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審決分類 審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない。 H04W
管理番号 1363472
審判番号 不服2019-8550  
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-06-26 
確定日 2020-06-17 
事件の表示 特願2017- 47782「LTEにおける可変データレートサービスのための動的リソース割り振り、スケジューリング、およびシグナリング」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 8月31日出願公開、特開2017-153093〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2007年(平成19年)8月20日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2006年8月21日 米国)を国際出願日とする出願である特願2009-525599号の一部を,平成21年10月2日に新たに特許出願した特願2009-230423号の一部を,平成23年9月20日に新たに特許出願した特願2011-204771号の一部を,平成25年6月18日に新たに特許出願した特願2013-127903号の一部を,平成26年7月3日に新たに特許出願した特願2014-137988号の一部を,平成27年10月1日に新たに特許出願した特願2015-196108号の一部を,平成29年3月13日に新たな特許出願としたものであって,その手続の経緯は以下のとおりである。

平成30年 5月17日付け 拒絶理由通知書
平成30年 8月21日 意見書,及び手続補正書の提出
平成30年10月 3日付け 拒絶理由通知書
平成31年 1月24日 意見書,及び手続補正書の提出
平成31年 2月18日付け 補正の却下の決定,及び拒絶査定
令和 元年 6月26日 拒絶査定不服審判の請求


第2 原査定の拒絶の理由
原査定の理由である,平成30年10月3日付け拒絶理由通知書に記載したの理由は,概略,以下のとおりである。

「1.(新規事項)平成30年8月21日付け手続補正書でした補正は、下記の点で願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。


●理由1について
・請求項1-16
請求項1に、L3制御情報は、リソースの前記アロケーションのための周波数領域リソースアロケーション、定期的な情報、持続期間情報、シーケンス情報および反復情報を少なくとも示し、リソースの前記アロケーションは、L3シグナリングのみを通してシグナリングされるとあるが、出願人の指摘する[0039]には、L3制御情報により、リソースの前記アロケーションのための周波数領域リソースアロケーション、定期的な情報、持続期間情報、シーケンス情報および反復情報を示すことは、記載されておらず、新規事項である。」


第3 補正の概要
平成30年8月21日付け手続補正書でした補正(以下,「本件補正」という。)は,願書に最初に添付した特許請求の範囲の請求項1に記載された
「無線通信システムにおいて無線通信を行うように構成された無線送受信ユニット(WTRU)であって、前記WTRUは、
最初のリソースアロケーションを受信するように構成される送受信機を備え、
前記最初のリソースアロケーションが有効である間、
前記送受信機は、動的リソースアロケーションを受信するようにさらに構成され、
前記送受信機は、ある期間前記動的リソースアロケーションを使用するようにさらに構成され、
前記送受信機は、前記ある期間前記動的リソースアロケーションを使用した後、前記最初のリソースアロケーションを使用するようにさらに構成される、
WTRU。」という発明を,
「無線通信システムにおいて無線通信を行うように構成された無線送受信ユニット(WTRU)であって、前記WTRUは、
前記WTRUによるデータ送信のためのリソースのアロケーションを含むレイヤ3(L3)制御情報を受信するように構成される送受信機であって、前記L3制御情報は、リソースの前記アロケーションのための周波数領域リソースアロケーション、定期的な情報、持続期間情報、シーケンス情報および反復情報を少なくとも示し、リソースの前記アロケーションは、L3シグナリングのみを通してシグナリングされる、送受信機と、
前記L3制御情報にしたがってアップリンクデータを送信するようにさらに構成された前記送受信機と
を備えたWTRU。」という発明とすることを含むものである。(下線部は補正箇所を示す。)


第4 当審の判断
本件補正の新規事項の追加について,以下に検討する。

1 本件補正後の請求項1において,L3制御情報は「リソースの前記アロケーションのための周波数領域リソースアロケーション」を少なくとも示すとの記載によれば,L3制御情報において示される「周波数領域リソースアロケーション」は,周波数領域のみのリソースアロケーションを示すことを意味するものである。
しかしながら,出願の願書に最初に添付された明細書,特許請求の範囲及び図面(以下、「当初明細書等」という。)には,「周波数領域リソースアロケーション」なるものは記載されていない。そして当初明細書等には,リソースは,周波数-時間(FT)リソース,あるいは,周波数副搬送波のブロックおよびタイムスロットを備える無線ブロックであること(段落0008,0061,0062など),及び,L3 RRCシグナリングにより動的リソース割り振りが行われること(段落0039など)が記載されていることから,L3制御情報において示される「周波数領域リソースアロケーション」は,時間領域を含まない周波数領域のみのリソースアロケーションを示すものであることは,記載も示唆もされておらず,自明でもないから,本件補正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,L3制御情報において示される「周波数領域リソースアロケーション」は,周波数領域のみのリソースアロケーションを示すという,新たな技術事項を導入するものである。

2 本件補正後の請求項1において,L3制御情報は「定期的な情報」を示すとの記載によれば,L3制御情報は,リソースのアロケーション,及び,eNBからWTRUに定期的にシグナリングされる全ての情報を少なくとも示すことを包含するものである。
しかしながら,当初明細書等には,「定期的な情報」なるものは記載されていない。そして,L3制御情報は,リソースのアロケーション,及び,eNBからWTRUに定期的にシグナリングされる全ての情報を包含することは,当初明細書等に記載も示唆もされておらず,自明でもないから,本件補正は,当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,L3制御情報は,リソースのアロケーション,及び,eNBからWTRUに定期的にシグナリングされる全ての情報を示すという,新たな技術事項を導入するものである。

3 本件補正後の請求項1において,「リソースの前記アロケーションは、L3シグナリングのみを通してシグナリングされる」との記載によれば,リソースのアロケーションは,WTRUに対してL1シグナリング,あるいはL2シグナリングを通してシグナリングされるものではなく,全ての場合においてL3シグナリングのみを通してシグナリングされるものである。
しかしながら,当初明細書等には,リソースのアロケーションは,WTRUに対してL3シグナリングのみで通知することは記載されていない。そして,「高速DLまたはUL動的リソース割り振りについてはL1またはL2制御シグナリング、またはゆっくり変化するリソース割り振りの場合はL3 RRCシグナリングのフィールドとしてeNBによってUEにシグナルされる。」(段落0039)との記載によれば,高速に変化するリソースの割り振りの場合には,リソースのアロケーションを,L1シグナリング,あるいはL2シグナリングを通してシグナリングし,ゆっくり変化するリソースの割り振りの場合には,L3シグナリングを通してシグナリングすることが記載されているといえるところ,高速に変化するリソースの割り振りの場合を含む,全ての場合において,L3シグナリングのみを通してシグナリングすることは,記載も示唆もされておらず,自明でもないから,本件補正は,当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,リソースのアロケーションは,WTRUに対してL1シグナリング,あるいはL2シグナリングを通してシグナリングされるものではなく,全ての場合においてL3シグナリングのみを通してシグナリングされるという,新たな技術事項を導入するものである。

したがって,本件補正は当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。


[請求人の主張について]
請求人は,令和元年6月26日に提出された審判請求書において,以下のとおり主張する。
「段落[0039]の記載は、請求項1に記載されている発明特定事項「L3制御情報は、リソースの前記アロケーションのための周波数領域リソースアロケーション、定期的な情報、持続期間情報、シーケンス情報および反復情報を少なくとも示し」をサポートしているものと思料します。また、第3文に記載されている事項は、L1またはL2制御シグナリングの場合もL3 RRCシグナリングの場合も当てはまりますので、請求項1の発明特定事項「リソースの前記アロケーションは、L3シグナリングのみを通してシグナリングされる」は、この2つの場合のうちの1つについて述べたものであり、本願明細書によってサポートされているものと思料します。」

しかしながら,上記当審の判断で述べたように,本件補正の請求項1に記載された「L3制御情報は、リソースの前記アロケーションのための周波数領域リソースアロケーション、定期的な情報、持続期間情報、シーケンス情報および反復情報を少なくとも示し、リソースの前記アロケーションは、L3シグナリングのみを通してシグナリングされる」ことは,当初明細書等に記載されたものではない。

したがって,上記請求人の主張は採用できない。


第5 むすび
以上のとおり、平成30年8月21日にされた手続補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないから、本件出願は特許を受けることができない。
よって,結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2020-01-09 
結審通知日 2020-01-14 
審決日 2020-01-28 
出願番号 特願2017-47782(P2017-47782)
審決分類 P 1 8・ 55- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 望月 章俊  
特許庁審判長 岩間 直純
特許庁審判官 井上 弘亘
脇岡 剛
発明の名称 LTEにおける可変データレートサービスのための動的リソース割り振り、スケジューリング、およびシグナリング  
代理人 特許業務法人 谷・阿部特許事務所  

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