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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 G04C |
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管理番号 | 1366078 |
異議申立番号 | 異議2018-700812 |
総通号数 | 250 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2020-10-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2018-10-04 |
確定日 | 2020-07-22 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6303444号発明「電子時計」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6303444号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-14〕について訂正することを認める。 特許第6303444号の請求項7ないし14に係る特許を取り消す。 特許第6303444号の請求項1ないし6に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6303444号(請求項の数9。以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし請求項9に係る発明は、平成25年11月28日にした特許出願に係る発明である。そして、平成30年3月16日にその特許権の設定の登録がされ、同年4月4日にその特許掲載公報が発行された。 特許異議申立人越川真紀は、同年10月4日に、請求項1ないし請求項9に係る特許について特許異議の申立てをした。 審判長は、平成31年1月24日付けで、請求項1ないし請求項9に係る特許について取消理由の通知をした。これに対して、特許権者は、同年3月29日に、特許請求の範囲の訂正(以下、「第1次訂正」という。)を請求するとともに、意見書を提出した。その後、特許異議申立人は、令和元年6月13日付け意見書を提出した。 審判長は、同年8月19日付けで、第1次訂正後の請求項1ないし請求項9に係る特許について取消理由の通知(決定の予告)をした。これに対して、特許権者は、同年10月24日に、特許請求の範囲の訂正(訂正後の請求項は請求項1ないし請求項14。ただし、請求項1ないし請求項6は削除。以下、「本件訂正」という。)を請求するとともに、意見書を提出した。その後、特許異議申立人は、令和2年1月10日付け意見書を提出した。 審判長は、同年2月28日付けで、本件訂正後の請求項7ないし請求項14に係る特許について取消理由(以下、「本件取消理由」という。)の通知(決定の予告)をし、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、特許権者からは応答がなかった。 なお、本件訂正の請求がされたので、特許法第120条の5第7項の規定により、第1次訂正の請求は取り下げられたものとみなす。 第2 当合議体の判断 本件訂正は、一群の請求項である請求項1ないし請求項9について請求されたものである。そして、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、また、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。さらに、本件訂正は、特許異議の申立てがされた請求項について請求されたものであるから、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の要件が課されることはない。したがって、本件特許の特許請求の範囲を、本件訂正の請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1ないし請求項14について訂正することを認める。 本件特許の請求項7ないし請求項14に係る発明は、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項7ないし請求項14に記載された事項により特定されるとおりのものである。 そして、本件取消理由は妥当なものと認められるので、本件特許の請求項7ないし請求項14に係る特許は、本件取消理由によって取り消すべきものである。 また、本件特許の請求項1ないし請求項6に係る特許についての特許異議の申立ては、本件訂正により請求項1ないし請求項6が削除された結果、申立ての対象が存在しないものとなった。したがって、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により、却下するべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】削除 【請求項2】削除 【請求項3】削除 【請求項4】削除 【請求項5】削除 【請求項6】削除 【請求項7】 文字板の周囲に設けられているダイヤルリングおよびベゼルと、 秒針と、 制御部と、を備え、 前記ダイヤルリングには、協定世界時とタイムゾーンで使用されている標準時との時差を表す時差情報であって、40以上60以下の数の前記時差情報が、1周を60分割した秒を表示する目盛に沿って表記され、 前記時差情報においては、前記協定世界時を示す前記時差情報は0秒位置に表記され、前記協定世界時より進んだ前記タイムゾーンの前記時差情報は平面視で前記0秒位置から右回りに表記され、且つ、前記協定世界時より遅れた前記タイムゾーンの前記時差情報は前記平面視で前記0秒位置から左回りに表記され、前記協定世界時から14時間進んだタイムゾーンの前記時差情報は、前記右回りで30秒位置を越えた位置に表記され、 前記ベゼルには、前記時差に対応した前記標準時を使用している代表都市名を表す都市情報が、前記ダイヤルリングに表記された前記時差情報に対応して表記され、 前記制御部は、前記秒針で所定の前記時差情報または前記都市情報を指示可能であり、 且つ、前記制御部は、現在地のタイムゾーンを手動で設定するに際し、リュウズの操作により前記秒針を移動させて前記時差情報または前記都市情報を選択することで現在地のタイムゾーンを設定可能であり、 前記ベゼルに表記される前記都市情報の数は、前記ダイヤルリングに表記される前記時差情報の数より少ない ことを特徴とする電子時計。 【請求項8】 文字板の周囲に設けられているダイヤルリングおよびベゼルと、 秒針と、 制御部と、を備え、 前記ダイヤルリングには、協定世界時とタイムゾーンで使用されている標準時との時差を表す時差情報であって、40以上60以下の数の前記時差情報が、1周を60分割した秒を表示する目盛に沿って表記され、 前記時差情報においては、前記協定世界時を示す前記時差情報は0秒位置に表記され、前記協定世界時より進んだ前記タイムゾーンの前記時差情報は平面視で前記0秒位置から右回りに表記され、且つ、前記協定世界時より遅れた前記タイムゾーンの前記時差情報は前記平面視で前記0秒位置から左回りに表記され、前記協定世界時から14時間進んだタイムゾーンの前記時差情報は、前記右回りで30秒位置を越えた位置に表記され、 前記ベゼルには、前記時差に対応した前記標準時を使用している代表都市名を表す都市情報が、前記ダイヤルリングに表記された前記時差情報に対応して表記され、 前記制御部は、前記秒針で所定の前記時差情報または前記都市情報を指示可能であり、 且つ、前記制御部は、現在地のタイムゾーンを手動で設定するに際し、リュウズの操作により前記秒針を移動させて前記時差情報または前記都市情報を選択することで現在地のタイムゾーンを設定可能であり、 前記ベゼルに表記される前記都市情報の数は、前記ダイヤルリングに表記される前記時差情報の数より少なく、 前記ダイヤルリングに前記表記される前記時差情報の数は、全世界で使用されている前記タイムゾーンの数と等しい ことを特徴とする電子時計。 【請求項9】 文字板の周囲に設けられているダイヤルリングおよびベゼルと、 秒針と、 制御部と、を備え、 前記ダイヤルリングには、協定世界時とタイムゾーンで使用されている標準時との時差を表す時差情報であって、40以上60以下の数の前記時差情報が、1周を60分割した秒を表示する目盛に沿って表記され、 前記時差情報においては、前記協定世界時を示す前記時差情報は0秒位置に表記され、前記協定世界時より進んだ前記タイムゾーンの前記時差情報は平面視で前記0秒位置から右回りに表記され、且つ、前記協定世界時より遅れた前記タイムゾーンの前記時差情報は前記平面視で前記0秒位置から左回りに表記され、前記協定世界時から14時間進んだタイムゾーンの前記時差情報は、前記右回りで30秒位置を越えた位置に表記され、 前記ベゼルには、前記時差に対応した前記標準時を使用している代表都市名を表す都市情報が、前記ダイヤルリングに表記された前記時差情報に対応して表記され、 前記制御部は、前記秒針で所定の前記時差情報または前記都市情報を指示可能であり、 且つ、前記制御部は、現存地のタイムゾーンを手動で設定するに際し、リュウズの操作により前記秒針を移動させて前記時差情報または前記都市情報を選択することで現在地のタイムゾーンを設定可能であり、 前記ベゼルに表記される前記都市情報の数は、前記ダイヤルリングに表記される前記時差情報の数より少なく、 前記時差情報は、数字と、数字以外の記号とで表記されている ことを特徴とする電子時計。 【請求項10】 文字板の周囲に設けられているダイヤルリングおよびベゼルと、 秒針と、 制御部と、を備え、 前記ダイヤルリングには、協定世界時とタイムゾーンで使用されている標準時との時差を表す時差情報であって、40以上60以下の数の前記時差情報が、1周を60分割した秒を表示する目盛に沿って表記され、 前記時差情報においては、前記協定世界時を示す前記時差情報は0秒位置に表記され、前記協定世界時より進んだ前記タイムゾーンの前記時差情報は平面視で前記0秒位置から右回りに表記され、且つ、前記協定世界時より遅れた前記タイムゾーンの前記時差情報は前記平面視で前記0秒位置から左回りに表記され、前記協定世界時から14時間進んだタイムゾーンの前記時差情報は、前記右回りで30秒位置を越えた位置に表記され、 前記ベゼルには、前記時差に対応した前記標準時を使用している代表都市名を表す都市情報が、前記ダイヤルリングに表記された前記時差情報に対応して表記され、 前記制御部は、前記秒針で所定の前記時差情報または前記都市情報を指示可能であり、 且つ、前記制御部は、現在地のタイムゾーンを手動で設定するに際し、リュウズの操作により前記秒針を移動させて前記時差情報または前記都市情報を選択することで現在地のタイムゾーンを設定可能であり、 前記ベゼルに表記される前記都市情報の数は、前記ダイヤルリングに表記される前記時差情報の数より少なく、 前記時差情報は、数字と、数字以外の記号とで表記されており、 前記時差情報は、整数の場合には数字で表記され、整数以外の場合には記号で表記されている ことを特徴とする電子時計。 【請求項11】 文字板の周囲に設けられているダイヤルリングおよびベゼルと、 秒針と、 制御部と、を備え、 前記ダイヤルリングには、協定世界時とタイムゾーンで使用されている標準時との時差を表す時差情報であって、40以上60以下の数の前記時差情報が、1周を60分割した秒を表示する目盛に沿って表記され、 前記時差情報においては、前記協定世界時を示す前記時差情報は0秒位置に表記され、前記協定世界時より進んだ前記タイムゾーンの前記時差情報は平面視で前記0秒位置から右回りに表記され、且つ、前記協定世界時より遅れた前記タイムゾーンの前記時差情報は前記平面視で前記0秒位置から左回りに表記され、前記協定世界時から14時間進んだタイムゾーンの前記時差情報は、前記右回りで30秒位置を越えた位置に表記され、 前記ベゼルには、前記時差に対応した前記標準時を使用している代表都市名を表す都市情報が、前記ダイヤルリングに表記された前記時差情報に対応して表記され、 前記制御部は、前記秒針で所定の前記時差情報または前記都市情報を指示可能であり、 且つ、前記制御部は、現在地のタイムゾーンを手動で設定するに際し、リュウズの操作により前記秒針を移動させて前記時差情報または前記都市情報を選択することで現在地のタイムゾーンを設定可能であり、 前記ベゼルに表記される前記都市情報の数は、前記ダイヤルリングに表記される前記時差情報の数より少なく、 前記時差情報には、+8.75時間の前記時差情報が含まれている ことを特徴とする電子時計。 【請求項12】 文字板の周囲に設けられているダイヤルリングおよびベゼルと、 秒針と、 制御部と、を備え、 前記ダイヤルリングには、協定世界時とタイムゾーンで使用されている標準時との時差を表す時差情報であって、40以上60以下の数の前記時差情報が、1周を60分割した秒を表示する目盛に沿って表記され、 前記時差情報においては、前記協定世界時を示す前記時差情報は0秒位置に表記され、前記協定世界時より進んだ前記タイムゾーンの前記時差情報は平面視で前記0秒位置から右回りに表記され、且つ、前記協定世界時より遅れた前記タイムゾーンの前記時差情報は前記平面視で前記0秒位置から左回りに表記され、前記協定世界時から14時間進んだタイムゾーンの前記時差情報は、前記右回りで30秒位置を越えた位置に表記され、 前記ベゼルには、前記時差に対応した前記標準時を使用している代表都市名を表す都市情報が、前記ダイヤルリングに表記された前記時差情報に対応して表記され、 前記制御部は、前記秒針で所定の前記時差情報または前記都市情報を指示可能であり、 且つ、前記制御部は、現在地のタイムゾーンを手動で設定するに際し、リュウズの操作により前記秒針を移動させて前記時差情報または前記都市情報を選択することで現在地のタイムゾーンを設定可能であり、 前記ベゼルに表記される前記都市情報の数は、前記ダイヤルリングに表記される前記時差情報の数より少なく、 外部信号から求められた現在地の位置情報と時刻情報とを記憶する記憶部を有し、 前記記憶部には、前記時差情報に含まれる前記時差と、前記時差に対応した前記標準時を使用している地域と、の情報を含むタイムゾーン情報が記憶され、 前記制御部は、前記位置情報と、前記時刻情報と、前記タイムゾーン情報と、に基づいて現在地のタイムゾーンを設定することを特徴とする電子時計。 【請求項13】 前記ダイヤルリングに前記表記される前記時差情報の数は40であり、前記ベゼルに表記される前記都市情報の数は29である 請求項7から12のいずれか一項に記載の電子時計。 【請求項14】 前記ベゼルに表記される前記都市情報は、三文字のアルファベットで表記されている 請求項7から13のいずれか一項に記載の電子時計。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2020-06-11 |
出願番号 | 特願2013-245797(P2013-245797) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
ZAA
(G04C)
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最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 榮永 雅夫 |
特許庁審判長 |
中塚 直樹 |
特許庁審判官 |
中澤 真吾 小林 紀史 |
登録日 | 2018-03-16 |
登録番号 | 特許第6303444号(P6303444) |
権利者 | セイコーエプソン株式会社 |
発明の名称 | 電子時計 |
代理人 | 高田 聖一 |
代理人 | 高橋 太朗 |
代理人 | 高橋 太朗 |
代理人 | 仲井 智至 |
代理人 | 高田 聖一 |
代理人 | 大林 章 |
代理人 | 渡辺 和昭 |
代理人 | 廣田 浩一 |
代理人 | 仲井 智至 |
代理人 | 大林 章 |
代理人 | 渡辺 和昭 |