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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G02F
管理番号 1364592
審判番号 不服2019-14083  
総通号数 249 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-10-23 
確定日 2020-07-30 
事件の表示 特願2016-561965「液晶ディスプレイパネル」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 6月 2日国際公開、WO2016/084952〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続きの経緯
本願は、2015年11月27日(優先権主張2014年11月28日、日本国)を国際出願日とする出願であって、その後の主な手続きの経緯は、以下のとおりである。

平成30年 7月30日 :出願審査請求書の提出
平成31年 4月15日付け:拒絶理由通知(同年5月8日発送)
令和元年 7月 4日 :手続補正書・意見書
同年 7月19日付け:拒絶査定(同年7月30日送達)
同年10月23日 :審判請求書・手続補正書の提出

第2 令和元年10月23日付け手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和元年10月23日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[補正の却下の決定の理由]
1 補正内容
本件補正は、特許請求の範囲についてするものであり、特許請求の範囲については、本件補正前の特許請求の範囲の請求項12(令和元年7月4日付け手続補正後のもの)に、

「【請求項12】
酸化物基準のモル%表示で、
SiO_(2) 66?74、
Al_(2)O_(3) 10?15、
B_(2)O_(3 ) 0.1?5、
MgO 2?12、
CaO 3?11、
SrO 0?10、
BaO 0?5、
ZrO_(2) 0?2を含み、
MgO+CaO+SrO+BaOが19.0以上、
ヤング率(E)が70?95GPa、50℃?350℃の平均熱膨張係数(α)が32×10^(-7)?45×10^(-7)(1/℃)、且つ下記式(1)を満たす、
20α+7E≧1310 (1)、
式(1)において、αの単位は10^(-7)(1/℃)、Eの単位はGPaである、無アルカリガラスの基板。」とあったものを、

本件補正後に
「【請求項8】
酸化物基準のモル%表示で、
SiO_(2) 66?74、
Al_(2)O_(3) 10?15、
B_(2)O_(3) 0.1?5、、
MgO 2?12、
CaO 3?11、
SrO 0?4、
BaO 0?5、
ZrO_(2) 0?2を含み、
MgO+CaO+SrO+BaOが19.0以上、
ヤング率(E)が70?95GPa、50℃?350℃の平均熱膨張係数(α)が32×10^(-7)?45×10^(-7)(1/℃)、且つ下記式(1)を満たす、
20α+7E≧1310 (1)、
式(1)において、αの単位は10^(-7)(1/℃)、Eの単位はGPaである、無アルカリガラスの基板。」と補正する内容を含むものである(なお、下線は、当審で付したものである。以下同じ。)。

3 補正内容
本件補正は、本件補正前の請求項12に係る発明を特定するために必要な「SrO」のモル%表示について、「0?10」を「0?4」に限定するとともに、項番を請求項8に繰り上げることを含むものであり、その補正前後で、発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であることから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものと認められることから、本件補正後の請求項8に係る発明(以下「本願補正発明」という。)について、これが特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か)を、以下に検討する。

4 独立特許要件
(1)本願補正発明
本願補正発明は、上記「第2 1」に、本件補正後の請求項8として記載したとおりのものである。

(2)引用文献
ア 原査定の拒絶の理由において、引用文献1として引用され国際公開第2013/183539号(以下「引用文献」という。)には、図面とともに、以下の記載がある。

(ア)「[請求項2] 研磨砥粒として酸化セリウムを含む研磨スラリを用いて、ガラス基板の主面を研磨する、ガラス基板の仕上げ研磨方法であって、
前記ガラス基板の組成が、下記の無アルカリガラスであり、
前記ガラス基板の主面の20mmピッチのうねりに換算したうねりの高さが0.14μmから0.10μmまで変化する際の前記ガラス基板の研磨量をX(μm)とするとき、0.04/Xが0.12以上となる条件で研磨する段階を含む、ガラス基板の仕上げ研磨方法。
歪点が710℃以上であって、50?350℃での平均熱膨張係数が30×10^(-7)?43×10^(-7)/℃であって、ガラス粘度が10^(2)dPa・sとなる温度T_(2)が1710℃以下であって、ガラス粘度が10^(4)dPa・sとなる温度T_(4)が1320℃以下であって、
酸化物基準のモル%表示で
SiO_(2) 66?70、
Al_(2)O_(3) 12?15、
B_(2)O_(3 ) 0?1.5、
MgO 5?9.5、
CaO 4?11、
SrO 0.5?4.5、
BaO 0?1、
ZrO_(2) 0?2を含有し、
MgO+CaO+SrO+BaOが18.2超21以下であり、
MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)が0.25以上であり、MgO/(MgO+CaO)が0.3以上であり、MgO/(MgO+SrO)が0.60以上であり、Al_(2)O_(3)×(MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO))が5.5以上である無アルカリガラス。」

(イ)「[0033] MgOは、比重を上げずにヤング率を上げるため、比弾性率を高くすることでガラスのたわみを軽減できる。また、アルカリ土類の中では膨張を高くせず、かつ歪点を過大には低下させないという特徴を有し、溶解性も向上させる。
ここで、ガラス組成1では、MgO含有量が9.5%超13%以下である。9.5%以下では上述したMgO添加による効果が十分あらわれない。しかし、13%を超えると、失透温度が上昇するおそれがある。12.5%以下が好ましく、12%以下がより好ましく、11.5%以下がさらに好ましい。
一方、ガラス組成2では、MgO含有量が5?9.5%である。5%未満では上述したMgO添加による効果が十分あらわれない。6%以上が好ましく、7%以上がより好ましい。しかし、9.5%を超えると、失透温度が上昇するおそれがある。9.3%以下が好ましく、9%以下がより好ましい。
[0034] CaOは、MgOに次いでアルカリ土類中ではヤング率と比弾性率を高くし、膨張を高くせず、かつ歪点を過大には低下させないという特徴を有し、溶解性も向上させる。
ここで、ガラス組成1では、CaO含有量が4?9%である。4%未満では上述したCaO添加による効果が十分あらわれない。しかし、9%を超えると、失透温度が上昇したりCaO原料である石灰石(CaCO_(3))中の不純物であるリンが、多く混入するおそれがある。7%以下が好ましく、6%以下がより好ましく、5%以下がさらに好ましい。
一方、ガラス組成2では、CaO含有量が4?11%である。4%未満では上述したCaO添加による効果が十分あらわれない。5%以上が好ましい。しかし、11%を超えると、失透温度が上昇したりCaO原料である石灰石(CaCO_(3))中の不純物であるリンが、多く混入するおそれがある。10%以下が好ましく、9%以下がより好ましく、7%以下がさらに好ましく、6%以下が特に好ましい。」

(ウ)「[0035] SrOは、ガラスの失透温度を上昇させず溶解性を向上させるが、0.5%未満ではこの効果が十分あらわれない。好ましくは1.0%以上、さらに好ましくは2.0%以上である。しかし、4.5%を超えると膨脹係数が増大するおそれがある。4.0%以下がより好ましく、3.5%以下がさらに好ましい。」

(エ)「[0096](実施例1?2、比較例1)
各成分の原料を、表1に示す目標組成になるように調合し、連続溶融窯にて溶解を行い、フロート法にて板成形を行い、無アルカリガラス基板を得た。得られたガラス基板……表面粗さを求めた。
結果を下記表2に示す。
なお、上記の手順で得られた無アルカリガラス基板については、歪点、ヤング率、比弾性率、光弾性定数も測定した。結果を表2に示す。かっこは計算値を示す。
[0097][表1]

[0098][表2]



イ 引用文献に記載された発明
(ア)上記ア(ア)の記載からして、引用文献には、
「歪点が710℃以上、50?350℃での平均熱膨張係数が30×10^(-7)?43×10^(-7)/℃、温度T_(2)が1710℃以下、温度T_(4)が1320℃以下であって、
酸化物基準のモル%表示で
SiO_(2) 66?70、
Al_(2)O_(3) 12?15、
B_(2)O_(3) 0?1.5、
MgO 5?9.5、
CaO 4?11、
SrO 0.5?4.5、
BaO 0?1、
ZrO_(2) 0?2を含有し、
MgO+CaO+SrO+BaOが18.2超21以下であり、
MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)が0.25以上であり、MgO/(MgO+CaO)が0.3以上であり、MgO/(MgO+SrO)が0.60以上であり、Al_(2)O_(3)×(MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO))が5.5以上である無アルカリガラス基板。」が記載されているものと認められる。

(イ)上記ア(イ)の記載からして、
上記(ア)の「無機アルカリガラス基板」は、比重を上げずにヤング率を上げ、比弾性率を高くすることのできる「MgO含有量」が5?9.5%であることから「ガラス組成2」に相当することが理解できる。

(ウ)上記ア(エ)の記載からして、
上記(ア)の「無アルカリガラス」は、例えば、実施例1の、以下の無ガラス基板であってもよいもの認められる。

「50?350℃での平均熱膨張係数が39×10^(-7)/℃、比重が2.59、ヤング率が87GPa、比弾性率[MNm/kg]が33.3であって、
酸化物基準のモル%表示で
SiO_(2) 67、
Al_(2)O_(3) 13.2、
B_(2)O_(3) 1.1、
MgO 9.2、
CaO 5.2、
SrO 4.4、
BaO 0、
ZrO_(2 ) 0を含有し、
MgO+CaO+SrO+BaOが18.8であり、
MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)が0.49であり、MgO/(MgO+CaO)が0.64であり、MgO/(MgO+SrO)が0.68であり、Al_(2)O_(3)×(MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO))が6.5である、無アルカリガラス基板。」

(ウ)上記(ア)及び(イ)からして、引用文献には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「50?350℃での平均熱膨張係数が39×10^(-7)/℃、比重が2.59、ヤング率が87GPa、比弾性率[MNm/kg]が33.3であって、
酸化物基準のモル%表示で
SiO_(2) 67、
Al_(2)O_(3) 13.2、
B2O_(3) 1.1、
MgO 9.2、
CaO 5.2、
SrO 4.4、
BaO 0、
ZrO_(2) 0を含有し、
MgO+CaO+SrO+BaOが18.8であり、
MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO)が0.49であり、MgO/(MgO+CaO)が0.64であり、MgO/(MgO+SrO)が0.68であり、Al_(2)O_(3)×(MgO/(MgO+CaO+SrO+BaO))が6.5である、無アルカリガラス基板。」

(3)対比
ア 本願補正発明と引用発明とを比較すると以下のことがいえる。
(ア)引用発明は、「MgO+CaO+SrO+BaOが18.8」であるから、本願補正発明と引用発明とは、「MgO+CaO+SrO+BaOがYであり」点で一致する。

(イ)引用発明は、「50?350℃での平均熱膨張係数が39×10^(-7)/℃」及び「ヤング率が87GPa」であることから、20×39+7×87=780+609=1389となり、
本願補正発明と引用発明とは、
「ヤング率(E)が88GPa、50℃?350℃の平均熱膨張係数(α)が39 ×10^(-7)(1/℃)、且つ下記式(1)を満たす、
20α+7E≧1310(1)、
式(1)において、αの単位は10^(-7)(1/℃)、Eの単位はGPaである、無アルカリガラスの基板」である点で一致する。

(ウ)引用発明と本願補正発明とは、酸化物基準のモル%表示について、
「SiO_(2) 66?74、
Al_(2)O_(3) 10?15、
B_(2)O_(3) 0.1?5、
MgO 2?12、
CaO 3?11、
SrO X、
BaO 0?5、
ZrO_(2) 0?2を含み、」で一致する。

イ 上記アの検討からして、本願補正発明と引用発明は、以下の点で一致する。
<一致点>
「酸化物基準のモル%表示で、
SiO_(2) 66?74、
Al_(2)O_(3) 10?15、
B_(2)O_(3) 0.1?5、
MgO 2?12、
CaO 3?11、
SrO X、
BaO 0?5、
ZrO_(2) 0?2を含み、
MgO+CaO+SrO+BaOがYであり、
ヤング率(E)が87GPa、50℃?350℃の平均熱膨張係数(α)が39 ×10^(-7)(1/℃)、且つ下記式(1)を満たす、
20α+7E≧1310(1)、
式(1)において、αの単位は10^(-7)(1/℃)、Eの単位はGPaである、無アルカリガラスの基板。」

ウ 一方、両者は、以下の点で相違する。
<相違点1>
Xに関して、
本願補正発明は、「0?4%」であるのに対して、
引用発明は、「4.4%」である点。

<相違点2>
Yに関して、
本願補正発明は、「19.0以上」であるのに対して、
引用発明は、「18.8」である点。

(4)判断
ア 上記<相違点1>について検討する。
(ア)引用発明は、「SrO 4.3」であるところ、引用文献には、以下の記載がある。

「[0035] SrOは、ガラスの失透温度を上昇させず溶解性を向上させるが、0.5%未満ではこの効果が十分あらわれない。好ましくは1.0%以上、さらに好ましくは2.0%以上である。しかし、4.5%を超えると膨脹係数が増大するおそれがある。4.0%以下がより好ましく、3.5%以下がさらに好ましい。」

(イ)上記記載からして、
SrOは、ガラスの失透温度を上昇させず溶解性を向上させるものの、4.5%を超えると膨張係数が増大するおそれのあることから、4.0%以下が好ましいことが理解できる。

(ウ)してみると、引用発明において、SrOを「4.0%」とすることは、当業者が容易になし得ることである。

(エ)よって、引用発明において、上記<相違点1>に係る本願補正発明の構成を採用することは、当業者が引用文献の記載に基づいて容易になし得ることである。

イ 上記<相違点2>について検討する。
(ア)引用発明は、「MgO 9.2」及び「CaO 5.2」であるところ、引用文献の[0033]及び[0034]には、MgOとCaOは比弾性率を高くすることが記載され、「ガラス組成2では、MgO含有量が5?9.5%である。」、「ガラス組成2では、CaO含有量が4?11%である。」と記載されている。

(イ)してみると、引用発明において、SrOのモル表示濃度を0.4下げると同時に、「MgO+CaO+SrO+BaO」が19になる程度まで、例えば、CaOを6.0とすることは、当業者が引用文献の記載に基づいて容易になし得ることである。

(ウ)よって、引用発明において、上記<相違点2>に係る本願補正発明の構成を採用することは、当業者が容易になし得ることである。

ウ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

エ したがって、本件補正発明は、当業者引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5 審判請求書における主張について
(1)請求人は、SrOを4モル%以下に制限することで、比弾性率(ヤング率/比重(密度))をより高めることができる旨主張する(第11頁中段)。

しかしながら、本願明細書の表1における例10を見ると、比弾性率(86/2.57=33.5)は、引用発明(33.3)とほぼ同等であり、格別顕著な効果とは認められない。

(2)請求人は、「MgO+CaO+SrO+BaO」を19.0以上とすることで、ヤング率を高め、ガラスの反りをより防止することができる旨主張する(第11頁後段)。

しかしながら、本願明細書の表1における例10を見ると、ヤング率(86)は、引用発明(87)とほぼ同等であり、格別顕著な効果とは認められない。

(3)以上のことから、請求人の主張は、採用できない。

6 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたため、本願の請求項12に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記「第2 1」にて、本件補正前の請求項12に係る発明として記載したとおりのものである。
念のため、本願発明を再掲すると、以下のとおりのものである。

「【請求項12】
酸化物基準のモル%表示で、
SiO_(2) 66?74、
Al_(2)O_(3) 10?15、
B_(2)O_(3) 0.1?5、
MgO 2?12、
CaO 3?11、
SrO 0?10、
BaO 0?5、
ZrO_(2) 0?2を含み、
MgO+CaO+SrO+BaOが19.0以上、
ヤング率(E)が70?95GPa、50℃?350℃の平均熱膨張係数(α)が32×10^(-7)?45×10^(-7)(1/℃)、且つ下記式(1)を満たす、
20α+7E≧1310 (1)、
式(1)において、αの単位は10^(-7)(1/℃)、Eの単位はGPaである、無アルカリガラスの基板。」

2 対比・判断
本願発明は、前記「第2 2 補正目的」の検討によれば、本願補正発明の「SrOのモル%表示」について、「0?4」を「0?10」と数値範囲を広くしたものに相当する。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに限定を付加したものに相当する本願補正発明が前記「第2 3 独立特許要件」で検討したとおり、当業者が引用発に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものである。

3 令和元年7月4日提出の意見書における主張について
請求人は、「MgO+CaO+SrO+BaO」を19.0以上とすることにより、ヤング率を高め、ガラスの反りをより防止できる旨主張する(第10頁上段)。

しかしながら、本願明細書の表1における例10を見ると、ヤング率(86)は、引用発明(87)とほぼ同等であり、格別の効果とは認められない。
よって、請求人の主張は採用できない。

4 まとめ
よって、本願発明は、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本件出願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2020-05-13 
結審通知日 2020-05-19 
審決日 2020-06-10 
出願番号 特願2016-561965(P2016-561965)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G02F)
P 1 8・ 121- Z (G02F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 後藤 昌夫  
特許庁審判長 瀬川 勝久
特許庁審判官 星野 浩一
近藤 幸浩
発明の名称 液晶ディスプレイパネル  
代理人 三好 秀和  

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