• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 H04Q
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04Q
管理番号 1365755
審判番号 不服2019-2853  
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-03-01 
確定日 2020-09-25 
事件の表示 特願2017-513698「インテリジェント電気機器を動作させる方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 2月16日国際公開,WO2017/024741,平成29年11月 2日国内公表,特表2017-532855,請求項の数(12)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由
第1 手続の経緯

本願は,平成27年12月30日の出願(優先権主張平成27年8月13日 中国)であって,平成29年3月10日に手続補正がなされ,平成30年4月23日付けで拒絶理由が通知され,平成30年7月24日に手続補正がなされ,平成30年10月25日付けで拒絶査定(原査定)がされ,これに対し,平成31年3月1日に拒絶査定不服審判の請求がされ,令和元年11月29日付けで拒絶理由が通知され,令和2年3月10日に手続補正がなされ,令和2年3月27日付けで拒絶理由(以下,「当審拒絶理由通知」という。)が通知され,令和2年6月30日に手続補正がされたものである。


第2 原査定の概要

原査定の概要は次のとおりである。

本願請求項1-16に係る発明は,以下の引用文献1-6に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
1.中国特許出願公開第104155897号明細書
2.特開2005-295601号公報(周知技術を示す文献)
3.特開平06-058029号公報
4.特開平01-244230号公報(周知技術を示す文献)
5.特表2015-503885号公報(周知技術を示す文献;新たに引用された文献)
6.米国特許出願公開第2015/0139213号明細書(周知技術を示す文献;新たに引用された文献)


第3 当審拒絶理由の概要

当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

1(進歩性)この出願の請求項1-5,7-11,13-14に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物1-3に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
2(明確性)この出願は,特許請求の範囲の記載が下記の点で,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

■理由1(進歩性)
●請求項 :1
引用文献:1,3
●請求項 :1
引用文献:2,3
●請求項 :2-5
引用文献:1,3または2,3
●請求項 :7-11,13-14
引用文献:1,3または2,3

■理由2(明確性)
●請求項 :2
判断として
(1)前記識別子が前記インテリジェント電気機器を制御するための端末中に予め設定された第1デバイス識別子であるか否か
(2)前記識別子が前記インテリジェント電気機器にバインドした第2デバイス識別子であるか否か
(3)前記識別子が前記インテリジェント電気機器を制御するための端末中に予め設定された第1デバイス識別子及び前記インテリジェント電気機器にバインドした第2デバイス識別子の両方であるか否か
の3つの判断が「又は」で接続されているが,
(A)3つの判断のうち,どれか1つでも判断を行なえば良い
(B)3つの判断のすべてを行って,どれか1つが満たせば良い
のどちらを請求の対象としているのか不明瞭である。

●請求項 :3-6
請求項2と同様の理由を有する。
●請求項 :8-12
請求項2-6と同様の理由を有する。

<引用文献等一覧>
1.中国特許出願公開第104155897号明細書
2.特開2008-241185号公報
3.特開2007-288311号公報


第4 本願発明

本願請求項1-12に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明12」という。)は,令和2年6月30日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-12に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
インテリジェント電気機器を動作させる方法であって、
スマートウェアラブルデバイスによって放送されたメッセージを取得することと、
前記メッセージに基づいて、前記スマートウェアラブルデバイスがデフォルトのスマートウェアラブルデバイスであるか否かを判断することと、
前記メッセージに基づいて、前記メッセージの信号強度を決定し、前記メッセージの信号強度に基づいて、前記スマートウェアラブルデバイスと前記インテリジェント電気機器との間の距離を決定することと、
前記スマートウェアラブルデバイスがデフォルトのスマートウェアラブルデバイスとして決定された場合に、既定のパラメータに基づいて,前記インテリジェント電気機器の動作モードを制御することであって、前記既定のパラメータが、前記スマートウェアラブルデバイスと前記インテリジェント電気機器との間の距離を含む、ことと
を含み、
前記既定のパラメータが前記スマートウェアラブルデバイスと前記インテリジェント電気機器との間の距離を含んでいる場合に、前記既定のパラメータに基づいて、前記インテリジェント電気機器の動作モードを制御することが、
既定の期間内において前記距離が第1閾値よりも小さい又は第1既定範囲内にある場合に、前記インテリジェント電気機器をオンにすることと、
既定の期間内において前記距離が第2閾値よりも大きい又は第2既定範囲内にある場合に、前記インテリジェント電気機器をオフにすることとを含み、
前記第1閾値は、前記第2閾値よりも小さい又は等しく、前記第1既定範囲の最大値は、前記第2既定範囲の最小値よりも小さい又は等しく、
前記インテリジェント電気機器がスマート空調機であって、前記方法が、
前記メッセージの信号発信方向を取得することと、
前記メッセージの信号発信方向に基づいて、前記スマート空調機のスイング風方向を制御することと
をさらに含む、方法。
【請求項2】
前記メッセージに基づいて、前記スマートウェアラブルデバイスがデフォルトのスマートウェアラブルデバイスであるか否かを判断することが、
前記メッセージから前記スマートウェアラブルデバイスの識別子を取得することと、
前記識別子が前記インテリジェント電気機器を制御するための端末中に予め設定された第1デバイス識別子であるか否かの判断、又は、前記識別子が前記インテリジェント電気機器にバインドした第2デバイス識別子であるか否かの判断、又は、前記識別子が前記インテリジェント電気機器を制御するための端末中に予め設定された第1デバイス識別子及び前記インテリジェント電気機器にバインドした第2デバイス識別子の両方であるか否かの判断のうちのいずれか1つの判断を行うことと、
前記判断の結果が是である場合には、前記スマートウェアラブルデバイスがデフォルトのスマートウェアラブルデバイスであると決定することと、
前記判断の結果が否である場合には、前記スマートウェアラブルデバイスがデフォルトのスマートウェアラブルデバイスでないと決定することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スマートウェアラブルデバイスの識別子が、前記スマートウェアラブルデバイスのハードウェアアドレス又は前記スマートウェアラブルデバイスの唯一の名称を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記既定のパラメータに基づいて、前記インテリジェント電気機器の動作モードを制御することが、
前記既定のパラメータ範囲と前記インテリジェント電気機器の動作モードとの既定の対応関係に基づいて、前記既定のパラメータに対応する前記インテリジェント電気機器の動作モードを決定することと、
前記インテリジェント電気機器の動作モードを、前記既定のパラメータに対応するインテリジェント電気機器の動作モードに調整することと
を含む、請求項1?3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
既定の期間内に前記スマートウェアラブルデバイスによって放送されたメッセージを受信しなかった場合、又は、前記メッセージに基づいて,前記スマートウェアラブルデバイスがデフォルトのスマートウェアラブルデバイスであるか否かを判断できなかった場合に、前記インテリジェント電気機器の動作モードを既定の動作モードに調整することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
インテリジェント電気機器を動作させる装置であって、
スマートウェアラブルデバイスによって放送されたメッセージを取得するように構成された第1取得モジュールと、
前記メッセージに基づいて、前記スマートウェアラブルデバイスがデフォルトのスマートウェアラブルデバイスであるか否かを判断するように構成された判断モジュールと、
前記メッセージに基づいて、前記メッセージの信号強度を決定し、前記メッセージの信号強度に基づいて、前記スマートウェアラブルデバイスと前記インテリジェント電気機器との間の距離を決定するように構成された第3決定モジュールと、
前記スマートウェアラブルデバイスがデフォルトのスマートウェアラブルデバイスとして決定された場合に、既定のパラメータに基づいて、前記インテリジェント電気機器の動作モードを制御するように構成された第1制御モジュールであって、前記既定のパラメータは、前記スマートウェアラブルデバイスと前記インテリジェント電気機器との間の距離を含む第1制御モジュールと
を含み、
前記既定のパラメータが前記スマートウェアラブルデバイスと前記インテリジェント電気機器との間の距離を含んでいる場合に、前記第1制御モジュールが、
既定の期間内において前記距離が第1閾値よりも小さい又は第1既定範囲内にある場合に、前記インテリジェント電気機器をオンにするように構成された第1オン化サブモジュールと、
既定の期間内において前記距離が第2閾値よりも大きい又は第2既定範囲内にある場合に、前記インテリジェント電気機器をオフにするように構成された第1オフ化サブモジュールとを含み、
前記第1閾値は、前記第2閾値よりも小さい又は等しく、前記第1既定範囲の最大値は、前記第2既定範囲の最小値よりも小さい又は等しく、
前記インテリジェント電気機器がスマート空調機であって、前記装置が、
前記メッセージの信号発信方向を取得するように構成された第2取得モジュールと、
前記メッセージの信号発信方向に基づいて、前記スマート空調機のスイング風方向を制御するように構成された第2制御モジュールと
をさらに含む、装置。
【請求項7】
前記判断モジュールが、
前記メッセージから前記スマートウェアラブルデバイスの識別子を取得するように構成された取得サブモジュールと、
前記識別子が前記インテリジェント電気機器を制御するための端末中に予め設定された第1デバイス識別子であるか否かの判断、又は、前記識別子が前記インテリジェント電気機器にバインドした第2デバイス識別子であるか否かの判断、又は、前記識別子が前記インテリジェント電気機器を制御するための端末中に予め設定された第1デバイス識別子及び前記インテリジェント電気機器にバインドした第2デバイス識別子の両方であるか否かの判断のうちのいずれか1つの判断を行うように構成された判断サブモジュールと、
前記判断の結果が是である場合には、前記スマートウェアラブルデバイスがデフォルトのスマートウェアラブルデバイスであると決定するように構成された第1決定サブモジュールと、
前記判断の結果が否である場合には、前記スマートウェアラブルデバイスがデフォルトのスマートウェアラブルデバイスでないと決定するように構成された第2決定サブモジュールとを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記スマートウェアラブルデバイスの識別子が、前記スマートウェアラブルデバイスのハードウェアアドレス又は前記スマートウェアラブルデバイスの唯一の名称を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1制御モジュールが、
前記既定のパラメータ範囲と前記インテリジェント電気機器の動作モードとの既定の対応関係に基づいて、前記既定のパラメータに対応する前記インテリジェント電気機器の動作モードを決定するように構成された第3決定サブモジュールと、
前記インテリジェント電気機器の動作モードを、前記既定のパラメータに対応するインテリジェント電気機器の動作モードに調整するように構成された調整サブモジュールとを含む、請求項6?8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
既定の期間内に前記スマートウェアラブルデバイスによって放送されたメッセージを受信しなかった場合、又は、前記メッセージに基づいて、前記スマートウェアラブルデバイスがデフォルトのスマートウェアラブルデバイスであるか否かを判断できなかった場合に、前記インテリジェント電気機器の動作モードを既定の動作モードに調整するように構成された調整モジュールをさらに含む、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
コンピュータ上で動作する際に、請求項1?5のいずれか1項に記載の方法を該コンピュータに実行させるための、コンピュータプログラム。
【請求項12】
コンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、該コンピュータ読み取り可能記憶媒体に保存された請求項11に記載のコンピュータプログラムを含む、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。」


第5 原査定及び当審拒絶理由に引用された引用文献,引用発明等

引用文献1について

当審拒絶理由に引用された中国特許出願公開第104155897号明細書(以下,「引用文献1」という。当審訳には下線を付与。)には,

(当審訳:
技術領域
[0001] 本発明は電器制御分野に関し,具体的にスマートウェアラブルデバイスに基づく電器制御方法と電器制御装置に関する。

背景技術
[0002] 現在,電気機器(例えば電灯,テレビ,エアコンなど)は全て,需要によりスイッチングすることによってあるいはリモコンキーにより制御装置をオンあるいはオフするが,従来からエネルギーを浪費する問題がある。
[0003] 例えば,家にいる内の暗闇では,電灯スイッチを発見することが難しく,あるいは外出時は,家の電気機器を消し忘れて離れたかどうか不安がある。一面ではユーザ心理の悩みがあり,一方,電気機器が無人の環境で継続運転することによりエネルギーの無駄をもたらす。
[0004] したがって,暗闇での電灯スイッチや電気機器の消し忘れの問題を解決することには十分な需要があるが,現在,上記問題を解決する従来技術はない。)

(当審訳:
[0006] 本発明の第1の側面はスマートウェアラブルデバイスに基づく電器制御方法を提供し,以下を含む:
[0007] 電器制御装置とウェアラブルデバイスはペアリングし,前記電器制御装置は少なくとも1個の電気機器を管理する;
[0008] 前記電器制御装置とデバイスのペアリング後に,ウェアラブルデバイスと前記電器制御装置の間の距離がプリセット範囲内かどうか検出する;
[0009] もし前記ウェアラブルデバイスと前記電器制御装置の距離が前記プリセット範囲内にあれば,前記電器制御装置が管理している電気機器を制御してオン状態にする;
[0010] もし前記ウェアラブルデバイスと前記電器制御装置の距離が前記プリセット範囲内になければ,前記電器制御装置が管理している電気機器を制御してオフ状態にする。)

(当審訳:
[0020] 本発明の実施例はスマートウェアラブルデバイスに基づく以下の電器制御方法を提供する:電器制御装置とウェアラブルデバイスはペアリングし,前記電器制御装置は少なくとも1個の電気機器を管理する;前記電器制御装置とデバイスのペアリング後に,前記ウェアラブルデバイスと前記電器制御装置の間の距離がプリセット範囲内かどうか検出する;もし前記ウェアラブルデバイスと前記電器制御装置の距離が前記プリセット範囲内にあれば,前記電器制御装置が管理している電気機器を制御してオン状態にする;もし前記ウェアラブルデバイスと前記電器制御装置の距離が前記プリセット範囲内になければ,前記電器制御装置が管理している電気機器を制御してオフ状態にする。本発明の実施例は,また対応する電器制御装置を提供する。以下に,それぞれ詳細に説明する。)

(当審訳:
[0030] 本発明の実現方式により,電器制御装置とウェアラブルデバイスのペアリング後に,ウェアラブルデバイスは感知信号を発信し,前記電器制御装置はこのウェアラブルデバイスが発信する感知信号を感知できるかどうかを判断し,前記電器制御装置がこのウェアラブルデバイスが発信する感知信号を感知することができれば,前記ウェアラブルデバイスと前記電器制御装置の間の距離がプリセット範囲内であると判定し,前記電器制御装置がこのウェアラブルデバイスが発信する感知信号を検知できなければ,前記ウェアラブルデバイスと前記電器制御装置の間の距離がプリセット範囲内でないと判定する。ウェアラブルデバイスは,選択可能な,近距離無線通信技術(NFC),ブルートゥース,赤外線などの手段によって感知信号を送信する。
[0031] 本発明のその他の実現方式として,全世界測位システム(GPS)で(例えば室内3D GPS測位技術により)位置検知することができる。 具体的には,前記電器制御装置は前記ウェアラブルデバイスのGPS信号を取得し,前記ウェアラブルデバイスのGPS信号によって前記ウェアラブルデバイスと前記電器制御装置の間の距離を計算し;前記プリセット範囲内の距離と計算すれば,前記ウェアラブルデバイスと前記電器制御装置の間の距離が前記プリセット範囲内であると判定し;前記プリセット範囲外の距離と計算すれば,前記ウェアラブルデバイスと前記電器制御装置の間の距離が前記プリセット範囲内でないと判定する。
[0032] もちろん,本発明の実施例は,前記ウェアラブル装置と前記電器制御装置の間の距離がプリセット範囲内であるかどうかをどのように検出しているか,ここでは限定しない。)

(当審訳:
[0048] 本発明の実施例はまた,図3に示すように,以下を含む電器制御装置を提供する:
[0049] ピア接続ユニット301は,ウェアラブル装置とペアリングし,電器制御装置300は少なくとも1個の電気機器を管理する;
[0050] 検出ユニット302は,電器制御装置300とウェアラブル装置とペアリング後に,ウェアラブル装置と電器制御装置300の間の距離がプリセット範囲内かどうかを検出する;
[0051] 制御ユニット303は,検出ユニット302を用いて検出した前記ウェアラブル装置と電器制御装置300の距離がプリセット範囲内であると,電器制御装置300は管理した電気機器を制御してオン状態とする;検出ユニット302が検出した前記ウェアラブル装置と電器制御装置300の距離が前記プリセット範囲内にないと,制御装置制御装置300が管理する電気機器はオフ状態とする。)

の記載があるから,上記引用文献1には,

「暗闇での電灯スイッチや電気機器の消し忘れの問題を解決するために,電灯,エアコン等の電気機器をスマートウェアラブルデバイスに基づいて制御するにあたり,電器制御装置とウェアラブルデバイスがペアリングした後,ウェアラブルデバイスと電気制御デバイスの距離を,ウェアラブルデバイスがブルートゥースによって送信する感知信号を感知するかどうか,あるいはGPSを用いて,あるいは任意の方法で検出して,距離がプリセット範囲内にあるかどうかを検出することによって,電気機器をオン状態あるいはオフ状態とする方法。」(以下,「引用発明1」という。)

の発明が記載されている。

引用文献2について

当審拒絶理由に引用された特開2008-241185号公報(以下,「引用文献2」という。下線は当審が付与。)には,

「【0008】
本発明は以上述べた問題点を解決し、無線リモコンを備えた機器において、外出時の自動電源オフ機能や、帰宅時の自動電源オン機能、室内に人がいない時の省エネ運転などを特別なハードウェアを追加せずに、また、安価に構成することを目的とする。」

「【0021】
図1は空気調和機を示す制御ブロック図である。この空気調和機は、室内機と室外機とからなる空気調和機本体と、無線リモコンとで構成されている。なお、熱交換器や冷媒回路などの図示は省略している。また、キー操作部と表示部とを備え、室内機と無線で送受信する無線リモコンについても図示を省略している。」

「【0028】
図2(B)は室内機から送信される圏内確認コマンドであり、室内機から所定の周期、例えば2秒間隔で送信される。もし、無線リモコンがこの信号を受信できる圏内に存在し、このフレームを受信すると、無線リモコンは図2(C)の圏内応答コマンドを室内機へ返信する。
【0029】
従って、室内機がこの圏内応答コマンドを受信可能であれば、無線リモコンは所定の圏内に存在することになる。また、室内機がこのコマンドを受信した時の受信品質、例えば電界強度と対応する受信レベルや受信データのビットエラーレートを確認することにより、無線リモコンと室内機とのおおよその距離を求めることもできる。
【0030】
なお、室内機から圏内確認コマンドを送信するのは、無線リモコンでの間欠的な送信による無駄なバッテリー消費を低減させるためである。無線リモコン側に十分な電力があれば、無線リモコン側から圏内応答コマンドを間欠送信すれば、図2(B)の圏内確認コマンドの送信を省略できる。」

「【0033】
図3において、前述したように室内機1には無線送受信部2が備えられており、リビングルーム内におかれている無線リモコン1とは障害物なしで通信できるため、室内機1はリビングルーム内で、無線リモコン1の電波を受信品質が非常によい状態で受信できる。
【0034】
一方、もし、無線リモコン1が書斎におかれた場合は、無線リモコン1の電波が壁で減衰し、室内機1は無線リモコン1の電波を受信品質がやや悪い状態で受信する。さらに、無線リモコン1が玄関のドアから出た場合、無線リモコン1の電波は室内機1で全く受信できないか、非常に受信品質が悪い状態で受信することになる。
【0035】
このように、室内機1では周期的に圏内確認コマンドを送信し、無線リモコン1からの圏内応答コマンドの受信品質を確認することにより、室内機1と無線リモコン1とのおおよその距離を推定することができる。従って、室内機1で受信品質が非常によい場合は、無線リモコン1がリビングルーム内に置かれていると判断し、受信品質がやや悪い場合は無線リモコン1がリビングルーム外にあると判断し、全く受信できないか、非常に受信品質が悪い状態であれば、無線リモコン1が自宅外に持ち出されたと判断する。
【0036】
そして、室内機1は無線リモコン1がリビングルーム周辺にあると判断した場合、ユーザーがしばらくの間、他の部屋、例えば書斎へ移ったと判断し、空気調和機1(室内機1と室外機1)の運転を弱運転に切り換えて省エネ運転を行なう。さらに、室内機1は無線リモコン1が自宅外に持ち出されたと判断すると、空気調和機1の運転を停止する。また、この状態で無線リモコン1がリビングルーム周辺に帰ってきたと判断した場合、自動的に空気調和機1の電源を投入し、自動運転を開始する。
【0037】
このように、無線リモコン1と室内機1との距離(受信品質)に対応して運転を自動的に制御できるので、無線リモコン1をカード型などに小型化して、ユーザーが携帯することにより、電源の切り忘れ防止や帰宅時の自動電源投入、さらに、室外へ移動したときの省エネ運転を自動的に行なうことができる。」

「【0039】
また、本実施例では、室内機が受信する無線リモコンからの応答確認コマンドの受信品質を『非常によい』、『やや悪い』、『非常に悪い、もしくは、受信できない』の3段階に設定しているが、これに限るものではない。」

の記載があるから,引用文献2には,

「空気調和機の室内機が受信する無線リモコンからの圏内応答コマンドの電界強度と対応する受信レベルや受信データのビットエラーレートである受信品質が「非常によい」「やや悪い」「非常に悪い,もしくは,受信できない」により,おおよその距離を求めて,リビングルーム内,リビングルーム外,自宅外を判断し,電源を投入,省エネ運転,運転を停止,を行うことにより,電源の切り忘れ防止や帰宅時の自動電源投入,さらに,室外へ移動したときの省エネ運転を自動的に行なう方法。」(以下,「引用発明2」という。)

の発明が記載されている。

引用文献3について

当審拒絶理由に引用された特開2007-288311号公報(以下,「引用文献3」という。)には,

「【0008】
ところが、電波強度の閾値によって距離を判断して動作制限の有無の切り替えを行おうとすると、閾値の境界にあたる距離では、電波強度測定値が閾値前後にばらつくために動作が不安定になる。
【0009】
このため、閾値判断にヒステリシスを設けて動作制限の有無の切り替えが起こりにくくすることで動作を安定化することが考えられる。」

の記載があるから,引用文献3によれば,

「電波強度の閾値によって距離を判断して動作の切り換えを行うにあたり,閾値の境界の距離では電波強度測定値が閾値前後にばらついて動作が不安定になるために,閾値判断にヒステリシスを設けることで動作を安定化させる」(以下,「引用発明3」という。)

ことが記載されている。

引用文献4について

原査定の理由に引用された特開2005-295601号公報(以下,「引用文献4」という。)には,

「【0101】
この自動ロック操作システムは、例えば家の玄関扉の鍵を自動的に操作するために用いられる。この場合、玄関扉の鍵が操作対象5となる。また、操作対象制御ユニット4は、玄関扉の内側に取り付けられており、操作対象操作部45により鍵のつまみを回転させるなどして施錠/解錠の操作をできるようになっている。
【0102】
玄関扉の鍵は、通常操作対象制御ユニット4により施錠されている。利用者は、外出時には、アダプタ2を接続した状態の携帯電話機1を携帯する。利用者が帰宅し、玄関扉に近づくと、アダプタ2と近距離無線ユニット3との間で近距離無線通信が可能となり、通信が確立される(ステップS1)。
【0103】
アダプタ2は、近距離無線ユニット3との通信が確立されると、携帯電話機インターフェイス回路24を介して、携帯電話機1から携帯電話機1のIDを取得する(ステップS2)。」

「【0106】
近距離無線ユニット3には、その家へ入ることが許されている者(例えばその家に住む家族)それぞれの携帯電話機1のIDが予め設定され、メモリ33に記憶されている。近距離無線ユニット3は、アダプタ2からIDを受信すると、メモリ33に記憶しているIDとの照合をCPU32により行う(ステップS5)。そして、照合の結果、受信したIDがメモリ33に記憶しているIDの1つと一致したか否かをCPU32により判別する(ステップS6)。
【0107】
ここで、一致した場合は、近距離無線ユニット3が、鍵を解錠するための制御信号を操作対象制御ユニットインターフェイス回路34から操作対象制御ユニット4に送る(ステップS7)。操作対象制御ユニット4は、その制御信号を近距離無線ユニットインターフェイス回路44にて近距離無線ユニット3から受けると、操作対象操作部45が鍵を解錠して利用者が玄関扉を開けることができるようにする(ステップS8)。なお、操作対象制御ユニット4はタイマを備え、解錠してから所定時間経過後に再度施錠するようになっている。
【0108】
近距離無線ユニット3のCPU32が、ステップS6において、受信したIDがメモリ33に記憶しているIDの何れとも一致しなかったと判別すると、操作対象制御ユニット4に制御信号を送ることなく処理を終了する。」

の記載があるから,

「アダプタ2が,近距離無線ユニット3との通信が確立され,携帯電話機1から携帯電話機1のIDを取得すると,メモリ33に記憶しているIDとの照合を行い,照合の結果,一致した場合は,近距離無線ユニット3が,鍵を解錠するための制御信号を操作対象制御ユニットインターフェイス回路34から操作対象制御ユニット4に送り,利用者が玄関扉を開けることができるようにし,受信したIDがメモリ33に記憶しているIDの何れとも一致しなかったと判別すると,操作対象制御ユニット4に制御信号を送ることなく処理を終了する」

ことが引用文献4に記載されている。

引用文献5について

原査定の理由に引用された特開平06-058029号公報(以下,「引用文献5」という。)には,

「【0020】この車載機4は、携帯機9から電波送信される解錠信号が所定周期Tごとに受信された場合には解錠作動信号を、所定周期ごとに受信されない場合には施錠作動信号を出力するものであって、受信アンテナ5で受信された解錠信号をIDコードのデータに復調する受信回路20、IDコードを予め設定するためのIDコード設定スイッチ22、受信回路20で受信して得られるIDコードとIDコード設定スイッチ22で設定されたIDコードとを比較し、両者が一致した場合に一致信号を出力するIDコード比較回路24、このIDコード比較回路24からの一致信号入力に応答してロックユニット3に対して解錠作動信号を出力するタイマ回路26からなる。すなわち、本例におけるタイマ回路26は、一致信号が入力されるたびにタイマセットされ、一致信号が入力されなくなって一定時間T1(T1>T)が経過したときにタイムアップするように構成されている。」

の記載があるから,

「受信回路20で受信して得られるIDコードとIDコード設定スイッチ22で設定されたIDコードとを比較し,両者が一致した場合に出力される一致信号に応答してロックユニット3に対して解錠作動信号を出力する」

ことが引用文献5に記載されている。

引用文献6について

原査定の理由に引用された特開平01-244230号公報(以下,「引用文献6」という。)には,

「本発明は主として空気調和装置に用いるリモコンの位置検出装置に関するものである。」(1頁右欄12?13行)

「位置検出ユニットと風向変更板とを連結すると、回転手段により検出ユニットと風向変更板が同時に回転制御され、位置検出ユニットがリモコンの位置を検出すると風向変更板もリモコン方向を向き、その方向に冷暖風を吹き出すことができる。」(2頁右上欄18行?左下欄3行)

「14は受信部、15は主制御部であり、この受信部14及び主制御部15はリモコン2の操作による光信号を受信し、その信号内容を解読し、空気調和装置1の運転・停止動作、温度設定、風量設定などの運転制御を行なうものである。」(2頁右下欄17行?3頁左上欄2行)

「今、リモコン2の操作スイッチ(図示せず)が押されると主制御部15は位置検出が必要な入力かどうかを判断する。位置検出が必要な入力であれば回転制御手段13に位置検出開始信号を送出する。この位置検出開始信号により回転制御手段13は回転手段6の回転動作を可能とし、位置検出ユニット7を例えば回転角θ=0°より90°まで回転させる。この位置検出ユニット7の回転に応じて、増幅手段10の増幅出力Eは第3図に示す特性を与える。記憶手段11はこの増幅出力Eを常時入力し、その値が大きくなる毎に記憶(ホールド)する値を更新し、この結果位置検出ユニット7がほぼ全回転範囲(0°?90°)で回転した後の記憶手段11の記憶する値は最大値Epとなる。回転制御手段13は引き続いて位置検出ユニット7を回転角θ=90°より0°方向へ回転させるが、判定手段12は第3図に示すように、増幅手段10の増幅出力Eを入力して、その値が記憶手段11で記憶する値Epに対してやや小さな値(ΔEだけ小さい値)となった時、判定出力を回転制御手段13へ発して回転手段6を停止させる。この時、位置検出ユニット7の停止する回転角θは受光素子8がリモコン2よりの光信号をほぼ垂直に受光する角度であり、位置検出ユニット7の方向はリモコン2の方向に向き、同様に風向変更板5もこの方向に向くことになり、従ってリモコン2の方向に冷暖風を吹出すことができる。」(3頁左上欄16行?左下欄3行)

「以上、本発明のリモコン位置検出装置の一実施例を添付図面に基づいて説明したが、この添付図面に示す一実施例のほか以下のような構成も可能である。
(イ) スペース・コストの面でやや難があるが、位置検出ユニット7と風向変更板5とを連結せずに、それぞれ専用の回転手段を設けることで、増幅手段10の増幅出力の最大値Epを検出する間の風向変更板5の回転動作が不用になり、直接風向変更板5を目標の方向に動かすことが可能で、操作性・快適性の点でより効果がある。」(3頁左下欄10?20行)

の記載があるから,

「位置検出ユニットと風向変更板とを連結すると,回転手段により検出ユニットと風向変更板が同時に回転制御され,位置検出ユニットがリモコンの位置を検出すると風向変更板もリモコン方向を向き,その方向に冷暖風を吹き出すことができるものであって,
リモコン2の操作スイッチが押され,位置検出が必要な入力であれば,位置検出ユニット7を例えば回転角θ=0°より90°まで回転させ,位置検出ユニット7の回転に応じて,増幅手段10の増幅出力Eは第3図に示す特性を与え,位置検出ユニット7がほぼ全回転範囲(0°?90°)で回転した後の記憶手段11の記憶する値は最大値Epとなり,位置検出ユニット7を回転角θ=90°より0°方向へ回転させ,値Epに対してやや小さな値となった時,判定出力を回転制御手段13へ発して回転手段6を停止させることで,位置検出ユニット7の方向はリモコン2の方向に向き,同様に風向変更板5もこの方向に向くことになり,従ってリモコン2の方向に冷暖風を吹出すことができる
リモコンの位置検出装置。」

が引用文献6に記載されている。

引用文献7について

原査定の理由に引用された特表2015-503885号公報(以下,「引用文献7」という。)には,

「【0150】
本発明の幾つかの実施形態では、階層内の特定の層で展開されることに加えて、他のピア機器は、所定の機器に関連して、それらのピア機器がその機器に物理的に近接している程度によって、分類することができる。例えば、一実装では、所定の機器は、その機器が聴取することができるピア機器を、「近接範囲」、「中間範囲」、又は「遠隔範囲」の、3つの範囲のうちの1つに分類することができる。
【0151】
範囲の測定値又は推定値は、受信信号強度表示(RSSI)及び/又は他の距離の表示(例えば、GPSデータ)から導き出すことができる。例示として、限定するものではないが、「近接範囲」は、約5メートルとして定義することができ、「中間範囲」は、約10メートルとして定義することができ、「遠隔範囲」は、約15メートル以上として定義することができる。」

の記載があるから,

「所定の機器が,その機器が聴取することができるピア機器を,「近接範囲」,「中間範囲」,又は「遠隔範囲」の,3つの範囲のうちの1つに分類するにあたり,受信信号強度表示(RSSI)及び/又はGPSデータから導き出すことができる」

ことが引用文献7に記載されている。

引用文献8について

原査定の理由に引用された米国特許出願公開第2015/0139213号明細書(以下,「引用文献8」という。)には,

「[0045] In aparticular embodiment, the first device 110 can be a WLAN device, an accesspoint (AP), or any combination thereof. The second device 120 can be a mobiledevice, such as a mobile telephone, a portable computing device, a tablet computing device, a personal digital assistant (PDA), a portable media player,or any combination thereof.」
(当審訳:
[0045] 特定の実施形態では,第1のデバイス110は,WLANデバイス,アクセスポイント(AP),またはそれらの任意の組合せであり得る。第2のデバイス120は,携帯電話,ポータブルコンピューティングデバイス,タブレットコンピューティングデバイス,携帯情報端末(PDA),ポータブルメディアプレーヤ,またはそれらの任意の組合せなどのモバイルデバイスであり得る。)

「[0099] In an alternate embodiment, the roles of the service-providing and service-seeking device can be reversed. To illustrate, a service-seeking device can receive adiscovery message from a service-providing device. In response to the discovery message, the service-seeking device can determine a range to the service-providing device. The range can be determined using an RSSI of the discovery message, a RTT measurement operation, an alternate (e.g., non-802.11based) technology, GPS, fixed wireless access points or cellular towers, or ranging with respect to a third device. In response to determining that the range between the service-seeking device and the service-providing device is within a threshold, the service-seeking device can initiate operations for connection setup (e.g., set up of a WiFi Direct connection).」
(当審訳:
[0099] 代替実施形態では,サービス提供デバイスおよびサービス探索デバイスの役割は逆にされ得る。例示のために,サービス探索デバイスは,ディスカバリメッセージをサービス提供デバイスから受信することができる。ディスカバリメッセージに応答して,サービス探索デバイスは,サービス提供デバイスまでの範囲を決定することができる。範囲は,ディスカバリメッセージのRSSI,RTT測定動作,代替の(たとえば,非802.11ベースの)技術,GPS,固定のワイヤレスアクセスポイントもしくはセルラータワー,または第3のデバイスに対する測距を使用して,決定され得る。サービス探索デバイスとサービス提供デバイスとの間の範囲がしきい値内であると決定することに応答して,サービス探索デバイスは,接続セットアップ(たとえば,WiFi直接接続のセットアップ)のための動作を開始することができる。)

「[0116] As described with respect to the other figures, the mobile device (the second device 120) can determine a range to the mobile device (the first device 110),in various embodiments, using one or more of an RSSI of the discovery message, a RTT measurement operation, an alternate (e.g., non-802.11 based) technology, GPS, fixed wireless access points or cellular towers, and ranging with respectto a third device. In response to determining that the range between the service-seeking device and the service-providing device is within a threshold, the service-seeking device can initiate operations for connection setup (e.g.,set up of a WiFi Direct connection). Thus, in some embodiments, the first device 110 can indicate its location to the second device 120, and/or the second device 120 can determine a location indication 115 (FIG.1) of the first device 110.」
(当審訳:
[0116] 他の図に関して説明するように,モバイルデバイス(第2のデバイス120)は,様々な実施形態では,ディスカバリメッセージのRSSI,RTT測定動作,代替の(たとえば,非802.11ベースの)技術,GPS,固定のワイヤレスアクセスポイントまたはセルラータワー,および第3のデバイスに対する測距のうちの1つまたは複数を使用して,モバイルデバイス(第1のデバイス110)までの範囲を決定することができる。サービス探索デバイスとサービス提供デバイスとの間の範囲がしきい値内であると決定することに応答して,サービス探索デバイスは,接続セットアップ(たとえば,WiFi直接接続のセットアップ)のための動作を開始することができる。したがって,いくつかの実施形態では,第1のデバイス110は,その位置を第2のデバイス120に示すことができ,および/または第2のデバイス120は,第1のデバイス110の位置表示115(図1)を決定することができる。)

の記載があるから,

「携帯電話である第2のデバイス120がディスカバリメッセージのRSSIやGPSを使用して,アクセスポイント(AP)である第1のデバイス110までの範囲を決定することができる。」

ことが引用文献8に記載されている。


第6 対比・判断

1.本願発明1について

(1)引用発明1との対比と判断

本願発明1の「インテリジェント電気機器」について,明細書には
「【0035】
インテリジェント電気機器は,Wi-Fi、Bluetooth、Zigbee等(同時に複数のプロトコルをサポートしていてもよいが、少なくともBluetoothが必要である)の無線通信プロトコルを使用している。インテリジェント電気機器は、ユーザに使用される端末と通信することができ、端末のクライアント側からローカル又はリモート制御命令を受信する。ユーザは、スマートバンド、スマートグラス等の、Bluetoothプロトコルを使用しているスマートウェアラブルデバイスを着用し、このようなスマートウェアラブルデバイスは、インテリジェント電気機器とバインドしていてもよく、バインドしていなくてもよい。スマートウェアラブルデバイスは、周囲に無線メッセージを周期的に放送する。該方法がインテリジェント電気機器において用いられる時には、インテリジェント電気機器が、Wi-Fi、Bluetooth又はZigbeeを通じて、スマートウェアラブルデバイスの放送したメッセージを受信する。該方法がユーザに使用される端末において用いられる時には、該端末が、Wi-Fi、Bluetooth又はZigbeeを通じて、スマートウェアラブルデバイスの放送したメッセージを受信する。」
の記載があるから,「インテリジェント電気機器」とは,「少なくともBluetoothの無線通信プロトコルを使用し,スマートウェアラブルデバイスの放送したメッセージを受信する電気機器」である。
また,無線通信プロトコルを使用した送信は,放送である。
そうすると,引用発明1の「電器制御装置」は,「ウェアラブルデバイスがブルートゥースによって送信する感知信号」を感知するかどうかを判断しており,これは,「ウェアラブルデバイスがブルートゥースによって送信する感知信号」を受信可能な電気機器,すなわち「Bluetoothの無線通信プロトコルを使用し,スマートウェアラブルデバイスの放送したメッセージを受信する」電気機器に他ならないから,「インテリジェント電気機器」である。

引用発明1の「スマートウェアラブルデバイス」「ウェアラブルデバイス」は,本願発明1の「スマートウェアラブルデバイス」に相当する。

引用発明1の「ウェアラブルデバイスが送信する感知信号」と,本願発明1の「スマートウェアラブルデバイスによって放送されたメッセージ」とは,「スマートウェアラブルデバイスによって送信された信号」である点で一致する。

本願発明において,「デフォルトのスマートウェアラブルデバイスであるか否かを判断する」に関し,明細書には
「【0039】
スマートウェアラブルデバイスの放送したメッセージは、スマートウェアラブルデバイスの識別子を含んでおり、これによって他のデバイスとの識別が容易になる。インテリジェント電気機器又は端末は、メッセージを受信した後に、メッセージ中のスマートウェアラブルデバイスの識別子を解析する。一実施形態では、スマートウェアラブルデバイスの識別子は、スマートウェアラブルデバイスのハードウェアアドレスを含んでいてもよく、スマートウェアラブルデバイスの唯一の名称を含んでいてもよい。
【0040】
ステップS202では、識別子がインテリジェント電気機器を制御するための端末中に予め設定された第1デバイス識別子であるか否か、又は、識別子がインテリジェント電気機器にバインドした第2デバイス識別子であるか否か、又は、識別子が第1デバイス識別子及び第2デバイス識別子の両方であるか否かを判断する。判断の結果が是である場合には、続いてステップS203を実行する。判断の結果が否である場合には、続いてステップS204を実行する。」
「【0042】
ステップS203では、ステップS202の判断の結果が是である場合には、スマートウェアラブルデバイスがデフォルトのスマートウェアラブルデバイスであると決定する。」
の記載があるから,「デフォルトのスマートウェアラブルデバイスであるか否かを判断する」ことは,「スマートウェアラブルデバイスの放送したメッセージを受信し,メッセージ中のスマートウェアラブルデバイスの識別子を解析し,識別子がインテリジェント電気機器にバインドした第2デバイス識別子であるか否かを判断する」ことである。
一方,引用発明1の電気制御装置とウェアラブルデバイスは,ペアリングを行った後にウェアラブルデバイスが発信する感知信号を感知するか検出しており,ペアリングとは,通信相手を登録することにより,登録した通信相手からの信号だけを受信するための処理であるから,引用発明1が「ウェアラブルデバイスが発信する感知信号を受信」するにあたり,感知信号中のスマートウェアラブルデバイスの識別子を解析し,識別子が電器制御装置にバインドした識別子であるか否かを判断」していることは当然である。
したがって,引用発明1は,「スマートウェアラブルデバイスの放送したメッセージを受信し,メッセージ中のスマートウェアラブルデバイスの識別子を解析し,識別子がインテリジェント電気機器にバインドした第2デバイス識別子であるか否かを判断」しているといえる。

引用発明1は,ウェアラブルデバイスと電気制御デバイスの距離は任意の方法で検出して良いから,引用発明1とは,「前記スマートウェアラブルデバイスと前記インテリジェント電気機器との間の距離を決定」している点で一致している。
さらに,引用発明1は,「距離がプリセット範囲内にあるかどうかを検出することによって,電気機器をオン状態あるいはオフ状態」とするのであり,電気機器のオン状態あるいはオフ状態は,電気機器のモードである。
したがって,引用発明1は,「前記スマートウェアラブルデバイスがデフォルトのスマートウェアラブルデバイスとして決定された場合に,既定のパラメータに基づいて,前記インテリジェント電気機器の動作モードを制御することであって,前記既定のパラメータが,前記スマートウェアラブルデバイスと前記インテリジェント電気機器との間の距離を含」んでいるといえる。

引用発明1の「エアコン」は,「空調機」である。

したがって,本願発明1と引用発明1とは,

「インテリジェント電気機器を動作させる方法であって、
スマートウェアラブルデバイスによって放送されたメッセージを取得することと、
前記メッセージに基づいて、前記スマートウェアラブルデバイスがデフォルトのスマートウェアラブルデバイスであるか否かを判断することと、
前記スマートウェアラブルデバイスと前記インテリジェント電気機器との間の距離を決定することと、
前記スマートウェアラブルデバイスがデフォルトのスマートウェアラブルデバイスとして決定された場合に、既定のパラメータに基づいて、前記インテリジェント電気機器の動作モードを制御することであって、前記既定のパラメータが、前記スマートウェアラブルデバイスと前記インテリジェント電気機器との間の距離を含む、ことと
を含み、
前記インテリジェント電気機器が空調機であることと
をさらに含む、方法。」

で一致し,下記の点で相違する。

(相違点1)
前記スマートウェアラブルデバイスと前記インテリジェント電気機器との間の距離の決定に際し,本願発明1は,前記メッセージに基づいて、前記メッセージの信号強度を決定し、前記メッセージの信号強度に基づいているのに対し,引用発明1は,任意の方法で検出して良い点。

(相違点2)
前記既定のパラメータが前記スマートウェアラブルデバイスと前記インテリジェント電気機器との間の距離を含んでいる場合に,前記既定のパラメータに基づいて,前記インテリジェント電気機器の動作モードを制御することについて,本願発明1は,
「既定の期間内において前記距離が第1閾値よりも小さい又は第1既定範囲内にある場合に、前記インテリジェント電気機器をオンにすることと、
既定の期間内において前記距離が第2閾値よりも大きい又は第2既定範囲内にある場合に、前記インテリジェント電気機器をオフにすることとを含み、
前記第1閾値は、前記第2閾値よりも小さい又は等しく、前記第1既定範囲の最大値は、前記第2既定範囲の最小値よりも小さい又は等しい」
のに対し,引用発明1は,
「距離がプリセット範囲内にあるかどうかを検出することによって,電気機器をオン状態あるいはオフ状態とする」
点。

(相違点3)
本願発明1は,
「前記インテリジェント電気機器がスマート空調機であって,前記方法が,
前記メッセージの信号発信方向を取得することと、
前記メッセージの信号発信方向に基づいて、前記スマート空調機のスイング風方向を制御する」
のに対し,引用発明1は,
前記電気機器は,エアコンを含むが,メッセージの信号発信方向を取得して,メッセージ時の信号発信方向に基づいて,前記スマート空調機のスイング風方向を制御する記載はない点。

(相違点4)
本願発明1は,空調機が「スマート空調機」であるのに対し,引用発明1は「エアコン」である点。

事案に鑑み,相違点3について検討する。

当審拒絶理由に引用された引用文献3には,「メッセージの信号発信方向を取得」して「前記メッセージの信号発信方向に基づいて、前記スマート空調機のスイング風方向を制御する」ことは記載されていない。

さらに,原査定の理由に引用された引用文献6に「リモコンの位置を検出すると風向変更板もリモコン方向を向き,その方向に冷暖風を吹き出す」リモコンの位置検出装置が記載されているが,引用発明1は,「暗闇での電灯スイッチや電気機器の消し忘れの問題を解決するため」に電器機器のオン・オフを制御するものであるから,引用文献1に電器機器であるエアコンがオンしている場合の,エアコンのスイングの風方向を制御するリモコンの位置検出装置を組み合わせる動機付けが存在しない。
さらに,引用発明1は,感知信号を感知するかどうかに基づいて電気機器を制御するものであるから,リモコンからの信号が検出できることを前提としていないが,引用文献6は,位置検出ユニット7を回転させてリモコンの位置を検出するものであって,増幅手段の増幅出力の値によりリモコンの位置を検出するものであるから,リモコンからの信号が検出できることを前提としてリモコンの位置を検出するものである。
つまり,引用発明1と引用文献6は前提が異なるから,引用発明1に引用文献6に記載された技術的事項を組み合わせることはできない。
さらに,仮に組み合わせたとしても,引用発明1は,感知信号を検出しないと電気機器をオフ状態とするから,位置検出手段の方向が増幅電流Eが小さい方向の場合に電気機器をオフ状態としてしまうこととなる。
結局,引用発明1に引用文献6記載に記載された技術的事項を組み合わせたとすると,リモコンの位置を検出している間に電気機器がオフ状態となってしまうから,冷暖風を吹き出す方向を制御することはできない。

また,引用文献2,4,5,7,8にもエアコンの風方向を制御することは記載されておらず,本願優先日前において,暗闇での電灯スイッチや電気機器の消し忘れの問題を解決するための手段として,エアコンの風方向を制御するリモコンの位置検出装置が周知技術であるともいえない。

したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用発明1,引用文献2-8に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

(2)引用発明2との対比と判断

引用発明2の「室内機」は「空気調和機の室内機」であるから,「電気機器」であり,「空調機」である。
本願発明1の「スマートウェアラブルデバイス」は,「前記インテリジェント電気機器の動作モードを制御する」から,本願発明1の「スマートウェアラブルデバイス」と引用発明2の「無線リモコン」は「リモコン」である点で一致する。
引用発明2の「圏内応答コマンド」は「放送されたメッセージ」であり,
引用発明2は,「無線リモコンからの圏内応答コマンドの電界強度と対応する受信レベルや受信データのビットエラーレートである受信品質が『非常によい』『やや悪い』『非常に悪い,もしくは,受信できない』により,おおよその距離を求めて」いるから,「メッセージに基づいて,前記メッセージの信号強度を決定し,前記信号強度に基づいて,無線リモコンと室内機の距離を決定」しているといえる。

したがって,本願発明1と引用発明2とは,

「電気機器を動作させる方法であって、
リモコンによって放送されたメッセージを取得することと、
前記メッセージに基づいて、前記メッセージの信号強度を決定し、前記メッセージの信号強度に基づいて、前記リモコンと前記電気機器との間の距離を決定することと、
前記リモコンがデフォルトのリモコンとして決定された場合に、既定のパラメータに基づいて、前記電気機器の動作モードを制御することであって、前記既定のパラメータが、前記リモコンと前記電気機器との間の距離を含む、ことと
を含み、
前記電気機器が空調機である、
方法。」

で一致し,下記の点で相違する。

(相違点1)
電気機器について,本願発明1は,「インテリジェント電気機器」であって「スマート空調機」であるのに対し,引用発明2は「空気調和機の室内機」である点。

(相違点2)
本願発明1は「前記メッセージに基づいて,前記スマートウェアラブルデバイスがデフォルトのスマートウェアラブルデバイスであるか否かを判断する」のに対し,引用発明2は,デフォルトの無線リモコンであるか否かの判断を行う記載はない点。

(相違点3)
本願発明1は,インテリジェント電気機器の動作モードの制御について
「前記既定のパラメータが前記リモコンと前記電気機器との間の距離を含んでいる場合に、前記既定のパラメータに基づいて、前記電気機器の動作モードを制御することが、
既定の期間内において前記距離が第1閾値よりも小さい又は第1既定範囲内にある場合に、前記インテリジェント電気機器をオンにすることと、
既定の期間内において前記距離が第2閾値よりも大きい又は第2既定範囲内にある場合に、前記インテリジェント電気機器をオフにすることとを含み、
前記第1閾値は、前記第2閾値よりも小さい又は等しく、前記第1既定範囲の最大値は、前記第2既定範囲の最小値よりも小さい又は等し」い
のに対し,引用発明2は,
「電界強度と対応する受信レベルや受信データのビットエラーレートである受信品質が「非常によい」「やや悪い」「非常に悪い,もしくは,受信できない」により,おおよその距離を求めて,リビングルーム内,リビングルーム外,自宅外を判断し,電源を投入,省エネ運転,運転を停止,を行う」
点。

(相違点4)
本願発明1は,
「前記メッセージの信号発信方向を取得することと、
前記メッセージの信号発信方向に基づいて、前記スマート空調機のスイング風方向を制御する」
のに対し,引用発明2の空気調和機の室内機は,風方向を制御する記載がない点。

事案に鑑み,相違点4について検討する。

当審拒絶理由に引用された引用文献3には,「メッセージの信号発信方向を取得」して「前記メッセージの信号発信方向に基づいて、前記スマート空調機のスイング風方向を制御する」ことは記載されていない。

さらに,原査定の理由に引用された引用文献6に「リモコンの位置を検出すると風向変更板もリモコン方向を向き,その方向に冷暖風を吹き出す」リモコンの位置検出装置が記載されているが,引用発明2は,「電源の切り忘れ防止や帰宅時の自動電源投入,さらに,室外へ移動したときの省エネ運転を自動的に行なう」ものであるから,引用文献2に電器機器であるエアコンがオンしている場合の,エアコンのスイングの風方向を制御するリモコンの位置検出装置を組み合わせる動機付けが存在しない。

さらに,引用発明2は,メッセージの信号強度に基づいて電気機器を制御するものであるから,リモコンからの信号が検出できることを前提としていないが,引用文献6は,位置検出ユニット7を回転させてリモコンの位置を検出するものであって,増幅手段の増幅出力の値によりリモコンの位置を検出するものであるから,リモコンからの信号が検出できることを前提としてリモコンの位置を検出するものである。
つまり,引用発明2と引用文献6は前提が異なるから,引用発明2に引用文献6に記載された技術的事項を組み合わせることはできない。
さらに,仮に組み合わせたとしても,引用発明2は,メッセージを検出しないと電気機器をオフ状態とするから,位置検出手段の方向が増幅電流Eが小さい方向の場合に電気機器をオフ状態としてしまうこととなる。
結局,引用発明2に引用文献6記載に記載された技術的事項を組み合わせたとすると,リモコンの位置を検出している間に電気機器がオフ状態となってしまうから,冷暖風を吹き出す方向を制御することはできない。

また,引用文献1,4,5,7,8にもエアコンの風方向を制御することは記載されておらず,本願優先日前において電源の切り忘れ防止や帰宅時の自動電源投入,さらに,室外へ移動したときの省エネ運転を自動的に行なうための手段として,エアコンの風方向を制御するリモコンの位置検出装置が周知技術であるともいえない。

したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用発明2,引用文献1,3-8に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2-5,11-12について

本願発明2-5,11-12も,本願発明1の
「前記メッセージの信号発信方向を取得することと、
前記メッセージの信号発信方向に基づいて、前記スマート空調機のスイング風方向を制御する」
と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明1,引用文献2-8に記載された技術的事項あるいは,引用発明2,引用文献1,3-8に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3.本願発明6について

本願発明6も本願発明1の
「前記メッセージの信号発信方向を取得することと、
前記メッセージの信号発信方向に基づいて、前記スマート空調機のスイング風方向を制御する」
ように構成された第2制御モジュールである
「前記メッセージの信号発信方向を取得するように構成された第2取得モジュールと、
前記メッセージの信号発信方向に基づいて、前記スマート空調機のスイング風方向を制御するように構成された第2制御モジュールと」
を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明1,引用文献2-8に記載された技術的事項あるいは,引用発明2,引用文献1,3-8に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

4.本願発明7-10について

本願発明7-10も本願発明6の
「前記メッセージの信号発信方向を取得するように構成された第2取得モジュールと、
前記メッセージの信号発信方向に基づいて、前記スマート空調機のスイング風方向を制御するように構成された第2制御モジュールと」
を備えるものであるから,本願発明6と同じ理由により,当業者であっても,引用発明1,引用文献2-8に記載された技術的事項あるいは,引用発明2,引用文献1,3-8に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。


第7 明確性について

請求項2について,
「前記識別子が前記インテリジェント電気機器を制御するための端末中に予め設定された第1デバイス識別子であるか否かの判断、又は、前記識別子が前記インテリジェント電気機器にバインドした第2デバイス識別子であるか否かの判断、又は、前記識別子が前記インテリジェント電気機器を制御するための端末中に予め設定された第1デバイス識別子及び前記インテリジェント電気機器にバインドした第2デバイス識別子の両方であるか否かの判断のうちのいずれか1つの判断を行うこと」
と補正されたから,「いずれか1つの判断を行う」ことが明確となった。


第8 原査定についての判断

原査定は,引用文献1と,引用文献4-8に記載された技術事項に基づいて,容易に発明をすることができたとするものであるから,「第6」に記載したとおり,容易に発明できたものではない。
したがって,原査定の理由を維持することはできない。


第9 むすび

以上のとおり,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-09-08 
出願番号 特願2017-513698(P2017-513698)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04Q)
P 1 8・ 537- WY (H04Q)
最終処分 成立  
前審関与審査官 松原 徳久  
特許庁審判長 佐藤 智康
特許庁審判官 吉田 隆之
岡本 正紀
発明の名称 インテリジェント電気機器を動作させる方法及び装置  
代理人 特許業務法人藤本パートナーズ  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ