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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1365356
審判番号 不服2019-2287  
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-02-19 
確定日 2020-08-13 
事件の表示 特願2016-169975「情報表示プログラム、配信装置、情報表示方法および情報表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 2月 9日出願公開、特開2017- 33573〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
第1 手続の経緯

本願は、平成26年9月19日に出願した特願2014-191810号の一部を、平成27年12月8日に新たに出願した特願2015-239227号の一部を、平成28年8月31日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年9月11日 出願審査請求,手続補正書
平成30年5月28日付け 拒絶理由通知
平成30年7月31日 意見書,手続補正書
平成30年11月15日付け 拒絶査定
平成31年2月19日 審判請求書,手続補正書


第2 平成31年2月19日の手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]

平成31年2月19日にされた手続補正を却下する。

[補正却下の理由]

1.手続補正の内容

平成31年2月19日の手続補正(以下、「本件補正」という)により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、本件補正前の(1)のとおりの記載から、本件補正後の(2)のとおりの記載に補正された(下線は補正により変更された部分を示す)。

(1)本件補正前の請求項1(平成30年7月31日の手続補正書)
【請求項1】
コンピュータに、
所定のウェブコンテンツ内に第1コンテンツを配置するとともに、当該第1コンテンツ内に第2コンテンツを配置して各コンテンツを表示する表示手順と、
前記第1コンテンツに対する操作に応じて、前記第2コンテンツを第3コンテンツへと変更する変更手順と
を実行させるための情報表示プログラム。

(2)本件補正後の請求項1
【請求項1】
コンピュータに、
第1ウェブコンテンツ内に第1コンテンツを配置するとともに、当該第1コンテンツ内に第2ウェブコンテンツと第2コンテンツとを配置して各コンテンツを表示する表示手順と、
前記第2ウェブコンテンツを第3ウェブコンテンツへと変更する操作と連動して前記第2コンテンツを第3コンテンツへと変更する変更手順と
を実行させるための情報表示プログラム。

2.補正の適否

(1)本件補正の目的

この補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「表示手順」、「変更手順」について、上記のとおり限定するものであって、その本件補正の前後で、請求項1に記載の発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定された特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定された特許出願の際独立して特許を受けられるものであるか否かについて以下検討する。

(2)独立特許要件についての判断

ア 本件補正発明

本件補正発明は、上記1.(2)の記載により特定されるとおりのものである。

イ 引用発明

原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願日前に頒布された刊行物である特許第5386659号公報(以下、「引用文献1」という)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審で付加した。以下同様。)。

「【0001】
本発明は、Webサイトに登録される記事の内容に連動した広告をユーザへ提供可能なシステム等の技術分野に関する。」

「【0032】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施
の形態は、情報提供システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。
[1.情報提供システムの構成及び機能概要]
【0033】
先ず、本実施形態に係る情報提供システムSの構成及び概要機能について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る情報提供システムSの概要構成例を示す図である。図1に示すように、情報提供システムSは、情報提供サーバ1及び広告処理サーバ2等を含んで構成される。広告処理サーバ2は、本発明の情報処理装置の一例である。情報提供サーバ1及び広告処理サーバ2は、ネットワークNWに接続されている。ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(CommunityAntennaTelevision)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築される。また、情報提供サーバ1及び広告処理サーバ2には、ネットワークNWを介して、端末Tn(n=1,2,3・・・k)が接続可能になっている。なお、端末Tnとしては、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話機、携帯情報端末(PDA:PersonalDigitalAssistant)、携帯電話と携帯情報端末を融合させた携帯端末(Smartphone)、又は携帯ゲーム機等の端末装置が適用可能である。また、端末Tnのユーザとして、後述するページ管理者、閲覧者、広告主等が挙げられる。
【0034】
情報提供サーバ1は、ブログサイトやSNS(SocialNetworkingService)サイト等のWebサイトを提供するサーバである。Webサイトは、複数のユーザごとに割り当てられ、固有のURL(UniformResourceLocator)が付与されている。Webサイトには、端末Tnへ提供されるWebページに表示可能な記事が登録される。記事は、例えばテキストデータにより構成される。Webサイトが割り当てられたユーザは、当該Webサイトから提供されるWebページを管理する管理者(以下、「ページ管理者」という)となる。このページ管理者には、例えば、端末Tnを通じて所定の手続きを行うことでWebサイトを開設した開設者(ユーザ)が該当する。また、Webサイトの開設者の他にも、例えばブログサイトの運営者から提供されるブログサービスの利用者もページ管理者に該当する。ただし、例えば掲示板のようにWebページの管理者により登録された記事に比べて、該Webページの管理者とは異なるユーザにより登録された記事をより多く含むWebページを提供するWebサイトは、本発明の適用対象外である。
【0035】
上記Webサイトから提供されるWebページは、HTML(Hyper Text Markup Language)文書やXHTML文書等の構造化文書、及び画像データ等により構成される。端末Tnは、WebブラウザによりWebサイトのURLを指定することで、該Webサイトから提供されたWebページをディスプレイ上に表れた表示画面(ウインドウ画面)に表示する。これにより、当該Webサイトのページ管理者、または当該Webサイトのページ管理者以外の閲覧者は、Webページ上に表示された情報を閲覧することができる。このようなWebページには、少なくとも、Webサイトのページ管理者より登録された記事を表示(記述)するための記事表示領域と、商品の広告を表示するための広告表示領域とが設けられる。ここで、商品とは取引対象となるものをいい、物品ばかりでなくサービス等も含まれる。サービスには、施設の宿泊サービス、利用サービス等様々なものが含まれる。広告表示領域には、広告処理サーバ2に対して広告配信要求を行い、広告処理サーバ2から広告(広告データ)を取得して該広告表示領域に埋め込むスクリプトが設定されている。このスクリプトは、所定のスクリプト言語(例えば、JavaScript(登録商標))により構成されており、Webページを構成する構造化文書内に記述されている。広告処理サーバ2から提供される広告は、例えばテキストデータや画像データ等により構成される。また、広告には、商品の情報を提供するWebサイトや商品の注文手続を行うWebサイトへのリンク(ハイパーリンク)が設定されている。
【0036】
図2は、記事表示領域と広告表示領域が設けられたWebページの一例を示す図である。図2の例では、Webページには、複数の記事表示領域51?53、及び複数の広告表示領域61?63が設けられている。記事表示領域51?53には、それぞれ、該記事表示領域に表示される記事の登録日時が対応付けられている。登録日時が新しい記事ほどWebページのより上部(最初に表示される位置)に設けられた記事表示領域に表示される。」

「【0069】
上記実施形態においては、図2に示すように、記事表示領域51?53及び広告表示領域61?63が表示画面D上を移動表示(例えばスクロール表示)可能である構成について説明したが、記事表示領域51?53が表示画面D上を移動表示可能とし、広告表示領域61?63が表示画面D上に固定表示されるように構成してもよい。ここで、広告表示領域61?63が固定表示の状態では、Webページの表示中、広告表示領域61?63上に別のウインドウ画面が重なっていない限り常にアクティブ状態にある。このようなWebページの場合、広告処理サーバ2の広告表示制御部246は、記事表示領域の移動(例えばスクロール)に応じて、広告表示領域に表示される広告を端末TnのWebブラウザに切り替えさせるように構成するとよい。
【0070】
図8は、記事表示領域の移動(例えばスクロール)に応じて、広告表示領域に表示される広告が切り替えられる様子を示す図である。図8の例では、広告表示領域61?63を含む右半分の領域が固定表示状態になっている。例えば、図8(A)に示すように記事表示領域51がアクティブ状態にあるときには、当該記事表示領域51に記述された記事aに基づいて図4に示す処理により決定された商品の広告a1?a3が広告表示領域61?63に表示される。そして、記事表示領域の移動(例えばスクロール)に応じて、図8(B)に示すように記事表示領域52がアクティブ状態になったときには、当該記事表示領域52に記述された記事bに基づいて図4に示す処理により決定された商品の広告b1?b3が広告表示領域61?63に表示されるように切り替えられる。このような広告表示切り替え制御は、広告表示制御部246が記事表示領域の移動(例えばスクロール)に応じてリアルタイムに行うように構成してもよい。しかし、システム負荷やタイムタグを低減するために、広告表示制御部246は、予め記事表示領域51?53に記述されたそれぞれの記事a?cを取得し、それぞれの記事に基づいて図4に示す処理により記事a?cごとに商品を決定して当該商品の広告とともに上記広告表示切り替え制御を規定するスクリプトを端末TnのWebブラウザへ送信するように構成することが望ましい。これにより、広告表示制御部246は広告表示領域に表示される広告をWebブラウザに切り替えさせる。このような構成によれば、閲覧者によるスクロールを伴う閲覧に追従して適切な広告を表示させることができる。」

「図8



上記記載事項の特に下線部に着目すれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。

「端末Tnとしては、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話機、携帯情報端末(PDA:PersonalDigitalAssistant)、携帯電話と携帯情報端末を融合させた携帯端末(Smartphone)、又は携帯ゲーム機等の端末装置が適用可能であって,
端末Tnは、WebブラウザによりWebサイトのURLを指定することで、Webサイトから提供されたWebページをディスプレイ上に表れた表示画面(ウインドウ画面)に表示しており、
このようなWebページには、少なくとも、Webサイトのページ管理者より登録された記事を表示(記述)するための記事表示領域と、商品の広告を表示するための広告表示領域とが設けられており,
広告表示領域には、広告処理サーバ2に対して広告配信要求を行い、広告処理サーバ2から広告(広告データ)を取得して該広告表示領域に埋め込むスクリプトが設定されており,このスクリプトは、所定のスクリプト言語(例えば、JavaScript)により構成されており、Webページを構成する構造化文書内に記述されており,


Webページにおいて、複数の記事表示領域51?53、及び複数の広告表示領域61?63が設けられ、
記事表示領域51に記述された記事aに基づいて決定された商品の広告a1?a3が広告表示領域61?63に表示され、
記事表示領域の移動(例えばスクロール)に応じて、
記事表示領域52に記述された記事bに基づいて決定された商品の広告b1?b3が広告表示領域61?63に表示されるように切り替えられ、
広告表示切り替え制御を規定するスクリプトを端末TnのWebブラウザへ送信するように構成されており,これにより、広告表示領域に表示される広告をWebブラウザに切り替えさせる
方法。」

ウ その他の引用文献記載事項と周知技術

(ア)引用文献2の記載事項

a 本願の出願日前に頒布された刊行物である特表第2011-517812号公報(以下、「引用文献2」という)の従来技術には、図面とともに次の事項が記載されている。

(a)「【0005】
上記図1、図3、及び図5では、各々www.youtube.com、www.youtube.co.kr、www.flic
kr.comにおいて、動画や写真などの情報をどんな方式により提供しているかに対する例を示している。」

(b)「図3



b 引用文献2の図3におけるウェブページにおいて、左上の動画表示欄に動画コンテンツを配置するとともに,右下領域に,右部にスクロールバーの付加された「関連動画」一覧リストを配置し、その一覧リストでは,関連動画のサムネイルとタイトルを配置しており、このような関連動画の一覧リストや,関連動画のサムネイル画像およびタイトルは、いずれも,ウェブページの一要素を構成するコンテンツであるといえる。

(イ)引用文献3の記載事項

a 本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の文献(以下、「引用文献3」という)の従来技術には、次の事項が記載されている。
引用文献3:"フレームを使ってWebページをお化粧直し",2001年 4月 1日,[検索日:2020年5月28日], インターネット,

(a)「現在大量にアップロードされているWebページのHTMLソースをご覧ください。ものすごい数のテーブルが別のテーブルにネストされ、そのテーブルがまた別のテーブルにネストされて、さまざまなインライン・カラーとフォントが定義されていることが分かります。これでは、不必要な量のHTMLをWebページに追加しているだけでなく、ページが保守しにくくなる場合もあります。さらに、テーブルの場合は、Webの各ページにサイト・ナビゲーションなど、サイト情報の共通部分を格納しておかなければなりません。つまり、あるページ上でこれらの要素に変更を加えたい場合は、ずべてのページでその変更を行わなければなりません。」

(b)「フレームを説明する一番良い方法は、例を見ることです。図1 に、4つのフレームを使用するWebページの例を示します。4つのフレームは以下のとおりです。
青と黒のバナーを含むヘッダー
色は黒で、一部の標準サイト情報を含むフッター
左側のナビゲーション領域(青)
サイトのウェルカム情報を含む右側のフレーム (白)
これらの4つのフレームは、それぞれ別のフレームのコンテンツに影響を与えずに更新できます。
たとえば、図1 で、左側の青のナビゲーション領域にあるリンクをクリックすると、右側のフレーム内のコンテンツは、適切な情報を表示するように変更されます。ただし、フレームを使用するということは、他の3つのセクションを変更しないということ、つまり、セクションの再ロードにリソースを消費しない、ということです。また、これらのフレームは変更されないので、ユーザーが右の白いフレーム内のコンテンツをスクロールしているとき、残りの3つのフレーム内の情報は変更されず、いつでも使用することができます。」

(c)「



(d)
「基礎知識
あるフレーム内のリンクをクリックして別のフレームにコンテンツをロードするなど、前述の内容は現時点では少し不思議な感じがするかもしれません。これを説明するため、2つのフレームを使用する基本的なWebページを示し、フレームセットの作成を紹介しましょう。
Webサイトでフレームが表示されている場合は、必ず数多くのHTMLファイルが使用されています。フレームの全体のレイアウトを定義するHTMLファイルと、各フレームに対応する1つのHTMLファイルがあります。たとえば、図2 は、framessample1.html (これは、残り2つのファイルのレイアウトを管理するフレーム・ファイル)、bannerfile.html、contentfile.htmlの3つのHTMLファイルから成り立っています。
図2: フレームを使用しているWebページの例

たった2つのフレームを作成する場合も、最小限の設計が必要です。各フレームのソースに対し2つのHTMLファイルが必要です。また、2つのフレームのサイズを選び、画面を横方向に分割するか、縦方向に分割するかも決めなければなりません。図2に示すフレームの作成には、リスト1 のHTMLを使用しました。
リスト1: 2フレームHTMLファイルの例
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11

Sample two frame HTML file




src="bannerfile.html">



src="contentfile.html">


<
noframes>Netscape Navigator 2 or higher and Microsoft Internet Explorer3 or higher is
required to view frames.




b 以上から,引用文献3には、ウェブページ内に,フレームを用いて,コンテンツを表示するためのスクロール可能な特定のコンテンツ配置し、当該コンテンツ内に、画像などのコンテンツや、テキストなどのHTMLで記述されたウェブコンテンツを配置することが記載されているといえる。

(ウ)引用文献4に記載の周知技術

a 原査定の拒絶理由に引用された下記の文献(以下、引用文献4)という)には、次の事項が記載されている。
引用文献4: 原田秀司,UIデザインの教科書,株式会社翔泳社,2013年11月18日,初版,pp.104?105

(a)「スクロールとページングの関係
向きが変われば動きも変わる
テキストのボリューム、画面の方向、要素の形状などによって、全体がスクロールする基本的な方向も決まります(スクロールとは、連続して 無段階に見せてゆく表示方式を指し、ページングとは、段階的に全体が切り替わる表示方式を指します。)」

(b)「スクロールとページング
左図はiOS売りのSmartNews。右図はPCで見たWebサイト版のGmail。どちらのサービスも、縦にスクロール、横にページングを使っており、スクロールとページングは直行している。」

(c)「



(d)





b 引用文献4の、特に「左図」には、コンテンツ(「SmartNews」)内に特定のコンテンツ(「経済」タグを含む「ブラックベリー?」から「ヘリウム?」の記事全体)を配置し、特定のコンテンツ内に、「経済」タグであるコンテンツや、「ブラックベリー?」から「ヘリウム?」の記事全体であるコンテンツ等の複数種類のコンテンツを配置することが記載されている。

(エ)周知技術

以上(ア)、(イ)より,コンテンツ表示技術分野において,ウェブページ内に特定のコンテンツを配置し,その特定のコンテンツ内に、画像などのコンテンツや,テキストなどのHTMLで記述されたウェブコンテンツを配置する技術は,本願出願前に周知であったと認められる。
また、(ウ)より、コンテンツ表示技術分野において、コンテンツ内に特定のコンテンツを配置し、複数種類のコンテンツを配置することは周知であったと認められる。

エ 対比

本件補正発明と引用発明とを対比する。

(ア) 引用発明において、「端末Tnとしては、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話機、携帯情報端末(PDA:PersonalDigitalAssistant)、携帯電話と携帯情報端末を融合させた携帯端末(Smartphone)、又は携帯ゲーム機等の端末装置が適用可能」とされているから,引用発明の「端末Tn」は、本件補正発明の「コンピュータ」に対応するといえる。

(イ) 引用発明の「Webページには、少なくとも、Webサイトのページ管理者より登録された記事を表示(記述)するための記事表示領域と、商品の広告を表示するための広告表示領域とが設けられて」いるから,引用発明の「Webページ」は、記事や広告などが配置されたウェブページであり、一般に,Webページは,HTMLなどのWeb技術を用いて記述されているコンテンツであるから、記事や広告などの各種コンテンツが配置されたウェブページ(ウェブコンテンツ)である点で本件補正発明の「第1ウェブコンテンツ」と共通しているといえる。

引用発明の「記事a」は、Webページ内に配置されるコンテンツであり,また,Webページ内に配置される記事などのテキストコンテンツは,一般に,HTMLなどのWeb技術を用いて記述されていることは技術常識であるから、本件補正発明の「第2ウェブコンテンツ」に対応するといえる。

引用発明の「広告表示領域」は「記事表示領域」と共に表示されるものであり、例えば「広告a1」は、「記事a」と共にWebページに配置されるコンテンツであるから、本件補正発明の「第2コンテンツ」に対応するといえる。

Webブラウザは,コンピュータ端末等で実行されるプログラムであることは技術常識であって,引用発明において「端末Tnは、WebブラウザによりWebサイトのURLを指定することで、Webサイトから提供されたWebページをディスプレイ上に表れた表示画面(ウインドウ画面)に表示して」おり,引用発明のWebページ内において、記事表示領域に記事aを配置し、広告表示領域に広告a1を配置して、記事a及び広告a1を表示画面に表示させているから、引用発明のWebブラウザと本件補正発明とは、「第1ウェブコンテンツ内に」、「第2ウェブコンテンツと第2コンテンツとを配置して各コンテンツを表示する」手順をコンピュータに実行させるためのプログラムである点で共通するといえる。

(ウ) 引用発明の「記事b」は、Webページの記事表示領域に表示されるコンテンツであるから、本件補正発明の「第3ウェブコンテンツ」に対応するといえる。

引用発明において、「記事a」が表示されている時に、記事表示領域を移動(例えばスクロール)させた場合に、このようなスクロールなどの操作に応じて、「記事a」に表示されていた領域に「記事b」が表示されるようになるから、このようなスクロール操作は、本件補正発明の「前記第2ウェブコンテンツを第3ウェブコンテンツへと変更する操作」であるといえる。

引用発明の「広告b1」も、「広告a1」と同様に、Webページ内の広告表示領域に表示されるコンテンツであるから、本件補正発明の「第3コンテンツ」に対応するといえる。

引用発明において、記事aと共に、記事aに基づいて決定された広告a1を表示し、記事表示領域を移動させるスクロール操作に応じて、記事aに表示されている領域に記事bが表示されるよう変更すると共に、広告a1に表示されている領域に広告b1が表示されるよう切り替えられており、このような広告表示切り替え制御は、記事の表示を変更させるスクロール操作に起因して、また、スクロール操作に追従して、行われているものである、つまり、引用発明の広告表示切り替え制御は,記事の表示を変更させるスクロール操作に連動して広告の表示を変更しているものであるといえる。
また,引用発明において「広告表示切り替え制御を規定するスクリプトを端末TnのWebブラウザへ送信するように構成されており,これにより、広告表示領域に表示される広告をWebブラウザに切り替えさせ」ており,「このスクリプトは、所定のスクリプト言語(例えば、JavaScript)により構成されており、Webページを構成する構造化文書内に記述されて」いるものであるから,引用発明の広告表示切り替え制御は,Webブラウザが所定のスクリプトに従ってコンピュータ端末に行わせている手順であるといえる。
したがって,引用発明のWebブラウザと,本件補正発明とは、「前記第2ウェブコンテンツを第3ウェブコンテンツへと変更する操作と連動して前記第2コンテンツを第3コンテンツへと変更する」手順をコンピュータに実行させるためのプログラムである点で共通するといえる。

(エ) 以上(ア)?(ウ)より、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は次のとおりである。

[一致点]
コンピュータに、
第1ウェブコンテンツ内に、第2ウェブコンテンツと第2コンテンツとを配置して各コンテンツを表示する表示手順と、
前記第2ウェブコンテンツを第3ウェブコンテンツへと変更する操作と連動して前記第2コンテンツを第3コンテンツへと変更する変更手順と
を実行させるための情報表示プログラム。

[相違点]
本件補正発明では,第1コンテンツを第1ウェブコンテンツ内に配置しているのに対し、引用発明では,そのように構成されていない点。

オ 相違点についての判断

上記相違点について検討する

上記ウ(ウ)で述べたように、コンテンツ表示技術分野において,ウェブページ内に特定のコンテンツを配置し,その中に、画像などのコンテンツや,テキストなどのHTMLで記述されたウェブコンテンツを配置することは、本出願の出願日前から周知の技術であるから、引用発明の情報表示プログラムにおいても、当該周知技術を用いて、ウェブページ(第1ウェブコンテンツ)内に特定のコンテンツ(第1コンテンツを)配置し,当該特定のコンテンツ内に,ウェブコンテンツとコンテンツとを配置する構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。
また、上記ウ(ウ)で述べたように、コンテンツ表示技術分野において、コンテンツ内に特定のコンテンツを配置し、その特定コンテンツ内に複数種類のコンテンツを配置することは本出願の出願日前から周知の技術であるから、引用発明の情報表示プログラムにおいても、コンテンツ(第1ウェブコンテンツ)内に、特定のコンテンツ(第1コンテンツ)を配置し、その特定コンテンツ内に複数種類のコンテンツを配置することは、当業者が容易に想到し得たものである。

また,本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものに過ぎず、格別顕著なものということはできない。

したがって,本件補正発明は,引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。

(4)小活

よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1.本願発明

上述のとおり、平成31年2月19日にされた本件補正は却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成30年7月31日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、上記第2の1.(1)に記載されたとおりのものである。

2.刊行物に記載された発明

引用文献1の記載事項及び引用発明は、上記第2の2.(2)「イ 引用発明」に記載したとおりである。

3.本願発明と引用発明との対比・判断

本願発明は、上記第2の2.(1)で述べたように、本件補正発明から、第1コンテンツ内に配置されるものから,「第2ウェブコンテンツ」と「第3ウェブコンテンツ」を省き、「前記第2ウェブコンテンツを第3ウェブコンテンツへと変更する操作と連動して」を「前記第1コンテンツに対する操作に応じて」と上位概念化したものであるから、本願発明と引用発明とは、上記の構成を除いて、上記第2の2.(2)「エ 対比」と同様に対比でき、本願発明と引用発明との一致点は、上記第2の2.(2)「エ 対比」[一致点]で述べた本件補正発明と引用発明との一致点と同様のものであり、相違点は上記第2の2.(2)「エ 対比」[相違点]と同様のものである。
したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献2に記載の周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび

以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2020-06-04 
結審通知日 2020-06-09 
審決日 2020-06-23 
出願番号 特願2016-169975(P2016-169975)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 池田 聡史  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 永野 志保
野崎 大進
発明の名称 情報表示プログラム、配信装置、情報表示方法および情報表示装置  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  
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