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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1363671
審判番号 不服2018-10600  
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-08-03 
確定日 2020-07-15 
事件の表示 特願2014- 21763「透明導電性支持体、タッチセンサ、及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 8月20日出願公開、特開2015-148966、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年2月6日の出願であって、その手続の経緯は、以下の通りである。
平成29年 8月28日付け 拒絶理由通知書
平成29年10月24日 意見書、手続補正書の提出
平成30年 1月30日付け 拒絶理由(最後の拒絶理由)通知書
平成30年 3月29日 意見書、手続補正書の提出
平成30年 4月26日付け 平成30年3月29日の手続補正につい
ての補正の却下の決定、拒絶査定
平成30年 8月 3日 審判請求書、手続補正書の提出
令和 元年 9月24日付け 拒絶理由通知書
令和 元年11月28日 意見書、手続補正書の提出
令和 2年 3月23日付け 拒絶理由通知書
令和 2年 5月12日 意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定(平成30年4月26日付け拒絶査定)の概要は、平成30年1月30日付け拒絶理由通知書に記載した理由によって、拒絶をすべきというものであり、当該理由は次のとおりである。

本願請求項1ないし3に係る発明は、以下の引用文献1ないし5に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献一覧
1.特開平5-183259号公報
2.特開2013-197045号公報
3.特開平9-270573号公報
4.特開2013-254469号公報
5.特開2013-246723号公報

第3 当審拒絶理由の概要
1 令和元年9月24日付け拒絶理由の概要は次のとおりである。

本願請求項1及び2に係る発明は、以下の引用文献1ないし6に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献一覧
1.特開平5-183259号公報
2.特開2013-197045号公報
3.特開平9-270573号公報
4.特開2013-254469号公報
5.特開2013-246723号公報
6.吉村俊之 他4名、ナノメータリソグラフィーにおけるレジスト高分子のサイズ効果、応用物理、第63巻第11号、1994年、p.1131-1134

2 令和2年3月23日付け拒絶理由の概要は次のとおりである。
(1)本願の特許請求の範囲の請求項1ないし3の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

(2)本願の特許請求の範囲の請求項1ないし3の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

第4 本願発明
本願請求項1ないし3に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明3」という。)は、令和2年5月12日にされた手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定される発明であり、本願発明は1ないし3は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
表面に触媒膜層が形成された透明支持体の前記触媒膜層上に、または触媒を含有させた透明支持体上に、銅、銀、アルミニウムのいずれかからなる無電解メッキ膜層と、平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層とが並列して形成され、前記無電解メッキ膜層の上部にのみニッケル、スズ、ロジウム、パラジウム、銅-スズ-亜鉛の合金のいずれかからなるメッキ膜が形成された、導電性支持体。
【請求項2】
前記無電解メッキ膜層は、線幅が0.5?10μmで線間が前記線幅の10?1000倍のメッシュ状またはハニカム状の微細な線状パターンからなる透明導電膜である、請求項1に記載の導電性支持体。
【請求項3】
表面に触媒膜層が形成された透明支持体の前記触媒膜層上に、または触媒を含有させた透明支持体上に、銅、銀、アルミニウムのいずれかからなる無電解メッキ膜層と、平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層とを並列して形成した後、前記レジスト層を剥離せず残したままで前記無電解メッキ膜層の上部にのみ、ニッケル、スズ、ロジウム、パラジウム、銅-スズ-亜鉛の合金のいずれかからなるメッキ膜を形成する、導電性支持体の製造方法。」

第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
平成30年1月30日付け及び令和元年9月24日付けの拒絶理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,高密度でファインな導体回路パターンを有する,高密度プリント配線板の製造方法に関する。」

「【0009】
【課題の解決手段】本発明は,絶縁基板に形成された導体回路パターンに対して,該導体回路パターンの表面に化学メッキを施すに際して,上記導体回路パターンの表面を覆うようにめっきレジストを被覆し,その後化学メッキを施すべき導体回路パターンの付近のめっきレジストを除去して導体回路パターンを露出させ,かつ露出部分における導体回路パターンとめっきレジストの高さをほぼ同一面となし,その後化学メッキを施すことを特徴とする高密度プリント配線板の製造方法にある。
【0010】本発明において最も注目すべきことは,上記導体回路パターンの表面をめっきレジストにより被覆し,その後化学メッキを施すべき部分のめっきレジストを除去して導体回路パターンを露出させ,該導体回路パターンとめっきレジストの高さをほぼ同一面とし,その後化学メッキを施すことにある。上記めっきレジストとしては,例えばドライフィルムを用いる。また,該めっきレジストを除去する方法としては,例えばサンドペーパーを用いる研磨加工法がある。
【0011】上記導体回路パターンは,例えば化学メッキによるCuメッキ膜,半田剥離法による半田を用いたパターンメッキ膜により形成する。また,上記絶縁基板としては,例えばガラス繊維により強化したガラスエポキシ基板,銅箔積層基板を用いる。また,上記導体回路パターン形成のために,化学メッキによるCuメッキ膜を,ガラスエポキシ基板の表面に形成するに当たっては,例えばアディティブ法を用いる。このアディティブ法は,例えばガラスエポキシ基板等の絶縁基板の表面に,耐熱性及び電気絶縁性に優れたエポキシ樹脂接着剤を塗布することにより行う。その後,アンカーを形成するために,上記エポキシ樹脂接着剤の粗化を行う。そして,粗化後は,触媒をその表面に付与する。その後,上記のごとく,めっきレジストを上記のごとく施し,導体回路パターンの上面に,Cuメッキ膜,Niメッキ膜,Auメッキ膜などの化学メッキを形成する。
【0012】
【作用及び効果】本発明においては,隣接する導体回路パターン間には,導体回路パターンと高さがほぼ同一面のめっきレジストが被覆してある(図3参照)。そのため,導体回路上に化学メッキを施した際に,隣接する導体回路パターン間に,メッキ落ち,メッキ拡がりを生ずることがなく,またアンダーカットを生ずることがない(図6参照)。上記メッキ落ち及びメッキ拡がりを生じない理由は,導体回路パターンの間に,該導体回路パターンとほぼ同一面までめっきレジストが形成してあるため,化学メッキが横方向に拡がらないからである。
【0013】また,アンダーカットを生じない理由は,導体回路パターン間にこれと同一面上までめっきレジストが形成してあるため,化学メッキを施さない部分に被覆するソルダーレジストの厚みを均一にすることができることによる(図4,5参照)。また,これらにより,高密度で信頼性に優れた導体回路パターンを形成することができる。以上のごとく,本発明によれば,メッキ落ち,メッキ拡がり,アンダーカットを生ずることがなく,高密度で信頼性に優れた,高密度プリント配線板の製造方法を提供することができる。
【0014】
【実施例】本発明の実施例にかかる高密度プリント配線板の製造方法につき,図1?図6を用いて説明する。本例は,まず図1に示すごとく,絶縁基板9に形成された導体回路パターン2に対して,該導体回路パターン2の表面に化学メッキを施すことにより,高密度でファインな,プリント配線板を製造するものである。まず,その概要を説明すれば,図2に示すごとく,絶縁基板9上に,めっきレジスト1を被覆する。これに,Cuメッキ膜21を形成して,図4に示すごとく,導体回路パターン2とめっきレジスト1の高さをほぼ同一面となすプリント配線板を従来と同様アディティブ法で作成する。
【0015】そして,図4,図5に示すごとく,化学メッキを施すべき導体回路パターン2以外の部分をソルダーレジスト3により被覆し,その後Niメッキ膜22,Auメッキ膜23の化学メッキを施す。このようにして,上記図1に示した高密度プリント配線板を得る。ここで,まず注目すべきことは,導体回路パターン2の線間距離は,約50?60μmで,高密度でファインなことである。
【0016】上記導体回路パターン2は,図1に示すごとく化学メッキにより形成した,Cuメッキ膜21と,Niメッキ膜22と,Auメッキ膜23とよりなる。上記Cuメッキ膜21は,膜厚みが約30μmである。また,上記Niメッキ膜22は,膜厚みが約5μmである。また,上記Auメッキ膜23は,膜厚みが約0.5μmである。
【0017】次に,上記高密度プリント配線板の製造方法につき,図1?図6を用いて具体的に説明する。先ず,絶縁基板9上に,図2に示すごとく,アディティブ法により,上記Cuメッキ膜21を形成する。即ち,上記アディティブ法は,銅箔を表面に有しない,ガラスエポキシ基板からなる絶縁基板9を用いる。そして,上記絶縁基板9の表面には,先ず耐熱性及び電気絶縁性に優れたエポキシ樹脂接着剤(図示略)を塗布する。そして,これを加熱し,硬化させる。
【0018】次に,上記エポキシ樹脂接着剤をアンカー形成のために粗化する。次いで,粗化した該エポキシ樹脂接着剤の表面に,塩酸系パラジウム溶液を用いて活性化処理(図示略)を行う。その後,図2に示すごとく,絶縁基板9上に,化学メッキにより導体回路パターン2の基礎となる上記Cuメッキ膜21を形成する。次に,上記Cuメッキ膜21を含めて回路パターン2の表面を覆うように,めっきレジスト1を被覆する。
【0019】上記めっきレジスト1は,永久レジスト型のドライフィルムを用いる。該めっきレジスト1は,厚みが約40μmで,柔軟性を有する。次いで,図4に示すごとく,化学メッキを施すべき導体回路パターン2の付近のめっきレジスト1を除去して導体回路パターン2の表面を露出させる。そして,該露出部分における該導体回路パターン2とめっきレジスト1の高さを,ほぼ同一面となす。
【0020】上記導体回路パターン1を露出させる手段としては,まずサンドペーパーを用いた研磨加工を用いる。次いで,導体回路パターン2とめっきレジスト1との高さを,ほぼ同一面となす手段としては,ポリッシャ加工を用いる。次に,図4に示すごとく,化学メッキを施すべき導体回路パターン2以外の部分を,ソルダーレジスト3により被覆する。該ソルダーレジスト3は,写真現像型の光硬化性樹脂よりなる。そのため,該ソルダーレジスト3は,露光現像して硬化させる。
【0021】その後,図5に示すごとく,化学メッキを施す部分の上記Cuメッキ膜21の表面に,まず化学メッキによりNiメッキ膜22を施す。Niメッキ膜22を施すに当たっては,メッキ液の液温を80℃に調整し,またpHを4に調整する。次いで,上記Niメッキ膜22上には,Auメッキ膜23を化学メッキにより施す。該Auメッキ膜23は,化学置換法及び化学還元法により形成する。化学置換法は,メッキ液の液温を90℃に調整し,またpHを4に調整して行う。また,化学還元法は,液温を75℃に調整し,またpHを13に調整して行う。」



上記記載から、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「絶縁基板9上にアディティブ法により形成されたCuメッキ膜21からなる導体回路パターン2と、
導体回路パターン2の表面を覆うように、めっきレジスト1を被覆した後、化学メッキを施すべき導体回路パターン2の付近のめっきレジスト1を除去し、導体回路パターン2の表面を露出させ、導体回路パターン2とほぼ同一面をなすめっきレジスト1と、
Cuメッキ膜21の表面に化学メッキにより形成されたNiメッキ膜22と、その上に化学メッキにより形成されたAuメッキ膜23を備える、
高密度プリント配線基板。」

また、上記記載から、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

「絶縁基板9上にアディティブ法により形成されたCuメッキ膜21からなる導体回路パターン2と、
導体回路パターン2の表面を覆うように、めっきレジスト1を被覆した後、化学メッキを施すべき導体回路パターン2の付近のめっきレジスト1を除去し、導体回路パターン2の表面を露出させ、導体回路パターン2とほぼ同一面をなすめっきレジスト1とを形成した後、
めっきレジスト1とを剥離せず残したままでCuメッキ膜21の表面に化学メッキにより形成されたNiメッキ膜22と、その上に化学メッキにより形成されたAuメッキ膜23を形成する、
高密度プリント配線基板の製造方法。」

2 引用文献2について
平成30年1月30日付け及び令和元年9月24日付けの拒絶理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性ペーストおよびこれを用いた導電膜付き基材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子部品やプリント配線基板等の配線導体の形成に、導電性の高い金属粒子を含有する導電性ペーストを用いる方法が知られている。このうち、プリント配線基板の製造は、絶縁基材上に導電性ペーストを所望のパターン形状に塗布し硬化して、配線パターンをなす導電膜を形成して行われている。
【0003】
導電性ペーストとしては、金属粒子として銀粒子を含有する銀ペーストが従来主流であったが(特許文献1)、マイグレーションの点で問題があった。この点、金属粒子として銅粒子を含有する銅ペーストは、マイグレーション現象が生じにくいため、電気回路の接続信頼性を高めることができる。
【0004】
プリント配線基板等の配線導体には様々な特性が要求されるが、配線パターンの絶縁基材への密着性は、電気回路の接続信頼性に重要な影響を及ぼすため、最も重要な特性の一つである。
【0005】
プリント配線基板に用いられる基材としては、従来からガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)等が使用されているが、近年、タッチパネル等の用途を中心に、ガラスやPET等の絶縁基材の上に、錫ドープ酸化インジウム(ITO)膜などの透明導電膜が形成された透明導電膜付き基材が用いられている。プリント配線基板として、このような透明導電膜付き基材を用いる場合、透明導電膜上に導電性ペーストを塗布して導電膜を形成することになる(例えば、特許文献2参照。)。」

「【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は、以下の説明に限定して解釈されるものではない。
【0026】
<導電性ペースト>
本発明の導電性ペーストは、(A)平均粒子径が10nm?20μmの銅粒子と、(B)リン酸基を有する有機重合体のアミン塩と、(C)ホルムアルデヒドを一成分とする熱硬化性樹脂からなるバインダ樹脂と、を含有し、前記(A)成分の銅粒子100質量部に対し前記(C)成分のバインダ樹脂を5?40質量部含有し、前記(C)成分のバインダ樹脂100質量部に対し前記(B)成分の有機重合体の塩を0.1?100質量部含有することを特徴とする。以下、導電性ペーストを構成する各成分について、詳細に説明する。」

3 引用文献3について
平成30年1月30日付け及び令和元年9月24日付けの拒絶理由に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【要約】
【課題】 配線用基板を透明にすることにより、複数の配線用基板を立体配置しても配線用基板に実装した発光素子の発光状況を外部から明確に視認できる。
【解決手段】 透明な耐熱性材料からなるガラス板1の少なくとも一方の面に接着剤2を介して配線パターン用の圧延加工された銅箔3を加熱圧着し、この銅箔3上にエッチングレジストで配線パターンを形成した後、エッチングにより配線パターン部分以外の銅箔3を除去してプリント配線板5を形成する。」

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板及びその製造方法に関し、更に詳しくは、透光性を有するプリント配線板及びその製造方法に関するものである。」

「【0012】このような第1の実施の形態によるプリント配線板によれば、その絶縁基板を透明なガラス板1で構成することにより、複数のプリント配線板を立体配置してもプリント配線板に実装した発光素子の発光状況を外部から明確に視認することができるとともに、透明なガラス板1を用いることにより、銅箔3の加熱圧着処理時及び半田付け時の温度に対しても熱変形することのない安定したプリント配線板を提供できる。また、銅箔を圧延により成形することにより、銅箔3と接着剤2との界面を平滑にできるため、エッチング後に残った接着剤層表面も平滑になり、接着剤層表面の光の乱反射及び散乱がなくなり、接着剤層の透明度を生かすことでプリント配線板の透明度が低下するのをなくすことができ、しかも接着剤を除去する必要がなくなり、プリント配線板の低コスト化が可能になる。」

4 引用文献4について
平成30年1月30日付け及び令和元年9月24日付けの拒絶理由に引用された引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサ及びその製造方法に関する。」

「【0045】
図1及び図2を参照すると、タッチ電極140、160は、樹脂層130、150の一面である基材凹凸部131、151に形成される。この際、図1における樹脂層130、150の一面は、樹脂層130、150の上面を示すが、本発明の樹脂層130、150の一面の位置は、樹脂層130、150の上面に限定されるものではなく、樹脂層130、150の一面は、樹脂層130、150の下面になることもできることは言うまでもない。
【0046】
また、タッチ電極140、160は、基材凹凸部131、151の一面にスパッタリング(sputtering)またはメッキなどの方法を用いて金属を蒸着することにより形成することができる。
【0047】
さらに、タッチ電極140、160は、タッチを感知する電極パターン141、161及び電極配線142、162を含む。
【0048】
また、電極パターン141、161は、第1電極パターン141及び第2電極パターン161からなり、電極配線142、162は、第1電極配線142及び第2電極配線162からなることが好ましい。
【0049】
この際、第1電極パターン141の縁には、第1電極パターン141から電気的信号の伝達を受ける第1電極配線142が形成され、第2電極パターン161の縁には、第2電極パターン161から電気的信号の伝達を受ける第2電極配線162が形成される。
【0050】
さらに、電極パターン141、161は、金属メッシュからなることが好ましい。ここで、金属メッシュは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)またはこれらの組み合わせを用いてメッシュパターン(Mesh Pattern)に形成されることが好ましい。
【0051】
一方、電極パターン141、161を銅(Cu)で形成する場合、基材凹凸部131、151により光の反射が防止され、電極パターン141、161の表面に光が反射することを防止するための別の黒化処理工程を省略することができる。
【0052】
また、電極パターン141、161は、線幅を7μm以下に形成し、ピッチを900μm以下に形成することにより、視認性を改善することができる。しかし、本発明の一実施例による電極パターン141、161の線幅及びピッチは、これに限定されるものではない。
【0053】
なお、電極パターン141、161は、前記金属の他にも銀塩乳剤層を露光/現像して形成された金属銀で形成することができる。」

5 引用文献5について
平成30年1月30日付け及び令和元年9月24日付けの拒絶理由に引用された引用文献5には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量型タッチパネル用光透過性電極に関するものであり、好ましくは投影型静電容量タッチパネルに好適な静電容量型タッチパネル用光透過性電極に関する。」

「【0015】
<網目状導電部>
図1における列電極12と列電極13は網目状導電部からなり、網目状導電部は単位格子を網目状に配置した金属メッシュからなることが好ましい。単位格子の形状としては、例えば正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、菱形、平行四辺形、台形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形、(正)十二角形、(正)二十角形などの(正)n角形、星形などを組み合わせた形状が挙げられ、またこれらの形状の単独の繰り返し、あるいは2種類以上の複数の形状の組み合わせが挙げられる。中でも単位格子の形状としては正方形もしくは菱形であることが好ましい。
【0016】
上記した列電極12と13は金属、特に金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、およびこれらの複合材により形成されることが好ましい。網目状導電部11を形成する方法としては、銀塩感光材料を用いる方法、同方法を用いさらに得られた銀画像に無電解めっきや電解めっきを施す方法、スクリーン印刷法を用いて銀ペーストなどの導電性インキを印刷する方法、銀インクなどの導電性インクをインクジェット法で印刷する方法、無電解めっき等で銅などの金属からなる導電性層を形成する方法、あるいは蒸着やスパッタなどで導電性層を形成し、その上にレジスト膜を形成し、露光、現像、エッチング、レジスト層除去することで得る方法、銅箔などの金属箔を貼り、さらにその上にレジスト膜を形成し、露光、現像、エッチング、レジスト層除去することで得る方法など、公知の方法を用いることができる。中でも網目状導電部11を構成する単位格子の線の厚みが薄くでき、さらに単位格子の線幅を微細にすることが容易な銀塩拡散転写法を用いることが好ましい。銀塩拡散転写法としては例えば特開2003-77350号公報や特開2005-250169号公報に記載されている。これらの手法で作製した網目状導電部11を構成する単位格子の細線厚みは薄すぎるとタッチパネルとして必要な導電性を確保し難くなる。よって、その厚みは0.05?5μmが好ましく、より好ましくは0.07?1μmである。
【0017】
単位格子の細線幅は20μm以下が好ましく、1?10μmがさらに好ましい。また単位格子の繰り返し間隔は500μm以下が好ましく、350μm以下がさらに好ましい。さらに単位格子から構成される網目状導電部11の開口率は85%以上が好ましく、88?99%がさらに好ましい。」

6 引用文献6について
令和元年9月24日付けの拒絶理由に引用された引用文献6には、図面とともに次の事項が記載されている。

「このレジストを極微細加工に適用し,ナノメータレベルの孤立ラインパターンを形成したところ,図1(a)にみられるように,レジストパターンに10nmレベルの微少な表面凹凸が認められた。このレジストパターンの微少表面凹凸を,われわれは「ナノエッジラフネス」と呼ぶ。」(第1131頁右欄5行乃至10行)

第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明1を対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明1における「高密度プリント配線基板」は、本願発明1における「導電性支持体」に相当する。

イ 引用発明1の「アディティブ法により形成されたCuメッキ膜21からなる導体回路パターン2」が形成された「絶縁基板9」と、本願発明1の「表面に触媒膜層が形成された透明支持体」または「触媒を含有させた透明支持体」は、支持体である点で共通する。

ウ 引用発明1の「絶縁基板9上にアディティブ法により形成されたCuメッキ膜21からなる導体回路パターン2」と、本願発明1の「触媒層上」または「触媒を含有させた透明支持体上」に形成された「銅、銀、アルミニウムのいずれかからなる無電解メッキ膜層」は、支持体上に形成された「無電解メッキ膜層」である点で共通する。

エ 引用発明1の「めっきレジスト1」と、本願発明1の「平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層」は、「レジスト層」である点で共通する。

オ そして、引用発明1の「絶縁基板9上にアディティブ法により形成されたCuメッキ膜21からなる導体回路パターン2」と、「導体回路パターン2の表面を覆うように、めっきレジスト1を被覆した後、化学メッキを施すべき導体回路パターン2の付近のめっきレジスト1を除去し、導体回路パターン2の表面を露出させ、導体回路パターン2とほぼ同一面をなすめっきレジスト1」の配置は、「めっきレジスト1」が「導体回路パターン2の表面を覆うように、めっきレジスト1を被覆した後、化学メッキを施すべき導体回路パターン2の付近のめっきレジスト1を除去し、導体回路パターン2の表面を露出させ」ていることから、「導体回路パターン2」と「めっきレジスト1」とは「絶縁基板9」上に並列に配置されているといえる。
そうすると、この配置と、本願発明1の「表面に触媒膜層が形成された透明支持体の前記触媒膜層上に、または触媒を含有させた透明支持体上に、銅、銀、アルミニウムのいずれかからなる無電解メッキ膜層と、平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層とが並列して形成され」ることは、支持体上に形成された「無電解メッキ膜層」と、「レジスト層」とが並列して形成されている点で共通する。

カ 引用発明1の「Cuメッキ膜21の表面に化学メッキにより形成されたNiメッキ膜22と、その上に化学メッキにより形成されたAuメッキ膜23」と、本願発明1の「前記無電解メッキ膜層の上部にのみ」形成された、「ニッケル、スズ、ロジウム、パラジウム、銅-スズ-亜鉛の合金のいずれかからなるメッキ膜」とは、「前記無電解メッキ膜層の上部にのみ」形成された「メッキ膜」である点で共通する。

キ そうすると、本願発明1と引用発明1との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

[一致点]
「支持体上に、無電解メッキ膜層と、レジスト層とが並列して形成され、前記無電解メッキ膜層の上部にのみメッキ膜が形成された、導電性支持体。」

[相違点1]
「支持体」について、本願発明1が「表面に触媒膜層が形成された透明支持体」または「触媒を含有させた透明支持」であるのに対して、引用発明1は、アディティブ法によりCuメッキ膜21からなる導体回路パターン2が形成される「絶縁基板9」である点。

[相違点2]
「無電解メッキ膜層」について、本願発明1は、「触媒層上」または「触媒を含有させた透明支持体上」に形成された「銅、銀、アルミニウムのいずれかからなる無電解メッキ膜層」であるのに対して、引用発明1は、「絶縁基板9上にアディティブ法により形成されたCuメッキ膜21」である点。

[相違点3]
「レジスト層」について、本願発明1が「平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層」であるのに対して、引用発明1の「めっきレジスト1」は対応する限定がない点。

[相違点4]
「前記無電解メッキ膜層の上部にのみ形成されたメッキ膜」について、本願発明1が「前記無電解メッキ膜層の上部にのみニッケル、スズ、ロジウム、パラジウム、「銅-スズ-亜鉛の合金のいずれかからなるメッキ膜」であるのに対して、引用発明1は、「Cuメッキ膜21の表面に化学メッキにより形成されたNiメッキ膜22と、その上に化学メッキにより形成されたAuメッキ膜23」である点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、[相違点3]について先に検討すると、[相違点3]に係る本願発明1の「平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層」という構成は、上記引用文献1ないし6には記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、引用発明1及び引用文献2ないし6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2 本願発明2について
本願発明2も、本願発明1の「平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1及び引用文献2ないし6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

3 本願発明3について
(1)対比
本願発明3と引用発明2を対比すると、次のことがいえる。
ア 引用発明2における「高密度プリント配線基板」は、本願発明3における「導電性支持体」に相当する。

イ 引用発明2の「アディティブ法により形成されたCuメッキ膜21からなる導体回路パターン2」が形成された「絶縁基板9」と、本願発明3の「表面に触媒膜層が形成された透明支持体」または「触媒を含有させた透明支持体」は、支持体である点で共通する。

ウ 引用発明2の「絶縁基板9上にアディティブ法により形成されたCuメッキ膜21からなる導体回路パターン2」と、本願発明3の「触媒層上」または「触媒を含有させた透明支持体上」に形成された「銅、銀、アルミニウムのいずれかからなる無電解メッキ膜層」は、支持体上に形成された「無電解メッキ膜層」である点で共通する。

エ 引用発明2の「めっきレジスト1」と、本願発明3の「平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層」は、「レジスト層」である点で共通する。

オ そして、引用発明2の「絶縁基板9上にアディティブ法により形成されたCuメッキ膜21からなる導体回路パターン2」と、「導体回路パターン2の表面を覆うように、めっきレジスト1を被覆した後、化学メッキを施すべき導体回路パターン2の付近のめっきレジスト1を除去し、導体回路パターン2の表面を露出させ、導体回路パターン2とほぼ同一面をなすめっきレジスト1」の配置は、「めっきレジスト1」が「導体回路パターン2の表面を覆うように、めっきレジスト1を被覆した後、化学メッキを施すべき導体回路パターン2の付近のめっきレジスト1を除去し、導体回路パターン2の表面を露出させ」ていることから、「導体回路パターン2」と「めっきレジスト1」とは「絶縁基板9」上に並列に配置されているといえる。
そうすると、この配置と、本願発明3の「表面に触媒膜層が形成された透明支持体の前記触媒膜層上に、または触媒を含有させた透明支持体上に、銅、銀、アルミニウムのいずれかからなる無電解メッキ膜層と、平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層とが並列して形成され」ることは、支持体上に形成された「無電解メッキ膜層」と、「レジスト層」とが並列して形成されている点で共通する。

カ 引用発明2の「めっきレジスト1とを剥離せず残したままでCuメッキ膜21の表面に化学メッキにより形成されたNiメッキ膜22と、その上に化学メッキにより形成されたAuメッキ膜23を形成する」ことと、本願発明3の「前記レジスト層を剥離せず残したままで前記無電解メッキ膜層の上部にのみ、ニッケル、スズ、ロジウム、パラジウム、銅-スズ-亜鉛の合金のいずれかからなるメッキ膜を形成する」こととは、「前記レジスト層を剥離せず残したままで前記無電解メッキ膜層の上部にのみ」「メッキ膜を形成する」点で共通する。

キ そうすると、本願発明3と引用発明2との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

[一致点]
「支持体上に、無電解メッキ膜層と、レジスト層とが並列して形成した後、前記レジスト層を剥離せず残したままで前記無電解メッキ膜層の上部にのみメッキ膜を形成する、導電性支持体の製造方法。」

[相違点5]
「支持体」について、本願発明3が「表面に触媒膜層が形成された透明支持体」または「触媒を含有させた透明支持」であるのに対して、引用発明2は、アディティブ法によりCuメッキ膜21からなる導体回路パターン2が形成される「絶縁基板9」である点。

[相違点6]
「無電解メッキ膜層」について、本願発明3は、「触媒層上」または「触媒を含有させた透明支持体上」に形成された「銅、銀、アルミニウムのいずれかからなる無電解メッキ膜層」であるのに対して、引用発明2は、「絶縁基板9上にアディティブ法により形成されたCuメッキ膜21」である点。

[相違点7]
「レジスト層」について、本願発明3が「平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層」であるのに対して、引用発明2の「めっきレジスト1」は対応する限定がない点。

[相違点8]
「前記無電解メッキ膜層の上部にのみ形成」された「メッキ膜」について、本願発31が「前記無電解メッキ膜層の上部にのみニッケル、スズ、ロジウム、パラジウム、「銅-スズ-亜鉛の合金のいずれかからなるメッキ膜」であるのに対して、引用発明2は、「Cuメッキ膜21の表面に化学メッキにより形成されたNiメッキ膜22と、その上に化学メッキにより形成されたAuメッキ膜23」である点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、[相違点7]について先に検討すると、[相違点7]に係る本願発明3の「平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層」という構成は、上記引用文献1ないし6には記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明3は、引用発明2及び引用文献2ないし6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第7 原査定についての判断
令和2年5月12日付けの補正により、補正後の請求項1ないし3は、「平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層」という技術的事項を有するものとなった。当該「平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層」は、原査定における引用文献1ないし5には記載されておらず、本願出願前における周知技術でもないので、本願発明1ないし3は、当業者であっても、原査定における引用文献1ないし5に基づいて容易に発明できたものではない。したがって、原査定を維持することはできない。

第8 当審拒絶理由について
1 特許法第29条第2項について
令和2年5月12日付けの補正により、補正後の請求項1ないし3は、「平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層」という技術的事項を有するものとなった。当該「平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層」は、令和元年9月24日付け拒絶理由で示した引用文献1ないし6には記載されておらず、本願出願前における周知技術でもないので、本願発明1ないし3は、当業者であっても、令和元年9月24日付け拒絶理由で示した引用文献1ないし6に基づいて容易に発明できたものではない。

2 特許法第36条第6項第1号について
令和2年3月23日付けの拒絶理由では、請求項1及び3の「透明支持体上に無電解メッキ膜層と、微粒子を含み、側面全体が微細な凹凸形状であるレジスト層とが並列して形成」するという点は、発明の詳細な説明において発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えるものであり、発明の詳細な説明に記載されたものであるとはいえないとの拒絶の理由を通知しているが、令和2年5月12日付けの補正において、請求項1及び3をそれぞれ「表面に触媒膜層が形成された透明支持体の前記触媒膜層上に、または触媒を含有させた透明支持体上に、銅、銀、アルミニウムのいずれかからなる無電解メッキ膜層と、平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層とが並列して形成」すると補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

3 特許法第36条第6項第2号について
令和2年3月23日付けの拒絶理由では、請求項1及び3の「微粒子」、「微細な凹凸形状」及び「耐食性に優れたメッキ膜」という記載の意味が不明確であるとの拒絶の理由を通知しているが、令和2年5月12日付けの補正において、請求項1及び3がそれぞれ「表面に触媒膜層が形成された透明支持体の前記触媒膜層上に、または触媒を含有させた透明支持体上に、銅、銀、アルミニウムのいずれかからなる無電解メッキ膜層と、平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層とが並列して形成され、前記無電解メッキ膜層の上部にのみニッケル、スズ、ロジウム、パラジウム、銅-スズ-亜鉛の合金のいずれかからなるメッキ膜」及び「表面に触媒膜層が形成された透明支持体の前記触媒膜層上に、または触媒を含有させた透明支持体上に、銅、銀、アルミニウムのいずれかからなる無電解メッキ膜層と、平均粒子径0.1?5μmの微粒子を含み、側面全体が算術平均粗さRa0.3?2μmの微細な凹凸形状であるレジスト層とを並列して形成した後、前記レジスト層を剥離せず残したままで前記無電解メッキ膜層の上部にのみ、ニッケル、スズ、ロジウム、パラジウム、銅-スズ-亜鉛の合金のいずれかからなるメッキ膜」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-06-23 
出願番号 特願2014-21763(P2014-21763)
審決分類 P 1 8・ 537- WY (G06F)
P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 岩橋 龍太郎  
特許庁審判長 稲葉 和生
特許庁審判官 小田 浩
野崎 大進
発明の名称 透明導電性支持体、タッチセンサ、及びその製造方法  

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