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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L
管理番号 1364819
審判番号 不服2019-347  
総通号数 249 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-01-11 
確定日 2020-08-05 
事件の表示 特願2014-206986「LEDパッケージ、バックライトユニット及び液晶表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 5月12日出願公開、特開2016- 76634〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年10月8日の出願であって、平成29年10月13日付けで拒絶理由が通知され、平成30年1月24日に意見書及び手続補正書が提出され、平成30年4月3日付けで最後の拒絶理由が通知され、平成30年7月9日に意見書及び手続補正書が提出され、平成30年8月31日付けで拒絶査定及び補正の却下の決定がなされ、同査定の謄本は平成30年9月11日に請求人に送達された。これに対して、平成31年1月11日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正書が提出され、令和元年7月9日に上申書が提出され、その後、当審において、令和元年9月11日付けで拒絶理由が通知され、令和元年12月10日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明は、令和元年12月10日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?15に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は次のとおりのものである。

「【請求項1】
LEDが実装されたフレームと、
前記LEDの上部に配置されたガラスセルであって、スチレン又はキシレンのいずれか一つである有機溶媒中に分散された量子ドットを内包するガラスセルと
を有し、
前記LEDが実装された前記フレームと前記ガラスセルとによって形成されるスペースには粒子が分散された樹脂が充填され、
前記量子ドット上に光が均一に照射されるように、前記粒子が前記LEDからの光を散乱させていることを特徴とするLEDパッケージ。」

第3 当審の拒絶理由通知書の概要
当審の拒絶の理由である、令和元年9月11日付け拒絶理由通知書の理由は概略、次のとおりのものである。

本願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献 国際公開第2012/132232号

第4 引用文献に記載された事項
1 本願の出願前に頒布された文献である国際公開第2012/132232号(以下「引用文献」という。)には、図面とともに以下の記載がある。(下線は審決にて付与。以下同様。)

(ア)「[0001]本発明は、半導体発光装置に関し、特に、量子ドット蛍光体を用いた半導体発光装置に関するものである。」

(イ)「[0006]LED光源は小型で省電力なため、ディスプレイデバイスや照明装置のキーデバイスとして用いられており、高輝度白色LEDの高効率化および高演色性化の取り組みが行われている。白色LEDは、青色LED光源と緑色蛍光体や黄色蛍光体との組み合わせが一般的であり、高効率・高演色性の実現には発光特性やエネルギー変換効率の優れた蛍光体が求められている。白色LEDに用いられる一般的な蛍光体は、希土類イオンを付活剤とした結晶微粒子であり、化学的に安定なものが多い。しかし、これらの蛍光体の光吸収効率は希土類の濃度に比例している一方で、濃度が高すぎると濃度消光によって発光効率の低下が生じるため、80%以上の高い量子効率を実現するのが困難であった。
[0007] そこで、バンド端光吸収・発光を直接利用することで高い量子効率を実現する半導体蛍光微粒子が多数提案されており、特に量子ドット蛍光体と呼ばれる直径が数nmから数十nmの微粒子が、希土類を含まない新しい蛍光体材料として期待されている。量子ドット蛍光体は、量子サイズ効果によって同一材料の微粒子でも粒子径を制御することで可視光線領域において所望の波長帯の蛍光スペクトルを得ることが出来る。また、バンド端による光吸収・蛍光であるため、90%程度の高い外部量子効率を示すことから、高効率・高演色性を有する白色LEDを提供することができる。」

(ウ)「[0041](実施の形態1) まず、本発明の実施の形態1に係る半導体発光装置について、図1を用いて説明する。
[0042] 図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体発光装置の断面概略図である。本実施の形態ではパッケージとしてリードフレームパッケージを用いている。また、本実施の形態に係る半導体発光装置は、白色光を放出する白色LED光源である。
[0043]図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る半導体発光装置は、凹部を有する樹脂からなるパッケージを有し、リードフレーム11と絶縁樹脂層12と光反射樹脂層13とを備える。リードフレーム11はパッケージの凹部の底面から露出しており、凹部内のリードフレーム11上には半導体発光素子14として発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が実装されている。LEDからなる半導体発光素子14のP電極およびN電極は、リードフレーム11に対して金ワイヤー16で電気的接点が取られている。
[0044]半導体発光素子14を封入する様に、パッケージ内には、透明樹脂からなる樹脂層17(第1の樹脂層)が充填されている。本実施の形態では、透明基板であるガラス板18とパッケージとに囲まれた領域が樹脂層17で充填されている。樹脂層17は、パッケージの凹部内のリードフレーム11と接し、凹部の底面を覆うように形成されている。樹脂層17中には、セラミックス微粒子15が分散されている。
[0045]量子ドット蛍光体層19(第2の樹脂層)は、樹脂層17および半導体発光素子14の上に形成された蛍光体層である。本実施の形態において、量子ドット蛍光体層19は、ガラス板18に封止された状態で、パッケージ内に充填された樹脂層17に接して配置されている。量子ドット蛍光体層19は、粒子径によって異なる励起蛍光スペクトルを有する半導体微粒子(量子ドット蛍光体)と、半導体微粒子を分散保持する樹脂とを含む。
[0046]このように、本実施の形態では、蛍光体層である量子ドット蛍光体層19をガラス板18に封入したものを用いている。具体的には、量子ドット蛍光体層19をアクリル樹脂に分散させて2枚のガラスで挟んだ構造としている。ガラス板18の外周は、アクリル樹脂が直接空気に触れないようにエポキシ樹脂で封止されている。
[0047]本実施の形態における樹脂層17の樹脂材料としてはシリコーン樹脂を用いた。シリコーン樹脂の熱伝導率は0.3W/mK程度と小さい値であり、このままでは、量子ドット蛍光体層19の十分な放熱ができないため、ストークスロスによる自己発熱によって量子ドット蛍光体が高温化し発光効率が低下してしまう。そこで、本実施の形態では、熱伝導率の良いセラミックス微粒子15をシリコーン樹脂に含有させることで、樹脂層17の実効的な熱伝導率を増大させ、量子ドット蛍光体層19の温度上昇を抑制している。
[0048]以上、本実施の形態に係る半導体発光装置によれば、樹脂層17(第1の樹脂層)にセラミックス微粒子が含まれているので、樹脂層17の実効的な熱伝導率を増大させることができる。これにより、量子ドット蛍光体層19(第2の樹脂層)の放熱性を向上させることができるので、量子ドット蛍光体層19の温度上昇を抑制することができる。従って、量子ドット蛍光体層19内の量子ドット蛍光体(半導体微粒子)が温度上昇によって劣化して発光効率が低下することを抑制することができる。これにより、高効率で高信頼性の半導体発光装置を提供できる。
[0049]また、本実施の形態では、量子ドット蛍光体層19がガラス板18に封入されている。この構成により、量子ドット蛍光体層19内の量子ドット蛍光体が酸素と触れないので、量子ドット蛍光体の酸素による劣化を抑制することができる。これにより、高信頼性で高演色性の半導体発光装置を提供できる。」

(エ)「[0108]そこで、実施の形態6では、上記の実施の形態1?5における半導体発光装置において、セラミックス微粒子15として、可視光線を反射する白色微粒子を用いている。これにより、LEDからの光を白色微粒子によって拡散させることができるので、蛍光体層に均一な光照射を実現することができる。白色微粒子としては、例えば、酸化チタン(TiO 2 )を用いることができる。」

(オ)図1は、以下のものである。




2 上記1から、引用文献には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「量子ドット蛍光体を用いた半導体発光装置に関するものであり、
ディスプレイデバイスのキーデバイスとして用いられており、
半導体発光装置は、凹部を有する樹脂からなるパッケージを有し、リードフレーム11と絶縁樹脂層12と光反射樹脂層13とを備え、リードフレーム11はパッケージの凹部の底面から露出しており、凹部内のリードフレーム11上には半導体発光素子14として発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)が実装されており、
透明基板であるガラス板18とパッケージとに囲まれた領域が樹脂層17で充填されており、樹脂層17中には、セラミックス微粒子15が分散されており、
量子ドット蛍光体層19(第2の樹脂層)は、樹脂層17および半導体発光素子14の上に形成された蛍光体層であり、
量子ドット蛍光体層19は、ガラス板18に封止された状態で、具体的には、量子ドット蛍光体層19をアクリル樹脂に分散させて2枚のガラスで挟んだ構造で、粒子径によって異なる励起蛍光スペクトルを有する半導体微粒子(量子ドット蛍光体)と、半導体微粒子を分散保持する樹脂とを含んでおり
量子ドット蛍光体層19は、パッケージ内に充填された樹脂層17に接して配置されており、
セラミックス微粒子15として、可視光線を反射する白色微粒子を用いて、これにより、LEDからの光を白色微粒子によって拡散させることができるので、蛍光体層に均一な光照射を実現することができる、
半導体発光装置。」

第5 対比・判断
1 対比
(1)引用発明の「発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)」、「リードフレーム11と絶縁樹脂層12と光反射樹脂層13」、「半導体微粒子(量子ドット蛍光体)」、「樹脂層17」、「セラミックス微粒子15」は、それぞれ本願発明の「LED」、「フレーム」、「量子ドット」、「(粒子が分散された)樹脂」、「粒子」に相当する。

(2)引用発明の「半導体発光装置」は、LEDパッケージとしての機能を有していることは明らかであるから、引用発明は、本願発明の「LEDパッケージ」との構成を有している。

(3)引用発明において「量子ドット蛍光体層19は、ガラス板18に封止された状態で、具体的には、量子ドット蛍光体層19をアクリル樹脂に分散させて2枚のガラスで挟んだ構造で」あるから、引用発明の「ガラス板18」は、本願発明の「スチレン又はキシレンのいずれか一つである有機溶媒中に分散された量子ドットを内包するガラスセル」と、「量子ドットを内包するガラスセル」の点で共通する。

(4)引用発明において「セラミックス微粒子15として、可視光線を反射する白色微粒子を用いて、これにより、LEDからの光を白色微粒子によって拡散させることができるので、蛍光体層に均一な光照射を実現することができる」ので、当該構成は、本願発明の「前記量子ドット上に光が均一に照射されるように、前記粒子が前記LEDからの光を散乱させていること」に相当する。

(5)上記(1)?(4)から、本願発明と引用発明は、以下の一致点、相違点を有する。

(一致点)
「LEDが実装されたフレームと、
前記LEDの上部に配置されたガラスセルであって、量子ドットを内包するガラスセルと
を有し、
前記LEDが実装された前記フレームと前記ガラスセルとによって形成されるスペースには粒子が分散された樹脂が充填され、
前記量子ドット上に光が均一に照射されるように、前記粒子が前記LEDからの光を散乱させていることを特徴とするLEDパッケージ。」

(相違点)
量子ドットが分散される材料について、本願発明は「スチレン又はキシレンのいずれか一つである有機溶媒」であるのに対し、引用発明は「アクリル樹脂」である点。

2 判断
(1)相違点について
上記相違点について検討するに、量子ドットを分散させる材料として、樹脂又は有機溶媒を用いることは周知事項(必要であれば、例えば、下記ア?ウの周知文献1?3参照)であるとともに、有機溶媒としてキシレンは広く知られている材料である(例えば、特開平7-25987号公報の【0026】、【0027】、国際公開2012/102107号の[0070]、特開2013-161862号公報の【0058】等参照)。
また、引用発明は「量子ドット蛍光体層19は、ガラス板18に封止された状態で、・・・量子ドット蛍光体層19をアクリル樹脂に分散させて2枚のガラスで挟んだ構造で」あるとの構成を有しており、ガラス板18に封止するという態様は、有機溶媒を用いる場合にも適していることは、周知文献2、3の記載からも明らかである。
そして、量子ドットを分散させる材料として、どのような材料を用いるかは当業者が適宜選択しうる事項であり、引用発明において、量子ドットを分散させる材料として樹脂に代えて有機溶媒を用いることに、上記したように格別の阻害要因はなく、また、有機溶媒として広く知られているキシレンを採用することは設計事項にすぎないから、引用発明において、上記相違点に係る構成のようにすることは、上記周知事項に基づいて、当業者が容易に想到しうる程度のことにすぎない。

ア 周知文献1
特開2012-99788号公報には、図面とともに以下の記載がある。
(ア)「【0042】
また、上記波長変換層130は、量子点(Quantum Dot)を含むことができる。量子点は、約1?10nmの直径を有する半導体物質のナノ結晶(nano crystal)であって、量子制限(Quantum confinement)効果を示す物質である。量子点は、発光構造物120から放出される光の波長を変換して波長変換光、即ち、蛍光を発生させる。量子点としては、例えば、Si系ナノ結晶、II-VI族系化合物半導体ナノ結晶、III-V族系化合物半導体ナノ結晶、IV-VI族系化合物半導体ナノ結晶等があり、本実施形態ではこれらをそれぞれ単独で用いるか又はこれらの混合物を用いることができる。
【0043】
量子点物質をより詳細に説明すると、II-VI族系化合物半導体ナノ結晶は、例えば、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HggZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe及びHgZnSTeからなる群から選択されたいずれかであることができる。III-V族系化合物半導体ナノ結晶は、例えば、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs及びInAlPAsからなる群から選択されたいずれかであることができる。IV-VI族系化合物半導体ナノ結晶は、例えば、SbTeであることができる。
【0044】
量子点は、有機溶媒又は高分子樹脂等の分散媒質に自然に配位された形態で分散されることができ、上記波長変換層130の分散媒質としては、量子点の波長変換性能に影響を与えず、且つ光によって変質されたり光を反射させたりせず、且つ光吸収を引き起こさないようにする透明な媒質であれば、いずれも用いることができる。例えば、有機溶媒は、トルエン(toluene)、クロロホルム(chloroform)及びエタノール(ethanol)の少なくとも一つを含み、高分子樹脂は、エポキシ(epoxy)、シリコン(silicone)、ポリスチレン(polysthylene)及びアクリレート(acrylate)の少なくとも一つを含むことができる。」

(イ)図1は以下のとおりである。


イ 周知文献2
特開2012-4567号公報には、図面とともに以下の記載がある。
(ア)「【0050】
波長変換部105は、密封部材104の内部に封入された構造であり、量子点(Quantum Dot)を含む。このために、密封部材104は量子点を酸素や水分のような外部の環境から保護するのに適したガラスや透明な材質の高分子物質からなることができる。この場合、必ずしも必要な事項ではないが、波長変換部105は密封部材104の外観に対応する形状を有することができる。量子点は約1?10nmの直径を有する半導体物質のナノ結晶(nano crystal)であり、量子閉じ込め(Quantum confinement)効果を示す物質である。量子点は発光素子101から放出される光の波長を変換して波長変換光、即ち蛍光を発生させる。量子点としては、Si系ナノ結晶、II-VI族系化合物半導体ナノ結晶、III-V族系化合物半導体ナノ結晶、IV-VI族系化合物半導体ナノ結晶等が挙げられるが、本実施例では、量子点としてこれらをそれぞれ単独で、またはこれらの混合物を使用することができる。
【0051】
量子点物質についてより具体的に説明すると、II-VI族系化合物半導体ナノ結晶は、例えば、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HggZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、及びHgZnSTeで構成された群から選択されたいずれか1つであることができる。III-V族系化合物半導体ナノ結晶は、例えば、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs、及びInAlPAsで構成された群から選択されたいずれか1つであることができる。IV-VI族系化合物半導体ナノ結晶は、例えばSbTeであることができる。
【0052】
量子点は、有機溶媒或いは高分子樹脂のような分散媒質に自然に配位された形態で分散され、上述したように、このような構造を有する波長変換部105は密封部材104に封入されている。この場合、分散媒質としては、量子点の波長変換性能に影響を与えず、光によって変質したり光を反射させたりせず、かつ光吸収を起こさない透明な媒質であれば制限なく使用できる。例えば、有機溶媒は、トルエン(toluene)、クロロホルム(chloroform)、及びエタノール(ethanol)のうち、少なくとも1種を含むことができ、高分子樹脂は、エポキシ(epoxy)、シリコン(silicone)、ポリスチレン(polysthylene)、及びアクリレート(acrylate)のうち、少なくとも1種を含むことができる。分散媒質として高分子樹脂が使用される場合、量子点が分散された高分子樹脂が密封部材104に注入された後に硬化させることができる。」

(イ)図1は以下のとおりである。


ウ 周知文献3
国際公開第2009/078426号には、図面とともに以下の記載がある。
(ア)「[0001]本発明は、波長変換器及びそれを用いた発光装置に関し、詳しくは、所定の入射光を波長の異なる複数種類の蛍光に変換する波長変換器及びその波長変換器を介して励起光源から放出される励起光を互いに波長の異なる複数種類の蛍光に変換して出力する発光装置に関する。」

(イ)「[0019]分散保持体は、第1の量子ドット蛍光体の蛍光体群及び第2の量子ドット蛍光体の蛍光体群を構成する第1の量子ドット蛍光体と第2の量子ドット蛍光体とを分散保持する。ここで、分散保持するとは、所定の範囲内に複数の第1の量子ドット蛍光体と複数の第2の量子ドット蛍光体が閉じ込められ、その所定の範囲内でそれらの量子ドット蛍光体が混在して分散していることを意味する。量子ドット蛍光体を分散保持する場合しては、例えば、樹脂等の固体の分散媒体からなる分散保持体によって、各量子ドット蛍光体が固定的に保持されている場合や、封止容器と封止容器に封入された液体の分散媒体とを含む分散保持体によって、各量子ドット蛍光体が流動的に保持されている場合が挙げられる。分散保持体を構成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネ-ト樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。また、分散保持体の分散媒体として、例えば、クロロホルム等の有機溶媒が挙げられる。」

(2)作用効果について
相違点に係る本願発明の効果について、引用発明及び周知事項から、当業者が予測しうる程度のものにすぎない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献に記載された事項及び周知事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2020-03-03 
結審通知日 2020-03-10 
審決日 2020-03-26 
出願番号 特願2014-206986(P2014-206986)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 皆藤 彰吾吉野 三寛  
特許庁審判長 瀬川 勝久
特許庁審判官 井上 博之
近藤 幸浩
発明の名称 LEDパッケージ、バックライトユニット及び液晶表示装置  
代理人 園田・小林特許業務法人  
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