• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1362629
審判番号 不服2019-5359  
総通号数 247 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-04-23 
確定日 2020-05-21 
事件の表示 特願2017-15589号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年4月13日出願公開、特開2017-70870号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成25年5月17日に出願した特願2013-104631号の一部を平成29年1月31日に新たな特許出願(特願2017-15589号)としたものであって、同年11月15日付けで拒絶の理由が通知され、平成30年1月16日に意見書及び手続補正書が提出され、同年6月15日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年8月9日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成31年1月23日付け(送達日:平成31年1月29日)で、平成30年8月9日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、平成31年4月23日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、これに対し、当審において、令和1年11月6日付けで拒絶の理由が通知され、令和2年1月7日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
この出願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和2年1月7日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(A?Eについては、発明特定事項を分説するため当審で付した。)。

「A 所定の板厚を有する透明板と、複数の光輝部が描画されるとともに前記透明板の裏面側に配置される意匠シートと、前記透明板を直接照射する光源と、を備えた遊技機において、
B 前記光源は、前記透明板及び前記意匠シートを支持するケースの表面に直角に固定される光源基板に実装され、前記透明板の端面に対向し、かつ前記透明板に対して前後方向に重なり合わない所定位置に一列に複数配置され、
C 前記透明板は、前記複数の光輝部の前面毎にそれぞれ対向する円錐形状の複数の凹部を裏面に有し、
D 前記光源の光は、前記所定位置から前記透明板内に導入されて、前記複数の凹部で反射することにより、前記意匠シートに描画された前記複数の光輝部を同時に照明する
E ことを特徴とする遊技機。」

第3 拒絶の理由
令和1年11月6日付けで当審が通知した拒絶理由は、次のとおりのものである。
本願発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:特開2009-225941号公報
引用文献2:特開2006-218093号公報

第4 引用文献の記載及び引用発明

1 引用文献1の記載事項
引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は、当審で付した。)。

(1)「【0011】
前記微細な反射部位は、プリズム形状、円錐形状、または半球形状に加工され、前記複数の発光手段の発光方向に対応した反射の指向性を有するようにすることができる。」

(2)「【0020】
次に、図2の機能ブロック図を参照して、遊技機1により実現される機能について説明する。」

(3)「【0028】
演出表示部23は、演出用制御部32より供給されてくる動作モードの信号に基づいて、光源制御部32aを制御して、右側面光源発光部41、左側面光源発光部42、上側面光源発光部43、および下側面光源発光部44の、それぞれに対応する光源109,110,104,105(図4)を発光させることにより、後述する導光板107を発光させて、演出効果を高める画像を表示する。
・・・
【0032】
前フレーム106および後フレーム111は、正面方向から導光板107、および図柄シート108を挟む。また、このとき、前フレーム106および後フレーム111は、それぞれ左右の側面部に、相互に対向する方向に光を発する光源109,110を挟み込む。
【0033】
光源109は、図3で示されるように、前フレーム106または後フレーム111の左部側面から右方向(図中の大きさが一定ではない長方形が複数に描かれている領域Z3の方向)に対して光を発する。光源110は、図3で示されるように、前フレーム106または後フレーム111の右部側面から左方向(図中の太陽の画像が描かれている領域Z1の方向)に対して光を発する。
【0034】
図柄シート108は、予め通常状態において表示されるべき画像が透過可能な状態で図柄として描画されており、図柄シート108に描かれた図柄を透過することで演出画像が表示される。
【0035】
導光板107には、図柄シート108に描かれている図柄に対応する付加的な図柄を構成する位置に、プリズム形状の微細な反射部位が配設されるように加工されている。この反射部位は、図柄毎に特定の方向からの光のみを表示面に対して反射し、例えば、光源109,110,104,105のいずれか1つが発光したときに入射した光を、遊技機1の表示面に対して反射することで、図柄シート108に描かれている図柄に対応する付加的な図柄を表示面に表示させる。尚、導光板107は、図柄シート108に描かれた図柄をも透過させて表示する。したがって、導光板107の表示面には、実質的に導光板107の微細な反射部位により反射されて構成される画像と、透過することにより表示される画像との両方の画像が表示される。
【0036】
尚、図3においては、各領域が二点鎖線で示されており、図柄シート108に描かれた図柄が実線で描かれており、導光板107に描かれている図柄は点線で描かれている。」

(4)「【0048】
ステップS12において、遊技用制御部31は、動作モードが、リーチモードであることを示す情報を演出用制御部32に供給する。演出用制御部32は、光源制御部32aを制御して、遊技状態がリーチ状態であることを示す表示方法の指示に従い、例えば、右側面光源発光部41、左側面光源発光部42、上側面光源発光部43、および下側面光源発光部44を制御して、光源105、および光源109,110の一部である光源109’,110’を発光させ、残りの光源を発光させないようにする。このため、光源105,109’,110’が点灯するので、図7で示されるような領域Z1,Z3における、導光板107に描かれた黒塗り部分および斜線部で描かれた演出画像が、演出表示部23に表示される。
【0049】
すなわち、領域Z1の図3における点線部分の図柄に対応する位置には、光源110’より図中右方向から入射した光のみを、演出表示部23の表示面に対して反射するように、プリズム形状の微細な反射部位が配設されるように加工されているので、図7で示されるように、図3の領域Z1における実線で描かれた図柄シート108で描かれている太陽の表示と、共に点線部分の図柄が表示されることにより、あたかも太陽が輝いているような演出画像を表示することが可能となる。
【0050】
また、領域Z3の図3における実線で描かれた長方形の内部の部分の図柄に対応する位置には、光源109’より図中左方向から入射した光のみを、演出表示部23の表示面に対して反射するように、プリズム形状の微細な反射部位が配設されるように加工されているので、図7で示されるように、図3の領域Z3における実線部の図柄シート108で描かれている複数の長方形の表示と、共に長方形の内部部分の図柄が表示されることにより、あたかも「大当り」へと移行する興奮のレベルを示すレベルメータが上昇しているような演出画像を表示することが可能となる。」

(5)図3

(6)図4

(7)図7


(8)【0033】には、「図3で示される・・・太陽の画像が描かれている領域Z1」と記載され、【0035】には、「導光板107には、図柄シート108に描かれている図柄に対応する付加的な図柄を構成する位置に、プリズム形状の微細な反射部位が配設されるように加工されている」と記載され、【0036】には、「図3においては、・・・図柄シート108に描かれた図柄が実線で描かれており、導光板107に描かれている図柄は点線で描かれている」と記載され、【0049】には、「すなわち、領域Z1の図3における点線部分の図柄に対応する位置には、光源110’より図中右方向から入射した光のみを、演出表示部23の表示面に対して反射するように、プリズム形状の微細な反射部位が配設されるように加工されている」と記載されている。
そして、図3には、領域Z1に実線で描かれた複数の図柄のそれぞれを囲むように点線で図柄が描かれていることが示されている。
これらの記載から、引用文献1には、「導光板107は、図柄シート108に描かれている図柄に対応する付加的な図柄を構成する位置であり、図柄シート108に描かれた太陽の画像を構成する複数の図柄のそれぞれを囲むような位置に、プリズム形状の微細な反射部位が配設されるように加工されている」ことが示されているといえる。

(9)図4から、「後フレーム111」は、面状の部分を備え、導光板107、および図柄シート108は、該面状の部分に重ねられることが看て取れる。
そして、【0032】には「前フレーム106および後フレーム111は、正面方向から導光板107、および図柄シート108を挟む」と記載されている。
これらの記載から、引用文献1には、「前フレーム106および後フレーム111によって挟まれている導光板107、および図柄シート108は、後フレーム111の面状の部分に重ねられ」ることが示されているといえる。

(10)図4から、「光源109」として、複数の小円が縦に一列に描かれていることが看て取れる。
ここで、「光源109」は、【0028】に「光源109・・・を発光させることにより、・・・導光板107を発光させて」と記載され、【0048】に「光源109・・・の一部である光源109’・・・’を発光させ、残りの光源を発光させないようにする」と記載されていることからみて、複数の発光体からなるものといえる。
また、【0050】の「また、領域Z3の図3における実線で描かれた長方形の内部の部分の図柄に対応する位置には、光源109’より図中左方向から入射した光のみを、演出表示部23の表示面に対して反射するように、プリズム形状の微細な反射部位が配設されるように加工されているので、図7で示されるように、図3の領域Z3における実線部の図柄シート108で描かれている複数の長方形の表示と、共に長方形の内部部分の図柄が表示されることにより、あたかも「大当り」へと移行する興奮のレベルを示すレベルメータが上昇しているような演出画像を表示することが可能となる」の記載からみて、図4の光源109に示される小円は「発光体」を示しているといえる。
したがって、引用文献1には、「縦一列の複数の発光体からなる光源109」が示されている。
そして、図4に「光源109」に対向して示されている「光源110」は、【0032】の「相互に対向する方向に光を発する光源109,110」の記載、「光源・・・110の一部である光源・・・110’を発光させ、残りの光源を発光させないようにする」との記載からみて、「光源109」と同じ構成を備えていることは明らかである。
よって、引用文献1には、「縦一列の複数の発光体からなる光源109、110」が示されている。

上記(1)?(7)の記載事項、(8)?(10)の認定事項からみて、引用文献1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

「a 図柄シート108に描かれた図柄を透過させて表示する導光板107と、複数の図柄が描画された図柄シート108と、発光させることにより導光板107を発光させる光源109,110と、を備えた遊技機1において(【0020】、【0028】、【0034】、【0035】、認定事項(8))、
b 前フレーム106および後フレーム111は、正面方向から導光板107、および図柄シート108を挟み、前フレーム106および後フレーム111によって挟まれている導光板107、および図柄シート108は、後フレーム111の面状の部分に重ねられ、このとき、前フレーム106および後フレーム111は、それぞれ左右の側面部に、相互に対向する方向に光を発する光源109,110を挟み込み(【0032】、認定事項(9))、
光源109,110は、縦一列の複数の発光体からなり(認定事項(10))、
c 導光板107は、図柄シート108に描かれている図柄に対応する付加的な図柄を構成する位置であり、図柄シート108に描かれた太陽の画像を構成する複数の図柄のそれぞれを囲むような位置に、円錐形状の微細な反射部位が配設されるように加工され(【0011】、認定事項(8))、
d 光源110は、前フレーム106または後フレーム111の右部側面から太陽の画像が描かれている領域Z1の方向に対して光を発し、導光板107に配設された反射部位は、光源110が発光したときに入射した光を、遊技機1の表示面に対して反射することで、図柄シート108に描かれている図柄に対応する図柄を表示面に表示させ、図柄シート108で描かれている太陽の表示と、共に図柄が表示されることにより、あたかも太陽が輝いているような演出画像を表示する(【0033】、【0035】、【0049】)
e 遊技機1(【0020】)。」

2 引用文献2記載の事項
引用文献2には、以下の事項が記載されている(下線は、当審で付した。)。

(11)「【0016】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は、遊技機1を正面右上から見た斜視図を示し、該遊技機1は透明のガラス3を備えた前面扉2を本体4に開閉可能に枢着している。」

(12)「【0024】
前記表示装置20は、導光板21と光源ユニット40とで構成しており、この導光板21は、図4に示すように、割れにくく透過性のあるポリカーボネートで構成した板状体21bの表面を、該板状体21bより硬質のアクリル層21aでコーティングした2層構造に構成し、全体の厚さを約1.5?約3.0mm、好ましくは約3.0mmに構成している。このように、表面を硬質部材のアクリル層21aでコーティングすることで、導光板21の裏面は容易にドットを形成することができ、且つ、導光板21の表面が遊技中の遊技球によって傷つくことを極力防止できるようにしている。また、導光板21の大部分を割れにくいポリカーボネートで構成することにより、段差形状の形成や釘挿通孔24の形成といった加工を行う際に導光板21が割れることや、遊技中に球の衝突で導光板21が割れることを防止できるようにしている。」

(13)「【0027】
そして、前記導光板21の裏面には、微細加工によるドット29(後述する図7)を複数設けており、出射光が照射されて表示を行う図柄パターン(図示せず)が形成されている。該ドット29は、平面部を微細に切り欠いて三角錐あるいは半球状に凹部加工した凹ドットにより構成している。なお、このようなドット29は、これに限らず適宜の加工により構成することができるため、他の加工方法を採用してもよい。
【0028】
また、前記導光板21の上側面には、図3に示すように、三個の水平な入光面31,32,33を備えている。両側部にある入光面31,33は、中央の入光面32よりも下方へ段下げして備えており、これによって入光面31,32,33を多段形状となるように構成している。各入光面31,32,33は、互いに平行に構成しており、且つ、図4に示す入光面32のように、いずれも導光板21の表裏両面に対して直角な平面により構成している。」

(14)「【0031】
一方、前記光源ユニット40は、図5の拡大斜視図に示すように、基板41(41a,41b,41c)と、砲弾型のLED等で構成する発光素子42と、基板ホルダ51とで構成している。
【0032】
前記各基板41a,41b,41cには、基板ホルダ51に装着するための装着孔43をそれぞれ穿設しており、さらに、出射光(投射光)の出射(投射)方向を下方へ向けた複数の発光素子42を左右方向に一直線上にそれぞれ配設している。」

(15)「【0035】
このように形成した基板ホルダ51の装着部52a,52b,52cに、基板41a,41b,41cの各装着孔43を対応させて当接し、ネジ45により螺着することで、図6に示すように、光源ユニット40としてユニット化している。
【0036】
また、該光源ユニット40の基板ホルダ51には、光源ユニット40を導光板21に直接固定するためのネジ孔53を、正面に四個設けている。そして、図4に示すように、導光板21の裏面に基板ホルダ51の正面を当接させ、基板ホルダ51のネジ孔53と導光板21のネジ挿通孔26とを対応させた状態でネジ25により螺着し、光源ユニット40を導光板21に直接固定している。これにより、発光素子42と入光面31,32,33との相対位置を確実に位置決めし、図3に示したように、各発光素子42を入光面31,32,33に正面対向させて近接配置している。
【0037】
以上の構成により、図7に示す図3のA-A断面の拡大側面図に示すように、発光素子42から出射した出射光L1は、導光板21に入光面33(31,32)から入光して内部を伝播し、導光板21の裏面に設けられたドット29で正面へ向けて反射し、この反射光L2による図柄パターンを正面側にいる遊技者に視認させることができる。」

上記(11)?(15)の記載事項からみて、引用文献2には、以下の事項(以下「引用文献2記載の事項」という。)が記載されている。

「 透過性のある導光板21の上側面には、導光板21の表裏両面に対して直角な平面により構成される入光面31,32,33を備え(【0024】、【0028】)、
光源ユニット40は、基板41a,41b,41cと、発光素子42と、基板ホルダ51とで構成され(【0031】)、
前記各基板41a,41b,41cには、基板ホルダ51に装着するための装着孔43をそれぞれ穿設しており、複数の発光素子42を左右方向に一直線上に配設し(【0032】)、
基板ホルダ51の装着部52a,52b,52cに、基板41a,41b,41cの各装着孔43を対応させて当接し、ネジ45により螺着し(【0035】)、
導光板21の裏面に基板ホルダ51の正面を当接させ、基板ホルダ51のネジ孔53と導光板21のネジ挿通孔26とを対応させた状態でネジ25により螺着し、光源ユニット40を導光板21に直接固定し(【0036】)、
導光板21の裏面には,平面部を微細に切り欠いて凹部加工した凹ドットを複数設け(【0027】)、
発光素子42から出射した出射光L1は、導光板21に入光面33(31,32)から入光して内部を伝播し、導光板21の裏面に設けられたドット29で正面へ向けて反射し、この反射光L2による図柄パターンを正面側にいる遊技者に視認させることができる(【0037】)
遊技機1(【0016】)。」

第5 対比
本願発明と引用発明とを対比する。なお、見出しは(a)?(e)とし、本願発明、引用発明の分説に対応させている。

(a、e)引用発明の「導光板107」は、「図柄シート108に描かれた図柄を透過させて表示する」ものであるから、本願発明の「所定の板厚を有する透明板」に相当する。
また、引用発明の「図柄」は、本願発明の「光輝部」に相当するから、引用発明の「複数の図柄が描画された図柄シート108」は、本願発明の「複数の光輝部が描画される」「意匠シート」に相当する。
そして、引用発明の構成bより、「正面方向から導光板107、・・・図柄シート108」の順に配置されるものであるから、「図柄シート108」は、「導光板107」の裏面側に配置されるといえる。
したがって、引用発明の「図柄シート108」は、本願発明の「複数の光輝部が描画されるとともに前記透明板の裏面側に配置される意匠シート」に相当する。
また、引用発明の「発光させることにより導光板107を発光させる光源109、110」は、引用発明の構成bより、「縦一列の複数の発光体からな」ることから、「導光板107」を照射しているといえる。
さらに、引用発明の「縦一列の複数の発光体からな」る「光源109,110」が、基板に実装されたものであることは自明である。
そして、引用発明の構成bより、引用発明の「後フレーム111」は、「面状の部分」を備え、「前フレーム106」と共に「面状の部分に重ねられ」た「導光板107、および図柄シート108」を「挟」むものであり、引用発明の「光源109,110」は、「前フレーム106および後フレーム111」の「左右の側面部」に「挟み込」まれ、「光源109,110」に備えられた「発光体」は、「相互に対向する方向に光を発する」のであるから、「光源109,110」が実装された基板は、「後フレーム111の面状の部分」に直角に設けられており、「発光体」は、「導光板107」の端面に対向し、かつ「導光板107」に対して前後方向に重なり合わない位置に「縦一列に複数」配置されているといえる
さらに、引用発明の構成dより、引用発明の「光源110」は「発光したときに」「導光板107」に「光」が「入射」するから、「導光板107」を直接照射しているといえる。
したがって、引用発明の「発光体」からなる「光源109,110」は、本願発明の「透明板を直接照射する光源」に相当する。
よって、引用発明の「導光板107」、「図柄シート108」、「光源109,110」を備えた「遊技機1」は、本願発明の「透明板」、「意匠シート」、「光源」とを備えた「遊技機」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の構成A、Eを備える。

(b)引用発明の「後フレーム111」は、「面状の部分」を備え、「前フレーム106」と共に「面状の部分に重ねられ」た「導光板107、および図柄シート108」を「挟」むものであるから、本願発明の「前記透明板及び前記意匠シートを支持するケース」に相当する。
そして、上記(a)より、「光源109,110」が実装された基板は、「後フレーム111の面状の部分」に直角に設けられており、「発光体」は、「導光板107」の端面に対向し、かつ「導光板107」に対して前後方向に重なり合わない位置に「縦一列に複数」配置されている。
よって、引用発明は、本願発明の構成Bと、「前記光源は、前記透明板及び前記意匠シートを支持するケースの表面に直角に」設けられる「光源基板に実装され、前記透明板の端面に対向し、かつ前記透明板に対して前後方向に重なり合わない所定位置に一列に複数配置され」る点で共通する。

(c)引用発明の「円錐形状の微細な反射部位」は、本願発明の「円錐形状の複数の凹部」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の構成Cと、「前記透明板は、」「円錐形状の複数の凹部」「を有」する点で共通する。

(d)引用発明の「導光板107に配設された反射部位は、光源110が」「前フレーム106または後フレーム111の右部側面から太陽の画像が描かれている領域Z1の方向に対して」「発光したときに入射した光を、遊技機1の表示面に対して反射する」ことは、本願発明の「前記光源の光は、前記所定位置から前記透明板内に導入されて、前記複数の凹部で反射する」ことに相当する。
そうすると、引用発明の「図柄シート108に描かれている図柄に対応する図柄を表示面に表示させ、図柄シート108で描かれている太陽の表示と、共に図柄が表示されることにより、あたかも太陽が輝いているような演出画像を表示する」ことは、本願発明の「前記意匠シートに描画された前記複数の光輝部を同時に照明する」ことに相当する。

したがって、本願発明と引用発明とは、

「A 所定の板厚を有する透明板と、複数の光輝部が描画されるとともに前記透明板の裏面側に配置される意匠シートと、前記透明板を直接照射する光源と、を備えた遊技機において、
B’前記光源は、前記透明板及び前記意匠シートを支持するケースの表面に直角に設けられる光源基板に実装され、前記透明板の端面に対向し、かつ前記透明板に対して前後方向に重なり合わない所定位置に一列に複数配置され、
C’前記透明板は、円錐形状の複数の凹部を有し、
D 前記光源の光は、前記所定位置から前記透明板内に導入されて、前記複数の凹部で反射することにより、前記意匠シートに描画された前記複数の光輝部を同時に照明する
E 遊技機。」

である点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1]
本願発明は、光源基板がケースの表面に固定されているのに対し、引用発明は、光源109,110は、前フレーム106および後フレーム111の、左右の側面部に挟み込まれている点(構成B)。

[相違点2]
本願発明の透明板は、前記複数の光輝部の前面毎にそれぞれ対向する円錐形状の複数の凹部を有しているのに対し、引用発明の導光板107は、図柄シート108に描かれている図柄に対応する付加的な図柄を構成する位置であり、図柄シート108に描かれた太陽の画像を構成する複数の図柄のそれぞれを囲むような位置に、円錐形状の微細な反射部位が配設されるように加工されている点(構成C)。

[相違点3]
円錐形状の複数の凹部を、本願発明は、透明板の裏面に有しているのに対し、引用発明は、導光板107に設けてはいるものの、位置が不明である点(構成C)。

第6 判断
上記相違点について検討する。

1 相違点1について
本願発明は、「光源基板がケースの表面に」「固定」されているものであるが、発明の詳細な説明等の記載を参酌しても、どのように「固定」しているのか「固定」の具体的態様について記載されていないため、明らかではない。
そのため、本願発明の「固定」とは、相対的な位置関係が変化しない状態が含まれるものと認められる。
一方、引用文献1には【0032】に「前フレーム106および後フレーム111は、正面方向から導光板107、および図柄シート108を挟む。また、このとき、前フレーム106および後フレーム111は、それぞれ左右の側面部に、相互に対向する方向に光を発する光源109,110を挟み込む。」と記載されている。
そして、引用発明は、「光源109,110」を「発光させることにより導光板107を発光させる」ものであり、また、遊技機の一部を構成する装置であることを考慮すれば、前フレーム106、後フレーム111、導光板107、図柄シート108,光源109,110は、互いに移動しない位置関係、すなわち、相対的な位置関係が変化しないものとするのが妥当である。
そうすると、引用発明においても、「光源109,110」が「後フレーム111」に当然、「固定」されているといえる。
よって、当該相違点1は、実質的な相違点とはいえない。

なお、本願発明の「固定」は、何らかの固着手段を用いた「固定」を意図するものであり、引用発明の「光源109,110」が「後フレーム111」に「固定」されているとはいえないとした場合、すなわち、上記相違点1が実質的な相違点であったとしても、引用文献2記載の事項には、「導光板21」が「固定」される「基板ホルダ51」に、「基板41a,41b,41c」を「螺着」することが示されている。
ここで、引用文献2記載の事項の「基板ホルダ51」は、「導光板21」が「固定」されることから、本願発明の「前記透明板」「を支持するケース」に相当し、引用文献2記載の事項の「基板41a,41b,41c」は、本願発明の「光源基板」に相当する。
そうすると、引用文献2記載の事項の「基板ホルダ51」に、「基板41a,41b,41c」を「螺着」することは、本願発明の「ケース」に「光源基板」が「固定」されることに相当する。
そして、引用発明も引用文献2記載の事項も、いずれも透明板を照射する光源を光源基板に備えるものであるから、引用発明の「光源109,110」と「後フレーム111」の相互関係において、引用文献2記載の事項を適用して、上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

2 相違点2について
引用発明の導光板107は、「図柄シート108に描かれている図柄に対応する付加的な図柄を構成する位置であり、図柄シート108に描かれた太陽の画像を構成する複数の図柄のそれぞれを囲むような位置に、円錐形状の微細な反射部位が配設されるように加工され」ているという構成cを備えることで、「導光板107に配設された反射部位は、光源110が発光したときに入射した光を、遊技機1の表示面に対して反射することで、図柄シート108に描かれている図柄に対応する図柄を表示面に表示させ、図柄シート108で描かれている太陽の表示と、共に図柄が表示されることにより、あたかも太陽が輝いているような演出画像を表示する」ものである(構成d)。
そして、引用発明の構成aより、引用発明の導光板107は、「図柄シート108に描かれた図柄を透過させて表示する」ものであるから、導光板107に光を入射した際に、導光板107から透過して見える図柄シート108に描かれた太陽の画像と、導光板107の、太陽の画像を構成する複数の図柄のそれぞれを囲むような位置に配設された反射部位による反射により表示された図柄とで、あたかも太陽が輝いているような演出画像を表示している。
そうすると、引用発明において、「導光板107に配設された反射部位」と、「図柄シート108に描かれた太陽の画像」は、導光板107に光を入射した際の反射部位における反射により、導光板107から透過して見える図柄シート108に描かれた太陽が輝いているように見えるような位置関係にあるといえる。
一方、本願発明も、「光源の光」を、「前記所定位置から前記透明板内に導入」して、「透明板」の「裏面」にある「前記複数の凹部で反射」させることにより、「前記意匠シートに描画された前記複数の光輝部を同時に照明する」ものである(構成D)。
そうすると、本願発明と引用発明は、いずれも、透明板(引用発明の「導光板107」)内に光を導入して、透明板の凹部(引用発明の「反射部位」)で反射させることにより、光輝部(引用発明の「図柄シート108に描かれた太陽」)を照明(引用発明の「輝いているよう」に)する点で共通する。
そして、透明板の凹部での反射により、光輝部を照明するに際して、本願発明のように、複数の光輝部の前面毎に凹部を設けるか、引用発明のように、図柄シート108に描かれた太陽の画像を構成する複数の図柄のそれぞれを囲むような位置に反射部位(本願発明の「凹部」)を設けるかは、どのような演出画像を表示したいかに応じて、適宜選択して設定するものであるので、上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

3 相違点3について
引用文献2記載の事項の「凹ドット」は、本願発明の「凹部」に相当する。
そして、引用文献2記載の事項は、「導光板21の裏面に」「凹ドット」を設けるものであるから、上記相違点3に係る本願発明の構成を備えるものである。
そして、引用発明と引用文献2記載の事項は、いずれも、透明板に複数の凹部を設け、透明板内に導入された光を正面側(表示面側)に反射することにより、遊技盤の前側から見えるように図柄を表示するものであるから、引用発明の「円錐形状の微細な反射部位」を、引用文献2記載の事項のように、「導光板107」の裏面に設けることで、上記相違点3に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

第7 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
決する。
 
審理終結日 2020-03-17 
結審通知日 2020-03-24 
審決日 2020-04-06 
出願番号 特願2017-15589(P2017-15589)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大浜 康夫中村 祐一  
特許庁審判長 安久 司郎
特許庁審判官 ▲高▼橋 祐介
蔵野 いづみ
発明の名称 遊技機  
代理人 横堀 芳徳  
代理人 竹ノ内 勝  
代理人 竹沢 荘一  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ