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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 B65D |
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管理番号 | 1362364 |
異議申立番号 | 異議2019-700552 |
総通号数 | 246 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2020-06-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2019-07-12 |
確定日 | 2020-04-10 |
異議申立件数 | 2 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6456643号発明「合成樹脂製多層容器」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6456643号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1、2]について訂正することを認める。 特許第6456643号の請求項1に係る特許を維持する。 特許第6456643号の請求項2に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第6456643号の請求項1及び2に係る特許についての出願は、平成26年9月30日を出願日とする出願であって、平成30年12月28日にその特許権の設定登録(特許掲載公報発行日:平成31年1月23日)がされた。 その後、請求項1及び2に係る特許について、令和1年7月12日に特許異議申立人新井勉(以下、「申立人1」という。)により、特許異議の申立てがなされ、同年同月22日に特許異議申立人北村仁(以下、「申立人2」という。)により、特許異議の申立てがなされ、同年11月21日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である令和2年1月24日に特許権者による意見書及び訂正請求書(以下、当該訂正請求書による訂正の請求を「本件訂正請求」という。)が提出され、同年同月31日付けで申立人1及び2に対し期間を指定して、訂正の請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)がされたが、申立人1及び2は、意見書を提出しなかった。 2.訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は以下のとおりである。(訂正箇所に下線を付す。) ア.訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1において、 「前記外側樹脂層は、ベース樹脂と接着樹脂とをブレンドした樹脂で構成される」とあるのを、 「前記外側樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂であるベース樹脂と接着樹脂とをブレンドした樹脂で構成され、 前記ベース樹脂と前記接着樹脂との合計100質量部当たり、該接着樹脂を5質量部以上20質量部以下含み、 前記外側樹脂層と、他の合成樹脂製多層容器における同材質の外側樹脂層との静止摩擦係数は0.29未満であり、動摩擦係数は0.24未満であり、前記静止摩擦係数及び前記動摩擦係数は、前記外側樹脂層が前記接着樹脂を含まない場合よりも小さい」に訂正する。 イ.訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 ウ.訂正事項3 明細書の段落【0006】において、 「前記外側樹脂層は、ベース樹脂と接着樹脂とをブレンドした樹脂で構成される合成樹脂製多層容器である。」とあるのを、 「前記外側樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂であるベース樹脂と接着樹脂とをブレンドした樹脂で構成され、前記ベース樹脂と前記接着樹脂との合計100質量部当たり、該接着樹脂を5質量部以上20質量部以下含み、前記外側樹脂層と、他の合成樹脂製多層容器における同材質の外側樹脂層との静止摩擦係数は0.29未満であり、動摩擦係数は0.24未満であり、前記静止摩擦係数及び前記動摩擦係数は、前記外側樹脂層が前記接着樹脂を含まない場合よりも小さい合成樹脂製多層容器である。」に訂正する。 エ.訂正事項4 明細書の段落【0008】を削除する。 (2)訂正の適否 ア.一群の請求項について 訂正前の請求項1及び2について、請求項2は直接的に請求項1を引用するから、訂正前の請求項1及び2は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項であって、上記訂正事項1および2による訂正は、当該一群の請求項について請求されたものである。 イ.訂正の目的について 上記訂正事項1による訂正は、訂正前の請求項1における「外側樹脂層」について、「ベース樹脂」が、「ポリオレフィン系樹脂である」ことを限定して特定するとともに、「前記ベース樹脂と前記接着樹脂との合計100質量部当たり、該接着樹脂を5質量部以上20質量部以下含み、前記外側樹脂層と、他の合成樹脂製多層容器における同材質の外側樹脂層との静止摩擦係数は0.29未満であり、動摩擦係数は0.24未満であり、前記静止摩擦係数及び前記動摩擦係数は、前記外側樹脂層が前記接着樹脂を含まない場合よりも小さい」ものであることを限定して特定するものである。 また、上記訂正事項2による訂正は、訂正前の請求項2を削除するものである。 ゆえに、上記訂正事項1及び2による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 上記訂正事項3及び4による訂正は、上記訂正事項1及び2による特許請求の範囲の訂正に伴い、関連する明細書の記載を整合させるものである。 ゆえに、上記訂正事項3及び4による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 ウ.新規事項の有無について 上記訂正事項1による訂正に関して、願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の段落【0015】には、「・・・ベース樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(例えば低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)等のポリエチレン樹脂(PE)や、ポリプロピレン樹脂(PP))、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)やポリエチレンナフタレート樹脂(PEN))等を用いることができる。・・・」との記載がある。 そして、段落【0025】の「JIS K7125に準拠して、表1に示す実施例1?6の容器同士(同一の実施例同士)の静摩擦係数及び動摩擦係数、並びに実施例1?6の容器とポリアセタール樹脂(POM)との静摩擦係数及び動摩擦係数を確認した。・・・静摩擦係数及び動摩擦係数を測定するに当たっては、実施例1?6の容器と同じ層構成になる所定の大きさの試料を準備し、この試料を相手材(試料と同一の層構成になる樹脂材、又はポリアセタール樹脂材)の上面に載置して、JIS K7125に準拠(1.96N、100mm/min)した手順で測定した。結果は表1に示す通りである。数値が大きいほど摩擦係数が大きいことを示す。」との記載を踏まえると、段落【0026】の【表1】に示された実施例2?4に関する記載から、前記外側樹脂層と、他の合成樹脂製多層容器における同材質の外側樹脂層との静止摩擦係数は0.20(実施例2)、0.22(実施例3)、0.25(実施例4)であり、動摩擦係数は0.14(実施例2)、0.18(実施例3)、0.21(実施例4)であることが把握され、さらに、外側樹脂層が前記接着樹脂を含まない場合であって、その静止摩擦係数が0.29であり、動摩擦係数が0.24である実施例1との比較から、ベース樹脂と接着樹脂との合計100質量部当たり、該接着樹脂を5質量部(実施例2)以上20質量部(実施例4)以下(実施例3)である場合には、静止摩擦係数0.29未満であり、動摩擦係数0.24未満であり、前記静止摩擦係数及び前記動摩擦係数は、前記外側樹脂層が前記接着樹脂を含まない場合よりも小さいことが把握される。 ゆえに、上記訂正事項1による訂正は、本件特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであって、新たな技術的事項を導入するものではない。 また、上記訂正事項2による訂正は、特許請求の範囲の請求項2を削除するものであり、上記訂正事項3及び4による訂正は、上記訂正事項1及び2による特許請求の範囲の訂正に伴い、関連する明細書の記載を整合させるものであるから、いずれも、本件特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであって、新たな技術的事項を導入するものではない。 したがって、訂正事項1?4による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 エ.特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項1?4による訂正は、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、明らかに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 よって、訂正事項1?4による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。 オ.一群の請求項に対する明細書の訂正の適否について 明細書の訂正に係る訂正事項3及び4による訂正は、既に示したとおり、上記訂正事項1及び2による特許請求の範囲の訂正に伴い、関連する明細書の記載を整合させるものであるから、当該明細書の訂正に係る請求項の全てについて行われたものである。 よって、訂正事項3及び4による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第4項の規定に適合するものである。 (3)むすび 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び同条同項第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び、同条第9項において準用する同法第126条第4?6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1、2〕について訂正を認める。 3.特許異議の申立てについて (1)本件発明 本件訂正請求が認められることにより、本件特許の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 内容物を収容する内部空間を有し、スクイズ変形可能な合成樹脂製多層容器であって、 容器の外側から前記内部空間に向かって、外側樹脂層、酸素バリア樹脂層、接着樹脂層、内側樹脂層の順で積層される層構成を有し、 前記内側樹脂層は、再生材層と、該再生材層に積層されるとともに前記内部空間に面するバージン材層とを有し、 前記外側樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂であるベース樹脂と接着樹脂とをブレンドした樹脂で構成され、 前記ベース樹脂と前記接着樹脂との合計100質量部当たり、該接着樹脂を5質量部以上20質量部以下含み、 前記外側樹脂層と、他の合成樹脂製多層容器における同材質の外側樹脂層との静止摩擦係数は0.29未満であり、動摩擦係数は0.24未満であり、前記静止摩擦係数及び前記動摩擦係数は、前記外側樹脂層が前記接着樹脂を含まない場合よりも小さい合成樹脂製多層容器。」 (2)取消理由の概要 上記令和1年11月21日付けで通知した取消理由に示した本件発明に対する取消理由の概要は、以下のとおりである。 《理由》 本件発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 《引用例一覧》 甲1-1.特開2001-253426号公報 甲1-3.特開2006-306408号公報 甲2-2.特開平8-39743号公報 甲2-3.特開平7-32554号公報 甲2-4.特開平1-275041号公報 甲1-1及び甲1-3は、申立人2による特許異議申立書に添付された甲第1号証及び甲第3号証である。 甲2-2?甲2-4は、申立人1による特許異議申立書に添付された甲第2号証?甲第4号証である。 (3)当審の判断 ア.甲1-1記載事項及び甲1-1発明 甲1-1には、以下の記載がある。 (ア)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 エチレン系重合体を含有する内外層とガスバリアー性樹脂を含有する中間層とから成るスクイズボトルにおいて、前記内外層の少なくとも1層が密度0.918g/cm^(3)以上で、分子量分布(Mw/Mn)が4.5以上で且つ融点が116℃以上のエチレン・α-オレフィン共重合体を含有する層から成ることを特徴とする軽量スクイズボトル。」 (イ)「【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は軽量スクイズボトルに関するもので、より詳細には適度の剛性、耐熱性、透明性などの外観特性及び成形性の組合せに優れた軽量スクイズボトルに関する。 【0002】 【従来の技術】容器壁の押圧変形により、内容物を押し出すスクイズボトルとしては、各種ポリエチレン製のものが広く使用されている。・・・」 (ウ)「【0011】従って、本発明の目的は、容器が軽量化されていながら、落下強度、剛性、耐熱性、成形性、及び透明性が顕著に改善された軽量スクイズボトルを提供するにある。本発明の他の目的は、ボトルのリグラインド乃至リプロを再利用した場合にも、リグラインド乃至リプロの樹脂の分散が良好で、前述した優れた特性を示す軽量スクイズボトルを提供するにある。本発明の更に他の目的は、器壁が薄肉化されていながら、ラベルの型内貼着(IML)が可能であり、またロゴマークの形成を円滑にできる軽量スクイズボトルを提供するにある。」 (エ)「【0034】[ガスバリアー性樹脂]ガスバリヤー性樹脂としては、一般に酸素透過係数(PO2)が5.5×10^(-12)cc・cm/cm^(2)sec・cmHg 以下、特に4.5×10^(-12)cc・cm/cm^(2)sec・cmHg以下で、しかも透明性を有するものが好適に使用される。バリヤー性樹脂の最も適当な例としては、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)を挙げることができ・・・」 (オ)「【0038】エチレン系重合体を含有する内外層としては、前述したエチレン・α-オレフィン共重合体(LLDPE)や、バージンのエチレン・α-オレフィン共重合体とボトルのリグラインド(BRG)とのブレンド物(LLDPE+BRG)、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)などが挙げられる。 【0039】本発明に用いる積層体は、バージンのエチレン・α-オレフィン共重合体とボトルのリグラインドとのブレンド物(LLDPE+RGB(当審注:誤記であって、正しくは「LLDPE+BRG」であると認める。))からなる少なくとも1個の層を有するのが好ましい。この層中のリグラインド配合率は、5?80重量%、好ましくは10?70重量%であることが好ましい。このブレンド物は、エチレン系重合体に対しては勿論のこと、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)に対してもある程度の実用的な接着性を示す。」 (カ)「【0040】上記積層体の製造に当たって、各樹脂層間に必要により接着剤樹脂を接着剤層(AD)として介在させることもできるし、或いは接着すべき樹脂層の一方或いは両方に接着剤樹脂をブレンドして、接着性向上を図ることもできる。」 (キ)「【0042】適当な積層構造の例を示すと次の通りとなるが、本発明はこの例に限定されない。尚、次の積層構造の例では、左が容器の内面側として示されている。 三層構造:・・・、 四層構造:LLDPE/LLDPE+BRG/EVOH/LLDPE+AD、・・・」 以上を整理すると、甲1-1には以下の甲1-1発明が記載されているといえる。 《甲1-1発明》 軽量スクイズボトルであって、 容器の内面側から、LLDPE層、LLDPE+BRG層、EVOH層、LLDPE+AD層の順で積層される層構成を有する、軽量スクイズボトル イ.本件発明と甲1-1発明との対比 上記ア.の(オ)?(キ)に摘記した事項を参照すると、甲1-1発明の「LLDPE+BRG層」、「EVOH層」、「LLDPE+AD層」は、各々、本件発明の「再生材層」、「酸素バリア樹脂層」、「ポリオレフィン系樹脂であるベース樹脂と接着樹脂とをブレンドした樹脂で構成される」「外側樹脂層」に相当する。 また、甲1-1において、リグラインド、再生樹脂等である旨の説明がない樹脂については、バージンの樹脂であると解されることを踏まえると、甲1-1発明の「LLDPE層」は、本件発明の「再生材層に積層されるとともに前記内部空間に面するバージン材層」に相当する。 ゆえに、本件発明と甲1-1発明との一致点、相違点は以下のとおりである。 《一致点》 内容物を収容する内部空間を有し、スクイズ変形可能な合成樹脂製多層容器であって、 容器の外側から前記内部空間に向かって、外側樹脂層、酸素バリア樹脂層、内側樹脂層の順で積層される層構成を有し、 前記内側樹脂層は、再生材層と、該再生材層に積層されるとともに前記内部空間に面するバージン材層とを有し、 前記外側樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂であるベース樹脂と接着樹脂とをブレンドした樹脂で構成される、合成樹脂製多層容器。 《相違点1》 層構成に関し、本件発明は、「容器の外側から前記内部空間に向かって、外側樹脂層、酸素バリア樹脂層、接着樹脂層、内側樹脂層の順で積層される層構成を有」しており、「酸素バリア樹脂層」及び「内側樹脂層」が、「接着樹脂層」を介して積層されているのに対し、甲1-1発明は、「容器の内面側から、LLDPE層、LLDPE+BRG層、EVOH層、LLDPE+AD層の順で積層される層構成を有」しており、「EVOH層」及び「LLDPE層、LLDPE+BRG層」が、直接積層されている点。 《相違点2》 本件発明は、「ベース樹脂と前記接着樹脂との合計100質量部当たり、該接着樹脂を5質量部以上20質量部以下含み、前記外側樹脂層と、他の合成樹脂製多層容器における同材質の外側樹脂層との静止摩擦係数は0.29未満であり、動摩擦係数は0.24未満であり、前記静止摩擦係数及び前記動摩擦係数は、前記外側樹脂層が前記接着樹脂を含まない場合よりも小さい」のに対し、甲1-1発明の「LLDPE+AD層」は、LLDPEとAD層のブレンド割合及び外側樹脂層と、他の合成樹脂製多層容器における同材質の外側樹脂層との静止摩擦係数、動摩擦係数が特定されていない点。 ウ.判断 事案に鑑み、上記《相違点2》から検討する。 上記ア.の(カ)に摘記した事項からみて、甲1-1発明において、「LLDPE+AD層」は、求められる接着性等に応じて、LLDPEとAD層のブレンド割合を、当業者が適宜設定し得たものと解されるものの、「接着樹脂を5質量部以上20質量部以下」という特定の割合で含み、かつ、「外側樹脂層と、他の合成樹脂製多層容器における同材質の外側樹脂層との静止摩擦係数は0.29未満であり、動摩擦係数は0.24未満であり、前記静止摩擦係数及び前記動摩擦係数は、前記外側樹脂層が前記接着樹脂を含まない場合よりも小さい」ものとすることは、甲1-1、甲1-3、甲2-2?甲2-4には記載されていないし、これを示唆する記載もない。 また、申立人1が異議申立書に添付した甲第1号証(特開2006-96369号公報)、甲第5号証(実願昭60-198407号(実開昭62-108210号)のマイクロフィルム)、甲第6号証(実願昭51-156816号(実開昭53-75362号)のマイクロフィルム)、甲第7号証(特開昭49-35482号公報)、及び、申立人2が異議申立書に添付した甲第2号証(特開2003-191930号公報)(以下、「他の甲号証」という。)にも、上記のことは記載されていないし、これを示唆する記載もない。 ゆえに、当業者が、本件特許の出願前に、甲1-1発明、甲1-1、甲1-3、甲2-2?甲2-4、及び他の甲号証に記載された事項に基いて、上記《相違点2》に係る本願発明の構成に、想到し得たとはいえない。 そして、本件発明は、上記《相違点2》に係る構成を備えることにより、本件特許明細書の「実使用において求められる強度や酸素の透過を抑制する機能は維持したまま、より少ない数の樹脂層で構成することができる、新たな合成樹脂製多層容器を提案する」(段落【0005】を参照。)という課題を解決し、「外側樹脂層と酸素バリア樹脂層との間に接着樹脂層を設けなくても、実使用において求められる強度が得られ」、「外側樹脂層と酸素バリア樹脂層との層間剥離強度が高められ」(段落【0027】を参照。)、「容器の歩留まりが良くなるうえ、搬送性も向上するので、良好な生産性が得られる」(段落【0028】を参照。)という格別な効果が奏されるものと認められる。 以上を踏まえると、本件発明は、上記《相違点1》について検討するまでもなく、甲1-1発明、甲1-1、甲1-3、甲2-2?甲2-4、及び他の甲号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 エ.小括 したがって、本件発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではないから、同法第113条第2号の規定に該当することを理由に取り消されるべきものとすることはできない。 4.取消理由では採用しなかった特許異議申立の理由について 申立人1は、本件特許の訂正前の請求項1及び2に係る発明は、異議申立書に添付した甲第1号証(特開2006-96369号公報)に記載された発明、甲2-2?甲2-4、同添付した甲第5号証(実願昭60-198407号(実開昭62-108210号)のマイクロフィルム)、甲第6号証(実願昭51-156816号(実開昭53-75362号)のマイクロフィルム)、甲第7号証(特開昭49-35482号公報)(以下、まとめて「申立人1各甲号証」という。)に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであると主張している。 しかし、上記3.ウ.で示したように、本件発明における「接着樹脂を5質量部以上20質量部以下」という特定の割合で含み、かつ、「外側樹脂層と、他の合成樹脂製多層容器における同材質の外側樹脂層との静止摩擦係数は0.29未満であり、動摩擦係数は0.24未満であり、前記静止摩擦係数及び前記動摩擦係数は、前記外側樹脂層が前記接着樹脂を含まない場合よりも小さい」ものとすることは、申立人1各甲号証には、記載されていないし、これを示唆する記載もないのであるから、本件発明は、申立人1各甲号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 5.むすび 以上のとおりであるから、本件発明に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立の理由によっては、取り消されるべきものとすることはできない。 また、他に本件発明に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 そして、本件特許の請求項2は、本件訂正が認められることにより、削除されたため、本件特許の請求項2についての特許異議の申立ては、その対象が存在しないものとなった。 よって、本件特許の請求項2についての特許異議の申立ては、不適法であって、その補正をすることができないものであるから、特許法第120条の8で準用する同法第135条の規定により、却下すべきものである。 したがって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 合成樹脂製多層容器 【技術分野】 【0001】 本発明は、複数の樹脂層を積層させた合成樹脂製多層容器に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、内容物として化粧料や食品調味料などを収容可能であって、胴部を押圧することで内容物を注出させることができるスクイズ変形可能な合成樹脂製の容器が知られている。このような容器においては、酸素透過性が低い酸素バリア層を含む、複数の樹脂層を積層させた合成樹脂製多層容器が既知である(例えば特許文献1参照)。酸素バリア層を設けることによって容器を透過する酸素の量を抑制することができるので、内容物の酸化が抑えられて品質を長期に亘って維持することができる。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】特許第5025046号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 ところで特許文献1の容器は、容器の外側から内側に向かって、主要樹脂層、接着樹脂層、酸素バリア性樹脂層、接着樹脂層、主要樹脂層の順で積層されている。すなわち、少なくとも5層の樹脂層で構成しなければならず、コスト削減にも限界を来していた。 【0005】 本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、実使用において求められる強度や酸素の透過を抑制する機能は維持したまま、より少ない数の樹脂層で構成することができる、新たな合成樹脂製多層容器を提案するところにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明は、内容物を収容する内部空間を有し、スクイズ変形可能な合成樹脂製多層容器であって、 容器の外側から前記内部空間に向かって、外側樹脂層、酸素バリア樹脂層、接着樹脂層、内側樹脂層の順で積層される層構成を有し、 前記内側樹脂層は、再生材層と、該再生材層に積層されるとともに前記内部空間に面するバージン材層とを有し、 前記外側樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂であるベース樹脂と接着樹脂とをブレンドした樹脂で構成され、 前記ベース樹脂と前記接着樹脂との合計100質量部当たり、該接着樹脂を5質量部以上20質量部以下含み、 前記外側樹脂層と、他の合成樹脂製多層容器における同材質の外側樹脂層との静止摩擦係数は0.29未満であり、動摩擦係数は0.24未満であり、前記静止摩擦係数及び前記動摩擦係数は、前記外側樹脂層が前記接着樹脂を含まない場合よりも小さい合成樹脂製多層容器である。 【0008】(削除) 【発明の効果】 【0010】 本発明者が検討を重ねたところ、従来の容器における、容器の外側に配される主要樹脂層と酸素バリア性樹脂層との間に設けられていた接着樹脂層を廃止して、容器の外側から前記内部空間に向かって、外側樹脂層、酸素バリア樹脂層、接着樹脂層、内側樹脂層の順で積層しても、実使用において樹脂層の層間剥離が生じないことを見出した。すなわち本発明によれば、実使用において必要な強度や酸素の透過を抑制する機能を維持しつつ、従来の容器に対して樹脂層が1層少なくなる分、コストを抑えることができる。 【図面の簡単な説明】 【0011】 【図1】本発明に従う合成樹脂製多層容器の一実施形態を示す、(a)は正面図及び部分断面拡大図であり、(b)は下面図である。 【図2】図1に示す容器の側面図である。 【発明を実施するための形態】 【0012】 以下、図面を参照して、本発明に従う合成樹脂製多層容器の一実施形態をより具体的に説明する。 【0013】 図中、符号1は、本発明に従う合成樹脂製多層容器(以下、「容器」と称呼する。)の一実施形態を示す。容器1は、楕円板状の底部2と、底部2の縁部に連結する筒状の胴部3(下部が底部2の縁部に対応する楕円筒状であり、上部が円筒状であって、中間部は上方へ向けて縮径しながら下部と上部を滑らかにつないでいる)と、胴部3の上部に連結する円筒状の口部(不図示)とから形成されている。容器1の内側には、内容物を収容する内部空間Nが形成されている。また、容器1の口部には、内部空間Nを閉鎖するキャップCが着脱自在に装着されている。 【0014】 容器1は、複数の樹脂層を積層して形成されている。具体的には、図1の部分断面拡大図に示すように、容器1の外側から内部空間Nに向かって、外側樹脂層4、酸素バリア樹脂層5、接着樹脂層6、内側樹脂層7の順で積層されている。 【0015】 外側樹脂層4は、ベース樹脂のみ、或いはベース樹脂と接着樹脂とをブレンドした樹脂で構成されている。ベース樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂(例えば低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)等のポリエチレン樹脂(PE)や、ポリプロピレン樹脂(PP))、ポリエステル系樹脂(例えばポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)やポリエチレンナフタレート樹脂(PEN))等を用いることができる。また、接着樹脂は、接着性を有する種々のものが適用可能であって、例えば、変性ポリオレフィン樹脂(例えば三井化学株式会社製「アドマー」(登録商標)等)等を用いることができる。 【0016】 酸素バリア樹脂層5は、酸素透過性が低い(酸素を透過させにくい)バリア性樹脂で構成されていて、例えばエチレンビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)やナイロン樹脂(PA)を用いることができる。 【0017】 接着樹脂層6は、隣接する酸素バリア樹脂層5と内側樹脂層7とに接着する機能を有する樹脂で構成されている。接着樹脂層6に用いる樹脂は、上述した外側樹脂層4の接着樹脂とは異なるものを用いてもよいが、使用する樹脂の種類を抑えるために、外側樹脂層4の接着樹脂と同一の樹脂を用いることが好ましい。 【0018】 内側樹脂層7は、水分を透過させにくい樹脂で構成されている。上述した酸素バリア樹脂層5に用いるバリア性樹脂は、一般に水分を吸着するとバリア性が低下する傾向があるが、内部空間Nに収容された内容物の水分は、内側樹脂層7によって透過が妨げられることになるので、酸素バリア樹脂層5のバリア性を維持することができる。内側樹脂層7に用いる樹脂は、使用する樹脂の種類を抑えるために、外側樹脂層4のベース樹脂を用いることが好ましい。なお、内側樹脂層7は一層のみで構成することも可能であるが、本実施形態のように、容器1を成形する際に不要になった部材(トリミングした際の端材等)で構成される再生樹脂を含む再生材層8と、再生樹脂を含まないバージン材層9とを積層して構成してもよい。再生樹脂を用いることによって必要になる樹脂の量を削減することができるので、コストを抑えることができる。また、再生樹脂を用いる故に再生材層8の特性は多少の変動を伴うことがあるため、その影響を抑えるべく、バージン材層9は、再生材層8を覆って内部空間Nに面するように設けることが好ましい。 【0019】 このような容器1は、例えば上述したそれぞれの樹脂を溶融状態とし、ダイスを介してこれらを共押出しすることで円筒状の積層パリソンを成形し、この積層パリソンをブロー成形することにより得ることができる。なお、本実施形態の容器1は、成形時においてはブロー成形の割り金型を閉めて積層パリソンの下部を食い切ることで、底部の端部が溶着された状態でブロー成形し、その後口部(口部は、図示のものより長めに形成している)を溶着することで、内部空間Nが密閉された状態で形成されるものであって、内容物を充填する前に口部を所定の長さにカットしたものである。 【実施例】 【0020】 以下、容器1の性能を確認した各種試験について説明する。ここで、確認に用いた容器1は、外側樹脂層4については用いる樹脂の含有割合を変更した一方で、酸素バリア樹脂層5、接着樹脂層6、内側樹脂層7については同一にしたものである。具体的には、外側樹脂層4は、ベース樹脂のみで構成する(実施例1)、或いはベース樹脂と接着樹脂とを表1に示す割合でブレンドした樹脂で構成する(実施例2?6)ものである。ここで、外側樹脂層4を構成するベース樹脂は低密度ポリエチレン樹脂を用いていて、接着樹脂は変性ポリオレフィン樹脂を用いている。また、酸素バリア樹脂層5は、エチレンビニルアルコール共重合樹脂で構成され、接着樹脂層6は、変性ポリオレフィン樹脂で構成されている。更に内側樹脂層7は、図示のように再生材層8とバージン材層9とを積層したものである。ここで再生材層8は、再生樹脂(低密度ポリエチレン樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、変性ポリオレフィン樹脂)で形成されるものであるが、この再生樹脂に外側樹脂層4のベース樹脂(低密度ポリエチレン樹脂)をブレンドした樹脂で構成してもよい。また、バージン材層9は、外側樹脂層4のベース樹脂(低密度ポリエチレン樹脂)のみで構成されるものである。ここで、実施例1?6における酸素バリア樹脂層は従来の容器と同等であるため、酸素の透過を抑制する機能は従来と同様に維持されている。 【0021】 [口部端面での層間剥離確認] ブロー成形後に口部をカットして、口部端面で樹脂層の層間剥離が生じているか目視確認を行った。結果は表1に示す通りである。 【0022】 [落下試験] 表1に示す実施例1?6の容器に水を充填し、且つ5℃で所定時間(24時間)保管しておいたものを1mの高さから床(コンクリート製)に対して正立姿勢で落下させた。所定の回数(5回)落下させた後、横向きに倒した姿勢で再び所定の回数(5回)落下させた。破損や樹脂層の層間剥離が認められない場合は、同一の容器を1.2mの高さから同じように落下させた。1.2mの高さからの落下でも異常が認められない場合は、同一の容器を1.5mの高さから同じように落下させ、終了後に容器の破損や層間剥離の状態を確認した。結果は表1に示す通りである。 【0023】 [スクイズ試験] 表1に示す実施例1?6の容器であって、空の状態で且つ5℃で所定時間(24時間)保管しておいたものに対し、胴部3の最大径付近を、容器1の内面同士が接触するまで押圧した。図1に矢印で示す向き、及び図2で矢印に示す向きにそれぞれ所定回数(10回)押圧し、終了後に容器の層間剥離の状態を確認した。結果は表1に示す通りである。 【0024】 [剥離強度確認試験] 表1に示す実施例1?6の容器から所定の大きさ(15mm幅)になる試料片を切り出して、この試料片における外側樹脂層4と酸素バリア樹脂層5との剥離強度を確認した。表1における「縦方向」とは、容器1の軸線に沿う向きでの剥離強度であり、「横方向」とは、容器1の軸線に直交する向き(容器1の周方向に沿う向き)での剥離強度である。剥離強度を測定するに当たっては、試料片の一端を剥がしておき、水平状態に固定した試料片から剥がした部分をチャックで挟んで、当該チャックを垂直方向に移動させて試料片を剥離させる際の強度をオートグラフ(100mm/min)で測定した。結果は表1に示す通りである。数値が大きいほど剥離強度が大きい(剥離しにくい)ことを示す。 【0025】 [摩擦係数確認試験] JIS K7125に準拠して、表1に示す実施例1?6の容器同士(同一の実施例同士)の静摩擦係数及び動摩擦係数、並びに実施例1?6の容器とポリアセタール樹脂(POM)との静摩擦係数及び動摩擦係数を確認した。ポリアセタール樹脂は、例えば容器を搬送するために用いるコンベアベルトや、搬送時の容器を案内するガイドレール等に用いられている。静摩擦係数及び動摩擦係数を測定するに当たっては、実施例1?6の容器と同じ層構成になる所定の大きさの試料を準備し、この試料を相手材(試料と同一の層構成になる樹脂材、又はポリアセタール樹脂材)の上面に載置して、JIS K7125に準拠(1.96N、100mm/min)した手順で測定した。結果は表1に示す通りである。数値が大きいほど摩擦係数が大きいことを示す。 【0026】 【表1】 【0027】 表1に示した通り、実施例1?6は、落下試験及びスクイズ試験によって樹脂層の層間剥離が生じておらず、外側樹脂層と酸素バリア樹脂層との間に接着樹脂層を設けなくても、実使用において求められる強度が得られることが確認された。また、外側樹脂層が、ベース樹脂と接着樹脂との合計100質量部当たり、接着樹脂が0質量部(すなわち、外側樹脂層はベース樹脂のみで構成される)である容器(実施例1)に対し、外側樹脂層がベース樹脂と接着樹脂とをブレンドした樹脂で構成される容器(実施例2?6)では、外側樹脂層と酸素バリア樹脂層との層間剥離強度が高められることが確認された。 【0028】 なお実施例1は、容器の口部をカットした際に、まれに口部端面で樹脂層の層間剥離が生じることがあるため、歩留まりの低下につながる恐れがある。また、実施例6は、実施例6と同じ層構成の樹脂材が相手材である場合に静止摩擦係数及び動摩擦係数が急激に大きくなっているため、この仕様の容器を用いる場合は、例えば搬送ラインにおいて容器が傾いた状態で他の容器に接触すると、傾いた姿勢のまま搬送されて搬送トラブルを招く可能性がある。これに対し、外側樹脂層の構成を、ベース樹脂と接着樹脂との合計100質量部当たり、接着樹脂を0質量部超50質量部未満含むようにする場合(より好ましくは、ベース樹脂と接着樹脂との合計100質量部当たり、接着樹脂を5質量部以上30質量部以下含むようにする場合)容器の歩留まりが良くなるうえ、搬送性も向上するので、良好な生産性が得られることが確認された。 【産業上の利用可能性】 【0029】 本発明によれば、より少ない数の樹脂層で構成してコストを抑えることができる、新たな合成樹脂製多層容器を提供することができる。 【符号の説明】 【0030】 1:容器(合成樹脂製多層容器) 2:底部 3:胴部 4:外側樹脂層 5:酸素バリア樹脂層 6:接着樹脂層 7:内側樹脂層 8:再生材層 9:バージン材層 C:キャップ N:内部空間 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 内容物を収容する内部空間を有し、スクイズ変形可能な合成樹脂製多層容器であって、 容器の外側から前記内部空間に向かって、外側樹脂層、酸素バリア樹脂層、接着樹脂層、内側樹脂層の順で積層される層構成を有し、 前記内側樹脂層は、再生材層と、該再生材層に積層されるとともに前記内部空間に面するバージン材層とを有し、 前記外側樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂であるベース樹脂と接着樹脂とをブレンドした樹脂で構成され、 前記ベース樹脂と前記接着樹脂との合計100質量部当たり、該接着樹脂を5質量部以上20質量部以下含み、 前記外側樹脂層と、他の合成樹脂製多層容器における同材質の外側樹脂層との静止摩擦係数は0.29未満であり、動摩擦係数は0.24未満であり、前記静止摩擦係数及び前記動摩擦係数は、前記外側樹脂層が前記接着樹脂を含まない場合よりも小さい合成樹脂製多層容器。 【請求項2】(削除) |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2020-03-30 |
出願番号 | 特願2014-201386(P2014-201386) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YAA
(B65D)
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最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 長谷川 一郎 |
特許庁審判長 |
高山 芳之 |
特許庁審判官 |
横溝 顕範 渡邊 豊英 |
登録日 | 2018-12-28 |
登録番号 | 特許第6456643号(P6456643) |
権利者 | 株式会社吉野工業所 |
発明の名称 | 合成樹脂製多層容器 |
代理人 | 片岡 憲一郎 |
代理人 | 塚中 哲雄 |
代理人 | 杉村 光嗣 |
代理人 | 杉村 光嗣 |
代理人 | 杉村 憲司 |
代理人 | 塚中 哲雄 |
代理人 | 杉村 憲司 |
代理人 | 真能 清志 |
代理人 | 片岡 憲一郎 |
代理人 | 特許業務法人コスモ国際特許事務所 |
代理人 | 真能 清志 |