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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F21S
管理番号 1365232
審判番号 不服2019-16044  
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-11-28 
確定日 2020-09-01 
事件の表示 特願2015-12630号「照明器具」拒絶査定不服審判事件〔平成28年8月4日出願公開、特開2016-139486号、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年1月26日の出願であって、平成30年8月28日付けで拒絶理由が通知され、同年10月3日に意見書及び手続補正書が提出され、平成31年3月8日付けで拒絶理由(最後)が通知され、同年4月8日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和1年9月11日付けで平成31年4月8日の手続補正について補正の却下の決定がされるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対し、同年11月28日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。
本願の請求項1ないし7に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

刊行物等
1.特開2014-179209号公報
2.特開2014-127350号公報
3.特開2014-56648号公報
4.特開2014-139944号公報
5.特許第5602289号公報
以下それぞれ「引用文献1ないし5」という。

第3 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和1年11月28日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
発光素子が実装面に実装される長尺状の発光素子基板と、
平板状の長尺状をなし、前記平板状の一方の面の長手方向に沿って前記発光素子基板が取り付けられ、前記一方の面の裏面となる他方の面の長手方向に沿って一対の連結具が取り付けられる取付部と、
前記取付部の前記他方の面の前記長手方向に沿って前記一対の連結具の間に取り付けられている電源ケースであって、前記他方の面の前記長手方向へ見て前記一対の連結具と重なるように取り付けられている、前記発光素子を点灯させる電気回路が収納される長手形状の中空の電源ケースと
を備え、
前記電源ケースは、
前記取付部の長手方向に沿い、前記取付部に対向し、かつ、前記他方の面と隙間を隔てて配置されるケース対向部と、
前記ケース対向部の前記長手方向に沿う一方の長辺から立ち上がり、立ち上がりの終端となる第一の終端長辺部を有する第一のケース側面部と、
前記ケース対向部の長手方向に沿う他方の長辺から立ち上がり、立ち上がり終端となる第二の終端長辺部を有し、前記第二の終端長辺部が前記第一の終端長辺部よりも前記第一のケース側面部の立ち上がり方向で前記ケース対向部に近接する第二のケース側面部と、
前記第一の終端長辺部から、前記ケース対向部に対向して前記第二のケース側面部に向かう方向の途中まで延びる対向天面部と、
前記対向天面部の終端となる天面終端長辺部と前記第二の終端長辺部とを接続する傾斜天面部と
を有する光源ユニットと、
平板状の長尺をなす平板部と、前記平板部の長手方向に沿う一方の平板長辺部から立ち上がる平板状の第一の側壁部と、前記平板部の長手方向に沿う他方の平板長辺部から立ち上がる平板状の第二の側壁部とから成る凹形状なす凹部、及び、前記一対の連結具と係合する一対のバネ部を有する器具本体と
を備え、
前記光源ユニットは、
前記一対の連結具が前記一対のバネ部と連結することで前記器具本体に取り付けられると共に、前記対向天面部が前記平板部と対向するように前記電源ケースが前記凹部に収納され、前記傾斜天面部が、前記平板部と前記第二の側壁部とともに仕切る空間を形成している照明器具。」

第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審が付した。以下同様である。)。
(1a)
「【0008】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、発光素子で発生する熱の器具本体への放熱効率を高めた照明器具を提供することにある。」
(1b)
「【0015】
(実施形態1) 本実施形態の照明器具Aは、図1に示すように天井直付け型の照明器具であり、吊ボルト(図示せず)を用いて天井材100(造営材)に取り付けられる器具本体1と、器具本体1に対して着脱自在に取り付けられる光源ユニット2とを備える。なお、以下の説明では特に断りがない限り、図1に示す向きにおいて上下左右の方向を規定し、さらに図1中の紙面に垂直な方向を前後方向(手前側が前側)と規定して説明を行う。
【0016】
器具本体1は、板金に曲げ加工を施すことで長尺且つ上面(天井材100との対向面)が開口する扁平な箱状に形成され、天井材100と反対側(下側)には光源ユニット2を収容するための矩形の凹部11が全長に亘って設けられている(図2参照)。また、器具本体1の左右方向(幅方向)において凹部11の両側には、凹部11の開口端縁から延出し且つ外側に行くほど上側(天井材100側)に傾斜する傾斜面12,12がそれぞれ設けられている(図1参照)。
【0017】
また、凹部11の底面部111には、電線を通すための孔111aが前後方向(長手方向)に沿って複数(図2では5個)設けられ、さらに吊ボルトを通すための孔111bが前後方向における両端寄りにそれぞれ2個ずつ設けられている。また、凹部11の底面部111には端子台(図示せず)が取り付けられ、端子台と後述する電源装置24の間は電線により接続される。
【0018】
光源ユニット2は、複数(図2では2個)の基板22と、基板22が取り付けられる取付部材21と、基板22を覆うようにして取付部材21に取り付けられるカバー部材23とを具備する。また、光源ユニット2は、基板22に所定の点灯電力を供給する電源装置24と、光源ユニット2を器具本体1に取り付けるための取付ばね25(図4参照)とを具備する。
【0019】
基板22は、前後方向に長い矩形板状に形成されたプリント基板221からなり、プリント基板221の下面には複数のLED222(発光素子)が前後方向(長手方向)に沿って実装されている。また、一方(図2中の右側)の基板22の前端部(図2中の右端部)には、電源装置24との間を電気的に接続するためのコネクタ223が実装されている。このコネクタ223には電線(図示せず)が接続されており、この電線の端部を電源装置24に接続することで基板22と電源装置24とが電気的に接続される。
【0020】
また、各基板22において隣接する基板22と対向する端部には、電源供給用のコネクタ224が実装されている。そして、両基板22,22のコネクタ224,224を接続することで、一方(図2中の右側)の基板22から他方(図2中の左側)の基板22へ点灯電力を供給することができる。
【0021】
取付部材21は、板金に曲げ加工を施すことでU字状に形成され、長尺且つ矩形板状に形成された底面部211と、底面部211の左右方向(幅方向)における両端から上向きに延出する第1側面部212及び第2側面部213とで構成される。
【0022】
第1側面部212の先端には、側方(図1中の右側)へ突出する突部212aが全長に亘って設けられ、さらに突部212aに先端には、上向きに延出する接触部212bが全長に渡って設けられている(図1及び図4参照)。また、第2側面部213の先端には、側方(図1中の左側)へ突出する突部213aが全長に亘って設けられ、さらに突部213aの先端には、上向きに延出する接触部213bが全長に渡って設けられている(図1及び図4参照)。
【0023】
底面部211の前端部(図2中の右端部)には、基板22と電源装置24の間を電気的に接続する上記電線を通すための孔211aが設けられている。また、底面部211の前後方向における中央部には、底面部211の一部を上向きに突出させることで形成された矩形の凹部211bが設けられている。この凹部211bは、両基板22,22を取付部材21に取り付けた状態で、コネクタ224と取付部材21の底面部211との間の絶縁距離を確保するためのものである。
【0024】
また、取付部材21の四隅近傍には、取付ばね25がそれぞれ取り付けられており、器具本体1の凹部11の四隅近傍に設けられた各係止部(図示せず)に対応する取付ばね25をそれぞれ係合させることで、光源ユニット2が器具本体1に取り付けられる。なお、上述した基板22は、例えば取付部材21の底面部211の一部を切り起こすことで形成された係止爪(図示せず)により取付部材21に固定される。
【0025】
カバー部材23は、拡散性を有する材料(例えば乳白色のアクリル樹脂)により上面(取付部材21側の面)が開口する長尺状に形成されている。また、カバー部材23は、左右方向(幅方向)において両端側から中央側に行くほど下側への突出量が大きくなるような凸レンズ形状の拡散面231を有している(図1参照)。さらに、カバー部材23の左右方向における両端部には、図1に示すように、光源ユニット2を器具本体1に取り付けた状態で、上下方向において器具本体1の凹部11の開口端縁と重なる延出部232がそれぞれ設けられている。
【0026】
また、カバー部材23の左右方向において各延出部232の内側には、上向き(取付部材21側)に延出する第1脚部233及び第2脚部234がそれぞれ全長に亘って設けられている。さらに、第1脚部233の先端には、側方(図1中の右側)に延出する引掛部233aが設けられ、第2脚部234の先端には、側方(図1中の左側)に延出する引掛部234aが設けられている。
【0027】
電源装置24は、電源基板241と、電源基板241を収納するための収納ケース242とを具備する。電源基板241は、前後方向に長い矩形板状に形成されたプリント基板241aからなり、プリント基板241aには、少なくともLED222の点灯電力を生成するための電子部品(例えばトランスやダイオード、コンデンサなど)241bが実装されている。
【0028】
収納ケース242は、図2に示すように、一面(取付部材21の底面部211との対向面)が開口し且つ前後方向に長い矩形箱状に形成されている。この収納ケース242は、開口側が取付部材21の底面部211と対向するようにして、例えばねじなどを用いて取付部材21の底面部211に取り付けられる。
【0029】
次に、光源ユニット2の組立手順について説明する。まず最初に、作業者は、電源装置24を取付部材21の底面部211の上面に固定し、さらに上記係止爪により2枚の基板22,22を取付部材21の底面部211の下面に固定する。その後、作業者は、基板22のコネクタ223から導出する電線を取付部材21の底面部211に設けた孔211aに通し、その端部を電源装置24に接続する。
【0030】
そして最後に、作業者は、開口側を上向きにした状態でカバー部材23を取付部材21に組み付ける。このとき、第1脚部233の引掛部233aが第1側面部212の突部212aと係合し、第2脚部234の引掛部234aが第2側面部213の突部213aと係合する。上述の手順により、光源ユニット2が組み立てられる。
【0031】
続けて、照明器具Aの施工手順について説明する。なお、以下の説明では、端子台が予め器具本体1に取り付けられているものとして説明する。まず最初に、作業者は、天井裏に先行配線された電源線(図示せず)を器具本体1の孔111aに通し、さらに天井材100より露出する吊ボルト(図示せず)を孔111bに通した後、ナット(図示せず)をねじ込んで器具本体1を天井材100に固定する。
【0032】
その後、作業者は、上記電源線の端部を上記端子台に接続し、さらに上記端子台と電源装置24の間を電線により接続する。そして最後に、作業者は、電源装置24が器具本体1の凹部11内に収容されるようにして光源ユニット2を器具本体1に組み付けると、照明器具Aの施工が完了する(図1及び図3参照)。このとき、光源ユニット2の各取付ばね25が器具本体1の対応する係止部(図示せず)とそれぞれ係合し、光源ユニット2が器具本体1に取り付けられる。
【0033】
ここで、従来の照明器具では、LEDで発生した熱をブラケット及びホルダを介して器具本体に放熱する構成となっているが、ブラケットとホルダが接触しているのは係止片と係止溝の係合部分のみであり、そのため器具本体への放熱効率がよくなかった。
【0034】
そこで、本実施形態では、図1に示すように、光源ユニット2を器具本体1に取り付けた状態において、第1側面部212の接触部212b及び第2側面部213の接触部213bを凹部11の対応する側面部112(内側面)にそれぞれ面接触させている。このように、取付部材21と器具本体1を面接触させることで、取付部材21から器具本体1への放熱面積を大きくすることができ、これにより器具本体1への放熱効率を高めることができる。そして、器具本体1への放熱効率を高めることで、LED222の温度上昇を抑えることができ、発光効率のよい照明器具Aを提供することができる。
【0035】
なお、本実施形態では、第1側面部212及び第2側面部213の両方に接触部を設けたが、第1側面部212又は第2側面部213の少なくとも一方に接触部が設けられていればよい。また、本実施形態では、第1側面部212の接触部212b及び第2側面部213の接触部213bをそれぞれ全長に亘って設けたが、凹部11の側面部112に面接触するようになっていれば、全長に亘って設けなくてもよい。」
(1c)
図1?4は、以下のとおりである。

(2)引用文献1に記載された発明

摘記(1b)における、「収納ケース242は、」「取付部材21の底面部211との対向面が開口し且つ前後方向に長い矩形箱状に形成され」、「開口側が取付部材21の底面部211と対向するようにして、」「取付部材21の底面部211に取り付けられる」(段落【0028】)という構成と、「取付部材21の四隅近傍には、取付ばね25がそれぞれ取り付けられており、器具本体1の凹部11の四隅近傍に設けられた各係止部に対応する取付ばね25をそれぞれ係合させることで、光源ユニット2が器具本体1に取り付けられる」(段落【0024】)という構成と、「電源装置24が器具本体1の凹部11内に収容されるようにして光源ユニット2を器具本体1に組み付ける」(段落【0032】)という構成に関して、図4を参照すると、これらの構成は、「収納ケース242は、」「取付部材21の底面部211との対向面が開口し且つ前後方向に長い矩形箱状に形成され、」「開口側が取付部材21の底面部211と対向するようにして、」取付部材21の長手方向において、取付部材21の底面部211の上面の一端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25と取付部材21の底面部211の上面の他端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25との間に位置するように、「取付部材21の底面部211」の上面「に取り付けられ、」「取付部材21の底面部211の四隅近傍には、取付ばね25がそれぞれ取り付けられており、器具本体1の凹部11の四隅近傍に設けられた各係止部に対応する取付ばね25をそれぞれ係合させることで、」「電源装置24が器具本体1の凹部11内に」隙間を有して「収容されるようにして」「光源ユニット2が器具本体1に取り付けられる」という構成として特定できる。

したがって、摘記(1b)及び図1(摘記(1c)参照)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

[引用発明]
「天井材100に取り付けられる器具本体1と、器具本体1に対して着脱自在に取り付けられる光源ユニット2とを備える天井直付け型の照明器具Aであり、
器具本体1は、板金に曲げ加工を施すことで長尺且つ上面が開口する扁平な箱状に形成され、下側には光源ユニット2を収容するための矩形の凹部11が全長に亘って設けられ、
光源ユニット2は、複数の基板22と、基板22が取り付けられる取付部材21と、基板22に所定の点灯電力を供給する電源装置24と、光源ユニット2を器具本体1に取り付けるための取付ばね25とを具備し、
基板22は、前後方向に長い矩形板状に形成されたプリント基板221からなり、プリント基板221の下面には複数の発光素子が前後方向(長手方向)に沿って実装され、
取付部材21は、板金に曲げ加工を施すことでU字状に形成され、長尺且つ矩形板状に形成された底面部211と、底面部211の幅方向における両端から上向きに延出する第1側面部212及び第2側面部213とで構成され、第1側面部212の先端には、側方へ突出する突部212aが全長に亘って設けられ、さらに突部212aに先端には、上向きに延出する接触部212bが全長に渡って設けられ、第2側面部213の先端には、側方へ突出する突部213aが全長に亘って設けられ、さらに突部213aの先端には、上向きに延出する接触部213bが全長に渡って設けられ、
基板22は、取付部材21の底面部211の一部を切り起こすことで形成された係止爪により取付部材21の底面部211の下面に固定され、
電源装置24は、電源基板241と、電源基板241を収納するための収納ケース242とを具備し、収納ケース242は、取付部材21の底面部211との対向面が開口し且つ前後方向に長い矩形箱状に形成され、開口側が取付部材21の底面部211と対向するようにして、取付部材21の長手方向において、取付部材21の底面部211の上面の一端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25と取付部材21の底面部211の上面の他端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25との間に位置するように、取付部材21の底面部211の上面に取り付けられ、
取付部材21の底面部211の四隅近傍には、取付ばね25がそれぞれ取り付けられており、器具本体1の凹部11の四隅近傍に設けられた各係止部に対応する取付ばね25をそれぞれ係合させることで、電源装置24が器具本体1の凹部11内に隙間を有して収容されるようにして、光源ユニット2が器具本体1に取り付けられ、
光源ユニット2を器具本体1に取り付けた状態において、第1側面部212の接触部212b及び第2側面部213の接触部213bを凹部11の対応する側面部112にそれぞれ面接触させ、取付部材21と器具本体1を面接触させることで、取付部材21から器具本体1への放熱面積を大きくすることができ、これにより器具本体1への放熱効率を高めることができる
天井直付け型の照明器具。」

2 引用文献2について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
(2a)
「【0002】
従来、天井に埋め込まれた状態で施工される器具本体と、器具本体の表側に取り付けられる安定器と、安定器を覆うようにして器具本体に取り付けられる反射板とを備える照明器具があった(例えば特許文献1参照)。この安定器は別途の部品を使用して器具本体に取り付けられていた。
・・・
【0021】
ボディ13は底板13aと一対の側板13bを備えている。底板13aは前後方向に長い矩形板状に形成される。側板13bは、底板13aの長手方向に沿う左右両側縁から上側に各々突出する。側板13bは、例えば底板13aの両側の側縁部を、長手方向に沿って底板13aと直交するように折り曲げて形成される。このようにボディ13は、底板13aと側板13bとで前後方向から見た形状がU形に形成され、上側及び前後両側に開放されている。底板13aの上側には、底板13aと並行するように回路基板11が、例えばねじ固定などの方法で取り付けられている。底板13aの前後方向(長手方向)における一端側の端部は第2突出部4aとなり、第2突出部4aには左右方向の中央に穴4dが形成されている。尚、図2(a)に示すように、穴4dの形状は、一辺が底板13aの端縁と平行な三角形状に形成されているが、穴4dの形状は後述する突出部4cと嵌合する形状であれば、適宜の形状でよい。」

3 引用文献3について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
(3a)
「【0008】
そこで、本発明は、種々の屋外用照明器具に対して電源装置用ケースを標準化し、さらに、各照明器具内に2以上のLED電源装置を効率良く配置することを可能とする電源装置用ケース及びそれを用いたLED電源装置を提供することを課題とする。
・・・
【0018】
実施例.
図3は本発明の実施例によるケース40を一方向から見た鳥瞰図であり、図4はケース40を図3とは異なる方向から見た鳥瞰図である。図3及び図4に示すように、本実施例では、ケース40の長手方向をx軸、x軸に対して垂直な方向をy軸、x軸及びy軸に対して垂直な短手方向をz軸とする。ケース40はアルミ、ステンレス等の金属からなるものであればよい。また、以降の説明から分かるように、本実施例のLED電源装置4は電源装置用ケース40(以下、「ケース40」という)及び回路基板50を備えるものとする。
・・・
【0046】
変形例2.
上記実施例では、ケース40の閉空間が直方体であり、y-z断面が長方形となるように構成したが、ケース40のy-z断面形状はこれに限られない。例えば、図13のy-z断面図に示すように、大面部44と中面部45を結ぶ肩部分を傾斜面部47によって形成するようにしてもよい。また、図14のy-z断面図に示すように、大面部44と中面部45を結ぶ肩部分を曲面部48によって形成するようにしてもよい。肩部分を傾斜面部47又は曲面部48で構成することにより、ポール20内又は本体部30内における他の部材との干渉を回避し易くなり、LED電源装置4の配置の自由度が高まる。」
(3b)
図13は、以下のとおりである。

4 引用文献4について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。
(4a)
「【0010】
(照明器具100の組付関係)
既設シャーシ1は既に天井に配置されている。電源取付金具4は、図1、図2に示すように、光源取付金具3にネジ6a,6bで取り付けられる。光源取付金具3は、図3、図4に示すように、反射板2に、ねじ10a,10bで取り付けられる。そして、反射板2は、図3、図4に示すように金具5a,5bで既設シャーシ1に取り付けられる。金具5a,5bがねじ7で締め付けられることによって、反射板2が既設シャーシ1に取り付く。なお、本実施の形態では、既設シャーシ1を転用品と想定しているが、新規のものであっても構わない。
【0011】
(反射板2)
反射板2は金属製である。反射板2は、図3、図4に示すように、長手方向に延びて内部に空間を有する蛍光灯用の逆富士形と同形状の反射板であり、発光面には開口204がある。反射板2は、図2、図6に示すように、反射面として機能する一方の斜面201と、反射面として機能する他方の斜面202とを有する。
【0012】
(光源取付金具3)
図6も参照して説明する。光源取付金具3は金属製である。光源取付金具3は、反射板2の内部の空間に配置され、反射板2の長手方向に延びる長尺形状である。光源取付金具3は、反射板2の長手方向にわたって反射板2の一方の斜面201の裏側の面に対向する第1の斜面301と、反射板2の長手方向にわたって他方の斜面202の裏側の面に対向する第2の斜面302とが、それぞれ一方の斜面201の裏側の面と他方の斜面202の裏側の面とに熱的に接続(範囲51、52)している。「熱的に接続する」とは、この場合、光源取付金具3と反射板2とが面接触することで、熱が伝導することを意味する。光源取付金具3は、反射板2の外部に向けて光を放つ光源ユニット350が取り付けられる。
【0013】
(電源取付金具4)
電源取付金具4は金属製である。電源取付金具4は、光源取付金具3に取り付けられて光源取付金具3と熱的に接続する。ここで「熱的に接続する」とは、上記のとおりである。電源取付金具4は、反射板2の長手方向に延びる長尺形状であり、光源ユニット350を点灯させる新規電源装置11(電源装置)が取り付けられている。なお、図3に示すように、既設シャーシ1には既設電源9が取り付けられている。既設電源9は既設シャーシ1や反射板2を蛍光灯用に使用した際の電源装置であり、新規電源装置11は、既設シャーシ1や反射板2をLED又はOLED用に転用する際の電源装置である。
【0014】
(空気層)
図6、図4に示すように、光源取付金具3は、平板を折り曲げた折曲形状である。光源取付金具3は、第1の斜面301に対応する第1の側板310と、第2の斜面302に対応する第2の側板320と、第1の側板310と第2の側板320とに対して底面に相当する底板330とを含む折曲形状である。電源取付金具4は、底板330の上面との間に空間401を保って底板330の上面を覆いながら反射板2の長手方向に延びることで空間401を形成している。すなわち、光源取付金具3と電源取付金具4との間には空間401による空気層が存在するので、光源取付金具3が電源取付金具4からもらう「もらい熱」が減少する効果がある。」

5 引用文献5について
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5には、図面とともに次の事項が記載されている。
(5a)
「【0024】
(2.発光ユニット)
発光ユニット2は、図2乃至図3に示すように、複数のLED素子26が実装されたLED基板24と、LED素子26を点灯させる電源回路28とを配設した放熱板23と、この放熱板23を覆う透光性カバー21とを有している。より具体的には、発光ユニット2は、図2及び図3に示すように、光源であるLED素子26が搭載されている略長方形状であるLED基板24の裏面を放熱板23の下方に設置し、放熱板23の上方にLED素子26用の電源回路28を設置する。LED基板24と放熱版23を覆うように配置された透光性カバー21により発光ユニット2として一体化し、透光性カバー21の上面に器具本体1と装着するためのV字ばね30とV字ばね固定部品31が配設されている。
・・・
【0039】
本発明においては、特に図3に示すように、この放熱板23の上方に電源回路28が、下方にLED基板24が固定されて、放熱を行える構造となっている。この場合、電源回路28は、図3に示すように、放熱板23との間に空間を設けて、放熱板23に配設されている。より具体的には、図3乃至図5に示すように、放熱板23の短手方向(幅方向)の中央部において、LED基板24を固定する基板部23aの上方に間隔を隔てて電源回路28を搭載する電源台23bが設けられている。これにより、電源台23bの下方と基板部23aの間には、十分な放熱効果を得るために、空間が設けられた構造となっている。この放熱板23の構造により、電源回路28や放熱板23は、この空間にも放熱して放熱効率を高めることができ、放熱板23に搭載されているLED基板24と電源回路28は、十分な放熱効果を発揮することができ、電源回路28と放熱板23との間で熱がこもって発光効率が低下するのを防止することができる。
【0040】
また、その空間を設けるための放熱板23の構造を利用して、図3及び図5に示すように、放熱板23の下方にLED基板24をネジ29により固定するために、LED基板24の固定孔に合わせて放熱板23にネジ29を挿入する溝部23dが設けられている。この溝部23dは、アルミニウムにより一体に成形されているので、ステンレス製のネジ29等を用いることにより、予め又は新たにネジ溝を設けることなく、ネジ29を圧入することで、放熱板23にネジ溝を形成しながらLED基板24を放熱板23に固定している。これにより、この溝部23dにネジ29を回し込みながら圧入していくだけで同時にネジ溝も形成されていくため、放熱板23に予め又は設置時に新たにネジ溝を形成しておくことなく、LED基板24を放熱板23に固定することができ、簡易な構造で、製造のコストと手間を削減することができる。」
(5b)
図2及び図3は、以下のとおりである。

第5 対比・判断
1 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
(1)
引用発明の「発光素子」、「プリント基板221の下面」及び「長い矩形板状に形成されたプリント基板221」は、それぞれ、本願発明の「発光素子」、「実装面」及び「長尺状の発光素子基板」に相当する。
したがって、引用発明の「プリント基板221の下面には複数の発光素子が前後方向に沿って実装され」る「前後方向に長い矩形板状に形成されたプリント基板221」及び「前後方向に長い矩形板状に形成されたプリント基板221からなり、プリント基板221の下面には複数の発光素子が前後方向(長手方向)に沿って実装され」る「基板22」は、いずれも、本願発明の「発光素子が実装面に実装される長尺状の発光素子基板」に相当する。
(2)

引用発明の「板金に曲げ加工を施すことでU字状に形成され、長尺且つ矩形板状に形成された底面部211と、底面部211の左右方向における両端から上向きに延出する第1側面部212及び第2側面部213とで構成され、第1側面部212の先端には、側方へ突出する突部212aが全長に亘って設けられ、さらに突部212aに先端には、上向きに延出する接触部212bが全長に渡って設けられ、第2側面部213の先端には、側方へ突出する突部213aが全長に亘って設けられ、さらに突部213aの先端には、上向きに延出する接触部213bが全長に渡って設けられ」る「取付部材21」の「長尺且つ矩形板状に形成された底面部211」は、本願発明の「平板状の長尺状をな」す「取付部」に相当する。

上記アを踏まえると、引用発明の「基板22は、取付部材21の底面部211の一部を切り起こすことで形成された係止爪により取付部材21の底面部211の下面に固定され」る構成の「取付部材21の底面部211の下面」は、本願発明の「平板状の一方の面」に相当し、当該「下面」も、引用発明の「長尺且つ矩形板状に形成された底面部211」と同様に、長尺状をなしているといえる。
そして、引用発明の「前後方向に長い矩形板状に形成されたプリント基板221からなり、プリント基板221の下面には複数の発光素子が前後方向(長手方向)に沿って実装され」る「基板22」(発光素子が実装面に実装される長尺状の発光素子基板(上記(1)参照))は、「前後方向に長い矩形板状に形成されたプリント基板221」の長尺状の「前後方向(長手方向)に沿って」「複数の発光素子が」「実装され」る「基板22」であり、この長尺状の長手方向は、上記で述べた、引用発明の長尺状をなしている「取付部材21の底面部211の下面」の長手方向に一致していることが明らかである。
したがって、上記アを踏まえると、引用発明の「基板22は、取付部材21の底面部211の一部を切り起こすことで形成された係止爪により取付部材21の底面部211の下面に固定され」る構成の「取付部材21の底面部211」は、本願発明の「前記平板状の一方の面の長手方向に沿って前記発光素子基板が取り付けられ」る「取付部」に相当する。

引用発明の「取付部材21の底面部211の下面」は、本願発明の「平板状の一方の面」に相当するから(上記イ)、引用発明の「取付部材21の底面部211の上面」は、本願発明の「前記一方の面の裏面となる他方の面」に相当する。
このことと上記アから、引用発明の「収納ケース242は、」「取付部材21の長手方向において、取付部材21の底面部211の上面の一端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25と取付部材21の底面部211の上面の他端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25との間に位置するように、取付部材21の底面部211の上面に取り付けられ、取付部材21の底面部211の四隅近傍には、取付ばね25がそれぞれ取り付けられて」いる構成における「取付部材21の底面部211の上面の一端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25」と「取付部材21の底面部211の上面の他端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25」は、本願発明の「前記一方の面の裏面となる他方の面の長手方向に沿って」「取付部」に「取り付けられる」「一対の連結具」に相当する。
また、引用発明の上記構成における「取付部材21の底面部211」は、本願発明の「前記一方の面の裏面となる他方の面の長手方向に沿って一対の連結具が取り付けられる取付部」に相当する。

上記ア?ウを踏まえると、
引用発明の上記アの「取付部材21」の「長尺且つ矩形板状に形成された底面部211」(本願発明の「平板状の長尺状をな」す「取付部」に相当。)、上記イの「取付部材21の底面部211」(本願発明の「前記平板状の一方の面の長手方向に沿って前記発光素子基板が取り付けられ」る「取付部」に相当。)、上記ウの「取付部材21の底面部211の上面の一端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25」と「取付部材21の底面部211の上面の他端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25」(本願発明の「前記一方の面の裏面となる他方の面の長手方向に沿って」「取付部」に「取り付けられる」「一対の連結具」に相当。)及び「取付部材21の底面部211」(本願発明の「前記一方の面の裏面となる他方の面の長手方向に沿って一対の連結具が取り付けられる取付部」に相当。)は、
本願発明の「平板状の長尺状をなし、前記平板状の一方の面の長手方向に沿って前記発光素子基板が取り付けられ、前記一方の面の裏面となる他方の面の長手方向に沿って一対の連結具が取り付けられる取付部」に相当する。
(3)

引用発明の「電源装置24は、電源基板241と、電源基板241を収納するための収納ケース242とを具備し、収納ケース242は、取付部材21の底面部211との対向面が開口し且つ前後方向に長い矩形箱状に形成され、開口側が取付部材21の底面部211と対向するようにして、取付部材21の長手方向において、取付部材21の底面部211の上面の一端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25と取付部材21の底面部211の上面の他端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25との間に位置するように、取付部材21の底面部211の上面に取り付けられ」る構成の「収納ケース242」に着目すると、以下のことがいえる。

引用発明の上記アの構成を備える「収納ケース242」は、「取付部材21の長手方向において、取付部材21の底面部211の上面の一端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25と取付部材21の底面部211の上面の他端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25との間に位置するように、取付部材21の底面部211の上面に取り付けられ」る「収納ケース242」であって、「電源基板241を収納するための」、「取付部材21の底面部211との対向面が開口し且つ前後方向に長い矩形箱状に形成され」る「収納ケース242」である。

引用発明の「取付部材21の長手方向において、取付部材21の底面部211の上面の一端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25と取付部材21の底面部211の上面の他端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25との間に位置するように、取付部材21の底面部211の上面に取り付けられ」る構成は、本願発明の「前記取付部の前記他方の面の前記長手方向に沿って前記一対の連結具の間に取り付けられている」構成に相当する。
また、電源基板に発光素子を点灯させる電気回路が形成されることは技術的に明らかであるから、引用発明の「電源基板241」は、本願発明の「前記発光素子を点灯させる電気回路」に相当し、引用発明の「取付部材21の底面部211との対向面が開口し且つ前後方向に長い矩形箱状に形成され」る構成は、本願発明の「長手形状の中空」の構成に相当する。
そして、引用発明の「収納ケース242」は、本願発明の「電源ケース」に相当する。

上記イで述べた、引用発明の上記アの構成を備える「収納ケース242」は、上記ウの相当関係を踏まえると、「前記取付部の前記他方の面の前記長手方向に沿って前記一対の連結具の間に取り付けられている」「電源ケース」であって、「前記発光素子を点灯させる電気回路を収納するための」、「長手形状の中空」の「電源ケース」であるから、引用発明の上記アの構成を備える「収納ケース242」と、本願発明の「前記取付部の前記他方の面の前記長手方向に沿って前記一対の連結具の間に取り付けられている電源ケースであって、前記他方の面の前記長手方向へ見て前記一対の連結具と重なるように取り付けられている、前記発光素子を点灯させる電気回路が収納される長手形状の中空の電源ケース」とは、「前記取付部の前記他方の面の前記長手方向に沿って前記一対の連結具の間に取り付けられている電源ケースであって、前記発光素子を点灯させる電気回路が収納される長手形状の中空の電源ケース」において共通している。
(4)

引用発明の「板金に曲げ加工を施すことで長尺且つ上面が開口する扁平な箱状に形成され、下側には光源ユニット2を収容するための矩形の凹部11が全長に亘って設けられ」る「器具本体1」における、「板金に曲げ加工を施すことで長尺」「な箱状に形成され」た「器具本体1」の「下側」の「矩形の凹部11」は、「板金」で「長尺」であるから、「矩形の凹部11」の底は、平板状の長尺をなす平板部から成り、「矩形の凹部11」の側部は、前記平板部の長手方向に沿う一方の平板長辺部から立ち上がる平板状の第一の側壁部と、前記平板部の長手方向に沿う他方の平板長辺部から立ち上がる平板状の第二の側壁部とから成っていることが明らかである。
そして、引用発明の「器具本体1」は、本願発明の「器具本体」に相当する。
そうすると、引用発明の上記の「器具本体1」における、「板金に曲げ加工を施すことで長尺」「な箱状に形成され」た「器具本体1」の「下側」の「矩形の凹部11」は、本願発明の「平板状の長尺をなす平板部と、前記平板部の長手方向に沿う一方の平板長辺部から立ち上がる平板状の第一の側壁部と、前記平板部の長手方向に沿う他方の平板長辺部から立ち上がる平板状の第二の側壁部とから成る凹形状なす凹部」に相当する。

したがって、引用発明の「板金に曲げ加工を施すことで長尺且つ上面が開口する扁平な箱状に形成され、下側には光源ユニット2を収容するための矩形の凹部11が全長に亘って設けられ」る「器具本体1」と、本願発明の「平板状の長尺をなす平板部と、前記平板部の長手方向に沿う一方の平板長辺部から立ち上がる平板状の第一の側壁部と、前記平板部の長手方向に沿う他方の平板長辺部から立ち上がる平板状の第二の側壁部とから成る凹形状なす凹部、及び、前記一対の連結具と係合する一対のバネ部を有する器具本体」とは、「平板状の長尺をなす平板部と、前記平板部の長手方向に沿う一方の平板長辺部から立ち上がる平板状の第一の側壁部と、前記平板部の長手方向に沿う他方の平板長辺部から立ち上がる平板状の第二の側壁部とから成る凹形状なす凹部を有する器具本体」において共通している。
(5)

引用発明の「光源ユニット2」は、本願発明の「光源ユニット」に相当する。
そして、上記(1)?(3)で述べたとおり、引用発明の「基板22」、「取付部材2の底面部211」及び「収納ケース242」は、それぞれ、本願発明の「発光素子基板」、「取付部」及び「電源ケース」に相当する。
そうすると、引用発明の「光源ユニット2は、複数の基板22と、基板22が取り付けられる取付部材21と、基板22に所定の点灯電力を供給する電源装置24と、光源ユニット2を器具本体1に取り付けるための取付ばね25とを具備」する構成、及び、「電源装置24は、電源基板241と、電源基板241を収納するための収納ケース242とを具備」する構成、すなわち、引用発明の「複数の基板22と」、「取付部材21(底面部211を構成要素としている。)と」、「収納ケース242」「を具備」する「電源装置24」「とを具備」する「光源ユニット2」の構成は、本願発明の「発光素子基板と」、「取付部と」、「電源ケースとを備える光源ユニット」の構成に相当する。

引用発明の「天井直付け型の照明器具A」は、本願発明の「照明器具」に相当する。
そして、上記(4)で述べたとおり、引用発明の「器具本体1」と、本願発明「器具本体」とは、「器具本体」において共通している。
これらのことと、上記アを踏まえると、引用発明の「天井材100に取り付けられる器具本体1と、器具本体1に対して着脱自在に取り付けられる光源ユニット2とを備える天井直付け型の照明器具A」、すなわち、「器具本体1と」、「光源ユニット2とを備える天井直付け型の照明器具A」は、本願発明の「光源ユニットと、」「器具本体とを備え」る「照明器具」に相当する。

上記ア及びイから、引用発明の「天井材100に取り付けられる器具本体1と、器具本体1に対して着脱自在に取り付けられる光源ユニット2とを備える天井直付け型の照明器具であり、」「光源ユニット2は、複数の基板22と、基板22が取り付けられる取付部材21と、基板22に所定の点灯電力を供給する電源装置24と、光源ユニット2を器具本体1に取り付けるための取付ばね25とを具備」する構成は、本願発明の「発光素子基板と」、「取付部と」、「電源ケースとを備える光源ユニットと、」「器具本体とを備え」る「照明器具」に相当する。

以上から、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「発光素子が実装面に実装される長尺状の発光素子基板と、
平板状の長尺状をなし、前記平板状の一方の面の長手方向に沿って前記発光素子基板が取り付けられ、前記一方の面の裏面となる他方の面の長手方向に沿って一対の連結具が取り付けられる取付部と、
前記取付部の前記他方の面の前記長手方向に沿って前記一対の連結具の間に取り付けられている電源ケースであって、前記発光素子を点灯させる電気回路が収納される長手形状の中空の電源ケースと
を備える
光源ユニットと、
平板状の長尺をなす平板部と、前記平板部の長手方向に沿う一方の平板長辺部から立ち上がる平板状の第一の側壁部と、前記平板部の長手方向に沿う他方の平板長辺部から立ち上がる平板状の第二の側壁部とから成る凹形状なす凹部を有する器具本体と
を備える
照明器具。」
<相違点1>
「光源ユニット」の取り付けに係る構成に関して、
本願発明は、光源ユニットが備える電源ケースが、「前記他方の面の前記長手方向へ見て前記一対の連結具と重なるように取り付けられ」、器具本体が、「前記一対の連結具と係合する一対のバネ部を有」し、前記光源ユニットは、「前記一対の連結具が前記一対のバネ部と連結することで前記器具本体に取り付けられる」構成であるのに対して、
引用発明は、「光源ユニット2」が「具備」する「取付部材21」が、「取付部材21の底面部211の上面の一端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25」及び「取付部材21の底面部211の上面の他端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25」を備え、「取付部材21の底面部211の四隅近傍には、取付ばね25がそれぞれ取り付けられており、器具本体1の凹部11の四隅近傍に設けられた各係止部に対応する取付ばね25をそれぞれ係合させることで、電源装置24が器具本体1の凹部11内に隙間を有して収容されるようにして、光源ユニット2が器具本体1に取り付けられ」る構成である点。
<相違点2>
「光源ユニット」が「備え」る「電源ケース」の構成及び配置に関して、
本願発明は、
「前記電源ケースは、
前記取付部の長手方向に沿い、前記取付部に対向し、かつ、前記他方の面と隙間を隔てて配置されるケース対向部と、
前記ケース対向部の前記長手方向に沿う一方の長辺から立ち上がり、立ち上がりの終端となる第一の終端長辺部を有する第一のケース側面部と、
前記ケース対向部の長手方向に沿う他方の長辺から立ち上がり、立ち上がり終端となる第二の終端長辺部を有し、前記第二の終端長辺部が前記第一の終端長辺部よりも前記第一のケース側面部の立ち上がり方向で前記ケース対向部に近接する第二のケース側面部と、
前記第一の終端長辺部から、前記ケース対向部に対向して前記第二のケース側面部に向かう方向の途中まで延びる対向天面部と、
前記対向天面部の終端となる天面終端長辺部と前記第二の終端長辺部とを接続する傾斜天面部と
を有し」、
「前記光源ユニットは」、「前記対向天面部が前記平板部と対向するように前記電源ケースが前記凹部に収納され、前記傾斜天面部が、前記平板部と前記第二の側壁部とともに仕切る空間を形成している」構成及び配置であるのに対して、
引用発明は、
「電源装置24は、電源基板241と、電源基板241を収納するための収納ケース242とを具備し、収納ケース242は、取付部材21の底面部211との対向面が開口し且つ前後方向に長い矩形箱状に形成され、開口側が取付部材21の底面部211と対向するようにして、取付部材21の長手方向において、取付部材21の底面部211の上面の一端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25と取付部材21の底面部211の上面の他端部側の両隅にそれぞれ取り付けられた取付ばね25、取付ばね25との間に位置するように、取付部材21の底面部211の上面に取り付けられ、
取付部材21の底面部211の四隅近傍には、取付ばね25がそれぞれ取り付けられており、器具本体1の凹部11の四隅近傍に設けられた各係止部に対応する取付ばね25をそれぞれ係合させることで、電源装置24が器具本体1の凹部11内に隙間を有して収容されるようにして、光源ユニット2が器具本体1に取り付けられ、
光源ユニット2を器具本体1に取り付けた状態において、第1側面部212の接触部212b及び第2側面部213の接触部213bを凹部11の対応する側面部112にそれぞれ面接触させ、取付部材21と器具本体1を面接触させることで、取付部材21から器具本体1への放熱面積を大きくすることができ、これにより器具本体1への放熱効率を高めることができる」構成及び配置である点。

2 相違点についての判断
相違点について以下検討する。
(1)相違点1について

引用文献4には、「金具5a,5b」(詳細は摘記(4a)参照)と記載され、引用文献5には、「透光性カバー21の上面に器具本体1と装着するためのV字ばね30とV字ばね固定部品31が配設されている」(摘記(5a)参照)と記載されているが、これらの連結具に対応する構成は、図面などを参照しても、長手方向へ見て電源ケースと重なるものではない。
そして、相違点1に係る本願発明の、「光源ユニット」が「備え」る「電源ケース」が、「前記他方の面の前記長手方向へ見て前記一対の連結具と重なるように取り付けられ」、「器具本体」が、「前記一対の連結具と係合する一対のバネ部を有」しているという構成は、上記のいずれの引用文献にも記載も示唆もされていない。

また、引用発明において、「光源ユニット2」が「具備」する「取付部材21の底面部211の四隅近傍に」「それぞれ取り付けられて」いる「取付ばね25」を、「器具本体1」側に設けて一対のバネ部の態様となるようにし、「取付部材2」には、それらの「取付ばね25をそれぞれ係合させる」「各係止部」を設けて一対のバネ部に連結する連結具の態様となるようにし、「光源ユニット2」を、前記一対の連結具が前記一対のバネ部と連結することで「器具本体1」に取り付け、さらに、「光源ユニットが備える電源ケース」を、「取付部材21の底面部211の上面」(他方の面)の長手方向へ見て一対の連結具と重なるように取り付ける動機付けも、上記のいずれの文献にも記載も示唆もされていない。
要するに、引用発明において、「取付ばね25」と「係止部」の配置を入れ替えて、さらに、長手方向に見て「電源ケース」と「係止部」が重なるようにする、動機付けがあるとはいえない。

したがって、上記相違点1に係る本願発明の構成はいずれの文献にも記載も示唆もされておらず(上記ア)、その構成を想到しようとする動機付けも存在しないから(上記イ)、引用発明において、上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たとはいえない。

(2)相違点2について

引用発明の「収納ケース242」は、「取付部材21の底面部211との対向面が開口し且つ前後方向に長い矩形箱状に形成され」ている。

引用文献3(図13、摘記(3b)参照)には、本願発明のケース対向部に対応する「大面部41」、対向天面部に対応する「大面部44」、及び、傾斜天面部に対応する「傾斜面部47」などを備えた、本願発明の電源ケースと同様の形状の「電源装置用ケース40」が記載されている。

しかしながら、摘記(3a)によると、上記イの「電源装置用ケース40」の形状(特に、「傾斜面部47」の形状)は、電源装置の配置の自由度を高めるためのものであって、電源装置に実装できる部品数を多くしたり、電源装置の外部において電線が配置される空間を確保したりするためのもの(本願明細書の段落【0002】、【0003】参照)ではないから、引用発明の、取り付けられる位置が決められており配置の自由度を高める必要がない「電源装置24」の「収納ケース242」に、引用文献3の「電源装置用ケース40」の形状を、引用発明の「器具本体1の凹部11」との関係において、電線が配置される空間を確保することを目的として、適用すべき合理性はなく、さらに、上記アのとおり、引用発明の「収納ケース242」は、「矩形箱状」で「開口」を備えており、このように特定されている「収納ケース242」の形状を変えようとする動機付けは存在しないから、引用発明において、上記相違点2に係る本願発明の「電源装置24」の「収納ケース242」の形状の構成を採用することは、当業者が容易になし得たとはいえない。

また、仮に、ウの適用ができたとしても、引用発明の「取付部材21の底面部211の上面」に、引用文献3の対向天面部に対応する「大面部44」(摘記(3a)の段落【0046】)が接して取り付けられる構成となると予測でき、本願発明の「前記取付部の長手方向に沿い、前記取付部に対向し、かつ、前記他方の面と隙間を隔てて配置されるケース対向部」の構成は得られないし、当該構成は、いずれの文献にも記載も示唆もされていないから(引用文献4のケース対向部に対応する新規電源装置11の下部は、電源取付金具4に取り付けられており、取付部に対応する光源取付金具3ないし反射板2と対向していない。また、引用文献5のケース対向部に対応する電源回路28の下部の一部分は、放熱板23と対向しているが、取付部に対応するのは透光性カバー21であって、放熱板23は取付部ではない。)、引用発明において、上記相違点2に係る本願発明の「前記取付部の長手方向に沿い、前記取付部に対向し、かつ、前記他方の面と隙間を隔てて配置されるケース対向部」の構成とすることは、当業者が容易になし得たとはいえない。
さらに、引用発明の課題(摘記(1a)参照)に鑑みると、引用発明の「光源ユニット2を器具本体1に取り付けた状態において、第1側面部212の接触部212b及び第2側面部213の接触部213bを凹部11の対応する側面部112にそれぞれ面接触させ、取付部材21と器具本体1を面接触させることで、取付部材21から器具本体1への放熱面積を大きくすることができ、これにより器具本体1への放熱効率を高めることができる」構成は、必須であり、「凹部11」の「側面部112」のそれぞれには、「第1側面部212の接触部212b及び第2側面部213の接触部213b」が「面接触」しており、上記イの適用ができたとしても、引用文献3の傾斜天面部に対応する「傾斜面部47」(摘記(3a)の段落【0046】)と、「凹部11」の「側面部112」との間には、「第1側面部212の接触部212b」または「第2側面部213の接触部213b」が介在する構成となり、上記相違点2に係る本願発明の「前記傾斜天面部が」、「前記第二の側壁部とともに仕切る空間を形成している」構成にはならない。
要するに、引用発明に、引用文献3に記載の技術事項を適用できたとしても、上記相違点2に係る本願発明の「前記光源ユニットは」、「前記対向天面部が前記平板部と対向するように前記電源ケースが前記凹部に収納され、前記傾斜天面部が、前記平板部と前記第二の側壁部とともに仕切る空間を形成している」構成にはならないし、引用発明において、当該構成とすることは、当業者が容易になし得たとはいえない。

3 小括
よって、本願発明は、引用発明及び引用文献2ないし5に記載された技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第6 原査定について
令和1年11月28日付けの手続補正により、本願発明は、電源ケースが、「前記他方の面の前記長手方向へ見て前記一対の連結具と重なるように取り付けられ」、器具本体が、「前記一対の連結具と係合する一対のバネ部を有」するという事項、及び、「前記光源ユニットは」、「前記対向天面部が前記平板部と対向するように前記電源ケースが前記凹部に収納され、前記傾斜天面部が、前記平板部と前記第二の側壁部とともに仕切る空間を形成している」という事項を有するものとなっており、上記第5で述べたとおり、拒絶査定において引用された引用発明及び引用文献2ないし5に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-08-11 
出願番号 特願2015-12630(P2015-12630)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (F21S)
最終処分 成立  
前審関与審査官 河村 勝也  
特許庁審判長 藤井 昇
特許庁審判官 出口 昌哉
氏原 康宏
発明の名称 照明器具  
代理人 溝井国際特許業務法人  
代理人 溝井国際特許業務法人  
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