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審決分類 審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない。 G02C
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G02C
管理番号 1363911
審判番号 不服2020-2520  
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-02-25 
確定日 2020-07-10 
事件の表示 特願2018- 67131「眼用装着物、眼用器具、被挟持体、挟持体、薬剤装着眼用器具、薬剤、電子デバイス装着眼用器具、電子デバイス、光学デバイス装着眼用器具、光学デバイス」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年10月17日出願公開、特開2019-179095〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件出願は、平成30年3月30日の出願であって、その手続きの経緯は、概略、以下のとおりである。
平成31年 2月14日付け:拒絶理由通知書
平成31年 2月28日提出:意見書、手続補正書
平成31年 4月24日付け:拒絶理由通知書(最後)
令和 元年 6月 3日提出:意見書、手続補正書
令和 元年 8月 7日付け:令和元年6月3日提出の手続補正書による手続補正についての補正の却下の決定
令和 元年 8月 7日付け:拒絶理由通知書(最後)
令和 元年12月16日提出:意見書、手続補正書
令和 2年 1月 8日付け:令和元年12月16日提出の手続補正書による手続補正についての補正の却下の決定
令和 2年 1月 8日付け:拒絶査定
令和 2年 2月25日提出:審判請求書
令和 2年 2月25日提出:手続補正書

第2 令和2年2月25日提出の手続補正書による手続補正についての補正却下の決定
[結論]
令和2年2月25日提出の手続補正書による手続補正を却下する。
[理由]
1 補正の内容
令和2年2月25日提出の手続補正書による手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲(平成31年2月28日提出の手続補正書により補正されたもの)を、次の(1)に記載のもの(以下、「本件補正前の特許請求の範囲」という。)から、次の(2)に記載のもの(以下、「本件補正後の特許請求の範囲」という。)に補正するものである(下線部は、当合議体が付したものであり、本件補正による補正箇所を示す。)。

(1)本件補正前の特許請求の範囲
「 【請求項1】
眼に装着可能な眼用装着物であって、
眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状となっていることを特徴とする眼用装着物。
【請求項2】
請求項1において、
装着時に右眼角に臨む縁が右眼角の水平位置で左方に窪む形状となっていることを特徴とする眼用装着物。
【請求項3】
請求項2において、
装着時に右眼角に臨む縁が右眼角の水平位置で左方に最も窪む形状となっていることを特徴とする眼用装着物。
【請求項4】
眼に装着可能な眼用装着物であって、
眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状となっていることを特徴とする眼用装着物。
【請求項5】
請求項4において、
装着時に左眼角に臨む縁が左眼角の水平位置で右方に窪む形状となっていることを特徴とする眼用装着物。
【請求項6】
請求項5において、
装着時に左眼角に臨む縁が左眼角の水平位置で右方に最も窪む形状となっていることを特徴とする眼用装着物。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項において、
コンタクトレンズであることを特徴とする眼用装着物。
【請求項8】
眼に装着可能な眼用器具であって、
眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状の第1挟持体と、眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状の第2挟持体とを備え、前記第1挟持体と前記第2挟持体との間で被挟持物を挟持可能であり、
前記第1挟持体と前記第2挟持体との間が前記被挟持物を挿入可能に開口し前記第1挟持体及び前記第2挟持体が結合されていることを特徴とする眼用器具。
【請求項9】
眼に装着可能な眼用器具であって、
眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状の第1挟持体と、眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状の第2挟持体とを備え、前記第1挟持体と前記第2挟持体との間で被挟持物を挟持可能であり、
前記第1挟持体と前記第2挟持体との間が前記被挟持物を挿入可能に開口し前記第1挟持体及び前記第2挟持体が結合されていることを特徴とする眼用器具。
【請求項10】
請求項8及び9のいずれか1項において、
前記第1挟持体の周端と前記第2挟持体の周端との間が前記被挟持物を挿入可能に開口していることを特徴とする眼用器具。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれか1項において、
前記被挟持物は、薬剤であることを特徴とする眼用器具。
【請求項12】
請求項8乃至10のいずれか1項において、
前記被挟持物は、電子デバイスであることを特徴とする眼用器具。
【請求項13】
請求項8乃至10のいずれか1項において、
前記被挟持物は、光学デバイスであることを特徴とする眼用器具。
【請求項14】
請求項8乃至13のいずれか1項に記載の眼用器具における前記第1挟持体と前記第2挟持体との間で挟持される被挟持体であることを特徴とする被挟持体。
【請求項15】
請求項8乃至13のいずれか1項に記載の眼用器具における前記第1挟持体に結合される前記第2挟持体又は前記第2挟持体に結合される前記第1挟持体であることを特徴とする挟持体。
【請求項16】
眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状の眼用器具と、
前記眼用器具の前面との間に形成される室内を陰圧にして前記眼用器具の前面に吸着する吸着手段を有する薬剤とを備えることを特徴とする薬剤装着眼用器具。
【請求項17】
眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状の眼用器具と、
前記眼用器具の前面との間に形成される室内を陰圧にして前記眼用器具の前面に吸着する吸着手段を有する薬剤とを備えることを特徴とする薬剤装着眼用器具。
【請求項18】
眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状の眼用器具と、
前記眼用器具の前面に吸着する1又は複数の吸盤構造を有する薬剤とを備えることを特徴とする薬剤装着眼用器具。
【請求項19】
眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状の眼用器具と、
前記眼用器具の前面に吸着する1又は複数の吸盤構造を有する薬剤とを備えることを特徴とする薬剤装着眼用器具。
【請求項20】
請求項16乃至19のいずれか1項に記載の薬剤装着眼用器具における前記薬剤が吸着される前記眼用器具であることを特徴とする眼用器具。
【請求項21】
請求項16乃至19のいずれか1項に記載の薬剤装着眼用器具における前記眼用器具に吸着する前記薬剤であることを特徴とする薬剤。
【請求項22】
眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状の眼用器具と、
前記眼用器具の前面との間に形成される室内を陰圧にして前記眼用器具の前面に吸着する吸着手段を有する電子デバイスとを備えることを特徴とする電子デバイス装着眼用器具。
【請求項23】
眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状の眼用器具と、
前記眼用器具の前面との間に形成される室内を陰圧にして前記眼用器具の前面に吸着する吸着手段を有する電子デバイスとを備えることを特徴とする電子デバイス装着眼用器具。
【請求項24】
眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状の眼用器具と、
前記眼用器具の前面に吸着する1又は複数の吸盤構造を有する電子デバイスとを備えることを特徴とする電子デバイス装着眼用器具。
【請求項25】
眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状の眼用器具と、
前記眼用器具の前面に吸着する1又は複数の吸盤構造を有する電子デバイスとを備えることを特徴とする電子デバイス装着眼用器具。
【請求項26】
請求項22乃至25のいずれか1項に記載の電子デバイス装着眼用器具における前記電子デバイスが吸着される前記眼用器具であることを特徴とする眼用器具。
【請求項27】
請求項22乃至25のいずれか1項に記載の電子デバイス装着眼用器具における前記眼用器具に吸着する前記電子デバイスであることを特徴とする電子デバイス。
【請求項28】
眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状の眼用器具と、
前記眼用器具の前面との間に形成される室内を陰圧にして前記眼用器具の前面に吸着する吸着手段を有する光学デバイスとを備えることを特徴とする光学デバイス装着眼用器具。
【請求項29】
眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状の眼用器具と、
前記眼用器具の前面との間に形成される室内を陰圧にして前記眼用器具の前面に吸着する吸着手段を有する光学デバイスとを備えることを特徴とする光学デバイス装着眼用器具。
【請求項30】
眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状の眼用器具と、
前記眼用器具の前面に吸着する1又は複数の吸盤構造を有する光学デバイスとを備えることを特徴とする光学デバイス装着眼用器具。
【請求項31】
眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状の眼用器具と、
前記眼用器具の前面に吸着する1又は複数の吸盤構造を有する光学デバイスとを備えることを特徴とする光学デバイス装着眼用器具。
【請求項32】
請求項28乃至31のいずれか1項に記載の光学デバイス装着眼用器具における前記光学デバイスが吸着される前記眼用器具であることを特徴とする眼用器具。
【請求項33】
請求項28乃至31のいずれか1項に記載の光学デバイス装着眼用器具における前記眼用器具に吸着する前記光学デバイスであることを特徴とする光学デバイス。」

(2)本件補正後の特許請求の範囲
「 【請求項1】
眼に装着可能な眼用器具であって、
全体が眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状の第1挟持体と、全体が眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状の第2挟持体とを備え、前記第1挟持体と前記第2挟持体との間で被挟持物を挟持可能であり、
前記第1挟持体と前記第2挟持体との間が前記被挟持物を挿入可能に開口し前記第1挟持体及び前記第2挟持体が結合されていることを特徴とする眼用器具。
【請求項2】
眼に装着可能な眼用器具であって、
全体が眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状の第1挟持体と、全体が眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状の第2挟持体とを備え、前記第1挟持体と前記第2挟持体との間で被挟持物を挟持可能であり、
前記第1挟持体と前記第2挟持体との間が前記被挟持物を挿入可能に開口し前記第1挟持体及び前記第2挟持体が結合されていることを特徴とする眼用器具。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか1項において、
前記第1挟持体の周端と前記第2挟持体の周端との間が前記被挟持物を挿入可能に開口していることを特徴とする眼用器具。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記被挟持物は、薬剤であることを特徴とする眼用器具。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記被挟持物は、電子デバイスであることを特徴とする眼用器具。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記被挟持物は、光学デバイスであることを特徴とする眼用器具。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の眼用器具における前記第1挟持体と前記第2挟持体との間で挟持される被挟持体であることを特徴とする被挟持体。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の眼用器具における前記第1挟持体に結合される前記第2挟持体又は前記第2挟持体に結合される前記第1挟持体であることを特徴とする挟持体。」
(当合議体注:本件補正により、本件補正前の請求項1?7、請求項16?33が削除された。本件補正前の請求項8?15が、本件補正後の請求項1?8に対応する。)

2 新規事項
(1) そこで、本件補正が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものであるかについて、以下、検討する。

(2) 当初明細書等には、以下の事項が記載されている。
ア 特許請求の範囲
「【請求項1】
眼に装着可能な眼用装着物であって、
装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状となっていることを特徴とする眼用装着物。
【請求項2】
請求項1において、
装着時に右眼角に臨む縁が右眼角の水平位置で左方に窪む形状となっていることを特徴とする眼用装着物。
【請求項3】
請求項2において、
装着時に右眼角に臨む縁が右眼角の水平位置で左方に最も窪む形状となっていることを特徴とする眼用装着物。
【請求項4】
眼に装着可能な眼用装着物であって、
装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状となっていることを特徴とする眼用装着物。
【請求項5】
請求項4において、
装着時に左眼角に臨む縁が左眼角の水平位置で右方に窪む形状となっていることを特徴とする眼用装着物。
【請求項6】
請求項5において、
装着時に左眼角に臨む縁が左眼角の水平位置で右方に最も窪む形状となっていることを特徴とする眼用装着物。
【請求項7】
眼に装着可能な眼用装着物と、装着手段を有する薬剤とを備え、前記装着手段が前記眼用装着物に装着して前記薬剤が前記眼用装着物に装着される薬剤供給眼用装着物であって、
前記眼用装着物は、前記装着手段が装着可能な領域を有し、装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状となっていることを特徴とする薬剤供給眼用装着物。
【請求項8】
眼に装着可能な眼用装着物と、装着手段を有する薬剤とを備え、前記装着手段が前記眼用装着物に装着して前記薬剤が前記眼用装着物に装着される薬剤供給眼用装着物であって、
前記眼用装着物は、前記装着手段が装着可能な領域を有し、装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状となっていることを特徴とする薬剤供給眼用装着物。
【請求項9】
請求項7及び8のいずれか1項において、
前記装着手段は、被装着対象に吸着する吸着手段であることを特徴とする薬剤供給眼用装着物。
【請求項10】
請求項7記載の薬剤供給眼用装着物における前記薬剤を装着可能で且つ眼に装着可能な眼用装着物であって、
前記装着手段が装着可能な領域を有し、装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状となっていることを特徴とする眼用装着物。
【請求項11】
請求項8記載の薬剤供給眼用装着物における前記薬剤を装着可能で且つ眼に装着可能な眼用装着物であって、
前記装着手段が装着可能な領域を有し、装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状となっていることを特徴とする眼用装着物。」

イ 明細書
(ア) 「【技術分野】
【0001】
本発明は、眼用装着物及び薬剤供給眼用装着物に係り、特に、眼角への干渉を低減するのに好適な眼用装着物及び薬剤供給眼用装着物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1記載のコンタクトレンズが知られている。
特許文献1記載のコンタクトレンズは、原料樹脂内に薬剤を混入したコンタクトレンズであって、装用すると眼に薬用効果を与えるものである。
・・・略・・・
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載のコンタクトレンズを用いて眼瞼裏側の深部まで薬剤の成分を供給するには、サイズを大きくすることが考えられる。しかしながら、単純にサイズを大きくすると、装用時にコンタクトレンズが眼角に干渉する懸念がある。眼角への干渉としては、例えば、眼角に障害を与えること、異物感を増加させることが考えられる。
【0005】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、眼角への干渉を低減するのに好適な眼用装着物及び薬剤供給眼用装着物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の眼用装着物は、眼に装着可能な眼用装着物であって、装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状となっている。
【0007】
ここで、眼用装着物を眼に装着する態様としては、眼用装着物を眼に直接装着すること、眼との間に1又は複数の媒体(例えば、部材)を介在させて眼用装着物を眼に間接的に装着することが含まれる。以下、発明7及び8の薬剤供給眼用装着物、並びに発明10及び11の眼用装着物において同じである。
【0008】
また、眼用装着物は、人又は動物の眼球に装着可能な物として、より具体的には、眼球に形状適合性を有する曲面状又は眼球の表面形状に沿った球面形状の物として構成することができる。以下、発明7及び8の薬剤供給眼用装着物、並びに発明10及び11の眼用装着物において同じである。
【0009】
また、眼用装着物としては、例えば、眼用デバイス、薬剤供給補助具、矯正具、薬剤、サプリメント及び磁性流体が含まれる。眼用デバイスとしては、例えば、(1)眼に対し情報の提供を行うデバイス、(2)眼に関する情報の収集を行うデバイス、(3)眼の外側に対し情報の提供を行うデバイス、(4)眼の外側に関する情報の収集を行うデバイス、(5)眼に対し機能の維持、回復若しくは付与又は作用を行うデバイス、及び(6)眼の外側に対し機能の付与又は作用を行うデバイスが含まれる。これらのうち(3)の機能としては、例えば、認証装置等に対し認証情報を投影する機能が挙げられる。また、眼用デバイスとしては、例えば、(1)光学デバイス(例えば、レンズ、光ファイバー、光導波路、光アイソレータ、半導体レーザ)、及び(2)電子デバイス(例えば、カメラ、投影機、センサ)が含まれる。以下、発明7及び8の薬剤供給眼用装着物、並びに発明10及び11の眼用装着物において同じである。
【0010】
〔発明2〕 さらに、発明2の眼用装着物は、発明1の眼用装着物において、装着時に右眼角に臨む縁が右眼角の水平位置で左方に窪む形状となっている。
【0011】
〔発明3〕 さらに、発明3の眼用装着物は、発明2の眼用装着物において、装着時に右眼角に臨む縁が右眼角の水平位置で左方に最も窪む形状となっている。
【0012】
〔発明4〕 さらに、発明4の眼用装着物は、眼に装着可能な眼用装着物であって、装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状となっている。
【0013】
〔発明5〕 さらに、発明5の眼用装着物は、発明4の眼用装着物において、装着時に左眼角に臨む縁が左眼角の水平位置で右方に窪む形状となっている。
【0014】
〔発明6〕 さらに、発明6の眼用装着物は、発明5の眼用装着物において、装着時に左眼角に臨む縁が左眼角の水平位置で右方に最も窪む形状となっている。
【0015】
〔発明7〕 一方、上記目的を達成するために、発明7の薬剤供給眼用装着物は、眼に装着可能な眼用装着物と、装着手段を有する薬剤とを備え、前記装着手段が前記眼用装着物に装着して前記薬剤が前記眼用装着物に装着される薬剤供給眼用装着物であって、前記眼用装着物は、前記装着手段が装着可能な領域を有し、装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状となっている。
【0016】
このような構成であれば、装着手段が眼用装着物に装着し、薬剤が眼用装着物に装着される。装着された薬剤が溶け出すと、結膜や角膜等の部位にその成分が供給される。
【0017】
ここで、装着手段としては、例えば、眼用装着物及び薬剤の一方(薬剤)に装着のための構成(例えば、吸盤構造)を設け、薬剤の当該構成が眼用装着物に装着する構成として実現する場合、眼用装着物及び薬剤の両方に装着のための構成(例えば、吸盤構造)を設け、それぞれが雄及び雌のように対応して装着する構成として実現する場合が含まれる。後者の場合は、薬剤に設けた装着のための構成が装着手段に対応する。以下、発明8の薬剤供給眼用装着物において同じである。
【0018】
〔発明8〕 さらに、発明8の薬剤供給眼用装着物は、眼に装着可能な眼用装着物と、装着手段を有する薬剤とを備え、前記装着手段が前記眼用装着物に装着して前記薬剤が前記眼用装着物に装着される薬剤供給眼用装着物であって、前記眼用装着物は、前記装着手段が装着可能な領域を有し、装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状となっている。
【0019】
このような構成であれば、装着手段が眼用装着物に装着し、薬剤が眼用装着物に装着される。装着された薬剤が溶け出すと、結膜や角膜等の部位にその成分が供給される。
【0020】
〔発明9〕 さらに、発明9の薬剤供給眼用装着物は、発明7及び8のいずれか1の薬剤供給眼用装着物において、前記装着手段は、被装着対象に吸着する吸着手段である。
【0021】
このような構成であれば、吸着手段が眼用装着物に吸着し、薬剤が装着される。
ここで、吸着とは、吸いつくことをいい、例えば、吸着箇所が外界よりも陰圧となって吸いつくことが含まれる。以下、吸着の概念については同じである。
【0022】
また、吸着手段としては、例えば、眼用装着物及び薬剤の一方(薬剤)に吸着のための構成(例えば、吸盤構造)を設け、薬剤の当該構成が眼用装着物に吸着する構成として実現する場合、眼用装着物及び薬剤の両方に吸着のための構成(例えば、吸盤構造)を設け、それぞれが雄及び雌のように対応して吸着する構成として実現する場合が含まれる。後者の場合は、薬剤に設けた吸着のための構成が吸着手段に対応する。
【0023】
〔発明10〕 一方、上記目的を達成するために、発明10の眼用装着物は、発明7の薬剤供給眼用装着物における前記薬剤を装着可能で且つ眼に装着可能な眼用装着物であって、前記装着手段が装着可能な領域を有し、装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状となっている。
【0024】
〔発明11〕 さらに、発明11の眼用装着物は、発明8の薬剤供給眼用装着物における前記薬剤を装着可能で且つ眼に装着可能な眼用装着物であって、前記装着手段が装着可能な領域を有し、装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状となっている。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、発明1若しくは10の眼用装着物、又は発明7の薬剤供給眼用装着物によれば、右眼角に臨む縁が左方に窪む形状となっているので、右眼角への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。
【0026】
さらに、発明2の眼用装着物によれば、右眼角に臨む縁が右眼角の水平位置で左方に窪む形状となっているので、右眼角への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。
【0027】
さらに、発明3の眼用装着物によれば、右眼角に臨む縁が右眼角の水平位置で左方に最も窪む形状となっているので、右眼角への干渉が生じる可能性又は度合いをさらに低減することができる。
【0028】
さらに、発明4若しくは11の眼用装着物、又は発明8の薬剤供給眼用装着物によれば、左眼角に臨む縁が右方に窪む形状となっているので、左眼角への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。
【0029】
さらに、発明5の眼用装着物によれば、左眼角に臨む縁が左眼角の水平位置で右方に窪む形状となっているので、左眼角への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。
【0030】
さらに、発明6の眼用装着物によれば、左眼角に臨む縁が左眼角の水平位置で右方に最も窪む形状となっているので、左眼角への干渉が生じる可能性又は度合いをさらに低減することができる。
【0031】
さらに、発明9の薬剤供給眼用装着物によれば、吸着手段により薬剤が眼用装着物に装着されるので、薬剤と眼用装着物との組み合わせを選択又は変更等することができる。」

(イ) 「【発明を実施するための形態】
【0033】
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を説明する。図1及び図2は、本実施の形態を示す図である。
【0034】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図1は、薬剤供給補助具10の外観形状を示す図であり、(a)は薬剤供給補助具10の正面図、(b)は正面からみた薬剤供給補助具10の斜視図、(c)は薬剤供給補助具10の側面図である。
【0035】
薬剤供給補助具10は、ソフトコンタクトレンズと同一の材質で構成されている。薬剤供給補助具10は、図1に示すように、公知のソフトコンタクトレンズと同様に眼球の表面形状に沿った球面形状となっている。その後面は、眼球の表面にフィットするように眼球の表面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。また、平面形状が全体として、角丸矩形の各辺14a?14dが弓形凸部となる形状となっている。公知のソフトコンタクトレンズと異なる点の一つはサイズが大きい点であり、装着時に眼瞼裏側の深部にまで及ぶ領域を有している。
【0036】
薬剤供給補助具10の中央には、角膜領域(装着時に角膜に位置する領域)を開口する貫通孔12が形成されている。貫通孔12の径は、角膜よりも大径(1.2倍程度)となっている。
【0037】
薬剤供給補助具10は、装着時に上眼瞼結膜円蓋部に接する左上肩14e及び右上肩14fと、装着時に下眼瞼結膜円蓋部に接する右下肩14g及び左下肩14hと、左上肩14e及び右上肩14fを結ぶ上辺14aと、右上肩14f及び右下肩14gを結ぶ右辺14bと、右下肩14g及び左下肩14hを結ぶ下辺14cと、左上肩14e及び左下肩14hを結ぶ左辺14dとを有して構成されている。上辺14aは、下方に弓なりに湾曲する形状となっている。下辺14cは、上方に弓なりに湾曲する形状となっている。右辺14bは、右眼角(右目の場合は内眼角をいい、左目の場合は外眼角をいう。)を回避するように左方に弓なりに湾曲する形状であって、装着時に右眼角の水平位置で左方に最も窪む形状となっている。左辺14dは、左眼角(右目の場合は外眼角をいい、左目の場合は内眼角をいう。)を回避するように右方に弓なりに湾曲する形状であって、装着時に左眼角の水平位置で右方に最も窪む形状となっている。
【0038】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図2は、薬剤供給補助具10の使用方法を説明するための図であり、(a)は眼20の正面図、(b)は眼20の縦断面図である。図2(a)中、点線で示す最外円は結膜の外縁を示している。
【0039】
使用者は、図2に示すように、薬剤供給補助具10を装着する。薬剤供給補助具10は、貫通孔12で角膜24全体を囲い、貫通孔12が瞳孔22と同心円状となるように装着する。このとき、左上肩14e及び右上肩14fが上眼瞼結膜円蓋部26eに接し、上眼瞼結膜円蓋部26e及び上辺14aによりプール19aが区画される。また、右下肩14g及び左下肩14hが下眼瞼結膜円蓋部26fに接し、下眼瞼結膜円蓋部26f及び下辺14cによりプール19bが区画される。次に、使用者は、薬剤供給補助具10上に点眼薬を点眼する。装用時は、上眼瞼結膜26a及び眼球の表面が蓋となってプール19aを閉鎖するので、点眼された薬剤は、プール19aに貯留され、時間をかけて結膜や角膜等の部位にその成分が供給される。同様に、下眼瞼結膜26b及び眼球の表面が蓋となってプール19bを閉鎖するので、点眼された薬剤は、プール19bに貯留され、時間をかけて結膜や角膜等の部位にその成分が供給される。
【0040】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、右辺14bが左方に弓なりに湾曲する形状となっている。
【0041】
これにより、右眼角への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。右眼角への干渉としては、例えば、右眼角に障害を与えること、異物感を増加させることが考えられる。
【0042】
さらに、本実施の形態では、右辺14bが装着時に右眼角の水平位置で左方に窪む形状となっている。
【0043】
これにより、右眼角への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。
さらに、本実施の形態では、右辺14bが装着時に右眼角の水平位置で左方に最も窪む形状となっている。
【0044】
これにより、右眼角への干渉が生じる可能性又は度合いをさらに低減することができる。
・・・略・・・
【0049】
さらに、本実施の形態では、薬剤供給補助具10は、装着時に上眼瞼結膜円蓋部26e及び上辺14aにより、薬剤を貯留可能なプール19aが区画される。
・・・略・・・
【0051】
さらに、本実施の形態では、装着時に上眼瞼結膜26a及び眼球の表面が蓋となってプール19aの開口が閉鎖される。
・・・略・・・
【0057】
さらに、本実施の形態では、装着時に下眼瞼結膜26b及び眼球の表面が蓋となってプール19bの開口が閉鎖される。
・・・略・・・
【0061】
さらに、本実施の形態では、薬剤供給補助具10は、角膜領域を開口する貫通孔12が形成されている。
【0062】
これにより、角膜24への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。レンズ等の媒体が角膜24に位置することによる角膜24への干渉としては、例えば、酸素透過性を低下させること、涙液の交換を阻害すること、角膜24に障害を与えること、異物感を増加させることが考えられる。
【0063】
さらに、本実施の形態では、薬剤供給補助具10は、平面形状が全体として、角丸矩形の各辺14a?14dが弓形凸部となる形状となっている。
【0064】
これにより、平面形状が非円形状である楕円形状となっているので、円形状の構成に比して、眼瞼や眼球の動き等により薬剤供給補助具10が眼球の表面上で回転する可能性又は度合いを低減することができる。
【0065】
本実施の形態において、薬剤供給補助具10は、発明1乃至6の眼用装着物に対応している。」

(ウ) 「【0066】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図3乃至図5は、本実施の形態を示す図である。なお、以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図3は、薬剤供給補助具10の正面図である。
【0068】
薬剤供給補助具10は、図3に示すように、装着時に上眼瞼裏側に位置する横長楕円形状の上眼瞼装着部18aと、装着時に右結膜に位置する縦長楕円形状の右結膜装着部18bと、装着時に下眼瞼裏側に位置する横長楕円形状の下眼瞼装着部18cと、装着時に左結膜に位置する縦長楕円形状の左結膜装着部18dと、上眼瞼装着部18a及び右結膜装着部18bを連結するブリッジ部16aと、右結膜装着部18b及び下眼瞼装着部18cを連結するブリッジ部16bと、下眼瞼装着部18c及び左結膜装着部18dを連結するブリッジ部16cと、左結膜装着部18d及び上眼瞼装着部18aを連結するブリッジ部16dとを有して構成されている。
【0069】
装着部18a?18dは、公知のコンタクトレンズと同様に眼球の表面形状に沿った球面形状となっている。その後面は、眼球の表面にフィットするように眼球の表面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。
【0070】
ブリッジ部16a?16dは、装着部18a?18dよりも幅狭であり、装着時に角膜24を回避する経路に形成されている。そして、ブリッジ部16aの一端が上眼瞼装着部18aに、他端が右結膜装着部18bに接合されている。また、ブリッジ部16bの一端が右結膜装着部18bに、他端が下眼瞼装着部18cに接合されている。また、ブリッジ部16cの一端が下眼瞼装着部18cに、他端が左結膜装着部18dに接合されている。また、ブリッジ部16dの一端が左結膜装着部18dに、他端が上眼瞼装着部18aに接合されている。ブリッジ部16a?16dで区画される開口部(以下「開口部」という。)の径は、角膜24よりもやや大径となっている。
【0071】
右結膜装着部18bの右辺は、右眼角を回避するように左方に弓なりに湾曲する形状であって、装着時に右眼角の水平位置で左方に最も窪む形状となっている。左結膜装着部18dの左辺は、左眼角を回避するように右方に弓なりに湾曲する形状であって、装着時に左眼角の水平位置で右方に最も窪む形状となっている。
【0072】
図4は、薬剤40の形状を示す図であり、(a)は薬剤40の正面図、(b)は正面からみた薬剤40の斜視図、(c)は背面からみた薬剤40の斜視図、(d)は(a)のA-A線に沿った断面図である。
【0073】
薬剤40は、図4に示すように、扁平楕円板状に形成されている。薬剤40の後面は、装着部18a?18dの前面にフィットするように装着部18a?18dの前面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。薬剤40の後面には、楕円形状の吸盤孔42が形成されている。吸盤孔42は吸盤構造となっている。
【0074】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図5は、薬剤供給補助具10の使用方法を説明するための図であり、(a)は眼20の正面図、(b)は眼20の縦断面図である。図5(a)中、点線で示す最外円は結膜の外縁を示している。
【0075】
使用者は、まず、図5に示すように、薬剤40の後面を上眼瞼装着部18aの前面に押し当てると、吸盤孔42の吸盤室内が陰圧となって吸盤孔42が上眼瞼装着部18aの前面に吸着し、薬剤40が上眼瞼装着部18aに装着される。右結膜装着部18b、下眼瞼装着部18c及び左結膜装着部18dにも同様に薬剤40をそれぞれ装着する。次に、使用者は、薬剤供給補助具10を装着する。薬剤供給補助具10は、開口部に角膜24が収まるようにして装着する。装用時は、上眼瞼装着部18aが上眼瞼裏側の深部まで及ぶので、上眼瞼装着部18aに装着された薬剤40が溶け出すと、上眼瞼裏側の部位にその成分が供給される。同様に、下眼瞼装着部18cが下眼瞼裏側の深部まで及ぶので、下眼瞼装着部18cに装着された薬剤40が溶け出すと、下眼瞼裏側の部位にその成分が供給される。また、薬剤40の成分が上眼瞼装着部18aから下方に流出し又は下眼瞼装着部18cから上方に流出すれば、角膜24周辺の部位にも薬剤40の成分が供給される。右結膜装着部18b及び左結膜装着部18dについても同様であり、右結膜及び左結膜等の部位にその成分が供給される。
【0076】
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、右結膜装着部18bの右辺が左方に弓なりに湾曲する形状となっている。
【0077】
これにより、右眼角への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。
さらに、本実施の形態では、右結膜装着部18bの右辺が装着時に右眼角の水平位置で左方に窪む形状となっている。
【0078】
これにより、右眼角への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。
さらに、本実施の形態では、右結膜装着部18bの右辺が装着時に右眼角の水平位置で左方に最も窪む形状となっている。
【0079】
これにより、右眼角への干渉が生じる可能性又は度合いをさらに低減することができる。
【0080】
さらに、本実施の形態では、左結膜装着部18dの左辺が右方に弓なりに湾曲する形状となっている。
【0081】
これにより、左眼角への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。
さらに、本実施の形態では、左結膜装着部18dの左辺が装着時に左眼角の水平位置で右方に窪む形状となっている。
【0082】
これにより、左眼角への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。
さらに、本実施の形態では、左結膜装着部18dの左辺が装着時に左眼角の水平位置で右方に最も窪む形状となっている。
【0083】
これにより、左眼角への干渉が生じる可能性又は度合いをさらに低減することができる。
【0084】
さらに、本実施の形態では、薬剤供給補助具10は、装着時に上眼瞼裏側に位置し眼球に装着可能な上眼瞼装着部18aを備える。
【0085】
これにより、上眼瞼装着部18aが上眼瞼裏側に位置するので、上眼瞼裏側の部位に薬剤40の成分を効果的に供給することができる。
【0086】
さらに、本実施の形態では、薬剤供給補助具10は、装着時に右結膜に位置し眼球に装着可能な右結膜装着部18bを備える。
【0087】
これにより、右結膜装着部18bが右結膜に位置するので、右結膜等の部位に薬剤40の成分を効果的に供給することができる。
【0088】
さらに、本実施の形態では、薬剤供給補助具10は、装着時に下眼瞼裏側に位置し眼球に装着可能な下眼瞼装着部18cを備える。
・・・略・・・
【0090】
さらに、本実施の形態では、薬剤供給補助具10は、装着時に左結膜に位置し眼球に装着可能な左結膜装着部18dを備える。
【0091】
これにより、左結膜装着部18dが左結膜に位置するので、左結膜等の部位に薬剤40の成分を効果的に供給することができる。
・・・略・・・
【0094】
さらに、本実施の形態では、ブリッジ部16a?16dは、装着時に角膜24を回避する経路に形成されている。
【0095】
これにより、角膜24への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。
さらに、本実施の形態では、装着部18a?18dは、装着時に角膜24を回避し結膜の異なる箇所に位置する。
【0096】
これにより、異なる結膜領域(装着時に結膜に位置する領域)に薬剤40を装着することができる。また、角膜24への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。
【0097】
さらに、本実施の形態では、薬剤40は、薬剤供給補助具10に吸着する吸盤構造を有する吸盤孔42を備える。
【0098】
これにより、吸盤により薬剤40が薬剤供給補助具10に装着されるので、薬剤40と薬剤供給補助具10との組み合わせを選択又は変更等することができる。
・・・略・・・
【0099】
本実施の形態において、薬剤供給補助具10は、発明1乃至11の眼用装着物に対応し、吸盤孔42は、発明9の吸着手段、又は発明7乃至11の装着手段に対応している。」

(エ) 「【0100】
〔変形例〕
なお、上記第2の実施の形態の変形例として、次の構成を採用することができる。以下の構成中、眼用装着物、眼用器具及び装着手段のバリエーションについては、上記第2の実施の形態及びその変形例を採用することができる。
【0101】
〔1層構造:1層目内装着構成〕
この構成は、眼球に装着する吸盤構造その他の装着手段を有する眼用装着物(1層目)を備え、眼用装着物を眼球に装着する構成である。
【0102】
〔2層構造:2層目内装着構成〕
この構成は、眼球に装着可能な眼用器具(1層目)と、眼用器具に装着する吸盤構造その他の装着手段を有する眼用装着物(2層目)とを備え、眼用装着物を眼用器具に装着する構成である。上記第2の実施の形態がこの構成である。
【0103】
〔2層構造:1層目外装着構成〕
この構成は、眼用装着物(2層目)と、眼用装着物に装着する吸盤構造その他の装着手段を有し眼球に装着可能な眼用器具(1層目)とを備え、眼用装着物を眼用器具に装着する構成である。例えば、図6の変形例を採用することができる。
【0104】
図6の変形例は、薬剤供給補助具10に吸盤構造を設けた構成である。
・・・略・・・
【0107】
〔2層構造:1、2層両装着構成〕
この構成は、眼球に装着可能な眼用器具(1層目)と、眼用装着物(2層目)と、眼用器具及び眼用装着物を装着する吸盤構造その他の装着手段とを備え、眼用装着物を眼用器具に装着する構成である。眼用器具の装着手段及び眼用装着物の装着手段がそれぞれ相手に装着する構成(〔2層構造:2層目内装着構成〕及び〔2層構造:1層目外装着構成〕)のほか、眼用器具の装着手段及び眼用装着物の装着手段が雄及び雌のように対応して装着する構成が含まれる。
【0108】
〔3層構造:2層目両装着構成〕
この構成は、眼球に装着可能な眼用器具(1層目)と、眼用装着物(3層目)と、眼用器具及び眼用装着物に装着する吸盤構造その他の装着手段を有する眼用アダプタ(2層目)とを備え、眼用アダプタを介して眼用装着物を眼用器具に装着する構成である。例えば、図7の変形例を採用することができる。
【0109】
図7の変形例は、眼用アダプタ50の前面及び後面に吸盤構造を設けた構成である。
・・・略・・・
【0112】
〔3層構造:2層目内装着構成〕
この構成は、眼球に装着可能な眼用器具(1層目)と、眼用装着物(3層目)と、眼用器具に装着する吸盤構造その他の装着手段を有する眼用アダプタ(2層目)とを備え、眼用アダプタを介して眼用装着物を眼用器具に装着する構成である。眼用アダプタ及び眼用装着物は吸着以外の方法で接合する。ここで、眼用アダプタ及び眼用器具の関係は〔2層構造:2層目内装着構成〕と同じである。例えば、図8の変形例を採用することができる。
【0113】
図8の変形例は、眼用アダプタ50の後面に吸盤構造を設けた構成である。
・・・略・・・
【0114】
図7の変形例では、眼用アダプタ50の前面に吸盤孔50aを形成したが、図8の変形例では、吸盤孔50aを形成せず、薬剤40の後面と眼用アダプタ50の前面を接着等により接合する。その他、薬剤40を表面張力により眼用アダプタ50の前面に取り付けてもよい。
【0115】
〔3層構造:2層目外装着構成〕
この構成は、眼球に装着可能な眼用器具(1層目)と、眼用装着物(3層目)と、眼用装着物に装着する吸盤構造その他の装着手段を有する眼用アダプタ(2層目)とを備え、眼用アダプタを介して眼用装着物を眼用器具に装着する構成である。眼用アダプタ及び眼用器具は吸着以外の方法で接合する。ここで、眼用アダプタ及び眼用装着物の関係は〔2層構造:1層目外装着構成〕と同じである。例えば、図7の変形例では、眼用アダプタ50の後面に吸盤孔50bを形成したが、吸盤孔50bを形成せず、眼用アダプタ50の後面と上眼瞼装着部18aの前面を接着等により接合する。その他、眼用アダプタ50を表面張力により上眼瞼装着部18aの前面に取り付けてもよい。
【0116】
〔前後方向外装着構成〕
この構成は、水平方向、上下方向その他前後方向以外の方向に眼用装着物同士を装着し、装着した複数の眼用装着物を眼用器具又は眼球に装着する構成である。」

(オ) 「【0117】
また、上記第1の実施の形態及びその変形例においては、上辺14a、右辺14b、下辺14c及び左辺14dの形状等を例示したが、これに限らず、薬剤供給補助具10の縁は、任意の大きさ、任意の形状、任意の範囲で構成することができる。例えば、弓形凹部その他の窪む形状、弓形凸部その他の出っ張り形状、波形状、曲線形状、流線形状、直線形状、その他の幾何学形状などを採用することができる。
・・・略・・・
【0118】
また、上記第2の実施の形態及びその変形例においては、右結膜装着部18bの右辺及び左結膜装着部18dの左辺の形状等を例示したが、これに限らず、薬剤供給補助具10の縁は、任意の大きさ、任意の形状、任意の範囲で構成することができる。例えば、弓形凹部その他の窪む形状、弓形凸部その他の出っ張り形状、波形状、曲線形状、流線形状、直線形状、その他の幾何学形状などを採用することができる。
・・・略・・・
【0123】
さらに、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、右辺14b又は右結膜装着部18bの右辺を対象として、これを左方に弓なりに湾曲する形状に形成したが、これに限らず、装着時に右眼角に臨む縁であれば任意の縁を対象とすることができる。例えば、右辺を多層に形成した場合は、最左層の辺を左方に弓なりに湾曲する形状に形成することができる。
【0124】
さらに、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、左辺14d又は左結膜装着部18dの左辺を対象として、これを右方に弓なりに湾曲する形状に形成したが、これに限らず、装着時に左眼角に臨む縁であれば任意の縁を対象とすることができる。例えば、左辺を多層に形成した場合は、最右層の辺を右方に弓なりに湾曲する形状に形成することができる。
【0125】
また、上記第2の実施の形態の変形例として、図9の変形例を採用することができる。
図9の変形例は、3つ以上の装着部を設けた構成である。
【0126】
図9は、薬剤供給補助具10の正面図である。図9(a)?(c)中、二点鎖線で示す円は結膜の外縁を示している。
【0127】
図9(a)の変形例では、薬剤供給補助具10は、上眼瞼装着部18aと、下眼瞼装着部18cと、左結膜装着部18dと、上眼瞼装着部18a及び下眼瞼装着部18cを連結するブリッジ部16aと、ブリッジ部16cと、ブリッジ部16dとを有して構成されている。
【0128】
図9(b)の変形例では、薬剤供給補助具10は、上眼瞼装着部18aと、右結膜装着部18bと、下眼瞼装着部18cと、ブリッジ部16aと、ブリッジ部16bと、上眼瞼装着部18a及び下眼瞼装着部18cを連結するブリッジ部16cとを有して構成されている。
【0129】
図9(c)の変形例では、薬剤供給補助具10は、上眼瞼装着部18aと、右結膜装着部18bと、下眼瞼装着部18cと、左結膜装着部18dと、上眼瞼装着部18a及び下眼瞼装着部18cを連結するブリッジ部16aと、右結膜装着部18b及び左結膜装着部18dを連結するブリッジ部16bとを有して構成されている。ブリッジ部16a、16bは、中央(瞳孔領域)で接合されている。
・・・略・・・
【0135】
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤供給補助具10を眼球に直接装着したが、これに限らず、1又は複数の媒体(例えば、部材)を介して薬剤供給補助具10を間接的に眼球に装着することもできる。例えば、図10の変形例を採用することができる。
【0136】
図10は、コンタクトレンズ60の縦断面図である。
コンタクトレンズ60は、図10に示すように、ソフトコンタクトレンズからなる内レンズ62と、内レンズ62の前面に対面して配置されるソフトコンタクトレンズからなる外レンズ64とを有して構成されている。内レンズ62及び外レンズ64は、ソフトコンタクトレンズとして従来周知の基本形状であり、全体として球殻形状となっている。
【0137】
内レンズ62及び外レンズ64は開閉可能に下端が接合されている。内レンズ62と外レンズ64の接合部66以外は開口しており、被収容物は、この開口から挿入可能となっている。コンタクトレンズ60は、内レンズ62及び外レンズ64を一体成形により製造することができる。なお、内レンズ62及び外レンズ64の一方又は両方には、薬剤40の成分を通過させるための孔(貫通孔又は凹部)(以下「薬剤通過孔」という。)を形成することもできる。
【0138】
薬剤供給補助具10は、内レンズ62及び外レンズ64と同様に全体として球殻形状となっている。具体的には、薬剤供給補助具10の後面は、内レンズ62の前面にフィットするように内レンズ62の前面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。同様に、薬剤供給補助具10の前面は、外レンズ64の後面にフィットするように外レンズ64の後面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。
【0139】
使用者は、内レンズ62と外レンズ64との間を開き、外レンズ64の後面に薬剤供給補助具10を取り付け、内レンズ62と外レンズ64との間を閉じる。これにより、薬剤供給補助具10は、内レンズ62の前面と外レンズ64の後面との間で挟持される。そして、使用者は、薬剤供給補助具10を挟持した状態でコンタクトレンズ60を装着する。装用時は、薬剤40が溶け出すと、内レンズ62及び外レンズ64の境界から流出し又は内レンズ62若しくは外レンズ64の薬剤通過孔を通過して結膜や角膜等の部位にその成分が供給される。
【0140】
なお、図10の変形例は、薬剤40を装着する場合に限定されるものではなく、薬剤供給補助具10上に点眼薬を点眼する場合、又は薬剤供給補助具10上(プール19a、19b上を含む。)に軟膏薬を塗布する場合についても同様に適用することができる。また、コンタクトレンズ60は、内レンズ62だけの構成とすることもできる。この場合、薬剤供給補助具10は、吸着その他の装着手段により内レンズ62の前面に装着し、内レンズ62を介して眼球に装着する。また、コンタクトレンズ60は、外レンズ64だけの構成とすることもできる。この場合、薬剤供給補助具10は、吸着その他の装着手段により外レンズ64の後面に装着し、眼球に直接装着する。また、内レンズ62又は外レンズ64として、市販のコンタクトレンズを利用することもできるし、1又は複数の薬剤通過孔を形成した孔空きコンタクトレンズを利用することもできる。
・・・略・・・
【0146】
また、上記第2の実施の形態及びその変形例においては、吸盤構造により薬剤40を薬剤供給補助具10に装着したが、これに限らず、吸盤構造以外の吸着手段により薬剤40を装着することもでき、さらには吸着以外の装着手段により薬剤40を装着することもできる。装着手段は任意である。吸着以外の装着手段としては、例えば、粘着、接着、表面張力による取り付け、ヒンジ構造、ねじ構造、かしめ構造、ソケット構造、インロー嵌合構造、嵌め込み構造、差し込み構造、組み付け構造、連結構造その他任意の結合構造を採用することができる。ねじ構造としては、例えば、(1)薬剤供給補助具10及び薬剤40を貫通する雌ねじを形成し、これに雄ねじをねじ込んで接合する構造、(2)薬剤供給補助具10及び薬剤40の一方に雄ねじを形成し、他方に雌ねじを形成し、一方を他方にねじ込んで接合する構造を採用することができる。嵌め込み構造としては、例えば、薬剤供給補助具10及び薬剤40の一方に突起を形成し、この突起を受けるための孔(貫通孔又は凹部)を他方に形成し、一方を他方に嵌め込んで接合する構造を採用することができる。差し込み構造としては、例えば、薬剤供給補助具10及び薬剤40の一方に、他方に差し込み可能な突起(例えば、先端を尖らせた形状等の突起)を形成し、一方を他方に差し込んで接合する構造を採用することができる。連結構造としては、例えば、継手、連結器その他の連結手段で薬剤供給補助具10及び薬剤40を連結する構造を採用することができる。また、結合構造として、例えば、(1)薬剤供給補助具10及び薬剤40を直接結合する構造、(2)1又は複数の媒体(例えば、部材)を介して薬剤供給補助具10及び薬剤40を間接的に結合する構造を採用することができる。また、結合構造として、例えば、(1)薬剤供給補助具10又は薬剤40が取り外し可能な構造を採用することもでき、(2)さらに薬剤供給補助具10又は薬剤40が再結合可能な構造を採用することもできる。
・・・略・・・
【0149】
また、上記第2の実施の形態及びその変形例においては、薬剤供給補助具10に薬剤40を装着したが、これに限らず、薬剤40を装着しなくてもよい。この場合、例えば、特許文献1記載のコンタクトレンズのように、薬剤40の成分を原料樹脂内に混入して薬剤供給補助具10を構成することができる。また例えば、薬剤供給補助具10に代えて、薬剤供給補助具10と同様の形状に形成した薬剤その他の眼用装着物を用いることができる。
・・・略・・・
【0153】
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例において、薬剤供給補助具10は、ソフトコンタクトレンズと同一の材質で構成したが、これに限らず、ハードコンタクトレンズと同一の材質その他の材質で構成することもできる。例えば、薬剤その他の眼用装着物として構成することができる。
・・・略・・・
【0159】
また、上記第2の実施の形態及びその変形例においては、薬剤40を眼用装着物として採用したが、これに限らず、眼に装着可能な眼用装着物であれば任意の眼用装着物を採用することができる。眼用装着物としては、例えば、(1)電子デバイス、(2)ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズその他のレンズ、光ファイバー、光導波路、光アイソレータ、半導体レーザ等の光学デバイス、(3)薬剤供給補助具、(4)矯正具、(5)薬剤、(6)サプリメント、(7)磁性流体、又は(8)その他の眼用装着物を採用することができる。ここで、眼用装着物が電子デバイスの場合、(1)眼に対し情報の提供を行うデバイス(例えば、投影機)、(2)眼に関する情報の収集を行うデバイス(例えば、カメラ、生体センサその他のセンサ)、(3)眼の外側に対し情報の提供を行うデバイス(例えば、ディスプレイ)、(4)眼の外側に関する情報の収集を行うデバイス(例えば、カメラ、生体センサその他のセンサ)、(5)眼に対し機能の維持、回復若しくは付与又は作用を行うデバイス(例えば、医療機器、発光素子、圧電素子、振動素子、発熱素子)、又は(6)眼の外側に対し機能の付与又は作用を行うデバイス(例えば、医療機器、発光素子、圧電素子、振動素子、発熱素子)を採用することができる。また、電子デバイスに代えて光学デバイスその他の眼用デバイスを採用する場合も、同様に上記(1)?(6)の機能を備えるデバイスを採用することができる。また、眼用装着物がハードコンタクトレンズの場合、ハードコンタクトレンズが眼球に直接接触しにくいので装用感を向上することができる。
【0160】
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤供給補助具10を眼用器具として採用したが、これに限らず、眼に装着可能な眼用器具であれば任意の眼用器具を採用することができる。眼用器具としては、例えば、(1)電子デバイス、(2)ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズその他のレンズ、光ファイバー、光導波路、光アイソレータ、半導体レーザ等の光学デバイス、(3)薬剤供給補助具、(4)矯正具、又は(5)その他の眼用器具を採用することができる。また、薬剤供給補助具10としては、これら(1)?(5)以外に、眼に装着可能な眼用装着物を採用することができる。眼用装着物としては、例えば、これら(1)?(5)以外に、(6)薬剤、(7)サプリメント、(8)磁性流体、又は(9)その他の眼用装着物を採用することができる。
・・・略・・・
【0163】
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例は相互に適用することができる。
【0164】
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤供給補助具10に本発明を適用したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0165】
10…薬剤供給補助具、 10a、42、50a、50b…吸盤孔、12…貫通孔、 14a…上辺、 14b…右辺、 14c…下辺、 14d…左辺、 14e…左上肩、 14f…右上肩、 14g…右下肩、 14h…左下肩、 16a?16d…ブリッジ部、 18a…上眼瞼装着部、 18b…右結膜装着部、18c…下眼瞼装着部、 18d…左結膜装着部、 19a、19b…プール、 20…眼、 22…瞳孔、 24…角膜、 26a…上眼瞼結膜、 26b…下眼瞼結膜、 26c…左結膜、 26d…右結膜、 26e…上眼瞼結膜円蓋部、 26f…下眼瞼結膜円蓋部、 40…薬剤、 50…眼用アダプタ、60…コンタクトレンズ、 62…内レンズ、 64…外レンズ、 66…接合部」

ウ 図面
「【図1】


【図2】


【図3】


【図4】


【図5】


【図6】


【図7】


【図8】


【図9】


【図10】



(3) 上記(2)より、当初明細書等に記載された事項として以下の事項を把握することができる。
[A1] 「発明が解決しようとする課題」である眼角への干渉を低減するのに好適な「眼用装着物」(【0004】、【0005】)であって、請求項1?6に記載の「眼用装着物」、あるいは〔発明1〕?〔発明6〕の「眼用装着物」である、「眼に装着可能な眼用装着物であって」、「装着時に右(左)眼角に臨む縁が(右(左)眼角の水平位置で)左(右)方に(最も)窪む形状となっている眼用装着物」(【0006】?【0014】)。

[A2] 〔発明1〕?〔発明6〕(請求項1?6)の「眼用装着物を、眼に装着する態様としては、眼用装着物を眼に直接装着すること、眼との間に1又は複数の媒体(例えば、部材)を介在させて眼用装着物を眼に間接的に装着することが含まれる」こと(【0007】)。

[A3] 〔発明1〕?〔発明6〕(請求項1?6)の「眼用装着物は、人又は動物の眼球に装着可能な物として、より具体的には、眼球に形状適合性を有する曲面状又は眼球の表面形状に沿った球面形状の物として構成することができる」こと(【0008】)。

[B1] 「発明が解決しようとする課題」である眼角への干渉を低減するのに好適な「薬剤供給眼用装着物」(【0004】、【0005】)であって、請求項7?11に記載の「薬剤供給眼用装着物」及び当該「薬剤供給眼用装着物」における「眼用装着物」、あるいは〔発明7〕?〔発明11〕の「薬剤供供給眼用装着物」及び当該「薬剤供給眼用装着物」における「眼用装着物」である、「眼に装着可能な眼用装着物と、装着手段(被装着対象に吸着する吸着手段)を有する薬剤とを備え、前記装着手段が前記眼用装着物に装着して前記薬剤が前記眼用装着物に装着される薬剤供給眼用装着物であって」、「前記眼用装着物は、前記装着手段が装着可能な領域を有し、装着時に右(左)眼角に臨む縁が左(右)方に窪む形状となっている」「薬剤供給眼用装着物」、及び、「前記薬剤供給眼用装着物における前記薬剤を装着可能で且つ眼に装着可能な眼用装着物であって、前記装着手段が装着可能な領域を有し、装着時に右(左)眼角に臨む縁が左(右)方に窪む形状となっている眼用装着物」(【0015】?【0024】)。

[B2] 〔発明7〕?〔発明11〕(あるいは請求項7?11)の「薬剤供給眼用装着物」及び「薬剤供給眼用装着物」における「眼用装着物」においては、「眼に装着する態様としては」、「眼に直接装着すること、眼との間に1又は複数の媒体(例えば、部材)を介在させて」「眼に間接的に装着することが含まれる」こと(【0007】)。

[B3] 〔発明7〕?〔発明11〕(あるいは請求項7?11)の「薬剤供給眼用装着物」及び「薬剤供給眼用装着物」における「眼用装着物」においては、「人又は動物の眼球に装着可能な物として、より具体的には、眼球に形状適合性を有する曲面状又は眼球の表面形状に沿った球面形状の物として構成することができる」こと(【0008】)。

[C1] 〔発明1〕?〔発明6〕(請求項1?6)の「眼用装着物」、あるいは〔発明7〕?〔発明11〕(あるいは請求項7?11)の「薬剤供給眼用装着物」及び「薬剤供給眼用装着物」における「眼用装着物」としては、例えば、「眼用デバイス」、「薬剤供給補助具」、「矯正具」、「薬剤」、「サプリメント」及び「磁性流体」が含まれること。
「眼用デバイス」としては、例えば、(1)眼に対し情報の提供を行うデバイス、(2)眼に関する情報の収集を行うデバイス、(3)眼の外側に対し情報の提供を行うデバイス、(4)眼の外側に関する情報の収集を行うデバイス、(5)眼に対し機能の維持、回復若しくは付与又は作用を行うデバイス、及び(6)眼の外側に対して機能の付与又は作用を行うデバイスが含まれ、これらのうち(3)の機能としては、例えば、認証装置等に対して認証情報を投影する機能が挙げられること。
「眼用デバイス」としては、例えば、(1)光学デバイス(例えば、レンズ、光ファイバー、高導波路、光アイソレータ、半導体レーザ)、及び(2)電子デバイス(例えば、カメラ、投影機、センサ)が含まれこと(【0009】)。

[B4] 〔発明7〕?〔発明9〕の「薬剤供給眼用装着物」の「装着手段」としては、例えば、「眼用装着物」及び「薬剤」の一方に装着のための構成(例えば、吸盤構造)を設け、薬剤の当該構成が眼用装着物に装着する構成として実現する場合、両方に装着のための構成を設け、それぞれが雄及び雌のように対応して装着する構成が含まれること(【0017】、【0022】)。

[A4] 〔第1の実施形態〕として記載された、〔発明1〕?〔発明6〕(請求項1?6)の「眼用装着物」に対応する「薬剤供給補助具10」であって、公知のソフトレコンタクトレンズと同様に眼球の表面形状に沿った球面形状でなっている「薬剤供給補助具10」であり、公知のソフトコンタクトレンズと異なり、装着時に眼瞼裏側の深部にまで及び領域を有し、中央に形成された角膜よりも大径の「貫通孔」と、右眼角(右目の場合は内眼角、左眼の場合は外眼角)を回避するように、装着時に右眼角の水平位置で左方に最も窪むように左方に弓なりに湾曲する形状の「右辺14b」と、左眼角(右目の場合は外眼角、左眼の場合は内眼角)を回避するように、装着時に左眼角の水平位置で右方に最も窪むように右方に弓なりに湾曲する形状の「左辺14d」と、「上眼瞼結膜円蓋部」とともに「薬剤」を貯留する「プール19a」を区画する「上辺14a」と、「下眼瞼結膜円蓋部」とともに「薬剤」を貯留する「プール19b」を区画する「下辺14c」とを有する「薬剤供給補助具10」(【0034】?【0065】、図1、図2)。

[B5] 〔第2の実施形態〕として記載された、〔発明7〕?〔発明11〕(請求項7?11)の「薬剤供給眼用装着物」及び「眼用装着物」に対応する「薬剤供給補助具10」であって、角膜よりも大径の「開口部」と、装着時に右結膜に位置し、右眼角を回避するように、装着時に右眼角の水平位置で左方に最も窪むように左方に弓なりに湾曲する形状の「右結膜装着部18b」と、装着時に左結膜に位置し、左眼角を回避するように、装着時に左眼角の水平位置で右方に最も窪むように右方に弓なりに湾曲する形状の「左結膜装着部18d」と、「上眼瞼装着部18a」と、「下眼瞼装着部18c」とを有し、〔発明7〕?〔発明11〕(請求項7?11)の「装着手段」(あるいは「吸着手段」)に対応する、後面が「装着部18a?18d」の前面にフィットする球面形状となっているとともに、後面に吸盤構造となる吸盤孔が形成された「薬剤40」が、「装着部18a?18d」に装着される「薬剤供給補助具10」(【0066】?【0099】、図3?5)。

[B6] 〔第2の実施形態〕の変形例として、以下の[B6-1]?[B6-10]の構成を採用することができ、以下の[B6-1]?[B6-10]の構成中、「眼用装着物」、「眼用器具」及び「装着手段」のバリエーションについては、〔第2の実施形態〕及びその変形例を採用することができること(【0100】?【0116】)。

[B6-1] 眼球に装着する装着手段を有する「眼用装着物」(1層目)を備え、「眼用装着物」を眼球に装着する構成(〔1層構造:1層目内装着構成〕)(【0101】)。

[B6-2] 眼球に装着可能な「眼用器具」(1層目)と、眼用器具に装着する「装着手段」を有する「眼用装着物」(2層目)とを備え、「眼用装着物」を「眼用器具」に装着する構成(〔2層構造:2層目内装着構成〕、〔第2の実施形態〕に対応)(【0102】)。

[B6-3] 「眼用装着物」(2層目)と、「眼用装着物」に装着する「装着手段」を有し眼球に装着可能な「眼用器具」(1層目)とを備え、「眼用装着物」を「眼用器具」に装着する構成(〔2層構造:1層目外装着構成〕)(【0103】?【0106】)。

[B6-4] 眼球に装着可能な「眼用器具」(1層目)と、「眼用装着物」(2層目)と、眼用器具及び眼用装着物を装着する「装着手段」とを備え、「眼用装着物」を「眼用器具」に装着する構成(「眼用器具」の「装着手段」及び「眼用装着物」の「装着手段」がそれぞれ相手に装着する構成(〔2層構造:2層目内装着構成〕及び〔2層構造:1層目外装着構成〕)のほか、「眼用器具」の「装着手段」及び「眼用装着物」の「装着手段」が雄及び雌のように対応して装着する構成が含まれる。)(【0107】)。

[B6-5] 眼球に装着可能な「眼用器具」(1層目)と、「眼用装着物」(3層目)と、「眼用器具」及び「眼用装着物」に装着する「装着手段」を有する「眼用アダプタ」(2層目)とを備え、「眼用アダプタ」を介して「眼用装着物」を「眼用器具」に装着する構成(〔3層構造:2層目両装着構成〕)(【0108】?【0111】)。

[B6-6] 眼球に装着可能な「眼用器具」(1層目)と、「眼用装着物」(3層目)と、「眼用器具」に装着する吸盤構造その他の「装着手段」を有する「眼用アダプタ」(2層目)とを備え、「眼用アダプタ」を介して「眼用装着物」を「眼用器具」に装着する構成(〔3層構造:2層目内装着構成〕)(【0112】?【0114】)。

[B6-7] 眼球に装着可能な「眼用器具」(1層目)と、「眼用装着物」(3層目)と、「眼用装着物」に装着する「装着手段」を有する「眼用アダプタ」(2層目)とを備え、「眼用アダプタ」を介して「眼用装着物」を「眼用器具」に装着する構成(〔3層構造:2層目外装着構成〕)(【0115】)。

[B6-8] 水平方向、上下方向その他前後方向以外の方向に「眼用装着物」同士を装着し、装着した複数の「眼用装着物」を「眼用器具」又は眼球に装着する構成(〔前後方向外装着構成〕)(【0116】)。

[B6-9] 〔第1の実施の形態〕及びその変形例においては、薬剤供給補助具10の縁は、任意の大きさ、任意の形状、任意の範囲で構成することができること(【0117】)。

[B6-10] 〔第2の実施の形態〕及びその変形例においては、薬剤供給補助具10の縁は、任意の大きさ、任意の形状、任意の範囲で構成することができること(【0118】)。

[C2] 第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、装着時に右(左)眼角に臨む縁であれば任意の縁を対象とすることができ、例えば、右(左)辺を多層に形成した場合は、最左(右)層の辺を左(右)方に弓なりに湾曲する形状に形成することができること(【0123】、【0124】)。

[C3] 上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、「薬剤供給補助具10」を眼球に直接装着したが、これに限らず、1又は複数の媒体(例えば、部材)を介して薬剤供給補助具10を間接的に眼球に装着することもでき、例えば、従来周知の基本形状であり、全体として球殻形状となっているソフトコンタクトレンズである「内レンズ62」及び「外レンズ64」が開閉可能に下端が接合され、「内レンズ62」と「外レンズ64」の接合部66以外は開口しており、被収容物がこの開口から挿入可能となっている「コンタクトレンズ60」であって、ソフトコンタクトレンズである「内レンズ62」及び「外レンズ64」を一体成形により製造することができる「コンタクトレンズ60」を用いて、「内レンズ62」と「外レンズ64」との間を開き、「外レンズ64」の後面に「薬剤供給補助具10」を取り付け、「内レンズ62」と「外レンズ64」との間を閉じ、「薬剤供給補助具10」を「内レンズ62」の「前面と外レンズ64」の後面との間で挟持した状態で「コンタクトレンズ60」を装着する変形例を採用することができること(【0135】?【0139】、図10)。
「コンタクトレンズ60」を「内レンズ62」だけの構成とし、「薬剤供給補助具10」を装着手段により「内レンズ62」の前面に装着し、「内レンズ62」を介して眼球に装着したり、「コンタクトレンズ60」を「外レンズ64」だけの構成とし、「薬剤供給補助具10」を装着手段により「外レンズ64」の後面に装着し、眼球に直接装着したりできること(【0140】)。
「内レンズ62」又は「外レンズ64」として、市販のコンタクトレンズを利用することもできるし、1又は複数の薬剤通過孔を形成した孔空きコンタクトレンズを利用することもできること(【0140】)。

[B7] 〔第2の実施の形態〕及びその変形例においては、吸盤構造以外の「吸着手段」により「薬剤40」を装着することもでき、さらには吸着以外の任意の「装着手段」により「薬剤40」を装着することもできること。
吸着以外の「装着手段」としては、例えば、粘着、接着、表面張力による取り付け、ヒンジ構造、ねじ構造、かしめ構造、ソケット構造、インロー嵌合構造、嵌め込み構造、差し込み構造、組み付け構造、連結構造その他任意の結合構造を採用することができること。
ねじ構造としては、例えば、(1)「薬剤供給補助具10」及び「薬剤40」を貫通する雌ねじを形成し、これに雄ねじをねじ込んで接合する構造、(2)「薬剤供給補助具10」及び「薬剤40」の一方に雄ねじを形成し、他方に雌ねじを形成し、一方を他方にねじ込んで接合する構造を採用することができること。
嵌め込み構造としては、例えば、「薬剤供給補助具10」及び「薬剤40」の一方に突起を形成し、この突起を受けるための孔(貫通孔又は凹部)を他方に形成し、一方を他方に嵌め込んで接合する構造を採用することができること。
差し込み構造としては、例えば、「薬剤供給補助具10」及び「薬剤40」の一方に、他方に差し込み可能な突起を形成し、一方を他方に差し込んで接合する構造を採用することができること。
連結構造としては、例えば、継手、連結器その他の連結手段で「薬剤供給補助具10」及び「薬剤40」を連結する構造を採用することができること。
結合構造として、例えば、(1)「薬剤供給補助具10」及び「薬剤40」を直接結合する構造、(2)1又は複数の媒体(例えば、部材)を介して「薬剤供給補助具10」及び「薬剤40」を間接的に結合する構造を採用することができること。
結合構造として、例えば、(1)「薬剤供給補助具10」又は「薬剤40」が取り外し可能な構造を採用することもでき、(2)さらに「薬剤供給補助具10」又は「薬剤40」が再結合可能な構造を採用することもできること(以上【0146】)。

[B8] 〔第2の実施の形態〕及びその変形例においては、「薬剤供給補助具10」に「薬剤40」を装着したが、これに限らず、「薬剤40」を装着しなくてもよく、この場合、例えば、「薬剤40」の成分を原料樹脂内に混入して「薬剤供給補助具10」を構成することができ、また例えば、「薬剤供給補助具10」に代えて、「薬剤供給補助具10」と同様の形状に形成した「薬剤」その他の「眼用装着物」を用いることができること(【0149】)。

[C4] 第1及び第2の実施の形態並びにその変形例において、「薬剤供給補助具10」は、ソフトコンタクトレンズと同一の材質で構成したが、これに限らず、ハードコンタクトレンズと同一の材質その他の材質で構成することもでき、例えば、「薬剤」その他の「眼用装着物」として構成することができること(【0153】)。

[B9] 〔第2の実施の形態〕及びその変形例においては、「薬剤40」を「眼用装着物」として採用したが、眼に装着可能な「眼用装着物」であれば任意の「眼用装着物」を採用することができること。
「眼用装着物」としては、例えば、(1)電子デバイス、(2)ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズその他のレンズ、光ファイバー、光導波路、光アイソレータ、半導体レーザ等の光学デバイス、(3)薬剤供給補助具、(4)矯正具、(5)薬剤、(6)サプリメント、(7)磁性流体、又は(8)その他の「眼用装着物」を採用することができること。
「眼用装着物」が電子デバイスの場合、(1)眼に対し情報の提供を行うデバイス(例えば、投影機)、(2)眼に関する情報の収集を行うデバイス(例えば、カメラ、生体センサその他のセンサ)、(3)眼の外側に対し情報の提供を行うデバイス(例えば、ディスプレイ)、(4)眼の外側に関する情報の収集を行うデバイス(例えば、カメラ、生体センサその他のセンサ)、(5)眼に対し機能の維持、回復若しくは付与又は作用を行うデバイス(例えば、医療機器、発光素子、圧電素子、振動素子、発熱素子)、又は(6)眼の外側に対し機能の付与又は作用を行うデバイス(例えば、医療機器、発光素子、圧電素子、振動素子、発熱素子)を採用することができること。
電子デバイスに代えて光学デバイスその他の眼用デバイスを採用する場合も、同様に上記(1)?(6)の機能を備えるデバイスを採用することができること。
「眼用装着物」がハードコンタクトレンズの場合、ハードコンタクトレンズが眼球に直接接触しにくいので装用感を向上することができること(以上【0159】)。

[C5] 第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、「薬剤供給補助具10」を「眼用器具」として採用したが、これに限らず、眼に装着可能な「眼用器具」であれば任意の「眼用器具」を採用することができること。
「眼用器具」としては、例えば、(1)電子デバイス、(2)ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズその他のレンズ、光ファイバー、光導波路、光アイソレータ、半導体レーザ等の光学デバイス、(3)薬剤供給補助具、(4)矯正具、又は(5)その他の眼用器具を採用することができること。
また、「薬剤供給補助具10」としては、これら(1)?(5)以外に、眼に装着可能な「眼用装着物」を採用することができること。
「眼用装着物」としては、例えば、これら(1)?(5)以外に、(6)薬剤、(7)サプリメント、(8)磁性流体、又は(9)その他の「眼用装着物」を採用することができること(以上【0160】)。

[C6] 第1及び第2の実施の形態並びにその変形例は相互に適用することができること(【0163】)。

[C7] 第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、「薬剤供給補助具10」に本発明を適用したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能であること(【0164】)。

(4) 本件補正後の請求項1、2に係る発明は、「眼に装着可能な眼用器具」であって、「全体が眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右(左)眼角に臨む縁が左(右)方に窪む形状の第1挟持体と、全体が眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右(左)眼角に臨む縁が左(右)方に窪む形状の第2挟持体とを備え、前記第1挟持体と前記第2挟持体との間で被挟持物を挟持可能であり」、「前記第1挟持体と前記第2挟持体との間が前記被挟持物を挿入可能に開口し前記第1挟持体及び前記第2挟持体が結合されている」ものを含むである。
これに対して、当初明細書等に記載された、「被挟持物を挟持可能」である「第1挟持体」及び「第2挟持体」を備えた「眼に装着可能な眼用器具」については、上記(3)の[C3]のとおり、第1の実施例の形態及び第2の実施の形態並びにその変形例に限らず、「薬剤供給補助具10」を間接的に眼に装着するための手段としては、「ソフトコンタクトレンズとして従来周知の基本形状であり、全体として球殻形状となっている」とされる、「内レンズ62」及び「外レンズ64」が開閉可能に下端が接合され、接合部66以外は開口しており、被収容物がこの開口から挿入可能となっており、使用者は、一体成形により製造することができる「内レンズ62」と「外レンズ64」との間を開き、「外レンズ64」の後面に「薬剤供給補助具10」を取り付け、「内レンズ62」と「外レンズ64」との間を閉じ、「薬剤供給補助具10」を「内レンズ62」の前面と「外レンズ64」の後面との間で挟持した状態で眼球に装着するようにした、コンタクトレンズからなるものが把握できるだけである。そして、この「内レンズ62」及び「外レンズ64」は、「ソフトコンタクトレンズとして従来周知の基本形状であり、全体として球殻形状となっている」ものであるから、装着時に右(左)眼角に臨む縁が左(右)方に窪む形状となっているとは認められない。
さらに、通常の「ソフトコンタクトレンズ」の基本形状は、眼角にまで及ぶほどのものではない。そうすると、上記[C3]の、「従来周知の基本形状であり、全体として球殻形状となっている」ソフトコンタクトレンズからなる「内レンズ62」及び「外レンズ64」は、装着時に眼角への干渉を考慮する必要がないものである(上記[C3]の「内レンズ62又は外レンズ64として、市販のコンタクトレンズを利用することもできる」との事項からも、「コンタクトレンズ60」(「内レンズ62」又は「外レンズ64」)が、装着時に右(左)眼角に臨む縁が左(右)方に窪む形状となっていないと理解することができる。)。
そうしてみると、上記(3)で挙げた全ての事項を含めて考慮したとしても、上記[C3]の変形例において用いられる「コンタクトレンズ60」について、眼角への干渉を低減するのに好適な、装着時に右(左)眼角に臨む縁が左(右)方に窪む形状となっているものまでもが導かれるということはできない。
そうしてみると、本件補正により、請求項1、2に係る発明に含まれることとなった「眼に装着可能な眼用器具」の上記構成は、当業者によって、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるということはできない。

(5) 加えて、本件補正後の請求項1、2に係る発明は、「眼に装着可能な眼用器具」として、[D1]ハードコンタクトレンズからなる「コンタクトレンズ」、あるいは、[D2]「ソフトコンタクトレンズ」であるとしても、一体成形により製造され、内レンズ及び外レンズが開閉可能に下端が接合され、内レンズと外レンズの接合部以外は開口している構成以外のもの、例えば、[D2-1]一体成形による接合以外の任意の結合構造(例えば、「ネジ」を用いた結合)により内レンズと外レンズとを結合した「コンタクトレンズ」、[D2-2]被挟持物の挿入時に内レンズと外レンズとが結合(接合)されずに開口し、被挟持物を挿入後に内レンズと外レンズとを結合(接合)する「コンタクトレンズ」、[D2-3]「内レンズ」及び「外レンズ」との間で被挟持物を挟持する以外の構成、例えば、全体が眼球の表面形状に沿った球面形状ではあるもののレンズ部を構成しない「非レンズ部」と「レンズ部」との間で挟持する構成の「コンタクトレンズ」、[D2-4]「非レンズ部」同士の間で挟持する構成の「コンタクトレンズ」、[D2-5]「内レンズ62」及び「外レンズ64」が「挿入可能に開口」するとしても、「開閉可能」とはいえないもの(例:本件出願後の令和元年8月8日に公開された、特開2019-133125号公報の図19のように貫通孔から挿入するもの、図21のようにポケットに挿入するもの)、[D2-6]「内レンズ62」及び「外レンズ64」が「挿入可能に開口」するとしても、「下端が接合されている」とはいえないもの(例:上記公報の図20、図21のように、中央部分で接合されているもの、左端(右端)側で接合されているもの、なお、この点は、【請求項3】に「前記第1挟持体の周端と前記第2挟持体の周端との間が前記被挟持物を挿入可能に開口している」と記載されていることからみても明かである。)、[D2-7]「接合」ではなく「結合」しているもの(例:上記公報の【0008】に記載の概念のもの)を含む。
そうしてみると、本件補正により、請求項1、2に係る発明に含まれることとなった「眼に装着可能な眼用器具」の上記の構成は、当業者によって、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるということはできない。

(6) さらに加えて、上記(3)の[C5]等によれば、本件補正後の請求項1、2に係る発明は、「コンタクトレンズ」以外の「眼に装着可能な眼用器具」として、[E]電子デバイス、[F]光ファイバー、光導波路、光アイソレータ、半導体レーザ等の光学デバイス、[G]薬剤供給補助具、[H]薬剤、あるいは[I]矯正具であって、全体が眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右(左)眼角に左(右)方に窪む形状の第1挟持体と、全体が眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右(左)眼角に左(右)方に窪む形状の第2挟持体とを備え、第1挟持体と第2挟持体との間で被挟持体を挟む構成のものや、第1挟持体と第2挟持体との間が被挟持物を挿入可能に開口し第1挟持体と第2挟持体が結合されている構成のものを含む。
しかしながら、上記(3)で挙げた全ての事項からは、「眼に装着可能な眼用器具」として、例えば、電子デバイスであって、全体が眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右(左)眼角に左(右)方に窪む形状の第1挟持体と、全体が眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右(左)眼角に左(右)方に窪む形状の第2挟持体を備え、第1挟持体と第2挟持体との間で被挟持体を挟む構成のもの、第1挟持体と第2挟持体との間が被挟持物を挿入可能に開口し第1挟持体と第2挟持体が結合されている構成のものまでもが導かれるということはできない。
「眼用器具」を、眼に装着することが可能な、光ファイバー、光導波路、光アイソレータ、半導体レーザ等の光学デバイス、薬剤供給補助具、薬剤、あるいは矯正具としたものにおいても同様に、上記(3)で挙げた全ての事項からは、これらのものにおいて、全体が眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右(左)眼角に左(右)方に窪む形状の第1挟持体と、全体が眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右(左)眼角に左(右)方に窪む形状の第2挟持体とを備え、第1挟持体と第2挟持体との間で被挟持体を挟む構成のもの、第1挟持体と第2挟持体との間が被挟持物を挿入可能に開口し第1挟持体と第2挟持体が結合されている構成のものまでもが導かれるということはできない(変形例における、一体成形により製造され、ソフトコンタクトレンズからなる内レンズ及び外レンズが開閉可能に下端が接合され、内レンズと外レンズの接合部以外は開口している構成が、機能、構造、形状、材質、製造方法等において異なる電子デバイス、光学デバイス、薬剤供給補助具、薬剤、あるいは矯正具に採用されることは、当業者にとって自明のことではない。あるいは、上記[C3]の変形例の構造から、第1挟持体と、第2挟持体を備え、第1挟持体と第2挟持体との間で被挟持物を挟持可能であり、第1挟持体と第2挟持体との間が被挟持物を挿入可能に開口し第1挟持体及び第2挟持体が結合されている構造として上位概念化した構造を抽出することや、当該構造を眼用器具である電子デバイス、光学デバイス、薬剤供給補助具、薬剤あるいは矯正具などの構造とすることは、当初明細書等に記載・示唆されていない。また、当業者にとって自明の事項とも認められない。)。
そうしてみると、本件補正により、請求項1、2に係る発明に含まれることとなった、電子デバイス、光学デバイス、薬剤供給補助具、薬剤、あるいは矯正具の上記構成は、当業者によって、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるということはできない。

(7) 令和2年2月25日提出の審判請求書における請求人の主張について
ア 請求人は、審判請求書の「第4の2」において、
「原審は、請求項1、2に対する補正が新規事項を追加するものであると認定している。確かに、原審が指摘するように、出願当初明細書〔0135〕?〔0140〕には、内レンズ62及び外レンズ64の平面形状が、装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状又は装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状といった直接的な記載はない。」、「しかしながら、次の5つの点から出願当初明細書の記載に接した当業者であれば、請求項1、2の記載は自明な事項として把握することができる。」、「1.『1又は複数の媒体(例えば、部材)を介して薬剤供給補助具10を間接的に眼球に装着することもできる。』の記載(出願当初明細書〔0135〕)から、内レンズ62及び外レンズ64が薬剤供給補助具10を間接的に眼球に装着するための部材であること(すなわち、薬剤供給補助具10と同等の用途及び近い機能を有し且つ薬剤供給補助具10と一体に使用される部材であること)」、「2.『内レンズ62の前面にフィットするように内レンズ62の前面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。』」の記載(出願当初明細書〔0138〕)から、内レンズ62及び外レンズ64が薬剤供給補助具10にフィットするものであること(すなわち、形状的な一体性を有すること)」、「3.本願は一貫して、「眼角への干渉を低減する」という課題(出願当初明細書〔0004〕〔0005〕)を解決するために、装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状又は装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状をその課題解決手段(出願当初明細書〔0006〕〔0012〕)として採用することを趣旨としていること」、「4.『上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例は相互に適用することができる。』及び『上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤供給補助具10に本発明を適用したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。』の記載(出願当初明細書〔0163〕〔0164〕)から、第1及び第2の実施の形態の技術的事項(装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状又は装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状)を、図10の変形例における内レンズ62及び外レンズ64にも適用し得ることが示唆されていること(すなわち、薬剤供給補助具10と同等の用途、近い機能及び形状的な一体性を有し且つ薬剤供給補助具10と一体に使用される部材である『内レンズ62及び外レンズ64』に対し第1及び第2の実施の形態の技術的事項を適用し得ると理解することは容易であること)」、「5.第1及び第2の実施の形態の技術的事項(装着時に右眼角に臨む縁が左方に窪む形状又は装着時に左眼角に臨む縁が右方に窪む形状)を、図10の変形例における内レンズ62及び外レンズ64に適用することを阻害する記載も示唆も技術的事情も存在しないこと」、「したがって、請求項1、2に対する補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであるので、拒絶理由2は存在しないものと考える。」旨主張している。

イ しかしながら、上記「1.」?「3.」のとおりであって、かつ、当初明細書等に「上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例は相互に適用することができる。」及び「上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤供給補助具10に本発明を適用したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。」との記載があるとしても、上記(4)で述べたとおり、上記(3)の[C3]の変形例のソフトコンタクトレンズからなる「内レンズ62」及び「外レンズ64」が、装着時に右(左)眼角に臨む縁が左(右)方に窪む形状となっているとは認められない。さらに、通常の「ソフトコンタクトレンズ」の基本形状は眼角にまで及ぶほどのものではなく、装着時に眼角への干渉を考慮する必要がないものである。
そうしてみると、上記(3)の全ての事項を考慮したとしても、上記(3)の[C3]のソフトコンタクレンズからなる「内レンズ62」及び「外レンズ64」について、装着時に右(左)眼角に臨む縁が左(右)方に窪む形状としたものまでもが導かれるということはできない。
よって、請求人の主張を採用することはできない。

ウ また、上記(5)で述べたとおり、上記(3)で挙げた全ての事項からは、上記[D1]の構成の「コンタクトレンズ」、あるいは[D2]の構成の「コンタクトレンズ」までもが導かれるということはできない。
さらに、上記(6)で述べたとおり、上記(3)で挙げた全ての事項からは、「眼に装着可能な眼用器具」が、電子デバイス、光学デバイス、薬剤供給補助具、薬剤、あるいは矯正具であって、全体が眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右(左)眼角に左(右)方に窪む形状の第1挟持体と、全体が眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右(左)眼角に左(右)方に窪む形状の第2挟持体とを備え、第1挟持体と第2挟持体との間で被挟持体を挟む構成のものや、第1挟持体と第2挟持体との間が被挟持物を挿入可能に開口し第1挟持体と第2挟持体が結合されている構成のものまでもが導かれるということはできない。

3 本件補正についてのむすび
前記2のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本件発明について
1 本件発明
本件補正は却下されたので、本件出願の請求項1?33に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」?「本件発明33」という。)は、平成31年2月28日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?33に記載された事項により特定される、前記第2[理由]「1」「(1)」に記載のとおりのものである。

2 原査定の理由
原査定の拒絶理由の「理由2.新規事項」は、「請求項8-15」に関し、平成31年2月28日付け手続補正書でした手続補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないというものである。

3 当合議体の判断
本件発明8(本件発明9)と本件補正後の請求項1(請求項2)に係る発明は、「眼に装着可能な眼用器具であって」、「眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右(左)眼角に臨む縁が左(右)方に窪む形状の第1挟持体と」、「眼球の表面形状に沿った球面形状及び装着時に右(左)眼角に臨む縁が左(右)方に窪む形状の第2挟持体とを備え、前記第1挟持体と前記第2挟持体との間で被挟持物を挟持可能であり」、「前記第1挟持体と前記第2挟持体との間が前記被挟持物を挿入可能に開口し前記第1挟持体及び前記第2挟持体が結合されている」という構成を具備する点においては、何ら変わるところがない。
そうしてみると、前記「第2」[理由]2で述べたのと同じ理由により、平成31年2月28日提出の手続補正書による補正も、当業者によって、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるということはできない。
したがって、平成31年2月28日付け手続補正書による手続補正は、願書に最初に添付した特許請求の範囲、明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

第4 まとめ
以上のとおり、平成31年2月28日付けでした手続補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
したがって、本件出願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2020-04-24 
結審通知日 2020-04-28 
審決日 2020-05-20 
出願番号 特願2018-67131(P2018-67131)
審決分類 P 1 8・ 55- Z (G02C)
P 1 8・ 561- Z (G02C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 清水 督史廣田 健介  
特許庁審判長 樋口 信宏
特許庁審判官 河原 正
井口 猶二
発明の名称 眼用装着物、眼用器具、被挟持体、挟持体、薬剤装着眼用器具、薬剤、電子デバイス装着眼用器具、電子デバイス、光学デバイス装着眼用器具、光学デバイス  
代理人 渡部 仁  
代理人 渡部 仁  

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