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審決分類 審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1366739
審判番号 不服2019-2052  
総通号数 251 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-02-13 
確定日 2020-10-01 
事件の表示 特願2016- 64617「ゲームプログラム、ゲームシステム及びゲーム進行方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 8月 4日出願公開、特開2016-137289〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年3月31日に出願した特願2014-72865号の一部を平成28年3月28日に新たな特許出願としたものであって、平成29年4月13日に手続補正書が提出され、平成30年3月30日付けで拒絶理由が通知され、同年6月8日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年11月6日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成31年2月13日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出され、令和2年1月31日付けで当審により拒絶理由が通知され、同年4月6日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1ないし7に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は、令和2年4月6日に提出された手続補正書による補正後の特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定されるとおりのものであり、当該特許請求の範囲の請求項1ないし7の記載は、つぎのとおりのものである。

「 【請求項1】
入力装置を有する第一のクライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置において実行されるゲームプログラムであって、
サーバ装置を、
第一のクライアント装置にて操作が可能な第一のプレイヤキャラクタにゲーム内で活用が可能な特典を付与する特典付与手段、
第一のプレイヤキャラクタに達成させる課題を設定する課題設定手段、
課題設定手段により課題が設定されると、特典付与手段により付与される特典を減じる又は特典を付与しない状態に設定する状態設定手段、
第一のプレイヤによる第一のクライアント装置の入力装置への操作指示に応じて、課題設定手段により設定された課題を達成するためのゲームを進行するゲーム進行手段、
ゲーム進行手段によりゲームが進行し、課題設定手段により設定された課題が達成されると、状態設定手段により設定された状態を解除する状態解除手段
として機能させ、
特典付与手段が、状態設定手段により付与される特典を減じる又は特典を付与しない状態に設定される前後において、特典を付与するものであって、かつ、状態設定手段により付与される特典を減じる又は特典を付与しない状態に設定されている場合に、第一のプレイヤキャラクタに、該状態の設定前と比較して特典を減じて付与する、又は、特典を付与しない、ゲームプログラム。
【請求項2】
サーバ装置を、さらに、
第一のプレイヤキャラクタの強さの度合いを示す第一のレベルに応じた難易度を決定する難易度決定手段
として機能させ、
課題設定手段が、難易度決定手段により決定された難易度の課題を設定する、請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
サーバ装置を、さらに、
課題設定手段により課題が設定されると、前記難易度に応じて、状態設定手段により設定された状態において特典付与手段により付与される特典を減じる度合いを決定する状態決定手段
として機能させ、
特典付与手段が、状態決定手段により決定した度合いに応じて減じた特典を、第一のプレイヤキャラクタに付与する、請求項2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
課題設定手段が、第一のプレイヤキャラクタ及び第二のプレイヤキャラクタに達成させる課題を設定するものであって、
サーバ装置を、さらに、
第二のクライアント装置にて操作が可能な第二のプレイヤキャラクタを、課題設定手段により設定された課題を達成するためのゲームに参加させるゲーム参加手段
として機能させ、
ゲーム進行手段が、第一のプレイヤによる第一のクライアント装置の入力装置への操作指示、及び、第二のプレイヤによる第二のクライアント装置の入力装置への操作指示に応じてゲームを進行する、請求項2又は3に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
サーバ装置を、さらに、
ゲーム進行手段によりゲームが進行し、課題設定手段により設定された課題が達成されると、第二のプレイヤキャラクタに追加特典を付与する追加特典付与手段
として機能させる、請求項4に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
入力装置を有する第一のクライアント装置と、該第一のクライアント装置と通信接続が可能なサーバ装置とを備えるゲームシステムであって、
ゲームシステムが、
第一のクライアント装置にて操作が可能な第一のプレイヤキャラクタにゲーム内で活用が可能な特典を付与する特典付与手段と、
第一のプレイヤキャラクタに達成させる課題を設定する課題設定手段と、
課題設定手段により課題が設定されると、特典付与手段により付与される特典を減じる又は特典を付与しない状態に設定する状態設定手段と、
課題設定手段により設定された課題を達成するためのゲームを進行するゲーム進行手段と、
ゲーム進行手段によりゲームが進行し、課題設定手段により設定された課題が達成されると、状態設定手段により設定された状態を解除する状態解除手段とを備え、
第一のクライアント装置が、第一のプレイヤによる入力装置への操作指示を受け付ける操作指示受付手段を備え、
ゲーム進行手段が、操作指示受付手段により受け付けられた操作指示に応じて、ゲームを進行するものであり、
特典付与手段が、状態設定手段により付与される特典を減じる又は特典を付与しない状態に設定される前後において、特典を付与するものであって、かつ、状態設定手段により付与される特典を減じる又は特典を付与しない状態に設定されている場合に、第一のプレイヤキャラクタに、該状態の設定前と比較して特典を減じて付与する、又は、特典を付与しない、ゲームシステム。
【請求項7】
入力装置を有するクライアント装置において実行されるゲームプログラムであって、
クライアント装置を、
第一のプレイヤによる入力装置への操作指示を受け付ける操作指示受付手段、
クライアント装置にて操作が可能な第一のプレイヤキャラクタにゲーム内で活用が可能な特典を付与する特典付与手段、
第一のプレイヤキャラクタに達成させる課題を設定する課題設定手段、
課題設定手段により課題が設定されると、特典付与手段により付与される特典を減じる又は特典を付与しない状態に設定する状態設定手段、
操作指示受付手段により受け付けられた操作指示に応じて、課題設定手段により設定された課題を達成するためのゲームを進行するゲーム進行手段、
ゲーム進行手段によりゲームが進行し、課題設定手段により設定された課題が達成されると、状態設定手段により設定された状態を解除する状態解除手段
として機能させ、
特典付与手段が、状態設定手段により付与される特典を減じる又は特典を付与しない状態に設定される前後において、特典を付与するものであって、かつ、状態設定手段により付与される特典を減じる又は特典を付与しない状態に設定されている場合に、第一のプレイヤキャラクタに、該状態の設定前と比較して特典を減じて付与する、又は、特典を付与しない、ゲームプログラム。」

第3 当審により通知された拒絶理由の概要
令和2年1月31日付けで当審により通知された拒絶理由の概要は以下のとおりである。

<理由1> 平成31年2月13日付けでした手続補正(以下、「本件補正」という。)は、下記の点で願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

<理由2> 本件出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

<理由3> 本件出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。



<理由1について>
請求項1においては、出願当初の請求項1の「第二のクライアント装置にて操作が可能な第二のプレイヤキャラクタを、課題設定手段により設定された課題を達成するためのゲームに参加させるゲーム参加手段」との発明特定事項が削除され、請求項1の「課題設定手段」が設定する課題は、出願当初の請求項1における「所有地において達成すべき課題」から「第1のプレイヤキャラクタに達成される課題」に変更され、請求項1の「ゲーム進行手段」がゲームを進行するための操作指示からは、出願当初の請求項1における「第二のプレイヤによる第二のクライアント装置の入力装置への操作指示」が含まれるとの特定事項が削除されており、これにより、請求項1は、「第二のクライアント装置にて操作が可能な第二のプレイヤキャラクタ」を参加させることなく、「第一のプレイヤによる第一のクライアント装置の入力装置への操作指示」のみに基づいて、課題設定手段により設定された課題を達成するためのゲームを進行するものをも包含することになったが、課題設定手段により設定された課題を達成するためのゲームが、他のプレイヤキャラクタが参加せず、第一のプレイヤのみの操作入力に基づいて進行するものであることは、出願当初の明細書に記載されておらず、本願発明の課題からみても、出願当初の明細書において、課題設定手段により設定された課題を達成するためのゲームとしては、複数のプレイヤキャラクタが参加するゲームが前提とされていることは明らかである。
請求項2、3、6及び7についても同様である。

<理由2について>
請求項1、6及び7の「特典付与手段が、状態設定手段により付与される特典を減じる又は特典を付与しない状態に設定される前において、特典を付与するものであって、かつ、状態設定手段により付与される特典を減じる又は特典を付与しない状態に設定されている場合に、第一のプレイヤキャラクタに、該状態の設定前と比較して特典を減じて付与する、又は、特典を付与しない」との記載によれば、状態設定手段により設定される前において特典を付与するものであるとされる特典付与手段が、状態設定手段により設定されている場合に特典(減じられた特典)を付与すると解することになるが、当該解釈は不合理であり、結局のところ、特典付与手段が特典を付与するタイミングがいつなのか全く理解できない。
請求項2ないし5についても同様である。

<理由3について>
本願発明の課題は、明細書の【0004】に記載されているように「ネットワークゲームでは、プレイヤキャラクタ同士がパーティを組んでゲームを進行していくことがゲームの楽しみ方の一つであるにもかかわらず、プレイヤキャラクタ同士がパーティを組んでゲームを進めるための動機づけが十分でないという課題」であるところ、請求項1ないし3、6及び7においては、設定された課題を達成するためのゲームが、プレイヤキャラクタが他のプレイヤキャラクタを参加させて行うゲームであることが特定されていないため、当然に発明の課題を解決することはできない。

第4 当審の判断
1 特許法第17条の2第3項について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1について
ア 本件補正により、出願当初の請求項1の「第二のクライアント装置にて操作が可能な第二のプレイヤキャラクタを、課題設定手段により設定された課題を達成するためのゲームに参加させるゲーム参加手段」との発明特定事項が削除され、請求項1の「課題設定手段」が設定する課題は、出願当初の請求項1における「所有地において達成すべき課題」から「第一のプレイヤキャラクタに達成される課題」に変更され、請求項1の「ゲーム進行手段」がゲームを進行するための操作指示からは、出願当初の請求項1における「第二のプレイヤによる第二のクライアント装置の入力装置への操作指示」が含まれるとの特定事項が削除された。すなわち、本件補正は、出願当初の請求項1に記載されていた、第一のプレイヤキャラクタと第二のプレイヤキャラクタが、第一のプレイヤキャラクタがゲーム内で所有する所有地に設定された課題を達成するためのゲームを、上位概念化して、第一のプレイヤキャラクタが、単独で、所有地とは関係のない自らに課された課題を達成するためのゲームをも包含するものとしたもので、これにより、本件補正後の請求項1に係る発明は、出願当初の請求項1に係る発明における、課題を達成するゲームを複数のプレイヤでプレイするとの前提を有しない発明となった。

イ なお、令和2年4月6日に提出された手続補正書によりされた手続補正により、特許請求の範囲の全文が補正され、当該補正後の特許請求の範囲の請求項1ないし請求項7は、上記第2に記載したとおりのものとなったが、その請求項1は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1と同様に、第一のプレイヤキャラクタが、単独で、所有地とは関係のない自らに課された課題を達成するためのゲームを包含する。

ウ そこで、第一のプレイヤキャラクタが、単独で、所有地とは関係のない自らに課された課題を達成するためのゲームを進行する、課題を達成するゲームを複数のプレイヤでプレイするとの前提を有しない発明が、当初明細書等に記載されているか否かについて、以下検討する。

(2)当初明細書等の記載事項
ア 当初明細書等には、つぎの記載がある(以下で、改行及び空白を省略した箇所がある)。
(ア)「【背景技術】
【0002】近年、インターネット上で複数のプレイヤキャラクタが協力してプレイすることが可能なブラウザゲームなどのネットワークゲームが普及してきている。ネットワークゲームには様々なジャンルのゲームが存在するが、例えば、複数のプレイヤキャラクタが一つの仮想世界の中で協力をしながら、課題を達成することでゲームが進行していくMORPGが、多くのプレイヤによりプレイされている。
【0003】このようなMORPGでは、他のプレイヤキャラクタと行う仮想戦闘がゲームの醍醐味の一つであり、複数のプレイヤが操作するプレイヤキャラクタ同士でパーティを組んで敵キャラクタと仮想戦闘を行ったり、或いは、他のプレイヤが操作するプレイヤキャラクタと対戦を行うことなどが行われている。
【発明の概要】【発明が解決しようとする課題】
【0004】しかし、このようなネットワークゲームでは、プレイヤキャラクタ同士がパーティを組んでゲームを進行していくことがゲームの楽しみ方の一つであるにもかかわらず、プレイヤキャラクタ同士がパーティを組んでゲームを進めるための動機づけが十分でないという課題があった。
【0005】本発明の少なくとも1つの実施の形態の目的は、プレイヤキャラクタ同士がパーティを組んでゲームを進行していくための動機づけが十分に付与された、ゲームプログラム、ゲームシステム及びゲーム進行方法を提供することである。」

(イ)「【0012】[第一の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。図示するように、ゲームシステムは、第一のクライアント装置1aと、第二のクライアント装置1bと、サーバ装置3と、通信ネットワーク2とから構成される。第一のクライアント装置1aと第二のクライアント装置1bは、通信ネットワーク2を介してサーバ装置3と接続されている。第一のクライアント装置1a及び第二のクライアント装置1bは、サーバ装置3と常時接続されていなくてもよく、必要に応じて、接続が可能であればよい。
【0013】図2は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置3は、特典付与部101と、課題設定部102と、異常状態設定部103と、ゲーム参加部104と、ゲーム進行部105と、異常状態解除部106とを少なくとも備える。
【0014】特典付与部101は、第一のクライアント装置1aにて操作が可能な第一のプレイヤキャラクタがゲーム内で所有する所有地に応じて、第一のプレイヤキャラクタにゲーム内で活用が可能な特典を付与する機能を有する。特典付与部101は、異常状態設定部103により所有地に異常状態が設定されている場合は、異常状態の設定されていない場合と比較して特典を減じて付与するか、又は、特典を付与しない。
【0015】課題設定部102は、所有地において達成すべき課題を設定する機能を有する。異常状態設定部103は、課題設定部102により所有地に課題が設定されると、該所有地を、特典付与部101により付与される特典を減じる異常状態、又は、特典を付与しない異常状態に設定する機能を有する。
【0016】ゲーム参加部104は、第二のクライアント装置1bにて操作が可能な第二のプレイヤキャラクタを、課題設定部102により設定された課題を達成するためのゲームに参加させる機能を有する。ゲーム進行部105は、第一のプレイヤによる第一のクライアント装置1aの入力装置への操作指示、及び、第二のプレイヤによる第二のクライアント装置1bの入力装置への操作指示に応じて、課題設定部102により設定された課題を達成するためのゲームを進行する機能を有する。
【0017】異常状態解除部106は、ゲーム進行部105によりゲームが進行し、課題設定部102により設定された課題が達成されると、異常状態設定部103により設定された異常状態を解除する機能を有する。特典付与部101は、異常状態設定部103により該所有地を異常状態に設定すると、第一のプレイヤキャラクタに該異常状態の設定前と比較して特典を減じて付与する、又は、第一のプレイヤキャラクタに特典を付与しない。【0018】図3(a)は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、第一のクライアント装置の構成を示すブロック図である。第一のクライアント装置1aは、少なくとも操作指示受付部111を備える。操作指示受付部111は、第一のプレイヤによる入力装置への操作指示を受け付ける機能を有する。サーバ装置3のゲーム進行部105は、操作指示受付部111により受け付けられた操作指示に応じて、ゲームを進行する。
【0018】図3(a)は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、第一のクライアント装置の構成を示すブロック図である。第一のクライアント装置1aは、少なくとも操作指示受付部111を備える。操作指示受付部111は、第一のプレイヤによる入力装置への操作指示を受け付ける機能を有する。サーバ装置3のゲーム進行部105は、操作指示受付部111により受け付けられた操作指示に応じて、ゲームを進行する。
【0019】図3(b)は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、第二のクライアント装置の構成を示すブロック図である。第二のクライアント装置1bは、少なくとも操作指示受付部121を備える。操作指示受付部121は、第二のプレイヤによる入力装置への操作指示を受け付ける機能を有する。サーバ装置3のゲーム進行部105は、操作指示受付部121により受け付けられた操作指示に応じて、ゲームを進行する。
【0020】次に、サーバ装置3にて実行される、ゲーム進行処理について説明する。図4は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲーム進行処理のフローチャートを表す図である。まず、第一のプレイヤキャラクタが所有する所有地において課題が設定される(ステップS1)と、課題の設定された所有地が異常状態に設定される(ステップS2)。
【0021】次いで、第二のプレイヤキャラクタが、第一のプレイヤキャラクタの所有地において設定された課題を達成するためのゲームに参加する(ステップS3)。第一のクライアント装置1aにて受け付けられた操作指示、及び、第二のクライアント装置1bにて受け付けられた操作指示に応じてゲームは進行し(ステップS4)、設定された課題が達成される(ステップS5)と、異常状態が解除されて(ステップS6)、一連の処理が終了する。
【0022】次に、サーバ装置3にて実行される、特典付与処理について説明する。図5は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、特典付与処理のフローチャートを表す図である。プレイヤキャラクタが所有する所有地に異常状態が設定されていない場合は(ステップS11にてNO)、第一のプレイヤキャラクタにゲーム内で活用が可能な特典が付与される(ステップS12)。一方、所有地に異常状態が設定されている場合は(ステップS11にてYES)、異常状態の設定されていないステップS12の場合と比較して特典を減じて付与するか、又は、特典は付与されない(ステップS13)。
【0023】第一の実施の形態の一側面として、プレイヤキャラクタは所有地から特典を得ることができるが、プレイヤキャラクタの所有地ごとに達成すべき課題が設定されると、その課題が達成されるまでの間、所有地から付与されていた特典が減ったり、或いは、特典そのものを付与されなくなる。そのため、プレイヤキャラクタに課題を達成させる必要性が生じることになり、他のプレイヤキャラクタをゲームに参加させたいというプレイヤの意欲を高めることができる。
【0024】第一の実施の形態において、「第一のプレイヤキャラクタ」とは、例えば、課題が設定された所有地を有するキャラクタであり、プレイヤにより操作が可能なキャラクタである。第一の実施の形態において、「第一のプレイヤ」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタを操作するプレイヤであり、「第一のクライアント装置」とは、例えば、第一のプレイヤが操作するクライアント装置である。
【0025】第一の実施の形態において、「第二のプレイヤキャラクタ」とは、例えば、プレイヤにより操作が可能なキャラクタであり、第一のプレイヤキャラクタの所有地に設定された課題を達成するためのゲームに参加するプレイヤキャラクタである。第一の実施の形態において、「第二プレイヤ」とは、例えば、第二のプレイヤキャラクタを操作するプレイヤであり、「第二のクライアント装置」とは、例えば、第二のプレイヤが操作するクライアント装置である。
【0026】第一の実施の形態において、「特典」とは、例えば、プレイヤキャラクタがゲーム内で活用することができるもので、アイテムや仮想通貨、その他のポイントなどを含む概念であり、適宜採用することが可能である。第一の実施の形態において、「所有地」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタがゲーム内で所有する領地である。
【0027】第一の実施の形態において、「課題」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタが所有する所有地において設定される、達成すべき課題である。第一の実施の形態において、「異常状態」とは、例えば、所有地において設定された課題が達成されていないため、所有地から獲得できる特典が削減されている状態である。」

(ウ)「【0028】[第二の実施の形態]第二の実施の形態におけるゲームシステムの構成は、図1のブロック図で示されるものと同じ構成を採用することができる。図6は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置3は、特典付与部201と、難易度決定部202と、課題設定部203と、異常状態設定部204と、ゲーム参加部205と、ゲーム進行部206と、異常状態解除部207とを少なくとも備える。
【0029】特典付与部201は、第一のクライアント装置1aにて操作が可能な第一のプレイヤキャラクタがゲーム内で所有する所有地に応じて、第一のプレイヤキャラクタにゲーム内で活用が可能な特典を付与する機能を有する。特典付与部201は、異常状態設定部204により所有地に異常状態が設定されている場合は、異常状態の設定されていない場合と比較して特典を減じて付与するか、又は、特典を付与しない。
【0030】難易度決定部202は、第一のプレイヤキャラクタの強さの度合いを示す第一のレベル及び、第二のプレイヤキャラクタの強さの度合いを示す第二のレベルに応じた難易度を決定する機能を有する。課題設定部203は、難易度決定部202により決定され難易度の課題を所有地において設定する機能を有する。異常状態設定部204は、課題設定部203により所有地に課題が設定されると、該所有地を、特典付与部201により付与される特典を減じる異常状態又は特典を付与しない異常状態に設定する機能を有する。
【0031】ゲーム参加部205は、第二のクライアント装置1bにて操作が可能な第二のプレイヤキャラクタを、課題設定部203により設定された課題を達成するためのゲームに参加させる機能を有する。ゲーム進行部206は、第一のプレイヤによる第一のクライアント装置1aの入力装置への操作指示、及び、第二のプレイヤによる第二のクライアント装置1bの入力装置への操作指示に応じて、課題設定部203により設定された課題を達成するためのゲームを進行する機能を有する。
【0032】異常状態解除部207は、ゲーム進行部206によりゲームが進行し、課題設定部203により設定された課題が達成されると、異常状態設定部204により設定された異常状態を解除する機能を有する。特典付与部201は、異常状態設定部204により該所有地を異常状態に設定すると、第一のプレイヤキャラクタに該異常状態の設定前と比較して特典を減じて付与する、又は、第一のプレイヤキャラクタに特典を付与しない。
【0033】図7(a)は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、第一のクライアント装置の構成を示すブロック図である。第一のクライアント装置1aは、少なくとも操作指示受付部211を備える。操作指示受付部211は、第一のプレイヤによる入力装置への操作指示を受け付ける機能を有する。サーバ装置3のゲーム進行部206は、操作指示受付部211により受け付けられた操作指示に応じて、ゲームを進行する。
【0034】図7(b)は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、第二のクライアント装置の構成を示すブロック図である。第二のクライアント装置1bは、少なくとも操作指示受付部221を備える。操作指示受付部221は、第二のプレイヤによる入力装置への操作指示を受け付ける機能を有する。サーバ装置3のゲーム進行部206は、操作指示受付部221により受け付けられた操作指示に応じて、ゲームを進行する。
【0035】次に、サーバ装置3にて実行される、ゲーム進行処理について説明する。図8は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲーム進行処理のフローチャートを表す図である。まず、第一のプレイヤキャラクタの強さの度合いを示す第一のレベル及び、第二のプレイヤキャラクタの強さの度合いを示す第二のレベルに応じた難易度が決定される(ステップS21)。次に、第一のプレイヤキャラクタが所有する所有地において、ステップS21にて決定された難易度の課題が設定され(ステップS22)、課題の設定された所有地が異常状態に設定される(ステップS23)。
【0036】次いで、第二のプレイヤキャラクタが、第一のプレイヤキャラクタの所有地において設定された課題を達成するためのゲームに参加する(ステップS24)。第一のクライアント装置1aにて受け付けられた操作指示、及び、第二のクライアント装置1bにて受け付けられた操作指示に応じてゲームは進行し(ステップS25)、設定された課題が達成される(ステップS26)と、異常状態が解除されて(ステップS27)、一連の処理が終了する。
【0037】次に、サーバ装置3にて実行される、特典付与処理について説明する。図9は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、特典付与処理のフローチャートを表す図である。プレイヤキャラクタが所有する所有地に異常状態が設定されていない場合は(ステップS31にてNO)、第一のプレイヤキャラクタにゲーム内で活用が可能な特典が付与される(ステップS32)。一方、所有地に異常状態が設定されている場合は(ステップS31にてYES)、異常状態の設定されていないステップS32の場合と比較して特典を減じて付与するか、又は、特典は付与されない(ステップS33)。
【0038】第二の実施の形態の一側面として、課題を達成するためのゲームに参加する、第一のプレイヤキャラクタと第二のプレイヤキャラクタのレベルに応じて課題の難易度が決定されるため、参加するプレイヤキャラクタのレベルに応じたゲームをプレイすることができる。
【0039】第二の実施の形態において、「第一のプレイヤキャラクタ」とは、例えば、課題が設定された所有地を有するキャラクタであり、プレイヤにより操作が可能なキャラクタである。第二の実施の形態において、「第一のプレイヤ」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタを操作するプレイヤであり、「第一のクライアント装置」とは、例えば、第一のプレイヤが操作するクライアント装置である。
【0040】第二の実施の形態において、「第二のプレイヤキャラクタ」とは、例えば、プレイヤにより操作が可能なキャラクタであり、第一のプレイヤキャラクタの所有地に設定された課題を達成するためのゲームに参加するプレイヤキャラクタである。第二の実施の形態において、「第二プレイヤ」とは、例えば、第二のプレイヤキャラクタを操作するプレイヤであり、「第二のクライアント装置」とは、例えば、第二のプレイヤが操作するクライアント装置である。
【0041】第二の実施の形態において、「特典」とは、例えば、プレイヤキャラクタがゲーム内で活用することができるもので、アイテムや仮想通貨、その他のポイントなどを含む概念であり、適宜採用することが可能である。第二の実施の形態において、「所有地」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタがゲーム内で所有する領地である。
【0042】第二の実施の形態において、「課題」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタが所有する所有地において設定される、達成すべき課題である。第二の実施の形態において、「異常状態」とは、例えば、所有地において設定された課題が達成されていないため、所有地から獲得できる特典が削減されている状態である。
【0043】第二の実施の形態において、「強さの度合い」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタ又は第二のプレイヤキャラクタの強さを表すレベルに対応するものである。第二の実施の形態において、「難易度」とは、例えば、設定された課題を達成するための困難さの度合いを表すものである。」

(エ)「【0044】[第三の実施の形態]
第三の実施の形態におけるゲームシステムの構成は、図1のブロック図で示されるものと同じ構成を採用することができる。第三の実施の形態では、第一のプレイヤキャラクタと第二のプレイヤキャラクタはグループを形成している。
【0045】図10は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置3は、特典付与部301と、プレイヤキャラクタ特定部302と、難易度決定部303と、課題設定部304と、異常状態設定部305と、ゲーム参加部306と、ゲーム進行部307と、異常状態解除部308とを少なくとも備える。
【0046】特典付与部301は、第一のクライアント装置1aにて操作が可能な第一のプレイヤキャラクタがゲーム内で所有する所有地に応じて、第一のプレイヤキャラクタにゲーム内で活用が可能な特典を付与する機能を有する。特典付与部301は、異常状態設定部305により所有地に異常状態が設定されている場合は、異常状態の設定されていない場合と比較して特典を減じて付与するか、又は、特典を付与しない。
【0047】プレイヤキャラクタ特定部302は、グループに属する複数の第二のプレイヤキャラクタの中から、第二のプレイヤキャラクタのゲームのプレイ状況に応じて、課題設定部304による課題を設定するための基準となる第二のプレイヤキャラクタを特定する機能を有する。難易度決定部303は、第一のプレイヤキャラクタの強さの度合いを示す第一のレベル、及び、プレイヤキャラクタ特定部302により特定された第二のプレイヤキャラクタの強さの度合いを示す第二のレベルに応じた難易度を決定する機能を有する。
【0048】課題設定部304は、難易度決定部303により決定され難易度の課題を所有地において設定する機能を有する。異常状態設定部305は、課題設定部304により所有地に課題が設定されると、該所有地を、特典付与部301により付与される特典を減じる異常状態又は特典を付与しない異常状態に設定する機能を有する。
【0049】ゲーム参加部306は、第二のクライアント装置1bにて操作が可能な第二のプレイヤキャラクタを、課題設定部304により設定された課題を達成するためのゲームに参加させる機能を有する。ゲーム進行部307は、第一のプレイヤによる第一のクライアント装置1aの入力装置への操作指示、及び、第二のプレイヤによる第二のクライアント装置1bの入力装置への操作指示に応じて、課題設定部304により設定された課題を達成するためのゲームを進行する機能を有する。
【0050】異常状態解除部308は、ゲーム進行部307によりゲームが進行し、課題設定部304により設定された課題が達成されると、異常状態設定部305により設定された異常状態を解除する機能を有する。特典付与部301は、異常状態設定部305により該所有地を異常状態に設定すると、第一のプレイヤキャラクタに該異常状態の設定前と比較して特典を減じて付与する、又は、第一のプレイヤキャラクタに特典を付与しない。
【0051】図11(a)は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、第一のクライアント装置の構成を示すブロック図である。第一のクライアント装置1aは、少なくとも操作指示受付部311を備える。操作指示受付部311は、第一のプレイヤによる入力装置への操作指示を受け付ける機能を有する。サーバ装置3のゲーム進行部307は、操作指示受付部311により受け付けられた操作指示に応じて、ゲームを進行する。
【0052】図11(b)は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、第二のクライアント装置の構成を示すブロック図である。第二のクライアント装置1bは、少なくとも操作指示受付部321を備える。操作指示受付部321は、第二のプレイヤによる入力装置への操作指示を受け付ける機能を有する。サーバ装置3のゲーム進行部307は、操作指示受付部321により受け付けられた操作指示に応じて、ゲームを進行する。
【0053】次に、サーバ装置3にて実行される、ゲーム進行処理について説明する。図12は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲーム進行処理のフローチャートを表す図である。まず、第一のプレイヤキャラクタと同じグループに属する複数の第二のプレイヤキャラクタの中から、第二のプレイヤキャラクタのゲームのプレイ状況に応じて、課題を設定するための基準となる第二のプレイヤキャラクタが特定される(ステップS41)。次に、第一のプレイヤキャラクタの強さの度合いを示す第一のレベル及び、ステップS41にて特定された第二のプレイヤキャラクタの強さの度合いを示す第二のレベルに応じた難易度が決定される(ステップS42)。次に、第一のプレイヤキャラクタが所有する所有地において、ステップS42にて決定された難易度の課題が設定され(ステップS43)、課題の設定された所有地が異常状態に設定される(ステップS44)。
【0054】次いで、第二のプレイヤキャラクタが、第一のプレイヤキャラクタの所有地において設定された課題を達成するためのゲームに参加する(ステップS45)。第一のクライアント装置1aにて受け付けられた操作指示、及び、第二のクライアント装置1bにて受け付けられた操作指示に応じてゲームは進行する(ステップS46)。設定された課題が達成される(ステップS47)と、異常状態が解除されて(ステップS48)、一連の処理が終了する。
【0055】次に、サーバ装置3にて実行される、特典付与処理について説明する。図13は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、特典付与処理のフローチャートを表す図である。プレイヤキャラクタが所有する所有地に異常状態が設定されていない場合は(ステップS51にてNO)、第一のプレイヤキャラクタにゲーム内で活用が可能な特典が付与される(ステップS52)。一方、所有地に異常状態が設定されている場合は(ステップS51にてYES)、異常状態の設定されていないステップS52の場合と比較して特典を減じて付与するか、又は、特典は付与されない(ステップS53)。
【0056】第三の実施の形態の一側面として、グループに属するプレイヤキャラクタのゲームのプレイ状況に応じて、課題の難易度を決定するための基準となるプレイヤキャラクタを特定し、特定されたプレイヤキャラクタの強さの度合いに応じて、課題の難易度が決定されるため、課題を達成するためのゲームに参加する可能性の高いプレイヤキャラクタのレベルに合わせた、課題を設定することが可能である。
【0057】第三の実施の形態において、「第一のプレイヤキャラクタ」とは、例えば、課題が設定された所有地を有するキャラクタであり、プレイヤにより操作が可能なキャラクタである。第三の実施の形態において、「第一のプレイヤ」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタを操作するプレイヤであり、「第一のクライアント装置」とは、例えば、第一のプレイヤが操作するクライアント装置である。
【0058】第三の実施の形態において、「第二のプレイヤキャラクタ」とは、例えば、プレイヤにより操作が可能なキャラクタであり、第一のプレイヤキャラクタの所有地に設定された課題を達成するためのゲームに参加するプレイヤキャラクタである。第三の実施の形態において、「第二プレイヤ」とは、例えば、第二のプレイヤキャラクタを操作するプレイヤであり、「第二のクライアント装置」とは、例えば、第二のプレイヤが操作するクライアント装置である。
【0059】第三の実施の形態において、「特典」とは、例えば、プレイヤキャラクタがゲーム内で活用することができるもので、アイテムや仮想通貨、その他のポイントなどを含む概念であり、適宜採用することが可能である。第三の実施の形態において、「所有地」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタがゲーム内で所有する領地である。
【0060】第三の実施の形態において、「課題」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタが所有する所有地において設定される、達成すべき課題である。第三の実施の形態において、「異常状態」とは、例えば、所有地において設定された課題が達成されていないため、所有地から獲得できる特典が削減されている状態である。
【0061】第三の実施の形態において、「グループ」とは、例えば、複数のプレイヤキャラクタが相互に協力してゲームを進めるための集まりを意味し、「グループ」以外の用語で表現されていてもよい。第三の実施の形態において、「強さの度合い」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタ又は第二のプレイヤキャラクタの強さを表すレベルに対応するものである。第三の実施の形態において、「難易度」とは、例えば、設定された課題を達成するための困難さの度合いを表すものである。」

(オ)「【0062】[第四の実施の形態]
第四の実施の形態におけるゲームシステムの構成は、図1のブロック図で示されるものと同じ構成を採用することができる。第四の実施の形態では、第一のプレイヤキャラクタと第二のプレイヤキャラクタはグループを形成している。
【0063】図14は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置3は、特典付与部401と、プレイヤキャラクタ特定部402と、難易度決定部403と、課題設定部404と、異常状態設定部405と、ゲーム参加部406と、ゲーム進行部407と、異常状態解除部408とを少なくとも備える。
【0064】特典付与部401は、第一のクライアント装置1aにて操作が可能な第一のプレイヤキャラクタがゲーム内で所有する所有地に応じて、第一のプレイヤキャラクタにゲーム内で活用が可能な特典を付与する機能を有する。特典付与部401は、異常状態設定部405により所有地に異常状態が設定されている場合は、異常状態の設定されていない場合と比較して特典を減じて付与するか、又は、特典を付与しない。
【0065】プレイヤキャラクタ特定部402は、グループに属する複数の第二のプレイヤキャラクタのうち、ゲームのプレイ時間が最も長い第二のプレイヤキャラクタから順に少なくとも1人以上の第二のプレイヤキャラクタを、課題の設定のための基準となる第二のプレイヤキャラクタとして特定する機能を有する。難易度決定部403は、第一のプレイヤキャラクタの強さの度合いを示す第一のレベル、及び、プレイヤキャラクタ特定部402により特定された第二のプレイヤキャラクタの強さの度合いを示す第二のレベルに応じた難易度を決定する機能を有する。
【0066】課題設定部404は、難易度決定部403により決定され難易度の課題を所有地において設定する機能を有する。異常状態設定部405は、課題設定部404により所有地に課題が設定されると、該所有地を、特典付与部401により付与される特典を減じる異常状態又は特典を付与しない異常状態に設定する機能を有する。
【0067】ゲーム参加部406は、第二のクライアント装置1bにて操作が可能な第二のプレイヤキャラクタを、課題設定部404により設定された課題を達成するためのゲームに参加させる機能を有する。ゲーム進行部407は、第一のプレイヤによる第一のクライアント装置1aの入力装置への操作指示、及び、第二のプレイヤによる第二のクライアント装置1bの入力装置への操作指示に応じて、課題設定部404により設定された課題を達成するためのゲームを進行する機能を有する。
【0068】異常状態解除部408は、ゲーム進行部407によりゲームが進行し、課題設定部404により設定された課題が達成されると、異常状態設定部405により設定された異常状態を解除する機能を有する。特典付与部401は、異常状態設定部405により該所有地を異常状態に設定すると、第一のプレイヤキャラクタに該異常状態の設定前と比較して特典を減じて付与する、又は、第一のプレイヤキャラクタに特典を付与しない。
【0069】図15(a)は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、第一のクライアント装置の構成を示すブロック図である。第一のクライアント装置1aは、少なくとも操作指示受付部411を備える。操作指示受付部411は、第一のプレイヤによる入力装置への操作指示を受け付ける機能を有する。サーバ装置3のゲーム進行部407は、操作指示受付部411により受け付けられた操作指示に応じて、ゲームを進行する。
【0070】図15(b)は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、第二のクライアント装置の構成を示すブロック図である。第二のクライアント装置1bは、少なくとも操作指示受付部421を備える。操作指示受付部421は、第二のプレイヤによる入力装置への操作指示を受け付ける機能を有する。サーバ装置3のゲーム進行部407は、操作指示受付部421により受け付けられた操作指示に応じて、ゲームを進行する。
【0071】次に、サーバ装置3にて実行される、ゲーム進行処理について説明する。図16は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲーム進行処理のフローチャートを表す図である。まず、第一のプレイヤキャラクタと同じグループに属する複数の第二のプレイヤキャラクタの中から、ゲームのプレイ時間が最も長いプレイヤキャラクタから順に少なくとも1人以上のプレイヤキャラクタを、課題を設定するための基準となる第二のプレイヤキャラクタとして特定する(ステップS61)。次に、第一のプレイヤキャラクタの強さの度合いを示す第一のレベル及び、ステップS61にて特定された第二のプレイヤキャラクタの強さの度合いを示す第二のレベルに応じた難易度が決定される(ステップS62)。次に、第一のプレイヤキャラクタが所有する所有地において、ステップS62にて決定された難易度の課題が設定され(ステップS63)、課題の設定された所有地が異常状態に設定される(ステップS64)。
【0072】次いで、第二のプレイヤキャラクタが、第一のプレイヤキャラクタの所有地において設定された課題を達成するためのゲームに参加し(ステップS65)、ゲームを進行する(ステップS66)。ゲームが進行し、設定された課題が達成される(ステップS67)と、異常状態が解除されて(ステップS68)、一連の処理が終了する。
【0073】次に、サーバ装置3にて実行される、特典付与処理について説明する。図17は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、特典付与処理のフローチャートを表す図である。プレイヤキャラクタが所有する所有地に異常状態が設定されていない場合は(ステップS71にてNO)、第一のプレイヤキャラクタにゲーム内で活用が可能な特典が付与される(ステップS72)。一方、所有地に異常状態が設定されている場合は(ステップS71にてYES)、異常状態の設定されていないステップS72の場合と比較して特典を減じて付与するか、又は、特典は付与されない(ステップS73)。
【0074】第四の実施の形態の一側面として、グループに属するプレイヤキャラクタのうち、ゲームのプレイ時間が最も長いプレイヤキャラクタから順に少なくとも1人以上のプレイヤキャラクタを、課題を設定するための基準となる第二のプレイヤキャラクタとして特定し特定されたプレイヤキャラクタの強さの度合いに応じて、課題の難易度が決定されるため、課題を達成するためのゲームに参加する可能性の高いプレイヤキャラクタのレベルに合わせた、課題を設定することが可能である。
【0075】第四の実施の形態において、「第一のプレイヤキャラクタ」とは、例えば、課題が設定された所有地を有するキャラクタであり、プレイヤにより操作が可能なキャラクタである。第四の実施の形態において、「第一のプレイヤ」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタを操作するプレイヤであり、「第一のクライアント装置」とは、例えば、第一のプレイヤが操作するクライアント装置である。
【0076】第四の実施の形態において、「第二のプレイヤキャラクタ」とは、例えば、プレイヤにより操作が可能なキャラクタであり、第一のプレイヤキャラクタの所有地に設定された課題を達成するためのゲームに参加するプレイヤキャラクタである。第四の実施の形態において、「第二プレイヤ」とは、例えば、第二のプレイヤキャラクタを操作するプレイヤであり、「第二のクライアント装置」とは、例えば、第二のプレイヤが操作するクライアント装置である。
【0077】第四の実施の形態において、「特典」とは、例えば、プレイヤキャラクタがゲーム内で活用することができるもので、アイテムや仮想通貨、その他のポイントなどを含む概念であり、適宜採用することが可能である。第四の実施の形態において、「所有地」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタがゲーム内で所有する領地である。
【0078】第四の実施の形態において、「課題」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタが所有する所有地において設定される、達成すべき課題である。第四の実施の形態において、「異常状態」とは、例えば、所有地において設定された課題が達成されていないため、所有地から獲得できる特典が削減されている状態である。
【0079】第四の実施の形態において、「グループ」とは、例えば、複数のプレイヤキャラクタが相互に協力してゲームを進めるための集まりを意味し、「グループ」以外の用語で表現されていてもよい。第四の実施の形態において、「強さの度合い」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタ又は第二のプレイヤキャラクタの強さを表すレベルに対応するものである。第四の実施の形態において、「難易度」とは、例えば、設定された課題を達成するための困難さの度合いを表すものである。」

(カ)「【0080】[第五の実施の形態]
図18は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。各プレイヤは独自のアカウントを有しており、アカウント毎に少なくとも1人のプレイヤキャラクタが割り当てられている。プレイヤはクライアント装置1に対して、アカウント名とパスワードを入力することで、独自のアカウントでプレイを行うことができる。第一のクライアント装置1a及び第二のクライアント装置1b?1zはサーバ装置3に接続可能であり、複数のプレイヤが、自らのアカウントでプレイヤキャラクタを操作することで、同じゲームをプレイすることが可能である。例えば、プレイヤはクライアント装置1を操作することで、プレイヤキャラクタの移動や攻撃などの行動を制御したり、プレイヤキャラクタが装備又は所持するためのアイテムを購入したり、或いは、所有地を育成したりすることができる。
【0081】第一のクライアント装置1aにて操作されるプレイヤキャラクタAと、第二のクライアント装置1bにて操作されるプレイヤキャラクタBが、ゲーム内で協力関係にある同じグループに属するような場合、プレイヤキャラクタAが自らの所有地に設定されたクエストを達成するために、第一のクライアント装置1aからサーバ装置3を介して、第二のクライアント装置1bへパーティ参加要請を行うことができる。パーティ参加要請を受けた第二のクライアント装置1bでは参加要請を受け入れると、プレイヤAが操作するプレイヤキャラクタAと、プレイヤBが操作するプレイヤキャラクタBとがパーティを組むことが可能となる。パーティが組まれると、プレイヤキャラクタA及びBが互いに協力をしながら、プレイヤキャラクタAの所有地に設定されたクエストを達成するためのゲームが進められる。
・・・
【0090】図20は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置3は、制御部31、RAM32、HDD33及び通信インターフェイス34を備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0091】制御部31は、CPUやROMから構成され、HDD33に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置3の制御を行なう。また、制御部31は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM32は、制御部31のワークエリアである。HDD33は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部31は、ゲームの進行に必要なプログラム及びデータをRAM32から読み出し、クライアント装置1から受信した操作指示情報をもとに、ゲームの進行処理を行う。
【0092】次に、所有地管理テーブルについて説明する。図21は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、所有地管理テーブルを表す図である。所有地管理テーブル60は、サーバ装置3のRAM32において、プレイヤ毎(アカウント毎)に設けられる。所有地管理テーブル60には、所有地名61、所有地内に設置された施設情報62、収入63、クエスト未達成フラグ64が記憶されている。所有地名61は、所有地の名称であり、プレイヤが自由にその名称を変更することができる。所有地内の施設情報62は、後述する所有地40内に設置された施設42の種類と、配置されたマス41の座標を表すものである。また、収入63は、異常状態が設定される前にプレイヤキャラクタが所有地から獲得できる特典を表す。クエスト未達成フラグ64はクエストが発生することで設定され、設定されたクエストを達成することで解除される。
【0093】第五の実施の形態では、プレイヤキャラクタが仮想世界内を移動し、敵キャラクタと仮想戦闘を行いながらゲームを進行する冒険モードと、プレイヤキャラクタが所有する所有地を育成する育成モードを、プレイヤの選択で切り替えることができる。
【0094】図22は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、クライアント装置の表示画面を示す図である。プレイヤが育成モードを選択すると、クライアント装置1の表示画面24には、図22に示されるような、所有地の全体画像が表示される。
【0095】所有地40は複数のマス41で区分されており、各マス41に施設42を設置することができる。マス41には、複数の種類の施設42を設けることができる。これらの施設42は、ゲーム内の世界観にあわせて定めることができる。例えば、ゲームのストーリーが現代を背景とするものであれば、例えば、マンション、工場、高層ビルなどの施設42を設置可能とすることができ、中世の日本を背景とするものであれば、武家屋敷、道場、水田などの施設42を設置可能とすることができる。これらの施設42は、敵キャラクタとの戦闘に勝利することで獲得できるアイテムや仮想通貨を消費することで設置が可能である。また、プレイヤキャラクタが所定のレベルやランクに到達することで、新たな施設42の設置が可能となるような構成とすることもできる。
【0096】施設42は時間とともに、自動的に成長するような設計としてもよい。この場合、施設42の周囲の環境に応じて、施設42の成長速度を変化させることも可能である。また、この他、さらなる追加のアイテムや仮想通貨を使用することで、施設42のレベルを上げて成長させるような構成とすることも可能である。施設42が成長することで、プレイヤキャラクタが施設42から獲得できる収入も増加する。
【0097】プレイヤキャラクタが所有地40から獲得できる仮想通貨の額やアイテムの種類・数は、施設42の種類や成長度合い(例えば、施設レベル)に応じて、異なるものであってもよい。また、施設42の設置に必要な仮想通貨の額やアイテムの種類・数も、施設42の種類に応じて、異なるものとすることができる。したがって、プレイヤは、すでに所有している仮想通貨の額やアイテムの数等を考慮しつつ、収入として獲得したいアイテムの種類に応じて、設置する施設42を選択する必要があり、所有地40の育成には、戦略性が求められることになる。
【0098】次に、ゲーム進行処理について説明する。図23は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲーム進行処理のフローチャートを表す図である。例えば、ゲームの実施態様の一つとして、定期的に或いは不定期に、ゲーム内でイベントが発生するような場合があげられる。イベントが発生すると、各プレイヤキャラクタが所有する所有地において攻略すべきクエストとして「敵キャラクタの討伐」が設定される(ステップS81)。所有地内に強力な敵キャラクタ(ボスキャラクタ)を登場させ、このボスキャラクタを倒すことが、クエストに設定される。
【0099】ステップS81においてクエストが設定されると、クエストの設定された所有地について、所有地管理テーブル60のクエスト未達成フラグ64が設定される(ステップS82)。クエスト未達成フラグ64が設定されると、その所有地は異常状態となり、プレイヤキャラクタがその所有地から獲得していたアイテムや仮想通貨などの収入は減少することになる。
【0100】次いで、サーバ装置3からクライアント装置1aへ発生したイベントとクエストの内容、つまり、討伐すべきボスキャラクタの情報がクライアント装置1aへ通知される(ステップS83)。プレイヤは、クライアント装置1の表示装置23にて討伐すべきボスキャラクタの名称やレベルなどの情報を確認することができる。
【0101】次に、クエストが設定された所有地を有するプレイヤキャラクタA(クライアント装置1aにて操作)とは異なる、プレイヤキャラクタB(クライアント装置1bにて操作)がクエストを達成するためのゲームへの参加処理が行われる(ステップS84)。
【0102】プレイヤキャラクタBがゲームへ参加すると、プレイヤキャラクタA及びプレイヤキャラクタBによりゲームが進行される(ステップS85)。所有地40は、その内部に詳細なマップを有しており、ゲームの進行中、各プレイヤキャラクタが移動可能なものとしてもよい。パーティが所有地40へ移動すると、所有地40内のマップが展開され、各プレイヤキャラクタは所有地40内を自由に移動することが可能となる。パーティに属するプレイヤキャラクタは、所有地40内を移動しながら、クエストの対象であるボスキャラクタを探し、パーティがボスキャラクタと遭遇すると仮想戦闘が行われる(ステップS86)。
【0103】ボスキャラクタとの仮想戦闘で、ボスキャラクタに攻撃を行い、その体力値が「0」になるなど、ボスキャラクタが戦闘不能状態になると、仮想戦闘に勝利したこととなり、クエストが達成される(ステップS87)。クエストが達成されると、所有地管理テーブル60のクエスト未達成フラグ64が解除され(ステップS88)、一連の処理が終了する。クエスト未達成フラグ64が解除されると、プレイヤキャラクタAの所有地は異常状態が解除されて元の状態に戻り、所有地から獲得していたアイテムや仮想通貨などの収入も元の状態に回復する。
【0104】図24は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、特典付与処理のフローチャートを表す図である。例えば、毎日、ある所定の時刻になった場合に、所有地から収入が得られるような場合について、説明する。まず、所定の時刻になる(ステップS91)と、所有地管理テーブル60が参照され、プレイヤキャラクタが所有する所有地にクエスト未達成フラグ64が設定されているか否かの判定が行われる(ステップS92)。
【0105】クエスト未達成フラグ64が設定されていない場合は(ステップS92にてNO)、プレイヤキャラクタに収入63が付与される(ステップS93)。一方、所有地にクエスト未達成フラグ64が設定されていない場合は(ステップS92にてYES)、クエスト未達成フラグ64が設定されていない場合、すなわち、異常状態の設定されていないステップS93の場合と比較して、通常の収入63よりも少ない収入がプレイヤキャラクタに付与される(ステップS94)。
【0106】ステップS94にてプレイヤキャラクタが得られる収入を減じる場合、所有地管理テーブル60において設定されている通常の収入63から所定の額を減額するか、或いは、通常の収入63に0?1までの所定の割合を乗じるなどにより、異常状態における収入を決定することができる。例えば、獲得していた収入のうちの一定の割合(例えば、30%や50%など)を減少させることができる。
【0107】ステップS94にてプレイヤキャラクタが得られる収入を減じる場合、クエストの難易度に応じて、収入を減少させる度合いを変化させることもできる。また、ボスキャラクタが登場してからの経過時間に応じて、収入を徐々に減少させてもよい。その他、ボスキャラクタが所有地40内に設置された各施設42を順に破壊することで、その破壊された施設42に対応する分の収入を減少させるようにすることもできる。
【0108】ステップS94にてプレイヤキャラクタが得られる収入を減じる場合、収入そのものを「0」とすることもできる。
【0109】次に、クエスト難易度テーブル90について説明する。図25は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、クエスト難易度テーブルを表す図である。クエスト難易度テーブル90は、所有地を有するプレイヤキャラクタのレベルと、該プレイヤキャラクタの所有地に設定されたクエストを達成するためのゲームに参加するプレイヤキャラクタの平均レベルの合計値91と、ボスキャラクタレベル92(つまり、クエストの難易度)との対応関係を表すものである。ボスキャラクタレベル92が高くなるほど、ボスキャラクタとの仮想戦闘に勝利することがより難しくなる。
【0110】クエストの設定処理について説明する。図26は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、クエスト設定処理のフローチャートを表す図である。ステップS81においてクエスト設定処理が開始されると、クエストの設定された所有地を有するプレイヤキャラクタAのレベルと、クエストを達成するためのゲームに参加するプレイヤキャラクタB?Dのレベルをもとに、クエスト難易度テーブル90を参照して、ボスキャラクタレベル92が決定される(ステップS101)。レベルの異なる複数のボスキャラクタが予め用意されており、ステップS101で決定されたボスキャラクタレベル92に応じたボスキャラクタがランダムに選択され(ステップS102)、選択されたボスキャラクタの討伐がクエストとして設定されて(ステップS103)、処理が終了する。
【0111】第五の実施の形態の一側面として、課題を達成するためのゲームに参加する、第一のプレイヤキャラクタと第二のプレイヤキャラクタのレベルに応じて課題の難易度が決定されるため、ゲームに参加するプレイヤキャラクタのレベルが高くなるほど、より達成することが難しい課題を設定することが可能となる。
【0112】第五の実施の形態の一側面として、設定される課題の難易度に応じて、特典を減少させる度合いを変化させることで、例えば、より難易度の高い課題が設定された場合に、付与される特典を減少させる割合を大きくすることで、難易度の高い課題であっても挑戦するようにプレイヤを動機づけることが可能となる。
【0113】第五の実施の形態の一側面として、課題が設定されたからの経過時間に応じて、特典を減少させる度合いを変化させることで、例えば、経過時間が長くなればなるほど、特典を減少させる度合いを大きくすることで、少しでも早く課題を達成するために、他のプレイヤキャラクタをゲームに参加させるようにプレイヤを動機づけることが可能となる。
【0114】第五の実施の形態の一側面として、所有地を育成することで、プレイヤキャラクタが所有地から獲得できる収入が増加したり、アイテムの質を向上させることができ、さらに、所有地に課題が設定されると、自らが育成した思い入れのある所有地からの収入が減少するため、少しでも早く課題を達成して、所有地を元の状態に戻したいというプレイヤの意欲を高めることになる。
【0115】第五の実施の形態において、「第一のプレイヤキャラクタ」とは、例えば、クエストが設定される所有地を有するキャラクタであり、プレイヤにより操作が可能なキャラクタである。ゲームコンセプトに応じて、人型のキャラクタ、動物型のキャラクタ又はロボット型のキャラクタなどから適宜採用することができる。また、第五の実施の形態において、「第一のプレイヤ」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタを操作するプレイヤであり、「第一のクライアント装置」とは、例えば、第一のプレイヤが操作するクライアント装置であり、ゲーム画面を表示する表示装置と、操作指示を入力するための入力部を備えるものである。
【0116】第五の実施の形態において、「第二のプレイヤキャラクタ」とは、例えば、プレイヤにより操作が可能なキャラクタであり、第一のプレイヤキャラクタの所有地に設定されたクエストを達成するためのゲームに参加するプレイヤキャラクタである。ゲームコンセプトに応じて、人型のキャラクタ、動物型のキャラクタ又はロボット型のキャラクタなどから適宜採用することができる。第一の実施の形態において、「第二プレイヤ」とは、例えば、第二のプレイヤキャラクタを操作するプレイヤであり、「第二のクライアント装置」とは、例えば、第二のプレイヤが操作するクライアント装置であり、ゲーム画面を表示する表示装置と、操作指示を入力するための入力部を備えるものである。
【0117】第五の実施の形態において、「特典」とは、例えば、ゲーム内で利用することができる仮想通貨などの収入を含む概念である。第五の実施の形態において、「所有地」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタがゲーム内で所有する領地であり、街や城、鉱山などの任意の形態をとることができる。プレイヤキャラクタは、この所有地から仮想通貨などの収入を得ることができる。
【0118】第五の実施の形態において、「課題」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタが所有する所有地において設定される、達成すべきクエストであり、ゲーム内コンセプトやゲームのストーリーに応じたクエストを適宜採用することができる。クエストが発生すると、第一のプレイヤキャラクタがこの所有地から獲得することのできる特典が減少し、クエストが達成されると第一のプレイヤキャラクタがこの所有地から獲得することのできる特典も、元の状態に戻る。第五の実施の形態において、「異常状態」とは、例えば、所有地において設定されたクエストが達成されていないため、所有地から獲得できる特典が削減されている状態であり、クエストが達成されることで異常状態を解消することができる。
【0119】第五の実施の形態において、「敵キャラクタ」とは、第一のプレイヤキャラクタの所有地にて設定されるクエストの対象となる、討伐すべきボスキャラクタである。また、第二の実施の形態において、「仮想戦闘」とは、第一のプレイヤキャラクタ及び第二のプレイヤキャラクタから構成されるパーティとボスキャラクタとの戦闘であり、打撃や魔法による攻撃、回復魔法による防御などのアクションを互いに駆使することで進められるものである。仮想戦闘において、パーティの構成メンバーの全ての体力値(ヒットポイント)が「0」となる等して戦闘不能状態となるか、ボスキャラクタの体力値が「0」となる等して戦闘不能状態となることで、仮想戦闘は終了する。ボスキャラクタが戦闘不能状態となると、パーティの勝利となり、クエストが達成される。
【0120】第五の実施の形態において、「獲得可能なポイント」とは、敵キャラクタとの仮想戦闘に勝利するか、或いは、所有地からの収入として獲得できる、アイテムの数や仮想通貨の額を含む概念である。第五の実施の形態において、「強さの度合い」とは、プレイヤキャラクタの強さを表す「レベル」に対応するものである。」

(キ)「【0121】[第六の実施の形態]
第六の実施の形態におけるゲームシステムの構成は、図18のブロック図で示されるものと同じ構成を採用することができる。また、第六の実施の形態におけるクライアント装置の構成は、図19のブロック図で示されるものと同じ構成を採用することができる。さらには、第六の実施の形態におけるサーバ装置の構成は、図20のブロック図で示されるものと同じ構成を採用することができる。第六の実施の形態における所有地管理テーブルは、図21で示されるものと同じものを採用することができる。第六の実施の形態における特典付与処理は、図24のフローチャートで示されるものと同じものを採用することができる。
【0122】第六の実施の形態では、複数のプレイヤキャラクタが相互に協力してゲームを進めるためのグループを形成している。ゲーム内には複数のグループが存在しており、プレイヤは自らの意思でプレイヤキャラクタが所属するグループを選択することができる。また、所属しているグループから自らの意思で脱退することも可能である。また、自らグループを設立することも可能であり、他のプレイヤキャラクタを自らのグループに募集することもできる。
【0123】プレイヤキャラクタが同じグループに所属している場合、グループ内のプレイヤだけが閲覧することが可能なチャットにより、お互いに連絡をとることができる。後述するように、プレイヤキャラクタの所有地にクエストが設定された場合などは、グループ内の他のプレイヤにチャットにて、パーティ参加への呼びかけを行ったり、或いは、どのような職業のプレイヤキャラクタをパーティに参加させるか、又は、誰がどのように攻撃を行い、魔法を使用するかなど、クエストをどのように達成していくかについての作戦を立てたりすることも可能である。
【0124】プレイヤキャラクタは、それぞれが街や城、鉱山などの所有地を所有している。この所有地は、ゲーム内のイベントで発生するクエストを達成したり、所定のレベルに到達することで獲得することができる。また、或いは、仮想通貨により所有地を購入できるようにしてもよい。プレイヤキャラクタは複数の所有地を所有することも可能である。
【0125】プレイヤキャラクタは、この所有地からアイテムや仮想通貨などの収入を定期的に得ることができる。プレイヤキャラクタが獲得したアイテムは、プレイヤキャラクタに装備又は所持させることができ、さらには、新たなアイテムを製造するための素材として用いることもできる。また、プレイヤキャラクタが所有地から獲得した仮想通貨でアイテムを購入し、これらのアイテムをプレイヤキャラクタに装備又は所持させたりすることができる。
【0126】第六の実施の形態では、プレイヤキャラクタが仮想世界内を移動し、敵キャラクタと仮想戦闘を行いながらゲームを進行する冒険モードと、プレイヤキャラクタが所有する所有地を育成する育成モードを、プレイヤの選択で切り替えることができる。育成モードでは、プレイヤがゲームを進行する過程で獲得したアイテムや仮想通貨を用いて、所有地を成長させることができる。例えば、ゲーム開始当初、或いは、プレイヤキャラクタが所有地を獲得した当初は、所有地レベルは「0」であり、仮想通貨100ポイントを使用することで、所有地レベル「1」とすることができる。所有地レベルが高くなることで、所有地から獲得できる仮想通貨やアイテム等の収入量も上昇する。また、所有地レベルが高くなるにつれ、次のレベルへ所有地レベルを上昇させるために必要となるアイテムや仮想通貨も多くなる。また、所有地レベルを高くすることで、収入として獲得できるアイテムの質を向上させてもよい。例えば、所定の所有地レベルに到達させることで、収入として獲得できるアイテムを「鉄」から「鋼」から変更することができる。
【0127】図27は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、クライアント装置の表示画面を示す図である。ゲーム内でプレイヤキャラクタが冒険を開始すると、クライアント装置1の表示画面24には、図27に示されるような、プレイヤキャラクタ51が移動可能なマップ50が表示される。
【0128】マップ50上には、プレイヤキャラクタ51、プレイヤキャラクタの所有地52、他のプレイヤキャラクタの所有地53、洞窟54、城55などが表示されている。プレイヤは、入力部21に操作指示をすることでプレイヤキャラクタ51を自由に移動させることができる。マップ50上を移動中にプレイヤキャラクタ51が敵キャラクタと遭遇した場合は、バトル画面に切り替わり、バトルが開始される。敵キャラクタとの仮想戦闘に勝利すると、アイテムや仮想通貨等を獲得できるほか、プレイヤキャラクタ51が経験値を得られる。経験値が所定の値以上となると、プレイヤキャラクタ51のレベルが上がり、強さを向上させることができる。
【0129】また、プレイヤキャラクタ51を他のプレイヤキャラクタの所有地53や、洞窟54、城55などにプレイヤキャラクタ51を移動させた場合は、他のプレイヤキャラクタの所有地53、洞窟54、城55などの詳細なマップがさらに表示され、これらの中を移動させることが可能となる。
【0130】なお、プレイヤキャラクタの所有地にクエストが設定された場合、クエストが未達成であることが一目で分かるように、自らの所有地52又は他のプレイヤキャラクタの所有地53のアイコンの上に、ドクロマーク56などの特徴的なマークを表示することができる。
【0131】次に、ゲーム進行処理について説明する。図28は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲーム進行処理のフローチャートを表す図である。例えば、ゲームの実施態様の一つとして、定期的に或いは不定期に、ゲーム内でイベントが発生するような場合があげられる。イベントが発生すると(ステップS111)、各プレイヤキャラクタが所有する所有地40において、攻略すべきクエストが設定される(ステップS112)。
【0132】ステップS111において、定期的にイベントが発生する場合は、例えば、5日に1回の周期で午前10時になると自動的にイベントが発生するなど、数日に1回、同じ時刻にイベントが発生するようにしてもよい。また、例えば、クリスマスなどに現実世界の暦と関連のあるイベント及びクエストを発生させることも可能である。
【0133】プレイヤキャラクタが複数の所有地40を所有している場合は、ステップS112において、そのうちのいずれかの所有地40からランダムにクエストを設定する所有地40を特定してもよく、全ての所有地40にクエストを設定することも可能である。また、ステップS112のクエストの設定は、ゲームをプレイするためのアカウントを有する全てのプレイヤキャラクタの所有地40にクエストを発生させてもよく、一部のプレイヤキャラクタをランダムに特定し、特定されたプレイヤキャラクタのみについて、その所有地40にクエストを発生させることとしてもよい。
【0134】ステップS112のクエストの内容としては、特に制限はなく、任意に設定することができるが、例えば、「所有地40の生産力の源となっているアイテムが紛失したため、そのアイテムを探し出す」というクエスト、「所有地40において生産を担っている生産者のリーダーであるキャラクタの行方が分からなくなったため、そのリーダーを探しだす」というクエスト、或いは「所有地40で発生した流行り病を治療するための薬を購入できるだけの仮想通貨を貯める」というクエストなどを設定することができる。
【0135】ステップS112において、クエストが設定されると、サーバ装置3からクライアント装置1aへ発生したイベントとクエストの内容が通知され、クライアント装置1aにて受信される(ステップS114)。プレイヤは、クライアント装置1の表示装置23にてクエストの内容を確認することができる。クエストが設定された所有地40については、クエストが未達成であることが分かるように、所有地のアイコンの上に特徴的なマーク56を表示したり、或いは、アイコンの色を通常とは異なる色で表示することができる。
【0136】ステップS112においてクエストが設定されると、クエストの設定された所有地40について、所有地管理テーブル60のクエスト未達成フラグ64が設定される(ステップS113)。クエスト未達成フラグ64が設定されると、プレイヤキャラクタがその所有地40から獲得していたアイテムや仮想通貨等の収入は減少することになる。
【0137】例えば、プレイヤキャラクタAの所有地40にクエストが設定された場合、所有地40を通常の状態に回復させるために、同じグループに属する他のプレイヤキャラクタB?Eに対してパーティへの参加要請を行う。プレイヤAが入力部21を操作して、表示画面24に表示された「パーティ参加要請」ボタンを選択することで、サーバ装置3を介して、同じグループに属するプレイヤキャラクタB?Eのクライアント装置1b?1eへパーティ参加要請の通知が送信される(ステップS115)。
【0138】他のプレイヤキャラクタB?Eが、各々が操作するクライアント装置1b?1eにて、プレイヤキャラクタAからのパーティ参加要請の通知を受信すると(ステップS116)、クライアント装置1の表示画面24にプレイヤキャラクタAからパーティ参加要請があった旨のメッセージが表示される。プレイヤキャラクタB?Eを操作するプレイヤB?Eのうちの一部のプレイヤ(仮に、プレイヤB、C、Dとする)がクライアント装置1の入力部21を操作して、パーティ参加要請を受諾する旨の返信をすると(ステップS117)、プレイヤAが操作するプレイヤキャラクタAと、プレイヤB?Dが操作するプレイヤキャラクタB?Dが、パーティのメンバーとして決定される(ステップS118)。
【0139】また、パーティのメンバーが決定されると、プレイヤキャラクタB?Dがパーティ参加要請を受諾した旨、及び、プレイヤキャラクタB?Dがパーティの参加メンバーであることが、プレイヤAのクライアント装置1aに通知される。なお、ステップS117において、プレイヤB?Dは、パーティ参加要請を受諾する旨の返信を行う際に、パーティに参加させるプレイヤキャラクタを、自らが所有する複数のキャラクタカードから選択して送信することができる。
【0140】ここで、パーティ参加要請を受諾した全てのプレイヤキャラクタをパーティに参加させることもできるが、実際にパーティに参加できる人数を制限してもよい。この場合、ステップS117におけるパーティ参加要請を受諾する旨の通知がなされた順で参加が認められる。
【0141】図29は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、クライアント装置の表示画面を表す図である。ステップS115において、他のプレイヤキャラクタにパーティへの参加要請を行うと、プレイヤAの操作するクライアント装置1aには、図29(a)のようなパーティへの参加状態を示す画面が表示される。図29(a)では、パーティとして参加できる人数は、プレイヤAの操作するプレイヤキャラクタAを含め合計4人であり、4つのデッキ70a?dが表示されている。デッキ70aには、プレイヤキャラクタAのイラストが表示されており、パーティとして参加するプレイヤキャラクタが一人だけ決定している状態である。デッキ70b?dには、キャラクタのイラストは表示されておらず、空きデッキとなっている。
【0142】ステップS117により、プレイヤB?Eのいずれかから、参加要請を受諾する旨の返信とともに、パーティに参加させるキャラクタの情報が送信されると、図29(b)に示すように、空きデッキであった70bがプレイヤキャラクタで埋まることになる。
【0143】既に述べたように、ステップS118において決定されるパーティについては、パーティの参加人数の上限を定めておくことができる。ただし、パーティの参加人数の上限を超えて、参加要請を受諾するプレイヤキャラクタがいる場合は、複数のパーティを組んで、これら複数のパーティでクエストを達成してもよい。
【0144】ステップS118において、パーティのメンバーが決定されると、各プレイヤキャラクタはパーティを組んで、図27のようなマップ上を移動しながら、クエストを達成するための冒険を行う。
【0145】所有地に設定されたクエストを達成すると(ステップS119)、所有地管理テーブル60のクエスト未達成フラグ64が解除され(ステップS120)、一連の処理が終了する。クエスト未達成フラグ64が解除されると、プレイヤキャラクタAの所有地40は元の状態に戻り、減少していた所有地40からの収入63も元の状態に回復する。
【0146】さらに、クエストを達成した特典として、パーティに参加していたプレイヤキャラクタに対して、特典として仮想通貨やアイテムなどを付与することも可能である。この場合、獲得した仮想通貨やアイテムをパーティに参加していたプレイヤキャラクタで等分してもよいが、クエストの対象となった所有地40を有するプレイヤキャラクタAの獲得する仮想通貨等を、その他のプレイヤキャラクタB?Dの獲得する仮想通貨等よりも多くすることができる。例えば、プレイヤキャラクタAが獲得する仮想通貨を10000ギルとし、プレイヤキャラクタB?Dが獲得する仮想通貨を5000ギルとすることができる。
・・・
【0154】以上に説明したように、第六の実施の形態の一側面として、課題を達成するためのゲームに参加する、第一のプレイヤキャラクタと第二のプレイヤキャラクタのレベルに応じた難易度のクエストが設定されるため、プレイヤキャラクタのレベルに応じたゲームをプレイすることができる。
【0155】また、第六の実施の形態の一側面として、グループ内において、ゲームプレイの時間が長いプレイヤキャラクタを順に特定し、上位のプレイヤキャラクタのレベルに応じたクエストを設定することが可能となるため、課題を達成するために協力してくれる可能性の高いプレイヤキャラクタのレベルに合わせた課題が設定されることになる。
【0156】さらに、第六の実施の形態の一側面として、課題を達成した際にプレイヤキャラクタに追加特典を付与することで、プレイヤキャラクタがパーティを組んでゲームを進める、より強い動機付けを与えることができる。
【0157】第六の実施の形態の一側面として、所有地を育成することで、プレイヤキャラクタが所有地から獲得できる収入が増加したり、アイテムの質を向上させることができ、さらに、所有地に課題が設定されると、自らが育成した思い入れのある所有地からの収入が減少するため、少しでも早く課題を達成して、所有地を元の状態に戻したいというプレイヤの意欲を高めることになる。
【0158】第六の実施の形態において、「第一のプレイヤキャラクタ」とは、例えば、クエストが設定される所有地を有するキャラクタであり、プレイヤにより操作が可能なキャラクタである。ゲームコンセプトに応じて、人型のキャラクタ、動物型のキャラクタ又はロボット型のキャラクタなどから適宜採用することができる。また、第六の実施の形態において、「第一のプレイヤ」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタを操作するプレイヤであり、「第一のクライアント装置」とは、例えば、第一のプレイヤが操作するクライアント装置であり、ゲーム画面を表示する表示装置と、操作指示を入力するための入力部を備えるものである。
【0159】第六の実施の形態において、「第二のプレイヤキャラクタ」とは、例えば、第一のプレイヤと協力関係にあるメンバーから構成されるグループに所属するプレイヤにより操作が可能なキャラクタである。ゲームコンセプトに応じて、人型のキャラクタ、動物型のキャラクタ又はロボット型のキャラクタなどから適宜採用することができる。第六の実施の形態において、「第二プレイヤ」とは、例えば、第二のプレイヤキャラクタを操作するプレイヤであり、「第二のクライアント装置」とは、例えば、第二のプレイヤが操作するクライアント装置であり、ゲーム画面を表示する表示装置と、操作指示を入力するための入力部を備えるものである。
【0160】第六の実施の形態において、「特典」とは、例えば、ゲーム内で利用することができるアイテムや仮想通貨、その他のポイントなどを含む概念であり、これらの中からゲームコンセプトに応じて適宜採用することが可能である。第六の実施の形態において、「所有地」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタがゲーム内で所有する領地であり、街や城、鉱山などの任意の形態をとることができる。プレイヤキャラクタは、この所有地からアイテムや仮想通貨、その他のポイントなどの特典を得ることができる。
【0161】第六の実施の形態において、「課題」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタが所有する所有地において設定される達成すべきクエストであり、ゲーム内コンセプトやゲームのストーリーに応じたクエストを適宜採用することができる。クエストが発生すると、第一のプレイヤキャラクタがこの所有地から獲得することのできる特典が減少し、クエストが達成されると第一のプレイヤキャラクタがこの所有地から獲得することのできる特典も、元の状態に戻る。第六の実施の形態において、「異常状態」とは、例えば、所有地において設定されたクエストが達成されていないため、所有地から獲得できる特典が削減されている状態であり、クエストが達成されることで異常状態を解消することができる。
【0162】第六の実施の形態において、「グループ」とは、複数のプレイヤキャラクタが相互に協力してゲームを進めるための集まりを意味し、「グループ」以外の用語で表現されていてもよい。例えば、「チーム」や「同盟」、「○○国」といったような表現が用いられていてもよい。第六の実施の形態において、「強さの度合い」とは、プレイヤキャラクタの強さを表す「レベル」に対応するものである。
【0163】第六の実施の形態において、「獲得可能なポイント」とは、例えば、敵キャラクタとの仮想戦闘に勝利するか、或いは、所有地からの収入として獲得できる、アイテムの数や仮想通貨の額を含む概念である。これらのアイテムや仮想通貨などで表されるポイントを消費することで、所有地を成長させることが可能となる。第六の実施の形態において、「所有地の成長の度合い」とは、所有地レベルを表す。」

(ク)「【0164】[第七の実施の形態]
図33は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。図示するように、ゲームシステムは、少なくとも2人のプレイヤによって操作される、第一のコンピュータ装置4、第二のコンピュータ装置5とから構成される。第一のコンピュータ装置4及び第二のコンピュータ装置5は、常時接続されていなくてもよく、必要に応じて、接続が可能であればよい。
【0165】図34は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、第一のコンピュータ装置の構成を示すブロック図である。第一のコンピュータ装置4は、特典付与部501と、課題設定部502と、異常状態設定部503と、ゲーム参加部504と、ゲーム進行部505と、異常状態解除部506と、操作指示受付部507とを少なくとも備える。
【0166】特典付与部501は、第一のコンピュータ装置4にて操作が可能な第一のプレイヤキャラクタがゲーム内で所有する所有地に応じて、第一のプレイヤキャラクタにゲーム内で活用が可能な特典を付与する機能を有する。特典付与部501は、異常状態設定部503により所有地に異常状態が設定されている場合は、異常状態の設定されていない場合と比較して特典を減じて付与するか、又は、特典を付与しない。
【0167】課題設定部502は、所有地において達成すべき課題を設定する機能を有する。異常状態設定部503は、課題設定部502により所有地に課題が設定されると、該所有地を、特典付与部501により付与される特典を減じる異常状態、又は、特典を付与しない異常状態に設定する機能を有する。
【0168】ゲーム参加部504は、第二のコンピュータ装置5にて操作が可能な第二のプレイヤキャラクタを、課題設定部502により設定された課題を達成するためのゲームに参加させる機能を有する。ゲーム進行部505は、操作指示受付部507により受け付けられた第一のコンピュータ装置4の入力装置への操作指示、及び、第二のコンピュータ装置5の入力装置への操作指示に応じて、課題設定部502により設定された課題を達成するためのゲームを進行する機能を有する。
【0169】異常状態解除部506は、ゲーム進行部505によりゲームが進行し、課題設定部502により設定された課題が達成されると、異常状態設定部503により設定された異常状態を解除する機能を有する。特典付与部501は、異常状態設定部503により該所有地を異常状態に設定すると、第一のプレイヤキャラクタに該異常状態の設定前と比較して特典を減じて付与する、又は、第一のプレイヤキャラクタに特典を付与しない。
【0170】操作指示受付部507は、プレイヤによる入力装置への操作指示を受け付ける機能を有する。
【0171】第二のコンピュータ装置は、操作指示受付部507とを少なくとも備えており、例えば、図34に示すように、第一のコンピュータ装置と同じ構成を備えていても良い。
【0172】次に、第一のコンピュータ装置4にて実行される、ゲーム進行処理について説明する。図35は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲーム進行処理のフローチャートを表す図である。まず、第一のプレイヤキャラクタが所有する所有地において課題が設定される(ステップS131)と、課題の設定された所有地が異常状態に設定される(ステップS132)。
【0173】次いで、第二のプレイヤキャラクタが、第一のプレイヤキャラクタの所有地において設定された課題を達成するためのゲームに参加し(ステップS133)、ゲームを進行する(ステップS134)。ゲームが進行し、設定された課題が達成される(ステップS135)と、異常状態が解除されて(ステップS136)、一連の処理が終了する。
【0174】次に、第一のコンピュータ装置4にて実行される、特典付与処理について説明する。図36は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、特典付与処理のフローチャートを表す図である。プレイヤキャラクタが所有する所有地に異常状態が設定されていない場合は(ステップS141にてNO)、第一のプレイヤキャラクタにゲーム内で活用が可能な特典が付与される(ステップS142)。一方、所有地に異常状態が設定されている場合は(ステップS141にてYES)、異常状態の設定されていないステップS142の場合と比較して特典を減じて付与するか、又は、特典は付与されない(ステップS143)。
【0175】第七の実施の形態の一側面として、コンピュータ装置とコンピュータ装置がP2P(peer-to-peer)で通信を行ってゲームを進行させるような場合にも、各プレイヤキャラクタがパーティを組んでゲームを進めるための動機づけを与えることができる。
【0176】第七の実施の形態において、「第一のプレイヤキャラクタ」とは、例えば、クエストが設定される所有地を有するキャラクタであり、プレイヤにより操作が可能なキャラクタである。また、第七の実施の形態において、「第一のプレイヤ」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタを操作するプレイヤであり、「第一のコンピュータ装置」とは、例えば、第一のプレイヤが操作するコンピュータ装置であり、ゲーム画面を表示する表示装置と、操作指示を入力するための入力部を備えるものである。
【0177】第七の実施の形態において、「第二のプレイヤキャラクタ」とは、例えば、プレイヤにより操作が可能なキャラクタであり、第一のプレイヤキャラクタの所有地に設定されたクエストを達成するためのゲームに参加するプレイヤキャラクタである。第七の実施の形態において、「第二プレイヤ」とは、例えば、第二のプレイヤキャラクタを操作するプレイヤであり、「第二のコンピュータ装置」とは、例えば、第二のプレイヤが操作するコンピュータ装置であり、ゲーム画面を表示する表示装置と、操作指示を入力するための入力部を備えるものである。
【0178】第七の実施の形態において、「特典」とは、例えば、ゲーム内で利用することができるアイテムや仮想通貨、その他のポイントなどを含む概念であり、これらの中からゲームコンセプトに応じて適宜採用することが可能である。第七の実施の形態において、「所有地」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタがゲーム内で所有する領地であり、街や城、鉱山などの任意の形態をとることができる。
【0179】第七の実施の形態において、「課題」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタが所有する所有地において設定される、達成すべきクエストであり、ゲーム内コンセプトやゲームのストーリーに応じたクエストを適宜採用することができる。第七の実施の形態において、「異常状態」とは、例えば、所有地において設定されたクエストが達成されていないため、所有地から獲得できる特典が削減されている状態であり、クエストが達成されることで異常状態を解消することができる。」

(ケ)「【0180】[第八の実施の形態]
上の第一から第六の実施の形態で述べたような、複数のクライアント装置がサーバ装置を介して通信を行うクライアント?サーバ方式にてゲームが進行される場合とは異なり、コンピュータ装置とコンピュータ装置がP2P(peer-to-peer)で通信を行ってゲームを進行させるような場合について説明をする。
【0181】第八の実施の形態では、複数のコンピュータ装置のうちのいずれか一つのコンピュータ装置がホストとなり、それ以外のコンピュータ装置がゲストとなり、ゲームを進行させる。図37は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲームシステムの構成を示すブロック図である。ゲームシステムは、ホストプレイヤ(プレイヤX)によって操作される一つのホスト装置(第一のコンピュータ装置)4aと、複数のゲストプレイヤ(プレイヤA、B、C)によって操作される複数のゲスト装置(第二のコンピュータ装置)5a、5b及び5cとから構成される。ホスト装置4aは、無線通信によりゲスト装置5a?5cと接続されている。ホスト装置4aはゲスト装置5a?5cのそれぞれと常時接続されていなくてもよく、必要に応じて、接続が可能であればよい。なお、第八の実施の形態におけるホスト装置4a及びゲスト装置5は図19のブロック図で示されるクライアント装置の構成と同じ構成のものを採用することができる。
【0182】第八の実施の形態における、P2P通信による場合のゲーム進行処理について説明する。図38は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、ゲーム進行処理のフローチャートを表す図である。まず、ホスト装置4aとゲスト装置5a?5cが通信を確立し、ゲームが開始される。定期的に、或いは、不定期にゲーム内でイベントが発生すると、各プレイヤキャラクタが所有する所有地40において、攻略すべきクエストが設定される(ステップS151)。プレイヤキャラクタが複数の所有地40を所有している場合は、そのうちのいずれかの所有地40について、ランダムにクエストを設定してもよく、全ての所有地40にクエストを設定することも可能である。ステップS151で設定されるクエストの内容としては、例えば、各所有地40に強力な敵キャラクタ(ボスキャラクタ)を登場させ、このボスキャラクタを倒すことがあげられる。
【0183】ステップS151において、クエストが設定されると、ホスト装置4aからゲスト装置5aへ発生したイベントとクエストの内容が通知され、ゲスト装置5aにてクエストの通知を受信する(ステップS152)。ゲスト装置5aのプレイヤは、表示装置にてクエストの内容を確認することができる。また、クエストの設定された所有地40について、ゲスト装置5aにおける所有地管理テーブルのクエスト未達成フラグが設定される(ステップS153)。クエスト未達成フラグが設定されると、プレイヤキャラクタがその所有地40から獲得していたアイテムや仮想通貨等の収入は減少する。
【0184】例えば、ゲスト装置5aを操作するプレイヤキャラクタAの所有地40にボスキャラクタが出現した場合、プレイヤキャラクタAは、所有地40を通常の状態に回復させるために、ホスト装置4a及びゲスト装置5b、5cに対しパーティへの参加要請を送信する(ステップS154)。ホスト装置4a及びゲスト装置5b、5cにて、ゲスト装置5aからのパーティ参加要請の通知を受信すると(ステップS155)、ホスト装置4a及びゲスト装置5b、5cのそれぞれの表示画面24にプレイヤキャラクタAからパーティ参加要請があった旨のメッセージが表示される。ホスト装置4aにてパーティ参加要請を受諾する旨を入力するか、或いは、ゲスト装置5b、5cがパーティ参加要請を受諾する旨をホスト装置4aに返信すると(ステップS156)、ホスト装置4aのプレイヤXが操作するプレイヤキャラクタXと、ゲスト装置5a?5cのプレイヤA?Cが操作するプレイヤキャラクタA?Cが、パーティのメンバーとして決定される(ステップS157)。
【0185】ステップS157において、パーティのメンバーが決定された後、各プレイヤキャラクタがパーティを組んでプレイヤキャラクタAの所有地40へ移動すると、所有地40内のマップが展開され、各プレイヤキャラクタは所有地40内を自由に移動することが可能となる。パーティが所有地40内を移動し、ボスキャラクタと遭遇すると仮想戦闘が行われる。パーティがボスキャラクタとの仮想戦闘に勝利する、すなわち、所有地に設定されたクエストを達成すると(ステップS158)、ゲスト装置5aの所有地管理テーブルのクエスト未達成フラグが解除され(ステップS159)、一連の処理は終了する。クエスト未達成フラグが解除されると、プレイヤキャラクタXの所有地40は元の状態に戻り、減少していた所有地40からの収入も元の状態に回復する。
【0186】なお、第八の実施の形態における所有地管理テーブルは、図21の所有地管理テーブルと同様のテーブルを採用することができる。この場合、所有地管理テーブルは、自装置のプレイヤキャラクタの所有地に関する情報を記憶するもので、ホスト装置4a及びゲスト装置5のいずれにも設定される。
【0187】図39は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、特典付与処理のフローチャートを表す図である。例えば、毎日、ある所定の時刻になった場合に、所有地から収入が得られるような場合について、説明する。まず、所定の時刻になる(ステップS161)と、所有地管理テーブル60が参照され、プレイヤキャラクタが所有する所有地にクエスト未達成フラグ64が設定されているか否かの判定が行われる(ステップS162)。
【0188】クエスト未達成フラグ64が設定されていない場合は(ステップS162にてNO)、プレイヤキャラクタに収入63が付与される(ステップS163)。一方、所有地にクエスト未達成フラグ64が設定されていない場合は(ステップS162にてYES)、クエスト未達成フラグ64が設定されていない場合、すなわち、異常状態の設定されていないステップS163の場合と比較して、通常の収入63よりも少ない収入がプレイヤキャラクタに付与される(ステップS164)。また、ステップS164にてプレイヤキャラクタが得られる収入を減じる場合、収入そのものを「0」とすることもできる。
【0189】以上に説明したように、第八の実施の形態の一側面として、コンピュータ装置とコンピュータ装置がP2P(peer-to-peer)で通信を行ってゲームを進行させるような場合にも各プレイヤキャラクタ同士がパーティを組んでゲームを進めるための動機づけを与えることができる。
【0190】第八の実施の形態において、「第一のプレイヤキャラクタ」とは、例えば、クエストが設定される所有地を有するキャラクタであり、プレイヤにより操作が可能なキャラクタである。また、第八の実施の形態において、「第一のプレイヤ」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタを操作するプレイヤであり、「第一のコンピュータ装置」とは、例えば、第一のプレイヤが操作するホスト装置であり、ゲーム画面を表示する表示装置と、操作指示を入力するための入力部を備えるものである。
【0191】第八の実施の形態において、「第二のプレイヤキャラクタ」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタと協力関係にあるメンバーから構成されるグループに所属するプレイヤキャラクタである。第八の実施の形態において、「第二プレイヤ」とは、例えば、第二のプレイヤキャラクタを操作するプレイヤであり、「第二のコンピュータ装置」とは、例えば、第二のプレイヤが操作するゲスト装置であり、ゲーム画面を表示する表示装置と、操作指示を入力するための入力部を備えるものである。
【0192】第八の実施の形態において、「特典」とは、例えば、ゲーム内で利用することができるアイテムや仮想通貨、その他のポイントなどを含む概念であり、これらの中からゲームコンセプトに応じて適宜採用することが可能である。第八の実施の形態において、「所有地」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタがゲーム内で所有する領地であり、街や城、鉱山などの任意の形態をとることができる。
【0193】第八の実施の形態において、「課題」とは、例えば、第一のプレイヤキャラクタが所有する所有地において設定される、達成すべきクエストであり、ゲーム内コンセプトやゲームのストーリーに応じたクエストを適宜採用することができる。第八の実施の形態において、「異常状態」とは、例えば、所有地において設定されたクエストが達成されていないため、所有地から獲得できる特典が削減されている状態であり、クエストが達成されることで異常状態を解消することができる。」

イ 当初明細書等の記載から読み取ることができる事項
(ア)上記ア(ア)から読み取ることができる事項
複数のプレイヤキャラクタが協力してプレイすることが可能なネットワークゲームでは、プレイヤキャラクタ同士がパーティを組んでゲームを進行していくことがゲームの楽しみ方の一つであるにもかかわらず、プレイヤキャラクタ同士がパーティを組んでゲームを進めるための動機付けが十分でないことが、発明が解決しようとする課題とされること。

(イ)上記ア(イ)ないし(ケ)から読み取ることができる事項
第一ないし第八の実施の形態のそれぞれにおいて、課題が設定される対象が、所有地とされ、設定された課題を達成するためのゲームが、第二のプレイヤキャラクタが参加し、第一のプレイヤによる第一のプレイヤキャラクタへの操作指示と、第二のプレイヤによる第二のプレイヤキャラクタへの操作指示に応じて、進行するものとされること。

ウ 当初明細書等においては、上記イ(ア)のとおり、複数のプレイヤが一緒にプレイ可能なネットワークゲームが、プレイヤキャラクタ同士がパーティを組む動機付けが十分でない、との発明の課題が生じる前提とされており、単独のプレイヤのみがプレイできるゲームは発明の課題が生じる前提とされていなかった。

エ そして、プレイヤキャラクタ同士がパーティを組む動機付けが十分でない、との発明の課題を解決する手段も、上記イ(イ)のとおり、第一のプレイヤの所有地に設定された課題を達成するためのゲームを、複数のプレイヤが一緒にプレイするものとした点にあり、設定された課題を達成するためのゲームを、単独のプレイヤのみでプレイすることは記載されていなかった。

オ そして、当初明細書等に記載されていた発明の課題が、複数のプレイヤが一緒にプレイ可能なネットワークゲームを前提とした課題であると解されることからすれば、技術常識を考慮しても、設定された課題を達成するためのゲームを、第一のプレイヤキャラクタのみでプレイするゲームとすることが、当初明細書等の記載から自明な事項であるということもできない。

カ また、上記ウないしオで説示した点を差し措いたとしても、当初明細書等に記載されていたのは、上記イ(イ)のとおり、すべての実施形態において一貫して、課題が設定される対象を「所有地」とするゲームのみであり、当初明細書等には、「第一のプレイヤキャラクタが、単独で、所有地とは関係のない自らに課された課題を達成するためのゲームを進行すること」は、一切記載されていなかった。

キ 審判請求人は、令和2年4月6日に提出した意見書において、本願明細書の【0023】の記載から、「プレイヤキャラクタに課題を達成させる必要性を生じさせ、プレイヤキャラクタに課題を達成させたいというプレイヤの意欲を高める」という課題を把握することができ、本願明細書において、課題設定手段により設定された課題を達成するためのゲームとして、複数のプレイヤキャラクタが参加するゲームが前提とされているわけではないとの主張をしている。
審判請求人が主張の根拠とする当初明細書の【0023】には、「第一の実施の形態の一側面として、プレイヤキャラクタは所有地から特典を得ることができるが、プレイヤキャラクタの所有地ごとに達成すべき課題が設定されると、その課題が達成されるまでの間、所有地から付与されていた特典が減ったり、或いは、特典そのものを付与されなくなる。そのため、プレイヤキャラクタに課題を達成させる必要性が生じることになり、他のプレイヤキャラクタをゲームに参加させたいというプレイヤの意欲を高めることができる。」と記載されている。
しかしながら、「プレイヤキャラクタに課題を達成させる必要性が生じる」ことにより、プレイヤキャラクタに課題を達成させたいというプレイヤの意欲が高まるとしても、当初明細書等に記載されていたのは、上記ウないしオで説示したとおり、複数のプレイヤが一緒にプレイ可能なネットワークゲームにおいて、プレイヤキャラクタ同士がパーティを組む動機付けが十分でない、との発明の課題を、第一のプレイヤの所有地に設定された課題を達成するためのゲームを複数のプレイヤが一緒にプレイするものとすることにより、解決するものであって、単独のプレイヤのみでプレイするゲームにおいて、当該プレイヤに設定された課題を達成するためのゲームを単独でプレイするものとすることなど、当初明細書等に記載されていなかったのであるから、複数のプレイヤキャラクタが参加するゲームが前提とされているわけではないとの、審判請求人の主張を採用することはできない。

(3)小括
ア 以上のとおりであるから、本件補正により、本件補正後の請求項1に包含されることとなった、「第一のプレイヤキャラクタが、単独で、自らに課された所有地とは関係のない課題を達成するためのゲームを進行すること」は、当初明細書等に記載がなく、当初明細書等から自明でもないから、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであるため、本件補正は出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでない。

イ 本件補正後の請求項1を引用する請求項2及び3も、「第一のプレイヤキャラクタが、単独で、自らに課された所有地とは関係のない課題を達成するためのゲームを進行すること」を包含するので、請求項2及び3についての本件補正も、出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでない。

ウ 本件補正後の請求項6に記載された事項は、請求項1の「サーバ装置において実行されるゲームプログラム」を、「サーバ装置を備えるゲームシステムの発明」として表現したものであって、請求項1の記載と実質的に同じ内容を特定するものであるから、請求項1と同様に、請求項6についての本件補正も、出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでない。

エ 本件補正後の請求項7に記載された事項は、請求項1の「サーバ装置において実行されるゲームプログラム」を、「クライアント装置において実行されるゲームプログラムの発明」として表現したものであって、請求項1の記載と実質的に同じ内容を特定するものであるから、請求項7についての本件補正も、請求項1と同様に、出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでない。

オ 以上の通りであるから、本件補正は、当初明細書等に記載された事項の範囲内においてするものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。


2 特許法第36条第6項第2号について
請求項1、6及び7には、「特典付与手段が、状態設定手段により付与される特典を減じる又は特典を付与しない状態に設定される前後において、特典を付与するものであって、かつ、状態設定手段により付与される特典を減じる又は特典を付与しない状態に設定されている場合に、第一のプレイヤキャラクタに、該状態の設定前と比較して特典を減じて付与する、又は、特典を付与しない」と記載されている。
上記記載によれば、状態設定手段により設定される前後において特典を付与するものであるとされる特典付与手段が、状態設定手段により設定されている場合に特典を付与しないと解することになるが、当該解釈は不合理である。
本願明細書の【0104】に記載される、「例えば、毎日、ある所定の時刻になった場合に、所有地から収入が得られるような場合」を前提とすれば、請求項1、6及び7における「状態設定手段により付与される特典を減じる又は特典を付与しない状態に設定される前後」との記載が、ゲーム実行中の期間を特定するもので、特典付与手段は、ゲーム実行中に定期的に特典を付与するものであるけれども、状態設定手段による設定がされた場合には、特典付与手段が定期的に付与する特典が、減じて付与される、又は付与されないことが、特定されるものと解することもできよう。しかし、当該前提を欠く以上、結局のところ、特典付与手段が状態設定手段による設定がされた後に、特典を付与するのかしないのかが不明であって、特典付与手段が特典を付与するタイミングがいつなのかを理解することができない。
したがって、本願発明1、6及び7並びに本願発明1を引用する本願発明2ないし5は明確でない。


3 特許法第36条第6項第1号について
(1)本願発明の課題は、明細書の【0004】に記載されているように「ネットワークゲームでは、プレイヤキャラクタ同士がパーティを組んでゲームを進行していくことがゲームの楽しみ方の一つであるにもかかわらず、プレイヤキャラクタ同士がパーティを組んでゲームを進めるための動機づけが十分でないという課題」であるところ、発明の詳細な説明には、発明の課題を解決する手段として、プレイヤキャラクタの所有地ごとに設定された課題を達成するためのゲームが、プレイヤキャラクタが他のプレイヤキャラクタを参加させて行うゲームであることを前提として、当該課題が達成されない限り所有地からプレイヤキャラクタに付与されるべき特典が減少することを通して、プレイヤキャラクタに課題を達成させる必要性を生じさせ、他のプレイヤキャラクタを当該ゲームに参加させたいというプレイヤの意欲を高めるものが記載されている。しかしながら、本願発明1ないし3、6及び7においては、設定された課題を達成するためのゲームが、プレイヤキャラクタが他のプレイヤキャラクタを参加させて行うゲームであることが特定されていないため、当然に発明の課題を解決することはできないことから、本願発明1ないし3、6及び7は、詳細な説明に記載された発明の課題を解決するための手段が反映されたものとはいえない。

(2)審判請求人は、「本願明細書[0023]には、「プレイヤキャラクタは所有地から特典を得ることができるが、プレイヤキャラクタの所有地ごとに達成すべき課題が設定されると、その課題が達成されるまでの間、所有地から付与されていた特典が減ったり、或いは、特典そのものを付与されなくなる。そのため、プレイヤキャラクタに課題を達成させる必要性が生じることになり」と記載されています。この記載から、ゲームにおいて「達成すべき課題」が設定されると、第一のプレイヤキャラクタが得られる特典が減るため、第一のプレイヤキャラクタに「達成すべき課題」を達成させる必要性が生じていることが分かります。さらに、本願明細書[0023]の記載から把握できる「第一のプレイヤキャラクタに「達成すべき課題」を達成させる必要性が生じていること」及び出願時の技術常識を考慮すると、本願明細書から「プレイヤキャラクタに課題を達成させる必要性を生じさせ、プレイヤキャラクタに課題を達成させたいというプレイヤの意欲を高める」という課題を把握することができます」と主張している。
しかしながら、本願明細書の【0023】は、「【0023】第一の実施の形態の一側面として、プレイヤキャラクタは所有地から特典を得ることができるが、プレイヤキャラクタの所有地ごとに達成すべき課題が設定されると、その課題が達成されるまでの間、所有地から付与されていた特典が減ったり、或いは、特典そのものを付与されなくなる。そのため、プレイヤキャラクタに課題を達成させる必要性が生じることになり、他のプレイヤキャラクタをゲームに参加させたいというプレイヤの意欲を高めることができる。」と、出願人が摘示した箇所に続けて「他のプレイヤキャラクタをゲームに参加させたいというプレイヤの意欲を高めることができる。」と記載されるものであるため、審判請求人が指摘するところの「第一のプレイヤキャラクタに「達成すべき課題」を達成させる必要性」は、「他のプレイヤキャラクタをゲームに参加させたいというプレイヤの意欲を高める」ために生じさせる「必要性」と解するべきである。
加えて、【0004】に記載の上記課題が、【発明が解決しようとする課題】として明示的に記載される課題であることを踏まえれば、「本願明細書から「プレイヤキャラクタに課題を達成させる必要性を生じさせ、プレイヤキャラクタに課題を達成させたいというプレイヤの意欲を高める」という課題を把握することができます」との出願人の主張を採用することはできない。

(3)よって、本願発明1ないし3、6及び7は、発明の詳細な説明に記載したものでない。

第4 むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしておらず、本願は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず、さらに、本願は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
したがって、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2020-07-20 
結審通知日 2020-07-21 
審決日 2020-08-11 
出願番号 特願2016-64617(P2016-64617)
審決分類 P 1 8・ 55- WZ (A63F)
P 1 8・ 537- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 彦田 克文  
特許庁審判長 吉村 尚
特許庁審判官 河内 悠
尾崎 淳史
発明の名称 ゲームプログラム、ゲームシステム及びゲーム進行方法  
代理人 特許業務法人ライトハウス国際特許事務所  

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