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審決分類 審判 一部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  D01D
管理番号 1363962
異議申立番号 異議2019-700880  
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-08-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-11-08 
確定日 2020-05-22 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6510158号発明「溶融紡糸装置及び不織布の製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6510158号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-16〕について訂正することを認める。 特許第6510158号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6510158号の請求項1?16に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、平成30年12月21日を国際出願日とする特許出願であって、平成31年4月12日にその特許権の設定登録がされ、令和1年5月8日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、令和1年11月8日に特許異議申立人ライフェンホイザー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト・マシイネンファブリークにより特許異議の申立てがされ、当審から、令和2年1月23日付け取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である令和2年3月26日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」といい、訂正自体は「本件訂正」という。)を行った。なお、本件訂正は、実質的に本件訂正前の請求項1を削除し、本件訂正前の請求項2に限定する訂正であるから、特許法第120条の5第5項ただし書きに規定する特別な事情に該当するから、特許異議申立人に意見書を提出する機会を与えなかった。

第2 本件訂正請求について
1 訂正の内容
本件訂正請求は、特許請求の範囲を、令和2年3月26日に提出された訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?16について訂正することを求めるものであって、本件訂正の内容は次の訂正事項1?13のとおりである(なお、下線を付した箇所は訂正箇所である。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1における「隙間の距離(距離A)は、55mm以下である」とあるのを、「隙間の距離(距離A)は、5mm以上55mm以下である」と訂正する。(請求項1を引用する請求項3?16も同様に訂正する。)
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に「請求項1又は請求項2に記載」とあるのを、「請求項1に記載」と訂正する。(請求項3を引用する請求項4?16も同様に訂正する。)
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4に「請求項1?請求項3のいずれか1項に記載」とあるのを、「請求項1又は請求項3に記載」と訂正する。(請求項4を引用する請求項5?16も同様に訂正する。)
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に「請求項1?請求項4のいずれか1項に記載」とあるのを、「請求項1、請求項3及び請求項4のいずれか1項に記載」と訂正する。(請求項5を引用する請求項6?16も同様に訂正する。)
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6に「請求項1?請求項5のいずれか1項に記載」とあるのを、「請求項1及び請求項3?請求項5のいずれか1項に記載」と訂正する。(請求項6を引用する請求項7?16も同様に訂正する。)
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7に「請求項1?請求項6のいずれか1項に記載」とあるのを、「請求項1及び請求項3?請求項6のいずれか1項に記載」と訂正する。(請求項7を引用する請求項8?16も同様に訂正する。)
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8に「請求項1?請求項7のいずれか1項に記載」とあるのを、「請求項1及び請求項3?請求項7のいずれか1項に記載」と訂正する。(請求項8を引用する請求項9?16も同様に訂正する。)
(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項9に「請求項1?請求項8のいずれか1項に記載」とあるのを、「請求項1及び請求項3?請求項8のいずれか1項に記載」と訂正する。(請求項9を引用する請求項10?16も同様に訂正する。)
(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項10に「請求項1?請求項9のいずれか1項に記載」とあるのを、「請求項1及び請求項3?請求項9のいずれか1項に記載」と訂正する。(請求項10を引用する請求項11?16も同様に訂正する。)
(11)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項11に「請求項1?請求項10のいずれか1項に記載」とあるのを、「請求項1及び請求項3?請求項10のいずれか1項に記載」と訂正する。(請求項11を引用する請求項12?16も同様に訂正する。)
(12)訂正事項12
特許請求の範囲の請求項12に「請求項1?請求項11のいずれか1項に記載」とあるのを、「請求項1及び請求項3?請求項11のいずれか1項に記載」と訂正する。(請求項12を引用する請求項13?16も同様に訂正する。)
(13)訂正事項13
特許請求の範囲の請求項13に「請求項1?請求項12のいずれか1項に記載」とあるのを、「請求項1及び請求項3?請求項12のいずれか1項に記載」と訂正する。(請求項13を引用する請求項14?16も同様に訂正する。)

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る特許の「隙間の距離(距離A)」について、「55mm以下である」と上限のみあったものを、「5mm以上55mm以下である」と上下限を定めたものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記アに示したとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲の請求項1に係る特許の「隙間の距離(距離A)」について、「5mm以上55mm以下である」と上下限を定めたものであるところ、「隙間の距離(距離A)」が「5mm以上」であることは、訂正前の特許請求の範囲の請求項2に記載されていた事項であるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記アに示したとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
エ 訂正事項1は、特許異議の申立てがされている訂正前の請求項1についての訂正であるから、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。
(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項2を削除するというものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記アに示したとおり、訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項2を削除するというものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記アに示したとおり、訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項2を削除するというものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
(3)訂正事項3?13について
ア 訂正の目的について
訂正事項3?13は、特許請求の範囲の請求項2の削除に伴い、請求項2を引用することができなくなったことから、その引用形態の変更したものであるから、「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
イ 特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記アに示したとおり、訂正事項3?13は、特許請求の範囲の請求項2の削除に伴い、その引用形態の変更したものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記アに示したとおり、訂正事項3?13は、特許請求の範囲の請求項2の削除に伴い、その引用形態の変更したものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
なお、訂正前の請求項1?16は、請求項2?16が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、本件訂正は、一群の請求項1?16について請求されている。
エ 訂正事項3?13の目的は、上記アに示したとおり「明瞭でない記載の釈明」であるから、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。

3 小括
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、上記結論のとおり訂正することを認める。

第3 訂正後の本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1?16に係る発明は、訂正特許請求の範囲の請求項1?16に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。なお、下線部分は訂正箇所を示す。
【請求項1】
フィラメントを紡出する複数の紡糸ノズルを備える紡出部と、
前記紡糸ノズルから紡出されたフィラメントを冷却する冷却部と、
前記冷却部と対面し、通気性隔壁を介して前記冷却部に冷却風を供給する冷却風供給部と、を備え、
前記冷却風供給部は、隔壁を介して鉛直方向に2段に分割された鉛直上側の第1冷却風供給部及び鉛直下側の第2冷却風供給部を備え、前記隔壁の前記通気性隔壁と対面する端部と前記通気性隔壁における前記隔壁と対面する側の面との間に隙間があり、前記隙間の距離(距離A)は、5mm以上55mm以下である溶融紡糸装置。
【請求項2】(削除)
【請求項3】
前記距離Aに対する前記紡出部の紡糸ノズルが設けられたノズル面から前記隔壁までの距離(距離B)の比(距離B/距離A)は、5?50である請求項1に記載の溶融紡糸装置。
【請求項4】
前記第1冷却風供給部の高さ(h1)に対する前記第2冷却風供給部の高さ(h2)の比は、0.5?1.5である請求項1又は請求項3に記載の溶融紡糸装置。
【請求項5】
前記通気性隔壁の厚さは、10mm?50mmである請求項1、請求項3及び請求項4のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
【請求項6】
前記距離Aに対する前記通気性隔壁の厚さの比(通気性隔壁の厚さ/距離A)は、0.5?5.0である請求項1及び請求項3?請求項5のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
【請求項7】
前記通気性隔壁は、ハニカム形状を有する請求項1及び請求項3?請求項6のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
【請求項8】
前記冷却風供給部は、前記通気性隔壁よりも冷却風供給方向の上流側に前記冷却部に供給される冷却風を整流する整流板を備える請求項1及び請求項3?請求項7のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
【請求項9】
前記第1冷却風供給部に供給される冷却風の温度を10℃?40℃、及び、前記第2冷却風供給部に供給される冷却風の温度を、前記第1冷却風供給部に供給される冷却風の温度よりも10℃以上高く、かつ30℃?70℃に制御する第1制御部を備える請求項1及び請求項3?請求項8のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
【請求項10】
前記第2冷却風供給部に供給される冷却風の平均風速(V2)に対する前記第1冷却風供給部に供給される冷却風の平均風速(V1)の比(V1/V2)を、0を超え0.7以下に制御する第2制御部を備える請求項1及び請求項3?請求項9のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
【請求項11】
前記冷却部にて冷却されたフィラメントを延伸する延伸部を更に備え、
前記紡出部の紡糸ノズルが設けられたノズル面から前記延伸部の入り口までの距離(距離C)に対する前記紡出部の紡糸ノズルが設けられたノズル面から前記隔壁までの距離(距離B)の比(距離B/距離C)は、0.2?0.8である請求項1及び請求項3?請求項10のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
【請求項12】
冷却及び延伸されたフィラメントを捕集して、不織ウェブを形成する捕集部を更に備え、スパンボンド不織布の製造に用いる請求項1及び請求項3?請求項11のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
【請求項13】
請求項1及び請求項3?請求項12のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置を用いて前記複数の紡糸ノズルから紡出されるフィラメントから不織布を製造する不織布の製造方法。
【請求項14】
前記第1冷却風供給部に供給される冷却風の温度は10℃?40℃であり、前記第2冷却風供給部に供給される冷却風の温度は、前記第1冷却風供給部に供給される冷却風の温度よりも10℃以上高く、かつ30℃?70℃である請求項13に記載の不織布の製造方法。
【請求項15】
前記第2冷却風供給部に供給される冷却風の平均風速(V2)に対する前記第1冷却風供給部に供給される冷却風の平均風速(V1)の比(V1/V2)は、0を超え0.7以下である請求項13又は請求項14に記載の不織布の製造方法。
【請求項16】
前記フィラメントは、プロピレン系重合体を含む請求項13?請求項15のいずれか1項に記載の不織布の製造方法。

第4 取消理由通知に記載した取消理由について
1 取消理由の概要
本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

第一に、「上段冷却風平均風速(供給部入口値)」と「下段冷却風平均風速(供給部入口値)」と関係について特定されておらず、第二に、「第1冷却風供給部」及び「第2冷却風供給部」並びに「隔壁」の諸元との関係で「隙間の距離d」について特定されておらず、第三に、「隙間の距離d」について、その下限が特定されていないから、本件特許の請求項1に係る発明は前記課題を解決しないものを包含していることは明らかである。
したがって、前記課題との関係において、発明の詳細な説明の記載から、請求項1に係る発明にまで、拡張・一般化できるとはいえない。

2 当審の判断
前記1の第一及び第二の点については、本件特許の特許権者が、令和2年3月26日に提出した意見書における、『鉛直上側の第1冷却風供給部から供給される冷却風の平均速度である「上段冷却風平均風速」及び鉛直下側の第2冷却風供給部から供給される冷却風の平均速度「下段冷却風平均風速」の設定は、溶融紡糸装置の装置構成ではなく、溶融紡糸装置の動作方法、使用方法等に関するものであり、使用者が本装置を用いて調節する事項である。』との主張及び「技術常識内の溶融紡糸装置において、隔壁の厚さ、第1冷却風供給部の容積、第2冷却風供給部の容積等に関係なく、訂正後の請求項1の発明では隙間付近にて第1冷却風供給部からの冷却風及び第2冷却風供給部からの冷却風が混合される現象が生じる」との主張が採用できる。
また、前記1の第三の点については、訂正事項1の結果、「隙間の距離d」について下限が特定されたことにより、解消している。
したがって、請求項1に係る発明は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしている。

第5 特許異議の申立てについて
本件特許異議申立人は、特許異議申立書において、請求項1に係る発明に関し、「本件発明は、甲第1号証乃至甲第5号証により立証されるとおり、特許法第29条第1項第1号の規定により特許を受けることができず、その特許は、特許法第113条第2号により取り消されるべきものである。」、「本件発明は、甲第1号証乃至甲第5号証により立証されるとおり、特許法第29条第1項第2号の規定により特許を受けることができず、その特許は、特許法第113条第2号により取り消されるべきものである。」及び「本件発明は、甲第6号証乃至甲第8号証により立証されるとおり、当業者が出願前に容易にすることができた発明であるから、その特許は、特許法第113条第2号により取り消されるべきものである。」と主張する。
しかし、請求項1に係る発明は、本件訂正の訂正事項1により、実質的に、申立てがされていない本件訂正前の請求項2に係る発明に訂正された。
したがって、本件特許異議申立人の当該主張は採用することができない。

第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィラメントを紡出する複数の紡糸ノズルを備える紡出部と、
前記紡糸ノズルから紡出されたフィラメントを冷却する冷却部と、
前記冷却部と対面し、通気性隔壁を介して前記冷却部に冷却風を供給する冷却風供給部と、を備え、
前記冷却風供給部は、隔壁を介して鉛直方向に2段に分割された鉛直上側の第1冷却風供給部及び鉛直下側の第2冷却風供給部を備え、前記隔壁の前記通気性隔壁と対面する端部と前記通気性隔壁における前記隔壁と対面する側の面との間に隙間があり、前記隙間の距離(距離A)は、5mm以上55mm以下である溶融紡糸装置。
【請求項2】(削除)
【請求項3】
前記距離Aに対する前記紡出部の紡糸ノズルが設けられたノズル面から前記隔壁までの距離(距離B)の比(距離B/距離A)は、5?50である請求項1に記載の溶融紡糸装置。
【請求項4】
前記第1冷却風供給部の高さ(h_(1))に対する前記第2冷却風供給部の高さ(h_(2))の比は、0.5?1.5である請求項1又は請求項3に記載の溶融紡糸装置。
【請求項5】
前記通気性隔壁の厚さは、10mm?50mmである請求項1、請求項3及び請求項4のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
【請求項6】
前記距離Aに対する前記通気性隔壁の厚さの比(通気性隔壁の厚さ/距離A)は、0.5?5.0である請求項1及び請求項3?請求項5のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
【請求項7】
前記通気性隔壁は、ハニカム形状を有する請求項1及び請求項3?請求項6のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
【請求項8】
前記冷却風供給部は、前記通気性隔壁よりも冷却風供給方向の上流側に前記冷却部に供給される冷却風を整流する整流板を備える請求項1及び請求項3?請求項7のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
【請求項9】
前記第1冷却風供給部に供給される冷却風の温度を10℃?40℃、及び、前記第2冷却風供給部に供給される冷却風の温度を、前記第1冷却風供給部に供給される冷却風の温度よりも10℃以上高く、かつ30℃?70℃に制御する第1制御部を備える請求項1及び請求項3?請求項8のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
【請求項10】
前記第2冷却風供給部に供給される冷却風の平均風速(V_(2))に対する前記第1冷却風供給部に供給される冷却風の平均風速(V_(1))の比(V_(1)/V_(2))を、0を超え0.7以下に制御する第2制御部を備える請求項1及び請求項3?請求項9のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
【請求項11】
前記冷却部にて冷却されたフィラメントを延伸する延伸部を更に備え、
前記紡出部の紡糸ノズルが設けられたノズル面から前記延伸部の入り口までの距離(距離C)に対する前記紡出部の紡糸ノズルが設けられたノズル面から前記隔壁までの距離(距離B)の比(距離B/距離C)は、0.2?0.8である請求項1及び請求項3?請求項10のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
【請求項12】
冷却及び延伸されたフィラメントを捕集して、不織ウェブを形成する捕集部を更に備え、スパンボンド不織布の製造に用いる請求項1及び請求項3?請求項11のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置。
【請求項13】
請求項1及び請求項3?請求項12のいずれか1項に記載の溶融紡糸装置を用いて前記複数の紡糸ノズルから紡出されるフィラメントから不織布を製造する不織布の製造方法。
【請求項14】
前記第1冷却風供給部に供給される冷却風の温度は10℃?40℃であり、前記第2冷却風供給部に供給される冷却風の温度は、前記第1冷却風供給部に供給される冷却風の温度よりも10℃以上高く、かつ30℃?70℃である請求項13に記載の不織布の製造方法。
【請求項15】
前記第2冷却風供給部に供給される冷却風の平均風速(V_(2))に対する前記第1冷却風供給部に供給される冷却風の平均風速(V_(1))の比(V_(1)/V_(2))は、0を超え0.7以下である請求項13又は請求項14に記載の不織布の製造方法。
【請求項16】
前記フィラメントは、プロピレン系重合体を含む請求項13?請求項15のいずれか1項に記載の不織布の製造方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2020-05-13 
出願番号 特願2019-503501(P2019-503501)
審決分類 P 1 652・ 537- YAA (D01D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 相田 元  
特許庁審判長 久保 克彦
特許庁審判官 横溝 顕範
石井 孝明
登録日 2019-04-12 
登録番号 特許第6510158号(P6510158)
権利者 三井化学株式会社
発明の名称 溶融紡糸装置及び不織布の製造方法  
代理人 鍛冶澤 實  
代理人 福田 浩志  
代理人 中島 淳  
代理人 江崎 光史  
代理人 福田 浩志  
代理人 加藤 和詳  
代理人 中島 淳  
代理人 加藤 和詳  

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