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審決分類 審判 全部無効 特39条先願  F25D
管理番号 1363526
審判番号 無効2017-800155  
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-08-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2017-12-22 
確定日 2020-06-17 
事件の表示 上記当事者間の特許第6234529号発明「生鮮海産物の鮮度保持方法」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6234529号の請求項1?4に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件無効審判の請求に係る特許第6234529号(以下「本件特許」という。)の手続の経緯は、以下のとおりである。なお、被請求人アイスマン株式会社、被請求人ブランテック株式会社を、以下、それぞれ「被請求人アイスマン」、「被請求人ブランテック」という。
平成28年10月 7日 本件特許出願(優先権主張平成27年11月19日、平成28年3月3日)
平成29年11月 2日 設定登録
同年12月22日 審判請求書
平成30年 3月20日 答弁書(被請求人アイスマン)
同年 4月13日 上申書(被請求人アイスマン)
同年 5月22日 審尋
同年 6月 7日 回答書(被請求人アイスマン)
同年 6月11日 回答書(請求人)
同年 7月 6日 上申書(請求人)
同年 8月 8日 審尋、書面審理通知書
同年 8月24日 回答書(被請求人アイスマン)
同年 9月 7日 回答書(請求人)
同年10月10日 手続中止通知書
同年10月17日 上申書(被請求人アイスマン)
令和2年 3月12日 上申書(被請求人アイスマン)
同年 3月24日 手続中止解除通知書
同年 3月25日 上申書(被請求人アイスマン)
なお、被請求人ブランテックに平成30年2月1日付けで審判請求書の副本を送達し、期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えたが、上記期間内に被請求人ブランテックから答弁書の提出はなかった。また、請求人は審判請求書で、被請求人アイスマンは平成30年4月13日付け上申書で、それぞれ、書面による審理を希望した。さらに、被請求人アイスマンは令和2年3月25日付け上申書で、審決の予告を希望しない旨を述べた。
以下、証拠は、例えば甲第1号証を甲1のように略記する。

第2 請求人の主張
請求人は、本件特許の請求項1?4に記載された発明についての特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、証拠方法として甲1?甲21を提出し、次の無効理由を主張する。
<無効理由>
本件特許の請求項1?4に係る発明は、同日に出願された甲1の出願に係る発明と同一であり、かつ、協議を行うことができないから、特許法39条2項の規定により特許を受けることができず、請求項1?4に係る発明についての特許は同法123条1項2号に該当し、無効とすべきである。
<証拠方法>
甲1:特願2017-239726号の願書、明細書、特許請求の範囲、要約書、図面
甲2:特願2015-226589号の願書、明細書、特許請求の範囲、要約書、図面
甲3:特願2016-041189号の願書、明細書、特許請求の範囲、要約書、図面
甲4:PCT/JP2016/084322の国内書面
甲5:国際出願願書、明細書、請求の範囲、要約書、図面、国際出願に係る手数料軽減申請書
甲6:特願2015-226589号に係る出願人名義変更届(平成28年10月21日)
甲7:特許第6234529号公報(本件特許公報)
甲8:本件特許に係る代理人受任届(平成29年8月14日受付)
甲9:本件特許に係る代理人受任届(平成29年8月16日受付)
甲10:本件特許に係る出願審査請求書
甲11:本件特許に係る早期審査に関する事情説明書
甲12:陳述書(平成30年6月9日、廣兼美雄)
甲13:共同開発にかかる協定書(平成27年11月11日)
甲14:新聞記事
甲15:陳述書(平成30年9月5日、廣兼美雄)
甲16:陳述書(平成30年9月5日、井坂雄幸)
甲17:委任状(平成28年10月7日、アイスマン株式会社)
甲18:包括委任状(平成28年10月13日、ブランテック株式会社)
甲19:みなと新聞(2016年8月29日)
甲20:みなと新聞電子版(2016年8月27日)
甲21:訴状(平成30年9月6日)

第3 被請求人の主張
被請求人ブランテックは答弁書を提出しなかった。
被請求人アイスマンは、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める答弁書を提出し、証拠方法として乙1?乙7を提出したが、令和2年3月12日付け上申書において、「被請求人アイスマンは、本特許における特許法第39条第2項の無効理由を認め、本無効審判請求に対し、請求認容審決を求めます。」(2ページ1?2行)と述べている。
<証拠方法>
乙1:特開2017-161212号公報
乙2:弁理士倫理研修テキスト
乙3:昭和62年審判第8790号事件に対する判決
乙4:注文書
乙5:平成30年(モ)第50084号保全異議申立事件決定
乙6:陳述書(平成30年8月17日、秋山知昭)
乙7:通知書(3)(平成30年7月28日)

第4 本件発明
本件特許の請求項1?4に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1?4に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである(以下、各請求項に記載された発明を「本件発明1」?「本件発明4」という。)。
【請求項1】
塩分濃度が13.6?23.1%である塩水を凍結させた氷と、塩分濃度が13.6?23.1%である塩水とを混合して氷スラリーを製造する工程と、
前記氷スラリーに生鮮海産物を浸漬し、該生鮮海産物を瞬間凍結させる工程と、を備えることを特徴とする生鮮海産物の鮮度保持方法。
【請求項2】
請求項1記載の生鮮海産物の鮮度保持方法において、混合する前記氷と前記塩水の塩分濃度が同程度であることを特徴とする生鮮海産物の鮮度保持方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の生鮮海産物の鮮度保持方法において、混合する前記氷と前記塩水の質量比が氷:塩水=75:25?20:80であることを特徴とする生鮮海産物の鮮度保持方法。
【請求項4】
請求項1?3のいずれか1項に記載の生鮮海産物の鮮度保持方法において、瞬間凍結させた前記生鮮海産物を前記氷スラリーから取り出して、該生鮮海産物を瞬間凍結時の温度以下で冷凍保存することを特徴とする生鮮海産物の鮮度保持方法。

第5 甲1発明
甲1の特許請求の範囲の請求項1?4には以下の発明が記載されている(以下、各請求項に記載された発明を「甲1発明1」?「甲1発明4」という。)。
【請求項1】
塩分濃度が13.6?23.1%である塩水を凍結させた氷と、塩分濃度が13.6?23.1%である塩水とを混合して氷スラリーを製造する工程と、
前記氷スラリーに生鮮海産物を浸漬し、該生鮮海産物を瞬間凍結させる工程と、を備えることを特徴とする生鮮海産物の鮮度保持方法。
【請求項2】
請求項1記載の生鮮海産物の鮮度保持方法において、混合する前記氷と前記塩水の塩分濃度が同程度であることを特徴とする生鮮海産物の鮮度保持方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の生鮮海産物の鮮度保持方法において、混合する前記氷と前記塩水の質量比が氷:塩水=75:25?20:80であることを特徴とする生鮮海産物の鮮度保持方法。
【請求項4】
請求項1?3のいずれか1項に記載の生鮮海産物の鮮度保持方法において、瞬間凍結させた前記生鮮海産物を前記氷スラリーから取り出して、該生鮮海産物を瞬間凍結時の温度以下で冷凍保存することを特徴とする生鮮海産物の鮮度保持方法。

第6 当審の判断
上記第4及び第5より、本件発明1?4と甲1発明1?4は、それぞれ同一の発明である。
また、本件特許に係る出願と、甲1に係る出願は、いずれも、甲2に係る出願(出願日 平成27年11月19日)を優先権主張の基礎としている。
ここで、甲2の特許請求の範囲の記載は以下のとおりである。
「【請求項1】
塩分濃度が13.6?23.1%である塩水を凍結させた氷と、塩分濃度が13.6?23.1%である塩水とを混合して氷スラリーを製造する工程と、
前記氷スラリーに生鮮海産物を浸漬し、該生鮮海産物を瞬間凍結させる工程とを備えることを特徴とする生鮮海産物の鮮度保持方法。
【請求項2】
請求項1記載の生鮮海産物の鮮度保持方法において、混合する前記氷と前記塩水の塩分濃度が同程度であることを特徴とする生鮮海産物の鮮度保持方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の生鮮海産物の鮮度保持方法において、混合する前記氷と前記塩水の質量比が氷:塩水=75:25?20:80であることを特徴とする生鮮海産物の鮮度保持方法。
【請求項4】
請求項1?3のいずれか1項に記載の生鮮海産物の鮮度保持方法において、瞬間凍結させた前記生鮮海産物を前記氷スラリーから取り出して、該生鮮海産物を瞬間凍結時の温度以下で冷凍保存することを特徴とする生鮮海産物の鮮度保持方法。」
以上によれば、本件発明1?4及び甲1発明1?4は、いずれも、甲2に係る出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明であるから、本件発明1?4についての特許法39条2項の規定の適用については、本件特許出願は、甲2に係る出願の時(平成27年11月19日)にされたものとみなし、甲1発明1?4についての特許法39条2項の規定の適用については、甲1に係る出願は、甲2に係る出願の時(平成27年11月19日)にされたものとみなす(特許法41条2項)。
そうすると、本件特許出願と甲1に係る出願は、同一の発明についての同日の出願である。
そして、甲1発明1?4については、平成30年8月24日に特許第6388420号として特許権の設定登録がされ、同年11月30日に特許異議の申立てがされ、令和1年8月22日に当該発明についての特許を取り消す旨の決定がされ、同年10月18日に同決定は確定した(当審に顕著な事実)から、協議をすることができない。
よって、本件発明1?4は、特許法39条2項の規定により特許を受けることができない。

第7 結び
以上のとおり、本件発明1?4についての特許は、特許法39条2項の規定に違反してされたものであるから、同法123条1項2号に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、特許法169条2項において準用する民事訴訟法61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2020-04-02 
結審通知日 2020-04-09 
審決日 2020-05-01 
出願番号 特願2016-198709(P2016-198709)
審決分類 P 1 113・ 4- Z (F25D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 福間 信子  
特許庁審判長 山崎 勝司
特許庁審判官 松下 聡
紀本 孝
登録日 2017-11-02 
登録番号 特許第6234529号(P6234529)
発明の名称 生鮮海産物の鮮度保持方法  
代理人 富越 和厚  
代理人 三田 直輝  
代理人 波床 有希子  
代理人 橋本 陽介  
代理人 杉山 真一  
代理人 藤江 和典  
代理人 来田 義弘  
代理人 中前 富士男  
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