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審決分類 審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 G10L
管理番号 1365713
審判番号 不服2019-15597  
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-11-20 
確定日 2020-09-03 
事件の表示 特願2018- 75244「音声情報処理システム、音声情報処理システムの制御方法、音声情報処理システムのプログラム及び記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 1月17日出願公開、特開2019- 8274〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 経緯
1 経緯
本件出願は、平成30年4月10日(優先権主張平成29年6月26日)の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成30年 8月 2日:拒絶理由
平成30年12月13日:意見書、補正書の提出
平成31年 3月 6日:拒絶理由(最後)
令和 1年 7月11日:意見書の提出
令和 1年 8月 8日:拒絶査定
令和 1年11月20日:審判請求書、補正書の提出
令和 2年 1月 6日:補正書(審判請求書)の提出

2 査定の概要
原査定の理由は、概略、次のとおりである。

1.(発明の特別な技術的特徴を変更する補正)平成30年12月13日付け手続補正書でした補正は、その補正後の下記の請求項に係る発明が下記の点で、その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断が示された発明と、特許法第37条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものではないから、同法第17条の2第4項に規定する要件を満たしていない。


・請求項 1?18
・備考
1.平成30年8月2日付け拒絶理由通知時点において、特別な技術的特徴は発見されず、補正後の請求項1?18に係る発明いずれも、補正前に最後に特別な技術的特徴の有無を判断した補正前の請求項2に係る発明の発明特定事項を全て含む同一カテゴリーの請求項に係る発明ではない。
したがって、補正後の請求項1?18に係る発明は、特別な技術的特徴に基づき審査対象となる発明ではない。

2.審査の効率性に基づく審査対象の決定
請求項1?18に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項を全て含む同一カテゴリーの発明ではない。そして、請求項1?18に係る発明は、審査対象とされた発明を審査した結果、実質的に追加的な先行技術調査や判断を必要とすることなく審査を行うことが可能である発明ではなく、当該発明とまとめて審査を行うことが効率的であるといえる他の事情も無い。

したがって、請求項1?18に係る発明は、特許法第17条の2第4項以外の要件についての審査対象としない。

第2 補正却下の決定
令和1年11月20日付けの手続補正について次のとおり決定する。

[補正却下の決定の結論]
令和1年11月20日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 補正の内容
令和1年11月20日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、平成30年12月13日付けの手続補正の特許請求の範囲を以下のとおり補正するものである(下線は補正箇所である。)。

「 【請求項1】
物音、人の声、雑音を含む音声に関する音声情報を入力する入力手段と、
前記入力された音声情報に対し、識別処理が容易となるような前段処理を行う前段処理手段であって、該前段処理手段は、ビームフォーミング、ブラインド音源分離、残響抑制、ノイズ抑圧、エコーキャンセル、音声区間検出のうちの少なくともいずれか一つの処理を実行するものである、手段と、
前記入力された音声情報が到来した方位を検出し音声到来方位情報を得る音声到来方位情報獲得手段と、
前記音声情報に係る話者の特徴を話者特徴情報として抽出する特徴抽出手段と、
前記前段処理を施された前記音声情報が前記話者特徴情報及び前記音声到来方位情報と共に記録される記録手段と
を備えたことを特徴とする音声情報処理システム。
【請求項2】
物音、人の声、雑音を含む音声情報が入力される複数のマイクが配置されたマイクユニットと、
単数あるいは複数のスピーカによって可聴音及び/もしくは非可聴音を発音する音声発生部と、
前記マイクからの音声情報に対して識別処理が容易となるような前段処理を行う前段処理手段であって、該前段処理手段は、ビームフォーミング、ブラインド音源分離、残響抑制、ノイズ抑圧、エコーキャンセル、音声区間検出のうちの少なくともいずれか一つの処理を実行するものである、手段と、
前記入力された音声情報が到来した方位を検出し音声到来方位情報を得る音声到来方位情報獲得手段と、
前記音声情報に係る話者の特徴を話者特徴情報として抽出する特徴抽出手段と、
前記前段処理を施された前記音声情報が前記話者特徴情報及び前記音声到来方位情報と共に記録される記録手段と
を有することを特徴とする音声情報処理システム。
【請求項3】
室内で前記音声の内容を分析して応答する際に、クライアント側の音声入出力装置の処理能力が対応可能な場合に前記音声入出力装置で情報処理を行い、前記音声入出力装置の処理能力が対応可能でない場合にクラウド側が情報処理を行う判断手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の音声情報処理システム。
【請求項4】
室内の環境の設定、意図的解釈、及び対話を管理する外部システムをさらに備えたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の音声情報処理システム。
【請求項5】
前記外部システムは、前記音声入出力装置の筐体外を撮像する撮像手段、前記筐体を振動させる振動手段、前記筐体を回転させる回転手段、及び前記筐体外の壁に画像を投影する投影手段のうちの少なくとも一つを備えたことを特徴とする請求項4に記載の音声情報処理システム。
【請求項6】
前記意図的解釈、前記対話の管理に外部コンテンツの利用が可能なことを特徴とする請求項4に記載の音声情報処理システム。
【請求項7】
前記音声情報の内容の分析処理、解析処理、及び認識処理を含む情報加工処理を行い、話者の、年齢、性別を含む属性について推論する推論手段
をさらに備えることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の音声情報処理システム。
【請求項8】
前記推論手段は、
前記話者との対話を意図的に解釈する解釈手段と、
前記話者との対話を管理する管理手段と
を備えたことを特徴とする請求項7に記載の音声情報処理システム。
【請求項9】
前記室内のサイズを判断するサイズ判断手段と、
前記室内のノイズレベルを認識するノイズレベル認識手段と、
前記室内の残響レベルを認識する残響レベル認識手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の音声情報処理システム。
【請求項10】
前記筐体に設けられ画像を表示する画像表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の音声情報処理システム。
【請求項11】
前記筐体に設けられユーザを認識する指紋認証手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の音声情報処理システム。
【請求項12】
前記クライアント側の音声入出力装置の処理能力が十分であるかの判断は、プロセッサの演算速度、メモリーサイズ、センサ種類、マイクロフォンアレイ、スピーカの数、LEDの数、内蔵カメラ、アプリケーションソフトウェアの数、他社の装置に対応可能なフロントエンド信号処理を含んでなされることを特徴とする請求項3に記載の音声情報処理システム。
【請求項13】
新たに入力された音声の特徴を前記記録手段に記録された前記話者特徴情報と照合して話者を識別する話者識別手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の音声情報処理システム。
【請求項14】
前記話者の感情を識別する感情識別手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の音声情報処理システム。
【請求項15】
前記筐体の外周に設けられ、軌道上の一部の発光色が残りの部分の発光色と異なるように周回点灯し、前記話者を検知したときに前記一部の発光色が話者の方向で停止するように発光する発光手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の音声情報処理システム。
【請求項16】
物音、人の声、雑音を含む音声に関する音声情報が入力される第1のステップと、
前記入力された音声情報に対し、識別処理が容易となるような前段処理を行う第2のステップであって、前記前段処理は、ビームフォーミング、ブラインド音源分離、残響抑制、ノイズ抑圧、エコーキャンセル、音声区間検出のうちの少なくともいずれか一つの処理を行う、ステップと、
前記入力された音声情報が到来した方位を検出し音声到来方位情報を得る第3のステップと、
前記音声情報に係る話者の特徴を話者特徴情報として抽出する第4のステップと、
前記前段処理を施された前記音声情報が前記話者特徴情報及び前記音声到来方位情報と共に記録される第5のステップと
を具備することを特徴とする音声情報処理システムの制御方法。
【請求項17】
コンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
コンピュータを、
物音、人の声、雑音を含む音声に関する音声情報を入力する入力手段と、
前記入力された音声情報に対し、識別処理が容易となるような前段処理を行う前段処理手段であって、該前段処理手段は、ビームフォーミング、ブラインド音源分離、残響抑制、ノイズ抑圧、エコーキャンセル、音声区間検出のうちの少なくともいずれか一つの処理を実行するものである、手段と、
前記入力された音声情報が到来した方位を検出し音声到来方位情報を得る音声到来方位情報獲得手段と、
前記音声情報に係る話者の特徴を話者特徴情報として抽出する特徴抽出手段と、
前記前段処理を施された前記音声情報が前記話者特徴情報及び前記音声到来方位情報と共に記録される記録手段と
として機能させるための音声情報処理システムのプログラム。
【請求項18】
請求項17に記載のプログラムを記録した記録媒体。」

を、

「 【請求項1】
物音、人の声、雑音を含む音声に関する音声情報を入力する入力手段と、
前記入力された音声情報に対し、識別処理が容易となるような前段処理を行う前段処理手段であって、ビームフォーミング、ブラインド音源分離、残響抑制、ノイズ抑圧、エコーキャンセル、音声区間検出のうちの少なくともいずれか一つの処理を実行することで、前記前段処理手段は、前記処理を施された音声情報に所定の加工が施され、第1の情報に基づいてタスク処理が行われ、前記タスク処理の評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正し、前記評価が十分になるまで一連の処理を繰り返されることで最適化する最適化手段の前に行われ、前記最適化手段は、前記タスク処理の結果を評価する第1の評価手段と、前記評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正する修正手段と、前記前段処理手段から前記修正手段までの一連の処理を繰り返す繰返手段とを備えた、手段と、
前記入力された音声情報が到来した方位を検出し音声到来方位情報を得る音声到来方位情報獲得手段と、
前記音声情報に係る話者の特徴を話者特徴情報として抽出する特徴抽出手段と、
前記前段処理を施された前記音声情報が前記話者特徴情報及び前記音声到来方位情報と共に記録される記録手段と
を備えたことを特徴とする音声情報処理システム。
【請求項2】
物音、人の声、雑音を含む音声情報が入力される複数のマイクが配置されたマイクユニットと、
単数あるいは複数のスピーカによって可聴音及び/もしくは非可聴音を発音する音声発生部と、
前記マイクからの音声情報に対して識別処理が容易となるような前段処理を行う前段処理手段であって、ビームフォーミング、ブラインド音源分離、残響抑制、ノイズ抑圧、エコーキャンセル、音声区間検出のうちの少なくともいずれか一つの処理を実行することで、前記前段処理手段は、前記処理を施された音声情報に所定の加工が施され、第1の情報に基づいてタスク処理が行われ、前記タスク処理の評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正し、前記評価が十分になるまで一連の処理を繰り返されることで最適化する最適化手段の前に行われ、前記最適化手段は、前記タスク処理の結果を評価する第1の評価手段と、前記評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正する修正手段と、前記前段処理手段から前記修正手段までの一連の処理を繰り返す繰返手段とを備えた、手段と、
前記入力された音声情報が到来した方位を検出し音声到来方位情報を得る音声到来方位情報獲得手段と、
前記音声情報に係る話者の特徴を話者特徴情報として抽出する特徴抽出手段と、
前記前段処理を施された前記音声情報が前記話者特徴情報及び前記音声到来方位情報と共に記録される記録手段と
を有することを特徴とする音声情報処理システム。
【請求項3】
室内で前記音声の内容を分析して応答する際に、クライアント側の音声入出力装置の処理能力が対応可能な場合に前記音声入出力装置で情報処理を行い、前記音声入出力装置の処理能力が対応可能でない場合にクラウド側が情報処理を行う判断手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の音声情報処理システム。
【請求項4】
室内の環境の設定、意図的解釈、及び対話を管理する外部システムをさらに備えたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の音声情報処理システム。
【請求項5】
前記外部システムは、前記音声入出力装置の筐体外を撮像する撮像手段、前記筐体を振動させる振動手段、前記筐体を回転させる回転手段、及び前記筐体外の壁に画像を投影する投影手段のうちの少なくとも一つを備えたことを特徴とする請求項4に記載の音声情報処理システム。
【請求項6】
前記意図的解釈、前記対話の管理に外部コンテンツの利用が可能なことを特徴とする請求項4に記載の音声情報処理システム。
【請求項7】
前記音声情報の内容の分析処理、解析処理、及び認識処理を含む情報加工処理を行い、話者の、年齢、性別を含む属性について推論する推論手段
をさらに備えることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の音声情報処理システム。
【請求項8】
前記推論手段は、
前記話者との対話を意図的に解釈する解釈手段と、
前記話者との対話を管理する管理手段と
を備えたことを特徴とする請求項7に記載の音声情報処理システム。
【請求項9】
前記室内のサイズを判断するサイズ判断手段と、
前記室内のノイズレベルを認識するノイズレベル認識手段と、
前記室内の残響レベルを認識する残響レベル認識手段と
をさらに備えたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の音声情報処理システム。
【請求項10】
前記筐体に設けられ画像を表示する画像表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の音声情報処理システム。
【請求項11】
前記筐体に設けられユーザを認識する指紋認証手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の音声情報処理システム。
【請求項12】
前記クライアント側の音声入出力装置の処理能力が十分であるかの判断は、プロセッサの演算速度、メモリーサイズ、センサ種類、マイクロフォンアレイ、スピーカの数、LEDの数、内蔵カメラ、アプリケーションソフトウェアの数、他社の装置に対応可能なフロントエンド信号処理を含んでなされることを特徴とする請求項3に記載の音声情報処理システム。
【請求項13】
新たに入力された音声の特徴を前記記録手段に記録された前記話者特徴情報と照合して話者を識別する話者識別手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の音声情報処理システム。
【請求項14】
前記話者の感情を識別する感情識別手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の音声情報処理システム。
【請求項15】
前記筐体の外周に設けられ、軌道上の一部の発光色が残りの部分の発光色と異なるように周回点灯し、前記話者を検知したときに前記一部の発光色が話者の方向で停止するように発光する発光手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1もしくは2に記載の音声情報処理システム。
【請求項16】
物音、人の声、雑音を含む音声に関する音声情報が入力される第1のステップと、
前記入力された音声情報に対し、識別処理が容易となるような前段処理を行う第2のステップであって、ビームフォーミング、ブラインド音源分離、残響抑制、ノイズ抑圧、エコーキャンセル、音声区間検出のうちの少なくともいずれか一つの処理を行うことで、前記前段処理は、該前記処理を施された音声情報に所定の加工が施され、第1の情報に基づいてタスク処理が行われ、前記タスク処理の評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正し、前記評価が十分になるまで一連の処理を繰り返されることで最適化する最適化処理の前に行われ、前記最適化処理は、前記タスク処理の結果を評価する第1の評価処理と、前記評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正する修正処理と、前記前段処理から前記修正処理までの一連の処理を繰り返す繰返処理とを備えた、ステップと、
前記入力された音声情報が到来した方位を検出し音声到来方位情報を得る第3のステップと、
前記音声情報に係る話者の特徴を話者特徴情報として抽出する第4のステップと、
前記前段処理を施された前記音声情報が前記話者特徴情報及び前記音声到来方位情報と共に記録される第5のステップと
を具備することを特徴とする音声情報処理システムの制御方法。
【請求項17】
コンピュータが読み取り可能なプログラムであって、
コンピュータを、
物音、人の声、雑音を含む音声に関する音声情報を入力する入力手段と、
前記入力された音声情報に対し、識別処理が容易となるような前段処理を行う前段処理手段であって、ビームフォーミング、ブラインド音源分離、残響抑制、ノイズ抑圧、エコーキャンセル、音声区間検出のうちの少なくともいずれか一つの処理を実行することで、前記前段処理手段は、前記処理を施された音声情報に所定の加工が施され、第1の情報に基づいてタスク処理が行われ、前記タスク処理の評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正し、前記評価が十分になるまで一連の処理を繰り返されることで最適化する最適化手段の前に行われ、前記最適化手段は、前記タスク処理の結果を評価する第1の評価手段と、前記評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正する修正手段と、前記前段処理手段から前記修正手段までの一連の処理を繰り返す繰返手段とを備えた、手段と、
前記入力された音声情報が到来した方位を検出し音声到来方位情報を得る音声到来方位情報獲得手段と、
前記音声情報に係る話者の特徴を話者特徴情報として抽出する特徴抽出手段と、
前記前段処理を施された前記音声情報が前記話者特徴情報及び前記音声到来方位情報と共に記録される記録手段と
として機能させるための音声情報処理システムのプログラム。
【請求項18】
請求項17に記載のプログラムを記録した記録媒体。」

に補正するものである。

2 補正の適合性
本件補正の目的について検討する。
本件補正のうち請求項1は、以下のとおりにする補正である。

「前記入力された音声情報に対し、識別処理が容易となるような前段処理を行う前段処理手段であって、該前段処理手段は、ビームフォーミング、ブラインド音源分離、残響抑制、ノイズ抑圧、エコーキャンセル、音声区間検出のうちの少なくともいずれか一つの処理を実行するものである、手段」を
「前記入力された音声情報に対し、識別処理が容易となるような前段処理を行う前段処理手段であって、ビームフォーミング、ブラインド音源分離、残響抑制、ノイズ抑圧、エコーキャンセル、音声区間検出のうちの少なくともいずれか一つの処理を実行することで、前記前段処理手段は、前記処理を施された音声情報に所定の加工が施され、第1の情報に基づいてタスク処理が行われ、前記タスク処理の評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正し、前記評価が十分になるまで一連の処理を繰り返されることで最適化する最適化手段の前に行われ、前記最適化手段は、前記タスク処理の結果を評価する第1の評価手段と、前記評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正する修正手段と、前記前段処理手段から前記修正手段までの一連の処理を繰り返す繰返手段とを備えた、手段」
とする。

当該補正は、「前記前段処理手段は、前記処理を施された音声情報に所定の加工が施され、第1の情報に基づいてタスク処理が行われ、前記タスク処理の評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正し、前記評価が十分になるまで一連の処理を繰り返されることで最適化する最適化手段の前に行われ」ることを含み、「前段処理手段」が「最適化手段」の前で行われることを規定し、「最適化手段」が音声情報処理システムに備えられることを規定している。さらに、「前記最適化手段は、前記タスク処理の結果を評価する第1の評価手段と、前記評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正する修正手段と、前記前段処理手段から前記修正手段までの一連の処理を繰り返す繰返手段とを備え」ていることを含み、「最適化手段」が、「第1の評価手段」、「修正手段」、「繰返手段」を備えることを規定している。
したがって、当該補正は「最適化手段」を追加する補正であり、「請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するもの」とは認められない。
このような請求項1を含む補正は、特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)を目的とするものとは認められない。
また、本件補正は、請求項の削除、誤記の訂正、明りようない記載の釈明を目的とするものとも認められない。

したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3 まとめ
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 平成30年12月13日付け手続補正について
令和1年11月20日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?18に係る発明は、平成30年12月13日付け手続補正により補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?18に記載した事項により特定されるとおりのものである(上記第2の1参照)。

当該補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断がされた全ての発明と、当該補正後の請求項1?18に係る発明とは、発明の単一性の要件を満たす一群の発明の該当するものではない。
詳細は以下のとおりである。
平成30年8月2日付け拒絶理由通知(その補正前に受けた拒絶理由通知)において最後に特別な技術的特徴の有無を判断した請求項は、補正前の請求項1を引用する請求項2である。
かかる補正前の請求項1に係る発明は、
「音声に関する音声情報を入力する入力手段と、
前記入力された音声情報に対し、識別処理が容易となるような前段処理を行う前段処理手段と、
前記前段処理手段により処理された音声情報に所定の加工を施し、第1の情報に基づいてタスク処理を行い、前記タスク処理の評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正し、前記評価が十分になるまで一連の処理を繰り返すことで最適化する最適化手段と
を備えたことを特徴とする音声情報処理システム。」
であり、補正前の請求項2に係る発明は、
「前記最適化手段は、
前記タスク処理の結果を評価する第1の評価手段と、
前記評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正する修正手段と、
前記前段処理手段から前記修正手段までの一連の処理を繰り返す繰返手段と
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の音声情報処理システム。」
である。
一方、補正前の請求項2と同一カテゴリーの発明である平成30年12月13日付け手続補正書でした補正後の請求項1に係る発明は、
「物音、人の声、雑音を含む音声に関する音声情報を入力する入力手段と、
前記入力された音声情報に対し、識別処理が容易となるような前段処理を行う前段処理手段であって、該前段処理手段は、ビームフォーミング、ブラインド音源分離、残響抑制、ノイズ抑圧、エコーキャンセル、音声区間検出のうちの少なくともいずれか一つの処理を実行するものである、手段と、
前記入力された音声情報が到来した方位を検出し音声到来方位情報を得る音声到来方位情報獲得手段と、
前記音声情報に係る話者の特徴を話者特徴情報として抽出する特徴抽出手段と、
前記前段処理を施された前記音声情報が前記話者特徴情報及び前記音声到来方位情報と共に記録される記録手段と
を備えたことを特徴とする音声情報処理システム。」
である。
かかる補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項2に係る発明の「第1の情報に基づいてタスク処理を行い、前記タスク処理の評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正し、前記評価が十分になるまで一連の処理を繰り返すことで最適化する最適化手段」、及び「前記最適化手段は、前記タスク処理の結果を評価する第1の評価手段と、前記評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正する修正手段と、前記前段処理手段から前記修正手段までの一連の処理を繰り返す繰返手段」といった発明特定事項を有しておらず、補正後の請求項1に係る発明は、補正前に最後に特別な技術的特徴の有無を判断した補正前の請求項2に係る発明の発明特定事項を全て含む同一カテゴリーの請求項に係る発明であるとは認められない。

また、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明の「第1の情報に基づいてタスク処理を行い、前記タスク処理の評価が十分でない場合に前記第1の情報を修正し、前記評価が十分になるまで一連の処理を繰り返すことで最適化する最適化手段」という発明特定事項を有しておらず、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明の発明特定事項を全て含む同一カテゴリーの請求項に係る発明であるとは認められない。

さらに、補正後の請求項2?15についても同様である。
そして、補正後の請求項16?18に係る発明については、補正後の請求項1に係る発明のカテゴリー違いの発明であるから、補正後の請求項1に係る発明と同様である。

よって、平成30年12月13日付け手続補正書でした補正後の請求項1?18に係る発明は、その補正前に受けた拒絶理由通知において特許をすることができないものか否かについての判断を示された発明と発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するものではないから、平成30年12月13日付け手続補正は、特許法第17条の2第4項の規定する要件を満たしていない。

第4 むすび
以上のとおり、平成30年12月13日付け手続補正は、特許法第17条の2第4項の規定する要件を満たしていない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2020-06-29 
結審通知日 2020-06-30 
審決日 2020-07-13 
出願番号 特願2018-75244(P2018-75244)
審決分類 P 1 8・ 57- Z (G10L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岩田 淳間宮 嘉誉安田 勇太  
特許庁審判長 清水 正一
特許庁審判官 須田 勝巳
小池 正彦
発明の名称 音声情報処理システム、音声情報処理システムの制御方法、音声情報処理システムのプログラム及び記録媒体  
代理人 友野 英三  
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