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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06Q
管理番号 1363822
審判番号 不服2019-3358  
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-03-11 
確定日 2020-07-21 
事件の表示 特願2017-237995「現金自動預払機、くじ引きシステム及びくじ引き処理方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 6月27日出願公開、特開2019-105999、請求項の数(9)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年12月12日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成30年 8月21日付け:拒絶理由通知書
平成30年10月25日 :意見書、手続補正書の提出
平成31年 1月11日付け:拒絶査定
平成31年 3月11日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定(平成31年1月11日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1-9に係る発明は、本願出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1-7に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2006-330810号公報
2.特開2011-011454号公報
3.特開2011-039700号公報
4.特開2017-134733号公報
5.特開2004-220467号公報
6.特開2017-004275号公報
7.名塚 一郎,2012年自動認識システム大賞受賞システムプレゼンテーション,日本工業出版株式会社,2013年1月10日,第26巻 第1号,第30-34頁,ISSN:0915-1060

第3 本願発明について
本願請求項1-9に係る発明(以下、「本願発明1」-「本願発明9」という。)は、平成31年3月11日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-9に記載された事項により特定される発明であり、本願発明9は以下のとおりの発明である。

「【請求項9】
抽選券情報記憶媒体から、くじ引きの抽選権を有することを示す抽選券情報を読み取るコード読取装置と、前記抽選券情報に基づいて、対価情報を顧客に割り当てる対価情報割当処理を行う制御装置と、前記対価情報割当処理の結果を表示する表示装置と、前記対価情報割当処理の結果が当選の場合に、利用者に提供する前記対価情報を所定の記憶媒体に記録する出力装置と、を備え、前記コード読取装置と、前記表示装置と、前記出力装置の各々がインタフェースとして設けられた現金自動預払機が、
前記抽選券情報記憶媒体から、前記抽選券情報を取得するステップと、
前記抽選券情報が有効な場合、前記対価情報割当処理を行うステップと、
前記対価情報割当処理によって特定した前記対価情報を前記出力装置を介して出力するステップと、
を有するくじ引き処理方法。」

また、本願発明1-8の概要は以下のとおりである。

本願発明1は、本願発明9に対応する「現金自動預払機」の発明である。
本願発明2-7は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明8は、本願発明1-7のいずれかの現金自動預払機と、レジ端末とからなる「くじ引きシステム」の発明である。

第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は当審において付加したものである。

「【0013】
各サービス情報端末2は、レシート5に印字されたバーコード6のデータ、つまりは商取引を特定するためのデータを読取るデータ読取手段を有している。また各サービス情報端末2は、顧客に所定の特典を付与するための抽選処理を実行する抽選処理手段を有している。そして抽選処理の結果、当選すると、当選券7を発行するものとなっている。」

「【0025】
このように本実施の形態においては、POS端末1にて商取引が処理される毎に、この商取引が予め設定されている抽選条件を満足するか否かが判断される。そして満足する場合には、当該商取引が実行された日付と当該商取引を識別するための取引番号とが含まれた抽選バーコード6が当該商取引の買上レシート5に印字される。
【0026】
図6はサービス情報端末2の要部構成を示すブロック図である。図示するようにサービス情報端末2は、制御部本体としてCPU31を備えている。また、抽選処理プログラム51等のプログラムデータが予め格納されたROM32、当選券名称テーブル52等のメモリエリアが形成されたRAM33、日時を計時する時計部34、前記通信回線4を介して行うデータの送受信を制御する通信インターフェイス35、キーボード36のキー入力を制御するキーボードコントローラ37、表示器38のデータ表示を制御する表示コントローラ39、プリンタ40の印字動作を制御するプリンタコントローラ41、スキャナ42が接続されるスキャナインターフェイス43等を備えている。CPU31と、ROM32,RAM33,時計部34,通信インターフェイス35,スキャナインターフェイス43,キーボードコントローラ37,表示コントローラ39およびプリンタコントローラ41とは、アドレスバス,データバス等のバスライン44で接続している。
【0027】
当選券名称テーブル52は、図7に示すように、抽選結果である各等賞番号に対応して、任意の当選券名称データを記憶するメモリエリアである。因みに、本実施の形態では、等賞番号「1」に対応して名称データ「1等当選券」が設定され、等賞番号「2」に対応して名称データ「2等当選券」が設定され、等賞番号「3」に対応して名称データ「3等当選券」が設定され、等賞番号「4」及び「8」に対応して名称データ「4等当選券」が設定され、等賞番号「5」,「6」及び「7」に対応して名称データ「5等当選券」が設定されている。等賞番号「9」及び「0」に対しては、名称データは設定されていない。
【0028】
しかしてCPU31は、例えばキーボード36の所定キー入力により抽選処理モードが選択されると、前記抽選処理プログラム51を起動して、図8の流れ図に示す制御手順の抽選処理を実行するものとなっている。
【0029】 すなわちCPU31は、ST21として抽選バーコード6がスキャニングされるのを待機している。そして、スキャナインターフェイス43に接続されたスキャナ42により抽選バーコード6がスキャニングされたことを検知すると、CPU31は、ST22以降の処理を実行する。
【0030】
ST22では、スキャニングされたバーコードデータを解析して商取引の日付を取得する。そして、商取引日付を取得したならば、CPU31は、ST23としてこの商取引日付と時計部34にて計時されている現在日付とを照合して抽選の可否を判断する。例えば、商取引の当日のみ抽選可能とする場合には、CPU31は、商取引日付が現在日付と一致した場合に抽選可能であると判断する。また、商取引の前日でも抽選可能とする場合には、CPU31は、商取引日付が現在日付もしくは現在日付の前日と一致した場合に抽選可能であると判断する(日付判断手段)。
【0031】
ST23にて抽選可能と判断した場合には、CPU31は、ST24として当該バーコードデータをストアコンピュータ3に送信して、抽選結果実績ファイル8の検索を要求する。これにより、ストアコンピュータ3では抽選結果実績ファイル8が検索されて当該バートーゴデータと一致するデータがすでに記憶されているか否かが判断される。そして、記憶されていない場合には重複なしの応答データが返信され、記憶されている場合には重複ありの応答データが返信される(重複データ検索手段)。
【0032】
そこでCPU31は、ST25としてストアコンピュータ3からの応答データを待機する。そして、重複なしの応答データを受信した場合には、CPU31は、ST26として抽選処理を実行する。本実施の形態では、0?9の数値のうちの1桁を乱数的に発生させ、この数を等賞番号とする(抽選処理手段)。
【0033】
CPU31は、ST27として抽選処理の結果、等賞番号を取得したならば、ST28としてこの等賞番号で当選券名称テーブル52を検索して当該等賞番号に対して当選券名称が設定されているか否かを判断する。そして、当選券名称が設定されている場合には、CPU31は、ST29としてこの当選券名称データをプリンタ40に出力して、所定の当選券用紙に印字させ、当選券7として発行させる。これに対し、当選券名称が設定されていない場合には、CPU31は、ST30として表示器38に「落選」を表示させる。
【0034】
しかる後、CPU31は、ST31として当該バーコードデータと時計部34にて計時されている現在の日付及び時刻データと、当該サービス情報端末2に対して予め設定されている端末番号と、抽選処理よって発番された等賞番号とから抽選結果実績データを作成する。そしてこの抽選結果実績データをストアコンピュータ3に送信し、抽選結果実績ファイル8に追加格納されたならば、今回の抽選バーコードスキャニングに対する制御処理を終了する。
【0035】
なお、ST23にて抽選不可能と判断された場合、及びST25にて重複ありと判断された場合には、CPU31は、ST32として表示器38に「抽選不可」を表示させて、今回の抽選バーコードスキャニングに対する制御処理を終了する。
【0036】
このように本実施の形態においては、店内での買物を終え、POS端末1から発行されたレシート5を得た買物客が自らサービス情報端末2に近づき、当該レシート5に印字されている抽選バーコード6をスキャナ42で読み取らせると、所定の抽選条件を満足する場合に限り抽選処理が実行される。そして、当選した場合には当選券7がプリンタ40により印字され発行される。なお、当選券7は、金品との引換券や,割引券,クーポン券等が考えられる。また、この他のものであってもよい。
【0037】
ここで、抽選条件の1つとして、抽選バーコード6と同一のバーコードデータが抽選結果実績ファイル8にすでに記憶されているか否かの判断がある。すなわち、抽選バーコード6と同一のバーコードデータが抽選結果実績ファイル8に記憶されていない場合には抽選条件を満足するが、記憶されている場合には抽選条件を満足しないと判断される。抽選結果実績ファイル8には、過去に抽選処理が実行された抽選バーコード6のデータがすべて蓄積記憶されている。したがって、1回の商取引に対して1回のみ抽選処理が可能となるように自動的に制限される。
【0038】
また、抽選条件の1つとして、抽選バーコード6に含まれる日付データの日付があらかじめ設定されている日付または期間に該当するか否かの判断がある。すなわち、抽選バーコード6の日付が設定日付または期間に該当する場合には抽選条件を満足するが、該当しない場合には抽選条件を満足しないと判断される。したがって、抽選バーコード6による抽選処理の実施有効期間を、例えば当日のみや前日までというように制限することができる。
【0039】
かくして本実施の形態によれば、抽選担当の店員を配置しておかなくても、買上げ商品のレシートを得た客であれば誰でも抽選に参加することができる。このため、買物客に娯楽性の高いサービスを与えることができるので、集客率のアップにつながる。」

【図6】


したがって、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「レシート5から、抽選条件を満足する場合にレシートに印字される抽選バーコード6をスキャニングするスキャナ42が接続されるスキャナインターフェイス43と、当該スキャナインターフェイス43に接続されるスキャナ42と(【0013】、【0025】、【0026】、【0029】、図6)、
抽選バーコード6がスキャニングされたことを検知すると、顧客に所定の特典を付与するための抽選処理を実行する抽選処理手段としてのCPU31と(【0013】、【0029】、【0032】、図6)、
前記抽選処理の結果、当選券名称が設定されていない場合には、「落選」が表示される表示器38のデータ表示を制御する表示コントローラ39と、当該表示コントローラ39が制御する表示器38と(【0026】、【0033】、図6)、
前記抽選処理の結果、当選券名称が設定されている場合には、その当選券名称データを所定の当選券用紙に印字し、当選券7として発行するプリンタ40の印字動作を制御するプリンタコントローラ41と、当該プリンタコントローラ41が制御するプリンタ40と(【0026】、【0033】、図6)、
を備えるサービス情報端末2により実行される制御手順であって(【0026】、【0028】)
前記レシート5から、抽選バーコード6をスキャニングするステップ(ST21)と(【0029】)、
スキャニングされた前記抽選バーコード6から商取引日付を取得するステップ(ST22)と(【0030】))、
前記商取引の日付と現在日付とを照合して抽選の可否を判断するステップ(ST22)と(【0030】)、
前記抽選バーコード6のデータをストアコンピュータ3に送信して、抽選結果実績ファイル8の検索を要求するステップ(ST24)と(【0031】)、
ストアコンピュータ3で抽選結果実績ファイル8が検索され、一致するデータが記憶されていない場合は重複なしの応答データを受信し、抽選処理を実行するステップ(ST26)と(【0031】、【0032】)、
前記抽選処理の結果、当選券名称が設定されている場合には、その当選券名称データをプリンタ40に出力して、所定の当選券用紙に印字させ、当選券7として発行させるステップ(ST29)と(【0033】)、
が、サービス情報端末2により実行される制御手順。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2の【0038】-【0041】の記載からみて、当該引用文献2には、「コード化されてレシートRに印刷されたバーコードを、スキャナー30で読み取り、復号化されたレジIDから偽造の有無を判定する」という技術事項が記載されていると認められる。

3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献3の【0041】、【0045】の記載からみて、当該引用文献3には、「電子クーポンの利用条件に、位置情報や時間情報を含める」という技術事項が記載されていると認められる。

4 引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献4の【0014】、【0015】、【0061】の記載からみて、当該引用文献4には、「カードからくじ回数情報を読み出すこと、及び、カードの使用に代えて、スマートフォンやタブレットなどの携帯情報機器を用いる」という技術事項が記載されていると認められる。

5 引用文献5について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献5の【0122】-【0123】の記載からみて、当該引用文献5には、「ATMや記帳機において抽選操作を行うことにより、金融機関の利用を促進させる」という技術事項が記載されていると認められる。

6 引用文献6について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献6の【0025】、【0033】の記載からみて、当該引用文献6には、「POSレジ装置において、抽選結果をレシートに印字する」という技術事項が記載されていると認められる。

7 引用文献7について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献7の第31頁左欄「・プレゼント抽選機能」の記載からみて、当該引用文献7には、「ICタグでNFC搭載スマートデバイスにタッチすることで抽選を行う」という技術事項が記載されていると認められる。

第5 対比・判断
1 本願発明9について
(1)本願発明9と引用発明との対比
ア 本願発明9の「コード読取装置」について
引用発明の「レシート5」は、抽選バーコード6が印字された媒体であることから、本願発明9の「抽選券情報記憶媒体」に相当する。また、引用発明の「抽選条件を満足する場合にレシートに印字される抽選バーコード6」は、本願発明9の「くじ引きの抽選権を有することを示す抽選券情報」に相当する。そして、引用発明において、レシート5から抽選バーコードを読み取る「スキャナ42」は、本願発明9の「抽選券情報記憶媒体から、くじ引きの抽選権を有することを示す抽選券情報を読み取るコード読取装置」に相当する。

イ 本願発明9の「制御装置」について
引用発明の「抽選処理」は、抽選バーコード6の検知に基づいて、所定の特典を顧客に付与する処理であることから、本願発明9の「前記抽選券情報に基づいて、対価情報を顧客に割り当てる対価情報割当処理」に相当する。そして、引用発明において前記抽選処理を実行する「CPU31」は、本願発明9において「前記抽選券情報に基づいて、対価情報を顧客に割り当てる対価情報割当処理を行う制御装置」に相当する。

ウ 本願発明9の「表示装置」について
引用発明の「表示器38」は、前記抽選処理の結果、抽選に漏れた場合に「落選」を表示するものであるから、本願発明9の「前記対価情報割当処理の結果を表示する表示装置」に相当する。

エ 本願発明9の「出力装置」について
引用発明の「プリンタ40」は、前記抽選処理の結果、当選券名称が設定されている場合(すなわち当選の場合)に、顧客に付与する特典を示す当選券名称データを所定の当選券用紙に印字するものであるから、本願発明9の「前記対価情報割当処理の結果が当選の場合に、利用者に提供する前記対価情報を所定の記憶媒体に記録する出力装置」に相当する。

オ 本願発明9の「現金自動預払機」について
引用発明の「サービス情報端末2」は、スキャナ42が「スキャナインターフェイス43」に「接続される」ものであって「インタフェースとして設けられた」ものではなく、表示器38と、プリンタ40が「インタフェースとして設けられた」ものであるのか不明であり、本願発明9のように「前記コード読取装置と、前記表示装置と、前記出力装置の各々がインタフェースとして設けられた」ものではなく、「現金自動預払機」でもないが、「端末」である点で、本願発明9の「現金自動預払機」と共通する。

カ 本願発明9の「抽選券情報を取得するステップ」について
引用発明の「前記レシート5から、抽選バーコード6をスキャニングするステップ(ST21)」は、本願発明9の「前記抽選券情報記憶媒体から、前記抽選券情報を取得するステップ」に相当する。

キ 本願発明9の「対価情報割当処理を行うステップ」について
引用発明「ST22」から「ST26」までのステップは、抽選バーコード6に含まれる商取引日付と現在日付との照合、及び、ストアコンピュータ3への問い合わせにより抽選バーコード6の有効性を確認し、有効な場合は抽選処理を実行するステップであることから、本願発明9の「前記抽選券情報が有効な場合、前記対価情報割当処理を行うステップ」に相当する。

ク 本願発明9の「出力するステップ」について
引用発明の「ST29」は、前記抽選処理の結果特定された、顧客に付与する特典を示す当選券名称データをプリンタ40に出力するステップであることから、本願発明9の「前記対価情報割当処理によって特定した前記対価情報を前記出力装置を介して出力するステップ」に相当する。

ケ 本願発明9の「くじ引き処理方法」について
引用発明の「サービス情報端末2により実行される制御手順」は、サービス情報端末2により実行される抽選処理、すなわちくじ引き処理を特定するものであり、本願発明9の「くじ引き処理方法」に相当する。

以上のことから、本願発明9と引用発明との一致点及び一応の相違点は、次のとおりである。

(一致点)
「抽選券情報記憶媒体から、くじ引きの抽選権を有することを示す抽選券情報を読み取るコード読取装置と、前記抽選券情報に基づいて、対価情報を顧客に割り当てる対価情報割当処理を行う制御装置と、前記対価情報割当処理の結果を表示する表示装置と、前記対価情報割当処理の結果が当選の場合に、利用者に提供する前記対価情報を所定の記憶媒体に記録する出力装置と、を備える端末が、
前記抽選券情報記憶媒体から、前記抽選券情報を取得するステップと、
前記抽選券情報が有効な場合、前記対価情報割当処理を行うステップと、
前記対価情報割当処理によって特定した前記対価情報を前記出力装置を介して出力するステップと、
を有するくじ引き処理方法」

(相違点1)
本願発明9は、方法を実行する主体が、「抽選券情報記憶媒体から、くじ引きの抽選権を有することを示す抽選券情報を読み取るコード読取装置と、前記抽選券情報に基づいて、対価情報を顧客に割り当てる対価情報割当処理を行う制御装置と、前記対価情報割当処理の結果を表示する表示装置と、前記対価情報割当処理の結果が当選の場合に、利用者に提供する前記対価情報を所定の記憶媒体に記録する出力装置と、を備え」た「現金自動預払機」であるのに対し、引用発明は、方法を実行する主体が「サービス情報端末2」であり、「現金自動預払機」ではない点。

(相違点2)
本願発明9の現金自動預払機は、前記コード読取装置と、前記表示装置と、前記出力装置の各々が「インタフェースとして設けられた」ものであるのに対し、引用発明のサービス情報端末2は、スキャナ42が「インタフェースとして設けられた」ものではなく、表示器38と、プリンタ40が「インタフェースとして設けられた」ものであるのか不明な点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑み、相違点1について検討する。
上記相違点1に係る本願発明9の、「抽選券情報記憶媒体から、くじ引きの抽選権を有することを示す抽選券情報を読み取るコード読取装置と、前記抽選券情報に基づいて、対価情報を顧客に割り当てる対価情報割当処理を行う制御装置と、前記対価情報割当処理の結果を表示する表示装置と、前記対価情報割当処理の結果が当選の場合に、利用者に提供する前記対価情報を所定の記憶媒体に記録する出力装置と、を備え」た「現金自動預払機」という構成は、上記「第4」の引用文献2-7にも記載されていない。また、当該構成は公知技術又は周知技術であるともいえない。
なお、「ATMや記帳機において抽選操作を行うことにより、金融機関の利用を促進させる」という手法自体は周知であると仮定しても、引用発明の「サービス情報端末2」は、「ストアコンピュータ3」により制御されるものであること(【0011】)、及び、現金自動預払機には高度な信頼性が要求されることが一般的であって、金融機関以外のコンピュータによって制御されるのは考えにくいことを考慮すれば、引用発明の「サービス情報端末2」を「現金自動預払機」とし、本願発明9の構成に想到する動機付けが見当たらない。

(3)小括
上記(2)のとおり、本願発明9は、相違点2について判断するまでもなく、相違点1において、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
よって、本願発明9は、当業者が引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものではない。

2 本願発明1-8について
本願発明1は、本願発明9に対応する「現金自動預払機」の発明であり、本願発明2-7はいずれも請求項1を引用する「現金自動預払機」の発明である。また、本願発明8は、本願発明1-7のいずれかの現金自動預払機と、レジ端末とからなる「くじ引きシステム」の発明である。
本願発明1-8は、「抽選券情報記憶媒体から、くじ引きの抽選権を有することを示す抽選券情報を読み取るコード読取装置と、前記抽選券情報に基づいて、対価情報を顧客に割り当てる対価情報割当処理を行う制御装置と、前記対価情報割当処理の結果を表示する表示装置と、前記対価情報割当処理の結果が当選の場合に、利用者に提供する前記対価情報を所定の記憶媒体に記録する出力装置と、を備え」た「現金自動預払機」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明9と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第6 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1-9は「抽選券情報記憶媒体から、くじ引きの抽選権を有することを示す抽選券情報を読み取るコード読取装置と、前記抽選券情報に基づいて、対価情報を顧客に割り当てる対価情報割当処理を行う制御装置と、前記対価情報割当処理の結果を表示する表示装置と、前記対価情報割当処理の結果が当選の場合に、利用者に提供する前記対価情報を所定の記憶媒体に記録する出力装置と、を備え」た「現金自動預払機」との事項を有するものとなっており、上記「第5」で示したとおり、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明1-9は、当業者が引用発明及び引用文献2-7に記載された技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。


 
審決日 2020-06-30 
出願番号 特願2017-237995(P2017-237995)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06Q)
最終処分 成立  
前審関与審査官 新里 太郎関 博文田付 徳雄  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 松田 直也
速水 雄太
発明の名称 現金自動預払機、くじ引きシステム及びくじ引き処理方法  
代理人 松沼 泰史  
代理人 棚井 澄雄  
代理人 伊藤 英輔  
代理人 森 隆一郎  
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