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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A61B
管理番号 1366426
審判番号 不服2020-6488  
総通号数 251 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-05-13 
確定日 2020-10-06 
事件の表示 特願2017-567699「X線透視外科手術ナビゲーションのための光ファイバリアルシェイプ感知」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 1月 5日国際公開、WO2017/001959、平成30年 8月30日国内公表、特表2018-524089、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。

理 由
第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)6月16日(パリ条約による優先権主張 2015年(平成27年)6月30日、(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、令和元年6月12日付けで手続補正書が提出され、令和元年7月12日付けで拒絶理由が通知され、同年10月16日付けで意見書が提出され、同年12月26日付けで拒絶査定されたところ、令和2年5月13日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(令和元年12月26日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1-14に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明、及び、引用文献2に記載された技術事項に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

1.特表2013-542768号公報
2.特表2014-518097号公報

第3 本願発明
本願請求項1-14に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明14」という。)は、令和元年6月12日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-14に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
FORSセンサであって、手術空間内の基準位置に対する前記FORSセンサの形状再構成の情報を与える感知データを生成する、FORSセンサと、
X線透視イメージャと、
前記X線透視イメージャに接合される機械的コネクタであって、前記X線透視イメージャに前記FORSセンサを取り外し可能に装着するように構造的に構成される、機械的コネクタと、
前記機械的コネクタへの前記FORSセンサの取り外し可能な装着に基づき、前記FORSセンサによる前記感知データの生成に応答して、前記手術空間内における前記X線透視イメージャの追跡を制御するナビゲーションコントローラと
を備える、X線透視外科手術システムにおいて、前記X線透視外科手術システムは、
前記基準位置としての役割を果たすローンチを更に備え、
前記FORSセンサは、前記ローンチから遠位方向に延在し、
前記基準位置は、前記手術空間内において固定されている、
ことを特徴とする、X線透視外科手術システム。
【請求項2】
前記X線透視イメージャへの前記FORSセンサの前記装着は、前記FORSセンサが前記機械的コネクタ内に埋め込まれることを含む、請求項1に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項3】
前記機械的コネクタと一体化されたドレープを更に備える、請求項1に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項4】
前記機械的コネクタは、
前記X線透視イメージャに接合されたコネクタベースと、
前記コネクタベースに前記FORSセンサを取り外し可能に装着するコネクタクリップと
を含む、請求項1に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項5】
前記コネクタクリップによる前記コネクタベースへの前記FORSセンサの前記装着は、前記FORSセンサが前記コネクタクリップ内に埋め込まれることを含む、請求項4に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項6】
ドレープを更に備え、
前記コネクタクリップによる前記コネクタベースへの前記FORSセンサの前記装着は、前記ドレープが前記コネクタベースと前記コネクタクリップとの間に設置されることを含む、請求項4に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項7】
前記コネクタベース及び前記コネクタクリップのうちの少なくとも1つと一体化されたドレープを更に備える、請求項4に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項8】
外科手術器具を更に備え、
前記FORSセンサは、前記外科手術器具内に埋め込まれ、
前記ナビゲーションコントローラは更に、前記外科手術器具内への前記FORSセンサの埋め込みに基づき、前記FORSセンサによる前記感知データの生成に応答して、前記手術空間内における前記外科手術器具の追跡を制御する、請求項1に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項9】
外科手術器具を更に備え、
前記コネクタクリップは更に、前記外科手術器具に前記FORSセンサを取り外し可能に装着し、
前記ナビゲーションコントローラは更に、前記コネクタクリップによる前記外科手術器具への前記FORSセンサの取り外し可能な装着に基づき、前記FORSセンサによる前記感知データの生成に応答して、前記手術空間内における前記外科手術器具の追跡を制御する、請求項4に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項10】
外科手術器具と、
前記外科手術器具に前記FORSセンサを取り外し可能に装着する器具コネクタとを更に備え、
前記ナビゲーションコントローラは更に、前記器具コネクタによる前記外科手術器具への前記FORSセンサの取り外し可能な装着に基づき、前記FORSセンサによる前記感知データの生成に応答して、前記手術空間内における前記外科手術器具の追跡を制御する、請求項1に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項11】
外科手術器具と、
補助FORSセンサであって、前記手術空間内の前記基準位置に対する前記補助FORSセンサの形状再構成の情報を与える補助感知データを生成する、補助FORSセンサとを更に備え、
前記補助FORSセンサは、前記外科手術器具内に埋め込まれ、
前記ナビゲーションコントローラは更に、前記外科手術器具内への前記補助FORSセンサの埋め込みに基づき、前記補助FORSセンサによる前記補助感知データの生成に応答して、前記手術空間内における前記外科手術器具の追跡を制御する、請求項1に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項12】
外科手術器具と、
補助FORSセンサであって、前記手術空間内の前記基準位置に対する前記補助FORSセンサの形状再構成の情報を与える補助感知データを生成する、補助FORSセンサとを更に備え、
前記コネクタクリップは更に、前記外科手術器具に前記補助FORSセンサを取り外し可能に装着し、
前記ナビゲーションコントローラは更に、前記コネクタクリップによる前記外科手術器具への前記補助FORSセンサの取り外し可能な装着に基づき、前記補助FORSセンサによる前記補助感知データの生成に応答して、前記手術空間内における前記外科手術器具の追跡を制御する、請求項4に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項13】
外科手術器具と、
補助FORSセンサであって、前記手術空間内の前記基準位置に対する前記補助FORSセンサの形状再構成の情報を与える補助感知データを生成する、補助FORSセンサと、
前記外科手術器具に前記補助FORSセンサを取り外し可能に装着する器具コネクタとを更に備え、
前記ナビゲーションコントローラは更に、前記器具コネクタによる前記外科手術器具への前記補助FORSセンサの取り外し可能な装着に基づき、前記補助FORSセンサによる前記補助感知データの生成に応答して、前記手術空間内における前記外科手術器具の追跡を制御する、請求項1に記載のX線透視外科手術システム。
【請求項14】
前記基準位置は、前記X線透視イメージャへの前記FORSセンサの取り外し可能な装着に基づき、前記手術空間内において移動可能である、請求項1に記載のX線透視外科手術システム。」

第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は当審が付したものである。


「【0024】
本発明のある実施形態によれば、器具追跡システム10は、実行される介入手順に近接する生体構造を示す画像空間を取得及び表示するために使用される撮像システム100を有する。撮像システム100は、図1に示されるようにCアームのフラットディテクタCT撮像システムとすることができる。代替的に、撮像システムは、MRI、CT、X線、超音波又は介入手順の間、器具を誘導するのに使用される生体構造の画像を取得するのに適した他の任意のタイプの撮像システムとすることができる。ある実施形態によれば、撮像システム100は、3次元画像ボリュームを提供することができる撮像システムである。
【0025】
器具追跡システム10は、介入手順に用いる器具200を有する。器具は、介入の間に使用される任意の器具を含み、以下に限定されるものではないが、機械的な外科用メス(ランセット)、レーザーメス、内視鏡、顕微鏡的な撮像プローブ、手術ホッチキス、開創器、焼灼デバイス(電気又は光学)、カテーテル、のみ、クランプ、プローブ、トロカール、はさみ等を含む。器具200は、介入手順を実行するため、医師により操作される。多くの介入手順において、医師は、1つ以上の器具を用いる。従って、ある実施形態によれば、器具追跡システムは、1つ以上の器具を有する。
【0026】
器具200(又は、器具の1つ)は、綱300により撮像システム100上の接続点101に接続される。接続点101は、撮像システム100の画像空間の座標に位置合わせされることができる点である。ある実施形態によれば、接続点は、光学コネクタ110である。図示される実施形態において、光学コネクタ110は、CT撮像システムのCアーム本体上に固定される。」


「【0036】
複数の光学散乱体330(例えばファイバー・ブラッグ・グレーティング又はレイリー散乱体)が、圧力を測定するためのセンサ又はゲージを形成するよう、コア又は外装材において光学ファイバーの長さにわたり分散されることができる。ある構造に埋め込まれるファイバーの長さに沿って様々なセンサ(ゲージ)に少なくとも4つの光学ファイバーコアを組み込むことは、この構造の3次元フォームが正確に決定されることを可能にする。図6に示されるように、散乱体330は、綱300の長さに沿って複数の位置の各々に配置される。綱300の局所曲率は、綱300から取得される長さ分解能のある圧力及び曲率測定から決定されることができる。綱300の総3次元フォームは、複数の圧力及び曲率測定から決定される。
【0037】
ある実施形態によれば、撮像システム100から取得される画像ボリュームの座標において複数の器具を同時に追跡するために、複数の綱が用いられることができる。
【0038】
図1に戻ると、光学端末400は、接続点101で、綱300の光学ファイバーコア324に接続される。図示される実施形態において、光学端末は、撮像システム100のCアーム本体内に取り付けられる。光学端末400は、光学ファイバー及び/又は光学ファイバーコアに対して光を供給し、それらから光を受信する。ファイバー・ブラッグ・グレーティングが利用される場合、光学端末400は、各ファイバー・ブラッグ・グレーティング322の異なる部分に対して、ブラッグ波長λBを決定することができる。
【0039】
ある実施形態によれば、アタッチメント手段150が、回転スキャンの間、綱300のゆるい端部を固定するため、撮像システム100のCアームに配置される。アタッチメント手段は、綱300を固定するのに適した任意の機械的な接続デバイスとすることができる。
【0040】
図7は、図1に示される器具誘導システム10のブロック図である。処理ユニット500は、メモリ520に動作可能に接続されるプロセッサ510を有する。ある実施形態によれば、それらは、バス530を介して接続される。プロセッサ510は、例えば1つ又は複数のマイクロプロセッサといった、プログラム命令を実行することができる任意のデバイスとすることができる。メモリは、例えばリムーバブルディスク、ハードドライブ、CD、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)等の任意の揮発又は不揮発メモリデバイスとすることができる。」


「【0042】
例えば撮像システム100のCアーム102(図1)といった撮像ユニット120が、プロセッサ510に動作可能に接続される。撮像ユニットは、生体構造特徴の画像ボリュームを作成するための処理を行うプロセッサ510に対して撮像データを提供する。画像ボリュームは、ディスプレイ540に示される。処理ユニット500及び撮像ユニット120は、一緒に撮像システム100を形成する。
【0043】
形状決定ユニット550は、綱300からプロセッサ510へと圧力及び曲率データを提供する。形状決定ユニットは、光学形状センサ(その長手軸325に沿って綱300に配置される光学ファイバーコア324を含む)を有する。形状決定ユニット550は更に、光学端末400を有する。この端末は、各光学ファイバーコアにおいて長さ分解能のある圧力及び曲率を決定するため、光学ファイバーコアに問い合わせる。光学ファイバーコアは、各光学ファイバーコアに沿ってブロードバンド光信号を送信し、反射された波長を測定する。代替的に、反射スペクトルは、ナローバンド光源から得られることができる。これにより、波長が時間においてスイープされる。局所化された曲率は、画像空間に含まれる綱300の形状を決定するために用いられる。
【0044】
光学端末400は、処理ユニット500におけるプロセッサ510とは分離するプロセッサ(図示省略)を持つことができる。更に、光学モジュール400は、波長シフト、圧力及び曲率に関する一部又は全部の計算を実行し、プロセッサ510に対して波長測定、シフト計算、圧力計算又は曲率データを提供することができる。プロセッサ510は、ディスプレイ540上に示される画像空間を形成するため、撮像データを処理する。必要に応じて綱300の長さにわたり曲率を計算するため、形状決定ユニット550からのデータが処理される。接続部310での綱300の位置及び方向、及び従って、画像空間における器具200の位置及び方向を決定するため、綱300(図1)の固定された端部での既知のレジストレーション点101と共に、この形状データが、プロセッサ510により用いられる。
【0045】
器具識別ユニット(IIU)560は、処理ユニット500においてプロセッサ510に動作可能に接続される。IIU560は、介入手順の間、医師により使用される複数の器具200の1つを識別する手段を有する。この識別手段は、無線周波数識別(RFID)受信機を含むことができる。ここで、各器具200又はその包装は、それに付けられるRFID送信機を持つ。代替的に、識別手段は、バーコードリーダとすることができる。ここで、各器具200又はその包装は、その上にプリントされるバーコードを持つ。別の実施形態によれば、抵抗コード又はマイクロチップが、各器具200に埋め込まれる、又は取り付けられることができる。更に別の実施形態によれば、識別手段は、キーボード又はキーパッドとすることができる。ここで、医師は、例えばコードといった識別指示を手動で入力するか、又はメニューから選択する、等を行う。識別情報が綱300を通り送信されるよう、識別手段は、コネクタ310に一体化されることができる。代替的に、識別手段は、識別のため識別手段にもたらされる器具200と共に、例えば処理ユニットといった別の位置に配置されることができる。」


「【0049】
医師は、接続点101において、撮像システム100の撮像ユニットに綱300を接続する(ステップ840)。接続点101は、画像ボリュームに位置合わせされることができる位置である。即ち、接続点の位置は、画像ボリュームに対して既知である。光学コネクタ110は、接続位置101において提供される。ある実施形態によれば、接続点101は、XperCT撮像システムのCアーム本体に配置される。別の実施形態では、接続点は、撮像システムに関する源又は検出器の位置とすることができる。
【0050】
医師は、撮像システム100に綱300を接続する(ステップ850)。綱は、光学コネクタ110にインストールされる。このコネクタは、光学ファイバーにより光学端末400に接続される。ある実施形態によれば、スキャンが実行された後、綱300が接続される。別の実施形態によれば、綱300は、スキャンの前に接続され、アタッチメント手段150を用いてその遠位端部において撮像システム100に固定される。
【0051】
器具識別ユニット560は、選択された器具200を特定する(ステップ860)。前述したように、器具識別ユニット560は、RFID受信機、バーコードリーダ、キーボード若しくはキーパッド、電気センサ、又は複数の器具200の選択された1つを示すためコード又は信号を提供するのに適した他の任意の手段とすることができる。RFID送信機、バーコード等は、選択された器具200又はその包装上に提供されることができる。RFIDの例において、医師は、RFID送信機を持つ器具200又は包装を取り、器具識別ユニット560のRFID受信機の近くにそれを配置する。器具識別ユニット560のRFID受信機は、RFID信号を受信し、プロセッサ510に対してRFIDコードを送信する。代替的に、撮像プロセッサ510と別のプロセッサが、識別コードを受信することができる。別の実施形態において、医師は、キーボード、キーパッド等を用いて、器具200識別コードを入力する。
【0052】
プロセッサ510は、綱300の形状を決定する(ステップ870)。既知の計算方法、既知の接続点101及び綱300の長さに沿った各センサトリプレット(triplet)330からの曲率データを用いて、撮像プロセッサ510は、綱の完全な3次元形状を計算し、画像ボリュームに対してそれを位置合わせする。別の実施形態によれば、画像プロセッサ510と別のプロセッサが、綱300の形状を決定する。また、様々な実施形態によれば、圧力計算及び曲率計算は、撮像プロセッサ510、別のプロセッサ又はこれらの組み合わせにより実行されることができる。代替的に、プロセッサは、臨床的に関連する綱の部分の完全な3次元形状を計算することができる。綱に配置され、本発明で説明される光学ファイバー又は光学ファイバーコアに関連しない既知の方法(例えばEM追跡)を用いて追跡される1つ又は複数のマーカーを用いて、綱のこの部分は、撮像システム又は別の構造に対してローカライズされることができる。
【0053】
プロセッサ510は、選択された器具200の機能的部分の位置及び方向を決定する(ステップ880)。一旦、綱の3次元形状、接続点101及び選択された器具200の識別が既知になると、画像プロセッサ510は、選択された器具200の機能的部分の位置及び画像空間における選択された器具200の方向を決定する。この決定は、選択された器具200に関して予めプログラムされた形状及びサイズを用いて実行される。
【0054】
プロセッサ510は、画像ボリュームにおける器具を示す選択された器具に対応する患者の画像ボリュームを表示する(ステップ890)。画像ボリュームの異なる表示が、異なる器具200に対してはより適切である。例えば、針挿入を含む手順に関して、血管といった重要な構造がセグメント化され強調される画像ボリュームが、適していることがある。別の例として、外科用メス又は吸入デバイスを用いて脳腫瘍組織を除去することを含む手順に関して、腫瘍組織がセグメント化され強調される画像ボリュームが、適していることがある。プロセッサ510は、最も有益な画像を表示するか、又はどの器具200が選択されるかに対応して画像を表示する。プロセッサ510は、画像において選択された器具200を示す。」

オ 図1



カ 図7




(2)上記記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。

ア 上記(1)アの
「【0026】
器具200(又は、器具の1つ)は、綱300により撮像システム100上の接続点101に接続される。接続点101は、撮像システム100の画像空間の座標に位置合わせされることができる点である。ある実施形態によれば、接続点は、光学コネクタ110である。図示される実施形態において、光学コネクタ110は、CT撮像システムのCアーム本体上に固定される。」
と、
上記(1)イの
「【0036】
複数の光学散乱体330(例えばファイバー・ブラッグ・グレーティング又はレイリー散乱体)が、圧力を測定するためのセンサ又はゲージを形成するよう、コア又は外装材において光学ファイバーの長さにわたり分散されることができる。
・・・散乱体330は、綱300の長さに沿って複数の位置の各々に配置される。綱300の局所曲率は、綱300から取得される長さ分解能のある圧力及び曲率測定から決定されることができる。綱300の総3次元フォームは、複数の圧力及び曲率測定から決定される。
・・・
【0038】
・・・光学端末400は、接続点101で、綱300の光学ファイバーコア324に接続される。」
から、「撮像システム100のCアーム本体上に固定され、撮像システム100の画像空間の座標に位置合わせされることができる点である接続点101に接続される綱300であって、光学ファイバーコア324及び複数の位置に配置された光学散乱体330を有し、複数の圧力及び曲率測定から総3次元フォームが決定される綱300」が読み取れる。

イ 上記(1)アの
「【0024】
・・・器具追跡システム10は、実行される介入手順に近接する生体構造を示す画像空間を取得及び表示するために使用される撮像システム100を有する。撮像システム100は、図1に示されるようにCアームのフラットディテクタCT撮像システムとすることができる。」
から、引用文献1には、「実行される介入手順に近接する生体構造を示す画像空間を取得及び表示するために使用され、CアームのフラットディテクタCT撮像システムである撮像システム100」が記載されているものと認められる。

ウ 上記(1)アの
「【0026】
器具200(又は、器具の1つ)は、綱300により撮像システム100上の接続点101に接続される。接続点101は、撮像システム100の画像空間の座標に位置合わせされることができる点である。ある実施形態によれば、接続点は、光学コネクタ110である。図示される実施形態において、光学コネクタ110は、CT撮像システムのCアーム本体上に固定される。」
から、引用文献1には、「CT撮像システムのCアーム本体上に固定され、綱300が接続された光学コネクタ110」が記載されているものと認められる。

エ 上記(1)エの
「【0052】
プロセッサ510は、綱300の形状を決定する(ステップ870)。既知の計算方法、既知の接続点101及び綱300の長さに沿った各センサトリプレット(triplet)330からの曲率データを用いて、撮像プロセッサ510は、綱の完全な3次元形状を計算し、画像ボリュームに対してそれを位置合わせする。
・・・
【0053】
プロセッサ510は、選択された器具200の機能的部分の位置及び方向を決定する(ステップ880)。一旦、綱の3次元形状、接続点101及び選択された器具200の識別が既知になると、画像プロセッサ510は、選択された器具200の機能的部分の位置及び画像空間における選択された器具200の方向を決定する。」
から、引用文献1には、「既知の計算方法、既知の接続点101及び綱300の長さに沿った各センサトリプレット(triplet)330からの曲率データを用いて、綱の完全な3次元形状を計算し、画像ボリュームに対してそれを位置合わせし、選択された器具200の機能的部分の位置及び方向を決定する、プロセッサ510」が記載されているものと認められる。
また、上記(1)アの
「【0025】
器具追跡システム10は、介入手順に用いる器具200を有する。器具は、介入の間に使用される任意の器具を含み、以下に限定されるものではないが、機械的な外科用メス(ランセット)、レーザーメス、内視鏡、顕微鏡的な撮像プローブ、手術ホッチキス、開創器、焼灼デバイス(電気又は光学)、カテーテル、のみ、クランプ、プローブ、トロカール、はさみ等を含む。器具200は、介入手順を実行するため、医師により操作される。多くの介入手順において、医師は、1つ以上の器具を用いる。従って、ある実施形態によれば、器具追跡システムは、1つ以上の器具を有する。」
から、上記「器具200」は、外科用メス等を含むものであることが読み取れる。

オ 上記(1)アの
「【0024】
・・・器具追跡システム10は、実行される介入手順に近接する生体構造を示す画像空間を取得及び表示するために使用される撮像システム100を有する。」
から、引用文献1には、「実行される介入手順に近接する生体構造を示す画像空間を取得及び表示するために使用される撮像システム100を有する器具追跡システム10」が記載されているものと認められる。
また、上記(1)オの図1や、上記(1)イの
「【0040】 図7は、図1に示される器具誘導システム10のブロック図である。」、及び、上記(1)カの図7からして、上記ア?エにおける「綱300」「光学コネクタ110」「プロセッサ510」は、上記「器具追跡システム10」に備えられるものであることが読み取れる。

以上を踏まえると、上記引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「撮像システム100のCアーム本体上に固定され、撮像システム100の画像空間の座標に位置合わせされることができる点である接続点101に接続される綱300であって、光学ファイバーコア324及び複数の位置に配置された光学散乱体330を有し、複数の圧力及び曲率測定から総3次元フォームが決定される綱300と、
実行される介入手順に近接する生体構造を示す画像空間を取得及び表示するために使用され、CアームのフラットディテクタCT撮像システムである撮像システム100と、
CT撮像システムのCアーム本体上に固定され、綱300が接続された光学コネクタ110と、
既知の計算方法、既知の接続点101及び綱300の長さに沿った各センサトリプレット(triplet)330からの曲率データを用いて、綱の完全な3次元形状を計算し、画像ボリュームに対してそれを位置合わせし、選択された外科用メス等の器具200の機能的部分の位置及び方向を決定する、プロセッサ510と、
を備える、器具追跡システム10。」

2 引用文献2について
(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は当審が付したものである。


「【0032】
同様の番号が同一又は類似する要素を表す図面を参照して、まず図1を参照して、統合された光検知構造を利用するインターベンショナル設定において医療手順を実行するシステム100が例示される。システム100は、手順が監視及び/又は管理されるワークステーション又はコンソール112を有してもよい。ワークステーション112は、好ましくは、1以上のプロセッサ114と、プログラム及びアプリケーションを格納するメモリ116とを有する。メモリ116は、形状検知装置104からの光フィードバック信号を解釈するよう構成される光検知モジュール115を格納してもよい。光検知モジュール115は、医療装置102及び/又はそれの周辺領域に関連する変形、たわみ及び他の変化を再構成するため、光信号フィードバック(及び電磁気(EM)などの他の何れかのフィードバック)を利用するよう構成される。医療装置102は、カテーテル、ガイドワイヤ、プローブ、エンドスコープ、ロボット又は他のアクティブ装置などを含むものであってもよい。
【0033】
ワークステーション112は、イメージング又はトラッキングシステム110が利用される場合、被検者の内部画像を閲覧するためのディスプレイ118を有する。イメージングシステム110は、例えば、MRI(Magnetic Resonance Imaging)システム、蛍光透視システム(X線)、CT(Computed Tomography)システム、超音波(US)システム、PET(Positron Emission Tomography)、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)などを含むものであってもよい。トラッキングは、電磁トラッキング、USなどを含むものであってもよい。ディスプレイ118はまた、ユーザがワークステーション及びそのコンポーネントとファンクションとやりとりすることを可能にするものであってもよい。これはさらに、ワークステーション112とのユーザのやりとりを可能にするためのキーボード、マウス、ジョイスティック又は他の何れかの周辺装置又は制御装置を含むインタフェース120により実現される。
【0034】
ワークステーション112は、光ファイバに光を提供するための光源106を有する。光インタロゲイションユニット又はモジュール108は、すべてのファイバとの間の光を制御するのに利用される。これは、インターベンショナル装置102の形状、向きなどを解釈するのに利用されるひずみ又は他のパラメータの決定を可能にする。光信号は、アクセスエラーを調整し、装置102又はシステム100を測定するためのフィードバックとして利用される。
【0035】
形状検知装置104は、形状トラッキングエラーの検出及び訂正/測定のために自らのジオメトリを利用するよう構成される1以上のファイバを含む。光インタロゲイションモジュール108は、装置102のトラッキングを可能にするため、光検知モジュール115(形状決定プログラムなど)と共に機能する。形状検知装置104の光ファイバは、トラッキングエラー及び測定のインタロゲイションを可能にするため、既知の又は所定のジオメトリにより装置102に付属されてもよい。
【0036】
形状検知(OSS)システム104は、所定のポジションからの散乱パターン及びファイバジオメトリ情報(らせんピッチなど)を正確に決定するため、レイリ散乱を提供する。適用要件及び利用の容易さに関する治療基準に基づき、OSSファイバ接続又はファイバポートのための1以上の配置構造132が提供される。一実施例では、ファイバポート132は、患者の横の位置に対応するポジションに配置される。ファイバポートポジション132は、テーブル又はプラットフォーム130内又は患者の近傍に固定されたキャリブレーションフレーム若しくは他の構造内で患者に平行していてもよい。ポート132は、固定され既知であるか、又は規定された境界条件に基づくファイバ形状の最適な推定のため制約された再設定可能であるが測定可能なファイバ開始リファレンス動作を保証する。このような構成は、X線、超音波などのイメージング装置による直接的なレジストレーションを可能にする。
【0037】
ファイバポートポジション132は、テザーとOSS装置102との間のファイバ長と、テザーと光インタロゲイションユニット108との間のパッチコードとを最適化するよう配置される。さらに、コネクタ又はポート132のポジションはトラッキング可能又は既知である。この特徴は、イメージング又はトラッキングシステム110とのレジストレーションを可能にするため、正確なリファレンス又はファイバ開始ポジションを知ることを可能にする。トラッキングは、コネクタ又はポート132に付属されたポジションエンコーダ又はセンサ150を用いて実行可能である。ファイバポートポジション132は、アクチュエータ又はモータ152を用いて駆動され、当該構成又は個々のポート/コネクタの動きが常時知ることができるようにモニタリングされる。」


「【0042】
図2A及び2Bを参照して、図2A及び図2Bはそれぞれ、本原理により構成されるインターベンショナルセッティング200の上面図及び側面図を示す。患者202が、プラットフォーム又はテーブル204上に示される。テーブル204は、患者202に対するアクセスポイント又はポジションに近接したドッキングポート205を備えたマルチコア光形状検知ファイバコネクタ構成206を有する。ドッキングポート205は、例えば、共通のアクセスポジションである大腿部又は上腕部のアクセスポイントのレベル、肝臓腫瘍用途のための患者の胸部の側などにあってもよい。本実施例では、ドッキングポート205は、テーブル204又はテーブルに搭載されたサポート210内に固定される。
【0043】
ドッキングポート205は、患者202の高さ又はサイズに基づく調整を可能にするため、複数の位置に配置される。ポート205は、専用の形状検知ファイバの仕様を考慮して、容易な接続/分離を可能にするよう標準的な又は先進的な光ファイバコネクタを備えて構成される。コネクタは、ST接続技術などを含むものであってもよい。
【0044】
患者サイドでは、光ファイバケーブル212が、光ファイバ形状検知機能を備えたインターベンショナル装置214に接続する。ケーブル212は、ドッキングポート205に接続する。他の光ファイバケーブル216は、(ワークステーション112の一部であってもよい)インタロゲイションユニット228との接続を完了させるため、ドッキングポート205の反対側に接続する。
【0045】
本例では、他のインターベンショナル装置221が、本例では超音波イメージングシステム(224)を有する例示的なイメージング装置224と共に利用するため利用される。イメージングシステム224は、光ファイバ形状検知機能を備えた装置221を利用してもよい。ケーブル218は、装置221に接続し、光ファイバケーブル220によりインタロゲイションユニット228にさらに接続される所定のポジションにおいてイメージングシステム224に接続される。ケーブル218,220は、システム224との所定のコンフィギュレーションにより接続されるが、また上述されるような構成206を介し経由されてもよい。
【0046】
X線マシーン222は、装置221,214をトラッキング又はイメージングするのに利用されてもよい。イメージング及び他の情報は、モニタ/ディスプレイ226上で閲覧されてもよい。ディスプレイイメージは、リファレンスとしてポート205のポジションを利用して形状検知データにレジストリングされてもよい。」

ウ 図1



エ 図2



(2)上記記載から、引用文献2には、「統合された光検知構造を利用するインターベンショナル設定において医療手順を実行するシステム100であって、形状トラッキングエラーの検出及び訂正/測定のために自らのジオメトリを利用するよう構成される1以上のファイバを含む形状検知装置104と、カテーテル等の医療装置102のトラッキングを可能にするため、光検知モジュール115(形状決定プログラムなど)と共に機能する光インタロゲイションモジュール108と、固定され既知であるか、又は規定された境界条件に基づくファイバ形状の最適な推定のため制約された再設定可能であるが測定可能なファイバ開始リファレンス動作を保証するファイバポート132と、を備えたシステム100。」(以下、「引用文献2技術事項」という。)が記載されていると認められる。

3 その他の引用文献について
(1)原査定の拒絶の理由に引用されたものではないが、特開2002-209876号公報(以下、「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。


「【0010】撮影システム100はワークステーション外科手術用器具追跡センサ入力ポート114と、ワークステーションX線検出器装着部追跡センサ入力ポート116と、ワークステーション動的基準フレーム送信器制御出力ポート118と、ワークステーションX線露光出力ポート120(フットスイッチ起動露光モジュール132と通信する)とを更に含む。X線検出器装着部はCアーム130にあるイメージ増倍管(又は固体フラットパネル検出器)に接続している。器具センサ入力ポート114は、撮影システム100を医療用(例えば、外科手術用)器具122の器具場所センサ123に結合する。医療用器具は、例えば、米国特許第5,873,822号に開示されているような吸引装置、整形外科手術用ドリル、錐、プローブなどであれば良い。送信器制御出力ポート118は撮影システム100を場所送信器124に接続する。検出器追跡センサ入力ポート116により、撮影システムは、画像X線検出器の位置を検出するX線検出器位置センサ126からの追跡信号入力を受信することができる。X線露光出力ポート120により、撮影システム100は露光モジュール132と通信することができると共に、撮影システム100はX線検出器からの画像を読み取ることができる。露光モジュール132は、医師がフットスイッチの起動によりX線露光制御を実行できるようにする。
【0011】撮影システム100は、ナビゲーションサブシステム104により出力される画像を表示するナビゲーション表示装置132(可動表示装置アームに装着されている)と、撮影サブシステム106により出力される画像を表示する撮影表示装置134とを更に含む。ナビゲーションサブシステム104、撮影サブシステム106及び表示装置132、134は自立可動カートシステムに配置されるのが好ましい。
【0012】センサ123及び126は、センサの場所を表すパルス信号を出力する。トラッカモジュール110は検出器追跡センサ入力ポート116及び器具追跡センサ入力ポート114を介して受信される場所パルスから、通常は場所送信器124と関連し、患者の人体構造を参照して表される所定の座標系を使用して座標の判定を実行する。座標は、例えば、X、Y及びZの各場所と、ロール角、ピッチ角及びヨー角を含んでいれば良い。
【0013】この目的のために、場所送信器124は、例えば、3つの互いに直交して配置された磁気ダイポール(例えば、電流ループ又は電磁石)を含む磁界発生器として実現されれば良い。各々のダイポールにより発生される磁界は位相、周波数、時分割多重化などに関して互いに識別可能である。例えば、本明細書に全体の内容を参考として取り入れている米国特許第4,054,881号に一般的に説明されているように、それらの磁界の近磁界特性を座標判定に利用しても良い。場所送信器124の別の実施例では、超音波又は光の界を採用しても良い。あるいは、信号の三角化に基づいて、1つの座標判定系で2つ以上の場所送信器124を使用しても良い。バーモント州コルチェスターのPolhemus, Incorporated製造の3SpaceR FastrakTMシステムを含めた市販の位置検出装置を使用しても良い。」

イ 図1



(2)上記記載から、引用文献3には、「医療用器具122の器具場所センサ123に結合する器具センサ入力ポート114と、画像X線検出器の位置を検出するX線検出器位置センサ126からの追跡信号入力を受信することができる検出器追跡センサ入力ポート116と、撮影システム100を場所送信器124に接続する送信器制御出力ポート118と、を備えた撮影システム100であって、センサ123及び126は、センサの場所を表すパルス信号を出力し、トラッカモジュール110は検出器追跡センサ入力ポート116及び器具追跡センサ入力ポート114を介して受信される場所パルスから、通常は場所送信器124と関連し、患者の人体構造を参照して表される所定の座標系を使用して座標の判定を実行し、場所送信器124は、3つの互いに直交して配置された磁気ダイポールを含む磁界発生器である、撮影システム100。」(以下、「引用文献3技術事項」という。)が記載されていると認められる。

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 本願発明1における「FORSセンサ」は、本願の明細書の以下の記載、
「【0010】
本開示の発明の目的のために、「光ファイバリアルシェイプ(「FORS」)センサ」という用語は、当技術分野において知られるように、光ファイバ内に発せられて光ファイバ内を伝播した光であって、伝播した光と反対の方向に光ファイバ内で反射された光、及び/又は伝播した光の方向に光ファイバから透過された光から導出される光ファイバの高密度応力測定を引き出すために構造的に構成された光ファイバを広範に包含する。」
からして、「光ファイバ内に発せられて光ファイバ内を伝播した光であって、伝播した光と反対の方向に光ファイバ内で反射された光、及び/又は伝播した光の方向に光ファイバから透過された光から導出される光ファイバの高密度応力測定を引き出すために構造的に構成された光ファイバ」を少なくとも含むものと認められる。
そうすると、引用発明の「光学ファイバー324及び複数の位置に配置された光学散乱体330を有し、複数の圧力及び曲率測定から総3次元フォームが決定される綱300」は、本願発明1の「FORSセンサ」に相当し、引用発明の「複数の圧力及び曲率測定から総3次元フォームが決定される」の「複数の圧力及び曲率」、「総3次元フォーム」は、それぞれ、本願発明1の「感知データ」、「形状再構成の情報」に相当する。
よって、引用発明の「撮像システム100のCアーム本体上に固定され、撮像システム100の画像空間の座標に位置合わせされることができる点である接続点101に接続される綱300であって、光学ファイバーコア324及び光学散乱対330を有し、複数の圧力及び曲率測定から総3次元フォームが決定される綱300」と、本願発明1の「FORSセンサであって、手術空間内の基準位置に対する前記FORSセンサの形状再構成の情報を与える感知データを生成する、FORSセンサ」とは、「FORSセンサの形状再構成の情報を与える感知データを生成する、FORSセンサ」である点で共通する。

イ 引用発明における「実行される介入手順に近接する生体構造を示す画像空間を取得及び表示するために使用され、CアームのフラットディテクタCT撮像システムである撮像システム100」は、本願発明1における「X線透視イメージャ」に相当する。

ウ 引用発明における「CT撮像システムのCアーム本体上に固定され、綱300が接続された光学コネクタ110」と、本願発明1における「前記X線透視イメージャに接合される機械的コネクタであって、前記X線透視イメージャに前記FORSセンサを取り外し可能に装着するように構造的に構成される、機械的コネクタ」とは、「前記X線透視イメージャに接合される機械的コネクタ」である点で共通する。

エ 引用発明における「器具追跡システム10」は、「撮像システム100」による撮像中に「介入手順」を実行する際に、「外科用メス等の器具200」を追跡するシステムであり、本願発明1における「X線透視外科手術システム」に相当する。

したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「FORSセンサであって、前記FORSセンサの形状再構成の情報を与える感知データを生成する、FORSセンサと、
X線透視イメージャと、
前記X線透視イメージャに接合される機械的コネクタと、
を備える、X線透視外科手術システム。」

(相違点)
(相違点1)本願発明1は、「前記機械的コネクタへの前記FORSセンサの取り外し可能な装着に基づき、前記FORSセンサによる前記感知データの生成に応答して、前記手術空間内における前記X線透視イメージャの追跡を制御するナビゲーションコントローラ」を備えるのに対して、引用発明は、「既知の計算方法、既知の接続点101及び綱300の長さに沿った各センサトリプレット(triplet)330からの曲率データを用いて、綱の完全な3次元形状を計算し、画像ボリュームに対してそれを位置合わせし、選択された外科用メス等の器具200の機能的部分の位置及び方向を決定する、プロセッサ510」を備えるものの、「選択された外科用メス等の器具200の機能的部分の位置及び方向を決定する」ものであり、「X線透視イメージャの追跡を制御する」ものではない点。

(相違点2)FORSセンサに関して、本願発明1は、「手術空間内の基準位置に対する前記FORSセンサの形状再構成の情報を与える感知データを生成する」のに対して、引用発明の「綱300」は、「複数の圧力及び曲率測定から総3次元フォームが決定される」ものの、「手術空間内の基準位置に対する」、「前記FORSセンサの形状再構成の情報を与える感知データを生成する」ものではない点。
また、本願発明1は、「前記基準位置としての役割を果たすローンチを更に備え、前記FORSセンサは、前記ローンチから遠位方向に延在し、前記基準位置は、前記手術空間内において固定されている」のに対して、引用発明の「綱300」は、「撮像システム100のCアーム本体上に固定され」るものであり、本願発明1の「ローンチ」に対応する構成を備えておらず、「FORSセンサは、前記ローンチから遠位方向に延在」することに対応する構成を備えていない点。

(相違点3)機械的コネクタに関して、本願発明1は、「前記X線透視イメージャに前記FORSセンサを取り外し可能に装着するように構造的に構成される」のに対して、引用発明の「光学コネクタ110」は、「CT撮像システムのCアーム本体上に固定され、綱300が接続され」るものの、CT撮像システムのCアーム本体に「取り外し可能に装着するように構造的に構成され」たものであるのか明らかではない点。


(2)相違点についての判断
ア まず、相違点1について、検討する。
「第4 引用文献、引用発明等」の「3 引用文献3について」に記載のとおり、引用文献3には、
「医療用器具122の器具場所センサ123に結合する器具センサ入力ポート114と、画像X線検出器の位置を検出するX線検出器位置センサ126からの追跡信号入力を受信することができる検出器追跡センサ入力ポート116と、撮影システム100を場所送信器124に接続する送信器制御出力ポート118と、を備えた撮影システム100であって、センサ123及び126は、センサの場所を表すパルス信号を出力し、トラッカモジュール110は検出器追跡センサ入力ポート116及び器具追跡センサ入力ポート114を介して受信される場所パルスから、通常は場所送信器124と関連し、患者の人体構造を参照して表される所定の座標系を使用して座標の判定を実行し、場所送信器124は、3つの互いに直交して配置された磁気ダイポールを含む磁界発生器である、撮影システム100。」という引用文献3技術事項が記載されている。
上記引用文献3技術事項の、「画像X線検出器の位置を検出するX線検出器位置センサ126からの追跡信号入力を受信することができる検出器追跡センサ入力ポート116」「を介して受信される場所パルスから、通常は場所送信器124と関連し、患者の人体構造を参照して表される所定の座標系を使用して座標の判定を実行」する「トラッカモジュール110」は、本願発明1の「X線透視イメージャの追跡を制御するナビゲーションコントローラ」に相当する。
しかしながら、引用文献3技術事項において、「画像X線検出器の位置を検出するX線検出器位置センサ126からの追跡信号」は、「3つの互いに直交して配置された磁気ダイポールを含む磁界発生器である」「場所送信器124と関連し、患者の人体構造のを参照して表される所定の座標系を使用して座標の判定を実行」するものであるから、磁界により「画像X線検出器の位置を検出」するものであると認められ、「光ファイバ内に発せられて光ファイバ内を伝播した光であって、伝播した光と反対の方向に光ファイバ内で反射された光、及び/又は伝播した光の方向に光ファイバから透過された光から導出される光ファイバの高密度応力測定を引き出すために構造的に構成された光ファイバ」(上記第6 1(1)参照。)である「FORSセンサ」「による前記感知データの生成に応答して、」「前記手術空間内における前記X線透視イメージャの追跡を制御する」ものである本願発明1とは、追跡制御に用いる手法が異なっている。
そして、引用発明において、上記引用文献3技術事項に基づいて、「撮像システム100」の追跡を行うことが当業者が容易に想到しうることであったとしても、「既知の計算方法、既知の接続点101及び綱300の長さに沿った各センサトリプレット(triplet)330からの曲率データを用いて、綱の完全な3次元形状を計算し」て、器具追跡を行うものである引用発明において、「撮像システム100のCアーム本体上に固定され」た点である「接続点101」に基づいて、「撮像システム100」自体の追跡を行うことはできない。
したがって、仮に引用発明において、「綱300の長さに沿った各センサトリプレット(triplet)330からの曲率データを用いて」、「撮像システム100」の追跡を行う構成とするためには、少なくとも、「接続点101」を「撮像システム100のCアーム本体上に固定され」た点とは異なる位置に設ける必要があると認められるところ、このように「接続点101」を「撮像システム100のCアーム本体上に固定され」た点とは異なる位置に設けて、「撮像システム100」の追跡を行うことについて、引用文献1,3には何ら記載されておらず、格別の創意を要することなく当業者が容易に想到しうることとは認められない。
また、「第4 引用文献、引用発明等」の「2 引用文献2について」に記載のとおり、引用文献2には、
「統合された光検知構造を利用するインターベンショナル設定において医療手順を実行するシステム100であって、形状トラッキングエラーの検出及び訂正/測定のために自らのジオメトリを利用するよう構成される1以上のファイバを含む形状検知装置104と、カテーテル等の医療装置102のトラッキングを可能にするため、光検知モジュール115(形状決定プログラムなど)と共に機能する光インタロゲイションモジュール108と、固定され既知であるか、又は規定された境界条件に基づくファイバ形状の最適な推定のため制約された再設定可能であるが測定可能なファイバ開始リファレンス動作を保証するファイバポート132と、を備えたシステム100。」
という引用文献2技術事項が記載されているが、「カテーテル等の医療装置102のトラッキング」を行うものであり、「X線透視イメージャの追跡を制御する」という相違点1に係る構成についての記載はない。
したがって、引用発明、及び、引用文献2,3技術事項に基づいて、相違点1に係る構成をなすことは、当業者が容易に想到しうるものではない。

イ そうすると、相違点2,3について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明、及び、引用文献2,3技術事項に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。

2 本願発明2-14について
本願発明2-14も、本願発明1の、「前記機械的コネクタへの前記FORSセンサの取り外し可能な装着に基づき、前記FORSセンサによる前記感知データの生成に応答して、前記手術空間内における前記X線透視イメージャの追跡を制御するナビゲーションコントローラ」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、及び、引用文献2,3技術事項に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2020-09-14 
出願番号 特願2017-567699(P2017-567699)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (A61B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 亀澤 智博  
特許庁審判長 森 竜介
特許庁審判官 伊藤 幸仙
松谷 洋平
発明の名称 X線透視外科手術ナビゲーションのための光ファイバリアルシェイプ感知  
代理人 特許業務法人M&Sパートナーズ  
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