材410,420によって接続され、検出リング600の下面と支持基板300の上面との間は、Y軸に沿った位置に配置された固定部材510,520によって接続されている。」 甲第1号証の上記記載のように、ロボットや産業機械の動作制御を行うための力覚センサとして、検出部を有する検出リングを備える構成は周知なものに過ぎない。(以下、「周知技術」という。) c 引用発明2 甲第10号証には、以下のように記載されている。 「【0006】 しかし、上記の提案の技術では、ロボットの動作中において該動作に必要な電気的接続が遮断されてしまう虞がある。なぜならば、アーム部と力覚センサーとの電気的な接続はこれらの外側を通る配線によって行われているので、該配線がロボット周辺に存在する物体や作業員と接触して断線してしまう可能性がある。また、アーム部とハンド部との電気的な接続はそれぞれの外側に固定された接続端子同士を接触させることによって行われているので、該接続端子がロボット周辺に存在する物体や作業員と接触して、あるいは、ハンド部に力が作用することでハンド部がアーム部に対して変位して、接続端子同士が離れてしまう可能性がある。」 「【0030】 図2は、力覚センサー140および着脱機構部150を介して、ハンド部110がアーム部120に取り付けられる様子を示す分解斜視図である。図2に示されるように、アーム部120内には本体部130に接続された配線(フラットケーブル)w1,w2が通されている。力覚センサー140には、アーム部120側から着脱機構部150側に向けて配線用貫通穴141(開口部)が形成されている。アーム部120から延びる配線w1は、配線用貫通穴141の内壁に設けられたコネクタ(図示せず)に接続されている。このように配線w1を接続することにより、本体部130の電力供給部から力覚センサー140に対して電力が供給されるとともに、本体部130の制御部と力覚センサー140との間で各種信号の送受信が可能となる(アーム部120と力覚センサー140とが電気的に接続される)。 【0031】 これに対して、アーム部120から延びる配線w2は、力覚センサー140の配線用貫通穴141をそのまま通されて、着脱機構部150の力覚センサー140側に設けられたコネクタ151に接続されている(アーム部120と着脱機構部150とが電気的に接続されている)。また、着脱機構部150には係止孔152が形成され、ハンド部110には着脱機構部150側に突出させて係止片111が形成されている。着脱機構部150の係止孔152に、ハンド部110の係止片111を挿入させることによって、ハンド部110が着脱機構部150に取り付けられる。この際、着脱機構部150のハンド部110側に設けられたメス型端子(バンプ型端子、ここでは図示せず)に、ハンド部110の着脱機構部150側に設けられたオス型端子112(スプリングピン型端子)が接触する(メス型端子とオス型端子とが電気的に接続されている)。オス型端子112は、基部がバネによってメス型端子側に付勢されているので(スプリングピン型端子であるので)、オス型端子112はメス型端子に押しつけられた状態で接触する。」 上記記載から、甲第10号証には以下の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。 「ロボットのアーム部と力覚センサーとの電気的な接続(【0006】)に関し、アーム部120内には本体部130に接続された配線(フラットケーブル)w1,w2が通され、力覚センサー140には配線用貫通穴141(開口部)が形成され、アーム部120から延びる配線w1は、配線用貫通穴141の内壁に設けられたコネクタに接続されて、本体部130の制御部と力覚センサー140との間で各種信号の送受信が可能となる(【0030】)、ロボットの電気的接続構造。」 d 対比、検討 本件訂正発明1と引用発明1とを、主たる構成要件毎に、順次対比する。 まず、引用発明1における「ロボットの動きを規制するモータ等の回転機械に接続される力覚センサ1」は、本件訂正発明1における「ロボットに装着される力覚センサ」に相当する。 また、引用発明1においては、「力覚センサ1にY軸廻りのモーメントMyが加えられた場合」に、「第1可動部21」が傾斜して、これにより「第1センサ15が」「加えられたY軸廻りのモーメントMyの大きさおよび方向を検出し」ているのであるから、引用発明1が「第1可動部21」を備えることは、本件訂正発明1が「検出対象となる」「モーメントの作用を受ける受力体」を備えることに相当し、また引用発明1が「第1センサ15」を備えることと、本件訂正発明1が「前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リング」を備えることとは、「前記受力体が受けたモーメントを検出するセンサ部を有する検出器」を備える点で共通するといえる。 次に、引用発明1の「第1センサ15が表面に固定されている、基部10」と、本件訂正発明1の「前記検出リングを支持する支持体」とは、「前記検出器を支持する支持体」である点で共通する。 さらに、引用発明1の「第1センサ15と、AD変換部51と、距離演算部61と、力演算部71と、を有し、力覚センサ1に加えられた外力の情報である外力データP1を制御部41へ出力する、第1検出部91」のうち「第1センサ15」を除く部分と、本件訂正発明1における「前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路」とは、「前記センサ部の検出結果に基づいて、前記検出器に作用したモーメントを示す電気信号を出力する検出回路」である点で共通する。 そして、引用発明1の「一方の開口部に前記第1可動部21が配置され、他方の開口部に前記基部10が配置され、前記第1センサ15を内蔵する筒状の筐体100」と、本件訂正発明1の「一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体」とは、「一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出器を内蔵する筒状の外装体」である点で共通する。 また、引用発明1において「配線は、第1内部通路10hおよび第2内部通路30hを通って、基部10Eから第1可動部21まで到達する」ことと、本件訂正発明1が「前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタ」を備えることとは、「前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられた」点で共通する。 そうすると、両者の一致点及び相違点は以下のとおりである。 一致点 「ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となるモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けたモーメントを検出するセンサ部を有する検出器と、 前記検出器を支持する支持体と、 前記センサ部の検出結果に基づいて、前記検出器に作用したモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出器を内蔵する筒状の外装体と、を備え、 前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられた、 力覚センサ。」 相違点 相違点1:本件訂正発明1は、「検出部を有する検出リング」を備えるのに対し、引用発明1においては複数の「第1センサ15」による検出が行われており、またこれに伴い、支持体による支持対象や、検出回路により検出されるモーメントの作用対象、外装体に内蔵される対象なども、引用発明1においては「検出リング」ではない点。 相違点2:本件訂正発明1は、「前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタ」を備えているのに対し、引用発明1においては、配線が通される「第1内部通路10hおよび第2内部通路30h」を備えるものの、内部にコネクタが設けられているかは不明である点。 相違点3:本件訂正発明1は、「コネクタ」を備え、「前記コネクタは、前記検出リングの中心軸に沿って設けられている」のに対し、引用発明1においては、配線が通される「第1内部通路10hおよび第2内部通路30h」を備えるものの、内部にコネクタが設けられているかは不明である点。 上記相違点1について検討する。 上記「b 周知技術」で述べたように、ロボットや産業機械の動作制御を行うための力覚センサにおいて、検出部を有する検出リングを備える構成は周知であり、同様に「ロボットの動きを規制するモータ等の回転機械に接続される力覚センサ1」である引用発明1の検出器として、該周知な「検出部を有する検出リング」を採用することは、当業者が適宜行うべき設計事項に過ぎない。 上記相違点2について検討する。 上記「c 引用発明2」で述べたように、 「ロボットのアーム部と力覚センサーとの電気的な接続に関し、アーム部120内には本体部130に接続された配線(フラットケーブル)w1,w2が通され、力覚センサー140には配線用貫通穴141(開口部)が形成され、アーム部120から延びる配線w1は、配線用貫通穴141の内壁に設けられたコネクタに接続されて、本体部130の制御部と力覚センサー140との間で各種信号の送受信が可能となる、ロボットの電気的接続構造。」(引用発明2) は公知である。引用発明2において、「本体部130の制御部と力覚センサー140との間で」「送受信が可能となる」「各種信号」に、力覚センサー140の出力信号が含まれていること、すなわち、「配線用貫通穴141の内壁に設けられたコネクタ」が「力覚センサー」の検出回路の端子に接続されていることは明らかであるから、引用発明2の「アーム部120内に」「通され」た「配線(フラットケーブル)w1」が「接続され」る「配線用貫通穴141の内壁に設けられたコネクタ」は、上記相違点2に係る本件訂正発明1の「前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタ」に相当する。 そして、引用発明1と引用発明2とはいずれも、ロボットの力覚センサに対する、内部通路を用いた配線構造を含むものであるから、引用発明2の上記コネクタを有する接続構造を引用発明1の配線の接続に採用することは、当業者が容易に想到し得たものである。 上記相違点3について検討する。 引用発明2において、「コネクタ」の配置に関しては、「配線用貫通穴141の内壁に設けられた」とあるのみであって、「コネクタ」を「検出部を有する検出リングの中心軸に沿って」設けるようにする点は、甲第1,2,10号証に記載も示唆もされていない。(なお、この点は甲第3?9,11,12号証にも記載も示唆もされていない。) そして、本件訂正発明1は、「コネクタは、前記検出リングの中心軸に沿って設けられている」ことによって、力覚センサの内部空間を効率的に使用することができる(発明の詳細な説明の段落【0049】)、という特有の効果を奏するものである。 したがって、本件訂正発明1は、当業者であっても、引用発明1,2及び上記周知技術に基いて、さらに甲第3?9,11,12号証に記載された発明に基づいても、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (ウ)本件訂正発明2,3について 本件訂正発明2,3は、本件訂正発明1と同じく、 「ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、」 るという構成(以下、「構成1」という。)を含むものである。 したがって、上記「(イ)本件訂正発明1について」で述べたものと同じ理由により、本件訂正発明2,3と引用発明1とは、上記一致点で一致し、上記相違点1,2と同様の相違点で相違する。 さらに両者は、以下の相違点4で相違する。 相違点4:本件訂正発明2,3においては、「前記支持体は、前記受力体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、前記第2の主面には凹部が設けられ、前記コネクタは、前記凹部の底部に設けられた貫通孔に嵌合している」のに対し、引用発明1においては、「基部10」に凹部は設けられていない点。 相違点1,2については、上記「(イ)本件訂正発明1について」で検討したとおりであるので、相違点4について検討する。 凹部に設けられたコネクタ自体は、電気的な接続のための部材として周知なものであるといえる。 しかしながら、そのようなコネクタを、力覚センサの支持体に設けられた貫通孔に嵌合させた構成とすることまでは周知であるとはいえず、またそのような構成は甲第1,2,10号証に記載も示唆もされていない。(なお、この点は甲第3?9,11,12号証にも記載も示唆もされていない。) そして、本件訂正発明2,3は、そのような構成によって、接続面が主面よりも奥側に位置するようにコネクタ位置調整を容易に行うことができ、これにより、支持体が他の物体に衝突した場合にコネクタが破損することを防止できる(発明の詳細な説明の段落【0059】)、という特有の効果を奏するものである。 したがって、本件訂正発明2,3は、当業者であっても、引用発明1,2及び上記周知技術に基いて、さらに甲第3?9,11,12号証に記載された発明に基づいても、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (エ)本件訂正発明4,5について 本件訂正発明4,5は、本件訂正発明1と同じく、上記「構成1」を含むものである。 したがって、上記「(イ)本件訂正発明1について」で述べたものと同じ理由により、本件訂正発明4,5と引用発明1とは、上記一致点で一致し、上記相違点1,2と同様の相違点で相違する。 さらに両者は、以下の相違点5で相違する。 相違点5:本件訂正発明4,5においては、「前記支持体は、前記受力体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、前記第1の主面と前記の第2の主面間を貫通する貫通孔が設けられ、前記第1の主面側における前記貫通孔の開口を覆うとともに、前記コネクタを固定するコネクタ固定体をさらに備える」のに対し、引用発明1においては、「基部10」に、貫通孔の開口を覆うとともに、前記コネクタを固定するコネクタ固定体は設けられていない点。 相違点1,2については、上記「(イ)本件訂正発明1について」で検討したとおりであるので、相違点5について検討する。 相違点5に係る構成は、甲第1,2,10号証に記載も示唆もされていない。(なお、この点は甲第3?9,11,12号証にも記載も示唆もされていない。) そして、本件訂正発明2,3は、そのような構成によって、コネクタの位置調整を容易に行うことができ、またコネクタ固定体によりコネクタを支持固定するため、支持体を薄くして力覚センサの軽量化を図ることができる(発明の詳細な説明の段落【0078】,【0080】)、という特有の効果を奏するものである。 したがって、本件訂正発明4,5は、当業者であっても、引用発明1,2及び上記周知技術に基いて、さらに甲第3?9,11,12号証に記載された発明に基づいても、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (オ)本件訂正発明6について 本件訂正発明6は、本件訂正発明1と同じく、上記「構成1」を含むものである。 したがって、上記「(イ)本件訂正発明1について」で述べたものと同じ理由により、本件訂正発明6と引用発明1とは、上記一致点で一致し、上記相違点1,2と同様の相違点で相違する。 さらに両者は、以下の相違点6で相違する。 相違点6:本件訂正発明6においては、「前記支持体は、前記受力体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、前記コネクタは、前記支持体に設けられた貫通孔に嵌合しており、前記第2の主面から突出した前記コネクタを囲うように突設されたコネクタ保護体をさらに備える」のに対し、引用発明1においては、「基部10」に、突出したコネクタを囲うように突設されたコネクタ保護体は設けられていない点。 相違点1,2については、上記「(イ)本件訂正発明1について」で検討したとおりであるので、相違点6について検討する。 コネクタを囲うように突設されたコネクタ保護体自体は、電気的な接続のための部材として周知なものであるといえる。 しかしながら、そのようなコネクタ保護体を、力覚センサの支持体に設けられた貫通孔に嵌合させたコネクタに適用することまでは周知であるとはいえず、またそのような構成は甲第1,2,10号証に記載も示唆もされていない。(なお、この点は甲第3?9,11,12号証にも記載も示唆もされていない。) そして、本件訂正発明6は、そのような構成によって、コネクタが外側へ突出する分、コネクタの内側への突出量を低減することができるため、力覚センサの薄型化を図ることができる(発明の詳細な説明の段落【0089】)、という特有の効果を奏するものである。 したがって、本件訂正発明6は、当業者であっても、引用発明1,2及び上記周知技術に基いて、さらに甲第3?9,11,12号証に記載された発明に基づいても、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (カ)本件訂正発明9について 本件訂正発明9は、本件訂正発明1と同じく、上記「構成1」を含むものである。 したがって、上記「(イ)本件訂正発明1について」で述べたものと同じ理由により、本件訂正発明9と引用発明1とは、上記一致点で一致し、上記相違点1,2と同様の相違点で相違する。 さらに両者は、以下の相違点7,8で相違する。 相違点7:本件訂正発明9においては、「前記支持体が環状であり、前記外装体の内周面が前記支持体の外周側面に接続しており、外周面が前記支持体の内周側面に接続する筒状の内装体」を備え、「前記コネクタのうち少なくとも一部は前記内装体の内部に配置され」ているのに対し、引用発明1においては、そのような構成は設けられていない点。 相違点8:本件訂正発明9においては、「前記内装体の内周面に設けられ、前記コネクタを固定するコネクタ固定体と、をさらに備え、前記コネクタ固定体は、前記コネクタを固定する固定板部と、前記固定板部および前記内装体の内周面に接続し、前記コネクタのうち前記固定板部より上方の部分を取り囲むカバー部と、を有する」のに対し、引用発明1においては、「基部10」に、そのようなコネクタ固定体は設けられていない点。 相違点1,2については、上記「(イ)本件訂正発明1について」で検討したとおりである。 上記相違点7について検討する。 甲第2号証には、「基部10E」の構造として、「円盤状の部材であり、Z軸方向に貫通する貫通孔である第1内部通路10hを備え」、「第1可動部21に対向する表面の中央部でZ軸方向に突出する突出部101を備え」、「突出部101は筒状になっている。」(【0114】)ものが記載されており、この「基部10E」が「筐体100の底面と一体に」なった構成が、本件訂正発明9の「前記支持体が環状であり、前記外装体の内周面が前記支持体の外周側面に接続しており、外周面が前記支持体の内周側面に接続する筒状の内装体をさらに備え」る構成に相当する。 また、引用発明2において「コネクタ」は「配線用貫通穴141の内壁に設けられ」ており、これは本件訂正発明9の「前記コネクタのうち少なくとも一部は前記内装体の内部に配置されていること」に相当する。 上記相違点8について検討する。 引用発明2において「コネクタ」は「配線用貫通穴141の内壁に設けられ」ており、コネクタが内壁に固定されていることは明らかといえる。 しかしながら、コネクタを固定する固定板部と、前記固定板部および内装体の内周面に接続し、前記コネクタのうち前記固定板部より上方の部分を取り囲むカバー部とを有するコネクタ固定体は、甲第1,2,10号証に記載も示唆もされていない。(なお、この点は甲第3?9,11,12号証にも記載も示唆もされていない。) そして、本件訂正発明9は、そのような構成によって、防水性や防塵性を向上させることができる(発明の詳細な説明の段落【0095】)、という特有の効果を奏するものである。 したがって、本件訂正発明9は、当業者であっても、引用発明1,2及び上記周知技術に基いて、さらに甲第3?9,11,12号証に記載された発明に基づいても、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (キ)本件訂正発明10について 本件訂正発明10は、本件訂正発明1と同じく、上記「構成1」を含むものである。 したがって、上記「(イ)本件訂正発明1について」で述べたものと同じ理由により、本件訂正発明10と引用発明1とは、上記一致点で一致し、上記相違点1,2と同様の相違点で相違する。 さらに両者は、以下の相違点7,9で相違する。 相違点7:本件訂正発明10においては、「前記支持体が環状であり、前記外装体の内周面が前記支持体の外周側面に接続しており、外周面が前記支持体の内周側面に接続する筒状の内装体」を備え、「前記コネクタのうち少なくとも一部は前記内装体の内部に配置され」ているのに対し、引用発明1においては、そのような構成は設けられていない点。 相違点9:本件訂正発明10においては、「前記コネクタは、L字状に構成されており、前記内装体に設けられた貫通孔に嵌合されている」のに対し、引用発明1においては、「基部10」に、そのようなコネクタは設けられていない点。 相違点1,2については、上記「(イ)本件訂正発明1について」で、また相違点7については、上記「(カ)本件訂正発明9について」で検討したとおりである。 上記相違点9について検討する。 L字状に構成されたコネクタ自体は、電気的な接続のための部材として周知なものであるといえる。 しかしながら、そのようなコネクタを、力覚センサの内装体に設けられた貫通孔に嵌合させて用いた構成までは周知であるとはいえず、またそのような構成は甲第1,2,10号証に記載も示唆もされていない。(なお、この点は甲第3?9,11,12号証にも記載も示唆もされていない。) そして、本件訂正発明10は、そのような構成によって、ロボットの安全性および信頼性を向上させることができるとともに、ロボットの見栄えを向上させることができる(発明の詳細な説明の段落【0099】,【0101】)、という特有の効果を奏するものである。 したがって、本件訂正発明10は、当業者であっても、引用発明1,2及び上記周知技術に基いて、さらに甲第3?9,11,12号証に記載された発明に基づいても、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (ク)本件訂正発明11について 本件訂正発明11は、本件訂正発明9または10の構成を全て含むものであるから、上記「(カ)本件訂正発明9について」または「(キ)本件訂正発明10について」で述べたものと同様の理由により、本件訂正発明11は、当業者であっても、引用発明1,2及び上記周知技術に基いて、さらに甲第3?9,11,12号証に記載された発明に基づいても、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (ケ)本件訂正発明12について 本件訂正発明12は、本件訂正発明1と同じく、上記「構成1」を含むものである。 したがって、上記「(イ)本件訂正発明1について」で述べたものと同じ理由により、本件訂正発明12と引用発明1とは、上記一致点で一致し、上記相違点1,2と同様の相違点で相違する。 さらに両者は、以下の相違点7,10で相違する。 相違点7:本件訂正発明12においては、「前記支持体が環状であり、前記外装体の内周面が前記支持体の外周側面に接続しており、外周面が前記支持体の内周側面に接続する筒状の内装体」を備え、「前記コネクタのうち少なくとも一部は前記内装体の内部に配置され」ているのに対し、引用発明1においては、そのような構成は設けられていない点。 相違点10:本件訂正発明12においては、「前記支持体は、前記受力体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、前記コネクタは、前記第2の主面側に露出する接続面が前記第2の主面よりも奥側に位置するように前記内装体の内部に配置されている」のに対し、引用発明1においては、「基部10」において、そのような配置によりコネクタは設けられていない点。 相違点1,2については、上記「(イ)本件訂正発明1について」で、また相違点7については、上記「(カ)本件訂正発明9について」で検討したとおりである。 上記相違点10について検討する。 電気的な接続のための構成として、奥側(凹部)に位置するように配置されたコネクタは周知であるといえる。 しかしながら、そのようなコネクタを、力覚センサの内装体内部に配置した構成までは周知であるとはいえず、またそのような構成は甲第1,2,10号証に記載も示唆もされていない。(なお、この点は甲第3?9,11,12号証にも記載も示唆もされていない。) そして、本件訂正発明12は、そのような構成によって、支持体が他の物体に衝突した場合にコネクタが破損することを防止できる(発明の詳細な説明の段落【0059】)、という特有の効果を奏するものである。 したがって、本件訂正発明12は、当業者であっても、引用発明1,2及び上記周知技術に基いて、さらに甲第3?9,11,12号証に記載された発明に基づいても、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (コ)本件訂正発明13?15について 本件訂正発明13?15は、本件訂正発明1と同じく、上記「構成1」を含むものである。 したがって、上記「(イ)本件訂正発明1について」で述べたものと同じ理由により、本件訂正発明13?15と引用発明1とは、上記一致点で一致し、上記相違点1,2と同様の相違点で相違する。 さらに両者は、以下の相違点11で相違する。 相違点11:本件訂正発明13?15においては、「前記コネクタを固定するとともに、前記支持体側から前記外装体または前記支持体に取り付けられたコネクタ固定外装体をさらに備える」のに対し、引用発明1においては、そのようなコネクタ固定外装体は設けられていない点。 相違点1,2については、上記「(イ)本件訂正発明1について」で検討したとおりであるので、相違点11について検討する。 相違点11に係る構成は、甲第1,2,10号証に記載も示唆もされていない。(なお、この点は甲第3?9,11,12号証にも記載も示唆もされていない。) そして、本件訂正発明13?15は、そのような構成によって、電気信号を送信するための電気ケーブルを支持体側から接続することが可能であり、ロボットの安全性および信頼性を向上させることができるとともに、ロボットの見栄えを向上させることができる(発明の詳細な説明の段落【0113】)、という特有の効果を奏するものである。 したがって、本件訂正発明13?15は、当業者であっても、引用発明1,2及び上記周知技術に基いて、さらに甲第3?9,11,12号証に記載された発明に基づいても、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (サ)本件訂正発明16について 本件訂正発明16は、本件訂正発明2?6,9?15のいずれかの構成を全て含むものであるから、上記「(ウ)本件訂正発明2,3について」ないし「(コ)本件訂正発明13?15について」のいずれかで述べたものと同様の理由により、本件訂正発明16は、当業者であっても、引用発明1,2及び上記周知技術に基いて、さらに甲第3?9,11,12号証に記載された発明に基づいても、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (シ)本件訂正発明17について 本件訂正発明17は、本件訂正発明1?6,9?15のいずれかの構成を全て含むものであるから、上記「(イ)本件訂正発明1について」ないし「(コ)本件訂正発明13?15について」のいずれかで述べたものと同様の理由により、本件訂正発明17は、当業者であっても、引用発明1,2及び上記周知技術に基いて、さらに甲第3?9,11,12号証に記載された発明に基づいても、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (2)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について ア 特許異議申立理由の概要 本件特許異議申立理由の概要は、次のとおりである。 本件の訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と、甲第2号証?甲第5号証に記載の事項から、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件の訂正前の請求項2?5に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と、甲第2号証?甲第5号証に記載の事項及び甲第7,8号証に記載のような周知技術から、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件の訂正前の請求項6に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と、甲第2号証?甲第5号証に記載の事項及び甲第9号証に記載のような周知技術から、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件の訂正前の請求項7-11に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と、甲第2号証?甲第5号証及び甲第10号証に記載の事項から、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件の訂正前の請求項12に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と、甲第2号証?甲第5号証及び甲第10号証に記載の事項及び甲第7,8号証に記載のような周知技術から、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件の訂正前の請求項13?15に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と、甲第2号証?甲第5号証に記載の事項及び甲第7,8号証に記載のような周知技術から、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件の訂正前の請求項16に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と、甲第2号証?甲第5号証及び甲第11,12号証に記載の事項から、当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件の訂正前の請求項17に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と、甲第2号証?甲第5号証に記載の事項から、当業者が容易に発明をすることができたものである。 イ 判断 上記申立理由について検討する。 上記「(1)取消理由について」「イ 取消理由についての判断」の(イ)ないし(シ)で述べたように、本件訂正発明1?6,9?17は、甲第1,2,10号証のみならず、甲第3?9,11,12号証に記載された発明に基づいても、容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 5 むすび 以上のとおり、本件訂正発明1?6,9?17に係る特許については、取消理由通知に記載した取消理由、及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては取り消すことはできない。さらに、他に本件訂正発明1?6,9?17に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 また、請求項7,8は、上記のとおり、訂正により削除された。これにより、請求項7,8に係る特許異議の申立ては、その対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記コネクタは、前記検出リングの中心軸に沿って設けられている、力覚センサ。 【請求項2】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体は、前記受力体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、 前記第2の主面には凹部が設けられ、 前記コネクタは、前記凹部の底部に設けられた貫通孔に嵌合していることを特徴とする力覚センサ。 【請求項3】 前記コネクタは、前記第2の主面側に露出する接続面を有しており、前記接続面が前記第2の主面よりも奥側に位置するように前記支持体に固定されていることを特徴とする請求項2に記載の力覚センサ。 【請求項4】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体は、前記受力体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、 前記第1の主面と前記の第2の主面間を貫通する貫通孔が設けられ、 前記第1の主面側における前記貫通孔の開口を覆うとともに、前記コネクタを固定するコネクタ固定体をさらに備えることを特徴とする力覚センサ。 【請求項5】 前記コネクタは、前記第2の主面側に露出する接続面を有しており、前記接続面が前記第2の主面よりも奥側に位置するように前記コネクタ固定体に固定されていることを特徴とする請求項4に記載の力覚センサ。 【請求項6】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体は、前記受力体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、 前記コネクタは、前記支持体に設けられた貫通孔に嵌合しており、 前記第2の主面から突出した前記コネクタを囲うように突設されたコネクタ保護体をさらに備えることを特徴とする力覚センサ。 【請求項7】 (削除) 【請求項8】 (削除) 【請求項9】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体が環状であり、前記外装体の内周面が前記支持体の外周側面に接続しており、 外周面が前記支持体の内周側面に接続する筒状の内装体と、 前記内装体の内周面に設けられ、前記コネクタを固定するコネクタ固定体と、 をさらに備え、 前記コネクタのうち少なくとも一部は前記内装体の内部に配置され、 前記コネクタ固定体は、 前記コネクタを固定する固定板部と、 前記固定板部および前記内装体の内周面に接続し、前記コネクタのうち前記固定板部より上方の部分を取り囲むカバー部と、 を有することを特徴とする力覚センサ。 【請求項10】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体が環状であり、前記外装体の内周面が前記支持体の外周側面に接続しており、 外周面が前記支持体の内周側面に接続する筒状の内装体をさらに備え、 前記コネクタのうち少なくとも一部は前記内装体の内部に配置され、 前記コネクタは、L字状に構成されており、前記内装体に設けられた貫通孔に嵌合されていることを特徴とする力覚センサ。 【請求項11】 前記内装体には、前記電気ケーブル以外のケーブルを挿通可能な配線スペースが確保されていることを特徴とする請求項9または10に記載の力覚センサ。 【請求項12】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記支持体が環状であり、前記外装体の内周面が前記支持体の外周側面に接続しており、 外周面が前記支持体の内周側面に接続する筒状の内装体をさらに備え、 前記コネクタのうち少なくとも一部は前記内装体の内部に配置され、 前記支持体は、前記受力体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、 前記コネクタは、前記第2の主面側に露出する接続面が前記第2の主面よりも奥側に位置するように前記内装体の内部に配置されていることを特徴とする力覚センサ。 【請求項13】 ロボットに装着される力覚センサであって、 検出対象となる力またはモーメントの作用を受ける受力体と、 前記受力体が受けた力またはモーメントを検出する検出部を有する検出リングと、 前記検出リングを支持する支持体と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記検出リングに作用した力またはモーメントを示す電気信号を出力する検出回路と、 一方の開口部に前記受力体が配置され、他方の開口部に前記支持体が配置され、前記検出リングを内蔵する筒状の外装体と、 前記電気信号を出力する前記検出回路の端子に電気的に接続されたコネクタであって、前記ロボットの内部に延設された電気ケーブルを前記支持体側から接続可能に設けられたコネクタと、 を備え、 前記コネクタを固定するとともに、前記支持体側から前記外装体または前記支持体に取り付けられたコネクタ固定外装体をさらに備えることを特徴とする力覚センサ。 【請求項14】 前記コネクタ固定外装体は、筒部と、前記筒部の下端を閉塞する底部と、前記底部に設けられた貫通孔を覆うように設けられ、前記コネクタを固定するコネクタ固定部とを有することを特徴とする請求項13に記載の力覚センサ。 【請求項15】 前記底部は、前記支持体と対向する第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有し、 前記コネクタは、前記第2の主面側に露出する接続面が前記第2の主面よりも奥側に位置するように前記コネクタ固定部に固定されていることを特徴とする請求項14に記載の力覚センサ。 【請求項16】 前記コネクタは、前記検出リングの中心軸に沿って設けられていることを特徴とする請求項2?6、9?15のいずれかに記載の力覚センサ。 【請求項17】 前記検出部は、前記検出リングの中心点から見て均等に分散して複数設けられていることを特徴とする請求項1?6、9?16のいずれかに記載の力覚センサ。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2020-03-18 |
出願番号 | 特願2018-188594(P2018-188594) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YAA
(G01L)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 森 雅之 |
特許庁審判長 |
小林 紀史 |
特許庁審判官 |
濱野 隆 中塚 直樹 |
登録日 | 2019-01-11 |
登録番号 | 特許第6462946号(P6462946) |
権利者 | 株式会社トライフォース・マネジメント |
発明の名称 | 力覚センサ |
代理人 | 吉田 昌司 |
代理人 | 朝倉 悟 |
代理人 | 朝倉 悟 |
代理人 | 中村 行孝 |
代理人 | 吉田 昌司 |
代理人 | 中村 行孝 |
代理人 | 永井 浩之 |
代理人 | 川崎 康 |
代理人 | 川崎 康 |
代理人 | 永井 浩之 |