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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 A61M
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A61M
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A61M
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 A61M
管理番号 1365338
審判番号 不服2019-2411  
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-02-22 
確定日 2020-08-12 
事件の表示 特願2016-512459号「ブレススタッキング療法に対する圧支持システム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年11月13日国際公開、WO2014/181244、平成28年8月12日国内公表、特表2016-523586号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2014年(平成26年)5月6日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年5月8日米国(US))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は概ね以下のとおりである。
平成27年11月10日 :手続補正書提出
平成30年 2月23日付け:拒絶理由通知
同年 6月 4日 :意見書、手続補正書提出
同年10月23日付け:拒絶査定
平成31年 2月22日 :審判請求書、誤訳訂正書提出

第2 平成31年2月22日提出の誤訳訂正書による手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成31年2月22日提出の誤訳訂正書による手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.補正の内容
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線は、補正箇所を示すため当審で付与したものである。)

「対象の気道まで呼吸可能ガスの加圧流を送達するように構成される圧支持システムであって、
前記呼吸可能ガスの加圧流を生成するように構成される圧力生成装置と、
前記対象がブレススタッキング療法を受ける準備が出来ているかどうかに関する情報を運ぶ出力信号を生成するように構成される1つ又は複数のセンサと、
コンピュータプログラムモジュールを実行するように構成される1つ又は複数のプロセッサであり、前記コンピュータプログラムモジュールは、
前記圧力生成装置を制御して、圧力が制御される換気療法の治療計画に従って前記呼吸可能ガスの加圧流を生成するように構成される制御モジュール、
前記対象がブレススタッキング療法を受ける準備が出来ているということを示す前記出力信号に応答して呼吸蓄積事象を決定するように構成される事象モジュール、及び、
呼吸蓄積事象の決定に応答して、前記圧力生成装置を制御して、ブレススタッキング療法の治療計画に従って前記呼吸可能ガスの加圧流を生成するように構成される呼吸蓄積モジュール、
を含む、1つ又は複数のプロセッサと、
を含み、
前記加圧流は、前記対象の一連の連続した呼吸において、吸入時の圧力レベルを前回の吸入時の圧力レベルより高くし、呼息時の圧力レベルは変化させない、
圧支持システム。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の平成30年6月4日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。
「対象の気道まで呼吸可能ガスの加圧流を送達するように構成される圧支持システムであって、
前記呼吸可能ガスの加圧流を生成するように構成される圧力生成装置と、
前記対象がbreath stacking療法を受ける準備が出来ているかどうかに関する情報を運ぶ出力信号を生成するように構成される1つ又は複数のセンサと、
コンピュータプログラムモジュールを実行するように構成される1つ又は複数のプロセッサであり、前記コンピュータプログラムモジュールは、
前記圧力生成装置を制御して、圧力が制御される換気療法の治療計画に従って前記呼吸可能ガスの加圧流を生成するように構成される制御モジュール、
前記対象がbreath stacking療法を受ける準備が出来ているということを示す前記出力信号に応答して呼吸蓄積事象を決定するように構成される事象モジュール、及び、
呼吸蓄積事象の決定に応答して、前記圧力生成装置を制御して、breath stacking療法の治療計画に従って前記呼吸可能ガスの加圧流を生成するように構成される呼吸蓄積モジュール、
を含む、1つ又は複数のプロセッサと、
を含む圧支持システム。」

2.本件補正の適否
(1)補正の目的について
本件補正のうち、「breath stacking療法」を「ブレススタッキング療法」とした補正(以下、「補正事項1」という。)は、平成30年10月23日付け拒絶査定において、「breath stacking療法」とは、日本語ではなく、その意味するところが不明であるとの指摘したところ、「breath stacking療法」を「ブレススタッキング療法」と補正するものであり、拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものであるから、補正事項1は特許法第17条の2第5項第4号の「明りょうでない記載の釈明」を目的とする補正に該当する。
また、本件補正のうち、「前記加圧流は、前記対象の一連の連続した呼吸において、吸入時の圧力レベルを前回の吸入時の圧力レベルより高くし、呼息時の圧力レベルは変化させない、」との記載を加入した補正(以下、「補正事項2」という。)は、補正前の「加圧流」について限定を加えるものであって、補正の前後において発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、補正事項2は特許法第17条の2第5項第2号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
そこで、本件補正後の請求項1記載の発明(以下、「本件補正発明」という。)が、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の要件(独立特許要件)を満たすかについて、以下(2)で検討する。

(2)独立特許要件について
ア.本件補正発明
本件補正発明は、上記1.(1)に記載した事項により特定されるとおりのものである。

イ.引用文献の記載事項及び引用発明
A.引用文献1について
原査定の拒絶の理由で引用した本願の優先日前に頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特表2010-517701号公報(以下、「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている。(下線は、当審で付与。)
(A)「A. システムハードウェア
図1は、本発明の原理による圧力サポートシステム30の例示的な実施の形態を概略的に図示する。圧力サポートシステム30は、概して32で示される圧力生成システム及び患者回路34を含む。患者回路34は、管路36及び患者インタフェース装置38を含む。図示された実施の形態において、圧力生成システム32は、圧力発生器40及び圧力発生器の流出口に結合される圧力制御弁42を含む。破線31によって示されるハウジングは、圧力サポートシステムのコンポーネントの多くを含む。
圧力発生器40は、矢印Aによって示されるように、呼吸気体の供給源から呼吸気体を受け取り、矢印Bによって示されるように、患者の気道への供給のために大気より高い圧力で患者回路34に呼吸気体を出力する。本発明の好ましい実施の形態において、圧力発生器40は、例えば気体供給源からの入口において外気を受け取る機械的圧力発生器(例えば送風機、ベローズ又はピストン)である。圧力制御弁42は、患者に対する流動を制限すること、矢印Cによって示されるように患者回路34から流動を逸らすこと、又はそれらの組み合わせによって、患者回路を介して患者に供給される呼吸気体の流動の圧力を制御する。圧力サポートシステムで使用するのに適した圧力制御弁の例は、米国特許番号5,694,923、5,701,883、6,123,074、6,615,831及び7,134,434に開示される。」(段落【0020】?【0021】)

(B)「図1に示されるように、圧力サポートシステム30は、患者に供給される気体の流動及び圧力をモニタリングするために、概して44で示されるモニタリングシステムを含む。図示された実施の形態において、モニタリングシステム44は、呼吸気体が患者回路34中を流れる速度を測定する流動センサ46を含む。本発明は、従来の呼吸流量計のような任意の適切なセンサが、流動センサ46として用いられることができることを意図する。流動センサ46は管路36に直接結合される必要はないことがさらに理解されるべきである。それどころか、本発明は、患者回路中の気流を定量的に測定することができる任意のセンサ又は複数のセンサの使用を意図する。例えば、システム中の流動は、患者インタフェース装置において測定されることができる。
本発明はさらに、流動が、流動センサを必要とすることなく、圧力サポートシステムの他の特徴をモニタリングすることから測定又は推定されることができることを意図する。例えば、モータ若しくはピストン速度から、又は、圧力生成器40よって高められた圧力を供給するために用いられる圧力発生器のトルクから流動を推定することが知られている。要するに、本発明は、患者に供給される気体の流動を測定するための任意の従来の技術を意図する。
モニタリングシステム44は、さらに、患者での気体の圧力を検出する圧力センサ48を含む。図示された実施の形態において、圧力センサ48は、管路36を介して患者インタフェース装置38と流体連通している。この実施例において、患者での圧力は、管類36中で発生する既知の圧力降下に基づいて推定される。しかしながら、患者圧力は、患者インタフェース装置38で又は管路36に沿った他の場所で直接測定されることができる。
圧力サポートシステム30は、好ましくは記憶されたアルゴリズムを実現することが可能なマイクロプロセッサであるコントローラ50を含み、このコントローラ50は、一般的に流動センサ46及び圧力センサ48からモニタリングされた変数を受け取って、これらの信号に基づいて圧力生成システム32を制御する。もちろん、コントローラ50は、本発明の特徴を実現するために必要なメモリ及び処理能力を含む。本発明の好ましい実施の形態において、コントローラ50は、Cプログラミング言語で記述されて記憶されたソフトウェアを実行するAMTEL AT91M55800マイクロコントローラである。」(段落【0029】?【0032】)

(C)「B.システム動作
本発明の原理による圧力サポートシステム30の動作が次に、図2を参照して説明される。図2は、本発明の単純化されたバージョンに従ってコントローラ50によって実現される圧力制御プロセスの概略図である。制御ステップ(ボックス)60において、制御ステップ60から出力される矢印62によって示されるように、コントローラ50は、治療設定値(TSP)を決定するか又は治療設定値(TSP)を与えられる。治療設定値は、コントローラが達成しようとしている呼吸治療療法のパラメータに対応する。例えばCPAPシステムにおいて、TSPはCPAP圧力である。二相性システムでは、TSPは実際には、IPAP及びEPAPレベルである2つのTSPである。言い換えると、療法設定値は、通常の療法セッションの間にコントローラが圧力サポートシステムに到達させようとする制御されたパラメータ又は複数のパラメータの値である。
(自動滴定のない)従来のCPAP装置において、CPAP圧力は、医師によって処方されて、医療装置供給者によって設定される。例えば、CPAP圧力を設定することは、入力矢印64によって示される。この例では、設定されたCPAP圧力(例えば、5 cmH2O)が治療設定値になり、すなわち、制御ステップ60において処理が行われる必要はない。圧力サポートシステム30中のコントローラ50は、治療設定値(例えば5cmH2O)で気体の流動をユーザに供給するように圧力生成システム32を制御する。TSPは、療法セッションの間に又は療法セッション中に変更されることができる。例えば、入出力インタフェース52を介してユニットの場所で、又はコントローラ50との通信リンクを介してリモートで、新たな処方圧力がCPAPにプログラムされることができる。
自動滴定を備えたCPAP装置のような、ややさらに複雑な例では、TSPは、制御ステップ60において、圧力サポートシステムによって実現される自動調整アルゴリズムに従って変化する。つまり、処理ステップ60から出力されるTSP 62は、自動調整アルゴリズムによって決定される圧力レベルに対応する。入力は、圧力範囲、すなわち上限値Pmax及び/又は下限値Pminであることができ、その間で、自動滴定アルゴリズムを実行する場合に圧力が変化することができる。本発明は、制御ステップ60において実行される自動調整アルゴリズムが、任意の従来の自動滴定技術であることができることを意図する。本明細書で用いられるフレーズ「自動調整」は、自動滴定又は圧力サポートの自動滴定モードや、自動的に達成される治療設定値をセットする(すなわちユーザからの入力による)任意の他のモードを含むことを意図する。適切な自動滴定技術の例は、米国特許番号5,203,343、5,458,137、6,085,747(Axe et al.)、5,645,053、6,286,508、6,550,478、6,920,877(Remmers et al.)、6,752,151(Hill)、7,168,429(Matthews et al.)に開示され、これらの文献の各々の内容は、参照として本明細書に組み込まれる。
本発明は、治療設定値が快適性特徴を含むように快適性特徴関数66を実行する更なるステップを含む。一実施例において、治療設定値と快適性特徴との組み合わせは、調整された治療設定値と呼ばれて、快適性特徴関数66からの出力矢印68によって示される。コントローラは、調整された治療設定値に基づいて圧力生成システム32の動作を制御する。
快適性特徴は、ベース即ち基本的な呼吸治療療法(例えばCPAP)に対するなんらかの形の修正であり、ユーザに対する療法の快適性を高める。例示的な実施の形態において、快適性特徴は、呼息の間に患者に供給される圧力を低下させる呼気圧力軽減(例えばC-Flex)である。呼気圧力軽減は、モニタリングされたパラメータ(例えば流動又は圧力)に基づくことができ、又は、予め定められた圧力軽減、すなわち曲線に従う圧力低下、つまり呼息の開始の前に設定されている形状、期間及び振幅を持つ圧力低下であることができることに留意されたい。
快適性特徴関数は、プロセス、アルゴリズム、パラダイム又は他の実施態様スキームであり、(a)何の快適性特徴が治療設定値に追加され、変更され、又は治療設定値から除かれるか、(b)快適性特徴がいつ追加され、削除され又は変更されるべきか、及び(c)どれくらい(又はどの程度)快適性特徴が治療設定値に追加され、変更され又は治療設定値から除かれるかを決める。快適性特徴関数は、これらの項目の3つ全てを決定することができ、又はこれらの関数の部分集合だけ、例えば項目(a), (b)若しくは(c)のうちの1つ又は2つのみを決定することができる。もちろん、快適性特徴関数はさらに、任意の他の変更が可能な限り、項目(a)「何の」、(b)「いつ」及び(c)「どれくらいの」快適性特徴が修正されるべきか以外の項目を決定することができる。一例として(但し実施の形態を制限することなく)、快適性特徴関数は、そのような患者の生理学的状態に基づかない基準に基づいて、一つ以上のこれらの決定を行う。」(段落【0036】?【0041】)

(D)「快適性特徴関数66の動作は、おそらく、図3を参照して本発明の例示的な実施態様を検討することによって、より適切に理解される。この図は、複数の呼吸サイクルにわたる圧力サポートシステム30によって患者の気道に供給される圧力波形70を示す。各々の呼吸サイクルは、吸気フェーズ"I"及び呼気フェーズ"E"を含む。この例では、圧力サポートシステムは最初に、期間72の間、CPAP圧力を供給している。これは、期間72内の両方の呼吸フェーズの間に供給されている一定圧力によって図示される。
この期間の間、自動調整アルゴリズムも制御ステップ60で動作して、CPAP圧力が変化することができることが理解されるべきである。そのような変化の例は、時点74における圧力増加によって図示される。自動調整アルゴリズム(制御ステップ60)の出力は、治療設定値(TSP)に対応する。期間76の間、TSPは圧力レベルP(a)であり、そして期間78の間、TSPは圧力レベルP(b)である。各々の処理サイクルの間、又は呼吸サイクルの次の吸気若しくは呼気フェーズの前に、自動調整アルゴリズムは、治療設定値を決定して、治療設定値に対応する圧力を患者に供給しようとするために圧力生成システムを制御する。
快適性特徴関数66において、自動調整アルゴリズムによって決定される治療設定値は、治療設定値変数と比較されている。この実施例において、治療設定値変数は、予め設定された圧力P1である。この比較は、周期的に又はコントローラの各処理サイクルの間に実行されることができる。治療設定値が治療設定値変数(この例ではP1)以下の限り、既存の快適性特徴に対する快適性特徴又は変更は行われない。したがって、TSP≦P1である限り、圧力サポートシステムは従来のCPAP自動滴定システムとして機能する。
しかしながら、治療設定値が治療設定値変数より大きい場合、本発明の快適性特徴関数は、患者に供給されている呼吸治療療法に快適性特徴を追加する。図示された実施の形態において、時点80から始まる吸気フェーズの間に患者に供給されるべき、自動調整アルゴリズムによって決定される治療設定値Pi(c)は、治療設定値変数P1より大きい。例えば、いびき、流動制限、無呼吸、呼吸低下、CSR又は他の呼吸障害を患者が感じている(又は感じようとしている)ことをシステムが検出した場合に、治療設定値のそのような増加が発生する可能性がある。時点80においてPi(c)であるTSPが、P1として設定されている治療設定値変数より大きい場合、快適性特徴が追加される。この図示された実施の形態において、吸息及び呼息の両方の間一定の圧力を維持するのではなく、圧力波形に追加される快適性特徴が、患者に呼気圧力軽減を提供する。したがって、治療設定値Pi(c)でのIPAPが吸息の間に供給され、EPAP Pe(c)が呼息の間に供給される。上記したように、Pi(c)とPe(c)との間の差分、すなわちIPAPとEPAPとの間の差分は、圧力サポートレベル(PS)と呼ばれる。したがって、IPAP-EPAP = PSである。」(段落【0044】?【0047】)

(E)「治療設定値が、この図示された例示的な実施の形態において圧力P2である第2圧力閾値を下回る限り、EPAPレベルは治療設定値変数レベルP1に設定される(EPAP=P1)。言い換えると、TSPがP1より大きくP2未満である限り、圧力サポートPSはTSPに基づいてIPAPレベルの変化に起因して変化する可能性があるが、EPAPレベルは治療設定値変数レベルP1に固定されたままである。このルールのセットは、快適性特徴関数66に含まれて、快適性特徴関数66によって実施される。したがって、期間82の間、圧力サポートレベルはPS(c)であり、期間84の間、PS = PS(d)であり、PS(d)はPS(c)より大きい。 しかしながら、時点86において、治療設定値が第2圧力閾値P2より大きくなる。この時点で、IPAP圧力Pi(e)は依然としてTSPに一致するが、EPAP圧力はもはやP1に固定されない。その代わりに、この時点で、圧力サポートPSレベルは変化せずに一定の量に固定され、EPAPレベルは常に、一定の量だけIPAPレベルより小さくなる。期間88の間の場合のように、TSPが第2圧力閾値P2を上回る限り、圧力サポートは一定のままであり、EPAP圧力はIPAP圧力の後を追う。したがって、PS(e) = PS(f) = PS(g)である。TSPが第2圧力閾値P2より下に減少する場合、EPAPはP1に設定され、PSレベルは変化することが可能になる。同様に、TSPが治療設定値変数レベルP1より下に減少する場合、PSレベルはゼロ(0)に設定され、IPAP = EPAPとなり、患者は再び二相性療法ではなくCPAPを受ける」(段落【0048】?【0049】)

(F)「上記の実施の形態は、快適性特徴関数に従って快適性特徴が追加、削除又は変更される本発明の原理による圧力サポートシステムの動作の例を2つのみ示す。本発明は、この基本的な動作ルーチンの無数のバリエーションを意図することが理解されるべきである。図1及び3-5を参照して与えられる以下の議論は、これらの可能なバリエーションのいくつかを強調する。」(段落【0054】)

(G)「

」(図1)

(H)「

」(図3)

上記(E)の下線部の記載及び(H)の図面の記載からすれば、引用文献1記載のものは、期間82,84では、「呼吸気体の圧力は、患者の一連の連続した呼吸において、吸入時の圧力レベルを前回の吸入時の圧力レベルより高くし、呼息時の圧力レベルは変化させない」ようになっている。

してみると、上記(A)?(E)の特に下線部の記載及び(G)、(H)の図面の記載を参照すれば、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「患者の気道への供給のために大気より高い圧力で呼吸気体を出力する自動滴定を備えたCPAP装置であって、
患者の気道への供給のために大気より高い圧力で呼吸気体を出力する圧力生成システムと、
モニタリングされた変数をコントローラに送る流動センサ及び圧力センサと、
記憶されたアルゴリズムを実現することが可能なコントローラであり、アルゴリズムは、
圧力生成システムを制御して、自動調整アルゴリズムに従って治療設定値に設定した呼吸気体を患者の気道に供給する手段、
治療設定値と、治療設定値変数とを比較して、患者がいびき、流動制限、無呼吸、呼吸低下CSR又は他の呼吸障害を感じていると判断する手段及び
患者がいびき、流動制限、無呼吸、呼吸低下CSR又は他の呼吸障害を感じていると判断した場合、圧力生成システムを制御して、自動調整アルゴリズムに快適性特徴を追加した治療設定値に設定した呼吸気体を患者の気道に供給する手段、
を含む、コントローラと、
を含み、
呼吸気体の圧力レベルは、患者の一連の連続した呼吸において、吸入時の圧力レベルを前回の吸入時の圧力レベルより高くし、呼息時の圧力レベルは変化させない、
自動滴定を備えたCPAP装置。」

B.引用文献2について
原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特表2008-514379号公報(以下、「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。(下線は、当審で付与。)

(A)「E.内部呼吸吸気気道陽圧(IPAP)増加
患者54に十分な換気(圧力支援)を確実に供給する本発明での処理過程を説明する。図10のステップ304で実施されるこの処理過程を図11?図13に詳細を示す。自発開始呼吸及び機械式誘発呼吸を含む全呼吸に対し、圧力支援装置50は、図11に示す内部呼吸圧力制御過程を実行する。この過程の目標は、図4のステップ150で算出される目標流量を各呼吸間に患者54が確実に獲得することにある。呼気気道陽圧(EPAP)から吸気気道陽圧(IPAP)まで瞬時に圧力を増加せずに、時間経過と共に増加する点に留意すべきである。また、本発明の例示的な実施の形態では、通常、上昇時間と称するこの圧力増加変化速度は、使用者により設定される。本発明は、呼気気道陽圧(EPAP)から吸気気道陽圧(IPAP)への移行時の上昇時間及び圧力波形若しくは流量波形の形状又はデータを圧力支援装置50により制御して患者54の快適性を好適に最大化できることも企図する。
ステップ400は、これまでに供給された圧力支援の増加が十分か否かを決定する過程である。本目的に対し、現在の供給量と増加速度の下で吸気段階間に圧力支援装置50が供給する支援圧力の増加が瞬間平均吸気流量Qave(t)に合致するか又は目標流量を超過すれば、これまでに供給された支援圧力は、十分であると認められる。第F章で更にこれを詳細に説明する。呼吸に対する支援圧力が十分であると判定されれば、経路402で示すように、この処理過程が反復される。呼吸に対する支援圧力が不十分で、瞬間平均吸気流量Qave(t)に合致し又は目標流量を超過するには、患者54が十分な支援圧力を受けないと決定された場合、処理過程は、ステップ404に進む。
ステップ404では、圧力支援装置50は、患者54がどれほど長く吸気段階であったかを決定する。患者54がどれほど長く吸気段階であったかを判定することは、前回の呼吸周期の吸気段階からの平均吸気時間Tinsp(ave)を決定する過程を含む。本発明の例示的な実施の形態では、5分間の時間帯にわたり平均吸気時間Tinsp(ave)を測定し、吸気周期に値する最新の5分間にわたる吸気期間を平均化して、平均吸気時間Tinsp(ave)を算出する。圧力支援装置50は、半平均吸気時間「Tinsp(ave)/2」に相当する数値も算出する。
図11の経路406及びブロック408並びに図13の符号417で示すように、「Tinsp(ave)/2」より100ミリ秒(ms)前の時点415で開始する期間412に患者54があるとき、圧力支援装置50は、流量データ、即ち、瞬間平均吸気流量Qave(t)データを収集する。「Tinsp(ave)/2」として数学的に期間412の終期を表すことができる。後述のように、期間412間(「Tinsp(ave)/2-100ミリ秒」から「Tinsp(ave)/2」までの時間)に収集されるデータを使用して、患者54に目標流量を確実に供給するのに圧力/流量の増加が必要であるか否かが決定される。
期間412のデータ収集過程408間に、マイクロプロセッサの各過程周期間に決定される瞬間平均吸気流量Qave(t)は、呼吸周期間に図4から算出される目標流量と比較される。各過程周期間の前記比較に基づいて誤差信号(エラー)が作成され、期間412間に平均誤差信号が生成される。この誤差信号は、「誤差=目標流量-Qave(t)」として数学的に表される。患者54に供給される流量が目標流量に到達することを意味すれば、負の平均誤差値は、無視される。しかしながら、正の平均誤差は、目標流量を供給する圧力支援装置50に追加の吸気気道陽圧(IPAP)が必要であることを示唆する。しかしながら、吸気気道陽圧(IPAP)を増加する前に「Tinsp(ave)/2」に相当する時間が経過するまで、圧力支援装置50は、待機する。
圧力支援装置50が吸気の開始から「Tinsp(ave)/2」に相当する時間が経過したと判断すれば、必要に応じて、吸気気道陽圧(IPAP)を増加する性能が圧力支援装置50に与えられる。流路416としてこれを図11に示す。平均誤差信号が正の場合、上記第D章「圧力支援/吸気気道陽圧(IPAP)の制御」で説明したように、平均誤差信号は、最大平均吸気流量Qave(max)にわたる支援圧力(PS)の統計的比率「PS/Qave(max)」とステップ418で乗算される。流量換算で表される平均誤差信号を圧力レベルに変換するのに、この計算が必要である。ステップ418で決定される圧力レベルは、患者54に既に供給される支援圧力に加える必要のある付加の吸気気道陽圧(IPAP)の数値に相当する。吸気の開始から「Tinsp(ave)/2」に等しいか又はそれより長い期間が経過した場合、即ち、制御装置64が作動する場合、吸気周期間になれば、この付加の吸気気道陽圧(IPAP)が印加される。この期間は、図13の時点417から開始し、吸気段階の終期に終了する。この追加の吸気気道陽圧(IPAP)の付加を示す図12Aに切欠部420では、第1の圧力波形422から第2の圧力波形424まで圧力が増加する。呼吸周期の吸気段階間の他の全時間での処理手順は、経路410に進み、ステップ400に戻される。」(段落【0113】?【0119】)

(B)「

」(図12)

ウ.対比
以下、本件補正発明と引用発明を対比する。
A.引用発明の「呼吸気体」及び「自動滴定を備えたCPAP装置」は、機能及び構成上、それぞれ本件補正発明の「呼吸可能ガス」及び「圧支持システム」に相当する。
そして、本件補正発明も呼吸可能ガスの送達により患者を治療するものであることからすれば、引用発明の「患者」は、本件補正発明の「対象」に対応する。
また、引用発明の「大気より高い圧力で呼吸気体を出力する」ことは、機能上、本件補正発明の「呼吸可能ガスの加圧流の送達」に相当する。
よって、引用発明の「患者の気道への供給のために大気より高い圧力で呼吸気体を出力する自動滴定を備えたCPAP装置」は、本件補正発明の「対象の気道まで呼吸可能ガスの加圧流を送達するように構成される圧支持システム」に相当する。

B.引用発明の「患者の気道への供給のために大気より高い圧力で呼吸気体を出力する圧力生成システム」は、機能及び構成上、本件補正発明の「呼吸可能ガスの加圧流を生成するように構成される圧力生成装置」に相当する。

C.引用発明の「流動センサ及び圧力センサ」は、モニタリングされた変数をコントローラに送るものであるから、患者(対象)に関する情報を運ぶ出力信号を生成するように構成されているものと認められる。
よって、引用発明の「モニタリングされた変数をコントローラに送る流動センサ及び圧力センサ」と本件補正発明の「対象がブレススタッキング療法を受ける準備が出来ているかどうかに関する情報を運ぶ出力信号を生成するように構成される1つ又は複数のセンサ」は、「対象に関する情報を運ぶ出力信号を生成するように構成されたセンサ」である点で一致する。

D.引用発明は自動調整アルゴリズムに基いて制御を行っているのであるから、引用発明が「記憶されたアルゴリズムを実現すること」は、「コンピュータプログラムモジュールを実行する」ことを意味するものと認められる。
よって、引用発明の「記憶されたアルゴリズムを実現することが可能なコントローラ」は、本件補正発明の「コンピュータプログラムモジュールを実行するように構成される1つ又は複数のプロセッサ」に相当し、同様に「アルゴリズム」は「コンピュータプログラムモジュール」に相当する。

E.引用発明は、アルゴリズムに従って圧力発生器を制御し、呼吸気体を患者の気道に供給するのであり、当該アルゴリズムはコントローラに記憶された換気療法の治療計画に従った制御を提供しているものと認められるから、引用発明の「圧力生成システムを制御して、自動調整アルゴリズムに従って治療設定値に設定した呼吸気体を患者の気道に供給する手段」は、本件補正発明の「圧力生成装置を制御して、圧力が制御される換気療法の治療計画に従って前記呼吸可能ガスの加圧流を生成するように構成される制御モジュール」を含む点に相当する。

F.引用発明の「治療設定値」は、「流動センサ及び圧力センサ」から出力されるものであるから、本件補正発明の「出力信号」に相当する。
そして、引用発明の「患者がいびき、流動制限、無呼吸、呼吸低下CSR又は他の呼吸障害を感じていると判断する」ことは、本件補正発明の「呼吸蓄積事象を決定する」ことに相当する。
よって、引用発明の「治療設定値と、治療設定値変数とを比較して、患者がいびき、流動制限、無呼吸、呼吸低下CSR又は他の呼吸障害を感じていると判断する手段」と本件補正発明の「対象がブレススタッキング療法を受ける準備が出来ているということを示す前記出力信号に応答して呼吸蓄積事象を決定するように構成される事象モジュール」は、「出力信号に応答して呼吸蓄積事象を決定するように構成される事象モジュール」を含む点で一致する。

G.引用発明の「患者がいびき、流動制限、無呼吸、呼吸低下CSR又は他の呼吸障害を感じていると判断する」こと及び「圧力生成システム」は、上記F.及びB.で検討したとおり、本件補正発明の「呼吸蓄積事象を決定する」こと及び「圧力生成装置」に相当する。
そして、引用発明において、自動調整アルゴリズムに快適性特徴を追加した治療設定値に設定した呼吸気体を患者の気道に供給することは、本件補正発明の「ブレススタッキング療法の治療計画に従って前記呼吸可能ガスの加圧流を生成する」ことに相当する。
よって、引用発明の「患者がいびき、流動制限、無呼吸、呼吸低下CSR又は他の呼吸障害を感じていると判断した場合、圧力生成システムを制御して、自動調整アルゴリズムに快適性特徴を追加した治療設定値に設定した呼吸気体を患者の気道に供給する手段」は、本件補正発明の「呼吸蓄積事象の決定に応答して、前記圧力生成装置を制御して、ブレススタッキング療法の治療計画に従って前記呼吸可能ガスの加圧流を生成するように構成される呼吸蓄積モジュール」に相当する。

H.引用発明の「呼吸気体の圧力レベルは、患者の一連の連続した呼吸において、吸入時の圧力レベルを前回の吸入時の圧力レベルより高くし、呼息時の圧力レベルは変化させない」ことは、機能上、本件補正発明の「前記加圧流は、前記対象の一連の連続した呼吸において、吸入時の圧力レベルを前回の吸入時の圧力レベルより高くし、呼息時の圧力レベルは変化させない」ことに相当する。

上記A.?H.の対比を踏まえれば、本件補正発明と引用発明は次の一致点及び相違点を有する。

【一致点】
「対象の気道まで呼吸可能ガスの加圧流を送達するように構成される圧支持システムであって、
前記呼吸可能ガスの加圧流を生成するように構成される圧力生成装置と、
前記対象に関する情報を運ぶ出力信号を生成するように構成される1つ又は複数のセンサと、
コンピュータプログラムモジュールを実行するように構成される1つ又は複数のプロセッサであり、前記コンピュータプログラムモジュールは、
前記圧力生成装置を制御して、圧力が制御される換気療法の治療計画に従って前記呼吸可能ガスの加圧流を生成するように構成される制御モジュール、
前記出力信号に応答して呼吸蓄積事象を決定するように構成される事象モジュール、及び、
呼吸蓄積事象の決定に応答して、前記圧力生成装置を制御して、ブレススタッキング療法の治療計画に従って前記呼吸可能ガスの加圧流を生成するように構成される呼吸蓄積モジュール、
を含む、1つ又は複数のプロセッサと、
を含み、
前記加圧流は、前記対象の一連の連続した呼吸において、吸入時の圧力レベルを前回の吸入時の圧力レベルより高くし、呼息時の圧力レベルは変化させない、
圧支持システム。」

【相違点】
1つ又は複数のセンサで生成され、事象モジュールで応答して呼吸蓄積事象を決定する出力信号が、本件補正発明では、対象がブレススタッキング療法を受ける準備が出来ているかどうかに関する情報を運ぶものであるのに対し、引用発明では、そのような限定がない点。

エ.判断
以下、上記相違点について検討する。
引用発明も、圧力センサの治療設定値(出力信号)を治療設定値変数と比較することより、自動調整アルゴリズムに快適性特徴の追加(ブレススタッキング療法)を行うものであり、当該治療設定値(出力信号)は、自動調整アルゴリズムに快適性特徴の追加(ブレススタッキング療法)を開始する判断要素となっているものと認められるから、引用発明においても、圧力センサ(1つ又は複数のセンサ)で生成された治療設定値(出力信号)は、患者(対象)が自動調整アルゴリズムに快適性特徴の追加(ブレススタッキング療法)を受ける準備が出来ているかどうかに関する情報であるものと認められる(対応する本件補正発明の用語を( )内に示す。)。
よって、相違点に係る構成は、引用発明も実質的に備えている構成にすぎないものと認められ、実質的な相違点とはならない。

なお、引用文献1には、期間88において、加圧流の呼息時の圧力レベルを変化させる構成も記載されているが、上記のとおり、治療設定値(TSP)が第2圧力閾値P2を下回る期間82,84においては、加圧流は、対象の一連の連続した呼吸において、吸入時の圧力レベルを前回の吸入時の圧力レベルより高くし、呼息時の圧力レベルは変化させない構成を有するものである以上、当該期間88の構成を有していることのみをもって、相違点とすることはできない。
しかし、仮に、甲1発明が、期間88において加圧流の呼息時の圧力レベルを変化させている点が相違点にあたるとしてみても、上記イ.A.(F)の記載からすれば、引用発明は気道の加圧に際して様々な加圧態様を意図しているものと認められ、また、気道を加圧するに際して、呼気時の圧力を一定にすることは、例えば引用文献2(上記イ.B.(A)の特に下線部の記載及び(B)の図面の記載参照。)に記載されているように周知の技術にすぎないから、引用発明において、全期間に渡って、呼息時の圧力レベルは変化させないような制御を採用することは当業者が容易になし得ることと認められる。

したがって、本件補正発明は、引用発明であるか、又は、引用発明及び周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

オ.小括
以上のとおりであるから、本件補正発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は同条第2項の規定により、特許出願の際、独立して特許を受けることができたものとは認められない。

3.本件補正についてのむすび
上記2.のとおりであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反してなされたものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定によって却下すべきものである。
よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明についての検討
1.本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?15に係る発明は、平成30年6月4日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?15に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2の1.(2)に記載したとおりである。

2.原査定の拒絶の理由
原査定の請求項1に対する拒絶の理由は、次の理由を含むものである。

この出願の請求項1に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は当該引用文献1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特表2010-517701号公報

3.当審の判断
(1)引用文献1の記載及び引用発明
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項及び引用発明は、上記第2の2.(2)イ.A.に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、上記第2の2.(2)で検討した本件補正発明の「ブレススタッキング療法」の表記を「breath stacking療法」とするとともに、「加圧流」について、「前記加圧流は、前記対象の一連の連続した呼吸において、吸入時の圧力レベルを前回の吸入時の圧力レベルより高くし、呼息時の圧力レベルは変化させない、」との限定を削除したものである。
そうすると、本願発明と引用発明は、上記第2の2.(2)ウ.の相違点1でのみ相違するところ、当該相違点1は上記第2の2.(2)エ.で検討したとおり、実質的な相違点とは認められない。
よって、本願発明は、引用発明であるか、又は引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は同条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。


第4 むすび
以上のとおり、本願発明は特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、又は同条第2項の規定により、特許を受けることができない。
よって、他の請求項に係る発明については検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

 
別掲
 
審理終結日 2020-03-16 
結審通知日 2020-03-17 
審決日 2020-03-30 
出願番号 特願2016-512459(P2016-512459)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A61M)
P 1 8・ 121- Z (A61M)
P 1 8・ 537- Z (A61M)
P 1 8・ 113- Z (A61M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 落合 弘之家辺 信太郎  
特許庁審判長 高木 彰
特許庁審判官 井上 哲男
寺川 ゆりか
発明の名称 ブレススタッキング療法に対する圧支持システム  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 大貫 進介  
代理人 伊東 忠重  
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