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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1366391
審判番号 不服2019-16090  
総通号数 251 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-11-29 
確定日 2020-09-17 
事件の表示 特願2018-201433号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 1月24日出願公開、特開2019- 10580号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯の概要
本願は、平成25年10月18日に出願した特願2013-216896号の一部を平成30年10月26日に新たな特許出願(特願2018-201433号)としたものであって、平成31年2月21日に手続補正書が提出されたところ、令和1年5月28日付けで拒絶の理由が通知され、同年7月10日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年8月23日付け(送達日:同年9月3日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年11月29日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 令和1年11月29日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和1年11月29日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正により、令和1年7月10日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における、
「【請求項1】
可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
可変表示に関する情報を保留記憶として記憶可能な保留記憶手段と、
前記保留記憶に対応した保留表示を表示する保留表示手段と、
前記有利状態に制御するかを決定する決定手段と、
前記決定手段の決定前に、前記有利状態となるかを判定する判定手段と、を備え、
前記保留表示の表示態様は、通常態様と、該通常態様とは異なる態様である特殊態様と、前記通常態様および前記特殊態様とは異なる態様である特別態様とを含み、
前記判定手段の判定結果に応じて、判定対象となった前記保留記憶に対応した前記保留表示を前記特別態様で表示する保留予告演出を実行可能な演出実行手段と、
前記保留表示の表示態様が変化するかを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、をさらに備え、
前記示唆演出の実行パターンとして、前記示唆演出を実行してから前記保留表示の表示態様を変化させる第1パターンと、前記示唆演出を実行してから前記保留表示の表示態様を変化させない第2パターンとを含み、
前記示唆演出実行手段は、
複数種類の演出態様で前記示唆演出を実行可能であり、
前記保留表示が前記特殊態様で表示されているときは、前記保留表示が前記特殊態様で表示されていないときよりも高い頻度で前記第2パターンによる示唆演出を実行し、
前記第1パターンによる示唆演出の実行割合は、前記示唆演出の演出態様が特定演出態様であるときと、該特定演出態様でないときとで、異なる
ことを特徴とする遊技機。」は、

令和1年11月29日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における、
「【請求項1】
可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
可変表示に関する情報を保留記憶として記憶可能な保留記憶手段と、
保留記憶に対応した保留表示を表示する保留表示手段と、
前記有利状態に制御するかを決定する決定手段と、
前記決定手段の決定前に、前記有利状態となるかを判定する判定手段と、を備え、
保留表示の表示態様は、通常態様と、該通常態様と異なる態様である特殊態様と、前記通常態様および前記特殊態様と異なる態様である特別態様と、を含み、
前記特別態様は、第1特別態様と、該第1特別態様よりも前記有利状態に制御される期待度が高い第2特別態様と、を含み、
前記判定手段の判定結果に応じて、判定対象となった保留記憶に対応した保留表示を前記特別態様で表示する保留予告演出を実行可能な演出実行手段と、
保留表示の表示態様が変化するかを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、
を備え、
前記示唆演出の実行パターンとして、前記示唆演出を実行してから保留表示の表示態様を変化させる第1パターンと、前記示唆演出を実行してから保留表示の表示態様を変化させない第2パターンと、を含み、
前記示唆演出実行手段は、
複数種類の演出態様で前記示唆演出を実行可能であり、
保留表示が前記特殊態様で表示されているとき、保留表示が前記特殊態様で表示されていないときよりも高い頻度で前記第2パターンによる示唆演出を実行し、
前記第1パターンによる示唆演出の実行割合は、前記示唆演出の演出態様が特定演出態様であるときと、該特定演出態様でないときとで、異なり、
前記保留表示手段は、
前記特殊態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記特殊態様で表示せず、
前記第2特別態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記第2特別態様で表示しない、
ことを特徴とする遊技機。」に補正された(下線は、補正箇所を明示するために当審判合議体にて付した。)。

2 補正の適否
2-1 補正の目的及び新規事項について
(1)補正事項
本件補正後の請求項1に係る上記補正は、以下に挙げる補正事項を含むものである。

ア 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「特別態様」に関して、「前記特別態様は、第1特別態様と、該第1特別態様よりも前記有利状態に制御される期待度が高い第2特別態様と、を含」むという記載を追加する補正。

イ 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「保留表示手段」に関して、「前記保留表示手段は、前記特殊態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記特殊態様で表示せず、前記第2特別態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記第2特別態様で表示しない」という記載を追加する補正。

(2)本件補正の目的及び根拠
ア 本件補正後の請求項1に係る上記(1)アの補正は、願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書及び図面(以下「当初明細書等」という。)の【0243】、【0259】及び図29等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「特別態様」に関して、「前記特別態様は、第1特別態様と、該第1特別態様よりも前記有利状態に制御される期待度が高い第2特別態様と、を含む」と限定するものである。

イ 本件補正後の請求項1に係る上記(1)イの補正は、当初明細書等の【0294】及び【0295】等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「保留表示手段」に関して、「前記保留表示手段は、前記特殊態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記特殊態様で表示せず、前記第2特別態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記第2特別態様で表示しない」と限定するものである。

以上のとおり、本件補正後の請求項1に係る上記(1)ア及びイの補正は、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
また、本件補正後の請求項1に係る上記(1)ア及びイの補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が補正の前後において同一であるから、それぞれ特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

2-2 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A?Pは、分説するため当審判合議体にて付した。)。
「A 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 可変表示に関する情報を保留記憶として記憶可能な保留記憶手段と、
C 保留記憶に対応した保留表示を表示する保留表示手段と、
D 前記有利状態に制御するかを決定する決定手段と、
E 前記決定手段の決定前に、前記有利状態となるかを判定する判定手段と、を備え、
F 保留表示の表示態様は、通常態様と、該通常態様と異なる態様である特殊態様と、前記通常態様および前記特殊態様と異なる態様である特別態様と、を含み、
G 前記特別態様は、第1特別態様と、該第1特別態様よりも前記有利状態に制御される期待度が高い第2特別態様と、を含み、
H 前記判定手段の判定結果に応じて、判定対象となった保留記憶に対応した保留表示を前記特別態様で表示する保留予告演出を実行可能な演出実行手段と、
I 保留表示の表示態様が変化するかを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、
を備え、
J 前記示唆演出の実行パターンとして、前記示唆演出を実行してから保留表示の表示態様を変化させる第1パターンと、前記示唆演出を実行してから保留表示の表示態様を変化させない第2パターンと、を含み、
K 前記示唆演出実行手段は、
複数種類の演出態様で前記示唆演出を実行可能であり、
L 保留表示が前記特殊態様で表示されているとき、保留表示が前記特殊態様で表示されていないときよりも高い頻度で前記第2パターンによる示唆演出を実行し、
M 前記第1パターンによる示唆演出の実行割合は、前記示唆演出の演出態様が特定演出態様であるときと、該特定演出態様でないときとで、異なり、
N 前記保留表示手段は、
前記特殊態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記特殊態様で表示せず、
O 前記第2特別態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記第2特別態様で表示しない、
P ことを特徴とする遊技機。」

(2)引用文献1
原査定において引用文献1として引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2013-116317号公報には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審判合議体にて付した。以下同じ。)。
ア 記載事項
(1-a)「【0084】
第一実施形態のパチンコ機50は、常時入賞が可能な第1始動口11と、上述した普通図柄抽選での当選により一定期間にわたり開放され、入賞が可能となる第2始動口12が設けられており、第1,第2始動口11,12への入賞に起因して抽出された乱数による大当り抽選が行われる。そして、大当り抽選の際には、特図表示装置9にて特別図柄の変動表示が行われると共に、これらを停止表示することで大当り抽選の結果が報知される。また、これと並行して、演出図柄表示装置6の画面上で、演出図柄の変動表示させた後にこれらを停止表示させ、大当り抽選の結果を報知する擬似演出が行われる。
【0085】
また、パチンコ機50では、第1,第2始動口11,12への入賞により抽出された乱数が、最大4個まで保留記憶として記憶され、特図保留数表示装置18にて保留記憶の数が表示されると共に、各保留記憶に対応する保留図柄が表示される。また、大当り抽選で当たると、所定ラウンド数の大当り遊技が行われる。」

(1-b)「【0087】
また、パチンコ機50では、保留図柄として複数の種類が設けられており、各種類の保留図柄は、対応する保留記憶が消化される直前に表示された場合における、該保留記憶により大当りとなる確率である信頼度が異なっている。そして、各種類の保留図柄を表示することで、対応する保留記憶により大当りとなる可能性の有無や、該可能性の大きさを示唆する保留予告演出が行われる。また、この保留予告演出の一つとして、一旦表示された保留図柄(一時図柄)を、他の種類の保留図柄(最終図柄)に変化させる変化演出が行われる。なお、この変化演出では、対応する保留記憶が消化されるまで最終図柄が表示され、最終図柄の種類により、該保留記憶により大当りとなる可能性の有無や、該可能性の大きさが示唆される。
【0088】
さらに、変化演出が行われる際には、一時図柄の種類が変化することを示唆する段階演出が行われると共に、変化演出が行われないいずれかの保留図柄に対しても、擬似的な段階演出が行われる。この段階演出には複数の態様が設けられており、抽選により、段階演出が行われる保留図柄の種類や、該保留図柄に対応する保留記憶により大当りとなるか否か等に応じた確率でこの態様が選択される。よって、遊技者には、変化演出が行われるか、或いは、保留図柄に対応する保留記憶が消化される直前になるまで、表示されている保留記憶が一時図柄であるのか最終図柄であるのかわからない。」

(1-c)「【0098】
S100では、主制御装置80は、第1,第2始動口SW11a,12aの検出信号に基づき、第1,第2始動口11,12への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S100:Yes)、S105に処理を移行し、否定判定の場合は(S100:No)、本処理を終了する。
【0099】
S105では、主制御装置80は、保留記憶の数が上限値(一例として4)か否かを判定する。そして、否定判定の場合は(S105:No)、S110に処理を移行し、肯定判定の場合は(S105:Yes)、本処理を終了する。
【0100】
S110では、主制御装置80は、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される図柄(当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、擬似演出において、リーチ状態となった後に外れを示す演出図柄を停止表示させる演出(ノーマルリーチやスーパーリーチ)を行うか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出し、これらの乱数を保留記憶として記憶する。そして、消化されていない保留記憶の数を示す保留数コマンドを、サブ統合制御装置83に送信し、S115に処理を移行する。」

(1-d)「【0101】
S115では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に対応する大当り決定用乱数等の値について判定する先読み判定処理を実行し、本処理を終了する。
(3)先読み判定処理について
次に、新たに発生した保留記憶に対応する大当り決定用乱数等の値について判定する先読み判定処理について、図7に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、始動入賞確認処理からコールされる。
【0102】
S150では、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数の値が特定値(大当り抽選で当りとなる値)か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S150:Yes)、S155に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S150:No)、S160に処理を移行する。」

(1-e)「【0113】
続いて図9に関して、S215では、主制御装置80は、保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S215:Yes)、S220に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S215:No)、本処理を終了する。
【0114】
S220では、主制御装置80は、保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い保留記憶を選択し、後述するS230、S235、S245、S250、S255、S260、及びS265等にて参照するために、該保留記憶に記憶された情報(乱数値等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動処理して、S225に処理を移行する。
【0115】
S225では、主制御装置80は、確変モードであることを示す確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S225:Yes)、S230に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S225:No)、S235に処理を移行する。
【0116】
S230では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変モードに対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)に基づき、大当り抽選を実行し、該抽選に当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。
【0117】
一方、S235では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、通常モードに対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)に基づき、大当り抽選を実行し、該抽選に当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S240に処理を移行する。」

(1-f)「【0150】
(6)保留表示処理について
次に、保留記憶が生成された際に、該保留記憶に対応する保留図柄を演出図柄表示装置6に表示する保留表示処理について、図15に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83にて定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に実行される処理である。
【0151】
S600では、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から先読みコマンドを受信したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S600:Yes)、S605に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S600:No)、本処理を終了する。
【0152】
S605では、サブ統合制御装置83は、受信した先読みコマンドにより先読み判定の結果が示される新たな保留記憶よりも先に生成された保留記憶(先行保留記憶)が存在しない場合には、抽選により、該先読みコマンドの種類に応じた確率で、後述する図17(b)に記載の保留図柄(通常保留図柄,特別保留図柄1?3)の中から新たな保留記憶に対応して表示する保留図柄の種類を選択する。また、先行保留記憶が存在する場合には、抽選により、該先読みコマンドの種類に応じた確率で、後述する図17(b)に記載の保留図柄(通常保留図柄,特別保留図柄1?3)の中から新たな保留記憶に対応して表示する保留図柄の種類を選択し(変化演出が行われる場合には該保留図柄が最終図柄となる)、S610に処理を移行する。」

(1-g)「【0155】
S620では、サブ統合制御装置83は、新たな保留記憶に対応して演出図柄表示装置6に一時図柄を表示し、S625に処理を移行する。
S625では、サブ統合制御装置83は、抽選により、いずれかの先行保留記憶の消化時期を、一時図柄を最終図柄に変化させるタイミング(特許請求の範囲における変化演出タイミング,段階演出タイミングに相当)として選択し、本処理を終了する。
【0156】
一方、変化演出が行われない場合に移行するS630では、サブ統合制御装置83は、新たな保留記憶に対応して演出図柄表示装置6に最終図柄を表示し、S635に処理を移行する。」

(1-h)「【0160】
(7)保留表示更新処理について
次に、保留記憶が消化された際に、演出図柄表示装置6に表示されている保留図柄の表示位置を更新すると共に、変化演出や段階演出を行う保留表示更新処理について、図16に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83にて定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に実行される処理である。」

(1-i)「【0170】
S750では、サブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6にて選択された態様の擬似的な段階演出を行い、本処理を終了する。
(8)変化演出や段階演出について
第一実施形態では、図17(a)に記載の表の「出現率」が示す確率で大当り抽選に当選する。また、擬似演出では、該表の「出現率」が示す確率で、SPリーチ(スーパーリーチ)や、リーチ(ノーマルリーチ)や、ハズレ(スーパーリーチやノーマルリーチとなること無く大当り抽選で外れること)が発生する。
【0171】
また、保留図柄の種類として、図17(b)の表に記載の通常保留図柄と、特別保留図柄1?3が設けられている。なお、特別保留図柄1?3は、炎を象った図柄となっているが、特別保留図柄1?3の炎の色は、それぞれ、黄色,赤色,青色となっている(図17(b)等では、色の違いを出すために、特別保留図柄の斜線の有無,方向を異ならせている)。」

(1-j)「【0176】
(b)2個目以降の保留記憶が生じた場合について
次に、2個目以降の保留記憶が生じた場合について説明する。
図18には、2個目以降の保留記憶が生じた場合に、該保留記憶に対応して行われる変化演出や段階演出等のパターン(演出パターン)を示す表が記載されている。
【0177】
該表における「一時→最終」という項目は、該保留記憶に対応して行われる演出パターンを示している。具体的には、該項目に対応する欄のうち、異なる種類の保留図柄が二つ並んで記載されている欄は、変化演出が行われることを示しており、該欄の左側には一時図柄が、右側には最終図柄が記載されている。
【0178】
一方、同一種類の保留図柄が二つ並んで記載されている欄は、2個目以降の保留記憶に対応して該欄に記載された保留図柄が表示され、変化演出が行われることなく、該保留記憶が消化されるまで該保留図柄が表示されることを示している。よって、正確に言うならば、左側は一時図柄ではなく最終図柄である。
【0179】
また、該欄における二つの保留図柄の間に記載された二重線の矢印は、変化演出に伴う段階演出や、変化演出が行われない場合の擬似的な段階演出が行われることを示し、これらの保留図柄の間に記載された単一線の矢印は、段階演出が行われないことを示している。
【0180】
なお、変化演出において、最終図柄の信頼度が一時図柄の信頼度よりも低いことを降格と記載し、最終図柄の信頼度が一時図柄の信頼度よりも高いことを昇格と記載する。また、第一実施形態では、変化演出が行われる際には必ず段階演出が行われる。
【0181】
また、該表の「出現率」は、2個目以降の保留記憶により「ハズレ」,「リーチ」,「SPリーチ」,「大当り」となる各場合において、該保留記憶に対応して各演出パターンが行われる確率を示している。
・・・
【0183】
なお、該表における“1?4”,“5?9”,“10?14”,“15?19”の各演出パターンに対応する「信頼度」は、保留記憶の消化直前に表示されている保留図柄の種類に応じて、凡その大当りの信頼度が決まることを示している。具体的には、各種類の保留図柄が消化直前に表示された場合には、通常保留図柄,特別保留図柄1,特別保留図柄2,特別保留図柄3の順位で信頼度が高くなる。」

(1-k)「【0195】
なお、既に述べたように、変化演出が行われる際には、一時図柄が最終図柄に変化する直前(変化演出の実行直前)に、段階演出が行われる。また、段階演出の態様として、段階演出A?Dの四種類が設けられており、これらの段階演出は、変化演出の有無や、変化演出における一時図柄から最終図柄への変化による信頼度の変化パターン(特許請求の範囲における信頼度変動に相当)に応じた確率で選択される。
【0196】
図20に記載の表は、段階演出A?Dの発生確率を示している。該表における「段階演出」は、段階演出A?Dの態様を示す項目となっている。また、該表における「出現率」における「維持」は、変化演出が行われない場合を意味する。また、「1段昇格」,「2段昇格」は、昇格となる変化演出において、保留図柄の信頼度の順位が、それぞれ、1段階或いは2段階上昇する変化パターンを示し、「1段降格」,「2段降格」は、降格となる変化演出において、保留図柄の信頼度の順位が、それぞれ、1段階或いは2段階低下する変化パターンを示している。
【0197】
そして、該表における「1段昇格」,「2段昇格」,「維持」,「1段降格」,「2段降格」に対応する欄は、対応する変化パターンが生じた場合や、変化演出が行われなかった場合に、各段階演出が行われる確率を示している。なお、「維持」の場合に行われる段階演出とは、上述した擬似的な段階演出であることを念のため付言しておく。」

(1-l)「【0210】
また、これらの具体例では、一つの保留記憶に対応して変化演出や段階演出が行われるという場合を例示したが、複数の保留記憶に対し並行して変化演出や段階演出が行われても良いことは言うまでも無い。」

イ 認定事項
(1-m)認定事項
図17(a)

段落【0170】の記載「図17(a)に記載の表の「出現率」が示す確率で大当り抽選に当選する。また、擬似演出では、該表の「出現率」が示す確率で、SPリーチ(スーパーリーチ)や、リーチ(ノーマルリーチ)や、ハズレ(スーパーリーチやノーマルリーチとなること無く大当り抽選で外れること)が発生する。」、及び図17(a)の開示内容を参酌すれば、大当り抽選の当否結果が「ハズレ」の出現率は279/300であり、「リーチ」の出現率は15/300であり、「SPリーチ」の出現率は5/300であり、「大当り」の出現率は1/300であると認められる。

(1-n)認定事項
図17(b)


図18


段落【0171】の記載「保留図柄の種類として、図17(b)の表に記載の通常保留図柄と、特別保留図柄1?3が設けられている。」、段落【0176】の記載「図18には、2個目以降の保留記憶が生じた場合に、該保留記憶に対応して行われる変化演出や段階演出等のパターン(演出パターン)を示す表が記載されている。」、段落【0177】の記載「異なる種類の保留図柄が二つ並んで記載されている欄は、変化演出が行われることを示しており、該欄の左側には一時図柄が、右側には最終図柄が記載されている。」、段落【0178】の記載「同一種類の保留図柄が二つ並んで記載されている欄は、2個目以降の保留記憶に対応して該欄に記載された保留図柄が表示され、変化演出が行われることなく、該保留記憶が消化されるまで該保留図柄が表示されることを示している。」、段落【0179】の記載「二つの保留図柄の間に記載された二重線の矢印は、変化演出に伴う段階演出や、変化演出が行われない場合の擬似的な段階演出が行われることを示し、これらの保留図柄の間に記載された単一線の矢印は、段階演出が行われないことを示している。」、段落【0181】の記載「該表の「出現率」は、2個目以降の保留記憶により「ハズレ」,「リーチ」,「SPリーチ」,「大当り」となる各場合において、該保留記憶に対応して各演出パターンが行われる確率を示している。」、及び図17(b)に開示されている保留図柄名と図柄の対応関係を参酌すれば、図18には、
保留表示の一時図柄が「特別保留図柄1」であって、変化演出が行われず、「段階演出無」である演出パターン6の出現率は、大当り抽選の当否結果が「リーチ」の場合、12/200であり、「SPリーチ」の場合、8/200であり、「大当り」の場合、4/200であり、
保留表示の一時図柄が「特別保留図柄1」であって、変化演出が行われず、「段階演出有」である演出パターン7の出現率は、大当り抽選の当否結果が「リーチ」の場合、8/200であり、「SPリーチ」の場合、4/200であり、「大当り」の場合、4/200であり、
保留表示の一時図柄が「通常保留図柄」であって、変化演出が行われず、「段階演出無」である演出パターン1の出現率は、大当り抽選の当否結果が「ハズレ」の場合、190/200であり、「リーチ」の場合、130/200であり、「SPリーチ」の場合、120/200であり、「大当り」の場合、100/200であり、
保留表示の一時図柄が「特別保留図柄2」であって、変化演出が行われず、「段階演出無」である演出パターン12の出現率は、大当り抽選の当否結果が「SPリーチ」の場合、14/200であり、「大当り」の場合、10/200であり、
保留表示の一時図柄が「特別保留図柄2」であって、変化演出が行われず、「段階演出有」である演出パターン13の出現率は、大当り抽選の当否結果が「SPリーチ」の場合、6/200であり、「大当り」の場合、10/200であり、
保留表示の一時図柄が「特別保留図柄3」であって、変化演出が行われず、「段階演出無」である演出パターン18の出現率は、大当り抽選の当否結果が「大当り」の場合、5/200であり、
保留表示の一時図柄が「特別保留図柄3」であって、変化演出が行われず、「段階演出有」である演出パターン19の出現率は、大当り抽選の当否結果が「大当り」の場合、4/200、
であることが開示されていると認められる。

(1-o)認定事項
図20


段落【0196】の「図20に記載の表は、段階演出A?Dの発生確率を示している。・・・また、該表における「出現率」における「維持」は、変化演出が行われない場合を意味する。また、「1段昇格」,「2段昇格」は、昇格となる変化演出において、保留図柄の信頼度の順位が、それぞれ、1段階或いは2段階上昇する変化パターンを示し、「1段降格」,「2段降格」は、降格となる変化演出において、保留図柄の信頼度の順位が、それぞれ、1段階或いは2段階低下する変化パターンを示している。」との記載、及び図20の開示内容を参酌すれば、「1段昇格」、「2段昇格」、「1段降格」及び「2段降格」は変化演出が行われる場合であり、「維持」は変化演出が行われない場合であって、
段階演出Aで、「1段昇格」、「2段昇格」、「1段降格」及び「2段降格」の変化演出が行われる出現率は、それぞれ「1/10」、「1/10」、「5/10」及び「1/10」であり、変化演出が行われない「維持」の出現率は、「2/10」であり、
段階演出Bで、「1段昇格」、「2段昇格」、「1段降格」及び「2段降格」の変化演出が行われる出現率は、それぞれ「2/10」、「1/10」、「2/10」及び「7/10」であり、変化演出が行われない「維持」の出現率は、「8/10」であり、
段階演出Cで、「1段降格」及び「2段降格」の変化演出が行われる出現率は、それぞれ「3/10」及び「2/10」であり、
段階演出Dで、「1段昇格」及び「2段昇格」の変化演出が行われる出現率は、それぞれ「7/10」及び「8/10」である点が開示されていると認められる。

上記(1-a)?(1-l)の記載事項、及び上記(1-m)?(1-o)の認定事項を総合すれば、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「a 特別図柄の変動表示が行われ、大当り抽選で当たると、大当り遊技が行われるパチンコ機50であって(【0084】、【0085】)、
b 第1,第2始動口SW11a,12aの検出信号に基づき、第1,第2始動口11,12への遊技球の入賞が発生したかを判定し、肯定判定の場合は、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数等を保留記憶として記憶し、消化されていない保留記憶の数を示す保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信する主制御装置80と(【0098】-【0100】)、
c 各保留記憶に対応する保留図柄を表示する演出図柄表示装置6と(【0150】)、
d 保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には最も古い保留記憶を選択し、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と確変テーブル又は通常テーブルに基づき、大当り抽選を実行し、該抽選に当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する主制御装置80と(【0113】、【0114】、【0116】、【0117】)、
e 新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数の値が大当り抽選で当りとなる値である特定値か否かを判定する先読み判定処理を行う主制御装置80と(【0101】、【0102】)、
f 保留図柄の種類として、通常保留図柄、特別保留図柄1、特別保留図柄2及び特別保留図柄3が設けられ(【0171】、図17(b))、
g 特別保留図柄2、特別保留図柄3の順位で大当り信頼度が高くなり(【0183】)、
h 主制御装置80から受信した先読みコマンドの種類に応じた確率で、保留図柄(通常保留図柄,特別保留図柄1?3)の中から新たな保留記憶に対応して表示する保留図柄の種類を選択し、該保留図柄を演出図柄表示装置6に表示するサブ統合制御装置83と(【0150】-【0152】、【0155】)、
i 一旦表示された保留図柄(一時図柄)を、他の種類の保留図柄(最終図柄)に変化させる変化演出が行われる際には、一時図柄の種類が変化することを示唆する段階演出を行う保留表示更新処理を実行するサブ統合制御装置83と(【0087】、【0088】、【0156】、【0160】)
を備え、
j 変化演出が行われる際には、一時図柄の種類が変化することを示唆する段階演出が行われると共に、変化演出が行われないいずれかの保留図柄に対しても、擬似的な段階演出が行われ(【0088】)、
k 段階演出の態様として、段階演出A?Dの四種類が設けられており(【0195】)、
l 大当り抽選の当否結果が「ハズレ」の出現率は279/300であり、「リーチ」の出現率は15/300であり、「SPリーチ」の出現率は5/300であり、「大当り」の出現率は1/300であり(認定事項(1-m))、
保留表示の一時図柄が「特別保留図柄1」であって、変化演出が行われず、「段階演出無」である演出パターン6の出現率は、大当り抽選の当否結果が「リーチ」の場合、12/200であり、「SPリーチ」の場合、8/200であり、「大当り」の場合、4/200であり、
保留表示の一時図柄が「特別保留図柄1」であって、変化演出が行われず、「段階演出有」である演出パターン7の出現率は、大当り抽選の当否結果が「リーチ」の場合、8/200であり、「SPリーチ」の場合、4/200であり、「大当り」の場合、4/200であり、
保留表示の一時図柄が「通常保留図柄」であって、変化演出が行われず、「段階演出無」である演出パターン1の出現率は、大当り抽選の当否結果が「ハズレ」の場合、190/200であり、「リーチ」の場合、130/200であり、「SPリーチ」の場合、120/200であり、「大当り」の場合、100/200であり、
保留表示の一時図柄が「特別保留図柄2」であって、変化演出が行われず、「段階演出無」である演出パターン12の出現率は、大当り抽選の当否結果が「SPリーチ」の場合、14/200であり、「大当り」の場合、10/200であり、
保留表示の一時図柄が「特別保留図柄2」であって、変化演出が行われず、「段階演出有」である演出パターン13の出現率は、大当り抽選の当否結果が「SPリーチ」の場合、6/200であり、「大当り」の場合、10/200であり、
保留表示の一時図柄が「特別保留図柄3」であって、変化演出が行われず、「段階演出無」である演出パターン18の出現率は、大当り抽選の当否結果が「大当り」の場合、5/200であり、
保留表示の一時図柄が「特別保留図柄3」であって、変化演出が行われず、「段階演出有」である演出パターン19の出現率は、大当り抽選の当否結果が「大当り」の場合、4/200であり(認定事項(1-n))、
m 段階演出Aで、「1段昇格」、「2段昇格」、「1段降格」及び「2段降格」の変化演出が行われる出現率は、それぞれ「1/10」、「1/10」、「5/10」及び「1/10」であり、変化演出が行われない「維持」の出現率は、「2/10」であり、
段階演出Bで、「1段昇格」、「2段昇格」、「1段降格」及び「2段降格」の変化演出が行われる出現率は、それぞれ「2/10」、「1/10」、「2/10」及び「7/10」であり、変化演出が行われない「維持」の出現率は、「8/10」であり、
段階演出Cで、「1段降格」及び「2段降格」の変化演出が行われる出現率は、それぞれ「3/10」及び「2/10」であり、
段階演出Dで、「1段昇格」及び「2段昇格」の変化演出が行われる出現率は、それぞれ「7/10」及び「8/10」である(認定事項(1-o))、
p パチンコ機50(【0084】)。」

(3)対比
本件補正発明と引用発明とを対比する(見出し(a)?(p)は、本件補正発明の特定事項A?Pに対応する。また、下線は当審で付した。)。

(a)引用発明の構成aにおける「特別図柄の変動表示」、「大当り遊技」、「パチンコ機50」は、それぞれ、本件補正発明の構成Aの「可変表示」、「遊技者にとって有利な有利状態」、「遊技機」に相当する。
してみると、引用発明の構成aは、本件補正発明の構成Aに相当する。

(b)引用発明の構成bにおける「保留記憶として記憶」される「大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数」は、本件補正発明の構成Bの「可変表示に関する情報」に相当する。
また、引用発明の構成bにおいて、「大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数」(本件補正発明の「可変表示に関する情報」に相当。)が「主制御装置80」に「保留記憶として記憶」されることから、引用発明の構成bにおける「主制御装置80」は、本件補正発明の構成Bの「保留記憶手段」に相当する。
してみると、引用発明の構成bは、本件補正発明の構成Bに相当する。

(c)引用発明の構成cにおける「各保留記憶」、「保留図柄」、「演出図柄表示装置6」は、それぞれ、本件補正発明の構成Cの「保留記憶」、「保留表示」、「保留表示手段」に相当する。
してみると、引用発明の構成cは、本件補正発明の構成Cに相当する。

(d)引用発明の構成dにおける「保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には最も古い保留記憶を選択し、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と確変テーブル又は通常テーブルに基づき、大当り抽選を実行し、該抽選に当るか否かを判定」すること、「主制御装置80」は、それぞれ、本件補正発明の構成Dの「有利状態に制御するかを決定する」こと、「決定手段」に相当する。
してみると、引用発明の構成dは、本件補正発明の構成Dに相当する。

(e)引用発明の構成eにおける「新たに発生した保留記憶に係る大当り決定用乱数の値が大当り抽選で当りとなる値である特定値か否かを判定する先読み判定処理」、「主制御装置80」は、それぞれ、本件補正発明の構成Eの「有利状態となるかを判定する」こと、「判定手段」に相当する。
また、引用発明の構成eにおける「先読み判定処理」は、「保留記憶」が「新たに発生した」場合に「行う」のに対し、引用発明の構成dにおける「保留記憶を消化する」ことは、「最も古い保留記憶を選択し」て行うのであるから、引用発明の構成eにおける「先読み判定処理」は、引用発明の構成dにおける「保留記憶を消化する」ことよりも前、すなわち、本件補正発明の構成Eの「決定手段の決定前」に行われることは明らかである。
してみると、引用発明の構成eは、本件補正発明の構成Eに相当する。

(f)引用発明の構成fにおける「保留図柄の種類」、「通常保留図柄」、「特別保留図柄1」、「特別保留図柄2及び特別保留図柄3」は、それぞれ、本件補正発明の構成Fの「保留表示の表示態様」、「通常態様」、「該通常態様と異なる態様である特殊態様」、「前記通常態様および前記特殊態様と異なる態様である特別態様」に相当する。
してみると、引用発明の構成fは、本件補正発明の構成Fに相当する。

(g)引用発明の「特別保留図柄2及び特別保留図柄3」は、本件補正発明の「特別態様」に相当することは、上記(f)にて説示したとおりである。
また、引用発明の構成gにおける「特別保留図柄2」、「特別保留図柄3」、「大当り信頼度」は、それぞれ、本件補正発明の構成Gの「第1特別態様」、「第2特別態様」、「有利状態に制御される期待度」に相当する。
してみると、引用発明の構成gは、本件補正発明の構成Gに相当する。

(h)引用発明の構成hにおける「保留図柄」が「主制御装置80」から受信した「先読みコマンドの種類に応じた確率で」「選択」され「表示」されることは、本件補正発明の構成Hの「保留表示」が「判定手段の判定結果に応じて」「表示」されることに相当する。
また、引用発明の構成hにおいて、「保留図柄(通常保留図柄,特別保留図柄1?3)の中から新たな保留記憶に対応して表示する保留図柄の種類を選択して表示させる」ことは、「特別保留図柄2及び特別保留図柄3」を選択して表示させることを含み、上記(f)で説示したとおり、「特別保留図柄2及び特別保留図柄3」は本件補正発明の「特別態様」に相当するから、引用発明の構成hにおける「保留図柄(通常保留図柄,特別保留図柄1?3)の中から新たな保留記憶に対応して表示する保留図柄の種類を選択し、該保留図柄を演出図柄表示装置6に表示する」ことは、本件補正発明の構成Hにおける「判定対象となった保留記憶に対応した保留表示を特別態様で表示する保留予告演出を実行」することに相当する。
さらに、引用発明の構成hにおける「サブ統合制御装置83」は、本件補正発明の構成Hにおける「演出実行手段」に相当する。
してみると、引用発明の構成hは、本件補正発明の構成Hに相当する。

(i)引用発明の構成iにおける「一時図柄の種類が変化することを示唆する段階演出」は、本件補正発明の構成Iの「保留表示の表示態様が変化するかを示唆する示唆演出」に相当するから、引用発明の構成iにおいて、該演出を行う保留表示更新処理を実行する「サブ統合制御装置83」は、本件補正発明の構成Iの「示唆演出実行手段」に相当する。
してみると、引用発明の構成iは、本件補正発明の構成Iに相当する。

(j)引用発明の構成jにおける「変化演出が行われる」こと、「変化演出が行われない」ことは、それぞれ、本件補正発明の構成Jの「保留表示の表示態様を変化させる」こと、「保留表示の表示態様を変化させない」こと、に相当するから、引用発明の構成jにおける「変化演出が行われる際に」行われる「段階演出」、「変化演出が行われないいずれかの保留図柄に対して」行われる「擬似的な段階演出」は、それぞれ、本件補正発明の構成Jの「第1パターン」による「示唆演出」、「第2パターン」による「示唆演出」に相当する。
してみると、引用発明の構成jは、本件補正発明の構成Jに相当する。

(k)上記(i)で説示したとおり、引用発明の構成iの「サブ統合制御装置83」は、本件補正発明の「示唆演出実行手段」に相当する。そして、引用発明の構成kにおける「段階演出A?Dの四種類」は、本件補正発明の構成Kの「複数種類の演出態様」に相当し、上記(i)で説示したとおり、引用発明の「段階演出」は、本件補正発明の「示唆演出」に相当することから、上記「サブ統合制御装置83」は、「複数種類の演出態様で前記示唆演出を実行可能」であると認められる。
してみると、引用発明の構成kは、本件補正発明の構成Kに相当する。

(l)引用発明の構成lにおいて、保留図柄として特別保留図柄1が表示され、変化演出が行われない場合に、擬似的な段階演出が行われる確率(すなわち、演出パターン6、7の出現率の和に対する、演出パターン7の出現率の割合)は、(リーチの出現率×リーチ時の演出パターン7の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン7の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン7の出現率)/(リーチの出現率×リーチ時の演出パターン6の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン6の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン6の出現率+リーチの出現率×リーチ時の演出パターン7の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン7の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン7の出現率)=(15/300×8/200+5/300×4/200+1/300×4/200)/(15/300×12/200+5/300×8/200+1/300×4/200+15/300×8/200+5/300×4/200+1/300×4/200)=144/368≒0.39であり、
保留図柄として特別保留図柄1以外の図柄、すなわち、通常保留図柄、特別保留図柄2または特別保留図柄3が表示され、変化演出が行われない場合に、擬似的な段階演出が行われる確率(すなわち、演出パターン1、12、13、18、19の出現率の和に対する演出パターン13、19の出現率の和の割合)は、(SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン13の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン13の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン19の出現率)/(ハズレの出現率×ハズレ時の演出パターン1の出現率+リーチの出現率×リーチ時の演出パターン1の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン1の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン1の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン12の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン12の出現率+SPリーチの出現率×SPリーチ時の演出パターン13の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン13の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン18の出現率+大当りの出現率×大当り時の演出パターン19の出現率)=(5/300×6/200+1/300×10/200+1/300×4/200)/(279/300×190/200+15/300×130/200+5/300×120/200+1/300×100/200+5/300×14/200+1/300×10/200+5/300×6/200+1/300×10/200+1/300×5/200+1/300×4/200)=44/55789≒0.00079である。
ここで、引用発明の構成lの「特別保留図柄1」、「擬似的な段階演出」が、それぞれ、本件補正発明の構成Lの「特殊態様」、「第2パターンによる示唆演出」に相当することは、上記(f)、(j)にて説示したとおりである。
また、引用発明の構成lの「段階演出」は、引用発明の構成iのとおり「サブ統合制御装置83」が実行するのであるから、引用発明の構成lは、本件補正発明の構成Lの「示唆演出を実行」する「示唆演出実行手段」を備えているといえる。
そして、引用発明の構成lにおいて、「保留図柄として特別保留図柄1が表示され、変化演出が行われない場合に、擬似的な段階演出が行われる確率」が0.39であるのに対して、「保留図柄として特別保留図柄1以外の図柄」「が表示され、変化演出が行われない場合に、擬似的な段階演出が行われる確率」は0.00079であることから、引用発明の構成lの「擬似的な段階演出」は、保留図柄として特別保留図柄1が表示されるときには、保留図柄として特別保留図柄1以外の図柄が表示されるときよりも高い確率で実行されるものであるといえ、引用発明のかかる構成lは、本件補正発明の構成Lの「保留表示が前記特殊態様で表示されているとき、保留表示が前記特殊態様で表示されていないときよりも高い頻度で前記第2パターンによる示唆演出を実行」することに相当する。
してみると、引用発明の構成lは、本件補正発明の構成Lに相当する。

(m)上記(j)で説示したとおり、引用発明の構成jの「変化演出が行われる際に」行われる「段階演出」は、本件補正発明の構成Mの「第1パターン」に相当する。
そして、引用発明の構成mにおいて、各段階演出で変化演出が行われる割合は、変化演出(「1段昇格」、「2段昇格」、「1段降格」及び「2段降格」)の出現率の和を、全ての演出(「1段昇格」、「2段昇格」、「維持」、「1段降格」及び「2段降格」)の出現率の和で除したものであることから、段階演出Aで変化演出が行われる割合は、(1/10+1/10+5/10+1/10)/(1/10+1/10+2/10+5/10+1/10)=0.8であり、段階演出Bで変化演出が行われる割合は、(2/10+1/10+2/10+7/10)/(2/10+1/10+8/10+2/10+7/10)=0.6であり、段階演出Cで変化演出が行われる割合は、(3/10+2/10)/(3/10+2/10)=1.0であり、段階演出Dで変化演出が行われる割合は、(7/10+8/10)/(7/10+8/10)=1.0である。
ここで、引用発明の構成mの「段階演出A」及び「段階演出B乃至D」は、それぞれ本件補正発明の構成Mの「特定演出態様」及び「該特定演出態様でないとき」に相当し、引用発明の構成mの「段階演出A」で変化演出が行われる割合(0.8)は、「段階演出B乃至D」で変化演出が行われる割合(0.6又は1.0)と異なることから、引用発明の構成mの「段階演出A」及び「段階演出B乃至D」とで変化演出が行われる割合が異なることは、本件補正発明の構成Mの「前記第1パターンによる示唆演出の実行割合は、前記示唆演出の演出態様が特定演出態様であるときと、該特定演出態様でないときとで、異な」る構成に相当する。
してみると、引用発明の構成mは、本件補正発明の構成Mに相当する。

(p)引用発明における「パチンコ機50」が、本件補正発明の「遊技機」に相当することは上記(a)にて説示のとおりである。
してみると、引用発明の構成pは、本件補正発明の構成Pに相当する。

上記(a)?(p)によれば、本件補正発明と引用発明は、
「A 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 可変表示に関する情報を保留記憶として記憶可能な保留記憶手段と、
C 保留記憶に対応した保留表示を表示する保留表示手段と、
D 前記有利状態に制御するかを決定する決定手段と、
E 前記決定手段の決定前に、前記有利状態となるかを判定する判定手段と、を備え、
F 保留表示の表示態様は、通常態様と、該通常態様と異なる態様である特殊態様と、前記通常態様および前記特殊態様と異なる態様である特別態様と、を含み、
G 前記特別態様は、第1特別態様と、該第1特別態様よりも前記有利状態に制御される期待度が高い第2特別態様と、を含み、
H 前記判定手段の判定結果に応じて、判定対象となった保留記憶に対応した保留表示を前記特別態様で表示する保留予告演出を実行可能な演出実行手段と、
I 保留表示の表示態様が変化するかを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、
を備え、
J 前記示唆演出の実行パターンとして、前記示唆演出を実行してから保留表示の表示態様を変化させる第1パターンと、前記示唆演出を実行してから保留表示の表示態様を変化させない第2パターンと、を含み、
K 前記示唆演出実行手段は、
複数種類の演出態様で前記示唆演出を実行可能であり、
L 保留表示が前記特殊態様で表示されているとき、保留表示が前記特殊態様で表示されていないときよりも高い頻度で前記第2パターンによる示唆演出を実行し、
M 前記第1パターンによる示唆演出の実行割合は、前記示唆演出の演出態様が特定演出態様であるときと、該特定演出態様でないときとで、異なる、
P ことを特徴とする遊技機。」
の点で一致し、次の点で一応相違する。

[相違点](構成N、O)
本件補正発明は、「前記保留表示手段は、前記特殊態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記特殊態様で表示せず、前記第2特別態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記第2特別態様で表示しない」のに対して、引用発明は、「特別保留図柄1」(特殊態様)又は「特別保留図柄3」(第2特別態様)を表示しているときでも、新たな保留表示を「特別保留図柄1」又は「特別保留図柄3」で表示し得る点。

(4)当審判合議体の判断
上記相違点について検討する。
パチンコ遊技機の技術分野において、保留表示が先読み予告演出によって特殊な態様で表示された場合、当該保留表示が消化されるまでは新たな先読み演出を行わない(つまり、当該保留表示が消化されるまでは、新たな保留表示は特殊な態様で表示されない)ように構成することは、本願の出願前に周知の技術である(例えば、特開2012-24130号公報の【0080】、【0114】-【0119】、図7(b)及び(c)には、先読み対象となった保留アイコンが、白色、青色、黄色、緑色、赤色、虹色などの特殊な表示態様に変化するものであって、保留記憶が、大当りと先読み判定される種別情報のもの又はハズレと先読み判定される種別情報のものである場合、これより後の始動口入賞に基づく現在保留記憶されている保留記憶個数と同数の保留記憶について、先読み予告を禁止する点が開示されており、特開2013-22220号公報の【0550】-【0564】、図37には、先読み予告抽選に当選した場合、先読み予告演出対象となった作動保留球に係る保留アイコンの色が、黄色、緑色、赤色または虹色のいずれかの色(通常は青色)に変化するものであって、重複して先読み予告演出が発生してしまうことを禁止するために、先読み予告抽選により今回の作動保留球が先読み予告演出の実行対象とされた場合、今回の作動保留球が消化されるまでの間に、新たに生じた作動保留球が先読み演出の実行対象とされないようにする点が開示されている。以下「周知技術」という。)

ここで、引用発明と上記周知技術とは、いずれもパチンコ遊技機の技術分野に関するものであって、先読みの判定結果に応じて保留表示の変化演出を行うことで共通する。
そして、上記(2)(1-l)の記載事項に示したとおり、引用発明は、「一つの保留記憶に対応して変化演出や段階演出が行われるという場合」について示唆していることから、引用発明に上記周知技術を適用し、引用発明の「特別保留図柄1乃至3」が保留表示として重複して表示されないように構成して、上記相違点に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。
また、本件補正発明により奏される効果は、引用発明及び上記周知技術に基づいて当業者が予測できる効果の範囲内のものである。
よって、本件補正発明は、引用発明及び上記周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(5)請求人の主張について
令和1年11月29日提出の審判請求書において、請求人は次の主張をする。
「引用文献1には・・・補正後の本願発明における「前記特別態様は、第1特別態様と、該第1特別態様よりも前記有利状態に制御される期待度が高い第2特別態様と、を含み、・・・前記特殊態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記特殊態様で表示せず、前記第2特別態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記第2特別態様で表示しない」との構成について、開示も示唆もされていない。」

そこで、請求人の上記主張について検討する。
上記(3)[相違点]で説示したとおり、引用文献1には、「前記特殊態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記特殊態様で表示せず、前記第2特別態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記第2特別態様で表示しない」ことについての記載はないが、当該技術事項は、上記(4)において周知技術として示したように、本願の出願前に周知の技術事項であり、引用発明に上記周知技術を適用して、当該技術事項の構成を備えることは、当業者が容易になし得たものである。
したがって、請求人の上記主張を採用することはできない。

(6)まとめ
上記(1)?(5)より、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たさないものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されることとなったので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和1年7月10日付け手続補正書により補正された、次のとおりのものと認める。
「【請求項1】
可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
可変表示に関する情報を保留記憶として記憶可能な保留記憶手段と、
前記保留記憶に対応した保留表示を表示する保留表示手段と、
前記有利状態に制御するかを決定する決定手段と、
前記決定手段の決定前に、前記有利状態となるかを判定する判定手段と、を備え、
前記保留表示の表示態様は、通常態様と、該通常態様とは異なる態様である特殊態様と、前記通常態様および前記特殊態様とは異なる態様である特別態様とを含み、
前記判定手段の判定結果に応じて、判定対象となった前記保留記憶に対応した前記保留表示を前記特別態様で表示する保留予告演出を実行可能な演出実行手段と、
前記保留表示の表示態様が変化するかを示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、をさらに備え、
前記示唆演出の実行パターンとして、前記示唆演出を実行してから前記保留表示の表示態様を変化させる第1パターンと、前記示唆演出を実行してから前記保留表示の表示態様を変化させない第2パターンとを含み、
前記示唆演出実行手段は、
複数種類の演出態様で前記示唆演出を実行可能であり、
前記保留表示が前記特殊態様で表示されているときは、前記保留表示が前記特殊態様で表示されていないときよりも高い頻度で前記第2パターンによる示唆演出を実行し、
前記第1パターンによる示唆演出の実行割合は、前記示唆演出の演出態様が特定演出態様であるときと、該特定演出態様でないときとで、異なる
ことを特徴とする遊技機。」

2 原査定の概要
原査定の拒絶の理由1及び2の概要は、以下のとおりのものである。

1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

●理由1(新規性)又は理由2(進歩性)について
・請求項1
・引用文献等1

引用文献1:特開2013-116317号公報

3 引用文献1について
引用文献1の記載事項および引用発明の認定については、上記「第2[理由]2 2-2(2)」に説示したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、上記「第2[理由]2 2-2(1)」で検討した本件補正発明から、実質的な変更とならない特定事項を除き、「前記特別態様は、第1特別態様と、該第1特別態様よりも前記有利状態に制御される期待度が高い第2特別態様と、を含」むという限定、及び、「前記保留表示手段は、前記特殊態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記特殊態様で表示せず、前記第2特別態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記第2特別態様で表示しない」との限定を削除したものである。
そうすると、上記「第2[理由]2 2-2(3)」で説示したとおり、本願発明の構成要件を全て含む本件補正発明と引用発明とは、上記「前記保留表示手段は、前記特殊態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記特殊態様で表示せず、前記第2特別態様の保留表示を表示しているとき、新たな保留表示を前記第2特別態様で表示しない」点でのみ相違し、その余の点で一致することから、本願発明と引用発明とは全ての構成で一致する。
したがって、本願発明は、引用発明と同一、或いは、引用発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。

5 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2020-06-17 
結審通知日 2020-06-23 
審決日 2020-07-21 
出願番号 特願2018-201433(P2018-201433)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 113- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 荒井 隆一  
特許庁審判長 瀬津 太朗
特許庁審判官 ▲高▼橋 祐介
鷲崎 亮
発明の名称 遊技機  

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