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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1363940
審判番号 不服2019-5960  
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-05-08 
確定日 2020-07-08 
事件の表示 特願2017-109935「発光装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 7月12日出願公開、特開2018-110206〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

平成29年 6月 2日 特許出願(パリ条約による優先権主張 平成29年 1月 3日 台湾)
平成30年 2月13日付け 拒絶理由通知(同年 2月20日発送)
平成30年 4月19日 意見書・手続補正書
平成30年 7月23日付け 拒絶理由通知(同年 7月31日発送)
平成30年10月29日 意見書・手続補正書
平成30年12月28日付け 拒絶査定(平成31年 1月 8日送達)
令和 1年 5月 8日 本件審判請求・手続補正書

第2 令和1年5月8日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
令和1年5月8日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正の概略
本件補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項1に、
「【請求項1】 プリント回路基板と、
前記プリント回路基板上に形成される反射層と、
前記反射層上に形成される、屈曲可能な光ガイド層と、
光が前記1つまたは複数の側面から前記光ガイド層に入ることを可能にするために前記光ガイド層の1つまたは複数の側面上に設けられる1つまたは複数の光源と、
前記光ガイド層上に形成される拡散層と、
前記光ガイド層と前記拡散層との間に形成される空気層と、を備え、
前記光ガイド層の1つの表面には、複数の微細構造体を形成することを特徴とする、発光装置。」
とあるものを、
「【請求項1】 プリント回路基板と、
前記プリント回路基板上に形成される反射層と、
前記反射層上に形成される、屈曲可能な光ガイド層と、
光が前記1つまたは複数の側面から前記光ガイド層に入ることを可能にするために前記光ガイド層の1つまたは複数の側面上に設けられる1つまたは複数の光源と、
前記光ガイド層上に形成される拡散層と、
前記光ガイド層と前記拡散層との間に形成される空気層と、を備え、
前記光ガイド層の1つの表面には、複数の微細構造体を形成し、
前記微細構造体は、球形状の球形微細構造体又は円錐形状の円錐形微細構造体のいずれか1種類又は2種類の組み合わせからなることを特徴とする、 発光装置。」(当審注:下線は、請求人が補正箇所に付した下線である。)
と補正する補正事項を含むものである。

上記補正事項は、「光ガイド層の1つの表面」に形成された「微細構造体」の形状について、「球形状の球形微細構造体又は円錐形状の円錐形微細構造体のいずれか1種類又は2種類の組み合わせからなる」に減縮する補正であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とする補正である。そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たすか)否かについて検討する。

2 引用文献と引用発明
(1)引用文献

原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2011-9125号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある。(当審注:下線は、当審で付加した。以下、同様である。)

「【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示パネルなどを照明する装置に使用される導光板及び面状光源に関する。


「【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る導光板及び面状光源の第1実施形態を、図1及び図2に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0017】
本実施形態における面状光源1は、図1及び図2に示すように、携帯電話機等の液晶表示装置10における液晶表示パネル11を照明するバックライトユニットである。この面状光源1は、光源Lと、該光源Lを光入射面である側端面2aに配した導光板2と、を備えている。
【0018】
上記導光板2は、入射され導光した光を光路変換して主面側から面状に出射する導光板であって、光を導光する樹脂材料で形成された可撓性薄板状又はシート状の基材部3と、該基材部3の表面に設けられ基材部3よりも紫外線透過性の低い光透過性樹脂で形成された劣化防止層4と、を備えている。
【0019】
上記基材部3は、例えば、熱可塑性ウレタン系樹脂で形成されている。すなわち、この導光板2は、熱可塑性の可撓性導光板である。
また、上記劣化防止層4は、アクリル系樹脂で形成されている。さらに、劣化防止層4は、青い染料が含有されて青く着色されている。なお、ウレタン樹脂の屈折率は、1.47?1.492であり、アクリル系樹脂の屈折率は1.49である。
この劣化防止層4は、基材部3の表面にUV硬化樹脂を塗布してUV硬化させたコーティング層である。
【0020】
なお、劣化防止層4の厚みは、0.1?10μmの範囲内に設定されることが好ましい。すなわち、劣化防止層4が0.1μmよりも薄いと、熱可塑性ウレタン系樹脂の基材部3とアクリル系樹脂の劣化防止層4との架橋による融着が少なくなり、密着性が低下してしまうと共に、劣化防止層4が10μmを越えると、不必要に厚くなって全体が硬くなり、可撓性を利用した用途に適さなくなるためである。したがって、より好ましくは、劣化防止層4の厚さは、特に1?5μmの範囲内に設定される。
【0021】
上記光源Lは、LED光源であって、側端面2aに光出射面である先端面を対向させて設置された白色LEDである。この白色LEDは、例えば基板上の半導体発光素子を樹脂材で封止したものであり、半導体発光素子として、例えば青色(波長λ:470?490nm)LED素子又は紫外光(波長λ:470nm未満)LED素子であって、例えばサファイア基板などの絶縁性基板上に窒化ガリウム系化合物半導体(例えばInGaN系化合物半導体)の複数の半導体層が積層されて形成されたものである。
【0022】
また、この半導体発光素子を封止する樹脂材は、シリコーン樹脂を主剤とし、例えばYAG蛍光体が添加されている。このYAG蛍光体は、半導体発光素子からの青色光又は紫外光を黄色光に変換させて混色効果により白色光を生じさせるものである。なお、LED光源は、先端面からのみ光が出射されるように先端面以外の樹脂材側面には、反射枠が形成されている。また、白色LEDとしては、上記以外でも種々のものが採用可能である。
【0023】
また、本実施形態の液晶表示装置10は、図2に示すように、液晶表示パネル11と、液晶表示パネル11の裏面側に配された上記面状光源1と、を備えている。
【0024】
すなわち、この液晶表示装置10は、上記面状光源1と、導光板2上に配され導光板2からの光を拡散させて面内の光強度を均一にする拡散シート12と、拡散シート12上に配され拡散シート12からの光を液晶表示パネル11に向けた上方向への照射光として出射する第1プリズムシート13A及び第2プリズムシート13Bと、導光板2の下面に配された反射シート14と、を備えている。
なお、本実施形態では、液晶表示パネル11の画面側及び面状光源1の光出射面側を表面側又は上面側として記載している。」

「【0033】
次に、本発明に係る導光板及び面状光源の第2実施形態について、図3を参照して以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0034】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、基材部3の表面のみに劣化防止層4が成膜されているのに対し、第2実施形態の面状光源21は、図3に示すように、基材部3の表裏面それぞれに劣化防止層24A,24Bが形成されている導光板22を採用している点である。
【0035】
また、第2実施形態の導光板22は、裏面側の劣化防止層24Aに、出射される光の光路変換を行う複数の凸状白色ドットである微細光学形状24aが施されている点でも第1実施形態と異なっている。この凸状白色ドットの微細光学形状24aは、白色インクの印刷によって形成されている。
なお、微細光学形状24aとしては、凸状白色ドット以外にプリズム又は溝等を形成しても構わない。また、表面側の劣化防止層24B又は劣化防止層24A,24Bの両方に微細光学形状24aを形成しても構わない。
【0036】
すなわち、第2実施形態の導光板22では、基材部3の表面だけでなく裏面にも劣化防止層24Aが成膜されているので、紫外線及び空気を遮断する効果がさらに高まり、基材部3の劣化及び酸化により黄変をより抑制することができる。
また、劣化防止層24Aに、出射される光の光路変換を行う複数の微細光学形状24aが施されているので、基材部3への加工や印刷が不要で、劣化防止層24Aの微細光学形状24aにより輝度分布の調整や光学特性の維持を図ることができる。」


図1、図2、図3は、以下のとおりである。

(2)引用発明
第2実施形態から引用発明を認定する。ここで【0034】、【0035】の記載によれば、第2実施形態は、劣化防止層と微細光学形状の点で第1実施形態と相違するから、ここでは劣化防止層と微細光学形状の点を除き、第1実施形態の記載を参酌する。
そして、上記(1)をまとめると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

(引用発明)
「光源Lと、該光源Lを光入射面である側端面2aに配した導光板2と、を備える面状光源1と、(【0017】)
導光板2上に配され導光板2からの光を拡散させて面内の光強度を均一にする拡散シート12と、(【0024】)
導光板2の下面に配された反射シート14と、(【0024】)
を備えた液晶表示パネルなどを照明する装置であって、(【0001】)
導光板2は、入射され導光した光を光路変換して主面側から面状に出射する導光板であって、光を導光する樹脂材料で形成された可撓性薄板状又はシート状の基材部3と、該基材部3の表裏面それぞれに設けられ基材部3よりも紫外線透過性の低い光透過性樹脂で形成された劣化防止層24A,24Bと、を備え、(【0018】、【0034】)
裏面側の劣化防止層24Aに、出射される光の光路変換を行う微細光学形状24aが施されている(【0035】)
液晶表示パネルなどを照明する装置。」


3 対比

本願補正発明と引用発明を対比する。

(1)
本願補正発明の「プリント回路基板と、」との特定事項について検討すると、引用発明はこのような構成を備えていない。

(2)

本願補正発明の「前記プリント回路基板上に形成される反射層と、」との特定事項について検討する。

引用発明は「反射シート14」を備えているから、本願補正発明と引用発明とは「反射層」を備える点で共通する。

しかしながら、引用発明は「プリント回路基板」を備えておらず、「反射層」が「プリント回路基板上に形成される」とはいえない点で、両者は相違する。

(3)

本願補正発明の「前記反射層上に形成される、屈曲可能な光ガイド層と、」との特定事項について検討する。

引用発明の「導光板2の下面に配された反射シート14」は、言い換えれば、「反射シート14の上面に配された導光板2」であるから、引用発明は「反射層上に形成される光ガイド層」との特定事項を備える。
また、引用発明の「導光板2」は「樹脂材料で形成された可撓性薄板状又はシート状の基材部3」と、「光透過性樹脂で形成された劣化防止層24A,24Bと」から構成されている。そして、【0020】には「劣化防止層4が10μmを越えると、不必要に厚くなって全体が硬くなり、可撓性を利用した用途に適さなくなるため」、「劣化防止層4の厚みは、0.1?10μmの範囲内に設定されることが好ましい」と記載されており、引用発明の「劣化防止層24A,24B」も「劣化防止層4」と同様のものであるから、引用発明の「導光板2」は可撓性を利用した用途に適した屈曲可能なものといえる。


そうすると、引用発明における「導光板2」は本願補正発明の「光ガイド層」に相当し、引用発明は「反射層上に形成される、屈曲可能な光ガイド層」との構成を備えている。

(4)

本願補正発明の「光が前記1つまたは複数の側面から前記光ガイド層に入ることを可能にするために前記光ガイド層の1つまたは複数の側面上に設けられる1つまたは複数の光源と、」との特定事項について検討する。

引用発明における「導光板2」は、「側端面2a」が「光入射面」であり、「光源L」は「導光板2」の「側端面2aに配した」わけだから、光が側面から「導光板2」に入ることを可能にするために、「導光板2」の「側端面2a」に設けられる「光源L」を備えたものである。

そうすると、引用発明の「光源L」は、本願補正発明の「光源」に相当し、引用発明は「光が1つの側面から光ガイド層に入ることを可能にするために光ガイド層の1つの側面上に設けられる1つの光源」との特定事項を備えている。

(5)

本願補正発明の「前記光ガイド層上に形成される拡散層と」との特定事項について検討する。

引用発明は「導光板2上に配され導光板2からの光を拡散させて面内の光強度を均一にする拡散シート12」を備えており、引用発明の「拡散シート12」は本願補正発明の「拡散層」に相当する。

したがって、引用発明は「光ガイド層上に形成される拡散層」との特定事項を備える。

(6)

本願補正発明の「前記光ガイド層と前記拡散層との間に形成される空気層と、を備え」との特定事項について検討する。

引用発明の「導光板2」と「拡散シート12」との間に空気層を備えているか不明であるから、引用発明はこのような特定事項を備えているか不明である。

(7)

本願補正発明の「前記光ガイド層の1つの表面には、複数の微細構造体を形成し、」との特定事項について検討する。

引用発明は「導光板2」の一部である「基材部3」の裏面側の「劣化防止層24A」に「出射される光の光路変換を行う複数の凸状白色ドットである微細光学形状24a」を備えており、引用発明の「微細光学形状24a」は本願補正発明の「微細構造体」に相当する。

したがって、引用発明は「光ガイド層の1つの表面には、複数の微細構造体を形成し」との特定事項を備える。

(8)

本願補正発明の「前記微細構造体は、球形状の球形微細構造体又は円錐形状の円錐形微細構造体のいずれか1種類又は2種類の組み合わせからなる」との特定事項について検討する。

引用発明において「微細光学形状24a」の形状は、上記の特定事項を備えていない。

(9)
以上をまとめると、本願補正発明と引用発明は、以下の(一致点)で一致し、(相違点1)ないし(相違点3)で相違する。

(一致点)
「反射層と、
前記反射層上に形成される、屈曲可能な光ガイド層と、
光が前記1つまたは複数の側面から前記光ガイド層に入ることを可能にするために前記光ガイド層の1つまたは複数の側面上に設けられる1つまたは複数の光源と、
前記光ガイド層上に形成される拡散層と、を備え、
前記光ガイド層の1つの表面には、微細構造体を形成する、
発光装置。」

(相違点1)
本願補正発明は「プリント回路基板」を備え、反射層が「プリント回路基板上に形成される」のに対し、引用発明はこのような構成を備えていない点。

(相違点2)
本願補正発明は「前記光ガイド層と前記拡散層との間に形成される空気層」を備えるのに対し、引用発明はこのような構成を備えているか不明である点。

(相違点3)
微細構造体の形状が、本願補正発明は、「球形状の球形微細構造体又は円錐形状の円錐形微細構造体のいずれか1種類又は2種類の組み合わせからなる」のに対し、引用発明はそのような特定がされていない点。


4 判断
(1)相違点1

サイドライト型(エッジライト型)の液晶表示装置において、反射部材の裏側にプリント回路基板を備えること、すなわち、プリント回路基板、反射部材、導光板、液晶表示器をこの順に配置し、プリント回路基板で反射部材及びLED光源を支持することは、以下の(ア)?(ウ)に記載されるように、当業者の周知技術(以下、「周知技術1」という。)である。

(ア)引用文献2:特開2005-300673号公報
a
引用文献2の【請求項1】、【0024】-【0030】には下記の記載がある。
「【請求項1】
内面に画素形成用の電極を有する一対の透明基板の間に液晶層を挟持して構成された液晶表示パネルと、
前記液晶表示パネルの背面に設置され、且つ前記液晶表示パネルに対向する前面に光を面状に展開して拡散させる光出射面を有し、前記光出射面と反対向する背面に当該光出射面に対して光を反射させる光反射面を有する導光体と、
前記導光体の側壁に設置され、且つ前記導光体内に光を照射する複数の発光素子と、を備え、
前記光反射面は、前記発光素子の各主光線の進行方向と同方向に向かって前記発光素子を中心とする同心円状の溝を有する複数の光反射パターンが前記発光素子に対応して第1の光反射パターン領域と第2の光反射パターン領域とに分けて形成され、且つ前記第1の光反射パターン領域と前記第2の光反射パターン領域との間に前記光反射パターンの端部が互いに交差する光反射パターン交差領域を有することを特徴とする液晶表示装置。」

「【0024】
図1は、本発明による液晶表示装置の実施例1を説明するための液晶表示パネル及び収容ケース等を除いた要部構成を示す展開斜視図である。図1において、モールドケースMLDは略矩形の枠状体である。このモールドケースMLDは全体として弾性を有する樹脂材料で形成されている。このモールドケースMLDの第1辺LW1の内壁には発光素子としての発光ダイオードLED1,LED2,LED3の収容部AV1,AV2,AV3が形成されている。また、このモールドケースMLDの第1辺LW1の対辺である第2辺LW2には内側に突出する湾曲突起J1,J2が形成されている。
【0025】
第1辺LW1,第2辺LW2に隣接する第3辺LW3,第4辺LW4は平行な内壁SW1,SW2を有している。参照符号GLBは透明樹脂材からなる導光体であり、モールドケースMLDの発光ダイオードの収容部AV1,AV2,AV3側が入光面LPとなっている。そして、この導光体GLBの前面(液晶表示パネルの背面と対向する面)には、複数の光拡散パターンを有する光出射面(光拡散面)が形成され、その背面には後述する複数の光反射パターンを有する光反射面が形成されている。これらの光拡散パターン及び光反射パターンは、透明樹脂体からなる板材の表裏面に成形加工法等により溝として例えば複数の断面略V字状の溝が形成されて構成されている。
【0026】
また、この導光体GLBの光拡散面には光拡散シートDISが、また、その光反射面には光反射シートRESがそれぞれ接着により配置されている。なお、光拡散シートDISに代えて光拡散板を、光反射シートに代えて光反射板をそれぞれ用いても良い。
【0027】
本実施例においては、発光素子として3個の発光ダイオードLED1,LED2,LED3を使用しており、その発光部E1,E2,E3が導光体GLBの入光面LPに向くようにプリント基板PCBに植立して実装されている。プリント基板PCBは硬質プリント基板でも良いが、本実施例ではフレキシブルプリント基板を用いており、その背面には図示されないが、駆動IC及びその他の電子部品などが実装されている。
【0028】
図2は、図1に示したモールドケースに導光体を収容して発光ダイオードを実装したプリント基板を組合せて一体化した状態の説明図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は図2(a)のA-A´線に沿った断面図である。図1と同一参照符号は同一機能部分に対応する。組立ては、先ずモールドケースMLDの発光ダイオードの収容部AV1,AV2,AV3に発光ダイオードLED1,LED2,LED3が収まるようにプリント基板PCBを取付ける。図2では、収容部AV1,AV2,AV3の第1辺LW1に沿った方向の寸法が発光ダイオードLED1,LED2,LED3のそれよりも大きく示してあるが、当該方向に発光ダイオードの動きを規制したい場合は、この寸法を発光ダイオードの対応寸法に近似する大きさとする。
【0029】
プリント基板PCBの取り付け後、導光体GLBの入光面LP(図1参照)を発光ダイオードLED1,LED2,LED3の発光部に当接させ、かつ第2辺LW2に有する湾曲突起PJ1,PJ2に抗してモールドケースMLDに押し込む。導光体GLBの入光面LPと隣接する辺の動きは第3辺LW3,第4辺LW4の内壁面SW1,SW2(図1参照)で規制される。
【0030】
このような構造としたことにより、導光体GLBには湾曲突起PJ1,PJ2の弾性力により発生する矢印Fで示した押圧力が常に加わり、その入光面LP(図1参照)は発光ダイオードLED1,LED2,LED3の発光部に密接し、この密接状態が常時維持されることになる。したがって、発光ダイオードLED1,LED2,LED3の発光部から照射される光りが導光体GLBの外に漏れることがなく、また両者間で反射することなく、有効に導光体GLBの内部に導入される。」


b
また、図1,2は以下のとおりである。


c
引用文献2の「プリント回路基板PCB」、「反射シートRES」、「導光体GLB」、「液晶表示パネルPNL」は、それぞれ、周知技術1における「プリント回路基板」、「反射板」、「導光部材」、「液晶表示パネル」である。
また、図2から、「プリント回路基板PCB」、「反射シートRES」、「導光体GLB」の順に積層されていることが看取できる。
そして、「導光体GLB」は「液晶表示パネルの背面に設置され」ているから「プリント回路基板PCB」、「反射シートRES」、「導光体GLB」、「液晶表示パネル」はこの順に積層されている。

d
そして、引用文献2における「発光ダイオードLED」は上記周知技術1の「LED光源」であり、「発光ダイオードLED」は「プリント基板PCBに植立して実装されている」から、「プリント回路基板PCB」は「発光ダイオードLED」を支持する役割を有している。
また、「導光板GLB」は、「モールドケースMLDに押し込む」ことで備えられているから、押し込み方向の規制は「プリント回路基板PCB」で行われていると認められる。
したがって、「プリント回路基板PCB」は「導光板GLB」を支持する役割を有していることは自明な事項である。


(イ)引用文献3:特開2012-53988号公報
a
引用文献3の【0018】には下記の記載がある。
「【0018】
図8は、図7の液晶表示装置のA-A断面図である。図示の簡素化のため、前枠32及びバックカバー33は図示を省略している。図8に示されるように、液晶表示パネル30の背面側には、前面側から背面側にかけて順に、光学シート6、導光板3、反射シート5、LED1およびこれを搭載する回路基板2が配置されている。図8において、導光板3と反射シート5とは、密着して描かれているが、実際にはわずかな隙間が出来てしまう場合が多い。」

b
また、図8は以下のとおりである。

c
引用文献3の「回路基板2」、「反射シート5」、「導光板3」、「液晶表示パネル30」は、それぞれ、周知技術1における「プリント回路基板」、「反射板」、「導光板」、「液晶表示器」である。
そして、これらが、液晶表示パネル30の背面側に、この順に配置されている。

d
そして、引用文献3における「LED1」は、上記周知技術1における「LED光源」である。ここで、「LED1」は「回路基板2」に搭載されているから、「回路基板2」は「LED1」を支持する役割を有している。
また、「反射シート5」はシートであり、通常、薄くて軟らかい部材であるから、「回路基板2」は「反射シート5」を支持する役割を有していることは自明な事項である。

(ウ)引用文献4:特開2004-95422号公報
a
引用文献4の【0029】には下記の記載がある。
「【0029】
図1は本発明の第1の実施形態に係る照明装置の斜視図、図2は第1の実施形態に係る照明装置の側面図である。照明装置1において、プリント回路基板2の上面に導光板5が載置される。プリント回路基板2上の導光板5が載置されたのと同一面に、導光板5の入射端面と対向する位置にLED3が実装され、プリント回路基板2に設けた配線パターン(図示せず)と電気的に接続される。導光板5の上面である光の出射面にはレンズシート4を備える。また、プリント回路基板2には、導光板5の底面からLED3の実装部分にかけての領域において、銅箔反射パターン6が形成される。図2において、LED3から直接、導光板5の入射端面より入った光8は、導光板5の出射面に施された拡散或いは集光構造(図示せず)により上向きに取り出され、レンズシート4によりさらに集光され、上方に配置された液晶表示パネル(図示せず)を照射する光7となる。LED3からプリント回路基板2の方向へ進む光9は、プリント回路基板2上の銅箔反射パターン6により反射し、導光板5に入射される。また、銅箔反射パターン6は、導光板5に入射した後にプリント回路基板2の方向へ進む光も上方へ反射する。なお、上記プリント回路基板2はフレキシブルプリント回路基板であってもよい。」

b
また、図1、2は以下のとおりである。

c
引用文献4の「プリント回路基板2」、「銅箔反射パターン6」、「導光板5」、「液晶表示パネル」は、それぞれ、周知技術1における「プリント回路基板」、「反射部材」、「導光板」、「液晶表示器」である。
そして、上記【0029】の記載から、「プリント回路基板2」、「銅箔反射パターン6」、「導光板5」、「液晶表示パネル」は順に配置されていることが理解できる。

d
そして、引用文献4の「LED3」は上記周知技術1の「LED光源」であり、「LED3」は「プリント回路基板2」に実装されているから、「プリント回路基板2」は「LED3」を支持する役割を有している。
また、「銅箔反射パターン6」は「プリント回路基板2」に形成されているから、「銅箔反射パターン6」は「プリント回路基板2」を支持する役割を有している。


周知技術1を引用発明に採用するか検討する。
引用発明は、「反射シート14」及び「光源L」を備えており、ここで、「反射シート14」及び「光源L」がどのように設けられているかは不明である。しかしながら、「光源L」から出射された光を「導光板2」に入射し、「反射シート14」で反射し、「液晶表示パネル11」に向けて照射することを確実に行うためには、これらの各部材をなんらかの形で、位置決めする必要があることは自明な事項である。
そして、「反射シート14」及び「光源L」はいずれも、液晶表示パネルから見たときに、最も背面側に隣接して備えられるのであるから、位置決めをするために共通の部材に備えるよう構成することが考えられる。
また、引用発明において、「光源L」は「LED光源」である(【0021】)。ここで、LED素子は発光面が小さく、単独では十分な光量が得られないため、引用発明のような面状光源の光源として用いられる場合は、通常、複数のLED素子を並べて用いられ、各LED素子の位置決めを確実にするために、複数のLED素子を共通の部材に備え支持するように設けられている。
そして、LED素子は、駆動のために電力を供給する必要があるため、プリント回路基板に備えることが慣用的に行われている。
そうすると、上記周知技術1の構成が知られているのであるから、引用発明において「光源L」をプリント回路基板に備え、さらに、「光源L」と「反射シート14」との位置決めを確実なものとするために、「反射シート14」も「光源L」を備えた共通のプリント回路基板に支持されるように備えることは、当業者にとって容易に想到し得ることである。


したがって、引用発明において上記周知技術1を採用することで、相違点1に係る構成とすることは、当業者にとって容易に想到し得ることである。

(2)相違点2

サイドライト型(エッジライト型)の液晶表示装置において、導光板と拡散板との間に空気層を備えることで、光を拡散させ、均一でムラのない光とすることは、以下の(ア)?(ウ)に記載されるように、当業者の周知技術(以下、「周知技術2」という。)である。

(ア)引用文献5:特開2004-22347号公報
a
引用文献5の【0029】には下記の記載がある。
「【0029】
そして、前記拡散層14は、前記導光板12の前側に、この導光板12の前面12bとの間に空気層を介在させて配置されており、前記白色半透過反射層15は、前記導光板12の後側に、この導光板12の後面12cとの間に空気層を介在させて配置されている。」
b
また、図1は以下のとおりである。

c
引用文献5の「導光板12」、「拡散層14」、「空気層」は、それぞれ、周知技術2における「導光板」、「拡散板」、「空気層」である。

(イ)引用文献6:特開2006-156324号公報
a
引用文献6の【0011】、【0012】には下記の記載がある。
「【0011】
〔第1の実施の形態〕
本発明の第1の実施の形態によるバックライトユニット及びそれを備えた液晶表示装置について図1乃至図37を用いて説明する。図1は、本実施の形態によるバックライトユニットの原理を示す断面図である。図1に示すように、面状光源であるバックライトユニットは、例えば長方形状の平面形状を有する面状の導光板(導光手段)20を有している。導光板20の少なくとも1つの側端面近傍には、光源(離散光源手段)51が配置されている。光源51は、例えば異なるスペクトルの発光波長を有する複数のLED等で構成されている。あるいは光源51は、異なる発光量の複数のLED等で構成されている。導光板20の光射出面21の図中上方には、拡散板(光混合手段B)40等の光学シート類が配置され、さらに上方に液晶表示パネル(図示せず)が配置されている。導光板20の光射出面21と拡散板40との間には、所定の厚さを有する気体空間(光混合手段A)30が設けられている。導光板20の図中下方には、反射シート(反射手段)10が配置されている。すなわち、バックライトユニットは、反射シート10、導光板20、気体空間30及び拡散板40とがこの順に重ねられた構成を有している。導光板20の反射シート10側の面には、散乱ドット22等の光取出し手段が設けられ、光射出面21には光取出し手段が設けられていない。
【0012】
光源51から射出して導光板20を導光し、散乱ドット22により取り出された光は、主として、導光板20の光射出面21の面内方向に近く、光射出面21の法線方向からの角度θの大きい方向に進む光L1として射出される。このため、光射出面21とその上に配置される光学シート類及び液晶表示パネルとの間の距離を離すことにより、光射出面21から射出した光は液晶表示パネルに直ちには入射せず、しばらく気体空間30内を進むことになる。これにより、入光面23近傍で取り出されて他のLEDからの光と混ざり合えていない状態の光は、気体空間30内を進む間に他の光と混ざり合ってパネルの広範囲にわたって広がるため、色むらや輝度むらが視認されなくなる。すなわち、気体空間30は、バックライトユニットの面内方向において、異なるスペクトルの発光波長の光、又は異なる光量の光を混合して均一化する機能を有している。拡散板40は、面内の同一点において、異なる角度で進む光を混合して角度的に配向し直すことにより、面内で照明光色と照明光量を均一にする機能を有している。」

b
また、図1は以下のとおりである。

c
引用文献6の「導光板(導光手段)20」、「拡散板(光混合手段B)40」、「気体空間(光混合手段A)」は、それぞれ、周知技術2における「導光板」、「拡散板」、「空気層」である。


(ウ)引用文献7:特開2012-204192号公報
a
引用文献7の【0042】、【0043】、【0063】には下記の記載がある。
「【0042】
(光拡散シート300)
導光板100とプリズムシート400との間には、必要に応じて、中間層を設けてもよい。本実施形態においては、図2に示すように、導光板100とプリズムシート400との間に光拡散シート300が設けられている。
【0043】
光拡散シート300は、入射してきた光を拡散させる光学部材である。本実施形態では導光板100から取り出された光は光拡散シート300を透過する際に拡散され、その拡散された光がプリズムシート400に入射するようになっている。これにより、バックライト装置10の輝度の均一性を高めることができる。

「【0063】
また、例えば、バックライト装置10を構成する各シートは、密着させてもよく、接着層を介して接着してもよく、間に空気層を介して載置してもよい。
さらに、例えば、導光板100は、図1に示すような直方体以外の形状にしてもよい。」

b
また、図2は以下のとおりである。

c
引用文献7の「導光板100」、「光拡散シート300」、「空気層」は、それぞれ、周知技術2における「導光板」、「拡散板」、「空気層」である。


引用発明は液晶表示装置に用いる光源であり、均一でムラのない光源とすることは当然の課題であるから、この課題を解決するために、上記周知技術2を採用することは当業者にとって容易に想到し得ることである。


したがって、引用発明において上記周知技術2を採用することで、相違点2に係る構成とすることは、当業者にとって容易に想到し得ることである。

(3)相違点3

サイドライト型(エッジライト型)の液晶表示装置に用いる導光板において、導光板に入射された光を照射方向に向かわせるための突起(本願補正発明の「微細構造体」に相当。)を球形や円錐形とすることは、以下の(ア)?(ウ)に記載されているように周知技術(以下、「周知技術3」という。)である。

(ア)引用文献8:特開平11-7014号公報
a
引用文献の【0013】-【0015】、【0019】、【0024】には下記の記載がある。
「【0013】(実施例1)図1,図2,図3は本発明の照明装置の第1の実施例を示す図である。図1において、端面に複数の点光源2を配置した導光板1が被照明体3の前面に配置されている。被照明体は、液晶パネルなど様々な表示体、また、絵画などである。液晶パネルの場合、単純マトリックス型の液晶パネル、TFTやMIMなどのアクティブ素子を用いた液晶パネル、などを用いることができる。
【0014】導光板1は図1に示すように透明な平板の被照明体3に対向する面とは異なる面に光拡散部として凸形状の突起5を設けており、凸形状の突起5の各面はすべて導光板1と平行な面に対して概ね30度以下の面で構成されている。導光板1は概ね屈折率1.4以上の透明材料で形成される。例えば屈折利率が1.4のときは臨界角が45度になり、導光板の端面7から導光板1に入射した光束が導光板1と平行な面に対して概ね45度以下であるときは光線6aや光線6bに示すように、導光板1の中で全反射を繰り返す。
【0015】その後、凸形状の突起5に達すると凸形状の突起5の各面で反射した光線が導光板1と平行な面に対して概ね45度を越える角度となったとき導光板1から出射する。このようにして導光板1からは導光板1の面に垂直な方向に対し角度θ方向への出射光8が出射する。これにより被照明体3を照明することができる。」

「【0019】また、導光板1を形成する透明材料はアクリル樹脂以外、ポリカーボネート樹脂、非晶性ポリオレフィン樹脂等の透明樹脂、ガラス等の無機透明材料またはそれらの複合体を用いてもよい。凸形状の突起5の形成方法としては射出成形、熱硬化樹脂、光硬化樹脂、エッチング、透明樹脂またはガラス平板上にフィルムまたは樹脂層を接合する等の方法がある。」

「【0024】凸形状の突起部は図4に示すような円錐形以外にも図15のような半球形の凸形状でもよい。」

b
また、図1,4,15は以下のとおりである。

(イ)引用文献9:特開平11-288612号公報
a
引用文献9の【0017】-【0020】、【0039】には下記の記載がある。
「【0017】図2は、図1に示す照明装置を組み立てた状態での部分断面図であり、液晶表示器の図示は省略している。
【0018】図1、図2において、17はLED1のリ-ドであり、LED1は、アクリル板8の片側においてプリント基板2にリ-ド17を介して半田付けされている。矢印ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、ト、チは、光源となる発光部7から出た光線を表わしている。
【0019】LED1の発光部7から横向きに出た光は、アクリル板8の長手方向の端面から内部に入射し、矢印ニのように上方に進んで、アクリル板8の表面で反射されて下方に進み、反射面9の微細な穴の表面で再び上方に向けて反射されて矢印ニのように進行し、さらに手前の矢印ホで示す光は、アクリル板8を透過し、白色蓋枠10により反射されて下方に進み、矢印ニと同様に矢印ホのように進行する。矢印ヘで示す下方の光の一部はアクリル板8の裏側表面で反射され上方に進み、また一部はアクリル板8を透過し、反射層4により反射されて矢印ヘのように進行する。さらに、矢印トで示す光は、直接に反射面9の微細な穴の表面で反射されて矢印トと共に上方に設けた液晶表示器12の文字、記号13の表示範囲を裏面より照射する。
【0020】また、図2に示すように、LED1の発光部7から出たプリント基板2と平行な矢印ロ、ハ、チで示す光は、アクリル板8の内部に導入され、アクリル板8の端面表面と白色蓋枠10で反射され、反射面9の微細な穴の表面で反射されて液晶表示器11の文字、記号12の表示範囲を同じように照射する。さらに、アクリル板8内部での反射は単純ではなく、主としてその空気との境界面で復数回反射するのが一般的であり、LED1の発光部7からの光は、あらゆる方向へ発光されているのである。」

「【0039】また、反射面9の微細な穴は、半球形でなく円錐形や角錐形で形成してもよいし、深さを一定として直径やピッチを変えて形成してもよい。」

b
また、図2は以下のとおりである。


(ア)引用文献10:特開平11-295532号公報
a
引用文献10の【0001】、【0002】、【0008】、【符号の説明】には下記の記載がある。

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置のバックライト等に用いられる導光板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶表示装置用バックライトの導光板は、透明樹脂板に印刷などの手段によって反射ドット・パターンを後加工で付与する方式のものと、予め金型に反射ドット・パターンを刻設したものに、透明樹脂を射出或いは圧縮成形でモールドして、反射ドット・パターン付の樹脂板を一気に製造する方式のもの(以下、ドット成形と記す)とがある。」

「【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の導光板を説明するに当たり、従来の導光板の問題点と併せて説明する。従来の導光板の出光メカニズムは、図1に示すようにドットにおける主として直接反射光に依存する考え方から構成されている。例えばエッチングやブラストによりドット刻設した金型より形成された導光板2’は、前述のようにドット面3’がナシ地状或いはシボ地状の微細な凹凸で形成され、その微細凹凸の小さな斜面の夫々が光源1からの光を受けて上方に反射出光する。また円錐、角錐或いは半球状のドットも同様であり、したがって錐形ドット4は同図の如く、凹状に形成され、その斜面角度は45゜付近に特定されたものが多い。しかし、これらは何れも出光性能には問題がないが、前述のように金型製作、成形性、金型寿命等において難点を有するので、このために積極的な実施が促進されていない。」

「【符号の説明】
1 光源
2’ 従来の導光板」

b
また、図1は以下のとおりである。



そして、引用発明において「微細光学形状24a」は「光路変換を行う」ものであり、「入射され導光した光を光路変換して主面側から面状に出射する」という「導光板2」の役割を強化するものであることは自明な事項であるから、引用発明の「微細光学形状24a」の形状として、上記周知技術3の突起の形状である球形や円錐形のものを採用することは、当業者にとって容易に想到し得ることである。


そうすると、引用発明において上記周知技術3を採用することで相違点3に係る構成とすることは、当業者にとって容易に想到し得ることである。


5 出願人の主張について
出願人は請求の理由の「<2>拒絶理由への対応、(1)本願発明について」において「本願発明は主に、車両用灯などの様々な仕様の車両用点灯装置に適用される。車両用点灯装置は、曲線形状の表面を有することが多く、輝度を最適化し、法令上求められる試験に合格するために、車軸に対して出射光を車両用灯の表面の異なる地点に向ける必要がある。」と主張している。
しかしながら、本願補正発明において「車両用灯などの様々な仕様の車両用点灯装置に適用される」ことは特定されていない。
また、本件の明細書の【0011】には、「しかしながら、当業者は、本発明の発光装置10が上記の光に限定されないことを理解するであろう。最も良好な照明効果を実現するために光ガイド層の曲げ曲線に基づいて配置される同じ形状または異なる形状を有する複数の微細構造体を有する屈曲可能な光ガイド層および/または光ガイド層を有する任意の発光装置は、すべて本発明の範囲内である。」と記載されており、本願補正発明が車両用灯に限定されていないことは明らかである。
そうすると、出願人の主張は請求項の記載に基づいた主張となっていない。
したがって、出願人の主張は採用できない。


6 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明と周知技術1ないし3とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明について

1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成30年10月29日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし26に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。

「プリント回路基板と、
前記プリント回路基板上に形成される反射層と、
前記反射層上に形成される、屈曲可能な光ガイド層と、
光が前記1つまたは複数の側面から前記光ガイド層に入ることを可能にするために前記
光ガイド層の1つまたは複数の側面上に設けられる1つまたは複数の光源と、
前記光ガイド層上に形成される拡散層と、
前記光ガイド層と前記拡散層との間に形成される空気層と、を備え、
前記光ガイド層の1つの表面には、複数の微細構造体を形成することを特徴とする、
発光装置。」


2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。


3 引用発明
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項及び引用発明は、前記第2の[理由]2に記載したとおりである。


4 対比・判断
(1)本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本願補正発明から、微細構造体」の形状について、「球形状の球形微細構造体又は円錐形状の円錐形微細構造体のいずれか1種類又は2種類の組み合わせからなる」との限定事項を削除したものである。

そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに減縮する補正事項を含む本願補正発明が、上記第2の4に示したとおり、引用発明と周知技術1ないし3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、引用発明と周知技術1ないし3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。


第4 むすび

以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。



 
別掲
 
審理終結日 2020-01-31 
結審通知日 2020-02-04 
審決日 2020-02-25 
出願番号 特願2017-109935(P2017-109935)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
P 1 8・ 575- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉野 三寛村井 友和  
特許庁審判長 小松 徹三
特許庁審判官 瀬川 勝久
田中 秀直
発明の名称 発光装置  
代理人 山口 朔生  
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