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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1363385
審判番号 不服2018-13495  
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-10-10 
確定日 2020-06-16 
事件の表示 特願2016-546994「インターフェース操作方法および端末」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 7月23日国際公開、WO2015/106647、平成29年 5月25日国内公表、特表2017-513081〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は,2015年(平成27年)1月7日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2014年1月16日,中国,2014年8月27日,中国)を国際出願日とする出願であって,平成28年8月25日に手続補正がされ,平成29年6月23日付けで拒絶理由が通知され,平成29年9月25日に手続補正がされるとともに意見書が提出され,平成29年12月14日付けで拒絶理由が通知され,平成30年3月23日に手続補正がされるとともに意見書が提出されたが,平成30年6月6日付けで拒絶査定がなされ,これに対して平成30年10月10日に審判の請求がなされ,同時に手続補正がなされ,平成30年12月19日および平成31年3月18日に上申書が提出されたものである。

第2 平成30年10月10日にされた手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の結論]

平成30年10月10日にされた手続補正(以下,「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 本件補正について(補正の内容)

(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載

本件補正により,特許請求の範囲の請求項1の記載は,次のとおり補正された。(下線は補正箇所である。)

「インターフェース操作方法であって,前記方法は,
端末内の重力センサもしくはジャイロスコープを用いて,前記端末のタッチスクリーンが傾斜状態にあるかどうか検出するステップであって,前記傾斜状態にあることは,事前設定範囲内の事前設定方向の傾斜角度を有すること,または事前設定範囲内の事前設定方向の加速度もしくは変位を有することを含む,端末内の重力センサもしくはジャイロスコープを用いて,前記端末のタッチスクリーンが傾斜状態にあるかどうか検出するステップと,
前記端末の前記タッチスクリーンが前記傾斜状態にあることが検出されたときに,第2のインターフェースを獲得するために,既定の規則に基づき,前記タッチスクリーンの前記傾斜状態に従って,現在ユーザに対して表示されており,前記タッチスクリーンの画面上にある第1のインターフェースの一部もしくは全部を移動させるステップであって,前記第2のインターフェースは前記第1のインターフェースの前記一部もしくは全部の前記移動に従って獲得されるインターフェースであり,既定の規則に基づき,前記タッチスクリーンの前記傾斜状態に従って,現在ユーザに対して表示されており,前記タッチスクリーンの画面上にある第1のインターフェースの一部もしくは全部を移動させる前記ステップは,前記既定の規則に基づき,前記タッチスクリーンの前記傾斜状態に従って,前記第1のインターフェース上の一部の操作可能なインターフェースコンテンツの表示位置を入れ替えるステップを含む,既定の規則に基づき,前記タッチスクリーンの前記傾斜状態に従って,現在ユーザに対して表示されており,前記タッチスクリーンの画面上にある第1のインターフェースの一部もしくは全部を移動させ,前記第1のインターフェースの中央位置に位置しているインターフェースコンテンツは変更されない,ステップと,
前記第2のインターフェース上で前記ユーザによって行われた操作を受け取り,前記ユーザが前記第2のインターフェース上での前記操作を完了したことを前記端末が検出した後で,たとえ前記タッチスクリーンが依然として前記傾斜状態にあるとしても,前記第1のインターフェースの前記移動された一部もしくは全部を前記移動の前の位置へ復元するステップと
を含み,
前記第1のインターフェースの前記一部は,前記第1のインターフェース上の操作可能なインターフェースコンテンツの一部もしくは全部であり,前記操作可能なインターフェースコンテンツは,アイコン,ボタン,もしくはユーザ選択ボタンのうちの少なくとも1つを含む,インターフェース操作方法。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲

本件補正前の,平成30年3月23日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。

「インターフェース操作方法であって,前記方法は,
端末内の重力センサもしくはジャイロスコープを用いて,前記端末のタッチスクリーンが傾斜状態にあるかどうか検出するステップであって,前記傾斜状態にあることは,事前設定範囲内の事前設定方向の傾斜角度を有すること,または事前設定範囲内の事前設定方向の加速度もしくは変位を有することを含む,端末内の重力センサもしくはジャイロスコープを用いて,前記端末のタッチスクリーンが傾斜状態にあるかどうか検出するステップと,
前記端末の前記タッチスクリーンが前記傾斜状態にあることが検出されたときに,第2のインターフェースを獲得するために,既定の規則に基づき,前記タッチスクリーンの前記傾斜状態に従って,現在ユーザに対して表示されており,前記タッチスクリーンの画面上にある第1のインターフェースの一部もしくは全部を移動させるステップであって,前記第2のインターフェースは前記第1のインターフェースの前記一部もしくは全部の前記移動に従って獲得されるインターフェースであり,既定の規則に基づき,前記タッチスクリーンの前記傾斜状態に従って,現在ユーザに対して表示されており,前記タッチスクリーンの画面上にある第1のインターフェースの一部もしくは全部を移動させる前記ステップは,前記既定の規則に基づき,前記タッチスクリーンの前記傾斜状態に従って,前記第1のインターフェース上の一部の操作可能なインターフェースコンテンツの表示位置を入れ替えるステップを含む,既定の規則に基づき,前記タッチスクリーンの前記傾斜状態に従って,現在ユーザに対して表示されており,前記タッチスクリーンの画面上にある第1のインターフェースの一部もしくは全部を移動させ,前記第1のインターフェースの中央位置に位置しているインターフェースコンテンツは変更されない,ステップと,
前記第2のインターフェース上で前記ユーザによって行われた操作を受け取り,前記ユーザが前記第2のインターフェース上での前記操作を完了したことを前記端末が検出した後で,前記第1のインターフェースの前記移動された一部もしくは全部を前記移動の前の位置へ復元するステップと
を含み,
前記第1のインターフェースの前記一部は,前記第1のインターフェース上の操作可能なインターフェースコンテンツの一部もしくは全部であり,前記操作可能なインターフェースコンテンツは,アイコン,ボタン,もしくはユーザ選択ボタンのうちの少なくとも1つを含む,インターフェース操作方法。」

2 補正の適否

本件補正は,上記のとおり,請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記第1のインターフェースの前記移動された一部もしくは全部を前記移動の前の位置へ復元するステップ」について,「たとえ前記タッチスクリーンが依然として前記傾斜状態にあるとしても,」との限定を付加することを含むものであって,補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから,特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

また,特許法第17条の2第3項,第4項に違反するところはない。

そこで,本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下,「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか)について,以下,検討する。

(1)本件補正発明

本件補正発明は,上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用例の記載事項

原査定の平成29年12月14日付け拒絶の理由で引用された,本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった,特開2013-114640号公報(平成25年6月10日公開。以下,「引用例1」という。)には,図面(特に,図1および図2?5)と共に,次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。以下同様。)

ア 段落【0001】-【0006】

「【技術分野】
【0001】
本開示は,情報処理装置,情報処理方法およびプログラムに関し,より詳しくは,ディスプレイに表示されるアイコンへの操作を取得する情報処理装置,情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
グラフィカルユーザインターフェース(GUI:Graphical User Interface)が,情報処理装置のユーザインターフェースの主流になって久しい。GUIでは,さまざまな操作要素を表すアイコンがディスプレイに表示され,ユーザは,マウスやタッチパネルなどのポインティングデバイスを用いてアイコンを操作することで情報処理装置への操作入力を実行する。
【0003】
近年のスマートフォンやタブレット型PC(Personal Computer)のような携帯型の情報処理装置の普及によって,GUIに対するユーザの需要も変化しており,かかる需要に対応する新たな技術が提案されている。例えば,特許文献1では,筐体へのユーザの接触状態や,筐体の傾きなどに応じてディスプレイ上でアイコンを移動させ,ユーザが操作しやすい位置にアイコンを配置する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-141825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,GUIにおけるユーザによるアイコンの操作は,例えばタッチパネルを用いる場合であればタップ,ダブルタップ,長押し,ドラッグ,フリックなど多種多様である。それゆえ,それぞれの種類の操作についてGUI側の処理を最適化するという観点からすれば,上記の特許文献1などによって提案されている技術によってもなお,GUIの操作性の向上には改善の余地がある。
【0006】
本開示では,上記事情に鑑み,ディスプレイ上でアイコンを所定の領域と相互作用させる操作をする場合の操作性を向上させることが可能な,新規かつ改良された情報処理装置,情報処理方法およびプログラムを提案する。」

イ 段落【0017】-【0020】

「【0017】
(外観)
図1を参照すると,本開示の第1の実施形態に係る情報処理装置100は,スマートフォンである。情報処理装置100は,スマートフォン以外にも,例えばタブレット型などのPC,PDA(Personal Digital Assistant),各種メディアプレーヤなどでありうる。
【0018】
情報処理装置100は,筐体110を有し,筐体110にはディスプレイ120が設けられる。ディスプレイ120には,画面1201が表示される。画面1201には,第1のアイコン1203が表示される。また,画面1201には,第1の領域1205が設定される。第1の領域1205の一部または全部には,第2のアイコン1207が表示されてもよい。ディスプレイ120上には,タッチパネル130が設けられる。タッチパネル130は,ディスプレイ120へのユーザの接触操作を取得する。
【0019】
ここで,画面1201に設定される第1の領域1205は,ディスプレイ120には表示されない。ただし,上記のように,第1の領域1205の一部または全部に第2のアイコン1207が表示されることによって,ユーザが第1の領域1205の位置を認識することが可能であってもよい。第1の領域1205は,例えばユーザがディスプレイ120への接触操作によって第1のアイコン1203を第1の領域1205に到達させた場合に,第1のアイコン1203との間で相互作用が生じる領域でありうる。
【0020】
なお,第1のアイコン1203と第1の領域1205との相互作用とは,例えばドラッグ&ドロップ操作のように,第1のアイコン1203によって示される操作要素(例えばファイル)と第1の領域1205によって示される操作要素(例えばフォルダ)とによる何らかの処理(例えばファイルのフォルダへの移動)が実行されることである。」

ウ 段落【0023】-【0031】

「【0023】
(機能構成)
図2を参照すると,情報処理装置100は,機能構成として,ディスプレイ120,タッチパネル130,表示制御部140,位置設定部150,制御部160,傾き基準値取得部170,傾き検出部180,および傾き変化取得部190を含む。
【0024】
ディスプレイ120は,上記のように,筐体110に設けられるディスプレイである。
ディスプレイ120は,例えばLCD(Liquid Crystal Display)表示制御部140によって制御されて画面1201を表示する。
【0025】
タッチパネル130は,上記のように,ディスプレイ120上に設けられ,ディスプレイ120へのユーザの接触操作を取得する操作取得部である。タッチパネル130は,例えば抵抗膜方式または静電容量方式などの各種の方式によるタッチパネルであり,ユーザの指やスタイラスペンなどの操作体による接触操作を検出する。タッチパネル130は,検出結果を制御部160に出力する。後述するように,タッチパネル130が取得する操作には,第1のアイコン1203と第1の領域1205とを相互作用させるための所定のユーザ操作が含まれる。
【0026】
表示制御部140は,例えばCPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などによって実現され,ディスプレイ120を制御する。表示制御部140は,ディスプレイ120に画面1201を表示させる。表示制御部140は,画面1201上の第1のアイコン1203および第1の領域1205の位置として,位置設定部150によって設定された位置を使用する。
【0027】
位置設定部150は,例えばCPU,RAM,ROMなどによって実現され,第1のアイコン1203および第1の領域1205の画面1201上での位置を設定する。位置設定部150は,タッチパネル130によって所定のユーザ操作が取得された場合,傾き変化取得部190によって取得された筐体110の傾き変化に応じて,第1の領域1205の位置を第1のアイコン1203に向けて移動させるように,制御部160によって制御される。ここで,筐体110の傾き変化に応じた第1の領域1205の移動には,さまざまなバリエーションがある。例えば,筐体110の傾き変化と第1の領域1205の移動距離とは,比例してもよい。また,例えば,筐体110の傾き変化の角度が大きくなるにつれて角度あたりの第1の領域1205の移動距離が大きくなるようにゲインが設定されてもよい。
【0028】
制御部160は,例えばCPU,RAM,ROMなどによって実現され,情報処理装置100の各部を制御する。制御部160は,例えば,タッチパネル130が取得したユーザの接触操作に応じて,位置設定部150および傾き基準値取得部170を制御する。より具体的には,タッチパネル130によって所定のユーザ操作が取得され始めた場合,制御部160は,第1の領域1205の位置を筐体110の傾き変化に応じて移動させるように位置設定部150を制御し,また傾き基準値を取得するように傾き基準値取得部170を制御する。一方,タッチパネル130によって所定のユーザ操作が取得されなくなった場合,制御部160は,第1の領域1205の移動を終了するように位置設定部150を制御してもよい。
【0029】
傾き基準値取得部170は,例えばCPU,RAM,ROMなどによって実現され,傾き検出部180の出力に基づいて,ある時点での筐体110の傾きを傾き基準値として取得する。傾き基準値取得部170は,例えば,タッチパネル130によって所定のユーザ操作が取得され始めたときに,制御部160の制御に従って傾き基準値を取得する。
【0030】
傾き検出部180は,例えば角速度センサ,加速度センサ,または角度センサなどのモーションセンサであり,筐体110の傾きを検出する。傾き検出部180は,検出結果を傾き基準値取得部170および傾き変化取得部190に出力する。
【0031】
傾き変化取得部190は,例えばCPU,RAM,ROMなどによって実現され,傾き検出部180の出力に基づいて,現時点の筐体110の傾きの,傾き基準値からの変化を,傾き変化として取得する。傾き基準値は,上記のように,例えばタッチパネル130によって所定のユーザ操作が取得され始めたときに,傾き基準値取得部170によって取得される。傾き変化取得部190は,取得した傾き変化を位置設定部150に出力する。」

エ 段落【0034】-【0043】

「【0034】
(第1の例)
図4では,図3の表示例において,ユーザによって第1のアイコン1203を第1の領域1205と相互作用させるための操作がされた場合の,画面1201の表示変化の第1の例が示されている。なお,図4および図5では,簡単のため,第1の領域1205および位置p1,p2は図示されていないが,図3と同様に,第2のアイコン1207とほぼ一致する領域に第1の領域1205が設定されており,第1のアイコン1203の位置p1および第1の領域1205の位置p2は位置設定部150によって設定されている。
【0035】
ここで,本実施形態では,ユーザがタッチパネル130を介して第1のアイコン1203への接触を継続する長押しの操作が,第1のアイコン1203を第1の領域1205と相互作用させるための所定のユーザ操作であるものとする。なお,長押しの操作をしながら接触の位置を移動させるのがドラッグ操作であるため,以下の説明では,ドラッグ操作も長押し操作に含める場合がある。
【0036】
まず,(a)の状態では,画面1201の表示は図3に示したものと同じである。この状態で,ユーザは,第1のアイコン1203への長押しの操作を開始する。制御部160は,例えば,タッチパネル130が,ディスプレイ120に表示されている第1のアイコン1203への所定時間以上継続する接触操作を検出した場合に,所定のユーザ操作が開始されたと判定する。
【0037】
このとき,制御部160は,傾き基準値取得部170を制御して,このときの筐体110の傾きa0を,傾き基準値として取得させる。また,制御部160は,位置設定部150を制御して,第1の領域1205の位置p2を,傾き変化取得部190が取得した傾き変化に応じて移動させる。
【0038】
なお,図示された例では,筐体110の傾きが,筐体110が水平に保持された状態を基準にした,図1に示す座標軸のx軸回りの角度として示されている。実際の筐体110の傾きは,x軸とは異なる軸の回りの角度成分を含みうる。この場合,傾き検出部180は,例えばx軸回りの角度成分を抽出したものを,筐体110の傾きとして傾き基準値取得部170および傾き変化取得部190に提供してもよい。これによって,第1のアイコン1203と第1の領域1205とを結ぶ方向に対応するx軸回りの角度の変化と第1の領域1205の移動とを対応させることができ,ユーザに筐体110の傾きの変化と第1の領域1205の移動との関係を容易に把握させることが可能である。
【0039】
次に,(b)の状態では,例えばユーザが筐体110を手前に引き起こすことによって,筐体110の傾きa1が,(a)の状態での傾きa0に比べて大きくなっている。この場合,傾き変化取得部190は,傾き変化Δaを,例えばΔa=|a1-a0|として取得する。位置設定部150は,この傾き変化Δaに応じて,第1の領域1205a?1205c(図では第2のアイコン1207a?1207cが表示されている)を,第1のアイコン1203に向けて移動させる。
【0040】
ここで,例えば,(b)の状態で,ユーザによる第1のアイコン1203の長押しが継続されたまま,筐体110の傾きの変化が止まったとする。この場合,傾き変化Δaが変化しないため,位置設定部150は,第1の領域1205a?1205cをそれ以上移動させない。このように,本実施形態では,第1の領域1205a?1205cの位置は,傾き変化Δaが生じたことをトリガとして継続的に移動するのではなく,(a)の状態で表示されていた位置から傾き変化Δaに応じた距離だけ移動している
。これによって,ユーザが筐体110を傾ける意図的な動作に対応して第1の領域1205を移動させることができ,例えば誤操作を防止することができる。
【0041】
次に,(c)の状態では,例えばユーザが筐体110をさらに手前に引き起こすことによって,筐体110の傾きa2が,(b)の状態での傾きa1に比べてさらに大きくなっている。傾き変化取得部190は,(b)の場合と同様に,傾き変化Δaを,例えばΔa=|a2-a0|として取得する。位置設定部150は,この傾き変化Δaに応じて,第1の領域1205a?1205c(図では第2のアイコン1207a?1207cが表示されている)を,第1のアイコン1203に向けて移動させる。(c)の状態でのΔaは,(b)の状態でのΔaよりも大きい。従って,(b)の状態から(c)の状態にかけて,位置設定部150は,第1の領域1205を第1のアイコン1203に向けてさらに移動させる。
【0042】
この(c)の状態では,第1の領域1205が第1のアイコン1203に向けて移動されたことによって,第2のアイコン1207bが第1のアイコン1203に重複している。つまり,第1のアイコン1203が,第1の領域1205bに到達している。この状態で,ユーザが第1のアイコン1203への長押し操作を解除すると,第1のアイコン1203と第1の領域1205bとの間での相互作用が発生する。図示された例では,この相互作用として,第1のアイコン1203によって示されるファイルが,第1の領域1205bによって示されるフォルダに移動されるものとする。本実施形態では,このとき,第1のアイコン1203が画面1201から消滅する。
【0043】
次に,(d)の状態では,上記のように(c)の状態でユーザの第1のアイコン1203への長押し操作が解除されたことによって,第1のアイコン1203と第1の領域1205bとの間での相互作用が発生し,アイコン1203が画面1201から消滅している。筐体110の傾きa2は,(c)の状態から変化していない。ここで,位置設定部150は,図示されているように,筐体110の傾きにかかわらず,第1の領域1205を(a)の状態で表示されていた位置に戻してもよい。」

オ 引用発明

上記ア?エより,引用例には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「ディスプレイ上でアイコンを所定の領域と相互作用させる操作をする場合の操作性を向上させることが可能な情報処理装置における情報処理方法であって,
情報処理装置100は,スマートフォンであり,
情報処理装置100は,筐体110を有し,筐体110にはディスプレイ120が設けられ,ディスプレイ120には,画面1201が表示され,画面1201には,第1のアイコン1203が表示され,また,画面1201には,第1の領域1205が設定され,第1の領域1205の一部または全部には,第2のアイコン1207が表示されており,
ディスプレイ120上には,タッチパネル130が設けられ,タッチパネル130は,ディスプレイ120へのユーザの接触操作を取得し,
情報処理装置100は,機能構成として,ディスプレイ120,タッチパネル130,表示制御部140,位置設定部150,制御部160,傾き基準値取得部170,傾き検出部180,および傾き変化取得部190を含んでおり,
制御部160は,例えばCPU,RAM,ROMなどによって実現されており,タッチパネル130によって所定のユーザ操作が取得され始めた場合,制御部160は,第1の領域1205の位置を筐体110の傾き変化に応じて移動させるように位置設定部150を制御しており,
傾き検出部180は,例えば角速度センサ,加速度センサ,または角度センサなどのモーションセンサであり,筐体110の傾きを検出し,検出結果を傾き基準値取得部170および傾き変化取得部190に出力しており,
傾き変化取得部190は,例えばCPU,RAM,ROMなどによって実現され,傾き検出部180の出力に基づいて,現時点の筐体110の傾きの,傾き基準値からの変化を,傾き変化として取得しており,
図4(a)の状態で,ユーザが,第1のアイコン1203への長押しの操作を開始すると,制御部160は,タッチパネル130が,ディスプレイ120に表示されている第1のアイコン1203への所定時間以上継続する接触操作を検出した場合に,所定のユーザ操作が開始されたと判定し,制御部160は,傾き基準値取得部170を制御して,このときの筐体110の傾きa0を,傾き基準値として取得させ,制御部160は,位置設定部150を制御して,第1の領域1205の位置p2を,傾き変化取得部190が取得した傾き変化に応じて移動させ,
図4(b)の状態では,ユーザが筐体110を手前に引き起こすことによって,筐体110の傾きa1が,図4(a)の状態での傾きa0に比べて大きくなっており,
図4(c)の状態では,ユーザが筐体110をさらに手前に引き起こすことによって,筐体110の傾きa2が,図4(b)の状態での傾きa1に比べてさらに大きくなり,位置設定部150は,この傾き変化Δaに応じて,第1の領域1205a?1205c(図では第2のアイコン1207a?1207cが表示されている)を,第1のアイコン1203に向けて移動させ,第1の領域1205が第1のアイコン1203に向けて移動されたことによって,第2のアイコン1207bが第1のアイコン1203に重複し,この状態で,ユーザが第1のアイコン1203への長押し操作を解除すると,第1のアイコン1203と第1の領域1205bとの間での相互作用が発生し,この相互作用として,第1のアイコン1203によって示されるファイルが,第1の領域1205bによって示されるフォルダに移動され,
図4(d)の状態では,ユーザの第1のアイコン1203への長押し操作が解除されたことによって,第1のアイコン1203と第1の領域1205bとの間での相互作用が発生し,アイコン1203が画面1201から消滅し,筐体110の傾きa2は,図4(c)の状態から変化しておらず,ここで,位置設定部150は,筐体110の傾きにかかわらず,第1の領域1205を図4(a)の状態で表示されていた位置に戻してもよい情報処理方法」

(3)引用発明との対比

ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。

(ア) 引用発明の「ディスプレイ上でアイコンを所定の領域と相互作用させる操作をする場合の操作性を向上させることが可能な情報処理装置における情報処理方法」は,ディスプレイ上でアイコン等を操作するグラフィカルユーザインターフェースであるから,本件補正発明と同様に「インターフェース操作方法」であるといえる。

(イ)「情報処理装置100」は,スマートフォンであり,ここで,スマートフォンは,携帯情報端末であるから,引用発明の「情報処理装置100」は,本件補正発明と同様に「端末」であるといえる。

(ウ) 引用発明の「情報処理装置100」は,傾き検出部180を含んでおり,傾き検出部180は,例えば角速度センサ,加速度センサ,または角度センサなどのモーションセンサであるとされ,ここで,加速度センサは,重力加速度を検出可能な重力センサであるといえ,角速度センサや角度センサは,一般にジャイロスコープと呼ばれる。
さらに,引用発明の「情報処理装置100」は,筐体110を有し,筐体110にはディスプレイ120が設けられ,ディスプレイ120上には,タッチパネル130が設けられ,タッチパネル130は,ディスプレイ120へのユーザの接触操作を取得しているから,引用発明の「ディスプレイ120」は,タッチスクリーンであるといえる。
また,引用発明の「傾き検出部180」は,筐体110の傾きを検出しており,「情報処理装置100」の「ディスプレイ120」は,筐体110に設けられているから,引用発明の「傾き検出部180」は,筐体110の傾きとともにディスプレイ120の傾きも検出しているといえる。
そして,引用発明の「傾き検出部180」は,筐体110の傾きを検出し,検出結果を傾き基準値取得部170および傾き変化取得部190に出力しており,傾き変化取得部190は,傾き検出部180の出力に基づいて,現時点の筐体110の傾きの,傾き基準値からの変化を,傾き変化として取得しており,筐体110を手前に引き起こす動作(図4)と,奥に倒す動作の方向(図5)への傾きの変化を取得しているから,引用発明の「筐体110を手前に引き起こす動作と,奥に倒す動作」の2方向が,本件補正発明の「事前設定範囲内の事前設定方向」に対応し,引用発明の「傾き変化」が,本件補正発明の「傾斜角度」に対応するといえる。
したがって,引用発明の「傾き検出部180」における傾き検出処理は,本件補正発明の「端末内の重力センサもしくはジャイロスコープを用いて,前記端末のタッチスクリーンが傾斜状態にあるかどうか検出するステップであって,前記傾斜状態にあることは,事前設定範囲内の事前設定方向の傾斜角度を有することを含む,端末内の重力センサもしくはジャイロスコープを用いて,前記端末のタッチスクリーンが傾斜状態にあるかどうか検出するステップ」に対応するといえる。

(エ) 引用発明の「情報処理装置100」は,「制御部160」を有しており,引用発明の「制御部160」は,「位置設定部150を制御して,第1の領域1205の位置p2を,傾き変化取得部190が取得した傾き変化に応じて移動させ」ている。「第1の領域1205」には,「第2のアイコン1207a?1207cが表示されて」おり,これらが,「傾き変化Δaに応じて,第1のアイコン1203に向けて移動」している。
ここで,引用発明の「画面1201」の「第1の領域1205」に表示された「第2のアイコン1207a?1207c」は,移動前に表示されたグラフィカルユーザインターフェースの一部であるから,本件補正発明の「第1のインターフェースの一部」に対応し,「第2のアイコン1207a?1207c」が移動した後の「画面1201」は,移動後に表示されたグラフィカルユーザインターフェース表示画面であるから,本件補正発明の「第2のインターフェース」に対応するといえる。
そして,引用発明の「第1の領域1205」内の「第2のアイコン1207a?1207c」を筐体110の「傾き変化Δaに応じて,第1のアイコン1203に向けて移動」することが,本件補正発明の「既定の規則に基づき,前記タッチスクリーンの前記傾斜状態に従って,現在ユーザに対して表示されており,前記タッチスクリーンの画面上にある第1のインターフェースの一部」「を移動させる」ことに対応するといえる。
したがって,引用発明の「制御部160」が「位置設定部150を制御して,第1の領域1205の位置p2を,傾き変化取得部190が取得した傾き変化に応じて移動させ」る処理は,本件補正発明の「前記端末の前記タッチスクリーンが前記傾斜状態にあることが検出されたときに,第2のインターフェースを獲得するために,既定の規則に基づき,前記タッチスクリーンの前記傾斜状態に従って,現在ユーザに対して表示されており,前記タッチスクリーンの画面上にある第1のインターフェースの一部」「を移動させるステップ」に対応し,両者は,さらに「前記第2のインターフェースは前記第1のインターフェースの前記一部」「の前記移動に従って獲得されるインターフェースであ」る点で共通しているといえる。

(オ) 引用発明の「制御部160」は,ユーザの第1のアイコン1203への長押し操作が解除されたことによって,第1のアイコン1203と第1の領域1205bとの間での相互作用が発生し,アイコン1203が画面1201から消滅し,筐体110の傾きa2は,図4(c)の状態から変化しておらず,ここで,位置設定部150は,筐体110の傾きにかかわらず,第1の領域1205を図4(a)の状態で表示されていた位置に戻している。
ここで,引用発明の「ユーザの第1のアイコン1203への長押し操作が解除されたこと」が,本件補正発明の「ユーザが前記第2のインターフェース上での前記操作を完了したこと」に対応するといえる。また,引用発明の「筐体110の傾きa2は,図4(c)の状態から変化して」いないことが,本件補正発明の「タッチスクリーンが依然として前記傾斜状態にある」ことに対応するといえる。
したがって,引用発明の「制御部160」が「位置設定部150を制御して,第1の領域1205の位置p2を,傾き変化取得部190が取得した傾き変化に応じて移動させ」「ユーザの第1のアイコン1203への長押し操作が解除されたことによって、第1のアイコン1203と第1の領域1205bとの間での相互作用が発生し、アイコン1203が画面1201から消滅し、筐体110の傾きa2は、図4(c)の状態から変化しておらず、ここで、位置設定部150は、筐体110の傾きにかかわらず、第1の領域1205を図4(a)の状態で表示されていた位置に戻す」処理は,本件補正発明の「前記第2のインターフェース上で前記ユーザによって行われた操作を受け取り,前記ユーザが前記第2のインターフェース上での前記操作を完了したことを前記端末が検出した後で,たとえ前記タッチスクリーンが依然として前記傾斜状態にあるとしても,前記第1のインターフェースの前記移動された一部」「を前記移動の前の位置へ復元するステップ」に対応しているといえる。

なお,請求人は,平成31年3月18日提出の上申書において,上記点が相違点である旨以下のように主張している。

『「引用文献1の段落0043には,以下の点が開示されています
「筐体110の傾きa2は,(c)の状態から変化していない。ここで,位置設定部150は,図示されているように,筐体110の傾きにかかわらず,第1の領域1205を(a)の状態で表示されていた位置に戻してもよい。」
この段落に示されますように,引用文献1において,位置設定部150は,筐体110の傾きが変化しないときに,第1の領域1205を元の位置に戻します。
これに対して,本願明細書の段落0032に示されますように,本願発明は,たとえタッチスクリーンが依然として傾斜状態の既定の角度範囲内にあるとしても,第1のインターフェースの移動された一部もしくは全部を移動の前の位置へ復元します。
故に,本願発明では,タッチスクリーンの傾きが幾分変化したとしても,第1のインターフェースを元の位置へ復元することができますが,引用文献1では,筐体110の傾きが少しだけ変化したとしても,第1の領域1205を元の位置に戻すことはできません。
このように,本願発明の特徴および効果は,引用文献1の図4に示される特徴および効果と異なります。』

しかしながら,引用文献1の段落0043には,「(d)の状態では,上記のように(c)の状態でユーザの第1のアイコン1203への長押し操作が解除されたことによって,第1のアイコン1203と第1の領域1205bとの間での相互作用が発生し,アイコン1203が画面1201から消滅している。筐体110の傾きa2は,(c)の状態から変化していない。ここで,位置設定部150は,図示されているように,筐体110の傾きにかかわらず,第1の領域1205を(a)の状態で表示されていた位置に戻してもよい。」と記載されており,引用発明では,「ユーザの第1のアイコン1203への長押し操作が解除されたこと」を契機として第1の領域1205を元の位置に戻していると認められるから,引用発明でも,本件補正発明と同様に,筐体110の傾きが少しだけ変化したとしても,第1の領域1205を元の位置に戻すことが可能であるといえる。

したがって,請求人の上記主張は採用できない。

なお,上記上申書において,「たとえ前記タッチスクリーンが依然として前記傾斜状態にあるとしても」という構成を「たとえ前記タッチスクリーンが依然として前記傾斜状態の規定の角度の範囲内にあるとしても」と限定する補正案を提示しているが,当該補正案によっても,上記点は相違点とはなり得ない。

(カ) 引用発明の「画面1201」の「第1の領域1205」に表示された「第2のアイコン1207a?1207c」は,移動前に表示されたグラフィカルユーザインターフェースの一部であるから,本件補正発明の「第1のインターフェースの一部」に対応し,アイコンは,選択等の操作が可能なグラフィカルユーザインターフェースであるから,操作可能なインターフェースコンテンツであるといえ,また,操作可能なインターフェースコンテンツとして,アイコンを含んでいるといえる。
したがって,引用発明と,本件補正発明は,前記第1のインターフェースの前記一部は,前記第1のインターフェース上の操作可能なインターフェースコンテンツの一部もしくは全部であり,前記操作可能なインターフェースコンテンツは,アイコンを含む点で共通しているといえる。

イ 一致点・相違点

以上のことから,本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は,次のとおりである。

[一致点]

「インターフェース操作方法であって,前記方法は,
端末内の重力センサもしくはジャイロスコープを用いて,前記端末のタッチスクリーンが傾斜状態にあるかどうか検出するステップであって,前記傾斜状態にあることは,事前設定範囲内の事前設定方向の傾斜角度を有することを含む,端末内の重力センサもしくはジャイロスコープを用いて,前記端末のタッチスクリーンが傾斜状態にあるかどうか検出するステップと,
前記端末の前記タッチスクリーンが前記傾斜状態にあることが検出されたときに,第2のインターフェースを獲得するために,既定の規則に基づき,前記タッチスクリーンの前記傾斜状態に従って,現在ユーザに対して表示されており,前記タッチスクリーンの画面上にある第1のインターフェースの一部を移動させるステップであって,前記第2のインターフェースは前記第1のインターフェースの前記一部の前記移動に従って獲得されるインターフェースである,ステップと,
前記第2のインターフェース上で前記ユーザによって行われた操作を受け取り,前記ユーザが前記第2のインターフェース上での前記操作を完了したことを前記端末が検出した後で,たとえ前記タッチスクリーンが依然として前記傾斜状態にあるとしても,前記第1のインターフェースの前記移動された一部を前記移動の前の位置へ復元するステップと
を含み,
前記第1のインターフェースの前記一部は,前記第1のインターフェース上の操作可能なインターフェースコンテンツの一部もしくは全部であり,前記操作可能なインターフェースコンテンツは,アイコンを含む,インターフェース操作方法。」

[相違点1]
本件補正発明では,タッチスクリーンが傾斜状態にあるかどうか検出するステップにおいて,傾斜角度を有することを検出する構成に加えて,選択的に,「加速度もしくは変位を有すること」を検出することも特定されているのに対し,引用発明では,「加速度もしくは変位を有すること」を検出していることが特定されていない点。

[相違点2]
本件補正発明では,画面上の第1のインターフェースの一部を移動させる構成に加えて,選択的に,画面上の第1のインターフェースの全部を移動させる構成も特定されているのに対して,引用発明では,画面上の第1のインターフェースの全部を移動させることは特定されていない点。

[相違点3]
本件補正発明では,画面上の第1のインターフェースの一部等を移動させるステップにおいて,第1のインターフェース上の一部の操作可能なインターフェースコンテンツの表示位置を入れ替えるステップを含み,前記第1のインターフェースの中央位置に位置しているインターフェースコンテンツは変更されないのに対して,引用発明では,操作可能なインターフェースコンテンツの表示位置を入れ替えたり,第1のインターフェースの中央位置に位置しているインターフェースコンテンツを変更しなかったり,することは特定されていない点。

[相違点4]
本件補正発明では,第1のインターフェースの一部に含まれる操作可能なインターフェースコンテンツとして,アイコンに加えて,選択的に,ボタン,もしくはユーザ選択ボタンも特定されているのに対して,引用発明では,ボタン,もしくはユーザ選択ボタンが特定されていない点。

(4)判断

ア [相違点1]について
相違点1は,引用発明が,本件補正発明で選択的に列挙された構成要件の一部を含まないものに過ぎないから,実質的な相違点とはいえない。
また,仮に,実質的な相違点であったとしても,引用発明においても,傾き検出部180は,例えば角速度センサ,加速度センサ,または角度センサなどのモーションセンサであるとされているから,引用発明において,傾斜角度を有することを検出する構成に代えて,加速度を有することや,角度変異を有することを検出する構成とし,本件補正発明と同様に,タッチスクリーンが傾斜状態にあるかどうか検出する際に,加速度もしくは変位を有することを検出する構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

イ [相違点2]について
相違点2も,引用発明が,本件補正発明で選択的に列挙された構成要件の一部を含まないものに過ぎないから,実質的な相違点とはいえない。
また,仮に,実質的な相違点であったとしても,原査定で提示された引用文献2(米国特許出願公開第2012/0162261号明細書)の図5ないし図7に記載されているように,本願の優先日前に,スマートフォンの画面に表示されたアイコン等の全部を,スマートフォン画面の傾斜に応じて,移動させる技術は,周知の技術であったと認められるから,引用発明においても,当該周知技術を採用して,端末の画面に表示されたアイコン全部をスマートフォン画面の傾斜に応じて,移動させる構成を採用し,本件補正発明と同様に,画面上の第1のインターフェースの全部を移動させる構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

ウ [相違点3]について
上述した引用文献2の段落[0114]ないし[0115]および図7に記載されているように,スマートフォンの画面上に表示されたアイコンの表示位置をスマートフォンの傾斜に応じて,入れ替えることは,本願の優先日前に周知の技術である。
また,引用文献1の段落0002に背景技術として「筐体へのユーザの接触状態や,筐体の傾きなどに応じてディスプレイ上でアイコンを移動させ,ユーザが操作しやすい位置にアイコンを配置する技術が提案されている。」と記載されているように,引用発明は,ユーザが操作しにくい位置にあるアイコンを操作しやすい位置に移動することにより操作性を向上するものであるから,逆に,操作しやすい位置にあるアイコンは移動させる必要がないことから,操作しやすい位置である指が届く範囲内である画面中央部に位置するアイコンは移動対象としない構成を採用することは,当業者が容易に想到し得たことである。
したがって,引用発明においても,引用文献2などに記載の上記周知技術を採用したりすることによって,本件補正発明と同様に,操作可能なインターフェースコンテンツであるアイコンの表示位置を入れ替えたり,第1のインターフェースの中央位置に位置しているインターフェースコンテンツ(アイコン)を変更しなかったり,する構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

エ [相違点4]について
相違点4も,引用発明が,本件補正発明で選択的に列挙された構成要件の一部を含まないものに過ぎないから,実質的な相違点とはいえない。
また,仮に,実質的な相違点であったとしても,スマートフォンにおいて,ユーザが操作可能なインターフェースコンテンツとして,アイコン同様に,ボタン,もしくは,ユーザ選択ボタンは,本願優先日前に周知の技術に過ぎないから,アイコンに代えて,ボタン,もしくは,ユーザ選択ボタンとすることも,当業者が容易に想到し得たことである。

オ 作用効果について
そして,本件補正発明の奏する作用効果は,当業者であれば,引用発明及び周知技術から予測できる範囲内のものにすぎず,格別顕著なものということはできない。

カ 小括
したがって,本件補正発明は,引用発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定により,特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。

(5)本件補正についてのむすび

よって,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって,上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1 本願発明

平成30年10月10日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので,本願の請求項に係る発明は,平成30年3月23日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された事項により特定されるものであるところ,その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,その請求項1に記載された事項により特定される,前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由(「理由2」)は,この出願の請求項1,2,8,9および14に係る発明は,本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1および2に記載された発明に基づいて,その出願前にその発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない,というものである。

引用文献1:特開2013-114640号公報
引用文献2:米国特許出願公開第2012/0162261号明細書

3 引用例

原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその記載事項は,前記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断

本願発明は,請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記第1のインターフェースの前記移動された一部もしくは全部を前記移動の前の位置へ復元するステップ」について,「たとえ前記タッチスクリーンが依然として前記傾斜状態にあるとしても,」との限定を省いたものである。

そうすると,本願発明の構成要件を全て含み,さらに他の構成要件を付加したものに相当する本件補正発明が,上記第2[理由]2(3),(4)に記載したとおり,引用発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も,同様の理由により,引用発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび

以上のとおり,本願発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから,他の請求項に係る発明について論及するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2020-01-17 
結審通知日 2020-01-20 
審決日 2020-01-31 
出願番号 特願2016-546994(P2016-546994)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 ▲高▼橋 徳浩円子 英紀佐伯 憲太郎池田 聡史  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 野崎 大進
岩田 玲彦
発明の名称 インターフェース操作方法および端末  
代理人 実広 信哉  
代理人 木内 敬二  
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