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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H04N |
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管理番号 | 1364358 |
審判番号 | 不服2019-683 |
総通号数 | 249 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-09-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-01-18 |
確定日 | 2020-07-14 |
事件の表示 | 特願2018-502311「インタラクション情報処理方法、クライアント、サービスプラットフォーム、および記憶媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成28年11月10日国際公開、WO2016/177287、平成30年 6月21日国内公表、特表2018-516516〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2016年(平成28年)4月21日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2015年5月4日 中国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成29年10月 4日 :手続補正 平成30年 6月25日付け:拒絶理由通知 同年 9月28日 :手続補正、意見書の提出 同年10月15日付け:拒絶査定 平成31年 1月18日 :手続補正、審判請求 第2 平成31年1月18日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成31年1月18日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正の内容 本件補正は、平成30年9月28日にされた手続補正により補正された請求項7(以下、「補正前の請求項7」という。)を、以下の請求項4(以下、「補正後の請求項4」という。)とする補正事項を含むものである。(下線は、補正箇所である。) (補正前の請求項7) 「【請求項7】 サービスプラットフォームに適用されるインタラクション情報処理方法であって、 第1のアカウントを用いてログインした第1の端末によって送信されたインタラクション情報を受信するステップであって、前記インタラクション情報は、第1のマルチメディア情報に関連付けられ、前記第1の端末が前記第1のマルチメディア情報の再生を休止しているとき、前記第1の端末のユーザによって入力された第2のマルチメディア情報を含む、ステップと、 ソーシャル関係によって前記第1のアカウントに関連付けられた第2のアカウントを判定するステップと、 前記第2のアカウントを用いてログインした第2の端末が前記第1のマルチメディア情報を再生しているときに前記第2の端末によって提示されるために、前記インタラクション情報を前記第2の端末へ送信するステップと を含む方法。」 (補正後の請求項4) 「【請求項4】 サービスプラットフォームに適用されるインタラクション情報処理方法であって、 第1のアカウントを用いてログインした第1の端末によって送信されたインタラクション情報を受信するステップであって、前記インタラクション情報は、第1のマルチメディア情報に関連付けられ、前記第1の端末が前記第1のマルチメディア情報の再生を休止しているとき、前記第1の端末のユーザによって入力された第2のマルチメディア情報を含む、ステップと、 ソーシャル関係によって前記第1のアカウントに関連付けられた第2のアカウントを判定するステップと、 前記第2のアカウントを用いてログインした第2の端末が前記第1のマルチメディア情報を再生しているときに前記第2の端末によって提示されるために、前記インタラクション情報を前記第2の端末へ送信するステップと、を含み、 ソーシャル関係によって前記第1のアカウントに関連付けられた第2のアカウントを判定する前記ステップは、 前記第2のマルチメディア情報に対応する前記第1のアカウントの識別情報を受信するステップと、 前記第1のアカウントの前記識別情報に基づいて、前記第1のアカウントのソーシャル関係を探索するステップと、 前記ソーシャル関係に基づいて、前記第1のアカウントと前記第2のアカウントとの間のインタラクションの頻度が予め定められた所定の頻度に達することを満たす前記第2のアカウントを、前記インタラクション情報が送信されるべきアカウントであると判定するステップと を含む方法。」 2 補正の適否 上記補正事項は、補正前の請求項7の発明特定事項である「ソーシャル関係によって前記第1のアカウントに関連付けられた第2のアカウントを判定するステップ」について、 「前記第2のマルチメディア情報に対応する前記第1のアカウントの識別情報を受信するステップと、 前記第1のアカウントの前記識別情報に基づいて、前記第1のアカウントのソーシャル関係を探索するステップと、 前記ソーシャル関係に基づいて、前記第1のアカウントと前記第2のアカウントとの間のインタラクションの頻度が予め定められた所定の頻度に達することを満たす前記第2のアカウントを、前記インタラクション情報が送信されるべきアカウントであると判定するステップと を含む」 という限定を付加するものであって、補正前の請求項7に記載された発明と補正後の請求項4に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項4に記載される発明(以下、「本件補正発明」という。)が、同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1に記載したとおりのものであり、以下に再掲する。 なお、本件補正発明の各構成の符号は、説明のために当審において付与したものであり、以下、構成A?構成Dと称する。 (本件補正発明) (A)サービスプラットフォームに適用されるインタラクション情報処理方法であって、 (B)第1のアカウントを用いてログインした第1の端末によって送信されたインタラクション情報を受信するステップであって、 (B1)前記インタラクション情報は、第1のマルチメディア情報に関連付けられ、前記第1の端末が前記第1のマルチメディア情報の再生を休止しているとき、前記第1の端末のユーザによって入力された第2のマルチメディア情報を含む、ステップと、 (C)ソーシャル関係によって前記第1のアカウントに関連付けられた第2のアカウントを判定するステップと、 (D)前記第2のアカウントを用いてログインした第2の端末が前記第1のマルチメディア情報を再生しているときに前記第2の端末によって提示されるために、前記インタラクション情報を前記第2の端末へ送信するステップと、を含み、 (C)ソーシャル関係によって前記第1のアカウントに関連付けられた第2のアカウントを判定する前記ステップは、 (C1)前記第2のマルチメディア情報に対応する前記第1のアカウントの識別情報を受信するステップと、 (C2)前記第1のアカウントの前記識別情報に基づいて、前記第1のアカウントのソーシャル関係を探索するステップと、 (C3)前記ソーシャル関係に基づいて、前記第1のアカウントと前記第2のアカウントとの間のインタラクションの頻度が予め定められた所定の頻度に達することを満たす前記第2のアカウントを、前記インタラクション情報が送信されるべきアカウントであると判定するステップとを含む (A)方法。 (2)引用文献の記載、引用発明及び周知技術 (2-1)引用文献1 ア 引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1である特開2013-118649号公報には、「媒体とともにコメントを提示するためのシステム及び方法」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、下線は強調のために当審で付したものである。 (ア)「【0001】 本開示は、一般に電子装置及び方法に関し、より詳細には、ユーザが生成した媒体に関するコメントを記録して提示するためのシステム及び方法に関する。」 (イ)「【0007】 コメントは、テキスト、画像データ、サウンド及びグラフィックデータのうちの1又はそれ以上を含むグラフィック表現に関連することができる。コメントは、媒体を見た時のユーザの反応又は感想を提供するために使用ことができる。コメントは、ユーザの音の記録又は選択されたオーディオデータなどのオーディオデータを含むことができる。別の実施形態では、コメントが、媒体に関連するマーケティング情報又は製品情報を提供することができる。 【0008】 本開示の1つの実施形態は、ビデオデータの表示などの媒体を提示するように構成することができるディスプレイ装置などの電子装置に関する。この装置は、媒体に関連するコメントを要求及び/又は検出し、このコメントを媒体とともに提示するようにさらに構成することができる。別の実施形態によれば、この装置を、コメントを受け取って、このコメントを媒体の提示とともに提示するように構成されたメディアプレーヤとすることができる。本明細書で使用する媒体とは、一般にビデオデータ、オーディオデータ、グラフィックデータ、画像データ及びオーディオ/ビジュアルデータのうちの1又はそれ以上に関することができるものである。」 (ウ)「【0019】 ここで図2を参照すると、1又はそれ以上の実施形態による、媒体の提示に関連するコメントを提示する処理を示している。装置は、処理200を使用して、媒体の提示中にコメントを提示することができる。いくつかの実施形態では、媒体を提示するためのアプリケーション及びソーシャルネットワーク用のアプリケーションの一方又は両方などのアプリケーションによって処理200を実行することができる。 【0020】 処理200は、ブロック205において、表示する媒体を出力することにより開始することができる。ブロック205における媒体の出力は、一般に(ビデオデータ105などの)ビデオデータ、映画/フィルムデータ、画像データ、グラフィックデータ及びオーディオ/ビジュアルデータのうちの1又はそれ以上の出力を含むことができる。ブロック205における媒体の出力は、ディスプレイ装置又はテレビなどの装置によって行うことができる。別の実施形態では、ディスプレイ装置に媒体を出力するように構成された(ビデオディスクプレーヤ、セットトップボックス、ゲーム機、メディアプレーヤなどの)メディアプレーヤによって媒体の出力を行うことができる。従って、処理200を装置に関連して説明しているが、処理200及び処理200の機能を、1又はそれ以上の装置が実行するアプリケーションによって実行することもできると理解されたい。 【0021】 ブロック210において、媒体に関する1又はそれ以上のコメントを検出することができる。1つの実施形態では、ディスプレイ装置又はメディアプレーヤなどの装置のユーザがコメントを作成し、後で提示できるように装置に記憶することができる。このようにして、ブロック210において、装置が記憶したコメントに基づいて媒体に関するコメントを検出するように装置を構成することができる。 【0022】 別の実施形態によれば、媒体の提示中に、ソーシャルネットワーキングアプリケーションなどのアプリケーション、又はアプリケーションウィジェットによってコメントを作成して記憶することができる。このようにして、ソーシャルネットワーキングアプリケーションのサーバにコメントを記憶し、ソーシャルネットワーク内で確立される1又はそれ以上の関係に少なくとも基づいてこれを検索することができる。一例として、ユーザのソーシャルネットワークの1又はそれ以上のメンバーをユーザ設定が指定していることに基づいて、ユーザにコメントを表示することができる。従って、ブロック210において、媒体に関するコメントを検出するステップは、サーバ、サーバとのネットワーク通信、及びソーシャルネットワーク内のユーザとの1又はそれ以上の関係から受け取られる1又はそれ以上のコメントに基づくことができる。 【0023】 ブロック210における媒体に関するコメントを検出するステップは、装置が媒体を提示又はロードすることにより開始することができる。例えば、装置は、再生前及び/又は再生中に、媒体に関連するコメントがないかチェックすることができる。1つの実施形態によれば、媒体に関するコメントを検出するステップは、サーバにコメントデータを要求するステップを含むことができる。コメントの要求は、提示する特定の媒体又はビデオファイルを特定することができる。ブロック210において検出されたコメントは、媒体の提示中に、提示のために待ち行列に入れ又は記憶することができる。 【0024】 ブロック215において、処理200は、検出したコメントに関連するタイムコードを検出することができる。1つの実施形態によれば、各コメントは、媒体の1又はそれ以上のフレームを指定するタイムコードを含むことができる。このようにして、1又はそれ以上のフレームに関連するコメントを提示することができる。1つの実施形態によれば、タイムコードが、媒体の1又はそれ以上のフレームに関連する時間に関する。タイムコードは、媒体を提示するためのタイミングシステムに基づくことができ、時間、分、秒及びフレームのうちの1又はそれ以上を含むことができる。 【0025】 ブロック220において、コメントに関するグラフィック表現を出力することができる。1つの実施形態では、コメントをグラフィック要素として表示することができる。コメントは、表示ウィンドウ内の媒体へのオーバーレイとして提示することができ、このオーバーレイは、テキスト及び画像データの一方又は両方を含む。いくつかの実施形態では、サウンドアイコンのグラフィック表現を含むようにコメントを表示することができる。例えば、選択可能アイコンとしてコメントを表示し、これを選択することにより、録音した音の再生を開始することができる。コメントのグラフィック表現は、限定するわけではないが、ソーシャルネットワーク上のプロフィールに関連するユーザ名及び画像を含む、コメントを作成したユーザの1又はそれ以上の属性を含むことができる。」 (エ)「【0033】 ここで図4を参照すると、1又はそれ以上の実施形態による簡略システム図を示している。1つの実施形態によれば、システム400は、媒体にコメントをリンクできるようにすることができる。図4に示すように、システム400は、通信ネットワーク410を介してディスプレイ装置415及びメディアプレーヤ420の一方又は両方と通信するように構成されたサーバ405を含む。 【0034】 サーバ405は、コメントデータを受け取り、通信ネットワーク410を介してディスプレイ装置415及びメディアプレーヤ420へ送信するように構成することができる。1つの実施形態によれば、サーバ405を、ディスプレイ装置415及びメディアプレーヤ420の一方又は両方により実行されるウィジェットなどのアプリケーションを、ソーシャルネットワークに関連するデータ記憶装置425とリンクさせるように構成することができる。このようにして、ソーシャルネットワークの1又はそれ以上のユーザからのコメントデータを、ディスプレイ装置415及びメディアプレーヤ420の一方又は両方に提供することができる。システム400は、ソーシャルネットワークのデータ及びユーザを媒体にリンクすることに加え、マーケティングデータ又は広告データを媒体に提供できるようにすることもできる。例えば、サーバ405を、媒体とともに表示するための関連する指定された広告を提供するように構成することができる。また、サーバ405を、提示されたコメント内の1又はそれ以上のユーザ選択に基づいて、ディスプレイ装置415及びメディアプレーヤ420にデータを対話形式で提示できるように構成することもできる。」 (オ)「【0037】 ここで図5A?図5Bを参照すると、コメントデータを提示するグラフィック表現を示している。まず図5Aを参照すると、1又はそれ以上の実施形態によるコメントの提示を示している。図5Aには、ビデオコンテンツ505を含む表示ウィンドウ500のグラフィック表現を示している。表示ウィンドウ500は、(テレビ、コンピュータモニタ、メディアプレーヤなどの)ディスプレイ装置により、媒体又はビデオコンテンツ505を提示するために提示することができる。図5Aのビデオコンテンツ505は、特定のフレーム及び/又はタイムコードに関連することができる。 【0038】 コメント510は、名前515、画像520及びサウンドクリップ用のグラフィック要素525を含むものとして示している。サウンドクリップ525は、ビデオデータ505に応答してユーザが録音したサウンドデータ関連することができる。コメント510の提示は、再生するサウンドクリップ525のグラフィック表現をユーザが選択できるようにすることを含むことができる。1つの実施形態によれば、コメントを、最大1分間にわたるオーディオデータを記憶するように構成することができる。しかしながら、他の時間も可能であると理解されたい。コメント510を提示することで、ユーザは、他のユーザによる論評又は反動的応答を受け取ることができるようになる。従って、論評によってより豊かな体験及びユーザの反応を実現し、これらをソーシャルネットワークによって共有することができる。また、コメント510などのコメントを、媒体の役者又は製作者による論評を提供するように構成することもできる。ビデオデータ505などの媒体に関連するオーディオデータとともに又はこれとは別に、サウンドクリップ525のためのサウンドデータを提示することができる。図1のテキストを含むコメントと同様に、コメント510も、ソーシャルネットワーク内でコメントを作成したユーザのプロフィール名及びプロフィール画像に基づく名前515及び画像520を含むように提示することができる。コメント510の表示位置は、コメントを作成する際にユーザが特定する位置に基づくことができる。このようにして、媒体の表示ウィンドウの特定の位置にコメント510を表示することができる。この位置は、ビデオデータ505の特定の要素を識別できるようにユーザが選択及び/又は特定することができる。この位置をコメントの作成中に決定して記憶し、コメントの表示を、1又はそれ以上のコメントの記憶した位置データに基づいて行えるようにすることができる。」 (カ)「【0040】 ここで図6を参照すると、1又はそれ以上の実施形態による、コメントを作成する処理を示している。処理600は、ディスプレイ装置及びメディアプレーヤの一方又は両方により提示される媒体にコメントを関連付けるために使用することができる。例えば、(ディスプレイ装置415、メディアプレーヤ420などの)装置を、アプリケーションを実行するようにプログラムすることができる。このアプリケーションは、装置を動作させるためのプログラムとともに、又はこのプログラムへの追加として相互動作することができる。装置は、ユーザからのコメントを作成し、記録し、要求し及び/又は表示するように構成することができる。1つの実施形態では、タイムコードに基づいて、コメントを媒体にリンクさせることができる。別の実施形態によれば、ソーシャルネットワーク内の1又はそれ以上の関係に基づいて、コメントをリンク及び/又は提示することができる。図6の処理は、装置が実行するものとして説明しているが、同様の機能をアプリケーションに組み入れ、このアプリケーションにより実行することもできると理解されたい。 【0041】 処理600は、ブロック605において、例えばディスプレイ装置上に表示する媒体を出力することなどの、媒体を出力することによって開始することができる。装置は、媒体を提示し、ユーザがコマンドを入力してコメントを入力できるようにするよう構成することができる。1つの実施形態では、コマンドが、ハードボタン又はソフトボタンの起動などの、リモコン装置の動作に基づくことができる。ブロック610において、装置は、ユーザ入力を検出することができる。ブロック615において、装置は、媒体のタイムコード又はフレームに関連するマークを記憶することができる。いくつかの実施形態では、装置が、媒体の再生を一時停止することができる。他の実施形態では、装置が再生を継続し、後でユーザがコメント用のテキスト及び/又はその他の属性を入力できるようにすることができる。 【0042】 いくつかの実施形態では、ブロック610におけるユーザ入力、及び/又はブロック615における媒体のタイムコードのマーキングにより、ユーザがコメント用のテキスト及び/又はサウンドデータを入力できるようにするためのテキストバー又はテキストボックスの表示を開始することができる。ブロック620において、装置は、検出されたユーザからのデータに基づいて、このタイムコードに関連する媒体に関するコメントを作成することができる。ブロック625において、コメントに関連するデータをサーバへ送信することができる。例えば、媒体、コメントデータ、タイムコード、及びソーシャルネットワークのユーザを識別する情報の識別符号を含むデータを送信することができる。従って、サーバを、コメントに関連するデータを後で検索すべく記憶するように構成することができる。ブロック625におけるデータの送信は、コメントデータをソーシャルネットワークに投稿することを含むことができる。」 (キ)「【図4】 ![]() 」 (ク)「【図5A】 ![]() 」 イ 引用文献1に記載された発明 引用文献1に記載された発明を以下に認定する。 (ア)上記ア(ア)によれば、引用文献1には、「ユーザが生成した媒体に関するコメントを記録して提示するための方法」が記載されている。 (イ)上記ア(カ)によれば、引用文献1に記載の方法は、「コメントを作成する処理」を含むことが記載されている。 (ウ)上記ア(ウ)によれば、引用文献1に記載の方法は、「媒体の提示に関連するコメントを提示する処理」を含むことが記載されている。 (エ)上記(ア)?(ウ)及び上記アで摘記した引用文献1の記載事項によれば、引用文献1には、以下のとおりの発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 なお、引用発明の各構成の符号(a)?(d4)は、説明のために付与したものであり、以下、構成a?構成d4と称する。 (引用発明) (a)ユーザが生成した媒体に関するコメントを記録して提示する方法であって、 (a1)前記コメントは、媒体を見た時のユーザの反応又は感想を提供するために使用ことができ、前記コメントは、ユーザの音の記録又は選択されたオーディオデータなどのオーディオデータを含み、 (a2)前記媒体は、ビデオデータ、オーディオデータ、グラフィックデータ、画像データ及びオーディオ/ビジュアルデータのうちの1又はそれ以上に関するものであり、 (a3)前記方法は、通信ネットワーク410を介してディスプレイ装置415及びメディアプレーヤ420の一方又は両方と通信するように構成されたサーバ405を含むシステム400で実行され、 (a4)サーバ405は、コメントデータを受け取り、通信ネットワーク410を介してディスプレイ装置415及びメディアプレーヤ420へ送信するように構成することができ、前記サーバ405を、ディスプレイ装置415及びメディアプレーヤ420の一方又は両方により実行されるウィジェットなどのアプリケーションを、ソーシャルネットワークに関連するデータ記憶装置425とリンクさせるように構成することができ、このようにして、ソーシャルネットワークの1又はそれ以上のユーザからのコメントデータを、ディスプレイ装置415及びメディアプレーヤ420の一方又は両方に提供することができ、 (a5)ディスプレイ装置415、メディアプレーヤ420などの装置は、ユーザからのコメントを作成し、記録し、要求し及び/又は表示するように構成することができ、 (b)前記方法は、コメントを作成する処理を含み、前記コメントを作成する処理は、以下のステップを含み、 (b1)媒体を提示し、ユーザがコマンドを入力してコメントを入力できるようにするステップ(ブロック605)、 (b2)ユーザ入力を検出するステップ(ブロック610)、 (b3)媒体のタイムコード又はフレームに関連するマークを記憶することができ、媒体の再生を一時停止することができ、又は、再生を継続し、後でユーザがコメント用のテキスト及び/又はその他の属性を入力できるようにするステップ(ブロック615)、 (b4)検出されたユーザからのデータに基づいて、このタイムコードに関連する媒体に関するコメントを作成するステップ(ブロック620)、 (b5)コメントに関連するデータをサーバへ送信するステップ(ブロック625)、 (b6)前記コメントに関連するデータは、媒体、コメントデータ、タイムコード、及びソーシャルネットワークのユーザを識別する情報の識別符号を含むデータであり、従って、サーバを、コメントに関連するデータを後で検索すべく記憶するように構成することができ、 (c)前記方法は、媒体の提示に関連するコメントを提示する処理を含み、装置は、処理200を使用して、媒体の提示中にコメントを提示することができ、 前記媒体の提示に関連するコメントを提示する処理は、以下のステップを含み、 (c1)表示する媒体を出力することにより開始するステップ(ブロック205)、 (c11)前記媒体の出力は、ビデオデータ、映画/フィルムデータ、画像データ、グラフィックデータ及びオーディオ/ビジュアルデータのうちの1又はそれ以上の出力を含み、 (c12)前記媒体の出力は、ディスプレイ装置に媒体を出力するように構成されたメディアプレーヤによって媒体の出力を行うことができ、 (c2)媒体に関するコメントを検出するステップ(ブロック210)、 (c21)装置が記憶したコメントに基づいて媒体に関するコメントを検出するように構成し、 (c22)前記媒体の提示中に、ソーシャルネットワーキングアプリケーションなどのアプリケーション、又はアプリケーションウィジェットによってコメントを作成して記憶することができ、 (c23)前記ソーシャルネットワーキングアプリケーションのサーバにコメントを記憶し、ソーシャルネットワーク内で確立される1又はそれ以上の関係に少なくとも基づいてこれを検索することができ、 (c24)従って、前記媒体に関するコメントを検出するステップは、サーバ、サーバとのネットワーク通信、及びソーシャルネットワーク内のユーザとの1又はそれ以上の関係から受け取られる1又はそれ以上のコメントに基づくことができ、 (c3)検出したコメントに関連するタイムコードを検出するステップ(ブロック215)、 (c4)コメントに関するグラフィック表現を出力するステップ(ブロック220)、 (c41)前記コメントは、表示ウィンドウ内の媒体へのオーバーレイとして提示することができ、このオーバーレイは、テキスト及び画像データの一方又は両方を含み、 (c42)サウンドアイコンのグラフィック表現を含むようにコメントを表示することができ、例えば、選択可能アイコンとしてコメントを表示し、これを選択することにより、録音した音の再生を開始することができ、 (c43)コメントのグラフィック表現は、限定するわけではないが、ソーシャルネットワーク上のプロフィールに関連するユーザ名及び画像を含む、コメントを作成したユーザの1又はそれ以上の属性を含むことができ、 (d)前記コメントデータを提示するグラフィック表現は、 (d1)表示ウィンドウ500は、メディアプレーヤのディスプレイ装置により、媒体又はビデオコンテンツ505を提示するために提示することができ、ビデオコンテンツ505は、特定のフレーム及び/又はタイムコードに関連することができ、 (d2)コメント510は、名前515、画像520及びサウンドクリップ用のグラフィック要素525を含み、サウンドクリップ525は、ビデオデータ505に応答してユーザが録音したサウンドデータ関連することができ、コメント510の提示は、再生するサウンドクリップ525のグラフィック表現をユーザが選択できるようにすることを含むことができ、 (d3)前記コメントを、最大1分間にわたるオーディオデータを記憶するように構成することができ、しかしながら、他の時間も可能であり、 (d4)前記ビデオデータ505などの媒体に関連するオーディオデータとともに、サウンドクリップ525のためのサウンドデータを提示することができ、テキストを含むコメントと同様に、コメント510も、ソーシャルネットワーク内でコメントを作成したユーザのプロフィール名及びプロフィール画像に基づく名前515及び画像520を含むように提示することができる (a)方法。 (2-2)周知技術 ア 参考文献Aの記載事項 本願出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2006-331297号公報(以下、「参考文献A」という。)には、「Weblogシステムにおけるコミュニケーション制御方法、コミュニケーション制御装置及びコミュニケーション制御方法のプログラムを記録した記録媒体」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、下線は強調のために当審で付したものである。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、Weblogシステムにおけるコミュニケーション制御方法および制御装置に関する。」 「【0030】 (S2)コミュニケーション関係抽出手段33により、収集されたWeblogコンテンツから、対象となった全Weblogサイト間でのコミュニケーション情報(コメント、トラックバック)の発信・受信関係を、そのコミュニケーション情報を含むエントリーを持つWeblogサイトのURLと、コメント、トラックバック元のWeblogサイトのURLから特定し、Weblogサイト間のコメント送受信数、トラックバック送受信数を集計し、データベース34に保存する。 【0031】 (S3)データベース34に集計されたコミュニケーション関係(各サイト間におけるコメント、トラックバックの送受信数)から、ユーザ端末間距離算出手段35により、コミュニケーションの回数や頻度、かつ双方向性が高いほど値を低くとる関数を用いて、対象とした全てのサイト間の距離値を算出し、データベース34に保存する。 【0032】 なお、距離値算出の際に、コメントやトラックバックの登録時刻からの経時減衰量を乗ずることにより、過去に行われたコミュニケーション活動の影響を減じ、より現在の状態に即したユーザ端末間の距離値とする場合もある。 【0033】 これらWeblogサイト(ユーザ)間の距離値は、Weblogサイトにおけるコミュニケーション情報の表示制御に際して有効利用される。 【0034】 (S4)情報端末からWeblogサイトの参照を要求されたとき、サーバ10を介してコミュニケーション情報制御手段36が起動され、参照を要求されたWeblogサイトが含まれるコミュニケーション関係をデータベース34で検索し、そのWeblogサイトと交流を持つWeblogサイトと、その距離値のリストを抽出する。その上で、抽出されたWeblogサイトのリストを基に、要求元の情報端末に対して、実際に提示するコミュニケーション情報を制御する。 【0035】 例えば、ユーザが自身のWeblogサイトを参照する際であれば、より低い距離値を有するWeblogサイトからのコメント、トラックバックを優先し、その他を排除、もしくは隠蔽する。」 イ 参考文献Aに記載された技術 上記アによれば、参考文献Aには、以下の技術が記載されていると認められる。 (参考文献Aに記載された技術) コミュニケーション制御方法において、 収集されたWeblogコンテンツから、コミュニケーション情報(コメント、トラックバック)の発信・受信関係を特定し、Weblogサイト間のコメント送受信数、トラックバック送受信数を集計し、 集計されたコミュニケーション関係(各サイト間におけるコメント、トラックバックの送受信数)から、コミュニケーションの回数や頻度、かつ双方向性が高いほど値を低くとる関数を用いて、対象とした全てのサイト間の距離値を算出し、 情報端末からWeblogサイトの参照を要求されたとき、参照を要求されたWeblogサイトが含まれるコミュニケーション関係を検索し、そのWeblogサイトと交流を持つWeblogサイトと、その距離値のリストを抽出し、抽出されたWeblogサイトのリストを基に、要求元の情報端末に対して、実際に提示するコミュニケーション情報を制御し、 ユーザが自身のWeblogサイトを参照する際であれば、より低い距離値を有するWeblogサイトからのコメント、トラックバックを優先し、その他を排除、もしくは隠蔽する 方法。 ウ 参考文献Bの記載事項 本願出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2014/057636号(以下、「参考文献B」という。)には、「情報開示システム、情報開示サーバ、通信端末、情報開示方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体」(発明の名称)に関し、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、下線は強調のために当審で付したものである。 「技術分野 [0001] 本発明は情報開示システム、情報開示サーバ、通信端末、情報開示方法及び非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。」 「[0052] 実施の形態2 以下、図面を参照して本発明の実施の形態2について説明する。図3は、実施の形態2にかかる情報開示システムの構成例を示すイメージ図である。情報開示システム10は、自端末(ユーザ側の携帯端末)20、相手端末(通信相手側の携帯端末)21及び情報開示サーバ30を備える。実施の形態2において、情報開示システム10は、ユーザとユーザの複数の相手ユーザ(通信相手)とを会員に含むSNSにおいて、それぞれの相手ユーザに対しユーザの情報を開示するシステムである。 [0053] 図3において、自端末20は、情報開示サーバ30を介して、相手端末21と無線通信(交信)を実行する。情報開示サーバ30は、自端末20と相手端末21との交信履歴を格納して、その交信履歴に基づき、ユーザとそれぞれの相手ユーザとの交信頻度を算出する。そして情報開示サーバ30は、算出した交信頻度に基づいて、それぞれの相手ユーザが相手端末21からSNSにアクセスした際に閲覧することが可能なユーザの情報の開示範囲を設定する。なお、交信頻度は、実施の形態1における交流頻度の一例に相当する。 (中略) [0061] 交信頻度算出部37は、タイミング生成部34によって発生されたイベント信号の時刻毎に、交信履歴蓄積部36からそれぞれの相手ユーザにかかる交信履歴情報を取得して、これに基づき、ユーザとそれぞれの相手ユーザとの交信頻度を算出する。交信頻度算出部37は、疎遠度合判定部38に対して、ユーザとそれぞれの相手ユーザとの交信頻度の情報を提供する。 (中略) [0064] 疎遠度合判定部38は、例えば次のように、ユーザと相手ユーザ毎の人間関係の疎遠度を判定する。疎遠度合判定部38においては、予め所定の閾値が決められている。この所定の閾値は、ユーザによって設定されるものでもよいし、疎遠度合判定部38が自動で設定するものでもよい。疎遠度合判定部38は、交信頻度算出部37から入力されたユーザと特定の相手ユーザとの交信頻度が所定の閾値以上である場合には、ユーザと特定の相手ユーザとは親密につながっていると判定する。逆に、交信頻度算出部37から入力されたユーザと特定の相手ユーザとの交信頻度が所定の閾値よりも低い場合には、ユーザと特定の相手ユーザとのつながりは疎遠であると判定する。 [0065] 疎遠度合判定部38は、開示範囲設定操作部39に対して、判定した疎遠度合の結果を出力する。ここで疎遠度合判定部38は、疎遠度を判定した全ての相手ユーザについて、判定した疎遠度合の結果を出力してもよい。 [0066] あるいは、疎遠度合判定部38は、開示範囲設定操作部39に対して、疎遠であると判定した相手ユーザのリストの情報を出力してもよい。又は、疎遠度合判定部38は、開示範囲設定操作部39に対して、親密であると判定した相手ユーザのリストの情報を出力してもよい。あるいは、疎遠度合判定部38は、開示範囲設定操作部39に対して、親密であると判定した相手ユーザのリスト及び疎遠であると判定した相手ユーザのリストの両方の情報を出力してもよい。 [0067] 開示範囲設定操作部39は、疎遠度合判定部38から入力された情報(例えば相手ユーザのリスト)に基づいて、それぞれの相手ユーザにおける情報共有部33における情報共有範囲を設定する。開示範囲設定操作部39は、場合によっては、特定の相手ユーザにおける情報共有範囲を以前のものから変更する処理を実行する。 [0068] なお、交信履歴蓄積部36は図1における履歴格納部4に対応し、交信頻度算出部37は図1における交流頻度算出部5に対応し、疎遠度合判定部38及び開示範囲設定操作部39は図1における設定部3に対応し、情報共有部33は図1における情報開示部2に対応する。」 エ 参考文献Bに記載された技術 上記ウによれば、参考文献Bには、以下の技術が記載されていると認められる。 (参考文献Bに記載された技術) ユーザとユーザの複数の相手ユーザ(通信相手)とを会員に含むSNSにおいて、それぞれの相手ユーザに対しユーザの情報を開示する方法において、 それぞれの相手ユーザにかかる交信履歴情報を取得して、これに基づき、ユーザとそれぞれの相手ユーザとの交信頻度を算出し、 ユーザと特定の相手ユーザとの交信頻度が所定の閾値以上である場合には、ユーザと特定の相手ユーザとは親密につながっていると判定し、 親密であると判定した相手ユーザのリストの情報を出力し、 前記相手ユーザのリストに基づいて、それぞれの相手ユーザにおける情報共有範囲を設定する 方法。 オ 参考文献A及び参考文献Bに記載の周知技術 上記イ及びエより、次の技術は周知技術と認められる。 (参考文献A及び参考文献Bに記載の周知技術) コミュニケーション制御方法において、ユーザと相手ユーザとのコミュニケーション(コメントの送受信、交信)の頻度を算出し、当該頻度と所定の閾値を比較し、所定の閾値以上である場合は、相手ユーザに情報提示するように制御する技術。 (3)対比 本件補正発明と、引用発明を対比する。 ア 構成Aについて (ア)引用発明の「コメント」は、構成a1のとおり、「媒体を見た時のユーザの反応又は感想」であり、「ユーザの音の記録」又は「オーディオデータ」を含むから、引用発明の「コメントデータ」は、本件補正発明の「インタラクション情報」に相当する。 (イ)引用発明の「サーバ」は、構成a3のとおり、「通信ネットワーク410を介してディスプレイ装置415及びメディアプレーヤ420の一方又は両方と通信する」ものであって、構成a4のとおり、「コメントデータを受け取り、ディスプレイ装置415及びメディアプレーヤ420へ送信するように構成することができ」るものである。 よって、引用発明の「サーバ405」は、サービスプラットフォームであるといえ、インタラクション情報を処理するものであるといえる。 したがって、引用発明は、サービスプラットフォームに適用されるインタラクション情報を処理する方法である点で、本件補正発明と一致する。 イ 構成B、B1について (ア)引用発明の「媒体」は、構成a2のとおり、「ビデオデータ、オーディオデータ、グラフィックデータ、画像データ及びオーディオ/ビジュアルデータのうちの1又はそれ以上に関するもの」であるから、構成B1の「第1のマルチメディア情報」に相当する。 (イ)構成a5の「ユーザからのコメントを作成し、記録」する処理を行う「ディスプレイ装置415、メディアプレーヤ420などの装置」、及び、構成b3のコメントを作成する処理を行う「装置」は、構成B及び構成B1の「第1の端末」に相当する。 (ウ)引用発明の「コメント」及び「コメントデータ」は、構成a1のとおり、「ユーザの音の記録又は選択されたオーディオデータなどのオーディオデータ」であるから、上記第1のマルチメディア情報とは異なる第2のマルチメディア情報であるといえる。 そして、当該コメントデータは、「装置」により構成b3のとおり「媒体の再生を一時停止」して、作成することができるものである。 また、当該コメントデータは、構成b3?c23のとおり、タイムコードに関連する媒体に関するものであって、当該媒体及びタイムコードとともに「コメントに関連するデータ」として、サーバ405へ送信されるものであるから、上記(ア)及び(イ)より、「第1のマルチメディア情報に関連付けられ、前記第1の端末が前記第1のマルチメディア情報の再生を休止しているとき、前記第1の端末のユーザによって入力された第2のマルチメディア情報」である構成B1の「前記インタラクション情報」に相当する。 (エ)サーバ405は、上記「装置」から送信された上記「コメントに関連するデータ」を受信するといえるから、上記(ア)?(ウ)より、第1の端末によって送信されたインタラクション情報を受信するといえる。 (オ)上記(ウ)及び(エ)より、構成a1?構成c23は、「第1の端末によって送信されたインタラクション情報を受信するものであって、前記インタラクション情報は、第1のマルチメディア情報に関連付けられ、前記第1の端末が前記第1のマルチメディア情報の再生を休止しているとき、前記第1の端末のユーザによって入力された第2のマルチメディア情報」であるといえる。 したがって、引用発明は、 「第1の端末によって送信されたインタラクション情報を受信するステップであって、 前記インタラクション情報は、第1のマルチメディア情報に関連付けられ、前記第1の端末が前記第1のマルチメディア情報の再生を休止しているとき、前記第1の端末のユーザによって入力された第2のマルチメディア情報を含む、ステップ」 を含む点で、構成B及び構成B1と共通する。 (カ)しかしながら、「第1の端末」が、本件補正発明では、第1のアカウントを用いてログインしたものであるのに対し、引用発明では、第1のアカウントを用いてログインしたものであるのか否かについて、明示的に特定していない点で相違する。 ウ 構成Dについて (ア)構成a5の「ユーザからのコメント」を要求し及び表示する「ディスプレイ装置415、メディアプレーヤ420などの装置」、及び、構成cの媒体の提示中にコメントを提示する「装置」は、構成Dの「第2の端末」に相当する。 (イ)構成cの「コメント」は、構成c24のとおり、通信ネットワーク410を介して通信するように構成されたサーバ405から提供されるものである。 してみると、構成a1?構成a5及び構成c?構成d5は、上記「装置」が媒体を提示しているときに、当該「装置」によって提示されるために、コメントを当該「装置」に送信するものといえる。 (ウ)したがって、上記(ア)及び(イ)より、引用発明は、 「第2の端末が前記第1のマルチメディア情報を再生しているときに前記第2の端末によって提示されるために、前記インタラクション情報を前記第2の端末へ送信するステップ」 を含む点で、構成Dと共通する。 (エ)しかしながら、「第2の端末」が、本件補正発明では、第2のアカウントを用いてログインしたものであるのに対し、引用発明では、第2のアカウントを用いてログインしたものであるのか否かについて、明示的に特定していない点で相違する。 エ 構成C1について (ア)構成b5の「コメントに関連するデータ」はサーバに送信され、構成b6においてサーバは「コメントに関連するデータ」を検索すべく記憶するから、サーバ405は、当該「コメントに関連するデータ」を受信するといえる。 当該「コメントに関連するデータ」の「ソーシャルネットワークのユーザを識別する情報」は、コメントデータに対応するものといえるから、上記イ(ウ)より、「第2のマルチメディア情報に対応するコメントを作成したユーザを識別する情報」といえる。 したがって、引用発明は、「前記第2のマルチメディア情報に対応する、識別情報を受信するステップ」を含む点で、構成C1と共通する。 (イ)しかしながら、「識別情報」が、本件補正発明では、第1のアカウントの識別情報であるのに対し、引用発明では、コメントを作成したユーザの識別情報である点で相違する。 オ 構成C2について 構成c23において、「ソーシャルネットワーク内で確立される1又はそれ以上の関係に少なくとも基づいて」コメントを検索するには、当該ソーシャルネットワーク内で確立される1又はそれ以上の関係を有するユーザを識別する必要があるから、構成b6の「ソーシャルネットワークのユーザを識別する情報」に基づいて探索されることは自明である。 したがって、引用発明の構成c23は、上記エ(イ)の相違点を除き、「前記識別情報に基づいて、ソーシャル関係を探索するステップ」を含む点で、構成C2と共通する。 カ 構成C3について (ア)上記ウのとおり、構成cの「装置」は、構成Dの「第2端末」に相当するものであり、上記オのとおり、構成c23は、「識別情報に基づいて、ソーシャル関係を探索する」から、引用発明は、所定の関係を満たす送信先を、前記インタラクション情報が送信されるべき送信先であると判定するステップを含む。 したがって、引用発明は、 「前記ソーシャル関係に基づいて、所定の関係を満たす送信先を前記インタラクション情報が送信されるべき送信先であると判定するステップ」 を含む点で、構成C3と共通する。 (イ)しかしながら、上記イ(カ)の相違点、及び、上記エ(イ)の相違点に加えて、インタラクション情報が送信されるべき送信先が、本件補正発明では、「第1のアカウントと第2のアカウントとの間のインタラクションの頻度が予め定められた所定の頻度に達することを満たす第2のアカウント」であるのに対し、引用発明では、送信先について特定されていない点で相違する。 キ 構成Cについて 上記エ?カより、引用発明は、 「ソーシャル関係によって送信先を判定するステップ」 を含んでいる点で構成Cと共通する。 しかしながら、送信先が、本件補正発明では、「第1のアカウントに関連付けられた第2のアカウント」であるのに対し、引用発明では、そのような特定がなされていない点で相違する。 ク したがって、本件補正発明と引用発明とは、次の点で一致及び相違する。 [一致点] (A)サービスプラットフォームに適用されるインタラクション情報処理方法であって、 (B’)第1の端末によって送信されたインタラクション情報を受信するステップであって、 (B1)前記インタラクション情報は、第1のマルチメディア情報に関連付けられ、前記第1の端末が前記第1のマルチメディア情報の再生を休止しているとき、前記第1の端末のユーザによって入力された第2のマルチメディア情報を含む、ステップと、 (C’)ソーシャル関係によって送信先を判定するステップと、 (D’)第2の端末が前記第1のマルチメディア情報を再生しているときに前記第2の端末によって提示されるために、前記インタラクション情報を前記第2の端末へ送信するステップと、を含み、 (C’)ソーシャル関係によって送信先を判定する前記ステップは、 (C1’)前記第2のマルチメディア情報に対応する、識別情報を受信するステップと、 (C2’)前記識別情報に基づいて、ソーシャル関係を探索するステップと、 (C3’)前記ソーシャル関係に基づいて、所定の関係を満たす送信先を前記インタラクション情報が送信されるべき対象であると判定するステップとを含む (A)方法。 [相違点] (相違点1) 「第1の端末」が、本件補正発明では、第1のアカウントを用いてログインしたものであるのに対し、引用発明では、第1のアカウントを用いてログインしたものであるのか否かについて、明示的に特定していない点。 (相違点2) 「第2の端末」が、本件補正発明では、「第2のアカウントを用いてログインした」ものであるのに対し、引用発明では、「第2のアカウントを用いてログインした」ものであるのか否かについて、明示的に特定していない点。 (相違点3) 「識別情報」が、本件補正発明では、第1のアカウントの識別情報であるのに対し、引用発明では、コメントを作成したユーザの識別情報である点。 (相違点4) 送信先が、本件補正発明では、「第1のアカウントに関連付けられた第2のアカウント」であって、「前記第1のアカウントと前記第2のアカウントとの間のインタラクションの頻度が予め定められた所定の頻度に達することを満たす前記第2のアカウント」であるのに対し、引用発明では、送信先について特定されていない点。 (4)判断 以下、相違点について検討する。 (4-1)相違点について ア 相違点1?3について ソーシャルネットワーキングサービスのシステムにおいて、端末から、ユーザが当該ユーザのアカウントによりログインした後、当該サービスの利用を可能とすることは、例示するまでもなく当業者には周知の技術である。 引用発明も、ソーシャルネットワーキングサービスのシステムに関するものであるから、引用発明に上記周知技術を適用し、第1の端末及び第2の端末それぞれを利用するユーザに、当該ユーザのアカウントである第1のアカウント及び第2のアカウントそれぞれを用いてログインさせるようにし、前記第1の端末及び前記第2の端末それぞれを、当該第1のアカウント及び当該第2のアカウントそれぞれを用いてログインしたものとすることは、当業者が容易になし得たことである。 このとき、前記第1の端末のユーザである、コメントを作成したユーザの識別情報として、第1のアカウントの識別情報を用いることは、当業者が適宜なし得たことである。 イ 相違点4について 引用発明と、「参考文献A及び参考文献Bに記載の周知技術」とはいずれも、コミュニケーションの制御方法に関するものである。 したがって、引用発明に、「参考文献A及び参考文献Bに記載の周知技術」を適用し、引用発明において、上記アの検討に加えてさらに、第1のアカウントと第2のアカウントとのコミュニケーションの頻度を算出し、当該頻度が予め定められた所定の値に達している前記第2のアカウントを、インタラクション情報を提示する範囲とするべく、その送信先とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (4-2)効果等について 本件補正発明の構成は、上記のように当業者が容易に想到できたものであるところ、本件補正発明が奏する効果は、その容易想到である構成から当業者が容易に予測し得る範囲内のものであり、同範囲を超える顕著なものではない。 (4-3)まとめ 以上のように、本件補正発明は、引用文献1に記載された発明、及び、参考文献A及びBに記載された周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (5)本件補正についてのむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成31年1月18日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成30年9月28日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1?19に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項7に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項7に記載された事項により特定される前記第2[理由]1の「補正前の請求項7」に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の理由2は、この出願の請求項7に係る発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1?3に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特開2013-118649号公報 引用文献2:米国特許出願公開第2009/0249223号明細書(周知技術を示す文献) 引用文献3:国際公開第2015/038338号(周知技術を示す文献) 3 引用文献の記載及び引用発明 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項及び引用発明は、前記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。 4 対比、判断 本願発明は、前記第2[理由]2で検討した本件補正発明から、構成C1?構成C3の限定事項を削除し、構成A?構成Dとしたものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項に対応する本件補正発明の構成A?構成D(ただし、構成C1?構成C3は除く)が、上記第2[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、上記引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、上記引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 引用文献2及び3は、本願発明における「第2のマルチメディア情報」が、本願明細書の[0029]に記載された「画像情報」を含む場合を想定して引用されたものであるが、本願発明において、当該「第2のマルチメディア情報」に「画像情報」が含まれることは特定されていないから、当該引用文献2及び3について言及するまでもなく、本願発明は、引用文献1?3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審理終結日 | 2020-02-13 |
結審通知日 | 2020-02-17 |
審決日 | 2020-03-03 |
出願番号 | 特願2018-502311(P2018-502311) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H04N)
P 1 8・ 575- Z (H04N) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 久保 光宏 |
特許庁審判長 |
鳥居 稔 |
特許庁審判官 |
須田 勝巳 菊池 智紀 |
発明の名称 | インタラクション情報処理方法、クライアント、サービスプラットフォーム、および記憶媒体 |
代理人 | 木内 敬二 |
代理人 | 実広 信哉 |