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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  A23L
審判 全部申し立て 2項進歩性  A23L
管理番号 1364959
異議申立番号 異議2020-700279  
総通号数 249 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-09-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-04-21 
確定日 2020-08-17 
異議申立件数
事件の表示 特許第6595735号発明「多層麺の製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6595735号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6595735号の請求項1?3に係る特許についての出願は、平成31年3月29日に出願され、令和元年10月4日にその特許権の設定登録がされ、同年同月23日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許について、令和2年4月21日に特許異議申立人奥村一正(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。

第2 本件発明について
本件の特許請求の範囲の請求項1?3に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」?[本件発明3」という。まとめて「本件発明」ということもある。)は、その特許請求の範囲の請求項1?3に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
なお、以下において、隅付き括弧は「[ ]」と表示した。
「[請求項1]
多層麺の製造方法であって、
A層及びB層を含む多層構造を有し、かつ該多層構造の両側の最外層が該A層である多層生地を調製することを含み、
該A層用の麺生地は、その原料粉に温度30℃未満の練り水を添加、混合して調製されており、該B層用の麺生地は、その原料粉に温度30℃以上50℃未満の練り水を添加、混合して調製されている、
方法。
[請求項2]
前記B層の原料粉における蛋白質含有量が、前記A層の原料粉における蛋白含有量よりも高い、請求項1記載の方法。
[請求項3]
前記B層の原料粉にグルテンが添加されている、請求項1又は2記載の方法。」

第3 特許異議申立理由の概要
申立人は、特許異議申立書において、概略、以下の特許異議申立理由を主張している。
理由1(進歩性、甲第1号証を主引用例とする場合)
本件特許の請求項1?3に係る発明は、本件特許の出願前日本国内または外国において頒布された下記の甲第1号証?甲第5号証に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができるものではなく、それらの発明についての特許は同法第29条の規定に違反してされたものである。
理由2(進歩性、甲第5号証を主引用例とする場合)
本件特許の請求項1に係る発明は、本件特許の出願前日本国内または外国において頒布された下記の甲第5号証、甲第2号証及び甲第3号証に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができるものではなく、それらの発明についての特許は同法第29条の規定に違反してされたものである。
<引用文献等一覧>
甲第1号証:特開2001-252035号公報
甲第2号証:小田聞多,「新訂 めんの本」,改訂版,株式会社食品産業新聞社,2003年12月25日,p.56-63
甲第3号証:特開2003-180279号公報
甲第4号証:特開平10-248510号公報
甲第5号証:特公昭56-54129号公報

以下、「甲第1号証」?「甲第5号証」をそれぞれ「甲1」?「甲5」という。まとめて、「甲号証」ということもある。

理由3(サポート要件)
本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしておらず、請求項1?3に係る発明についての特許は同法同条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。

第4 特許異議申立理由についての判断
1.理由1(進歩性、甲第1号証を主引用例とする場合)について
(1)甲号証及びその記載事項
(i)甲1(特開2001-252035号公報)には、以下の事項が記載されている。
(1-1)「[特許請求の範囲]
[請求項1] 小麦粉を含む内層用原料粉に水を加えて混練し、小麦粉を含む外層用原料粉に水を加えて混練し、混練した内層用および外層用原料粉を別々に圧延して内層用および外層用麺帯をそれぞれ製造し、内層用麺帯を2枚の外層用麺帯で挟んで圧延して3層麺帯を製造し、さらに圧延して麺線に切出す3層麺の製造方法において、
内層用原料粉および外層用原料粉の少なくともいずれか一方に60℃?100℃に加熱された水を加えて混練することを特徴とする3層麺の製造方法。
[請求項2] 内層用原料粉に含まれる小麦粉の種類が外層用原料粉に含まれる小麦粉の種類よりも蛋白質含量の多い種類に選ばれることを特徴とする請求項1記載の3層麺の製造方法。」

(1-2)「[0002]
[従来の技術]従来から、麺類は原料粉に水を加えて混練し、混練した生地を圧延機で圧延して麺帯を製造し、その麺帯を麺線に切出す機械製麺法によって製造される。前記混練時に加えられる水の温度は、通常15℃程度である。この麺類は、滑らかさおよび弾力性に乏しく、かつ茹でのびしやすいなど品質上の問題を抱えている。
[0003]特開平6-276973号公報には、このような問題を解消するために、前記機械製麺法によって内層用麺帯と外層用麺帯とを別々に製造し、内層用麺帯を2枚の外層用麺帯で挟んで圧延して3層麺帯を形成し、3層麺帯を麺線に切出す3層麺の製造方法が開示されている。この3層麺には、次のような問題がある。すなわち、茹で上げられた麺が直ちに食に供されるときにはほとんど問題とならないけれども、茹で上げられた麺が冷蔵温度域(0℃超,5℃以下)で保存(以後、チルド保存と呼ぶ)されて食に供されるとき、あるいは凍結された麺が冷蔵温度域で解凍(以後、チルド解凍と呼ぶ)されて食に供されるとき、あるいは凍結された麺が室温で自然解凍されて食に供されるときには食感および風味が著しく低下するという問題がある。以後、前記チルド解凍および自然解凍を総称して緩慢解凍と呼ぶ。
[0004]
[発明が解決しようとする課題]本発明の目的は、前記問題を解決し、茹で上げられた麺がチルド保存されて食に供されるとき、あるいは茹で上げ直後に凍結された麺が緩慢解凍されて食に供されるときでも、優れた食感および風味を有する3層麺を提供することである。」

(1-3)「[0006]本発明に従えば、内層用および外層用原料粉の少なくともいずれか一方に充分な温度に加熱された水を加えて混練が行われるので、加熱された水を加えられた原料粉では、混練中に加熱水の熱によって原料粉に含まれる澱粉の糊化が進行する。また同様に原料粉中におけるグルテンの形成とグルテンの網目構造化とが促進される。これによって、茹で上げられた麺の茹で上げ直後における糊化度および硬さを高くすることができるので、たとえば茹で上げられた麺がチルド保存されて食に供されるときに、あるいは茹で上げ直後に凍結された麺が緩慢解凍されて食に供されるときに、チルド保存あるいは緩慢解凍によって糊化度および硬さの低下が生じても食に供されるときの糊化度および硬さの水準を高くすることができる。したがって、チルド保存あるいは緩慢解凍されるときでも、食感および風味の優れた3層麺を製造することができる。
[0007]また本発明は、内層用原料粉に含まれる小麦粉の種類が外層用原料粉に含まれる小麦粉の種類よりも蛋白質含量の多い種類に選ばれることを特徴とする。
[0008]本発明に従えば、内層用原料粉に含まれる小麦粉の種類は、外層用原料粉に含まれる小麦粉の種類よりも蛋白質含量の多い、換言すれば強い生地をつくることのできる種類に選ばれるので、これらの原料粉を用いて製造された3層麺は麺断面における中心の硬さを表面の硬さよりも硬くすることができる。これによって、麺を弾力および腰のある食感の良好な状態にすることができるので、チルド保存あるいは緩慢解凍による食感の低下を補うことができる。したがって、チルド保存あるいは緩慢解凍されるときでも食感および風味の優れた3層麺を製造することができる。」

(1-4)「[0016]第2工程では、加水混練処理が内層用および外層用原料粉の各々について個別に行われる。この工程は、真空ミキサーで3段階に分けて行われる。第1段階では原料粉が大気圧下で高速回転で混合される。第2段階では原料粉に水を加えて混練が行われる。この混練は真空下で中速度で行われる。水はボール弁を徐々に開けながら加水される。この混練によって、各原料粉中にグルテンが形成される。このとき、内層用原料粉および外層用原料粉の少なくともいずれか一方に、たとえば内層用原料粉に60℃?100℃に加熱された水(以後、加熱水と呼ぶ)が加えられる。加熱水が加えられない原料粉、たとえば外層用原料粉には、15℃の水が加えられる。加熱水の加水によってその熱に相当する分だけ澱粉の糊化が進行するとともにグルテンの網目構造化が促進される。
[0017]加熱水の下限温度を60℃に限定したのは、60℃未満では、澱粉の糊化温度を下回る恐れがあり、澱粉の糊化およびグルテンの網目構造化が進まない恐れがあるからである。澱粉の糊化温度は、小麦粉中の澱粉で52.0?63.0℃であり、馬鈴薯澱粉で56.0?66.0℃であり、タピオカ澱粉で58.5?70.0℃である。加熱水の上限温度を100℃に限定したのは、この温度を超えると原料粉から風味が飛散する恐れがあるからである。」

(1-5)「[0035](実施例1?4)内層用原料粉の混練時に加える水の温度(以後、加水温度と呼ぶ)が本発明の範囲を満たす実施例1?4の3層麺と、本発明の範囲を外れる比較例1?2の3層麺とについて、チルド解凍後の品質を比較した。
[0036](1-1) 内層用麺帯
強力小麦粉(日清製粉製「カメリア」)45%、そば粉(日穀製粉製「千寿」)25%、および澱粉(松谷化学製「松谷ゆり8」)30%を穀粉量として重量割合で100%になるように混合し、それに穀粉量に対してグルテン(グリコ栄養食品製)3%、卵白(太陽化学製「サンキララRS」)3%、食塩1%を混合し、さらにそれに穀粉量に対して水または加熱水40%を加えて、真空ミキサーで混練した。真空ミキサーの混練は高速の回転速度(120rpm)で5分、中速の回転速度(80rpm)で2分、低速の回転速度(40rpm)で5分行った。高速混練は大気圧下で行い、中速および低速混練は真空下(690mmHg)で行った。水または加熱水は、中速混練時に加水した。加水温度は表3に示すように変化させた。内層用原料粉の混練を各加水温度毎に行い、加水温度の異なる内層用生地をそれぞれ製造した後、それを圧延して粗麺帯を製造し、さらに粗麺帯を圧延して厚さ2.3mmの内層用麺帯を製造した。
[0037](1-2)外層用麺帯
強力小麦粉(日清製粉製「カメリア」)57%、そば粉(日穀製粉製「千寿」)33%および澱粉(松谷化学製「松谷ゆり8」)10%を穀粉量として重量割合で100%になるように混合し、それに穀粉量に対してグルテン(グリコ栄養食品製)3%,卵白(太陽化学製「サンキララRS」)3%,食塩1%を混合し、さらにそれに穀粉量に対して水36%を加えて、以後、混練時の加水温度が15℃一水準である点を除いて内層用麺帯と同じ方法で厚さ2.3mmの外層用麺帯を製造した。
[0038](1-3)3層麺帯および麺線
内層用麺帯を2枚の外層用麺帯で挟んで重ね合わせ、重ね合わせた3枚の麺帯を圧延して厚さ1.4mmの3層麺帯を製造した。さらに各3層麺帯を#20の切り刃を用いて1単位約80g程度の麺線に切出して3層麺を製造した。製造した3層麺を表3に示す。表3の試料No.1?2は、加水温度が本発明の範囲を下限側に外れた比較例1?2であり、試料No.3?6は、加水温度が本発明の範囲を満たす実施例1?4である。
[0039](1-4)茹で上げ、凍結および保管
麺線をステンレス鋼製茹で籠に1回当り5食分約400g装入し、茹で釜で90秒間茹で上げ、直ちに冷水、氷水で冷却し、トレーに入れて-40℃に設定されたフリーザで急速凍結した。約1時間凍結させた後に取出し、真空包装後、-18℃に設定された冷凍庫で保管した。
[0040](1-5)解凍および評価
凍結した麺を約5℃に設定された冷蔵庫で24時間チルド解凍し、取出した麺の糊化度および硬さを測定するとともに、麺の試食を行った。試食は、前述のようにパネラ5名で行い、官能評価を行った。また茹で上げ時には、茹で上げ直後の麺の糊化度を測定した。測定結果および官能評価結果を表3に示す。
[0041]
[表3]


[0042]図8は、麺の糊化度と混練時の加水温度との関係を示すグラフであり、図9はチルド解凍後の麺の硬さと混練時の加水温度との関係を示すグラフである。図8中の曲線Kは茹で上げ直後の麺の糊化度を示す曲線であり、図8中の曲線Lはチルド解凍後の麺の糊化度を示す曲線である。表3および図8から、次のことが判る。
[0043](a)実施例1?4の茹で上げ直後の糊化度は、比較例1?2の茹で上げ直後の糊化度よりも高い。これは、内層用原料粉の混練が澱粉の糊化温度よりも高い温度の加熱水を加えて行われることによるものである。また、内層用原料粉の澱粉の配合量が外層用原料粉の配合量よりも多いことも寄与しているものと考えられる。
・・・
[0048]このように、内層用原料粉の混練時の加水温度が本発明の範囲を満たす実施例1?4の3層麺は、本発明の範囲を外れた比較例1?2の3層麺に比べて、チルド解凍後の麺の品質が優れている。したがって、実施例1?4の本発明に従えば、チルド解凍を行っても、優れた食感および風味を有する3層麺を製造することができる。また、原料粉の混練時の加水温度が前述のように60℃?100℃の範囲に限定されるのは、このような根拠によるものである。」

(1-6)「[0049](実施例5?8)内層用および外層用原料粉の混練時における加水温度がともに本発明の範囲を満たす実施例5?8の3層麺と、本発明の範囲を外れた比較例3の3層麺とについて、チルド解凍後の麺の品質を比較した。また実施例5?8と、実施例1?4との比較も行った。
・・・
[0054]
[表4]




(1-7)「[0057](実施例9?12)内層用原料粉に含まれる小麦粉の種類を外層用原料粉に含まれる小麦粉の種類よりも蛋白質含量の多い種類に選び、かつ内層用原料粉の混練時における加水温度が本発明の範囲を満たす実施例9?12の3層麺と、実施例9?12と同一の小麦粉の種類を選び、かつ内層用原料粉の混練時における加水温度が本発明の範囲を外れた比較例4の3層麺とについて、チルド解凍後の品質を比較した。また実施例9?12と、前記実施例1?8との比較も行った。
[0058](3-1)内層用麺帯
・・・以後、実施例1?4の内層用麺帯と同じ方法で、厚さ2.3mmの内層用麺帯を製造した。加水温度は、表5に示すように変化させた。
[0059](3-2)外層用麺帯
・・・穀粉量に対して水40%を加えて、以後、実施例1?4の外層用麺帯と同じ方法で厚さ2.3mmの外層用麺帯を製造した。
・・・
[0062]
[表5]




(ii)甲2(小田聞多,「新訂 めんの本」,改訂版,株式会社食品産業新聞社,2003年12月25日,p.56-63)には、以下の事項が記載されている。
(2-1)「|第|2|章| 機械製麺
・・・
第2節
混捏に影響する種々の要因」(p.56及びp.59表題)

(2-2)「(4)温度の影響
混捏にとって温度は重要な影響要因である。混捏の温度は何度がよいかということは実際的問題であるが、製麺では多くの要因がからむので、確定し難い面がある。
しかしながら、グルテンの性質と混捏の目的からして低温はいけない。低温ではグルテンの結合が行われ難く、グルテンが多くてもグルテンの少ない小麦粉を使用した状態の生地になる。・・・製麺の混捏では、20℃以下でグルテンの結合力の低下が目立ってくるので、下限を20℃と考えてよい。グルテンの展開は、熱変性を起こさない温度の45℃位までは高い方が容易であるが、酵素活性が強まる等、生地性質が不安定になり好ましくない。
従って適温は25?30℃程度ということができる。」(p.61 第2節(4)「温度の影響」の項)

(iii)甲3(特開2003-180279号公報)には、以下の事項が記載されている。
(3-1)「[0002]
[従来の技術]従来麺類の製造に関しては、年間の気象条件に応じて冷水か中温(3℃?40℃程度)の練り水が製麺用原料粉体に加えられ、ミキサーで捏ねることにより生地が形成され、所定の製麺工程を経て麺状に成形されている。」

(iv)甲4(特開平10-248510号公報)には、以下の事項が記載されている。
(4-1)「[0003]
[発明が解決しようとする課題]本発明は、腰があって弾力に富み、且つ滑らかな食感を発揮できる乾麺の製造方法を提供することである。
・・・
[0006]本発明においては、内層生地と外層生地における蛋白含有率に差を持たせることができる。これによって麺類により弾力のある食感を持たせることができる。差を持たせる際に、内層生地と外層生地の蛋白含有率のどちらを高くしてもよいが、一般に内層生地の蛋白含有率を高くするのが好ましい。通常は内層生地の蛋白含有率(%)を外層生地のそれと比較して2?15%ほど、より望ましくは4?15%程度高くする。内層生地と外層生地において蛋白含有率に差異を持たせる手段として具体的には、内層生地に強力小麦粉や準強力小麦粉を使用し、及び外層生地に中力小麦粉や薄力小麦粉を使用すること、あるいは内層生地に活性グルテン及び外層生地に澱粉を添加して調整することが挙げられる。」

(v)甲5(特公昭56-54129号公報)には、以下の事項が記載されている。
(5-1)「特許請求の範囲
1 麺線の外層を小麦粉単独もしくは小麦粉にデンプンを添加した層とし、内層を蛋白単独もしくは蛋白と小麦粉よりなる層としたことを特徴とする多層麺。
2 特許請求の範囲第1項に記載の多層麺において内層に添加する蛋白は植物蛋白もしくは動物蛋白であることを特徴とする多層麺。」(第1欄特許請求の範囲)

(5-2)「従来より、そば、うどん等の麺類の麺質改良については種々の検討がなされ、麺質改良剤として幾多の添加物が開発され、又、製造工程の改良とか動物蛋白混入等も検討されている。
しかしながら、これらはいずれも単層の麺線にかかるものであるため以下(a)?(e)項に記した欠点がある。
(a)製麺性を向上させると復元性がわるく復元性を改良すると製麺性が低下する。
(b)単層麺であるため、添加物によつて湯のび防止には作用効果上限度があつた。
(c)単層麺であるため、麺線全体に添加物が添加されるので表面のみの効果を求めるときに必要量以上の添加物を添加することになり不経済であつた。
(d)動植物蛋白を添加混入すると麺線が固くなりなめらかさに欠けたり、特有の蛋白臭を生じたりする。
(e)蛋白を添加すると油熱処理の結果全体的に褐変し外観がよくない。
一方、うどん、そば等の麺線を複合一体化した2層あるいは3層からなる多層麺についても従来から研究開発されており、たとえば次の(1)?(3)の項に記載の先行技術がある。
(1)実公昭27-5472号公報・・・麺質自体を前述(a)?(e)の問題点に即して改良したものではないばかりか、製造が極めて困難であつて連続生産に適しない。
(2)実公昭50-15013号公報・・・(1)と同様麺質自体を改良するものではない。
(3)実公昭51-17268号公報・・・上述(1),(2)と同様、麺質自体を改良するものでない。
(4)特開昭51-148049号公報には、蛋白含有率の高い小麦粉による麺体を、蛋白含有率の低い小麦粉による麺体でサンドウイツチ状に挾んで構成する層状麺の製造法が記載されているが、これは、小麦粉に含有される蛋白質の多少のみに依存しているために、自ずと限度があり、強力粉(蛋白含有率約12?13%)以上の蛋白質添加を行なうことができず、また蛋白質の種類も、小麦粉蛋白に限定されたものである。
したがつて、異質の蛋白、例えば大豆蛋白、カゼイン等を内層に添加した場合に生ずる、前述の問題点は全く解消されていない。
本発明は、上述の従来の単層麺、多層麺の有する問題点に鑑み麺へ多量の蛋白を添加しても、前述の問題点を克服できる高蛋白麺へ製造法を確立したものであり、製麺性、ほぐし、復元性、食味、食感等を著しく改良した新規な多層麺を提供することを目的とする。」(第1欄35行?第3欄23行)

(5-3)「図面において1は麺体であり、これは内層2が上下の外層3,3’の間に挟着複合されてなる。ここで外層3,3’としては一般に製麺用の準強力粉、中力粉などの小麦粉を主原料として使用し内層2としては同様の小麦粉に蛋白を添加配合していわゆる蛋白強化したものを使用する。要するに外層に比較して内層の蛋白含有率を相対的に大きくすればよいものであり、具体的態様としては下表の組合わせのとおりである。


ところで小麦粉と蛋白の配合割合はどのような配合率のものでも使用可能であり、添加配合する蛋白は、たとえば植物蛋白としては油糧種子蛋白(大豆蛋白粉、綿実粉、落花生粉、ゴマ等)、殻粉蛋白(小麦グルテン等)酵母蛋白(酵母粉末エキス)、藻類蛋白(クロレラ粉末、スピルリナ粉末等)が適用でき、動物蛋白としては卵類、乳蛋白類(カゼイン等)、魚介類(スケソウすり身等)、蓄肉類が適用できる。
これらの高蛋白なものを各々単独で使用してもよいし、数種のものを適宜混合して使用してもよいが製麺性をよくするために、小麦粉を混入することが望ましく小麦粉と蛋白との配合割合は多層麺とした場合の製麺性、湯もどり性等を考慮して決定すればよい。本発明多層麺は上述のように構成されるものであり、その製造は、内層及び外層に相当する原料を各々別個に混捏して麺帯とし、麺帯を複合してさらに所定の厚さに圧延後、切出し、麺線とすることによる。得られた麺線は常法により蒸煮し、油熱処理して油揚麺とするか、もしくは乾燥処理して即席乾燥麺とする。」(第3欄26行?第4欄19行)

(5-4)「本発明多層麺は積極的効果としては内層の蛋白含有率を大きくしたことにより、こしが強くなつて歯切れがよくなり外層は蛋白の含有を少なく抑え一般に小麦粉を主原料としたので小麦粉中のデンプン又は他の添加デンプンによりなめらかで舌ざわりがツルツルする食感を呈し、相乗的効果が著しく、生麺、乾麺、蒸麺、茹麺更に即席麺などに幅広く適用できる。
又、従来麺においては麺の舌ざわりをよくするために麺全体にデンプンを添加していわゆるデンプン強化を図つていたが本発明多層麺においては、基本的には内層のみに蛋白強化を図り、外層には蛋白強化を図らないことによりなめらかな舌ざわりを達成でき、かつ、こしを強く歯切れをよくし、湯のびを抑制することができる。
更に、本発明多層麺は前述のような食感の向上のみならず、内層には動植物蛋白が多量に包蔵されているので、蛋白栄養源の摂取上、きわめて好ましい。」(第4欄41行?第5欄15行)

(5-5)「実施例
内層及び外層に相当する原材料を下記の表の配合割合により別個に混捏して、各々、麺帯としこの麺帯を複合して更に圧延後切出し麺線とした。
次いで麺線を常法により蒸煮し、油熱処理して蛋白強化多層麺を得た。
得られた多層麺を湯もどししたものはなめらかでツルツルした舌ざわりの食感があり、かつ、こしのある良好な麺質であった。


」(第5欄17行?第6欄表)

(2)甲1に記載された発明
甲1の請求項1(摘記1-1)には、「小麦粉を含む内層用原料粉に水を加えて混練し、小麦粉を含む外層用原料粉に水を加えて混練し、混練した内層用および外層用原料粉を別々に圧延して内層用および外層用麺帯をそれぞれ製造し、内層用麺帯を2枚の外層用麺帯で挟んで圧延して3層麺帯を製造し、さらに圧延して麺線に切出す3層麺の製造方法において、
内層用原料粉および外層用原料粉の少なくともいずれか一方に60℃?100℃に加熱された水を加えて混練することを特徴とする3層麺の製造方法」が記載されているところ、「加熱された水」を加える対象について、[0016](摘記1-4)には、「たとえば内層用原料粉に60℃?100℃に加熱された水(以後、加熱水と呼ぶ)が加えられる。加熱水が加えられない原料粉、たとえば外層用原料粉には、15℃の水が加えられる」ことが記載され、[0035]?[0048]の実施例1?4(摘記1-5)では、内層用原料粉の加水温度をそれぞれ60、70、80及び90℃とし、外層用原料粉は「混練時の加水温度が15℃一水準」としたことが記載されている。
そうすると、甲1には以下の発明が記載されているものと認められる。
「小麦粉を含む内層用原料粉に水を加えて混練し、小麦粉を含む外層用原料粉に水を加えて混練し、混練した内層用および外層用原料粉を別々に圧延して内層用および外層用麺帯をそれぞれ製造し、内層用麺帯を2枚の外層用麺帯で挟んで圧延して3層麺帯を製造し、さらに圧延して麺線に切出す3層麺の製造方法において、
内層用原料粉のみに60℃?100℃に加熱された水を加えて混練することを特徴とする3層麺の製造方法。」(以下、「甲1発明」という。)

(3)本件発明1について
ア 本件発明1と甲1発明との対比
本件発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明における「内層用麺帯を2枚の外層用麺帯で挟んで圧延して3層麺帯を製造」すること、及び「さらに圧延して麺線に切出す3層麺の製造方法」は、それぞれ本件発明1における「A層及びB層を含む多層構造を有し、かつ該多層構造の両側の最外層が該A層である多層生地を調製すること」及び「多層麺の製造方法」に相当し、甲1発明における「内層」及び「外層」は、それぞれ本件発明1における「B層」及び「A層」に相当する。
甲1発明における「小麦粉を含む内層用原料粉」及び「小麦粉を含む外層用原料粉」は、それぞれ本件発明1におけるB層用及びA層用の「原料粉」に相当し、甲1発明における「水を加えて混練し」及び「混練した内層用および外層用原料粉を別々に圧延して内層用および外層用麺帯をそれぞれ製造」は、それぞれ本件発明1における「練り水を添加、混合」並びに「A層用の麺生地・・・調製」及び「B層用の麺生地・・・調製」に相当する。
また、甲1発明における「内層用原料粉のみに60℃?100℃に加熱された水を加えて混練する」点は、本件発明1における「該A層用の麺生地は、その原料粉に温度30℃未満の練り水を添加、混合」し、かつ「該B層用の麺生地は、その原料粉に温度30℃以上50℃未満の練り水を添加、混合」する点と、「B層用の原料粉により高温の練り水を添加、混合」し、かつ「A層用の原料粉により低温の練り水を添加、混合」する点で共通する。
そうすると、両者は、
「多層麺の製造方法であって、
A層及びB層を含む多層構造を有し、かつ該多層構造の両側の最外層が該A層である多層生地を調製することを含み、
該A層用の麺生地は、その原料粉により低温の練り水を添加、混合して調製されており、該B層用の麺生地は、その原料粉により高温の練り水を添加、混合して調製されている、
方法。」の点で一致し、
相違点1:練り水の温度が、本件発明1においてはB層用は「温度30℃以上50℃未満」、A層用は「温度30℃未満」に特定されているのに対し、甲1発明においては「内層用」のみが「60℃?100℃」に特定され、「外層用」については具体的な温度が特定されていない点
で相違する。そこで、上記相違点について検討する。

イ 相違点1について
(ア)甲1発明の課題及び解決手段について(内層(B層)用の練り水の温度について)
甲1の[0004](摘記1-2)には、甲1発明の課題が「茹で上げられた麺がチルド保存されて食に供されるとき、あるいは茹で上げ直後に凍結された麺が緩慢解凍されて食に供されるときでも、優れた食感および風味を有する3層麺を提供すること」にあることが記載されており、その解決手段について[0006](摘記1-3)には、「充分な温度に加熱された水を加えて混練」することによって「原料粉に含まれる澱粉の糊化が進行」し、「また同様に原料粉中におけるグルテンの形成とグルテンの網目構造化とが促進され」ることによって「茹で上げられた麺の茹で上げ直後における糊化度および硬さを高くすることができ」たため、上記課題を解決することができたことが記載されている。
また、上記「充分な温度」について、甲1の[0017](摘記1-4)には、「加熱水の下限温度を60℃に設定したのは、60℃未満では、澱粉の糊化温度を下回る恐れがあ」るからであること、及び「澱粉の糊化温度は、小麦中の澱粉で52.0?63.0℃」であることが記載されている。
そうすると、上記課題を解決するためには、内層用の「原料粉に含まれる澱粉の糊化が進行」することが必要であり、このため、甲1発明における「小麦粉を含む内層用原料粉に水を加えて混練」する工程では、混練中の小麦粉の温度が澱粉の糊化温度である52.0℃以上になるように、加熱水の温度が60℃以上に調整されているものと理解することができる。

(イ)外層(A層)用の練り水の温度について
なお、甲1発明における外層用の練り水の温度については、甲1の[0016](摘記1-4)に、「たとえば、外層用原料粉には、15℃の水が加えられる」ことが記載され、また、後記するとおり、実施例1?4(摘記1-5)においても、外層用の加水温度は「混練時の加水温度が15℃一水準」であったことが記載されているから、相違点1のうち、A層(外層)用の練り水の温度が「温度30℃未満」に特定されている点は、実質的な相違点ではないか、甲1の記載に基いて当業者が容易に採用することができた事項であるといえる。
よって、以下においては、甲1発明における内層(B層)用の練り水の温度について検討することとする。

(ウ)実施例1?4について
甲1の[0035]?[0048]の実施例1?4及び比較例1、2(摘記1-5)においては、内層用原料粉の「加水温度は表3に示すように変化させ」、外層用の加水温度は「混練時の加水温度が15℃一水準」であったことが記載されており、[0041]の[表3]を参照すると、実施例1?4における内層用原料粉の加水温度はそれぞれ60℃、70℃、80℃、90℃であったこと、並びに茹で上げ、凍結、保管及びチルド解凍後に糊化度、麺の硬さの測定及び官能評価を行ったところ、実施例1?4は比較例1、2よりも糊化度及び麺の硬さが高く、「△」(基準となる比較例の品質レベルよりもやや向上)又は「○」(5名全員が食感および風味とも明らかに向上していると判定)の評価であったことが読み取れる。
これに対し、内層用原料粉の加水温度をそれぞれ15℃及び50℃とした比較例1、2は、実施例1?4よりも糊化度及び麺の硬さが低く、「×」(基準となる比較例の品質レベル)であったことが読み取れる。
これらの実験データは、上記[0017]の記載を踏まえると、甲1発明における「小麦粉を含む内層用原料粉に水を加えて混練」する工程において、甲1発明に特定される「60℃?100℃」の加水温度を用いれば、小麦中の澱粉の糊化温度を上回るため、上記[0006]に記載されているように「原料粉に含まれる澱粉の糊化が進行」し、「また同様に原料粉中におけるグルテンの形成とグルテンの網目構造化とが促進され」ることによって「茹で上げられた麺の茹で上げ直後における糊化度および硬さを高くすることができ」るため、上記課題を解決することができることを裏付けるものと理解することができ、また、甲1発明に特定される「60℃?100℃」を下回る加水温度では、小麦中の澱粉の糊化温度を下回るため、上記課題を解決することができないものと理解することができる。

(エ)実施例5?8及び実施例9?12について
甲1の[0049]?[0056]の実施例5?8及び比較例3(摘記1-6)、並びに[0057]?[0065]の実施例9?12及び比較例4の実験データからも、上記実施例1?4及び比較例1、2と同様の傾向を読み取ることができるから、内層用原料粉の加水温度が甲1発明に特定される「60℃?100℃」を下回る場合は、小麦中の澱粉の糊化温度を下回るため、上記課題を解決することができないものと理解することができる。

(オ)甲2について
甲2のp.56?p.61(摘記2-1?2-2)には、機械製麺の混捏に影響する種々の要因の一つとして「(4)温度の影響」が記載されており、具体的には、「低温ではグルテンの結合が行われ難」いこと、「グルテンが多くてもグルテンの少ない小麦粉を使用した状態の生地になる」こと、「製麺の混捏では、20℃以下でグルテンの結合力の低下が目立ってくるので、下限を20℃と考えてよい」こと、「グルテンの展開は、熱変性を起こさない温度の45℃位までは高い方が容易であるが、酵素活性が強まる等、生地性質が不安定になり好ましくない」こと、及び「従って適温は25℃?30℃程度ということができる」ことが記載されている。
甲2の上記記載は、一般的な機械製麺における小麦粉の混捏時の温度について、グルテンの結合力及び展開容易性の観点から適温と考えられる温度範囲を述べたものと解することができるが、甲2には多層麺の製造方法における内層の加水温度の適温までは具体的に記載されておらず、実際、混捏の温度は、「製麺では多くの要因がからむので、確定し難い」(摘記2-2)ことも記載されている。
そうすると、甲2の記載を参酌しても、当業者は甲1発明における内層用原料粉の加水温度について、甲1発明に特定される「60℃?100℃」を下回る温度範囲、特に相違点1に係る「温度30℃以上50℃未満」が適温であると理解することはできないといえる。

(カ)甲3について
甲3の[0002](摘記3-1)には、「従来麺類の製造に関しては、年間の気象条件に応じて冷水か中温(3℃?40℃程度)の練り水が製麺用原料粉体に加えられ」ていることが記載されているが、甲3には多層麺の製造方法における内層の加水温度は具体的には記載されていない。
そうすると、甲3の記載を参酌しても、当業者は甲1発明における内層用原料粉の加水温度について、甲1発明に特定される「60℃?100℃」を下回る温度範囲、特に相違点1に係る「温度30℃以上50℃未満」が適温であると理解することはできないといえる。

(キ)甲4及び甲5について
申立人は、特許異議申立書の第12?13頁において、「三層麺においては、麺の断面における中心の固さを表面の固さよりも固くすることによってコシを出すことで、麺の弾力及び食感の良好な状態にするという課題が従来から存在し、このために外層に比べて内層のグルテン形成を促進する方法が効果的であることがすでに広く知られている」として甲1([0008])、甲4([0006])及び甲5(第4?5欄)を示しているので、甲4及び甲5についても検討する。
甲4の[0006](摘記4-1)には、「内層生地と外層生地における蛋白含有率に差を持たせる」ことによって「麺類により弾力のある食感を持たせることができ」、「一般に内層生地の蛋白含有率を高くするのが好ましい」ことが記載されているが、甲4には多層麺の製造方法における内層の加水温度は具体的には記載されていない。
また、甲5の第4?5欄(摘記5-4)には、「内層の蛋白含有率を大きくしたことにより、こしが強くなって歯切れがよくなり外層は蛋白の含有を少なく抑え一般に小麦粉を主原料としたので小麦粉中のデンプン又は他の添加デンプンによりなめらかで舌ざわりがツルツルする食感を呈し、相乗的効果が著し」いことが記載されているが、甲5には多層麺の製造方法における内層の加水温度は具体的には記載されていない。
そうすると、甲4及び甲5の記載を参酌しても、当業者は甲1発明における内層用原料粉の加水温度について、甲1発明に特定される「60℃?100℃」を下回る温度範囲、特に相違点1に係る「温度30℃以上50℃未満」が適温であると理解することはできないといえる。

(ク)相違点1についての判断
甲1の一般記載並びに実施例及び比較例の実験データを参酌すると、甲1発明における内層用原料粉の加水温度が、甲1発明に特定される「60℃?100℃」を下回る場合は、小麦中の澱粉の糊化温度を下回るため、甲1発明の課題を解決することができなくなると理解することができるから、甲1発明における内層用原料粉の加水温度を、甲1発明に特定される「60℃?100℃」を下回る温度範囲、特に相違点1に係る「温度30℃以上50℃未満」に変更することには、阻害要因があるといえる。
また、甲2及び甲3の記載並びに周知の技術的事項(甲4及び甲5)を参酌しても、当業者が甲1発明における内層用原料粉の加水温度を、相違点1に係る「温度30℃以上50℃未満」に変更することが動機づけられるものではない。
よって、甲1発明、甲1?甲3に記載された事項及び周知の技術的事項(甲4及び甲5)に基いて、甲1発明における内層用原料粉の加水温度を、相違点1に係る「温度30℃以上50℃未満」に変更することは、当業者が容易に想到し得ることとはいえない。

ウ 本件発明1の効果について
本件明細書の記載を参酌すると、本件発明1は相違点1に係る発明特定事項を備えることにより、「製麺性が良く麺生地の調製や麺の成形の工程において取り扱いが容易であり、かつコシがあり粘弾性に優れた良好な食感を有する多層麺を提供することができる」(本件明細書の[0008])という効果を奏するものであり、当該効果は甲1?甲5から予測することができないものといえる。

エ 本件発明1のまとめ
よって、本件発明1は甲1発明、甲1?甲3に記載された事項及び周知の技術的事項(甲4及び甲5)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(4)本件発明2及び3について
本件発明2及び3は、いずれも本件発明1を直接又は間接的に引用し、本件発明1の発明特定事項をすべて備えるとともに、B層の原料粉の成分がさらに限定された発明である。
そうすると、本件発明1と同様の理由により、本件発明2及び3は、いずれも甲1発明及び甲1?甲5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(5)理由1(進歩性、甲第1号証を主引用例とする場合)のまとめ
以上のとおり、本件発明1?3は、いずれも甲1発明及び甲1?甲5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明1?3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。
よって、特許異議申立書に記載された理由1(進歩性、甲第1号証を主引用例とする場合)によって、本件発明1?3に係る特許を取り消すことはできない。

2.理由2(進歩性、甲第5号証を主引用例とする場合)について
(1)甲5に記載された発明
甲5の特許請求の範囲の請求項1(摘記5-1)には、「麺線の外層を小麦粉単独もしくは小麦粉にデンプンを添加した層とし、内層を蛋白単独もしくは蛋白と小麦粉よりなる層としたことを特徴とする多層麺」が記載されており、第3欄(摘記5-3)には、「内層2が上下の外層3,3’の間に挟着複合されてなる」ものであることが記載されている。また、その製造方法について、第4欄(摘記5-3)には、「内層及び外層に相当する原料を各々別個に混捏して麺帯とし、麺帯を複合してさらに所定の厚さに圧延後、切出し、麺線とする」ことが記載されている。
そうすると、甲5には以下の発明が記載されているものと認められる。
「内層が上下の外層の間に挟着複合されてなる多層麺の製造方法であって、
麺線の外層を小麦粉単独もしくは小麦粉にデンプンを添加した層とし、内層を蛋白単独もしくは蛋白と小麦粉よりなる層とし、
内層及び外層に相当する原料を各々別個に混捏して麺帯とし、麺帯を複合してさらに所定の厚さに圧延後、切出し、麺線とする工程を有する、多層麺の製造方法。」(以下、「甲5発明」という。)

(2)本件発明1について
ア 本件発明1と甲5発明との対比
本件発明1と甲5発明とを対比すると、甲5発明における「内層が上下の外層の間に挟着複合されてなる」は、本件発明1における「A層及びB層を含む多層構造を有し、かつ該多層構造の両側の最外層が該A層である」に相当し、甲5発明における「内層」及び「外層」は、それぞれ本件発明1における「B層」及び「A層」に相当する。
甲5発明における「内層及び外層に相当する原料」は、甲5の実施例(摘記5-5)を参酌すると小麦粉、食塩等の固形分及び水を合わせたものであると解されるから、本件発明1における「原料粉に・・・練り水を添加」したものに相当し、甲5発明において「内層及び外層に相当する原料を各々別個に混捏して麺帯と」する工程は、本件発明1における「A層用の麺生地・・・混合して調製」及び「B層用の麺生地・・・混合して調製」に相当する。
甲5発明における「麺帯を複合してさらに所定の厚さに圧延後、切出し、麺線とする工程を有する」及び「多層麺の製造方法」は、それぞれ本件発明1における「多層生地を調製することを含」むこと及び「多層麺の製造方法」に相当する。
そうすると、両者は、
「多層麺の製造方法であって、
A層及びB層を含む多層構造を有し、かつ該多層構造の両側の最外層が該A層である多層生地を調製することを含み、
該A層用の麺生地は、その原料粉に練り水を添加、混合して調製されており、該B層用の麺生地は、その原料粉に練り水を添加、混合して調製されている、
方法。」の点で一致し、
相違点2:練り水の温度が、本件発明1においてはB層用は「温度30℃以上50℃未満」、A層用は「温度30℃未満」に特定されているのに対し、甲5発明においては具体的な温度が特定されていない点
相違点3:外層及び内層の配合原料について、甲5発明においては「外層を小麦粉単独もしくは小麦粉にデンプンを添加した層とし、内層を蛋白単独もしくは蛋白と小麦粉よりなる層とし」たことが特定されているのに対し、本件発明1においては原料粉が具体的に特定されていない点
で相違する。そこで、上記相違点について検討する。

イ 相違点2について
(ア)甲5発明の課題及び解決手段について
甲5の第1?2欄(摘記5-2)には、従来の「麺類の麺質改良」の技術について、「麺質改良剤として幾多の添加物が開発され、・・・動物蛋白混入等も検討されてい」たこと、及び当該添加物を用いる従来技術の欠点として「(a)製麺性を向上させると復元性がわるく復元性を改良すると製麺性が低下する。(b)単層麺であるため、添加物によつて湯のび防止には作用効果上限度があつた。(c)単層麺であるため、麺線全体に添加物が添加されるので表面のみの効果を求めるときに必要量以上の添加物を添加することになり不経済であつた。(d)動植物蛋白を添加混入すると麺線が固くなりなめらかさに欠けたり、特有の蛋白臭を生じたりする。及び(e)蛋白を添加すると油熱処理の結果全体的に褐変し外観がよくない」ことが記載されている。
また、甲5の第2?3欄(摘記5-2)には、多層麺についての先行技術(1)?(4)が記載され、(1)?(3)については「麺質自体を前述(a)?(e)の問題点に即して改良したものではない」こと、及び(4)については「蛋白含有率の高い小麦粉による麺体を、蛋白含有率の低い小麦粉による麺体でサンドウイツチ状に挾んで構成する層状麺の製造法が記載されているが、これは、小麦粉に含有される蛋白質の多少のみに依存しているために、自ずと限度があり、強力粉(蛋白含有率約12?13%)以上の蛋白質添加を行なうことができず、また蛋白質の種類も、小麦粉蛋白に限定されたものである。
したがつて、異質の蛋白、例えば大豆蛋白、カゼイン等を内層に添加した場合に生ずる、前述の問題点は全く解消されていない」ことが記載されている。
そして、甲5の第3欄(摘記5-2)には、甲5発明の課題が「上述の従来の単層麺、多層麺の有する問題点に鑑み麺へ多量の蛋白を添加しても、前述の問題点を克服できる高蛋白麺へ製造法を確立したものであり、製麺性、ほぐし、復元性、食味、食感等を著しく改良した新規な多層麺を提供すること」にあることが記載されている。
これらの記載を参酌すると、甲5発明は麺質改良剤として「麺に多量の蛋白を添加」すること、及び多層麺とすることにより、上記課題を解決し得る多層麺の製造方法を提供するものであると理解することができる。

(イ)甲5における蛋白について
甲5の第3?4欄(摘記5-3)には、甲5発明において「添加配合する蛋白」として使用できる植物性蛋白及び動物性蛋白の具体例が記載されており、「殻粉(当審注:「穀粉」の誤記と認められる。)蛋白(小麦グルテン等)」も例の一つとして記載されている。
しかし、上記2.(2)イ(ア)「甲5発明の課題及び解決手段について」に記載したとおり、甲5の第3欄(摘記5-2)には、多層麺の先行技術(4)の課題として「強力粉(蛋白含有率約12?13%)以上の蛋白質添加を行なうことができ」なかったこと、及び「蛋白質の種類も、小麦粉蛋白に限定されたものであ」ったことが挙げられているから、甲5発明において「添加配合する蛋白」は「小麦グルテン」に限られないことが明らかであり、仮に「小麦グルテン」を用いる場合であっても、「強力粉(蛋白含有率約12?13%)以上の蛋白質添加を行なう」ことにより、「麺へ多量の蛋白を添加する」という甲5発明の課題が解決されるものと理解することができる。

(ウ)甲5発明における加水温度について
甲5には、多層麺の製造方法における内層及び外層の原料として加えられる水の温度は具体的には記載されておらず、まして、内層用及び外層用の水の温度を異ならせることについては、記載も示唆もされていない。

(エ)甲2について
上記1.(3)イ(オ)「甲2について」に記載したとおり、甲2には、一般的な機械製麺における小麦粉の混捏時の温度について、グルテンの結合力及び展開容易性の観点から適温と考えられる温度範囲が「25℃?30℃程度」であることが記載されていると解されるが、甲2には多層麺の製造方法における内層の加水温度の適温までは具体的に記載されておらず、内層用及び外層用の加水温度を異ならせることについても記載も示唆もされていない。
また、上記2.(2)イ(イ)「甲5における蛋白について」に記載したとおり、甲5発明の内層原料に添加配合される蛋白は「小麦グルテン」に限られるものではないし、仮に「小麦グルテン」である場合であっても、その添加量は「強力粉(蛋白含有率約12?13%)」以上の割合で多量に添加されるから、一般的な機械製麺に用いられる小麦粉とは蛋白の種類及び含有量が異なっており、したがって、混捏の適温も一般的な小麦粉の場合とは異なると解される。
そうすると、甲2の記載を参酌しても、当業者は甲5発明における内層原料の混捏の適温が「25?30℃程度」であると理解することできないし、さらに、内層用原料として加えれられる水の適温が、甲2に具体的な記載のない「温度30℃以上50℃未満」の範囲内の温度であると理解することもできない。まして、甲5発明において内層用及び外層用の加水温度を異ならせ、外層用原料粉への加水温度を「30℃未満」とすることについては、甲2に記載も示唆もされていないから、当業者が容易に想到し得ることとはいえない。

(オ)甲3について
甲3の[0002](摘記3-1)には、「従来麺類の製造に関しては、年間の気象条件に応じて冷水か中温(3℃?40℃程度)の練り水が製麺用原料粉体に加えられ」ていることが記載されているが、甲3には多層麺の製造方法における内層及び外層の加水温度は具体的には記載されておらず、内層用及び外層用の加水温度を異ならせることについても記載も示唆もされていない。
そうすると、甲3の記載を参酌しても、当業者は甲5発明における内層用原料として加えれられる水の適温が「温度30℃以上50℃未満」の範囲内の温度であると理解することはできないし、まして、甲5発明において内層用及び外層用の加水温度を異ならせ、外層用原料粉への加水温度を「30℃未満」とすることについては、甲3に記載も示唆もされていないから、当業者が容易に想到し得ることとはいえない。

(カ)申立人の主張について
申立人は特許異議申立書の第15頁において、「甲第5号証に記載の発明において内層のみにグルテンを添加するのに代えて、内層に添加する練水を外層よりも高くし、グルテン形成を促進させることは当業者であれば容易に想到できたことである」と主張しているが、上記2.(2)イ(ア)「甲5発明の課題及び解決手段について」に記載したとおり、甲5発明は「麺へ多量の蛋白を添加する」こと、特に、「強力粉(蛋白含有率約12?13%)以上の蛋白質添加を行なう」ことを解決しようとする課題の一つとする発明であるから、「グルテンを添加するのに代えて、内層に添加する練水を外層よりも高くし、グルテン形成を促進させる」という蛋白質添加量を減少させる手段は、甲5発明の課題に反しており、したがって当業者が採用を動機付けられるものではなく、却って採用を阻害する要因があるといえる。
よって、申立人の主張を採用することはできない。

(キ)相違点2についての判断
以上のことから、甲5発明において内層用及び外層用原料粉に加えられる水の温度を、それぞれ相違点2に係る「温度30℃以上50℃未満」及び「30℃未満」とすることは、甲5、甲2及び甲3に記載された事項に基いて当業者が容易に想到し得ることとはいえず、却って阻害要因があるといえる。

ウ 本件発明1の効果について
本件明細書の記載を参酌すると、本件発明1は相違点2及び3に係る発明特定事項を備えることにより、「製麺性が良く麺生地の調製や麺の成形の工程において取り扱いが容易であり、かつコシがあり粘弾性に優れた良好な食感を有する多層麺を提供することができる」(本件明細書の[0008])という効果を奏するものであり、当該効果は甲5、甲2及び甲3から予測することができないものといえる。

エ 本件発明1のまとめ
よって、相違点3について検討するまでもなく、本件発明1は甲5発明、甲5、甲2及び甲3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)理由2(進歩性、甲第5号証を主引用例とする場合)のまとめ
以上のとおり、本件発明1は、甲5発明及び甲5、甲2及び甲3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。
よって、特許異議申立書に記載された理由2(進歩性、甲第5号証を主引用例とする場合)によって、本件発明1に係る特許を取り消すことはできない。

3.理由3(サポート要件)について
(1)本件発明の課題について
本件明細書の[0005]等の記載を参酌すると、本件発明1?3は「製麺性が良く、かつ食感が良好な麺を製造する方法」を提供することを課題とするものと解される。

(2)本件明細書の記載について
ア 練り水の温度について
本件明細書の[0017]には、本件発明1において特定されるA層用の練り水とB層用の練り水の好ましい温度について記載されており、「A層用の練り水の温度は30℃未満であればよく、・・・該A層用の練り水の温度が高くなると、麺生地の強度や保湿性が低下して、多層麺の製麺性が低下する」こと、「B層用の練り水の温度は、30℃以上50℃未満・・・である」こと、「当該範囲の温度の練り水を用いることでグルテン形成が促進され、優れた食感の麺が得られる」こと、及び「B層用の練り水の温度が高すぎる又は低すぎる場合、得られた多層麺の食感について本発明の効果が充分に奏されないことがある」こと等が記載されている。

イ 実施例について
本件明細書の[0022]?[0027]の[表1]には、うどんの製造の実施例が記載されており、[0027]の[表1]には比較例1?5及び製造例1?6のA層及びB層の麺生地組成(原料粉及び練り水の組成)及び加水温度が記載されるとともに、食感及び製麺性の評価結果が記載されている。
そして、A層及びB層の麺生地組成が互いに同じ例(比較例3、4、実施例1?3、6)の評価結果を参照すると、A層の加水温度が10℃→25℃となる順で製麺性が悪化していることが読み取れる。また、B層の加水温度が25℃では食感が悪く、35?45℃では食感がよく(40℃が最良)、55℃では食感が悪くなっていることが読み取れる。
また、A層のみであるが、比較例2、5の評価結果を参照すると、A層の加水温度が上記の例よりさらに高い40℃では、製麺性が上記の例よりさらに悪化していることが読み取れる。

(3)本件発明1のサポート要件の判断
本件明細書に記載された実施例における「食感」及び「製麺性」の評価は、本件発明の課題が解決されるか否かの評価に相当するものと理解することができるところ、上記比較例3、4、実施例1?3及び6等の実験データから読み取れる傾向は、本件明細書の[0017]に記載された各層の加水温度の好ましい範囲についての説明を裏付けるものといえる。
そうすると、当業者は、本件明細書の一般記載及び実験データに基づいて、本件発明1に特定されたA層及びB層の加水温度を用いることにより上記課題を解決することができると理解することができる。
また、本件明細書の一般記載及び表1の実験データから、当業者はA層に適した加水温度の範囲及びB層に適した加水温度の範囲がそれぞれ存在することを理解することができ、A層及びB層の麺生地組成に応じてそれぞれに適した加水温度が設定されることにより、自然に両層の加水温度の温度差が決まるものと理解することができる。
実際、本件明細書の[0017]には、「該A層用の練り水と該B層用の練り水の温度の差は好ましくは5?40℃の範囲」である旨が記載されているが、[表1]の実験データからは、両層の加水温度の差の下限値に特段の臨界的意義は見いだせないし、本件特許に係る出願の出願時における技術常識を考慮しても、多層麺の内外層の加水温度の差によって食感及び製麺性が影響されるものとは解されないから、本件発明1においてA層とB層の加水温度の差が特定されていないことによって、上記課題が解決できなくなるとまではいえない。
そうすると、本件発明1は、本件明細書の発明の詳細な説明において、当業者が上記課題を解決し得ると認識できるものであるから、発明の詳細な説明に実質的に記載されたものであるといえる。

(4)本件発明2及び3のサポート要件の判断
本件発明2及び3は、いずれも本件発明1を直接又は間接的に引用し、本件発明1の発明特定事項をすべて備えるとともに、B層の原料粉の成分がさらに限定された発明であるところ、[0027]の[表1]には、B層に準強力粉又はグルテンが添加された麺生地組成を用いた製造例4及び5の実験データが記載されており、他の製造例の実験データと同様に食感及び製麺性が良好であったことが読み取れる。そうすると、本件発明2及び3についても、本件発明1と同様の理由により、本件明細書の発明の詳細な説明において、当業者が上記課題を解決し得ると認識できるものといえるから、発明の詳細な説明に実質的に記載されたものであるといえる。

(5)申立人の主張について
申立人は、特許異議申立書の第20頁において、「従来までも30℃前後の練り水を使用することは当然に行われていたこと」であり、「内層と外層は別個に原料等を混合して練水を添加して製造する」ため、「三層麺を製造する場合において、偶然にも、30℃前後で内層と外層の練水の温度の差異が生じる場合も想定される」と主張しているが、上記の検討を踏まえると、本件発明1?3は、「製麺性が良く、かつ食感が良好な麺を製造する方法」を提供するという課題に対して、単なる偶然ではない具体的な解決手段を提供するものであるから、本件発明1?3が産業の発達を阻害するという申立人の主張は、当を得たものではない。

(6)理由3(サポート要件)のまとめ
以上のとおり、本件発明1?3は、いずれも特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たすものであるから、本件発明1?3に係る特許は、同法同条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではない。
よって、特許異議申立書に記載された理由3(サポート要件)によって、本件発明1?3に係る特許を取り消すことはできない。

第5 むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由のいずれによっても、本件発明1?3に係る特許を取り消すことはできない。また、他に本件発明1?3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2020-08-03 
出願番号 特願2019-67718(P2019-67718)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (A23L)
P 1 651・ 537- Y (A23L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小林 薫  
特許庁審判長 村上 騎見高
特許庁審判官 安孫子 由美
天野 宏樹
登録日 2019-10-04 
登録番号 特許第6595735号(P6595735)
権利者 日清製粉株式会社
発明の名称 多層麺の製造方法  
代理人 特許業務法人アルガ特許事務所  
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