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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F25D
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F25D
管理番号 1365364
審判番号 不服2019-4670  
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-04-08 
確定日 2020-08-13 
事件の表示 特願2014-161337「冷蔵庫」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 3月22日出願公開、特開2016- 38146〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年8月7日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成30年5月31日付けで拒絶理由通知
平成30年8月6日に意見書及び手続補正書の提出
平成30年12月27日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)
平成31年4月8日に審判請求書及び手続補正書の提出

第2 平成31年4月8日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成31年4月8日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の請求項2の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項2の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「 【請求項2】
内部に貯蔵室を有する断熱箱体と、
前記断熱箱体を構成する内箱の背面に備えられる真空断熱パネルと、
前記内箱の背面の縁部に配置されるサクションパイプと、
前記内箱の背面の縁部に前記サクションパイプを固定する固定具と、
を備え、
前記固定具は、前記サクションパイプを前記内箱に対して断熱性を保持した状態で固定しており、
前記真空断熱パネルの厚さ方向から見た場合に、前記固定具の前記サクションパイプを保持する部分が前記真空断熱パネルに重複していない冷蔵庫。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載
本件補正前の、平成30年8月6日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「 【請求項1】
内部に貯蔵室を有する断熱箱体と、
前記断熱箱体を構成する内箱の背面に備えられる真空断熱パネルと、
前記内箱の背面の縁部に配置されるサクションパイプと、
前記内箱の背面の縁部に前記サクションパイプを固定する固定具と、
を備え、
前記固定具は、前記サクションパイプを前記内箱に対して断熱性を保持した状態で固定する冷蔵庫。」

2 補正の適否
上記補正は、本件補正前の請求項1に係る発明における発明特定事項である「固定具」の配置を限定して、本件補正後の請求項2とするものであり、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項2に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項2に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項
ア 引用文献1
(ア)引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された刊行物である、特開2014-6040号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(なお、下線は当審において付したものである。また、「・・・」は記載の省略を示す。)。
「【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭用の冷蔵庫に用いられる断熱箱体は、左側板、右側板、天板、底板および背板を有する鋼板製の外箱と、この外箱の左側板、右側板、天板、底板および背板に対応する左側板、右側板、天板、底板および背板を有する合成樹脂製の内箱との間に形成される空間部に、発泡ウレタンからなる発泡断熱材を発泡充填して形成したものが一般的である。このような断熱箱体は、内箱の内部に前面が開口した貯蔵室を有していて、その貯蔵室は周囲が各部の断熱壁によって囲まれた構成となっている。貯蔵室の奥部には、その貯蔵室に冷気を供給するための冷凍サイクルの冷却器および送風ファンが配置された送風ダクトが設けられている。
【0003】
ところで、冷凍サイクルにおいては、冷却器の冷媒入口側および冷媒出口側に接続される配管たるキャピラリチューブおよびサクションパイプを熱交換してキャピラリチューブの熱によりサクションパイプ内の冷媒の気化を促進させて運転効率を高め、以って、使用電力の節減を図るようにすることが知られている。このため、冷蔵庫においては、キャピラリチューブおよびサクションパイプが内箱の背板を貫通して内箱外に導出され、熱交換可能にロー付けにより一体化してパイプ体とされ、このパイプ体が熱交換可能な長さを充分に確保すべく背板に沿って例えばU字状に配置される。また、前記冷却器の除霜水排出用の配管たる排水ホースも内箱の背板を貫通して内箱外に導出され、断熱箱体下部の除霜水蒸発皿に指向するように背板に沿って配置される。
【0004】
一方、冷蔵庫においては、外箱の背板と内箱の背板との間に断熱材たる発泡断熱材が充填されて背部断熱壁が構成されるので、発泡断熱材の使用量を節減すべく薄形化を図ろうとしているが、上述したように、内箱の背板外に配管が存在すると、配管が発泡断熱材に完全に埋設されるように、発泡断熱材の厚さ寸法を確保する必要があり、背部断熱壁の断熱材の薄形化には限度がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特開2007-78264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、配管の影響を受けることなく背部断熱壁における断熱材の薄形化を図ることができる冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態の冷蔵庫は、左側板、右側板、天板、底板および背板を有する外箱と、この外箱内に配置され、前記外箱の左側板、右側板、天板、底板および背板に対応する左側板、右側板、天板、底板および背板を有する内箱と、この内箱と前記外箱との間に配置されて各部の断熱壁を構成する断熱材とを備え、内部に貯蔵室を有する断熱箱体と、この断熱箱体の貯蔵室の奥部に設けられ、内部に前記貯蔵室に冷気を供給するための冷凍サイクルの冷却器および送風ファンが配置された送風ダクトとを具備し、前記内箱の背板の断熱材と接近する部分に配管が存在せず、該内箱に内方へ突出する収納凹部が形成されていて、この収納凹部に配管が配置されていることを特徴とする。」

「【0010】
図1および図2に示すように、断熱箱体1は、詳細は後述するが、鋼板製の外箱2と合成樹脂製の内箱3との間(の空間部)に断熱材を有して構成されており、内部に複数の貯蔵室が設けられている。具体的には、図2に示すように、断熱箱体1内には、上段から順に、冷蔵室4、野菜室5が設けられ、その下方に製氷室6と小冷凍室(図示せず)が左右に並べて設けられ、これらの下方に冷凍室7が設けられている。製氷室6内には、自動製氷装置8が設けられている。」

「【0021】
次に、冷凍サイクル16の構成について詳述する。冷凍サイクル16は、図3に示すように、冷媒の流れ順に、圧縮機20と、凝縮器21と、ドライヤ22と、三方弁23と、キャピラリチューブ24および25と、冷却器17および18とが環状に接続されて構成される。圧縮機20の高圧吐出口には、凝縮器21とドライヤ22とが順に接続パイプ26を介して接続されている。ドライヤ22の吐出側には、三方弁23が接続されている。三方弁23は、ドライヤ22が接続される1つの入口と、2つの出口とを有している。三方弁23の2つの出口のうち、一方の出口には、接続用の配管である冷蔵側キャピラリチューブ24と冷蔵用冷却器17とが順に接続されている。この冷蔵用冷却器17は、接続用の配管である冷蔵側サクションパイプ27を介して圧縮機20に接続されている。
【0022】
三方弁23の2つの出口のうち、他方の出口には、接続用の配管である冷凍側キャピラリチューブ25と冷凍用冷却器18とが順に接続されている。この冷凍用冷却器18は、接続用の配管である冷凍側サクションパイプ28を介して圧縮機20に接続されている。なお、冷凍用冷却器18と圧縮機20との間には、冷蔵用冷却器17からの冷媒が冷凍用冷却器18側に逆流しないための逆止弁29が設けられている。」

「【0023】
次に、断熱箱体1の具体的構成について、図1、図3ないし図5をも参照しながら説明する。
鋼板製の外箱2は、左側板50、右側板51、天板52、底板53および背板54を有するもので、前面が開口する。左側板50、右側板51、天板52は、一枚の長尺な鋼板をほぼU 字状に折曲することにより形成されている。底板53には、機械室19を形成するための段差部53aが折曲形成されている。また、左側板50および右側板51において、前端部には、内方に突出するフランジ部50aおよび51a(図1参照)が形成され、後端部には、前方に指向するフランジ部50bおよび51b(図1参照)が形成されている。更に、背板54の左右の両端部には、前記左側板50および右側板51のフランジ部50bおよび51bに挿入係合されるフランジ部54aおよび54b(図1参照)が形成されている。なお、背板54の左右両側部の中央部には、注入孔55(図4参照)がそれぞれ形成されている。
【0024】
合成樹脂製の内箱3は、真空成形機で一体成形されたもので、外箱2の左側板50、右側板51、天板52、底板53および背板54と対応する左側板56、右側板57、天板58、底板59および背板60を有するもので、前面が開口する。底板59には、外箱2の底板53の段差部53aに対応して機械室19を形成するための段差部59aが形成されている。左側板56および右側板57の前端部には、前記外箱2の左側板50および右側板51のフランジ部50aおよび51aに挿入係合されるフランジ部56aおよび57aが形成されている。また、背板60とこれに連なる他の板たる左側板56、右側板57および天板58とのなすコーナ部には、該コーナ部よりも内箱3の内方に突出する状態になる収納凹部としての面取り部61、62および63(図1、図2および図4参照)が形成されている。そして、内箱3の背板60の左右の両側部には、基端部が面取り部61若しくは62に位置して左側板50,56間若しくは右側板51,57間に連なるようにして内箱3の内方に突出する複数の凹部64が形成されている。なお、各凹部64の先端部には、ガス抜き孔64a(図1参照)が形成されている。
【0025】
そして、冷凍サイクル16の冷蔵側キャピラリチューブ24および冷蔵側サクションパイプ27は、図5に示すように、内箱3内の背板60側から面取り部62側に導かれて、その面取り部62外方に導出され、互いに例えばロー付けされて熱交換可能に一体化されてパイプ体65を構成する(図1および図2参照)。更に、このパイ体65は、内箱3の面取り部62の外面に沿って上昇し、更に、面取り部63の外面に沿って左側板56方向に指向し、左側板56側でUターンして右側板57方向に指向した後、面取り部62の外面に沿って下降するように配置される。
【0026】
ここで、冷凍サイクル16の冷蔵側キャピラリチューブ24および冷蔵側サクションパイプ27を熱交換可能に一体化するのは、冷蔵側キャピラリチューブ24の熱により冷蔵側サクションパイプ27内の冷媒の気化を促進して冷凍サイクルの16の運転効率をよくし、電力使用量の節減を図るためである。なお、この実施形態では、冷凍側キャピラリチューブ25および冷凍側サクションパイプ28についても同様の配置がなされるが、ここでは図示を省略する。また、冷蔵側水受部33の冷蔵側排水ホース34は、図5に示すように、内箱3内の背板60側から面取り部62側に伸ばされて、その面取り部62の外方に導出され、更に、この面取り部62の外面に沿って下降するように配置される。
【0027】
しかして、図1、図2および図4に示すように、外箱2の左側板50および右側板51の内面には、両面接着テープ或いはホットメルトなどの接着剤によりそれぞれ断熱材としての真空断熱パネル66および67の裏面が接着され、内箱3の天板58および底板59の外面には、両面接着テープ或いはホットメルトなどの接着剤によりそれぞれ断熱材としての真空断熱パネル68および69の表面が接着され、外箱2の背板54の内面には、両面接着テープ或いはホットメルトなどの接着剤により断熱材としての真空断熱パネル70の裏面が接着されている。そして、図1に示すように、外箱2内に内箱3を配置して、内箱3の左側板56および右側板57のフランジ部56aおよび57aを外箱2の左側板50および右側板51のフランジ部50aおよび51aに挿入係合させ、底板53を外箱2の左側板50および右側板51に取り付け、更に、背板54を外箱2の左側板50、右側板51、天板62および底板53に取り付けて、真空断熱パネル70の表面を内箱3の背板60の外面に圧接させる。
【0028】
その後、図4に示すように、外箱2および内箱3の前面開口部が下側になるようにし、内箱3内に発泡治具を嵌め込んだ状態にして、その外箱2の背板54の注入孔55から発泡ウレタンからなる発泡断熱材の原液を注入する。注入孔55から外箱2と内箱3との間に注入された発泡断熱材の原液は、外箱2および内箱3の前面開口部のフランジ部50a、51aおよび56a、57aで受けられた後、発泡により膨張して外箱2および内箱3の左側側板50および56間、右側板51および57間並びに天板52および58間を上昇して充填され、断熱材としての発泡断熱材71が構成される。
【0029】
上記断熱材として真空断熱パネル66ないし70と発泡断熱材71との併用による断熱箱体1において、図1に示すように、左側板50、56、真空断熱パネル66および発泡断熱材71aは、左側部断熱壁を構成し、右側板51、57、真空断熱パネル67および発泡断熱材71bは、右側部断熱壁を構成し、図2に示すように、天板52、58、真空断熱パネル68および発泡断熱材71cは、天部断熱壁を構成し、底板53、59、真空断熱パネル69および発泡断熱材71dは、底部断熱壁を構成し、図1および図2に示すように、背板54、60および真空断熱パネル70は、背部断熱壁を構成する。この場合、断熱箱体1において、真空断熱パネル66ないし70は、ほぼ等しい厚さ寸法に設定されており、発泡断熱材71aないし71dは、ほぼ等しい厚さ寸法に設定されているが、その発泡断熱材71aないし71dの厚さ寸法は、真空断熱パネル66ないし70の厚さ寸法と同等以下例えばほぼ等しく設定されている。
・・・
【0032】
また、上記の場合、断熱箱体1においては、内箱3の右側板57と背板60とがなすコーナ部および天板58と背板60となすコーナ部に面取り部62および63が形成されていて、面取り部62および63が内箱4の内方に突出する分だけ面取り部62および63の外方に空間が生じてこれが収納凹部となって、ここにも発泡断熱材71fおよび71gが充填されてその厚さが増すようになり、この実施形態では、図1および図2に示すように、その増加した発泡断熱材71fおよび71gの部分にパイプ体65が埋設されるとともに、図1に示すように、冷蔵側排水ホース34が発泡断熱材71f部分に埋設される。
【0033】
このように第1の実施形態によれば、内箱3の背板60とこれに連なる左側板56、右側板57および天板58とのなすコーナ部には、該コーナ部よりも内箱3の内方に突出する状態になる収納凹部としての面取り部61、62および63が形成され、これらのいずれかとしての面取り部62および63の外方に発泡断熱材71fおよび71gが充填されてその厚さが増すようになり、その増加した発泡断熱材71fおよび71gの部分に接続用の配管たるパイプ体65が埋設されるとともに、排水用の配管たる冷蔵側排水ホース34が発泡断熱材71f部分に埋設されるので、外箱2の背板54と内箱3の背板60との間にパイプ体65および冷蔵側排水ホース34を配置する必要はなくなり、外箱2の背板54と内箱3の背板60との間に厚さ寸法の小なる真空断熱パネル70を容易に配置させることができる。即ち、内箱3の背板60の真空断熱パネル70と接近する部分たる背板60の外面側には、配管たるパイプ体65および冷蔵側排水ホース34は存在しないのである。
【0034】
そして、外箱2の背板54と内箱3の背板60との間に真空断熱パネル70を配置し、外箱2と内箱3との間に発泡断熱材の原液を注入して発泡充填させたときに、発泡断熱材が真空断熱パネル70と内箱3の背板60との間にほとんど流入充填されないようにしたので、発泡断熱材が背板54と背板60との間に流入するような発泡圧を得るべく必要な発泡倍率以上の原液を注入する必要はなく、発泡断熱材の使用量の節減を図ることができる。」

「【0063】
以上のように、本実施形態の冷蔵庫によれば、左側板、右側板、天板、底板および背板を有する外箱と、この外箱内に配置され、前記外箱の左側板、右側板、天板、底板および背板に対応する左側板、右側板、天板、底板および背板を有する内箱と、この内箱と前記外箱との間に配置されて各部の断熱壁を構成する断熱材とを備え、内部に貯蔵室を有する断熱箱体と、この断熱箱体の貯蔵室の奥部に設けられ、内部に前記貯蔵室に冷気を供給するための冷凍サイクルの冷却器および送風ファンが配置された送風ダクトとを具備する。そして、前記内箱の背板の断熱材と接近する部分に配管が存在せず、該内箱に内方へ突出する収納凹部が形成されていて、この収納凹部に配管が配置されている。これにより、配管の影響を受けることなく背部断熱壁における断熱材の薄形化を図ることができる。」













(イ)上記(ア)及び図面の記載から認められる事項
上記(ア)及び図面の記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
a 上記(ア)の段落0001?0007、0010及び0063並びに図1?5の記載によれば、引用文献1には、冷蔵庫が記載されている。

b 上記(ア)の段落0007、0010、0023、0024及び0027?0029並びに図1及び2の記載によれば、冷蔵庫は、内部に冷蔵室4を有する断熱箱体1と、前記断熱箱体1を構成する内箱3の背面に備えられる真空断熱パネル70とを備えることが記載されている。

c 上記(ア)の段落0021、0022、0024?0026、0032?0034及び0063並びに図1?5の記載によれば、冷蔵庫は、内箱3の背板60と右側板57とのなすコーナー部に形成された収納凹部としての面取り部62の外面に沿って配置される、冷凍サイクル16の冷蔵側キャピラリチューブ24と互いに熱交換可能に一体化されてパイプ体65を構成する冷蔵側サクションパイプ27を備えることが記載されている。

(ウ)引用発明
上記(ア)及び(イ)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「内部に冷蔵室4を有する断熱箱体1と、
前記断熱箱体1を構成する内箱3の背面に備えられる真空断熱パネル70と、
前記内箱3の背板60と右側板57とのなすコーナー部に形成された収納凹部としての面取り部62の外面に沿って配置される、冷凍サイクル16の冷蔵側キャピラリチューブ24と互いに熱交換可能に一体化されてパイプ体65を構成する冷蔵側サクションパイプ27とを備えた冷蔵庫。」

イ 引用文献2
原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された刊行物である、特開2006-10242号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある(なお、下線は当審において付したものである。)。
「【0017】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における冷蔵庫のサクションパイプ近傍の要部分解斜視図、図2は同実施の形態の冷蔵庫の要部断面図である。
【0018】
図において、冷蔵庫1は、内箱2と、外箱3と、内箱2と外箱3の間に充填した断熱材4とよりなり、冷却器5の出口と圧縮機6とをサクションパイプ7で接続されている。サクションパイプ7は断熱材4を充填発泡する前に、サクションパイプ固定部材8で内箱2に固定される。サクションパイプ固定部材8の庫内側(内箱側)先端には、変形可能な複数の円弧状の弾性形状の固定部9を有し、固定部9は内箱2に設けた穴10に挿入固定される。
【0019】
サクションパイプ固定部材8の固定部9近傍にシール用のヒレ11を設け、内箱2に設けた穴10に挿入固定されると、ヒレ11により穴10をシールする。
【0020】
また、サクションパイプ固定部材8の庫外側(外箱側)先端には、サクションパイプ7を支持する支持部12を有し、支持部12はサクションパイプ7の外径Bよりも狭い寸法Aの開口部13を備え、サクションパイプ7挿入時、変形可能な弾性材料からなる。
【0021】
また、支持部12の先端には開口部13よりも幅広のガイド部14を一体に設けている。
【0022】
上記構成により、サクションパイプ7は断熱材4を充填発泡する前に、サクションパイプ固定部材8で内箱2に固定されるので、配設位置の作業ばらつきを低減することができ、サクションパイプと内箱との所定距離を確実に確保することで、冷蔵庫の外表面の発汗を防止することができる。また、サクションパイプの固定作業性を向上することができる。」

「【図1】


【図2】



ウ 引用文献3
原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された刊行物である、特開2005-48979号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある(なお、下線は当審において付したものである。)。
「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は真空断熱材を使用した冷蔵庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、断熱材として熱伝導が発泡断熱材よりもはるかに低い真空断熱材を用いた冷蔵庫が提供されている。このような冷蔵庫では、冷蔵庫の断熱箱体内の最下部に冷凍室を構成し、冷凍室の両側方及び背方に真空断熱材を配置している。また、凝縮器から蒸発器へ冷媒を導く高温冷媒配管と蒸発器から圧縮機に冷媒を導く低温冷媒配管を、真空断熱材の上方の発泡断熱材中に交熱的に配置している冷蔵庫が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開平10-205995号公報 (4?5頁、図5、図9)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術では、冷蔵庫背面の露付き防止についての考慮が充分でなかった。
【0004】
真空断熱材の外被材として、例えばガスバリア性の良好で熱伝導度の大きいアルミ箔等の金属箔と金属箔に熱溶着可能な有機材フィルムとの複合フィルムで構成するが、外被材に低温冷媒配管が接触すると、低温冷媒配管接触部から外被材の金属箔へ低温が伝導し、さらに外箱に伝導して外箱面の露付きにいたる場合があった。
【0005】
また、冷蔵庫が完成したときに低温冷媒配管と真空断熱材が離れている場合であっても、冷蔵庫の組立作業中に低温冷媒配管と真空断熱材とが接触してしまうことがあり、この接触箇所の真空断熱外被材が損傷する場合があった。外被材が僅かでも損傷すると、その損傷が原因となってガスバリア性が次第に劣化し、長期間経過後に真空断熱材の真空度が減少して断熱性能の劣化をきたし、外箱面に露付きの生じる場合がある。
【0006】
本願発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、真空断熱材を備えた冷蔵庫において、外箱表面の露付きを抑制する冷蔵庫を提供するにある。
・・・
【0008】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、外箱と、内箱と、前記外箱と前記内箱の内側に発泡断熱体を充填した箱体と、前記箱体の下部に設けられた圧縮機と、前記内箱の内側に配置された蒸発器と、前記圧縮機から冷媒を凝縮器、前記蒸発器、そして前記圧縮機へと循環させる冷凍サイクルを備えた冷蔵庫であって、前記蒸発器から前記圧縮機へと冷媒を導く低温冷媒配管を前記外箱と前記内箱の間に配置し、前記低温冷媒配管と前記外箱との間に前記蒸発器の背方投影面を覆うように真空断熱材を配置し、前記低温冷媒配管を前記真空断熱材と離間させる手段により、前記真空断熱材を前記冷温冷媒配管と離間して配置したことを特徴とする。
【0009】
この構成により、例えば発泡断熱材を外箱と内箱の間に抽出したときに低温冷媒配管と真空断熱材が接触することを防止できるので、真空断熱材が破れることを防ぐことができる。また、真空断熱材の断熱性能が低下した場合でも、低温冷媒配管と真空断熱材とが接触しないため、外箱表面に結露が発生するのを抑制できる。」

「【0020】
図1は、本発明の一実施例を示す冷蔵庫の縦断面図である。冷蔵庫の箱体1は、外箱2、内箱4から構成されている。また、内箱4の内部には冷蔵室5及び冷凍室6を区画形成してあり、内箱4の内側で冷蔵室または冷凍室の背面側に冷却室仕切り壁7aを隔てて冷却室を設けてある。そして、冷却室7内に設置された蒸発器8により冷却された冷却室内の冷気を送風機15により送風循環することにより、冷蔵室5及び冷凍室6を所定の低温温度に冷却保持している。外箱2と内箱4との間には、ウレタン等の発泡断熱材3、及び発泡断熱材3の外箱側に配設された真空断熱材20a、20b、20cが配置されている。真空断熱材20aは、発泡断熱材3の後ろ側に外箱2に接しかつ蒸発器8の背方投影面を覆うように配置され、真空断熱材20bは、同様に冷蔵室の背面及び上面を覆うように、真空断熱材20cは冷凍室の下面及び機械室1aとの間に配置されている。また、冷蔵庫の側面に配置された真空断熱材(図示せず)もある。
【0021】
冷却室7中の蒸発器8から断熱箱体1下部の機械室1a中の圧縮機10へ冷媒を導くための低温冷媒配管9は、蒸発器8が設置された冷却室7の背面を形成する内箱部4aから発泡断熱材3中に入り、発泡断熱材3中に後述する図2の如く配設され、断熱箱体の底面部2cを通って、断熱箱体1下部の機械室1a内に設置された圧縮機10に接続されている。
【0022】
次に、図2、図3、図4により、冷凍サイクル、各冷媒配管9、11、14の配置や真空断熱材20との位置関係を説明する。
【0023】
図2は図1の冷蔵庫の背面図である。圧縮機10を出たガス冷媒は高温冷媒配管11中を通り、凝縮器12に導かれる。凝縮器12でガス冷媒は放熱し凝縮して液体となり、キャピラリチューブ14を通り、蒸発器8へ向かう。そして、液冷媒は蒸発器8中で吸熱し蒸発して気体になり、低温冷媒配管9を通り、圧縮機10に戻る。
【0024】
低温冷媒配管9は、蒸発器8設置位置の上部内箱部4aから発泡断熱材3中に入り、外箱2と内箱4の間を通り、機械室1aに出て圧縮機10接続されている。低温冷媒配管9は、発泡断熱材3の中では、キャピラリチューブ14と接し交熱的に配置されている。この構成により、凝縮器12を出て蒸発器に8へ流れる高温の液冷媒と、蒸発器8を出て圧縮機10に流れる低温のガス冷媒が熱交換を行う。そして、液冷媒はガス冷媒に冷やされ蒸発器8に行き着くまでに低温になるので、液冷媒が蒸発器8に持ち込む熱を減らし、蒸発器8は効率よく冷蔵庫内を冷やすことができる。また、ガス冷媒はキャピラリ14中の液冷媒に温められるので、ガス冷媒中に液冷媒が残ったまま圧縮機10に入り圧縮機10を傷めることを防ぐことができる。」

「【0027】
また、低温冷媒配管9及びキャピラリチューブ14は、係止具(21、22)により係止されている。これについて、図3、図4を用いて説明する。」
・・・
【0038】
図4(b)は本発明の第二の実施例を示す係止具22の斜視図である。係止具22は、ウレタン発泡断熱材等の断熱性能の良好な断熱材で形成されており、係止具22はその中央に低温冷媒配管9を発泡断熱材3中の所定の位置に保持できる保持部22aを有し、その基部22cを内箱4(図3)に密着固定し、保持部22a近傍の凸部22bは、真空断熱材の表面20a(図3)を傷つけないように、その表面を滑らかに丸みをつけて形成してある。つまり、係止具22はウレタン等の発泡断熱材3を充填する以前に、内箱4と外箱2の間に組込まれる真空断熱材20と低温冷媒配管9が、組込作業中に互いに接触しないように、低温冷媒配管9を内箱4に係止し、かつ、係止具22自身が真空断熱材20aの表面と万一接触しても真空断熱材20aの外被材に損傷を与えないように、表面が滑らかに形成されている。
【0039】
本願発明の一実施例は、低温冷媒配管9を真空断熱材20aから離間させる手段は、発泡材で形成された係止具22であり、係止具22は低温冷媒配管を保持する保持部22aを備えたことを特徴とする。
【0040】
この構成により、冷蔵庫組立作業中に低温冷媒配管9が真空断熱材3に接触し、外被材が損傷し真空の劣化することを防ぐことができる。また、係止具22がが熱伝導度が小さく柔らかい発泡材であるので、係止具自身が熱伝導度を大きくしたり、真空断熱材20aに接触して損傷したりすることを防ぐことができる。
【0041】
また、図3に示す如く、内箱4と外箱2の間はウレタン等の発泡断熱材3と、発泡断熱材3より断熱性能が良好な真空断熱材20aとの積層構造に形成されており、真空断熱材20aの板厚d3、真空断熱材20aから低温冷媒配管9までの寸法d2及び低温冷媒配管9から内箱4までの寸法d1は、後述するように、所定の外気温度湿度条件(30℃、80%)以下では外箱2表面に結露しない寸法に設定してある。
【0042】
ここで、前述の寸法d1、d2、d3について、図5により説明する。図5は図3に示す断熱壁の温度説明図であり、図5(a)(b)の横軸には断熱厚さを表示し、図5(b)の縦軸には温度を表示してある。
【0043】
線Qは、各位置における温度を示している。t1は冷却室7の内箱4面での温度であり、冷却室7の温度tiや、冷却室7内の気流風速や内箱面の表面状態による内表面熱伝達率αiの影響を受けている。内箱面温度t1が発泡断熱材3内を伝導率λ1、λ2で伝導し、真空断熱材内を伝導率λ3で伝導する。そして、冷蔵庫の外表面である外箱2表面の表面状態や、外箱2表面の空気風速による外表面熱伝達率αoの影響により、外箱2表面の温度がt4となる。
【0044】
冷蔵庫周囲の外気温度をtoとすると、toとt4の温度差δ1が、ある値より大きいと、所定の空気湿度でも外箱2表面に結露が生ずる。従って、本実施例では、真空断熱材の長期間の経時変化等による断熱性能の低下が生じて通常加工にて得られる真空断熱材の熱伝導率より増加した熱伝導率となっても、外箱2表面に結露が生じないような寸法d1、d2、d3に構成してある。このようにすることで、ガスバリア性を有する外被材が、組込作業中、あるいは保管や運搬等のハンドリング中に、なんらかの損傷によりまたは長期間の経過によりガスバリア性が劣化し、真空断熱材20aの熱伝導率が当初に設定された熱伝導率よりも増加しても、所定の温度湿度条件以下では外箱2表面に結露が生じないようにできる。」

「【図1】


【図2】


【図3】


【図4】


【図5】



(3)引用発明との対比
本件補正発明と引用発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
ア 後者における「冷蔵室4」は、前者における「貯蔵室」に相当し、以下同様に、「断熱箱体1」は「断熱箱体」に、「内箱3」は「内箱」に、「真空断熱パネル70」は「真空断熱パネル」に、「冷蔵庫」は「冷蔵庫」に、それぞれ相当する。

イ 後者の「前記内箱3の背板60と右側板57とのなすコーナー部に形成された収納凹部としての面取り部62の外面」は、内箱3の背面であって、その縁部に位置するから、前者の「前記内箱の背面の縁部」に相当する。
そして、後者の「前記内箱3の背板60と右側板57とのなすコーナー部に形成された収納凹部としての面取り部62の外面に沿って配置される」は、前者の「前記内箱の背面の縁部に配置される」に相当する。
また、後者の「冷凍サイクル16の冷蔵側キャピラリチューブと互いに熱交換可能に一体化されてパイプ体65を構成する冷蔵側サクションパイプ27」は、前者の「サクションパイプ」に相当する。

以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「内部に貯蔵室を有する断熱箱体と、
前記断熱箱体を構成する内箱の背面に備えられる真空断熱パネルと、
前記内箱の背面の縁部に配置されるサクションパイプと、
を備えた冷蔵庫。」

[相違点]
本件補正発明では、「前記内箱の背面の縁部に前記サクションパイプを固定する固定具」を備え、「前記固定具は、前記サクションパイプを前記内箱に対して断熱性を保持した状態で固定しており、
前記真空断熱パネルの厚さ方向から見た場合に、前記固定具の前記サクションパイプを保持する部分が前記真空断熱パネルに重複していない」のに対し、引用発明では、サクションパイプ27の固定具を備えているか不明である点(以下「相違点」という。)。

(4)判断
ア 相違点について
内部に貯蔵室を有する断熱箱体を備える冷蔵庫において、外表面に結露が生じないようにするため、前記断熱箱体を構成する内箱にサクションパイプを固定する固定具を備え、前記固定具により、前記サクションパイプを前記内箱に対して所定距離を確保した状態で固定することは、引用文献2(特に、段落0022並びに図1及び2)及び引用文献3(特に、段落0003?0006、0008、0009、0038?0041及び0044並びに図1?5)に記載があるように、本願の出願前に周知の技術(以下「周知技術」という。)である。
そして、冷蔵庫において、外表面に結露が生じないようにすることは、一般的に知られている普遍的な課題であって、引用発明においても内在する課題であるから、引用発明において、周知技術を適用することは、当業者にとって格別困難ではない。
また、引用発明において、周知技術を適用する際に、冷凍サイクル16の運転効率をよくするために、サクションパイプ27(サクションパイプ)が冷凍サイクル16の冷蔵側キャピラリチューブと互いに熱交換可能に一体化される(引用文献1段落0003、0026)ことを考慮すると、冷蔵側キャピラリチューブの温熱が内箱3(内箱)側に伝達されないようにすることは、当然に認識することであって、固定具が、サクションパイプ27を内箱3に対して断熱性を保持した状態で固定するように構成することは、当業者が適宜なし得た設計的事項である(現に、引用文献3(特に、段落0038並びに図3及び4(b))には、ウレタン発泡断熱材等の断熱性能の良好な断熱材で形成された係止具22により、低温冷媒配管9及びキャピラリチューブ14を内箱4に係止することが示されている。)。
さらに、引用発明において、周知技術を適用する際に、真空断熱パネル70(真空断熱パネル)はその外皮材が損傷すると、真空度が減少して断熱性能の劣化をきたすことは、本願の出願前に技術常識であり(引用文献3の段落0005、0013、0015、0038?0040及び0044)、固定具が真空断熱パネル70に接触して損傷を与えないようにすることは、当然に考慮することであり、また、断熱箱体1の断熱材の薄形化が図られること(引用文献1の段落0004、0006及び0063)を合わせて考慮すると、真空断熱パネル70の厚さ方向から見た場合に、固定具のサクションパイプ27を保持する部分が真空断熱パネル27に重複していないようにすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。
そうすると、引用発明において、上記相違点に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

イ 請求人の主張について
なお、請求人は、平成31年4月8日に提出された審判請求書において、「また、本願の新請求項2に係る発明(以下、本願発明2と称する。)は、さらに下記の特徴点(a2)を限定した。
(a2)真空断熱パネルの厚さ方向から見た場合に、固定具のサクションパイプを保持する部分が真空断熱パネルに重複していないこと。
このように構成される本願発明2によっても、断熱箱体の内箱の裏面において、固定具のうち「サクションパイプを保持する部分つまり固定具の機能上の主体部となる部分が真空断熱パネルと横並びに配置された構成となる。よって、サクションパイプを保持するという技術的意義を有する固定具を備えつつも、その固定具を断熱箱体の内箱の裏面においてコンパクトに収容することができ、従って、断熱箱体の背面壁の厚さを抑えて薄型化を図ることができ、ひいては、貯蔵室の大容量化を図ることができる。」と主張する。
しかしながら、上記アで述べたとおり、引用発明において、周知技術を採用する際に、固定具の機能上の主体部となる部分が真空断熱パネル70と横並びに配置された構成とすることは、当業者が適宜なし得ることであって、当該構成は断熱箱体1の断熱材の薄形化を図ることを考慮したものである以上、貯蔵室の大容量化を図ることができるものといえる。

ウ 効果について
そして、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

エ まとめ
したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?9に係る発明は、平成30年8月6日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?9に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2の[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由の一部は、以下のとおりである。
<理由1(進歩性)>
本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1及び引用文献2に記載された発明に基いて、又は、下記の引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2014-6040号公報
引用文献2:特開2006-10242号公報
引用文献3:特開2005-48979号公報

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1?3及びそれらの記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明の発明特定事項のうち、「前記真空断熱パネルの厚さ方向から見た場合に、前記固定具の前記サクションパイプを保持する部分が前記真空断熱パネルに重複していない」という発明特定事項を省いたものに相当する。
そうすると、本願発明の特定事項を全て含む本件補正発明が、前記第2の[理由]2(4)で検討したとおり、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、前記第2の[理由]2(4)の検討を踏まえると、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2020-06-12 
結審通知日 2020-06-16 
審決日 2020-06-29 
出願番号 特願2014-161337(P2014-161337)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F25D)
P 1 8・ 575- Z (F25D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 裕介瀧本 絢奈五十嵐 康弘  
特許庁審判長 山崎 勝司
特許庁審判官 槙原 進
塚本 英隆
発明の名称 冷蔵庫  
代理人 特許業務法人 サトー国際特許事務所  
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