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審決分類 審判 一部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  G06Q
審判 一部申し立て 2項進歩性  G06Q
管理番号 1366101
異議申立番号 異議2020-700361  
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-10-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-05-26 
確定日 2020-09-23 
異議申立件数
事件の表示 特許第6610716号発明「情報処理装置、その制御方法、およびプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6610716号の請求項1、3ないし6に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第6610716号の請求項1、3?6に係る特許についての出願は、平成24年10月23日を出願日とする出願である特願2012-234228号の一部を、特許法第44条第1項の規定により、平成29年4月13日に新たな特許出願とした特願2017-79333号の一部を、特許法第44条第1項の規定により、平成30年6月28日に新たな特許出願(特願2018-122568号)としたものであって、令和元年11月8日にその特許権の設定登録がされ、令和元年11月27日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和2年5月26日に特許異議申立人 加藤浩志により特許異議の申立てがされたものである。

2.本件発明
特許第6610716号の請求項1、3?6の特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1、3?6に記載された事項により特定される次のとおりのものである。(以下、それぞれ、本件発明1などといい、これらを総称して本件発明という。)

【請求項1】
各ユーザが所有するクーポンを示すクーポンデータを、当該クーポンデータを所有するユーザ情報と紐付けて管理する管理手段と、
ユーザがクーポンデータを所有しているか否かを、前記管理手段に当該ユーザ情報と紐付けて管理するクーポンデータがあるか否かにより判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記ユーザがクーポンデータを所有していると判定されることを条件に、クーポンデータを使用するためのクーポン情報入力領域を有する商品の購入に係る画面を表示するように制御し、一方、前記ユーザがクーポンデータを所有していないと判定されることを条件に、当該画面を表示することなく、前記クーポン情報入力領域を有してない前記商品の購入に係る画面を表示するように制御する表示制御手段と、
前記表示制御手段により表示するように制御された前記クーポン情報入力領域を有する前記商品の購入に係る画面を介して、ユーザが使用するクーポンデータを示す情報の入力を受け付けるクーポン情報入力受付手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記判定手段により、前記ユーザがクーポンデータを所有している場合に、当該クーポンデータが、ユーザからの選択指示に基づいて特定される商品に有効であるか否かを判定する有効判定手段を備え、
前記表示制御手段は、前記有効判定手段により、ユーザからの選択指示に基づいて特定される商品に有効であると判定されると、前記クーポン情報入力領域を有する前記商品の購入に係る画面を表示するように制御し、一方、ユーザからの選択指示に基づいて特定される商品に有効でないと判定されると、当該画面を表示することなく、前記クーポン情報入力領域を有してない前記商品の購入に係る画面を表示するように制御することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記管理手段は、各ユーザが所有するクーポンを示すクーポンデータを、当該クーポンデータにより割引される商品を特定可能な商品情報と紐付けて管理し、
ユーザからの選択指示に基づいて特定される商品が複数ある場合に、前記有効判定手段は、当該商品の商品情報と紐付くクーポンデータであって、有効なクーポンデータが前記管理手段により管理されているかを商品ごとに判定し、
前記表示制御手段は、前記有効判定手段により1つでも前記商品情報と紐付く有効なクーポンデータが管理されていると判定されることを条件に、前記クーポン情報入力領域を有する前記商品の購入に係る画面を表示するように制御し、一方、前記商品情報と紐付く有効なクーポンデータが1つも管理されていないと判定されることを条件に、当該画面を表示することなく、前記クーポン情報入力領域を有してない前記商品の購入に係る画面を表示するように制御することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
各ユーザが所有するクーポンを示すクーポンデータを、当該クーポンデータを所有するユーザ情報と紐付けて管理する管理手段を備える情報処理装置の制御方法であって、
ユーザがクーポンデータを所有しているか否かを、前記管理手段に当該ユーザ情報と紐付けて管理するクーポンデータがあるか否かにより判定する判定工程と、
前記判定工程で、前記ユーザがクーポンデータを所有していると判定されることを条件に、クーポンデータを使用するためのクーポン情報入力領域を有する商品の購入に係る画面を表示するように制御し、一方、前記ユーザがクーポンデータを所有していないと判定されることを条件に、当該画面を表示することなく、前記クーポン情報入力領域を有してない前記商品の購入に係る画面を表示するように制御する表示制御工程と、
前記表示制御工程で表示するように制御された前記クーポン情報入力領域を有する前記商品の購入に係る画面を介して、ユーザが使用するクーポンデータを示す情報の入力を受け付けるクーポン情報入力受付工程と
を備えることを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。

3.申立理由の概要
特許異議申立人加藤浩志は、概略以下のとおりの主張をしている。

(3-1)特許法第29条第2項(進歩性)の規定に違反している旨の主張(以下、主張1という。)について
主たる証拠として特表2004-503022号公報(以下「甲1」という。)及び従たる証拠として、
特開2006-23864号公報(同「甲2」)
特開2012-27739号公報(同「甲3」)
特開2005-215892号公報(同「甲4」)
特開2003-271801号公報(同「甲5」)
楽天株式会社、“楽天市場「クイック購入」サービス開始”、[online]、2008年5月15日、[2020年5月12日検索]、<URL:https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2008/0515.html>(同「甲6」)
ヤフー株式会社、東日本旅客鉄道株式会社、“Yahoo!ショッピングにおいて、モバイルSuicaネット決済サービスがスタート”、[online]、2007年3月7日、[2020年5月12日検索]、<URL:https://www.jreast.co.jp/press/2006_2/20070305.pdf>(同「甲7」)
を提出し、請求項1、3?6に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1、3?6に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。
なお、特許異議申立人加藤浩志は、請求項1、3?6に係る特許についての出願は、分割要件を満たしていないとの主張も行っているが、上記証拠はいずれも、上記出願のもととなる特願2012-234228号の出願以前に公知であって、特許法第29条第2項の規定についての判断に影響を与えないものであるから、主張1についての中では判断を行わない。
ただし、上記分割要件を満たしていない旨の主張は、後記する「サポート要件」における主張と共通するから、該「サポート要件」における判断で、一応合議体の見解をのべる。

(3-2)特許法第36条第6項第1号(サポート要件)の規定を満たしていない旨の主張(以下、主張2という。)について
(3-2-1)クーポンの有効期限に関する主張
本件特許明細書の記載を参酌すると、その実施例では、クーポンが有効期限内であるか否か判断し、クーポンを所持していたとしても、該クーポンの有効期限が切れていた場合、クーポンデータを使用するためのクーポン情報入力領域を有する商品の購入に係る画面を表示することは行わないのに対し、本件発明1では、当該有効期限に関する判断が特定されていないから、クーポンを所持していた場合、該クーポンの有効期限が切れていてもクーポンデータを使用するためのクーポン情報入力領域を有する商品の購入に係る画面を表示する構成も含むものであり、当該構成を含む本件発明1は、発明の詳細な説明に記載された発明ではない。
したがって、請求項1及びこれを引用する請求項3、請求項4、請求項6に係る発明、並びに、本件発明1のカテゴリを方法の発明とした請求項5に係る発明は、特許法第36条第6項第1号の規定を満たしていないから、請求項1、3?6に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。
(3-2-2)商品選択の構成を含まないことに関する主張
本件特許明細書の記載を参酌すると、その実施例では、ユーザにより購入される商品が選択される工程を行った後商品の購入に係る画面を表示する構成が記載されているのに対し、本件発明1では、ユーザにより購入される商品が選択される工程を特定しておらず、したがって、本件発明1は、当該工程を経ずに商品の購入に係る画面を表示する構成も含むものであり、当該構成を含む本件発明1は、発明の詳細な説明に記載された発明ではない。
したがって、請求項1及びこれを引用する請求項3、請求項4、請求項6に係る発明、並びに、本件発明1のカテゴリを方法の発明とした請求項5に係る発明は、特許法第36条第6項第1号の規定を満たしていないから、請求項1、3?6に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。

(3-3)特許法第36条第6項第2号(明確性)の規定を満たしていない旨の主張(以下、主張3という。)について
(3-3-1)「商品」の意味が不明瞭である旨の主張
請求項1に記載の「商品の購入に係る画面」は、この記載より前に、クーポンデータを管理する管理手段と、ユーザがクーポンデータを所有しているか否か判定する判定手段についての記載はあるものの、ユーザがどのような商品を購入するのかに関する記載が全く無いので、「商品の購入」の商品の意味が不明瞭である。
したがって、請求項1及びこれを引用する請求項3、請求項4、請求項6に係る発明、並びに、本件発明1のカテゴリを方法の発明とした請求項5に係る発明は、特許法第36条第6項第2号の規定を満たしていないから、請求項1、3?6に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。
(3-3-2)クーポンの有効期限に関する主張
請求項1の「前記判定手段により、前記ユーザがクーポンデータを所有していると判定されることを条件に、」及び「一方、前記ユーザがクーポンデータを所有していないと判定されることを条件に、」の特定事項のみでは、ユーザがクーポンデータを所有しているが、そのクーポンの有効期限が切れている場合には、「前記ユーザがクーポンデータを所有していると判定される」、「前記ユーザがクーポンデータを所有していないと判定される」のいずれであるか不明である。
したがって、請求項1及びこれを引用する請求項3、請求項4、請求項6に係る発明、並びに、本件発明1のカテゴリを方法の発明とした請求項5に係る発明は、特許法第36条第6項第2号の規定を満たしていないから、請求項1、3?6に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。

4.各証拠の記載
(1)甲1には、以下のとおりの記載がある。

【0001】
(技術分野)
本発明は一般に、コンピュータネットワークの使用に関し、より具体的には、電子クーポンをサポートするオンライン食品雑貨品(grocery、グローサリー、食料雑貨類)配送サービスに関する。

【0019】
本発明は、クーポンの使用をサポートするオンラインの食品雑貨品配送サービスシステムを提供する。このシステムは、クライアントステーションから消費者の消費者識別情報を受信するサーバを含む。サーバは、消費者非特定のすべてのクーポンを消費者に表示する。サーバはクーポンデータベースから情報を検索し、受信した消費者識別情報と関連づけられている消費者特定クーポンがクーポンデータベースに記憶されているかどうかを決定する。サーバは、消費者特定クーポンがあれば、すべての消費者特定クーポンを表示する。サーバは商品選択情報を受信し、受信した商品選択情報に部分的に基づいてクーポンを生成する。生成されたクーポンは消費者非特定クーポンとは別である。「消費者非特定クーポン(non-consumer specific coupons)」という用語と「消費者特定クーポン(consumer specific coupons)」という用語は次に定義する。請求書発行コンピュータはサーバと通信し、適用可能なクーポンを選択的に適用する。
【0020】
このオンライン食品雑貨品配送サービスは多くの方法で実装することができるが、そのうち3種類の実装を図1から図3に開示する。最初の方法では、オンライン食品雑貨品配送サービス提供業者はすべての在庫を物理的に倉庫(warehouse、卸売店、商品保管所、問屋)に保管し、消費者がコンピュータの使用を介してのみ食品雑貨品を買えるようにする(図1に関してより完全に説明する)。すなわち、消費者は物理的に店に「入り」、購入を行うことはできず、すべての取引はオンラインで行われる。図2に見られるように、第2の方法は、既存の小売店がオンライン配送サービスを提供する現在の機能を強化することを含む。第3の構成は、在庫を持たないが、特定の店または店のグループで買物をし、続いて食品雑貨品を消費者に配送することによってオンライン注文を実行する配送サービス会社を含む(図3)。配送サービス会社は消費者と小売店の間の仲介としての機能を果たす。
【0021】
次に、いくつかの図に渡って同様な参照番号は同じ部分または対応する部分を示す図面を参照し、特に図1を参照すると、本発明の1実施形態によるオンライン食品雑貨品配送サービスシステムの倉庫実装が示されている。倉庫100は、商品を保存しオンラインで顧客に売る任意の場所である。本明細書で使用される「オンライン」という用語は、コンピュータネットワーク上で実行される少なくとも1つの態様を有する活動を指す。たとえば、コンピュータを使用してインターネット上で食品雑貨品を買うことはオンライン購入であるが、従来型の食品雑貨品店で食品雑貨品を購入することはオフライン購入である。倉庫100は倉庫チェーンの一部であってもよい。
【0022】
倉庫(warehouse)100はクーポンデータベース103と接続されたウェブサーバ101を含み、クーポンデータベース103は食品雑貨品を購入する際に使用できるクーポンを記憶する。倉庫100はまた、倉庫データベース(warehouse database)107と接続されオンラインの食品雑貨品の注文を処理する倉庫コンピュータ(warehouse computer)105を含む。倉庫コンピュータ105は請求書発行コンピュータ(billing computer)109と通信し、1台または複数の端末111と、プリンタ113とに接続する。端末111は1台または複数のスキャナ115に接続する。各スキャナ115は、端末111のうち1台、およびプリンタ113のうち1台と関連づけられている。例としての実施形態では、オンラインの食品雑貨品の注文が満たされると、食品雑貨品はスキャナ115を使用して走査される。

【0024】
オンラインの食品雑貨品注文を行うために、いずれかのクライアントステーション123にいる消費者は注文情報(すなわち食品雑貨品情報)をウェブサーバ101に入力する。ウェブサーバ101はクーポンデータベース103からクーポン情報を検索し、消費者に任意の割引を受ける資格があるかどうかをチェックする。注文は倉庫コンピュータ105に転送されて処理される。従業員が倉庫100に保存された食品雑貨品を集め、商品を走査して倉庫100の在庫目録(inventory、インベントリー、在庫リスト、商品)を更新する。例としての実施形態では、倉庫データベース107は在庫目録を記憶する。請求書発行コンピュータ109はオンライン注文に関連する請求書を生成し、適切であれば使用可能なクーポンを消費者に適用する(すなわち消費者非特定クーポンと消費者特定クーポン)。このプロセスは、図7Aと図7Bの中で次により完全に記述される。

【0039】
図4は、本発明の1実施形態によりクーポンと関連づけられるデータ構造を示す。この例では、クーポン表401は次のフィールドを含む。特定のクーポンの一意的な識別子を記憶するクーポン識別フィールド403、クーポンのタイプ(すなわち消費者非特定クーポンと、消費者特定クーポン)を記憶するクーポンタイプフィールド405、報酬を提供する製造業者の名前を記憶する製造業者フィールド407、商品の説明を記憶する商品説明フィールド409、割引金額を記憶する価額フィールド(value field)411、および報酬の期限(expiration date、期限日)を記憶する期限データフィールド413である。
【0040】
本発明は、消費者非特定クーポンと消費者特定クーポンという、2種類のクーポンを定義する。消費者非特定クーポンは、消費者の特定の購入行動には基づいていないが、製造業者に所定の商品を販売促進する機構を提供するインセンティブと定義される。すなわち、消費者が報酬をトリガする必要はない。たとえば、消費者はブランドXのティッシュのクーポンをもらうためにブランドXのティッシュを2箱買う必要はない。対照的に、消費者特定クーポンは、予め定められた基準または購入行動に基づいて特定の消費者に与えられるクーポンである。たとえば、過去10回のアイスクリームの購入でその消費者が特定のブランドのアイスクリームしか購入していない場合、そのブランドの製造業者はこの消費者に対して、次の購入でかなりな割引を受ける資格を与えるクーポンをこの消費者に提供したいと思うかも知れない。マーケティングサービスとしては、オンライン食品雑貨品配送サービス提供業者はこの消費者に、競合のアイスクリーム製造業者からのクーポンを提供して、競合の製造業者の利益のためにこの消費者の購入行動を変えようと試みることができる。したがって、オンライン食品雑貨配送サービス提供業者は、このようなマーケティングサービスに関して競合の製造業者に請求することができる。
【0041】
図5は、本発明の1実施形態による消費者特定クーポンを記憶するために使用されるデータ構造を示す。図5に示されるように、特定クーポン表501は、その消費者の一意的な識別子を記憶する消費者識別(CID)フィールド503と、クーポンの識別子を記憶するクーポンフィールド505とを含む。各消費者(または顧客)は、たとえばPIN(個人識別番号)など、特定の消費者を識別する消費者識別(CID)を与えられる。CIDは、走査、読取、または別の方法でクライアントステーション123に入力され、ウェブサーバ(たとえば101、201、301)に転送される任意の識別子であってよい。

【0045】
オンライン食品雑貨品の注文を開始するために、クライアントステーション123の消費者はインターネット121へのアクセスを得てウェブサーバ101に対応するオンライン食品雑貨品サービスのURL(ユニフォームリソースロケータ)に入る。ウェブサーバ101は、ログインプロセスの一部として消費者識別(CID)をプロンプトで消費者に求める。ステップ701では、消費者はPINなどの適切なCIDを入力してウェブサーバ101にログインする。次に、ウェブサーバ101はクーポンデータベース103にアクセスしてタイプフィールド405を問い合わせ、使用可能な消費者非特定クーポンを表示する(図4)。問い合わせにより、消費者非特定クーポンを示すタイプフィールド405を有する1つまたは複数の記録が生成された場合、ウェブサーバ101はステップ703でこれらの消費者非特定クーポンを表示する。期限が切れていないクーポンだけが表示されることに注意されたい。クライアントステーション123の消費者に消費者非特定クーポンを表示する前に、期限日フィールド413をチェックする。クーポンの配布を介して種々の商品を販売促進するこの機能により、オンライン食品雑貨品サービス提供業者は、商品の製造業者から広告収入を得ることができる。さらに、消費者は従来のクーポン処理のような個別のクーポンのばらばらな紙片を持ち歩く必要がないので、面倒ではない。
【0046】
ステップ705では、ウェブサーバ101はクーポンデータベース103に問い合わせを行って、クーポンデータベース103の中に任意の消費者特定クーポンがあるかどうかを決定する。具体的には、ウェブサーバ101はタイプフィールド405を検索し、クーポンが消費者特定クーポンであることを示すタイプフィールド405を有する記録だけをフィルタリングする。さらに、ウェブサーバ101は期限日フィールド413をチェックして、クーポンの期限がまだ切れていないことを確認する。消費者特定クーポンがある場合、ウェブサーバ101はこれらのクーポンをステップ707で表示する。表示される消費者特定クーポンは任意の数の形態をとることができる。例としての実施形態では、消費者特定クーポンは、製造業者、価額、および期限日などの情報を表示する印刷されたクーポンに似たグラフィカルイメージである。別法としては、クーポンを、製造業者フィールド407、商品説明フィールド409、価額フィールド411、および期限日フィールド413を示すテキストとして示してもよい。消費者特定クーポンは、消費者の購入行動および/または購入履歴、または、予め定められた基準に基づいて、オンラインの食品雑貨品配送サービスシステムが以前に生成したクーポンである。
【0047】
次に、ウェブサーバ101は消費者が選択する食品雑貨品のリストをクライアントステーション123上に表示する。種々の食品雑貨品を選択するためのユーザインタフェースは、グラフィカル情報とテキスト情報の組み合わせであってもよい。例としての実施形態では、食品雑貨品は、たとえば、野菜、肉、冷凍食品などの対象に従って分類される。さらに、個別の商品ブランドはアルファベットで示される(たとえばブランドAのピーナツバター、ブランドBのピーナツバターなど)。ステップ709では、消費者は所望の食品雑貨品を選択する。ステップ711では、ウェブサーバ101は、消費者がクライアントステーション123を介して入力した、選択したすべての食品雑貨品項目を反映する食品雑貨品項目情報を倉庫コンピュータ105に送信する。ステップ713では、倉庫コンピュ
ータ105はウェブサーバ101から受信した食品雑貨品情報に基づいて1つまたは複数の新しいクーポンを生成する。ついで倉庫コンピュータ105は、図5の表501のように、生成されたクーポンを対応する消費者IDと共にクーポンデータベース103の中に記憶する(ステップ715)。新しいクーポンの生成は予め定められた基準に基づいていてもよい。たとえば、消費者が特定の商品およびブランドの2つまたは2つ以上の商品を購入している場合、クーポンが生成される。別法としては、消費者データベース119に記憶された消費者の購入履歴に基づいてクーポンを生成することができる。たとえば、消費者が次の月にブランドYの石鹸を買うことになっている場合、その特定のブランドの石鹸のクーポンを消費者に発行することができる。さらに、ある商品の次の購入に対して割引を提供することによって消費者のブランド忠実性を作り出すように、消費者が選択した商品に基づいてクーポンを生成することもできる。
【0048】
次にステップ717では、倉庫コンピュータ105はクーポンデータベース103に問い合わせて、選択された食品雑貨品に適用できる任意の既存のクーポンがあるかどうかを決定する。例としての実施形態では、新しく生成されたクーポンは既存のクーポンの一部として含まれない。しかし、製造業者のプロモーションによっては、特定の注文に適用できる即時割引クーポンを発行することができる。したがって、消費者非特定クーポンであれ消費者特定クーポンであれ、選択された食品雑貨品に適用できるクーポンがある場合、倉庫コンピュータはステップ719で割引情報を請求書発行コンピュータ109に送信して、すべての適用可能クーポンを適用する。別法としては、消費者は自分が適用したいクーポン(複数可)をクーポンベースで指定することができる。
【0049】
ステップ721では、食品雑貨品情報と割引情報に基づいて請求書を生成する。倉庫の従業員は選択された食品雑貨品と対応する価格とをリストした生成された請求書を使用し、種々の食品雑貨品を棚から収集する。従業員はスキャナ115と端末111とを使用して検索した商品を走査する。その結果、倉庫データベース107は更新されて倉庫の最新の在庫を反映する。食品雑貨品を包装し、消費者に配送する(ステップ723)。上記の構成により、消費者は有利に、商品の製造業者が提供するコスト節約を受けることができる。さらに、オンライン食品雑貨品配送サービスは、クーポンを配布することにより製造業者から収入を得る機構を得ることになる。
【0050】
図8Aと図8Bは、本発明の1実施形態により、クーポン番号(CN)を使用したクーポン配布と引換プロセスのフローチャートを示す。CNはCIDとは別の識別子である。CNは、消費者ではなくクーポンを一意的に識別する役割がある。図8Aと図8Bに示された動作はCNをクーポンと関連づけ、クーポンは特定の消費者に完全には結び付けられず、事実上、譲渡可能になる。クーポンを転送するこの機能は、消費者がクーポンを他の消費者にあげたい場合、非常に有効である。このようなシナリオのうち1つは、消費者が商品を最近購入しており、その特定の商品を当分買う予定がないか、少なくともクーポンの期限のうちに買う予定がない場合である。クーポンの期限が過ぎる前に、消費者はクーポンを友人または親戚に「あげる」ことができる。
【0051】
図8Aに示されているように、ステップ801と803は、図7Aのステップ701と703と同様である。しかしステップ805では、ウェブサーバ101は消費者に、消費者が所有するクーポン(すなわちCN)を入力するようにプロンプトする。ウェブサーバ101はクーポンデータベース103をチェックして、消費者が入力したCNがクーポンデータベース103に記憶された任意のCNに一致するかどうかを決定する。ステップ807では、クーポンデータベース103に記憶されたクーポンがある場合、ウェブサーバ101はCNに基づいたクーポンを表示する。ステップ809では、消費者は自分が買いたい食品雑貨品を選択する。次にウェブサーバ101は、ステップ811で、食品雑貨品情報とCN情報(ある場合)を倉庫コンピュータ105に送信する。

以上の甲1の記載によれば、甲1には以下のとおりの発明が開示されている。(以下、甲1発明という。)

「クーポンの使用をサポートするオンラインの食品雑貨品配送サービスシステムのウェブサーバであって、(【0001】、【0019】)
消費者非特定クーポンと消費者特定クーポンという、2種類のクーポンを定義し、(【0040】)
消費者非特定クーポンは、消費者の特定の購入行動には基づいていないが、製造業者に所定の商品を販売促進する機構を提供するインセンティブと定義され、すなわち、消費者が報酬をトリガする必要はなく、(【0040】)
消費者特定クーポンは、予め定められた基準または購入行動に基づいて特定の消費者に与えられるクーポンであり、(【0040】)
消費者特定クーポンを記憶するために使用されるデータ構造は、図5の特定クーポン表501で示され、その消費者の一意的な識別子を記憶する消費者識別(CID)フィールド503と、クーポンの識別子を記憶するクーポンフィールド505とを含み、(【0041】)
オンライン食品雑貨品の注文を開始するために、クライアントステーション123の消費者はインターネット121へのアクセスを得てウェブサーバ101に対応するオンライン食品雑貨品サービスのURL(ユニフォームリソースロケータ)に入り、ウェブサーバ101は、ログインプロセスの一部として消費者識別(CID)をプロンプトで消費者に求め、ステップ701では、消費者はPINなどの適切なCIDを入力してウェブサーバ101にログインし、次に、ウェブサーバ101はクーポンデータベース103にアクセスしてタイプフィールド405を問い合わせ、使用可能な消費者非特定クーポンを表示し、
(【0045】)
ウェブサーバ101はクーポンデータベース103に問い合わせを行って、クーポンデータベース103の中に任意の消費者特定クーポンがあるかどうかを決定することであって、具体的には、ウェブサーバ101はタイプフィールド405を検索し、クーポンが消費者特定クーポンであることを示すタイプフィールド405を有する記録だけをフィルタリングし、(【0046】)
ウェブサーバ101は消費者が選択する食品雑貨品のリストをクライアントステーション123上に表示し、ステップ709では、消費者は所望の食品雑貨品を選択し、ステップ711では、ウェブサーバ101は、消費者がクライアントステーション123を介して入力した、選択したすべての食品雑貨品項目を反映する食品雑貨品項目情報を倉庫コンピュータ105に送信し、(【0047】)
次にステップ717では、倉庫コンピュータ105はクーポンデータベース103に問い合わせて、選択された食品雑貨品に適用できる任意の既存のクーポンがあるかどうかを決定し、消費者非特定クーポンであれ消費者特定クーポンであれ、選択された食品雑貨品に適用できるクーポンがある場合、倉庫コンピュータはステップ719で割引情報を請求書発行コンピュータ109に送信して、すべての適用可能クーポンを適用するが、別法としては、消費者は自分が適用したいクーポン(複数可)をクーポンベースで指定することができる、(【0048】)
ウェブサーバ。」

(2)甲2には、以下のとおりの記載がある。
【0001】
本発明はネットワークを介して取引することが可能な電子商取引システム、電子商取引サーバ、およびコンピュータプログラムに関する。

【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、電子クーポンの選択を効率的に行うことが可能な、新規かつ改良された電子商取引システム、電子商取引サーバを提供することである。

【0095】
図8は、図7で示した画面イメージの変形例である。図7に示す画面イメージは、ECサーバ102側でクーポンデータを選び出した後に、利用者端末101が表示する画面イメージであるが、図8に示す画面イメージは、ECサーバ102側でクーポンデータを選び出す前に、利用者端末101が表示する画面イメージである。図示のように、利用者が保有するクーポンデータの一覧が画面に表示され、利用者は、画面に表示されたクーポンデータの中から利用するものを候補として1又は2以上選び、チェックボックスに“レ”をマウス等の入力部106で表示させる。図8に示す画面イメージは、利用するクーポンデータを選択するための画面である。

以上の記載からみて、甲2には「電子商取引の処理を行うサーバにおいて、電子クーポンの選択を効率的に行うものであって、利用者が保有するクーポンデータの一覧が利用者端末の画面に表示され、利用者は、画面に表示されたクーポンデータの中から利用するものを候補として1又は2以上選び、チェックボックスに“レ”をマウス等の入力部106で表示させる」技術が記載されている。

(3)甲3には、以下のとおりの記載がある。
【0001】
本発明は、クーポン管理装置、クーポン管理方法、プログラム及び情報記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインショッピングにおいて、ショッピングサイトの店舗が商品の購入時に利用できる割引クーポンを顧客に対して提供することが行われている。こうした割引クーポンによる販売促進効果を増進させるための施策の1つとして、例えば、下記の特許文献1には、ユーザーの嗜好情報に基づいて選択したクーポンをユーザーに配信することが開示されている。

【0076】
図25に示さされるクーポン配信メールに掲載された商品ページへのリンクがクリックされると、ユーザー端末30は当該商品ページにアクセスする(S3002)。アクセスされた商品ページを管理する電子商取引サーバー40からは、当該商品ページ(例えば図10)のデータが送信される(S3003)。そして、図10に表示される商品ページにおいて、「買い物かごに入れる」ボタンが押下されて、購入手続を進めることを示すデータがユーザー端末30から電子商取引サーバー40に送信される(S3004)。電子商取引サーバー40は、ユーザー端末30から上記購入手続を進めることを示すデータを受信すると、商品の注文画面(例えば図26)のデータを生成し、当該データをユーザー端末30に送信する(S3005)。
【0077】
図26に示される注文画面の例では、注文に係る商品の情報を表示する商品情報表示欄の下に、利用するクーポンのクーポンコードを入力するクーポンコード入力欄が設けられる。クーポンコード入力欄に、クーポンコードを入力した後に、「次へ」ボタンが押下されると、ユーザー端末30から電子商取引サーバー40に利用するクーポンコードの情報を含むデータが送信される(S3006)。

以上の記載からみて、甲3には、「オンラインショッピングにおいて、ショッピングサイトの店舗が商品の購入時に利用できる割引クーポンを顧客に対して提供する際の電子商取引サーバーの処理に関して、注文画面の例として、注文に係る商品の情報を表示する商品情報表示欄の下に、利用するクーポンのクーポンコードを入力するクーポンコード入力欄が設けられ、クーポンコード入力欄に、クーポンコードを入力した後に、「次へ」ボタンが押下されると、ユーザー端末30から電子商取引サーバー40に利用するクーポンコードの情報を含むデータが送信される」技術が開示されている。

(4)甲4には、以下のとおりの記載がある。
【0002】
インターネットの急速な普及に伴い、インターネットを利用して商品の売買を行うサービスが広がってきた。このようなサービスは、オンライン販売サービスと呼ばれ、サービス利用者が予め与えられたクーポン番号などの認証符号をパーソナルコンピュータに入力することにより、ウェブサーバから一定額の割引などの特典を利用者に対して提供するサービスも存在する(例えば、特許文献1参照)。

【0025】
図7は正しくログイン認証が行われたときに利用者端末101に表示する第1フォームの1例としての注文画面700を示した図である。商品名、商品の単価及び各種ボタンが表示される。また、サービスの利用者は購入したい商品の個数を入力領域704に入力する。また、各種条件に応じてクーポン番号の入力領域705が表示される。

以上の記載からみて、甲4には、「オンライン販売サービスにおいて採用される注文画面として、商品名、商品の単価及び各種ボタンが表示され、サービスの利用者は購入したい商品の個数を入力領域704に入力し、各種条件に応じてクーポン番号の入力領域705が表示される」技術が開示されている。

(5)甲5には、以下のとおりの記載がある。
【0046】図8は、顧客先端末30にて受信した製品代替組合せプランの閲覧画面72のイメージ図である。使用データ表示部73には、電気代のシミュレーション計算に使用した過去の電力消費データを表示している。本実施形態ではシミュレーション条件設定ステップ(s308)においてメーカが設定したように、2000年度のデータを使用している。電気代削減効果表示欄74には、代替プランごとの年当たり電気代削減額が表示されている。各削減額の右側には詳細ボタンが設けられており、ここをクリックすると各プランの詳細な内容(製品名、型式、製造年度、価格など)が表示される(図示省略)。
【0047】顧客先では、この画面から引き続いて提案された製品の購買申し込み(発注)を行うことができる。もちろん別の時間に改めて発注処理を行ってもよい。顧客は、製品代替組合せプラン閲覧画面72に設けられた注文方式選択欄75にてまず注文方式を選択する。注文方式には2種類用意されており、Aの製品一括注文方式では、いずれかの代替プランを完全に採用し、その通りに全製品について代わりとなる製品を発注する。Bの製品個別注文方式では、いずれか1つ又は複数の代替プランに含まれる製品群の中から、とりあえずすぐに必要と考える製品についてのみ発注を行う。本実施形態では、顧客がBの製品個別注文方式を選択し、代替プラン1及び代替プラン3に含まれる製品の中からさし当たって必要と思われる製品を選び、発注することとする。
【0048】注文方式選択欄Bにて、プラン1とプラン3とにマークを施し注文製品選定ボタンをクリックすると、図9の注文製品選定画面76が顧客パーソナルコンピュータのディスプレイに表示される。注文製品選定画面76には、代替プラン1及び代替プラン3に含まれる製品がリストアップされている。両プランにおいて重複する製品については1つだけ表示されている。
【0049】注文製品選定画面76にて所望の製品の先頭にチェックを施し選択し、画面76下方の注文製品確認ボタンを押すと、図10の注文確認画面77が表示される。製品一覧表示部78には、選択した発注製品の詳細が表示されている。各項目のうち、旧製品回収項目には、現在使用している製品がある場合は、「要」が自動表示され、新規製品納入時に旧製品の回収を依頼する旨を示す。顧客の判断で、回収は不要である場合はプルダウンメニューにて「不要」を選択すれば回収依頼は行われない。回収製品番号の項目には、初期データ入力画面(図3)における製品番号が自動表示されている。

【0051】注文確認画面77で内容を確認した顧客は、画面77下方の注文するボタンをクリックする。すると、製品注文及び回収依頼の指示が電力会社側サーバ10に送信される(ステップs116)。この注文支持を受信した(ステップs226)電力会社側サーバ10では、注文処理部16の機能にてこの注文情報を処理し、受注情報を生成して(ステップs228)、メーカ側クライアント50に送信する(ステップs230)。また、電力会社側サーバ10では、製品代金処理部17にて製品代金の電気料金上乗せ処理などを実行する。
【0052】製品受注情報を受信した(ステップs318)メーカ側クライアント50では、担当者が受注通知を閲覧し(ステップs320)、製品配送及び旧製品の回収手配を行う(ステップs322)。
【0053】上述した本発明の電気製品のマーケティング方法によれば、家庭やオフィスなど電力供給単位の顧客先ごとに、ワントゥワン・マーケティングができる。また、インターネットを利用した通信販売の場合と異なり、幅広い顧客層の製品使用情報を取得することができる。また、特定のメーカ製品に限らず、全メーカの製品使用状況を把握することができ、ここで生成されるマーケティング情報を利用するメーカは、他社メーカの製品に代わる自社製品の代替製品購入プランを提示することができる。また、電力供給機関は生成したマーケティング情報を電気製品メーカに販売すれば、電力の供給に加えて新たなビジネスソースとすることができる。

以上の記載からみて、甲5には、「顧客先端末30に表示された代替プランから、顧客が必要と思われる製品を選び、発注するとメーカ側クライアント50では、担当者が受注通知を閲覧し(ステップs320)、製品配送が行われるシステムにて、注文確認画面77で内容を確認した顧客は、画面77下方の注文するボタンをクリックする。すると、製品注文の指示が送信される」技術が開示されている。

(6)甲6には、以下のとおりの記載がある。
本サービスは、楽天会員に登録されているユーザ、かつクレジット決済を利用される方が「楽天市場」で購入される際に、自動的に「クイック購入」サービスの対象となり商品を選択した後、注文確認画面で確認を行うだけで購入完了となります。ケータイ版楽天市場で購入する際は、オートログイン機能を採用したことにより、ユーザは1文字も入力することなく購入が可能となり大幅に手順が短縮されます。

以上の記載からみて、甲6には、「商品を選択した後、注文確認画面で確認を行うだけで購入完了とな」る技術が開示されている。

(7)甲7には、「モバイルSuicaネット決済ご利用イメージ」として、以下のとおりフロー図が記載されている。

上記フロー図によれば、商品購入のフローとして、商品を「カートに入れる」のボタンを押すとカートに入れた内容が表示され、当該表示から「お届け先入力へ」のボタンを押すとお届け先の入力画面が表示され、当該入力画面から「支払方法入力へ」のボタンを押すと支払い方法の入力画面が表示され、この入力画面から「注文内容確認へ」のボタンを押すと注文内容の確認画面が表示され、当該確認画面から「注文する」のボタンを押すと注文完了画面が表示されることが理解できる。

5.当審の判断
(1)本件発明1について
(1-1)主張2(サポート要件)について
事案に鑑み、主張2から検討する。
(1-1-1)クーポンの有効期限に関する主張について(申立理由の(3-2-1))
上記主張は、概略、本件発明1は、その特許請求の範囲の記載からみて、有効期限に関する特定事項を有していないところ、発明の詳細な説明には、有効期限の判断を行った上で、クーポン情報入力領域を有する商品の購入に係る画面を表示するか否か異なる処理を行なう実施例が開示されているのであるから、当該有効期限に関する特定事項を有していない本件発明1は発明の詳細な説明に記載された発明ではないとの主張である。
当該主張について検討するに、まず、一般的なクーポンは、必ずしも有効期限が設けられたものに限らないことは常識であるから、このような場合、有効期限に関する特定事項は不要である。
そして、本件発明の目的や解決すべき課題は、発明の詳細な説明の、
「【0002】
近年、インターネットの普及に伴い、パーソナルコンピュータ等の情報端末を利用してインターネット上で商品を購入できるようになってきている。
【0003】
また、インターネット上で商品を購入する際に、クーポン番号等を入力することによって、インターネット上で割引するシステムも存在する。
【0004】
しかしながら、ユーザーのクーポン所持の有無にかかわらず、一律にクーポン番号入力画面を表示すると、クーポン所持の無いユーザーにとっては、クーポン番号を入力する必要がないので、その画面をスキップする操作の手間が生じ、購入処理が煩雑になる。
【0005】
また、クーポンを持っていないユーザーに対してクーポン入力画面を表示してしまうと、クーポンの存在を知らないユーザーは、クーポンを所持していれば本来値引きができる可能性があったことをしってしまうことになる。自分は定価で購入しなければならないことになり、その結果、クーポンを探すために商品の購入を保留したり、購入意欲を損なって購入を止めたりする可能性がある。
【0006】
ゆえに、ユーザーのクーポン所持の有無によって、購入画面を異ならしめて表示させる必然性がある。」
「【0009】
しかしながら、先行文献1は、ユーザーが商品を購入しようとする際に、取得可能なクーポンを表示するものであって、クーポン所持の有無によって、購入画面を異ならしめて表示させる技術ではない。
【0010】
本発明の目的は、ユーザがクーポンデータを所持しているか否かによって、商品の購入に係る画面を異ならしめて表示させることで、ユーザがクーポンデータを所有していない場合における、ユーザの商品の購入意欲の低下を防止する仕組みを提供することである。」
「【0014】
本発明によれば、ユーザがクーポンデータを所持しているか否かによって、商品の購入に係る画面を異ならしめて表示させることで、ユーザがクーポンデータを所有していない場合における、ユーザの商品の購入意欲の低下を防止することができる。」
等の記載によれば、「ユーザがクーポンデータを所持しているか否かによって、商品の購入に係る画面を異ならしめ」ることにより、「ユーザの商品の購入意欲の低下を防止する」ことであって、判断に必須の構成は「ユーザがクーポンデータを所持しているか否か」の判断であって、有効期限についての判断は、上記本件発明の解決しようとする課題、目的、効果などからみて、必須の構成ということはできない。
したがって、上記申立理由の(3-2-1)は採用することができない。

(1-1-2)商品選択の構成を含まないことに関する主張について(申立理由の(3-2-2))
上記主張は、概略、本件発明1は、その特許請求の範囲の記載からみて、ユーザにより購入される商品が選択される工程が特定されていないところ、当該特定によれば、ユーザにより購入される商品が選択される工程を経ずに商品の購入に係る画面を表示する構成も含むものであるから、当該商品選択の構成に関する特定事項を有していない本件発明1は発明の詳細な説明に記載された発明ではないとの主張である。

本件発明の目的や解決すべき課題は、上記(1-1-1)で検討したように、「ユーザがクーポンデータを所持しているか否かによって、商品の購入に係る画面を異ならしめ」ることにより、「ユーザの商品の購入意欲の低下を防止する」ことである。すなわち、本件発明は、パーソナルコンピュータ等の情報端末を利用してインターネット上で商品を購入することを前提として、上記購入に際して、「ユーザがクーポンデータを所持しているか否かによって、商品の購入に係る画面を異ならしめ」る構成を採用したものである。
ここで、上記パーソナルコンピュータ等の情報端末を利用してインターネット上で商品を購入するためには、例えば本件の図面「図3a」にあるように、「会員サイトにログインする工程(S301)」、「ユーザが商品を閲覧する工程(S305)」、「当該商品から所望の商品を選択する工程(S306)」等、多くの工程が存在するが、商品選択に係る構成は、パーソナルコンピュータ等の情報端末を利用してインターネット上で商品を購入するための前提としては必要な構成であるが、上記目的や解決すべき課題とてらして、本件発明の構成としては必須の構成ということはできない。
すなわち、本件発明は、パーソナルコンピュータ等の情報端末を利用してインターネット上で商品を購入することを前提として、上記購入に必要な構成のうちの、クーポンの処理に関する構成に特徴を有するものであり、仮に商品選択の構成が特定されていなくとも、本件発明の前提として、当該商品選択の構成を有することは明らかであるから、上記特許異議申立人の「ユーザにより購入される商品が選択される工程を特定しておらず、したがって、本件発明1は、当該工程を経ずに商品の購入に係る画面を表示する構成も含む」という主張を採用することはできない。

(本件特許出願日の不遡及に関する主張について)
特許異議申立書の12ページにて、特許異議申立人は以下のとおり主張している。
「しかしながら、特願2017-079333及び特願2012-234228の明細書、図面、特許請求の範囲を参照しても、「商品の購入に係る画面」を表示する前に、ユーザにより購入される商品が選択される工程を経ることが記載されており、本件特許発明1のように「商品の購入に係る画面」が、ユーザにより購入される商品が選択される工程を経ることなく、「商品の購入に係る画面」を表示する構成については記載も示唆もない。
そうすると、本件特許は、特願2017-079333号の分割出願の要件、及び特願2012-234228の(孫)分割出願の要件(分割する基礎となる出願の明細書、図面に記載された発明であること)を満たしていないにもかかわらず、出願日が平成24年10月23日に遡及したものとして審査され、特許査定されたものである。」
すなわち、分割出願の要件を満たしていないという特許異議申立人の根拠は、本件発明1の特定事項が『「商品の購入に係る画面」が、ユーザにより購入される商品が選択される工程を経ることなく、「商品の購入に係る画面」を表示する』ことであるとしているが、発明特定事項として、ユーザにより購入される商品が選択される工程を特定せずともよいことは、上記したとおりであるから、本件特許出願日の不遡及に関する主張を採用することはできない。

(1-2)主張3(明確性)について
次に、主張3について検討する。
(1-2-1)「商品」の意味が不明瞭である旨の主張について(申立理由の(3-3-1))
上記主張は結局、本件発明1の特定事項として、ユーザがどのような商品を購入するのかに関する特定事項の記載が無いため、「商品の購入」の商品の意味が不明瞭であるとの主張である。
しかし、上記(1-1-2)で検討したように、本件発明は、パーソナルコンピュータ等の情報端末を利用してインターネット上で商品を購入することを前提として、上記購入に必要な構成のうちの、クーポンの処理に関する構成に特徴を有するものであるから、本件発明1の「商品」は、パーソナルコンピュータ等の情報端末を利用してインターネット上で購入する商品であることは明確であるから、特許異議申立人の主張を採用することはできない。

(1-2-2)クーポンの有効期限に関する主張について(申立理由の(3-3-2))
本件発明1が特定する技術事項は、そもそも、有効期限が切れている場合について想定しておらず、有効期限が切れている場合について特定する記載が無くとも、その特許請求の範囲の記載において特定する技術事項は明確であるから、特許異議申立人の主張を採用することはできない。

(1-3)主張1(進歩性)について
(1-3-1)対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
(a)甲1発明の「消費者特定クーポン」は、「予め定められた基準または購入行動に基づいて特定の消費者に与えられるクーポンであり」、記憶されるデータ構造が「特定クーポン表501で示され、その消費者の一意的な識別子を記憶する消費者識別(CID)フィールド503と、クーポンの識別子を記憶するクーポンフィールド505とを含み」の構成を有しているから、「各ユーザが所有するクーポン」であり、また、「当該クーポンデータを所有するユーザ情報と紐付けて管理」されているクーポンであるから、当該クーポンのデータを記憶する「クーポンデータベース」は、本件発明1の「各ユーザが所有するクーポンを示すクーポンデータを、当該クーポンデータを所有するユーザ情報と紐付けて管理する管理手段」といえる。
(b)甲1発明のウェブサーバは、「ウェブサーバ101は、ログインプロセスの一部として消費者識別(CID)をプロンプトで消費者に求め、ステップ701では、消費者はPINなどの適切なCIDを入力してウェブサーバ101にログインし、次に、ウェブサーバ101はクーポンデータベース103にアクセス」し、「クーポンデータベース103に問い合わせを行って、クーポンデータベース103の中に任意の消費者特定クーポンがあるかどうかを決定することであって、具体的には、ウェブサーバ101はタイプフィールド405を検索し、クーポンが消費者特定クーポンであることを示すタイプフィールド405を有する記録だけをフィルタリングし」ている。
上記「消費者はPINなどの適切なCIDを入力してウェブサーバ101にログインし、次に、ウェブサーバ101はクーポンデータベース103にアクセス」するためのCIDは「ユーザ情報」であり、「消費者識別(CID)フィールド503と、クーポンの識別子を記憶するクーポンフィールド505とを含む」「消費者特定クーポンがあるかどうかを決定すること」は、「ユーザがクーポンデータを所有しているか否かを、前記管理手段に当該ユーザ情報と紐付けて管理するクーポンデータがあるか否かにより判定」することといえるから、甲1発明は、本件発明1の「ユーザがクーポンデータを所有しているか否かを、前記管理手段に当該ユーザ情報と紐付けて管理するクーポンデータがあるか否かにより判定する判定手段」を備えているといえる。
(c)甲1発明では、「選択された食品雑貨品に適用できる任意の既存のクーポンがあるかどうかを決定し、消費者非特定クーポンであれ消費者特定クーポンであれ、選択された食品雑貨品に適用できるクーポンがある場合、倉庫コンピュータはステップ719で割引情報を請求書発行コンピュータ109に送信して、すべての適用可能クーポンを適用するが、別法としては、消費者は自分が適用したいクーポン(複数可)をクーポンベースで指定することができる」構成を有しており、上記別法の場合、「消費者特定クーポンがある場合消費者は自分が適用したいクーポン(複数可)をクーポンベースで指定することができる」構成を有しているといえるから、「前記判定手段により、前記ユーザがクーポンデータを所有していると判定されることを条件に適用したいクーポン(複数可)をクーポンベースで指定する」手段を有しているといえる。
この点、本件発明1の「前記判定手段により、前記ユーザがクーポンデータを所有していると判定されることを条件に、クーポンデータを使用するためのクーポン情報入力領域を有する商品の購入に係る画面を表示するように制御し、前記表示制御手段により表示するように制御された前記クーポン情報入力領域を有する前記商品の購入に係る画面を介して、ユーザが使用するクーポンデータを示す情報の入力を受け付けるクーポン情報入力受付手段」は、一応「前記判定手段により、前記ユーザがクーポンデータを所有していると判定されることを条件に適用したいクーポン(複数可)をクーポンベースで指定する手段」といえるから、この点で、甲1発明と本件発明1とは共通する。
(d)甲1発明のウェブサーバは、情報処理装置といいうることは明らかである。
(e)以上まとめると、本件発明1と甲1発明とは以下の一致点で一致し、相違点で相違する。
(一致点)
各ユーザが所有するクーポンを示すクーポンデータを、当該クーポンデータを所有するユーザ情報と紐付けて管理する管理手段と、
ユーザがクーポンデータを所有しているか否かを、前記管理手段に当該ユーザ情報と紐付けて管理するクーポンデータがあるか否かにより判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記ユーザがクーポンデータを所有していると判定されることを条件に、
ユーザが使用するクーポンデータを示す情報の入力を受け付けるクーポン情報入力受付手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。

(相違点)
本件発明1は「前記判定手段により、前記ユーザがクーポンデータを所有していると判定されることを条件に、クーポンデータを使用するためのクーポン情報入力領域を有する商品の購入に係る画面を表示するように制御し、一方、前記ユーザがクーポンデータを所有していないと判定されることを条件に、当該画面を表示することなく、前記クーポン情報入力領域を有してない前記商品の購入に係る画面を表示するように制御する表示制御手段」、「前記表示制御手段により表示するように制御された前記クーポン情報入力領域を有する前記商品の購入に係る画面を介して」ユーザが使用するクーポンデータを示す情報の入力を受け付けるクーポン情報入力受付手段、を備えているのに対し、甲1発明は「クーポンデータを使用するためのクーポン情報入力領域を有する商品の購入に係る画面を表示するように制御し、一方、前記ユーザがクーポンデータを所有していないと判定されることを条件に、当該画面を表示することなく、前記クーポン情報入力領域を有してない前記商品の購入に係る画面を表示するように制御する表示制御手段」を備えず、したがって、「ユーザが使用するクーポンデータを示す情報の入力を受け付けるクーポン情報入力受付手段」は、「前記表示制御手段により表示するように制御された前記クーポン情報入力領域を有する前記商品の購入に係る画面を介して」クーポンデータを示す情報の入力を受け付ける特定事項を備えていない点で相違する。

(1-3-2)相違点についての検討
甲1発明の「別法としては、消費者は自分が適用したいクーポン(複数可)をクーポンベースで指定することができる」との構成を実現するための手段として、甲3、甲4に記載されるクーポン番号(クーポン情報)入力領域を有する画面を介してユーザが使用するクーポンデータを示す情報の入力を受け付けるクーポン情報入力受付手段は本件出願前周知であって、当該構成を甲1発明に適用することは、特許異議申立人の主張するとおり容易であるとしても、「前記判定手段により、前記ユーザがクーポンデータを所有していると判定されることを条件に、クーポンデータを使用するためのクーポン情報入力領域を有する商品の購入に係る画面を表示するように制御し、一方、前記ユーザがクーポンデータを所有していないと判定されることを条件に、当該画面を表示することなく、前記クーポン情報入力領域を有してない前記商品の購入に係る画面を表示するように制御する表示制御手段」の構成には至らない。
すなわち、甲1発明及び甲3、甲4の周知技術から想到しうる構成は、「前記判定手段により、前記ユーザがクーポンデータを所有していると判定されることを条件に、クーポンデータを使用するためのクーポン情報入力領域を有する商品の購入に係る画面を表示するように制御る表示制御手段と、
前記表示制御手段により表示するように制御された前記クーポン情報入力領域を有する前記商品の購入に係る画面を介して、ユーザが使用するクーポンデータを示す情報の入力を受け付けるクーポン情報入力受付手段」の構成までであって、「一方、前記ユーザがクーポンデータを所有していないと判定されることを条件に、当該画面を表示することなく、前記クーポン情報入力領域を有してない前記商品の購入に係る画面を表示するように制御する表示制御手段」の構成を導き出すことは甲l発明及び各甲号証の記載から容易になし得たとはいえない。
そもそも、甲1発明で、「選択された食品雑貨品に適用できる任意の既存のクーポンがあるかどうかを決定し、消費者非特定クーポンであれ消費者特定クーポンであれ、選択された食品雑貨品に適用できるクーポンがある場合」の判定を行うのは、「倉庫コンピュータはステップ719で割引情報を請求書発行コンピュータ109に送信して、すべての適用可能クーポンを適用する」ためであって、「別法としては、消費者は自分が適用したいクーポン(複数可)をクーポンベースで指定する」の構成を採用したときには、どのような構成となるか、特に「選択された食品雑貨品に適用できるクーポンがない場合」について、具体的な構成が明らかではない。
したがって、仮に、甲1発明及び甲3、甲4の周知技術から「前記判定手段により、前記ユーザがクーポンデータを所有していると判定されることを条件に、クーポンデータを使用するためのクーポン情報入力領域を有する商品の購入に係る画面を表示するように制御る表示制御手段と、前記表示制御手段により表示するように制御された前記クーポン情報入力領域を有する前記商品の購入に係る画面を介して、ユーザが使用するクーポンデータを示す情報の入力を受け付けるクーポン情報入力受付手段」の構成が容易に想到し得たとしても、「前記ユーザがクーポンデータを所有していないと判定されることを条件に、当該画面を表示することなく、前記クーポン情報入力領域を有してない前記商品の購入に係る画面を表示するように制御する表示制御手段」の構成までは導き出すことができない。
この点、甲1の他の記載、甲2、甲5ないし甲7の記載をみても、「前記ユーザがクーポンデータを所有していないと判定されることを条件に、当該画面を表示することなく、前記クーポン情報入力領域を有してない前記商品の購入に係る画面を表示するように制御する表示制御手段」に関する構成は開示がなく、引用発明において当該導き出すことができない構成を採用することは当業者が容易に為し得たことということはできない。

特許異議申立人は甲1の「図7B」を参酌して、「消費者非特定クーポンであれ消費者特定クーポンであれ、選択された食品雑貨品に適用できるクーポンがない場合は、食品雑貨情報と割引情報に基づいて請求書を生成し」の構成を有するとしているが、上記「図7B」は「選択された食品雑貨品に適用できるクーポンがある場合、倉庫コンピュータはステップ719で割引情報を請求書発行コンピュータ109に送信して、すべての適用可能クーポンを適用」し、上記クーポンがない場合はクーポンを適用せずに請求書を発行することがフローチャートとして開示されているだけで、「別法としては、消費者は自分が適用したいクーポン(複数可)をクーポンベースで指定する」場合において、どのような構成を採用するかについては記載がないから、上記特許異議申立人の主張は採用することができない。

(2)請求項3、請求項4、請求項6に係る発明について
本件発明3、4、6は請求項1の記載を引用する発明であって、本件発明1が備える構成を備える発明であるから、上記(1)で検討したとおり、特許異議申立人の主張は採用することができず、当業者が容易に発明をすることができたものということはできず、また、サポート要件を満たしていない、あるいは明確性要件を満たしていないということはできない。

(3)請求項5に係る発明について
本件発明5は、本件発明1の「情報処理装置」の発明を、「情報処理装置の制御方法」とカテゴリを変えた発明であって、本件発明1が備える構成と同等の構成を備える発明であるから、上記(1)で検討したとおり、特許異議申立人の主張は採用することができず、当業者が容易に発明をすることができたものということはできず、また、サポート要件を満たしていない、あるいは明確性要件を満たしていないということはできない。

6.むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1、3?6に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1、3?6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
異議決定日 2020-09-11 
出願番号 特願2018-122568(P2018-122568)
審決分類 P 1 652・ 537- Y (G06Q)
P 1 652・ 121- Y (G06Q)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山崎 誠也  
特許庁審判長 佐藤 聡史
特許庁審判官 速水 雄太
渡邊 聡
登録日 2019-11-08 
登録番号 特許第6610716号(P6610716)
権利者 キヤノンマーケティングジャパン株式会社
発明の名称 情報処理装置、その制御方法、およびプログラム  
代理人 木村 友輔  

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