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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G09B
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 G09B
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 G09B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G09B
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G09B
審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 G09B
管理番号 1362995
審判番号 不服2019-1908  
総通号数 247 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-02-12 
確定日 2020-06-11 
事件の表示 特願2017-501704「音素よりも細分化された構成単位、または、様々なゲームを活用した言語学習システム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 1月21日国際公開、WO2016/010306、平成29年10月 5日国内公表、特表2017-529554〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年7月9日を国際出願日(パリ条約による優先権主張 平成26年7月18日(以下、この日を「本件優先日」という。)、平成26年8月21日 韓国)とする外国語特許出願であって、平成30年1月31日付けで拒絶理由が通知され、同年4月23日に意見書が提出されたが、同年9月28日付けで拒絶査定がなされ、同査定の謄本は同年10月9日に出願人に送達された。
これに対して、平成31年2月12日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、それと同時に手続補正がなされたものである。

第2 平成31年2月12日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成31年2月12日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について
本件補正は、特許法第184条の6第2項の規定により願書に添付して提出された特許請求の範囲とみなされる国際出願日における請求の範囲の翻訳文(以下、単に「本件補正前の特許請求の範囲」という。)の記載を補正するものであり、そのうち、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載及び本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載はつぎのとおりのものである(以下、特許請求の範囲の請求項1についての補正事項を「本件補正事項」という。)。
(1)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1
【請求項1】
一般の人々を含めて、言語学習についての細かな配慮が必要な人のために言語学習の最小単位をより細かい分解して提供する言語学習システム。

(2)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1(下線は、補正箇所を示す。)
【請求項1】
一般の人々を含めて、言語学習についての細かな配慮が必要な人のために言語学習の最小単位をより細かく分解し、様々なゲームと連携させた言語学習システム。

2 補正の適否について
本件上記のとおり、本件補正は、本件補正事項をその一部に含むものであるところ、本件補正事項の適否について検討する。
(1)本件補正事項の目的について
本件補正前の請求項1に係る発明である「言語学習システム」を「様々なゲームと連携させた言語学習システム」へと補正するものであるところ、本件補正前の請求項1においては、ゲームについては、何ら特定されていないから、当該「様々なゲームと連携させ」ることが、本件補正前の請求項1に記載の発明特定事項を限定するものとはいえない。また、当該「様々なゲームと連携させ」ることが、言語学習システムという発明特定事項を限定するものと解したとしても、当該限定により、発明が「言語学習システム」から、「様々なゲームと連携させる」「言語学習システム」へと変更されたことにより、その解決しようとする課題が実質的に変更されることとなることは明らかである。
してみると、本件補正事項は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものということはできない。
また、本件補正事項が、同項第1号に規定する請求項の削除、同項第3号に規定する誤記の訂正、同項第4号に規定する明りょうでない記載の釈明を目的とするものにも該当しない。
したがって、本件補正は、審判請求時の補正であって、特許法第17条の2第5項の規定に違反するものである。

(2)独立特許要件(特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項に規定する要件)について
上記(1)のとおり、本件補正事項は、特許法17条の2第5項の規定に違反するものであるが、上記補正事項は、言語学習システムをさらに限定したものと解する余地もあることから、同項第2号に規定するいわゆる特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものであると解して、本件補正事項による補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けるものであるか否かについて検討しておく。

ア 独立特許要件の検討その1(特許法第29条第2項違反について)
(ア)本件補正発明は、上記1(2)において摘示したとおりのものである。
(イ)原査定の拒絶の理由において引用された引用文献1について
原査定の拒絶の理由において引用された本願優先日前に頒布された刊行物である特表2012-517614号公報には、つぎの事項が記載されている。
a 「【0001】 本発明は、字母組合せ体系によるハングル具現道具に関し、より詳しくは、6つの字母のみで全てのハングルを具現することができる単純かつ簡潔な組合せ体系をなし、日常生活において、ハングルの独創性と優秀性及び便利さが感じられるようにした字母組合せ体系によるハングル具現道具に関する。」
b 「【発明が解決しようとする課題】
【0008】 本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、6つの字母のみで全てのハングルを具現することができる単純・簡潔な組合せ体系をなし、日常生活において、ハングルの独創性と優秀性、及び便利さが感じられるようにした字母の組合せ体系によるハングル具現道具を提供することにある。
【0009】 また、他の目的は、育つ子供たちと外国人の学習教具として用いられるようにし、興味の誘発による学習効果をさらに増大させることができる字母の組合せ体系によるハングル具現道具を提供することにある。」
c 「【0018】

【0019】
図1乃至図6は、本発明の6つの字母が形成される過程を示した例示図である。
【0020】

【0021】

【0022】

【0023】

【0024】

【0025】

【0026】
これにより、本発明は、A=2B、C=A+B、D=A+Cの関係式を有する字母組合せ体系をなすようになる。ここで、「(単)」と「(長)」は、長さの長短を表示して互いに区分されるようにしたものである。
【0027】

【0028】

【0029】



d 「【0039】

【0040】

【0041】


e 上記aないしdにおいて摘示した事項によれば、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。


の6つの字母の複数の字盤から構成され、6つの字母の字盤を回転または組み合わせて、

の11個の字音、

の8個の母音


のような双字音文字と終声及び双字音文字からなる終声、

のような双字音文字からなる終声を作ることができる6つの字母の字盤をくみあわせてハングルを具現可能としたものであって、6つの字盤をブロックまたは磁石でつくられており、育つ子供たちまたはハングルに初めて接する外国人の遊び及び学習教具として活用することができるハングル具現道具。」

(ウ)対比
本件補正発明と引用発明1とを対比する。
a 引用発明1の「6つの字母の字盤」は、これらの字盤を組み合わせてハングルを具現可能としたものであるから、ハングル文字という言語の最小単位をさらに細かく分解したものである。
そして、引用発明1が、「遊び及び学習教具として活用することができる」ものであるところ、本件補正発明の「言語学習システム」が、本願明細書の発明の詳細な説明の段落【0003】の「言語学習のためのシステム(teaching aids;学習に活用されている各種の記録物や遊具、コンピュータプログラム等を総称する)」との定義(審判請求人も審判請求書において本願発明の「システム」の定義が同段落【0003】に記載の内容であること、出願人の発明のシステムの類型に制限がないことを自認している。)に照らせば、本件補正発明と引用発明1とは、「言語学習の最小単位をより細かく分解した言語学習システム」である点で共通するものといえる。
b 引用発明1が「育つ子供たちまたはハングルに初めて接する外国人の遊び及び学習教具として活用することができる」ものであることは、本件補正発明の「言語学習についての細かな配慮が必要な人のための」ものであることに相当するものであるし、引用発明1がその他の一般の人々をも対象とするものといえることも自明なことである。
c 以上のことから、本件補正発明と引用発明1とはつぎの一致点で一致し、つぎの相違点で相違する。
<一致点>
一般の人々を含めて、言語学習についての細かな配慮が必要な人のために言語学習の最小単位を細かく分解した言語学習システム。

<相違点>
本件補正発明が「様々なゲームと連携させた」ものであるのに対して、引用発明1はそのように特定されない点

(エ)当審の判断
上記相違点について検討するに、たとえば実願平3?85770号(実開平5-9580号のCD-ROM(段落【0007】ないし【0015】)には、「異なる発音記号を記載し英語教習用カードを用いて、場に出ているカードに対して手持ちのカードをつなげて配列して単語の発音を構成するというゲームを行うこと」について記載されており、また、特開2009-183675号公報(【請求項1】、段落【0004】ないし【0006】)や特開2012-61065号公報(段落【0007】には、「漢字を偏や旁、冠や脚などに分割して表示したカードを用いてゲームを行うこと」について記載されているように、言語を構成する文字や単語をさらに細かい単位に分解したカードを用いて文字や単語を構成するというゲームを行うことは、従来周知の技術である。
このような従来周知の技術を知る当業者であれば、引用発明1の「ハングル具現道具」の遊びの一つとして、ハングルを構成するゲームに用いることができることは容易に想到し得ることである。
してみると、引用発明1の「ハングル具現道具」は、このようなゲームに用いるようにすること、すなわち「ゲームとに連携させる」ようにして、上記相違点に係る本件補正発明のようにすることに格別の困難性はない。

(オ)小括
以上のとおりであるから、本件補正発明は、引用発明1及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件補正発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができない。

イ 独立特許要件の検討その2(特許法第36条第6項第2号違反について)
(ア)本件補正後の請求項1には、「一般の人々を含めて、言語学習についての細かな配慮が必要な人のために言語学習の最小単位を細かく分解」した言語学習システムが特定されているところ、ここでの「言語学習の最小単位」が何を特定しようとするものであるのかは、当該請求項の記載からは明確でなく、本願明細書の発明の詳細な説明を参酌したとしても、そこには、「ハングルを構成する音素をさらに分解した単位」を用いることが実施例として示されているものの、請求項においては、「言語学習」はハングルに特定されているものではないし、言語学習の最小単位が必ずしも音素に限定されるわけでもないから、発明の詳細な説明を参酌しても、「言語学習の最小単位」が何を包含するものであるのかを理解することはできない。
それに加えて、「言語学習についての細かな配慮が必要な人のため」に「言語学習の最小単位を細かく分解」したとの特定もされており、当該特定により、本件補正発明には、何が包含され、何が排除されることとなるのかも明確ではない。

(イ)本件補正後の請求項1には「様々なゲームと連携させる」点が特定されているところ、ここでの「様々なゲーム」がどのようなゲームを包含するものであるのかが明確でなく、また、「連携させる」が、どのような態様を特定しようとするのかは明確でなく、さらに、これらの特定が「言語学習システム」においてどのような構成あるいは、限定をすることとなるのかも明確でない。

(ウ)以上のことからすれば、本件補正発明(本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明)は明確でないから、請求項1の記載は特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
したがって、本件補正発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができない。

3 補正の却下の決定のむすび
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するものであり、仮に、そうでないとしても、同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
上述のとおり、本件補正は、却下されたので、本願の請求項1ないし8に係る発明は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載されたとおりのものであるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2の[理由]1の(1)に摘示したとおりものである。

2 原査定の理由の概要
本願発明についての原査定の拒絶の理由は、本願発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであること、及び、請求項1における「一般の人々を含めて、言語学習についての細かな配慮が必要な人」に含まれる範囲が不明であることから、本願は、特許請求の範囲の請求項1の記載は特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないというものである。

3 特許法第29条第1項第3号に係る原査定の理由の検討
(1)引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその記載事項並びに引用発明1は、前記第2の[理由]2の(2)のアの(イ)において記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、本件補正発明から「様々なゲームと連携させ」たに係る点の特定を削除したものである。
そして、上記第2の[理由]2の(2)のアの(ウ)の本件補正発明と引用発明との対比での検討に照らせば、本願発明と引用発明1とは、「一般の人々を含めて、言語学習についての細かな配慮が必要な人のために言語学習の最小単位をより細かい分解して提供する言語学習システム。」である点で一致し、相違するところはないから、本願発明と引用発明1の間に差異は見い出せない。
したがって、本願発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものである。

4 特許法第36条第6項第2号に係る原査定の理由の検討
上記第2の[理由]2の(2)のイの(ア)で検討したとおり、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された「一般の人々を含めて、言語学習についての細かな配慮が必要な人のために言語学習の最小単位を細かい分解して」は明確でないから、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

第4 むすび
上記第3のとおり,本願発明は,特許法第29条第2項の規定により特許受けることができないものであり,本願は特許請求の範囲の記載が同法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないものであるから,その余の請求項及び同項に係る発明について論及するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。
よって,上記の結論のとおり審決する。

 
別掲
 
審理終結日 2020-01-10 
結審通知日 2020-01-14 
審決日 2020-01-27 
出願番号 特願2017-501704(P2017-501704)
審決分類 P 1 8・ 113- Z (G09B)
P 1 8・ 572- Z (G09B)
P 1 8・ 57- Z (G09B)
P 1 8・ 121- Z (G09B)
P 1 8・ 575- Z (G09B)
P 1 8・ 537- Z (G09B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 古屋野 浩志  
特許庁審判長 藤本 義仁
特許庁審判官 畑井 順一
尾崎 淳史
発明の名称 音素よりも細分化された構成単位、または、様々なゲームを活用した言語学習システム  
代理人 大森 純一  
代理人 中村 哲平  
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