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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) D06F
管理番号 1364833
審判番号 不服2019-1318  
総通号数 249 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-01-31 
確定日 2020-08-06 
事件の表示 特願2017-138973「洗濯機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年11月 9日出願公開、特開2017-200615〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成23年9月30日(以下、「遡及日」という。)に出願した特願2011-216908号の一部を平成29年7月18日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。

平成30年 5月24日付:拒絶理由通知
平成30年 8月 6日 :意見書、手続補正書
平成30年 8月24日付:拒絶理由通知(最後)
平成30年10月24日 :意見書、手続補正書
平成30年10月31日付:平成30年10月24日にした手続補正の却下の決定、拒絶査定
平成31年 1月31日 :審判請求、手続補正書
令和 元年12月 6日付:拒絶理由通知
令和 2年 1月23日 :意見書、手続補正書(以下、この手続補正書による手続補正を「本件補正」という。)

第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、本件補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものである。

「 【請求項1】
水を受ける非導電性の水受槽と、
前記水受槽内に設けられ、一端部である前部が開放され且つ他端部である後部が閉鎖された筒状をなす筒板を有するものであって当該一端部を通して衣類が投入されるステンレス鋼製のドラムと、
前記ドラムに設けられ、前記筒板のうち前記衣類が投入される前記ドラムの内部とは異なる部分を形成する部分を内部から支えることにより前記ドラムを機械的に補強するものであってアルミニウム合金をダイキャストしてなるドラム支えを備え、
前記ドラム支えは、前記ドラムの他端部を閉鎖する端板に形成されている凹状の収納部内に収納され、
前記収納部は、前記ドラムの内方に突出し、且つ、放射形状に設けられており、
前記ドラム支えおよび前記ドラムが一体に回転するように構成されており、
前記ドラム支えの表面の全体に、樹脂系の塗料により形成され、前記ドラム支えを前記ドラムに対して電気的に遮断する非導電性の非導電層が設けられていることを特徴とする洗濯機。」

第3 拒絶の理由
令和元年12月6日の当審が通知した拒絶理由のうちの理由1は、次のとおりである。
本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2006-223564号公報
引用文献2:特開2000-212797号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3:特開平3-272347号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4:特開2005-121098号公報(周知技術を示す文献)
引用文献5:特開2011-113816号公報(周知技術を示す文献)

第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1の記載
引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同様。)。

(1)「【請求項1】
洗濯及び脱水を行なうドラムと、このドラムを内部に収納する水槽とを備え、前記ドラ
ムをその軸心周りに回転駆動させるように構成されたドラム式洗濯機において、
前記ドラムの端板部に設けられ、前記ドラムを支持するシャフトを取付けるドラム支え
と、
前記ドラム支えの前記ドラムへの取付け部を略平坦に覆うカバーとを備えたことを特徴
とするドラム式洗濯機。」

(2)「【0010】
(第1の実施例)
以下、本発明をドラム式の洗濯乾燥機に適用した第1の実施例について図1ないし図5を参照しながら説明する。図1は本実施例にかかるドラム式洗濯乾燥機の全体構成を示すものである。このドラム式洗濯乾燥機の土台をなす基台1は樹脂により形成されており、この基台1の上部には、略矩形箱状の外箱2が設けられている。この外箱2の前面には、前カバー3が設けられており、この前カバー3の中央部には、洗濯物を出し入れする開口部3a(図2参照)が設けられており、この開口部3aは扉4により開閉可能に構成されている。前カバー3の扉4の上部には、操作パネル5が設けられている。この操作パネル5には、運転コースを選択するスイッチが設けられ、洗濯運転、乾燥運転、或いは洗濯運転及び乾燥運転を続けて行う洗濯乾燥運転等を選択することができる。
【0011】
図2は、ドラム式洗濯乾燥機の縦断面図を示しており、外箱2内には、円筒状の水槽6が、ばね及び減衰装置を有するサスペンション7を介して基台1に支持されて設けられ、この水槽6の内部には、円筒状のステンレス(例えばSUS403)製のドラム8が収容されている。これら水槽6及びドラム8は、洗濯槽として機能するものであり、前記水槽6及びドラム8いずれも中心軸が後下がりに傾斜するように配置されている。
前記水槽6の軸方向両端面のうちの一方にはアウタロータ形のブラシレスDCモータ9が固定されている。前記モータ9のシャフト10は水槽6の端面を貫通して水槽6内まで延びており、このシャフト10の先端部はドラム支え11に連結され、このドラム支え11はドラム8の端板部8bに取り付けられている。この構成の場合、モータ9のロータが回転すると、前記ロータと一体にシャフト10を軸心として、その回りにドラム8が回転するように構成されている。
【0012】
ドラム8の周壁部には、通水孔及び通気孔として機能する多数の孔12が設けられている(一部のみ図示)。また、水槽6の後下部には排水口が設けられており、前記排水口には排水ホース13が連結されている。前記排水ホース13の下端部には排水弁14を介して排水管15が連結されている。
前記水槽6及びドラム8の前端面には、開口部6a,8aがそれぞれ設けられおり、この開口部6a,8aは、ベロー16を介して前カバー3の開口部3aに連通されている。
水槽6の上部には、水槽6内に臨むように通気ダクト17が配設され、この通気ダクト17にはヒータ18が接続され、その上流側には水槽6内に送風するための送風ファン19が設けられ、送風ファン19のさらに上流側は水槽6の内部に臨むように水槽6に接続されている。尚、図示しないがヒートポンプ(凝縮器及び蒸発器等を含む)も設けられている。これにより、ヒータ18及び送風ファン19が稼動されると、水槽6及びドラム8内の空気が循環すると共に除湿されるようになっている。
さらに、外箱2の操作パネル5の内側には、洗濯乾燥機の運転全般を制御する制御装置20が設けられている。」

(3)「【0014】
次に、ドラム支え11のドラム8への取付け部の構成について、図3、図4を参照して説明する。
図3は本実施例のドラム8にドラム支え11を取り付けた構成の斜視図である。この図3に示すように、ドラム支え11は、中央部分11aと、この中央部分11aから放射状且つ等間隔に延びる3個の突出部分11bとから構成されており、例えばアルミダイキャストで形成されている。ドラム支え11の外面(ドラム8の端板部8bと反対側の面)には、図示するような形状の多数のリブ11cが突設されており、これにより、ドラム支え11の外面に補強用の凹凸形状が設けられる構成となっている。
【0015】
これに対して、ドラム8の端板部8bには、上記した形状のドラム支え11を収容する凹部8bがドラム8の内方へ向けて膨出するように形成されている。この構成の場合、ドラム支え11を上記凹部8c内に収容すると共に、ドラム支え11の3個の突出部分11bの各先端部をドラム8の周壁部にねじ止めすると共に、かしめることによりドラム支え11をドラム8に取付け固定している。
【0016】
そして、ドラム8の端板部8bには、整流カバー21がドラム8の凹部8cを塞ぐと共にドラム支え11を覆うように取り付けられている(図4参照)。この整流カバー21は、ドラム8と同一材であるステンレス(例えばSUS403)により平板状に形成されており、ドラム8の凹部8cの形状よりも一回り大きい形状に形成されている。この整流カバー21の中心部には、前記シャフト10等を挿通させるための貫通孔21aが形成されている。
上記整流カバー21をドラム8の端板部8bに取り付けると、端板部8bと整流カバー21とが略面一になるように構成されている。尚、整流カバー21はドラム8の端板部8bに設けられた孔12を利用してねじ止めにより固定されている。」

(4)引用文献1には、下に示す【図3】(左側の図)及び【図4】(右側の図)が記載されている。


(5)上記(2)より、水槽6の内部には、ドラム8が収容され、このドラム8の周壁部には、通水孔及び通気孔として機能する多数の孔12が設けられているものであるから、水槽6は、ドラム8の周壁部の孔12を通過する水を受けるといえる。

(6)上記(2)より、ドラム8は、水槽6の内部に収容され、前端面には、開口部8aが設けられていることがわかる。さらに、上記(4)に示す引用文献1の【図3】及び【図4】より、上記(2)及び(3)に記載された端板部8bは、ドラム8の軸方向において開口部8aが設けられている前端面(上記(2)の記載参照。)とは反対側の端部である後端面に形成されているといえる。上記(2)より、ドラム8は、円筒状であるから、その周壁部は、円筒状であるといえる。また、上記(2)より洗濯乾燥機の外箱2の前面には、前カバー3が設けられており、この前カバー3の中央部には、洗濯物を出し入れする開口部3a(図2参照)が設けられていることがわかり、開口部3aから出し入れされた洗濯物は、この開口部3aに対応するドラム8の開口部8aを通してドラム8に出し入れされるといえる。また、上記(2)の記載よりドラム8はステンレス製であることがわかる。したがって、引用文献1には、水槽6の内部に収容され、前端面に開口部8aが設けられ且つ後端面に端板部8bが形成されている円筒状の周壁部を有するものであって当該開口部8aを通して洗濯物を出し入れするステンレス製のドラム8が記載されている。

(7)上記(4)に示す引用文献1の【図3】及び【図4】より、上記(2)及び(3)に記載された端板部8bにより、ドラム8は、洗濯物が投入される前端側とその反対側である後端側に分けられることがわかる。さらに、上記(4)に示す引用文献1の【図3】及び【図4】より、(2)及び(3)に記載されたドラム支え11は、ドラム8の後端側に備えられていることがわかり、上記(3)の記載より、「ドラム支え11の3個の突出部分11bの各先端部をドラム8の周壁部にねじ止めすると共に、かしめることによりドラム支え11をドラム8に取付け固定している」ものであるから、このドラム支え11は、ドラム8に取付けられ、ドラムの周壁部のうち洗濯物が投入されるドラムの前端側とは異なる後端側を形成する部分に突出部分11bの先端部をねじ止めすると共に、かしめられているといえる。さらに、このドラム支え11は、上記(3)の記載より、アルミダイキャストで形成されていることがわかる。

(8)上記(3)の記載より、ドラム8の端板部8bには、ドラム支え11を収容する凹部8bがドラム8の内方へ向けて膨出するように形成されていることがわかるから、ドラム支え11は、ドラムの後端面の端板部8bに形成されている凹部8cに収容されているといえ、この凹部8cは、ドラム8の内方へ向けて膨出していることがわかる。
凹部8cが収容するドラム支え11には、上記(3)の記載より、放射状に延びる3個の突出部分11bがあることがわかり、この突出部分11bも凹部8cに収容されることから、凹部8cは、放射状に延びる3個のドラム支え11の突出部分11bを収容するように形成されているといえる。

(9)上記(2)より、ドラム8は回転するものであり、上記(3)より、ドラム支え11は、ドラム8にねじ止めすると共にかしめることにより固定されているから、ドラム支え及びドラムは一体に回転するように構成されているといえる。

(10)上記(1)ないし(9)より、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

「水を受ける水槽6と、
前記水槽6の内部に収容され、前端面に開口部8aが設けられ且つ後端面に端板部8bが形成されている円筒状の周壁部を有するものであって当該開口部8aを通して洗濯物を出し入れするステンレス製のドラム8と、
前記ドラム8に取付けられ、前記周壁部のうち前記洗濯物が投入される前記ドラムの前端側とは異なる後端側を形成する部分に突出部分11bの先端部をねじ止めすると共に、かしめるものであって、アルミダイキャストで形成されているドラム支え11を備え、
前記ドラム支え11は、前記ドラムの後端面の端板部8bに形成されている凹部8cに収容され、
前記凹部8cは、前記ドラムの内方へ向けて膨出し、且つ、ドラム支え11の放射状に延びる3個の突出部分11bを収容するように形成されており、
前記ドラム支え11および前記ドラム8が一体に回転するように構成されている洗濯機。」

2 引用文献2の記載
引用文献2には、以下の事項が記載されている。

(1)「【請求項1】Si4.5?18 重量%を含有するアルミダイカスト材の表面に、酸化アルミニウムを主体としかつ空孔率が30体積%以下である陽極酸化皮膜を有することを特徴とする高耐食性アルミダイカスト材。」

(2)「【0017】本発明の目的は、より耐食性に優れたアルミダイカスト材とその製法及び用途を提供することにある。」

(3)「【0048】洗濯兼脱水槽5は、図3に示すように、ステンレス鋼板製で円筒状の胴部5bの下端縁とステンレス鋼板製で椀状の底部5cの上端縁をはぜ折り加締めにより締結して構成されている。底部5cは、胴部5bと結合される上端部が下部流体バランスリング8を嵌め込む下部よりも大径となるような段付きに絞り加工され、外側底面はねじ止めされたJIS規格のADC12のダイキャスト鋳物からなるフランジ5dによって補強され、前記クラッチ機構部16の2重出力軸16bの外側軸が該フランジ5dに結合される。そして、この2重出力軸16bの内側軸はフランジ5dと底部5cを貫通し、その先端に回転翼7が結合される。この回転翼7は、その裏側に下部流体バランスリング8にその外周が微小間隙を介して包囲されて形成された洗濯水循環ポンプ室内で回転する遠心羽根7aを備える。循環水路カバー25は、洗濯兼脱水槽5の内壁面に上下方向に伸びるように取り付けられて糸屑除去循環水路25aを形成し、その下端部は前記下部流体バランスリング8に形成した狭窄部を跨いで洗濯水循環ポンプ室の吐き出し口に受水口として開口し、上端に開口する吐出口には、糸屑回収フィルタ26が設置される。
【0049】洗濯水循環ポンプ室内で回転する回転翼7の遠心羽根7aは洗濯水循環ポンプ室内の洗濯水を加圧して受水口に吐き出し、洗濯兼脱水槽5の下側の通水口5eを通して外槽4内の洗濯水を吸い込むものである。
【0050】上述の構造において、本実施例ではフランジ5dを実施例1に記載の方法と全く同様にバイヤライト処理,陽極酸化処理及び封孔処理を順次行い、実施例1と同様に空孔率25体積%以下の緻密な酸化皮膜を形成した。得られた皮膜の特性もほぼ同様であった。」

3 引用文献3の記載
引用文献3には、以下の事項が記載されている。

(1)「(従来の技術)
この種のバランスウエイト部材の製造方法、例えば自動車のタイヤホイール等に取付けるバランスウエイト部材の製造方法は、一般に鉛や鉛合金からなるウエイト本体と、それをタイヤホイールに固定するクリップとを一体化して構成されている。この様なバランスウエイトの製造は、次のような工程によって行うものであった。
まず、ばね鋼を素材とするクリップを製造するが、このクリップはプレス加工したのち、熱処理および表面処理を行う。次ぎに、このクリップを型に挿入し、鉛合金でウエイト本体を鋳造することによりクリップとウエイト本体との一体化を行うものであった。
(発明が解決しようとする課題)
ところが、このように構成されたバランスウエイトをタイヤホイールに取付けて使用すると、比較的早期にウエイト本体とクリップとの接触境界、特にクリップ側に錆が発生するという問題があった。そして、この錆が進行すると、最悪の場合には、バランスウエイトがタイヤホイールから外れるおそれがあり、特に自動車の走行中にバランスウエイトがタイヤホイールから外れるときには危険を伴うおれがある。
そこで、ウエイト本体とクリップとの接触境界に発生する錆の原因を追求するために各種の実験を行なった結果、走行中に雨水等の水滴がバランスウエイトに付着することによって、ウエイト本体とクリップとの接合部分の接触境界部は異種金属間の腐食電位差による局部電池作用が働いてクリップ側に錆が発生し、その錆が促進されることが主原因であるとの新知見を得た。
そこで、本発明は、この新知見に基づいてウエイト本体とクリップとの接触に伴う異種金属間の局部電池作用を防止し、バランスウエイトの長寿命化を図るとともに、タイヤホイールから外れる危険性を防止しうる堅牢にして耐久性に優れたバランスウエイト部材の製造方法を得るにある。
(課題を解決するための手段)
かかる目的を達成するために、本発明は、鉛製のウエイト本体とばね鋼製のクリップ片とを一体的に連結する工程と、該工程の後に、両者の接合部分の接触境界部を含む全表面に亘り、異種金属接触腐食防止用防錆被膜として、内層部にエポキシ樹脂系塗布膜層を施す工程と、該工程に次いで、該塗布膜層上に外層部としてアクリル樹脂系塗布膜層を施す工程を経てなることを特徴とするバランスウエイト部材の製造方法にある。
(作用)
これによって、本発明は、ウエイト本体とクリップとの接合部分の接触境界近傍を含む全表面に各種の樹脂系塗料を多層に塗装した異種金属接触腐食防止用防錆被膜を施したことによって、ウエイト本体とクリップとの接合部分の接触境界部の異種金属間に腐食電位差による局部電池作用が働くのを防止し、バランスウエイト部材に錆か発生しないようにすることができる。」(第1ページ左下欄18行ないし2ページ右上欄14行)

4 引用文献4の記載
引用文献4には、以下の事項が記載されている。

(1)「【0002】
近年、車両分野において、マグネシウム(Mg)合金を構造材へ適用することが注目されている。マグネシウム合金は、軽量、高剛性という特性を有する反面、マグネシウムが汎用金属中最も卑であることから、他の実用合金に比較して腐食されやすいという欠点を有する。このため、マグネシウム合金は、異種の金属と接触した状態で腐食環境におかれると電位差による腐食を生じる。それ故、マグネシウム(Mg)合金部材を、異種金属製の締結部材(ボルト等)を用いて締結する場合には、マグネシウム合金部材と締結部材の接触により、水分の存在下でのマグネシウム合金の電気的腐食(電食)が問題になる。特に、二輪車や自動車の足廻りなどの泥水を被り易くかつ積雪地域での融雪塩が付きやすい部位においては、電解質(Na+、Ca2+、Cl-イオンなど)の存在した水分の付着で電食が進行することがある。
【0003】
従来、マグネシウム合金部材と締結部材との接触を妨げることにより電食を防止すること行われてきた。マグネシウム合金部材の電食を防止する締結構造として、従来、次のものがあった。
1.アルマイト処理を施したアルミスリーブをマグネシウム合金部材の穴に挿入する締結構造。
2.樹脂ワッシャ、紙ワッシャをマグネシウム合金部材とボルトの座面の間に介装する締結構造(特許文献1参照)。
3.マグネシウム合金部材とボルトの締結部にグリスを塗布する締結構造。
4.鋼製ボルトの全体にクロームメッキを施し、このボルトの座面に樹脂コーティングを施す締結構造(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平5-302614号公報
【特許文献2】特開2002-188616号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来のマグネシウム合金部材の締結構造にあっては次のような問題点があった。
1.アルミスリーブをマグネシウム合金部材のボルト穴に挿入した後、アルミスリーブの内周に雌ねじを形成する必要があり、生産性を高められない。
2.樹脂ワッシャ、紙ワッシャを用いると、高トルクで締め付けを行うとワッシャが座屈してボルトの軸力が低下する可能性がある。また、部品点数の増加により組立工数が増加する。
3.ボルトの締結部にグリスを塗布すると、屋外で使用された場合、グリスが流出し、電食抑制効果が得られなくなる。
4.ボルトの座面のみに樹脂コーティングが施されると、マグネシウム合金部材のボルト穴に電解質が入り込んだ場合、十分な電食抑制効果が得られない。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、部品点数を増加することなく十分な電食抑制効果を維持できるマグネシウム合金部材の締結構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、マグネシウム合金部材と、このマグネシウム合金部材に螺合するボルトとを備えるマグネシウム合金部材の締結構造に適用する。そして、マグネシウム合金部材の表面に陽極酸化処理を施し、ボルトを鉄系の材質で形成し、ボルトの全表面にフッ素樹脂コーティング層を形成する。
【0007】
第2の発明は、マグネシウム合金部材と、このマグネシウム合金部材に螺合するボルトとを備えるマグネシウム合金部材の締結構造に適用する。そして、マグネシウム合金部材の表面に化成処理及び塗装を施し、ボルトを鉄系の材質で形成し、ボルトの全表面にフッ素樹脂コーティング層を形成する。
【0008】
第3の発明は、第1 又は第2 の発明において、マグネシウム合金部材としてアッパーブラケットを備え、このアッパーブラケットに螺合するボルトを介してフロントフォークを締結するクランプ部を形成し、アッパーブラケットの表面に陽極酸化処理もしくは化成処理及び塗装を施し、ボルトを鉄系の材質で形成し、ボルトの全表面にフッ素樹脂コーティング層を形成する。」

5 引用文献5の記載
引用文献5には、以下の事項が記載されている。

(1)「【0001】
本発明は自動車等に用いられるワイヤハーネスおよびワイヤハーネスの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車、OA機器、家電製品等分野では、電力線や信号線として、電気導電性に優れた銅系材料からなる導電線が使用されている。特に、自動車分野においては、車両の高性能化、高機能化が急速に進められており、車載される各種電気機器や制御機器が増加している。したがって、これに伴い、使用されるワイヤハーネスも増加する傾向にある。
【0003】
一方、環境問題が注目される中、自動車の軽量化が要求されている。したがって、ワイヤハーネスの使用量増加に伴う重量増加が問題となる。このため、従来使用されている銅線に代えて、軽量なアルミニウム電線が注目されている。
【0004】
ここで、このような電線同士を接続する際や機器類等の接続部においては、接続用端子が用いられる。しかし、アルミニウム心線を用いたワイヤハーネスであっても、接続部の信頼性等のため、端子部には、電気特性に優れる銅が使用される場合がある。このような場合には、アルミニウム電線と銅製の端子とが接合されて使用される。
【0005】
しかし、異種金属を接触させると、標準電極電位の違いから、いわゆる電食が発生する恐れがある。特に、アルミニウムと銅との標準電極電位差は大きいため、接触部への水の飛散や結露等の影響により、電気的に卑であるアルミニウム側の腐食が進行する。このため、接続部における電線と端子との接続状態が不安定となり、接触抵抗の増加や線径の減少による電気抵抗の増大、更には断線が生じて電装部品の誤動作、機能停止に至る恐れがある。
【0006】
このような異種金属を接続したアルミ電線用端子としては、電線と端子との接続部を覆うように端子に樹脂材を充填した物がある(特許文献1)。」

(2)「【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1の方法では、コネクタ端子全体を完全に樹脂材で覆う必要があり、使用する樹脂材の量が多く、コストを要する。したがって、より簡易な構造で、接触腐食を防止する方法が望まれる。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、構造が簡易であり、接続作業性にも優れる、異種金属によるワイヤハーネスおよびワイヤハーネスの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達するために第1の発明は、電線導体と、前記電線導体とは異種金属からなる端子とが接続されるワイヤハーネスであって、前記端子の表面は、少なくとも、前記電線導体との接続部、および前記端子と接続される他の端子との接続部を除く部位が塗料により被覆されることを特徴とするワイヤハーネスである。
【0011】
前記塗料は、乾燥後の標準膜厚が10?400μmであり、JIS K 7215のタイプD硬度が40?80であり、-40℃?125℃における接着強度が3MPa以上であることが望ましい。
【0012】
前記塗料は、シリコン系、アクリル系、ウレタン系、ポリアミド系、エポキシ系、フッ素系、ポリビニルブチラール系、フェノール系、ポリアミド系、アクリルゴム系のいずれか、またはこれらの混合体であることが望ましい。
【0013】
前記電線導体と前記端子との接続部は、樹脂材で被覆されてもよい。この場合、前記樹脂材は、-40℃?125℃における接着強度が3MPa以上、引張強度が30MPa以上、かつ、弾性率が200?1000MPaであることが望ましい。
【0014】
第1の発明によれば、簡易な構造であり、接合作業性にも優れ、接触腐食を防止可能なワイヤハーネスを得ることができる。特に、端子には、電線導体との接触部を除いて塗装が施されるため、端子の大部分が被覆される。したがって、端子の表面積(外気等との接触面積)を小さくすることができる。したがって、異種金属の接触に伴う接触腐食の腐食速度を小さくすることができる。
【0015】
また、塗料の膜厚および硬度が所定範囲であれば、端子の加工時や取扱い時に剥離することがない。また、塗料の接着強度が所定以上であるため使用環境において、塗料が剥離することがない。
【0016】
また、電線導体と端子との接続部が樹脂材で被覆されれば、さらに確実に腐食を防止することができる。この際、樹脂材の強度および弾性率等を所定範囲とすることで、使用時に、樹脂材が剥離等することがない。」

第5 対比
本願発明と引用発明を対比すると、引用発明の「水槽6」は、本願発明の「水受槽」に相当する。
また、引用発明の「水槽6の内部に収容され」ることは、本願発明の「水受槽内に設けられ」ることに相当し、以下、同様に「前端面に開口部8aが設けられ」ることは、「一端部である前部が開放され」ることに、「後端面に端板部8bが形成されている」ことは、「他端部である後部が閉鎖された」ことに、「円筒状の周壁部」は、「筒状をなす筒板」に、「開口部8aを通して洗濯物を出し入れする」ことは、「一端部を通して衣類が投入される」ことに、「ステンレス製のドラム8」は、「ステンレス鋼製のドラム」にそれぞれ相当するから、引用発明の「前記水槽6の内部に収容され、前端面に開口部8aが設けられ且つ後端面に端板部8bが形成されている円筒状の周壁部を有するものであって当該開口部8aを通して洗濯物を出し入れするステンレス製のドラム8」は、本願発明の「前記水受槽内に設けられ、一端部である前部が開放され且つ他端部である後部が閉鎖された筒状をなす筒板を有するものであって当該一端部を通して衣類が投入されるステンレス鋼製のドラム」に相当する。
引用発明の「ドラム8に取付けられ」ることは、本願発明の「ドラムに設けられ」ることに相当し、引用発明の「周壁部」は、本願発明の「筒板」に相当し、同様に「前記洗濯物が投入される前記ドラムの前端側とは異なる後端側を形成する部分」は、「前記衣類が投入される前記ドラムの内部とは異なる部分を形成する部分」に相当する。また、引用発明の「後端側を形成する部分に突出部分11bの先端部をねじ止めすると共に、かしめる」ことは、ドラム支え11の突出部分11bの先端部がドラム11を後端側の内部から支え、ドラム8を機械的に補強することとなるから、本願発明の「ドラムの内部とは異なる部分を形成する部分を内部から支えることにより前記ドラムを機械的に補強する」ことに相当する。さらに引用発明の「アルミダイキャストで形成されているドラム支え11」は、本願発明の「アルミニウム合金をダイキャストしてなるドラム支え」に相当する。したがって、引用発明の「前記ドラム8に取付けられ、前記周壁部のうち前記洗濯物が投入される前記ドラムの前端側とは異なる後端側を形成する部分に突出部分11bの先端部をねじ止めすると共に、かしめるものであって、アルミダイキャストで形成されているドラム支え11を備え」ることは、本願発明の「前記ドラムに設けられ、前記筒板のうち前記衣類が投入される前記ドラムの内部とは異なる部分を形成する部分を内部から支えることにより前記ドラムを機械的に補強するものであってアルミニウム合金をダイキャストしてなるドラム支えを備え」ることに相当する。
引用発明の「ドラム支え11」は、本願発明の「ドラム支え」に相当し、また、引用発明の「ドラムの後端面の端板部8bに形成されている凹部8c」は、本願発明の「ドラムの他端部を閉鎖する端板に形成されている凹状の収納部内」に相当する。したがって、引用発明の「前記ドラム支え11は、前記ドラムの後端面の端板部8bに形成されている凹部8cに収容され」ることは、本願発明の「前記ドラム支えは、前記ドラムの他端部を閉鎖する端板に形成されている凹状の収納部内に収納され」ることに相当する。
引用発明の「凹部8c」は、本願発明の「収納部」に相当する。また、引用発明の「ドラムの内方へ向けて膨出」することは、本願発明の「ドラムの内方に突出」することに相当する。引用発明の凹部8cが「ドラム支え11の放射状に延びる3個の突出部分11bを収容するように形成されて」いることは、放射状に延びる3個の突出部分11bを収容するように形成するためには、凹部8cも放射形状に形成されなければならないから、本願発明の収納部が「放射形状に設けられて」いることに相当する。したがって、引用発明の「前記凹部8cは、前記ドラムの内方へ向けて膨出し、且つ、ドラム支え11の放射状に延びる3個の突出部分11bを収容するように形成されて」いることは、本願発明の「前記収納部は、前記ドラムの内方に突出し、且つ、放射形状に設けられて」いることに相当する。
引用発明の「前記ドラム支え11および前記ドラム8が一体に回転するように構成されている」ことは、本願発明の「前記ドラム支えおよび前記ドラムが一体に回転するように構成されて」いることに相当する。

したがって、本願発明と引用発明とは、次の[一致点]の点で一致し、[相違点1]及び[相違点2]の点で相違する。

[一致点]
水を受ける水受槽と、
前記水受槽内に設けられ、一端部である前部が開放され且つ他端部である後部が閉鎖された筒状をなす筒板を有するものであって当該一端部を通して衣類が投入されるステンレス鋼製のドラムと、
前記ドラムに設けられ、前記筒板のうち前記衣類が投入される前記ドラムの内部とは異なる部分を形成する部分を内部から支えることにより前記ドラムを機械的に補強するものであってアルミニウム合金をダイキャストしてなるドラム支えを備え、
前記ドラム支えは、前記ドラムの他端部を閉鎖する端板に形成されている凹状の収納部内に収納され、
前記収納部は、前記ドラムの内方に突出し、且つ、放射形状に設けられており、
前記ドラム支えおよび前記ドラムが一体に回転するように構成されている洗濯機。

[相違点1]
本願発明の水受槽は、非導電性であるのに対し、引用文献1には水槽6の非導電性に関する事項が記載されておらず、引用発明の水槽6の非導電性は不明である点。

[相違点2]
本願発明のドラム支えは、「表面の全体に、樹脂系の塗料により形成され、前記ドラム支えを前記ドラムに対して電気的に遮断する非導電性の非導電層が設けられている」のに対し、引用文献1には、ドラム支え11の表面の状態について記載されておらず、引用発明のドラム支え11の表面に非導電層が設けられているか否か不明である点。

第6 判断
上記相違点について、判断する。
(1)[相違点1]について
洗濯機のドラムが内部に設けられる水槽を非導電性である樹脂で形成することは、周知慣用技術であるといえ、引用発明の水槽6も洗濯機のドラムを内部に設けるものであるから、水槽6をこのような樹脂で形成し、引用発明の水槽6を非導電性とすることは当業者が容易になし得たことである。

(2)[相違点2]について
引用発明のドラム8とドラム支え11は、ステンレスとアルミニウムを主体とする材料により形成されているものであり、このように異種金属同士が接している箇所では、直接、異種金属同士が接していると、腐食が生じるという課題を有することは、遡及日前において当業者にとって自明な事項(引用文献2(特に、【0042】ないし【0049】参照。)、引用文献3(特に、第1ページ左欄19行ないし第2ページ右上欄14行参照。)、引用文献4(特に、【0002】ないし【0008】参照。)、引用文献5(特に、【0001】ないし【0016】参照。))である。したがって、引用文献1には記載されていないものの、引用発明のドラム支え11の表面に非導電層が設けられていないとすると、引用発明は、ドラム8とドラム支え11との間で腐食が生じるという当業者にとって、自明な課題を有していることとなる。
そして、本願の遡及日前において、異種金属同士の接触による腐食を防止するために、金属に非導電性の樹脂による非導電性の非導電層を設けることは、周知技術(周知例として、引用文献4(特に【0004】ないし【0008】参照。)、引用文献5(特に【0014】参照。)、特開2010-159607号公報(以下、「引用文献6」という。特に【0011】参照。)がある。)であり、引用発明のドラム支え11に腐食の発生を防止するために樹脂による非導電層を設けることは当業者が容易になし得た事項である。さらに、このような非導電層を設ける際に、非導電層を設ける金属の表面の範囲をどの程度とするかは、当業者が当該金属の使用の目的や腐食が生じると想定される範囲、非導電層を設ける手法などを考慮して、当業者が適宜定める設計的事項である。例えば、上記周知例として示した引用文献4には、電気的腐食を抑制するために行うボルトの全表面にフッ素樹脂コーティング層を形成し、またマグネシウム合金の表面に処理液に浸漬して形成した化成被膜の上に樹脂材料による塗装を行うことが記載(【0025】、【0026】参照。)されていることから、これは、ボルトとマグネシウム合金の表面全体に非導電層を形成することを示しているといえる。また、引用文献5には、被膜を端子の大部分を被膜することにより、異種金属の接触に伴う接触腐食の速度を小さくすることが記載(【0014】参照。)されており、引用文献6に記載されたアルミT型金具に形成するアクリル樹脂による塗膜も「酸化皮膜を形成したアルミT型金具を70?80℃で湯洗し、封孔処理を行わずにそのままクリア色のアクリル樹脂塗料を塗装して8.9μmの塗膜を形成し、これにより、耐候性があって長期的に美観を維持するアルミT型金具を得る」(【0011】)アルミT型金具全体に形成されているといえる。これらのことから上記周知技術に基づいて、引用発明のドラム支え11の表面全体に非導電層を形成するようにし、相違点2に係る本願発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易になし得たことである。
審判請求人は、令和2年1月23日提出の意見書において、「引用文献2-5を引用文献1に適用したとすれば、引用文献1の構成のうち特に『腐食発生が懸念される部分』に絞って非導電層を設けようとする動機しか発生し得ず、腐食発生の可能性が低い部分あるいは腐食発生の可能性が無い部分を含むドラム支えの表面の『全体』に非導電層を設けようとする動機は発生し得ない」(上記意見書2ページ16行ないし同ページ20行)と主張する。しかし、金属の表面全体に腐食防止のための非導電層を設けることは、上記の通りであるから、請求人の上記主張は採用することができない。

(3)効果について
[相違点1]及び[相違点2]を合わせてみても、本願発明の効果は、引用発明及び周知技術からそれぞれ得られるものであり、格別なものとはいえない。
審判請求人は、上記意見書において、「本願発明は、ドラム支えの表面の「全体」に非導電層を設ける構成であり、このように表面の「全体」に非導電層が設けられたドラム支えは、例えば、ドラム支えの基材全体を非導電性の樹脂液に浸漬させるといった簡便な方法で製造することができ、製造性の向上を図ることができ」(上記意見書2ページ11行ないし同ページ14行)
ると主張している。しかし、このような効果は、「洗濯機」の製造方法における効果であり、本願発明の効果であるとは認められず、また、本願の発明の詳細な説明に記載されているものではなく、さらに、周知技術の例として示した引用文献4及び6のように、表面全体に非導電層を設けるものにおいて、当然に得られる自明な効果であるから、本願発明の格別な効果であるとはいえない。

第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、その遡及日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、その遡及日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2020-05-29 
結審通知日 2020-06-02 
審決日 2020-06-16 
出願番号 特願2017-138973(P2017-138973)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (D06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大宮 功次高田 基史  
特許庁審判長 堀川 一郎
特許庁審判官 長馬 望
佐々木 芳枝
発明の名称 洗濯機  
代理人 特許業務法人 サトー国際特許事務所  

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