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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C09D
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C09D
審判 全部申し立て 2項進歩性  C09D
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  C09D
管理番号 1366958
異議申立番号 異議2019-700482  
総通号数 251 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-11-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-06-14 
確定日 2020-08-28 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6442041号発明「光ファイバブラッググレーティングの製造のためのUV硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー光ファイバコーティング及びそれから製造されたファイバ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6442041号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?11、16〕、〔12?14、17〕、〔15、18〕について訂正することを認める。 特許第6442041号の請求項1?5、7?9、11?13、15?17に係る特許を維持する。 特許第6442041号の請求項6、10、14、18に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯

特許第6442041号(以下「本件特許」という。)の請求項1?18に係る特許についての出願は、平成27年7月28日(パリ条約による優先権主張 2014年7月29日(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする特願2017-504405号として特許出願され、平成30年11月30日に特許権の設定登録がされ、同年12月19日に特許掲載公報が発行され、その請求項1?18に係る発明の特許に対し、令和元年6月14日に岡林茂(以下「特許異議申立人」という。)により、特許異議の申立てがされたものである。
特許異議の申立て後の手続の経緯は次のとおりである。

令和元年10月25付け 取消理由通知
令和2年 1月28日 意見書・訂正請求書の提出(特許権者)
同年 2月 4日付け 訂正請求があった旨の通知
同年 3月 2日 意見書の提出(特許異議申立人)
同年 4月28日付け 訂正拒絶理由通知
同年 6月25日 意見書の提出(特許権者)

第2 訂正の適否
1 本件訂正請求の内容

令和2年1月28日付けの訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の「請求の趣旨」は、「特許第6442041号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1?18について訂正することを求める。」というものであり、その内容は、以下の訂正事項1?24からなるものである。

訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「コーティング組成物であって」と記載されているのを、「光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー光ファイバコーティングを製造するためのコーティング組成物であって」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2?5、7?9、11、16も同様に訂正する)。

訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「選択的に」と記載されているのを、「任意成分として」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2?5、7?9、11、16も同様に訂正する)。

訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1に「前記組成物の平均官能性が1より大きい」と記載されているのを、「前記組成物の平均官能性が1より大きく、硬化後の前記コーティング組成物が、厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて10%超のUV透過率、厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて1未満のUV吸光度又は0.04/μm未満の光学吸光度を有し、硬化後の前記コーティング組成物が、15%超の破断伸び及び300?1200MPaの23℃での弾性率を示す」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2?5、7?9、11、16も同様に訂正する)。

訂正事項4
特許請求の範囲の請求項3に「アクリレート官能化シルセスキオキサン成分」と記載されているのを、「前記アクリレートを前記反応性官能基として有する前記シルセスキオキサン成分」に訂正する。

訂正事項5
特許請求の範囲の請求項3に「、前記フリーラジカル硬化性アクリレート又は前記アクリレート官能化シルセスキオキサン成分及び前記フリーラジカル硬化性アクリレートの双方のいずれか」を、「及び前記フリーラジカル硬化性アクリレートの少なくとも1つ」に訂正する。

訂正事項6
特許請求の範囲の請求項3に「メタクリレート、ビニル、ビニルエーテル及びチオールからなる群」と記載されているのを、「メタクリレート及びビニルエーテルからなる群」に訂正する。

訂正事項7
特許請求の範囲の請求項4に「エポキシ官能化シルセスキオキサン成分」と記載されているのを、「前記エポキシを前記反応性官能基として有する前記シルセスキオキサン成分」に訂正する。

訂正事項8
特許請求の範囲の請求項4に「、前記カチオン硬化性エポキシ又は前記エポキシ官能化シルセスキオキサン成分及び前記カチオン硬化性エポキシの両方のいずれか」と記載されているのを、「及び前記カチオン硬化性エポキシの少なくとも1つ」に訂正する。

訂正事項9
特許請求の範囲に記載の請求項6を削除する。

訂正事項10
特許請求の範囲の請求項7に「前記多面体シルセスキオキサンが、アクリロイソブチルシルセスキオキサン、メタクリルイソブチルシルセスキオキサン、メタクリレートシクロヘキシルシルセスキオキサン、メタクリレートイソブチルシルセスキオキサン、メタクリレートエチルシルセスキオキサン、メタクリルエチルシルセスキオキサン、メタクリレートイソオクチルシルセスキオキサン、メタクリルイソオクチルシルセスキオキサン、メタクリルシルセスキオキサンかご型混合物、アクリロシルセスキオキサンかご型混合物、エポキシシクロヘキシルイソブチルシルセスキオキサン、エポキシシクロヘキシルシルセスキオキサン、グリシジルシルセスキオキサン、グリシジルエチルシルセスキオキサン、グリシジルイソブチルシルセスキオキサン、グリシジルイソオクチルシルセスキオキサン、トリグリシジルイソブチルシルセスキオキサン、オクタエポキシシクロヘキシルジメチルシリルシルセスキオキサン、オクタグリシジルジメチルシリルシルセスキオキサン、メルカプトプロピルイソブチルシルセスキオキサン、メルカプトプロピルイソオクチルシルセスキオキサン、二官能性ヘテロかご型又はそれらの組合せ」と記載されているのを、「前記多面体シルセスキオキサンが、アクリロイソブチルシルセスキオキサン、アクリロシルセスキオキサンかご型混合物、エポキシシクロヘキシルイソブチルシルセスキオキサン、エポキシシクロヘキシルシルセスキオキサン、グリシジルシルセスキオキサン、グリシジルエチルシルセスキオキサン、グリシジルイソブチルシルセスキオキサン、グリシジルイソオクチルシルセスキオキサン、トリグリシジルイソブチルシルセスキオキサン、オクタエポキシシクロヘキシルジメチルシリルシルセスキオキサン、オクタグリシジルジメチルシリルシルセスキオキサン又はそれらの組合せ」に訂正する。

訂正事項11
特許請求の範囲の請求項9に「フリーラジカル硬化性アクリレート官能化非シルセスキオキサン成分」と記載されているのを、「前記フリーラジカル硬化性アクリレートを有する非シルセスキオキサン成分」に訂正する。

訂正事項12
特許請求の範囲の請求項10を削除する。

訂正事項13
特許請求の範囲の請求項11に「請求項10に記載」とあるのを、「請求項1に記載」に訂正する。

訂正事項14
特許請求の範囲の請求項12に「紫外線照射を使用して硬化させることができる」と記載されているのを、「光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー光ファイバコーティングであって、紫外線照射を使用して硬化させることができる」に訂正する(請求項12の記載を引用する請求項13、17も同様に訂正する)。

訂正事項15
特許請求の範囲の請求項12に「選択的に」と記載されているのを、「任意成分として」に訂正する(請求項12の記載を引用する請求項13、17も同様に訂正する)。

訂正事項16
特許請求の範囲の請求項12に「平均官能性が1より大きい」と記載されているのを、「平均官能性が1より大きく、前記コーティングが光ファイバ上に、5?82.5マイクロメートルの厚みで配置され、前記コーティングが248nmのUV書込み波長において0.04/μm未満の光学吸光度を有し、前記コーティングが、15%超の破断伸び及び300?1200MPaの23℃での弾性率を示す」に訂正する(請求項12の記載を引用する請求項13、17も同様に訂正する)。

訂正事項17
特許請求の範囲の請求項13に「前記コーティングが光ファイバ上に、5?82.5マイクロメートルの厚みで配置され、前記コーティングが248nmのUV書込み波長において0.04/μm未満の光学吸光度を有し、前記コーティングが1.48?1.50の屈折率を有する」と記載されているのを、「前記コーティングが1.48?1.50の屈折率を有する」に変更する。

訂正事項18
特許請求の範囲の請求項14を削除する。

訂正事項19
特許請求の範囲の請求項15に「紫外線照射を使用して硬化させることができる」と記載されているのを、「光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー光ファイバコーティングの生成方法であって、紫外線照射を使用して硬化させることができる」に訂正する。

訂正事項20
特許請求の範囲の請求項15に「選択的に」と記載されているのを、「任意成分として」に訂正する。

訂正事項21
特許請求の範囲の請求項15に「前記コーティング組成物が光ファイバ上に配置及び硬化され」と記載されているのを、「前記組成物が光ファイバ上に配置及び硬化され」に訂正する。

訂正事項22
特許請求の範囲の請求項15に「1マイクロメート当たり」と記載されているのを、「1マイクロメートル当たり」に訂正する。

訂正事項23
特許請求の範囲の請求項15に「を備える方法」と記載されているのを、「を備え、前記コーティングが、15%超の破断伸び及び300?1200MPaの23℃での弾性率を示す、方法」に変更する。

訂正事項24
特許請求の範囲の請求項18を削除する。

2 検討
(1) 一群の請求項について

訂正事項1?13は、本件訂正前の請求項1?11、16のいずれかの請求項の記載を訂正するものであるところ、請求項2?11、16はそれぞれ請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1?3によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、本件訂正前の請求項1?11、16に対応する本件訂正後の請求項1?11、16は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
また、訂正事項14?18は、本件訂正前の請求項12?14、17のいずれかの請求項の記載を訂正するものであるところ、請求項13、14、17はそれぞれ請求項12を直接的に引用しているものであって、訂正事項14?16によって記載が訂正される請求項12に連動して訂正されるものである。したがって、本件訂正前の請求項12?14、17に対応する本件訂正後の請求項12?14、17は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
また、訂正事項19?24は、本件訂正前の請求項15、または、18の記載を訂正するものであるところ、請求項18は請求項15を直接的に引用しているものであって、訂正事項19?23によって記載が訂正される請求項15に連動して訂正されるものである。したがって、本件訂正前の請求項15、18に対応する本件訂正後の請求項15、18は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。

そして、本件訂正は、請求項1?18について請求されているから、本件訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項ごとになされたものである。

(2) 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア 訂正事項1について
本件訂正前の請求項1に係る発明では、「コーティング組成物であって」として、コーティング組成物がいかなるためのものであるかについては何ら特定されていない。
これに対して、本件訂正後の請求項1は、「光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー光ファイバコーティングを製造するためのコーティング組成物であって」との記載によりコーティング組成物がいかなるためのものであるかについて明らかにすることで、コーティング組成物をより具体的に特定し、さらに限定するものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

また、訂正事項1は、発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

また、訂正事項1は、願書に添付した明細書の段落【0001】の「光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー(write-through)光ファイバコーティング及びそれから製造されたファイバがここに開示される」などの記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

イ 訂正事項2ついて
本件訂正前の請求項1につき、取消理由通知書において「本件特許発明1は、「選択的に、紫外線照射を使用して硬化させることができ、フリーラジカル硬化性アクリレート、カチオン硬化性エポキシ及びカチオン硬化性ビニルエーテルからなる群から選択される1つ以上の反応性官能基を有する共反応性非シルセスキオキサンモノマー及び/又はオリゴマーを備え」を発明特定事項として備えるものであるところ、「選択的に」が、この記載よりも後に記載されているどの事項とどの事項を選択することを意味しているのかが不明である。」と記載されていたところ、本件訂正後の請求項1は、「選択的に」との記載に代えて「任意成分として」との記載を用いることにより、当該発明特定事項中に特定された成分が任意成分であることを明らかにし、もって当該発明特定事項に関する記載を明瞭とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

また、訂正事項2は、願書に添付した明細書の段落【0022】の「上記のように、コーティング組成物は、UV硬化性シルセスキオキサンに加えて、組成物が1より大きい、好ましくは2より大きい、及び好ましくは3より大きい組み合わせられた平均官能性を有し得る更なる非シルセスキオキサンモノマー及び/又はオリゴマーを含んでもよく、これはコーティング組成物を架橋可能とする。モノマー及び/又はオリゴマーはコーティングのUV開始硬化を可能とし、下記化学分類:a)任意の非アクリレート共反応性成分(例えば、チオール、ビニルエーテル又はメタクリレート)を伴うフリーラジカル硬化性アクリレート、b)任意の非エポキシ共反応性部分(例えば、ヒドロキシル)を伴うカチオン硬化性エポキシ、及び/又はc)カチオン硬化性ビニルエーテルの中から選択される反応性官能基を有する。」との記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ウ 訂正事項3について
本件訂正前の請求項1に係る発明では、「前記コーティング組成物が光学物品上に配置及び硬化され」と記載され、コーティング組成物が硬化されることが記載されているものの、硬化後のコーティング組成物のUV透過率等については何ら特定されていない。
これに対して、本件訂正後の請求項1は、「硬化後の前記コーティング組成物が、厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて10%超のUV透過率、厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて1未満のUV吸光度又は0.04/μm未満の光学吸光度を有し、硬化後の前記コーティング組成物が、15%超の破断伸び及び300?1200MPaの23℃での弾性率を示す」との記載により、硬化後のコーティング組成物についてUV透過率、UV吸光度又は光学吸光度、及び弾性率を具体的に特定することにより、コーティング組成物をより具体的に特定し、さらに限定するものである。
したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

また、訂正事項3は、発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

また、訂正事項3について、願書に添付した明細書の段落【0025】に「厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて10%以上の硬化後のコーティング組成物のUV光透過率(すなわち、波長248nmにおいて0.04/μm未満のUV光吸光度)にするのに有効な量で添加される」、段落【0033】に「コーティングの硬化膜は、光ファイバグレードシリカの破断伸びよりも大きい(5%よりも大きい、好ましくは15%よりも大きい)破断伸びを表わす」、及び、段落【0034】に「コーティングは、硬化させた際、約1.48?約1.50の屈折率を有し、15%大きい破断伸び及び300?1200MPaの23℃での弾性率を表わす」と記載されており、「0.04/μmのUV光吸光度」(段落【0025】)を、厚み25μmにおけるUV吸光度に換算すると、1(=0.04*25)になることを勘案すると、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

エ 訂正事項4について
本件訂正前の請求項3につき、取消理由通知書において「本件特許発明3は、「アクリレート官能化シルセスキオキサン成分」(請求項3の冒頭)を発明特定事項として備えるものであるところ、この成分が、本件特許発明1の「シルセスキオキサン成分」において「1つ以上の反応性官能基」として「アクリレート」を選択した場合の「シルセスキオキサン成分」と同じものを意味するのか、それとも、別の成分を意味するのかが不明である。」と記載されていたところ、本件訂正後の請求項3は、「アクリレート官能化シルセスキオキサン成分」の記載に代えて「前記アクリレートを前記反応性官能基として有する前記シルセスキオキサン成分」との記載を用いることにより、「1つ以上の反応性官能基」として「アクリレート」を選択した場合の「シルセスキオキサン成分」であることを明らかにし、もって当該発明特定事項に関する記載を明瞭とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

また、訂正事項4は、「シルセスキオキサン成分」において「1つ以上の反応性官能基」として「アクリレート」を選択した場合の「シルセスキオキサン成分」と同じものを意味するのか、それとも、別の成分を意味するのかが不明であった表現を「1つ以上の反応性官能基」として「アクリレート」を選択した場合の「シルセスキオキサン成分」であることを明らかにすることにより、別の成分を意味するものとの解釈を排除するものである。
したがって、訂正事項4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

オ 訂正事項5について
本件訂正前の請求項3につき、取消理由通知書において「本件特許発明3は、「前記アクリレート官能化シルセスキオキサン成分及び前記フリーラジカル硬化性アクリレートの双方のいずれか」(下線は、当審が付した。)を発明特定事項として備えるものであるところ、「双方」なのか「いずれか」なのかが不明である。」と記載されていたところ、訂正後の請求項3は、「、前記フリーラジカル硬化性アクリレート又は前記アクリレート官能化シルセスキオキサン成分及び前記フリーラジカル硬化性アクリレートの双方のいずれか」の記載に代えて「及び前記フリーラジカル硬化性アクリレートの少なくとも1つ」との記載を用いることにより、選択的であることを明らかにし、もって当該発明特定事項に関する記載を明瞭とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

また、訂正事項5は、「前記アクリレート官能化シルセスキオキサン成分」及び「前記フリーラジカル硬化性アクリレートの」双方又はいずれかという意図が明らかになるように発明特定事項に関する記載を明瞭とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

カ 訂正事項6について
本件訂正前の請求項3につき、取消理由通知書において「本件特許発明3は、「前記非アクリレート共反応性成分が、メタクリレート、ビニル、ビニルエーテル及びチオールからなる群から選択される」(下線は、当審が付した。)を発明特定事項として備えるものであるところ、「ビニル」は、一般的には基の名称に使用される用語であって化合物名ではない。また、「チオール」は、技術常識に照らして、「共反応性成分」になりえない化合物である。」と記載されていたところ、本件訂正後の請求項3は、「メタクリレート、ビニル、ビニルエーテル及びチオールからなる群」の記載に代えて「メタクリレート及びビニルエーテルからなる群」との記載を用いることにより、「ビニル」及び「チオール」を削除し、もって当該発明特定事項に関する記載を明瞭とするものである。
したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
さらに前記目的に加え、この訂正は、本件訂正前の請求項3に択一的に記載されていた「ビニル」及び「チオール」を削除するものである。
したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮も目的とするものである。

また、訂正事項6は、本件訂正前の請求項3に択一的に記載されていた「ビニル」及び「チオール」を削除したものであり、当該訂正により本件訂正前の請求項3に記載された発明のカテゴリーを変更するものではなく、かつ、本件訂正前の請求項3に記載された発明の対象や目的を変更するものとはならない。
したがって、訂正事項6は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないため、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

また、訂正事項6は、前記のとおり、本件訂正前の請求項3に択一的に記載されていた「ビニル」及び「チオール」を削除したことで、本件訂正前の請求項3の記載を減縮するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

キ 訂正事項7について
本件訂正前の請求項4につき、取消理由通知書において「本件特許発明3は、「アクリレート官能化シルセスキオキサン成分」(請求項3の冒頭)を発明特定事項として備えるものであるところ、この成分が、本件特許発明1の「シルセスキオキサン成分」において「1つ以上の反応性官能基」として「アクリレート」を選択した場合の「シルセスキオキサン成分」と同じものを意味するのか、それとも、別の成分を意味するのかが不明である。したがって、本件特許発明3は、明確ではない。本件特許発明4も、「エポキシ官能化シルセスキオキサン成分」(請求項4の冒頭)を発明特定事項として備えるものであるから、同様の理由で、明確ではない。」と記載されていたところ、本件訂正後の請求項4は、「エポキシ官能化シルセスキオキサン成分」の記載に代えて「前記エポキシを前記反応性官能基として有する前記シルセスキオキサン成分」との記載を用いることにより、「1つ以上の反応性官能基」として「エポキシ」を選択した場合の「シルセスキオキサン成分」であることを明らかにし、もって当該発明特定事項に関する記載を明瞭とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

また、訂正事項7は、「シルセスキオキサン成分」において「1つ以上の反応性官能基」として「エポキシ」を選択した場合の「シルセスキオキサン成分」と同じものを意味するのか、それとも、別の成分を意味するのかが不明であった表現を「1つ以上の反応性官能基」として「エポキシ」を選択した場合の「シルセスキオキサン成分」であることを明らかにすることにより、別の成分を意味するものとの解釈を排除するものである。
したがって、訂正事項7は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ク 訂正事項8について
本件訂正前の請求項3につき、取消理由通知書において「本件特許発明3は、「前記アクリレート官能化シルセスキオキサン成分及び前記フリーラジカル硬化性アクリレートの双方のいずれか」(下線は、当審が付した。)を発明特定事項として備えるものであるところ、「双方」なのか「いずれか」なのかが不明である。」と記載されており、取消理由通知書において言及されていないものの、本件訂正前の請求項4にも同様の記載が存在していたところ、本件訂正後の請求項4は、「、前記カチオン硬化性エポキシ又は前記エポキシ官能化シルセスキオキサン成分及び前記カチオン硬化性エポキシの両方のいずれか」の記載に代えて「及び前記カチオン硬化性エポキシの少なくとも1つ」との記載を用いることにより、選択的であることを明らかにし、もって当該発明特定事項に関する記載を明瞭とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項8は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

また、訂正事項8は、「前記エポキシ官能化シルセスキオキサン成分」及び「前記カチオン硬化性エポキシ」の両方又はいずれかという意図が明らかになるように発明特定事項に関する記載を明瞭とするものである。
したがって、訂正事項8は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ケ 訂正事項9について
訂正事項9は、本件訂正前の請求項6の記載を削除するものである。
したがって、訂正事項9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないため、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

コ 訂正事項10について
本件訂正前の請求項7につき、取消理由通知書において「「前記シルセスキオキサンが、多面体シルセスキオキサンであり、前記多面体シルセスキオキサンが、アクリロイソブチルシルセスキオキサン、メタクリルイソブチルシルセスキオキサン、メタクリレートシクロヘキシルシルセスキオキサン、メタクリレートイソブチルシルセスキオキサン、メタクリレートエチルシルセスキオキサン、メタクリルエチルシルセスキオキサン、メタクリレートイソオクチルシルセスキオキサン、メタクリルイソオクチルシルセスキオキサン、メタクリルシルセスキオキサンかご型混合物、アクリロシルセスキオキサンかご型混合物、エポキシシクロヘキシルイソブチルシルセスキオキサン、エポキシシクロヘキシルシルセスキオキサン、グリシジルシルセスキオキサン、グリシジルエチルシルセスキオキサン、グリシジルイソブチルシルセスキオキサン、グリシジルイソオクチルシルセスキオキサン、トリグリシジルイソブチルシルセスキオキサン、オクタエポキシシクロヘキシルジメチルシリルシルセスキオキサン、オクタグリシジルジメチルシリルシルセスキオキサン、メルカプトプロピルイソブチルシルセスキオキサン、メルカプトプロピルイソオクチルシルセスキオキサン、二官能性ヘテロかご型又はそれらの組合せからなる群から選択される」を発明特定事項として備えるものであるところ、本件特許発明7が引用する本件特許発明1の「シルセスキオキサン」は、「1つ以上の反応性官能基がアクリレート、ビニルエーテル又はエポキシからなる群から選択される」ものであって、「反応性官能基」が「メタクリレート」や「メタクリル」や「メルカプト」である場合を包含していない」と記載され、「また、「二官能性」は、反応性官能基が2つであることのみを特定するものであって、反応性官能基の種類には限定がないと解される」と記載され、「上記選択肢には、本件特許発明1の「シルセスキオキサン」に該当しないものが含まれている」と記載されていたところ、本件訂正後の請求項7は、選択肢のうち、「本件特許発明1の「シルセスキオキサン」に該当しないもの」を削除し、もって当該発明特定事項に関する記載を明瞭とすることを目的とするものである。
したがって、訂正事項10は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
さらに前記目的に加え、この訂正は、本件訂正前の請求項7に記載されていた、シルセスキオキサンに該当しない選択肢を削除するものである。
したがって、訂正事項10は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮も目的とするものである。

また、訂正事項10は、選択肢のうちの一部を削除することにより、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

また、訂正事項10は、前記のとおり、本件訂正前の本件訂正前の請求項7に記載されていた、シルセスキオキサンに該当しない選択肢を削除したことで、本件訂正前の請求項7の記載を減縮するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

サ 訂正事項11について
本件訂正前の請求項9につき、取消理由通知書において「本件特許発明3は、「アクリレート官能化シルセスキオキサン成分」(請求項3の冒頭)を発明特定事項として備えるものであるところ、この成分が、本件特許発明1の「シルセスキオキサン成分」において「1つ以上の反応性官能基」として「アクリレート」を選択した場合の「シルセスキオキサン成分」と同じものを意味するのか、それとも、別の成分を意味するのかが不明である。したがって、本件特許発明3は、明確ではない。… 本件特許発明9も、「フリーラジカル硬化性アクリレート官能化非シルセスキオキサン成分」(請求項9の冒頭)を発明特定事項として備えるものであるから、同様の理由で、明確ではない。」と記載されていたところ、本件訂正後の請求項9は、「フリーラジカル硬化性アクリレート官能化非シルセスキオキサン成分」の記載に代えて「前記フリーラジカル硬化性アクリレートを有する非シルセスキオキサン成分」との記載を用いることにより、「1つ以上の反応性官能基」として「フリーラジカル硬化性アクリレート」を選択した場合の「非シルセスキオキサン成分」であることを明らかにし、もって当該発明特定事項に関する記載を明瞭とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項11は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

また、訂正事項11は、任意成分として「フリーラジカル硬化性アクリレート」を選択した場合の「非シルセスキオキサン成分」と同じものを意味するのか、それとも、別の成分を意味するのかが不明であった表現を「フリーラジカル硬化性アクリレート」を選択した場合の「非シルセスキオキサン成分」であることを明らかにすることにより、別の成分を意味するものとの解釈を排除するものである。
したがって、訂正事項11は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

シ 訂正事項12について
訂正事項12は、本件訂正前の請求項10の記載を削除するものである。
したがって、訂正事項12は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないため、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

ス 訂正事項13について
訂正事項13は、本件訂正前の請求項11が本件訂正前の請求項10を引用する記載であったものを、訂正事項12によって本件訂正前の請求項10が削除されることにともなって、請求項1を引用する記載に訂正しようとするものである。
また、本件訂正前の請求項10には、「前記コーティング組成物が、厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて10%超のUV透過率、厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて1未満のUV吸光度又は0.04/μm未満の光学吸光度を有する、請求項1に記載のコーティング組成物。」と記載されており、本件訂正後の請求項1には、本件訂正(訂正事3。上記ウを参照。)により「硬化後の前記コーティング組成物が、厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて10%超のUV透過率、厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて1未満のUV吸光度又は0.04/μm未満の光学吸光度を有し」という記載が加入されるものである。
これらの記載を対比すると、本件訂正前の請求項10には、「前記コーティング組成物」が硬化後のものであることについて明記されていないのに対し、請求項1に加入される記載には、「前記コーティング組成物」が硬化後のものであることについて明記されている点を除き、両者は実質的に一致している。
しかしながら、本件特許に係る発明は、光ファイバブラッググレーティングの製造のためのUV硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー光ファイバコーティングに係るもの(発明の名称等を参照。)であるから、ライトスルー法で光ファイバブラッググレーティングの製造が行われる際、すなわち、硬化後のコーティングにおけるUV吸光度などの物性が重要であり、また、硬化前のUV吸光度などの物性を特定することには何も意味がないものであると認められる。
したがって、本件訂正前の請求項10の「前記コーティング組成物」が硬化後のものを意味していたと解することが合理的である。
そうすると、本件訂正後の請求項1は、本件訂正前の請求項10(本件訂正前の請求項10が備えていた事項を全て備えているもの)に相当するといえる。
したがって、訂正事項13は、その引用していた請求項10が、訂正事項12にともなって削除されてしまうため、記載が不明瞭になることを解消することを目的とするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

また、訂正事項13は、その引用していた請求項10が、訂正事項12にともなって削除されてしまうため、記載が不明瞭になることを解消することを目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、カテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

セ 訂正事項14について
本件訂正前の請求項12に係る発明では、「紫外線照射を使用して硬化させることができる」として、コーティング組成物がいかなるためのものであるかについては何ら特定されていない。
これに対して、本件訂正後の請求項1は、「光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー光ファイバコーティングであって」との記載によりコーティング組成物がいかなるためのものであるかについて明らかにすることで、コーティング組成物をより具体的に特定し、さらに限定するものである。
したがって、訂正事項14は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

また、訂正事項14は、発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

また、訂正事項14は、例えば、願書に添付した明細書の段落【0001】の「光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー(write-through)光ファイバコーティング及びそれから製造されたファイバがここに開示される」との記載に基づくものである。したがって、訂正事項14は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ソ 訂正事項15について
本件訂正前の請求項12につき、取消理由通知書において「本件特許発明1は、「選択的に、紫外線照射を使用して硬化させることができ、フリーラジカル硬化性アクリレート、カチオン硬化性エポキシ及びカチオン硬化性ビニルエーテルからなる群から選択される1つ以上の反応性官能基を有する共反応性非シルセスキオキサンモノマー及び/又はオリゴマーを備え」を発明特定事項として備えるものであるところ、「選択的に」が、この記載よりも後に記載されているどの事項とどの事項を選択することを意味しているのかが不明である。… また、本件特許発明12、15も「選択的に」を発明特定事項として備えるものであるから、同様の理由により明確でない」と記載されていたところ、本件訂正後の請求項12は、「選択的に」との記載に代えて「任意成分として」との記載を用いることにより、当該発明特定事項中に特定された成分が任意成分であることを明らかにし、もって当該発明特定事項に関する記載を明瞭とするものである。
したがって、訂正事項15は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

また、訂正事項15は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

また、訂正事項15は、段落【0022】の「上記のように、コーティング組成物は、UV硬化性シルセスキオキサンに加えて、組成物が1より大きい、好ましくは2より大きい、及び好ましくは3より大きい組み合わせられた平均官能性を有し得る更なる非シルセスキオキサンモノマー及び/又はオリゴマーを含んでもよく、これはコーティング組成物を架橋可能とする。モノマー及び/又はオリゴマーはコーティングのUV開始硬化を可能とし、下記化学分類:a)任意の非アクリレート共反応性成分(例えば、チオール、ビニルエーテル又はメタクリレート)を伴うフリーラジカル硬化性アクリレート、b)任意の非エポキシ共反応性部分(例えば、ヒドロキシル)を伴うカチオン硬化性エポキシ、及び/又はc)カチオン硬化性ビニルエーテルの中から選択される反応性官能基を有する。」等の記載に基づくものである。したがって、訂正事項15は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

タ 訂正事項16について
本件訂正前の請求項12に係る発明では、「前記コーティング組成物が光学物品上に配置及び硬化され」と記載され、コーティング組成物が硬化されることが記載されているものの、硬化後のコーティング組成物の光学吸光度等については何ら特定されていない。
これに対して、本件訂正後の請求項12は、「前記コーティングが光ファイバ上に、5?82.5マイクロメートルの厚みで配置され、前記コーティングが248nmのUV書込み波長において0.04/μm未満の光学吸光度を有し、前記コーティングが、15%超の破断伸び及び300?1200MPaの23℃での弾性率を示す」との記載により、硬化後のコーティング組成物について光学吸光度、破断伸び及び弾性率を具体的に特定することにより、コーティング組成物をより具体的に特定し、さらに限定するものである。
したがって、訂正事項16は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

また、訂正事項16は、発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

また、訂正事項16について、願書に添付した明細書の段落【0010】には、「5?82.5マイクロメートル(μm)、好ましくは30?40マイクロメートルのコーティング厚においてファイバブラッググレーティングのライトスルー製造が可能となり」と記載されており、段落【0025】には、「厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて10%以上の硬化後のコーティング組成物のUV光透過率(すなわち、波長248nmにおいて0.04/μm未満のUV光吸光度)にするのに有効な量で添加される」と記載され、さらに段落【0031】には、「コーティング組成物は、厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて10%超のUV透過率、厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて1未満のUV吸光度又は0.04/μm未満の光学吸光度を有する」と記載され、段落【0033】には、「コーティングの硬化膜は、光ファイバグレードシリカの破断伸びよりも大きい(5%よりも大きい、好ましくは15%よりも大きい)破断伸びを表わす」、段落【0034】には、「コーティングは、硬化させた際、約1.48?約1.50の屈折率を有し、15%大きい破断伸び及び300?1200MPaの23℃での弾性率を表わす」と記載されている。
したがって、「0.04/μmのUV光吸光度」(段落【0025】)を、厚み25μmにおけるUV吸光度に換算すると、1(=0.04*25)になること、硬化後のコーティング組成物のUV光吸光度が硬化前よりも大きくなることはないと予測できることも勘案すると、訂正事項16は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

チ 訂正事項17について
訂正事項17は、本件訂正前の請求項13において「前記コーティングが光ファイバ上に、5?82.5マイクロメートルの厚みで配置され、前記コーティングが248nmのUV書込み波長において0.04/μm未満の光学吸光度を有し、前記コーティングが1.48?1.50の屈折率を有する」と記載されているのを、「前記コーティングが1.48?1.50の屈折率を有する」に変更するものである。
この訂正は、請求項13が引用する請求項12に対して訂正事項16の訂正を行うことによって「前記コーティングが光ファイバ上に、5?82.5マイクロメートルの厚みで配置され、前記コーティングが248nmのUV書込み波長において0.04/μm未満の光学吸光度を有し、」との特定の重複が解消することを目的とするものである。
したがって、訂正事項17は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

また、訂正事項17は、同じ内容の特定が重複することを解消するためのものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

ツ 訂正事項18について
訂正事項18は、本件訂正前の請求項14の記載を削除するものである。
したがって、訂正事項18は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないため、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

テ 訂正事項19について
本件訂正前の請求項15に係る発明では、「紫外線照射を使用して硬化させることができる」として、コーティング組成物がいかなるためのものであるかについては何ら特定されていない。
これに対して、本件訂正後の請求項15は、「光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー光ファイバコーティングの生成方法であって」との記載によりコーティング組成物がいかなるためのものであるかについて明らかにすることで、コーティング組成物をより具体的に特定し、さらに限定するものである。
したがって、訂正事項19は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

また、訂正事項19は、発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

また、訂正事項19は、例えば、願書に添付した明細書の段落【0001】の「光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー(write-through)光ファイバコーティング及びそれから製造されたファイバがここに開示される」との記載に基づくものである。したがって、訂正事項19は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ト 訂正事項20について
本件訂正前の請求項15につき、取消理由通知書において「本件特許発明1は、「選択的に、紫外線照射を使用して硬化させることができ、フリーラジカル硬化性アクリレート、カチオン硬化性エポキシ及びカチオン硬化性ビニルエーテルからなる群から選択される1つ以上の反応性官能基を有する共反応性非シルセスキオキサンモノマー及び/又はオリゴマーを備え」を発明特定事項として備えるものであるところ、「選択的に」が、この記載よりも後に記載されているどの事項とどの事項を選択することを意味しているのかが不明である。… また、本件特許発明12、15も「選択的に」を発明特定事項として備えるものであるから同様の理由により、明確ではない」と記載されていたところ、本件訂正後の請求項15は、「選択的に」との記載に代えて「任意成分として」との記載を用いることにより、当該発明特定事項中に特定された成分が任意成分であることを明らかにし、もって当該発明特定事項に関する記載を明瞭とするものである。
したがって、訂正事項20は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

また、訂正事項20は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

さらに、訂正事項20は、願書に添付した明細書の段落【0022】の「上記のように、コーティング組成物は、UV硬化性シルセスキオキサンに加えて、組成物が1より大きい、好ましくは2より大きい、及び好ましくは3より大きい組み合わせられた平均官能性を有し得る更なる非シルセスキオキサンモノマー及び/又はオリゴマーを含んでもよく、これはコーティング組成物を架橋可能とする。モノマー及び/又はオリゴマーはコーティングのUV開始硬化を可能とし、下記化学分類:a)任意の非アクリレート共反応性成分(例えば、チオール、ビニルエーテル又はメタクリレート)を伴うフリーラジカル硬化性アクリレート、b)任意の非エポキシ共反応性部分(例えば、ヒドロキシル)を伴うカチオン硬化性エポキシ、及び/又はc)カチオン硬化性ビニルエーテルの中から選択される反応性官能基を有する。」等の記載に基づくものである。したがって、訂正事項20は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ナ 訂正事項21について
本件訂正前の請求項15につき、「を備える組成物」との記載に対して、「前記コーティング組成物」と記載されており、明白な誤記を含んでいたところ、本件訂正後の請求項15は、「前記コーティング組成物」との記載に代えて「前記組成物」との記載を用いることにより、誤記を訂正するものである。
したがって、訂正事項21は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。

また、訂正事項21は、誤記の訂正を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

ニ 訂正事項22について
本件訂正前の請求項15につき、「1マイクロメート当たり」と記載されており、明白な誤記を含んでいたところ、本件訂正後の請求項15は、「1マイクロメート当たり」との記載に代えて「1マイクロメートル当たり」との記載を用いることにより、誤記を訂正するものである。
したがって、訂正事項22は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものである。

また、訂正事項22は、誤記の訂正を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

ヌ 訂正事項23について
本件訂正前の請求項15に係る発明では、「組成物を硬化させて」と記載され、コーティング組成物が硬化されることが記載されているものの、硬化後のコーティングの破断伸び及び弾性率については何ら特定されていない。
これに対して、本件訂正後の請求項1は、「を備え、前記コーティングが、15%超の破断伸び及び300?1200MPaの23℃での弾性率を示す、方法」との記載により、硬化後のコーティングについて破断伸び及び弾性率を具体的に特定することにより、コーティングをより具体的に特定し、さらに限定するものである。
したがって、訂正事項23は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

また、訂正事項23は、発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。

さらに、訂正事項23は、例えば、願書に添付した明細書の段落【0033】の「コーティングの硬化膜は、光ファイバグレードシリカの破断伸びよりも大きい(5%よりも大きい、好ましくは15%よりも大きい)破断伸びを表わす」、段落【0034】の「コーティングは、硬化させた際、約1.48?約1.50の屈折率を有し、15%大きい破断伸び及び300?1200MPaの23℃での弾性率を表わす」との記載に基づくものである。
したがって、訂正事項23は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。

ネ 訂正事項24について
訂正事項24は、本件訂正前の請求項18の記載を削除するものである。
したがって、訂正事項24は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないため、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。

(3) 特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであること

本件訂正においては、本件訂正前の全ての請求項である請求項1?18に対して特許異議の申立てがされているので、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の規定は課されない。

3 まとめ
以上総括するに、訂正事項1?24は、特許法第120条の5第2項ただし書第1?3号に掲げる事項を目的とするものであり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5、6項の規定に適合するものである。
したがって、本件特許の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、本件訂正後の請求項〔1?11、16〕、〔12?14、17〕、〔15、18〕について訂正することを認める。

第3 本件訂正発明

本件訂正は上記のとおり認められたので、本件訂正後の特許第6442041号の請求項1?18に係る発明(以下「本件訂正発明1」?「本件訂正発明18」ともいい、まとめて「本件訂正発明」ともいう。)は、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1?18に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】
光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー光ファイバコーティングを製造するためのコーティング組成物であって、
紫外線照射を使用して硬化させることができる1つ以上の反応性官能基を有するシルセスキオキサン成分であって、前記1つ以上の反応性官能基がアクリレート、ビニルエーテル又はエポキシからなる群から選択される、シルセスキオキサン成分、及び
任意成分として、紫外線照射を使用して硬化させることができ、フリーラジカル硬化性アクリレート、カチオン硬化性エポキシ及びカチオン硬化性ビニルエーテルからなる群から選択される1つ以上の反応性官能基を有する共反応性非シルセスキオキサンモノマー及び/又はオリゴマーを備え、前記コーティング組成物が光学物品上に配置及び硬化され、前記光学物品が光ファイバ又は光平板導波路のうちの少なくとも一方であり、前記組成物の平均官能性が1より大きく、硬化後の前記コーティング組成物が、厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて10%超のUV透過率、厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて1未満のUV吸光度又は0.04/μm未満の光学吸光度を有し、硬化後の前記コーティング組成物が、15%超の破断伸び及び300?1200MPaの23℃での弾性率を示す、コーティング組成物。
【請求項2】
前記シルセスキオキサン成分が、多面体かご型構造体、はしご型構造体、ランダム構造体又はそれらの組合せを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アクリレートを前記反応性官能基として有する前記シルセスキオキサン成分及び前記フリーラジカル硬化性アクリレートの少なくとも1つが、非アクリレート共反応性成分を有し、前記非アクリレート共反応性成分が、メタクリレート及びビニルエーテルからなる群から選択される、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項4】
前記エポキシを前記反応性官能基として有する前記シルセスキオキサン成分及び前記カチオン硬化性エポキシの少なくとも1つが、共反応性ヒドロキシル含有成分を更に備える、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項5】
前記シルセスキオキサンは、式1?3:
【化1】


に示された構造体又はそれらの組合せのうちの少なくとも1つを有し、
Rが反応性官能基であるか、又は前記組成物中に存在する他の化学種との化学的適合性を容易にする非反応性基であり、各Rが独立して同じであっても異なっていてもよく、前記非反応性基がC_(1)?C_(24)の直鎖、分岐鎖又は環状アルキル、脂肪族又は脂環式のエーテル又はポリエーテル、脂肪族又は脂環式のエステル又はポリエステル、脂肪族又は脂環式のシロキサン又はポリシロキサン、脂肪族又は脂環式のカーボネート又はポリカーボネート、脂肪族又は脂環式のフルオロカーボン、ハロカーボン、脂肪族又は脂環式のウレタンエーテル、ウレタンエステル又はウレタンカーボネートを含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
前記シルセスキオキサンが、多面体シルセスキオキサンであり、前記多面体シルセスキオキサンが、アクリロイソブチルシルセスキオキサン、アクリロシルセスキオキサンかご型混合物、エポキシシクロヘキシルイソブチルシルセスキオキサン、エポキシシクロヘキシルシルセスキオキサン、グリシジルシルセスキオキサン、グリシジルエチルシルセスキオキサン、グリシジルイソブチルシルセスキオキサン、グリシジルイソオクチルシルセスキオキサン、トリグリシジルイソブチルシルセスキオキサン、オクタエポキシシクロヘキシルジメチルシリルシルセスキオキサン、オクタグリシジルジメチルシリルシルセスキオキサン又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項8】
25℃で1,000?40,000センチポイズの粘度を有する、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項9】
前記フリーラジカル硬化性アクリレートを有する非シルセスキオキサン成分が、ポリウレタンアクリレートである、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項10】
(削除)
【請求項11】
前記光学吸光度が、248nmにおいて0.02/μm未満である、請求項10に記載のコーティング組成物。
【請求項12】
光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー光ファイバコーティングであって、
紫外線照射を使用して硬化させることができる1つ以上の反応性官能基を有するシルセスキオキサン成分であって、前記1つ以上の反応性官能基がアクリレート、ビニルエーテル又はエポキシからなる群から選択される、シルセスキオキサン成分、及び
任意成分として、紫外線照射を使用して硬化させることができ、フリーラジカル硬化性アクリレート、カチオン硬化性エポキシ及びカチオン硬化性ビニルエーテルからなる群から選択される1つ以上の反応性官能基を有する共反応性非シルセスキオキサンモノマー及び/又はオリゴマーを備えるコーティング組成物の反応生成物を備え、前記コーティング組成物が光学物品上に配置及び硬化され、前記光学物品が光ファイバ又は光平板導波路のうちの少なくとも一方であり、硬化させる前の前記コーティング組成物の平均官能性が1より大きく、前記コーティングが光ファイバ上に、5?82.5マイクロメートルの厚みで配置され、前記コーティングが248nmのUV書込み波長において0.04/μm未満の光学吸光度を有し、前記コーティングが、15%超の破断伸び及び300?1200MPaの23℃での弾性率を示す、コーティング。
【請求項13】
前記コーティングが1.48?1.50の屈折率を有する、請求項12に記載のコーティング。
【請求項14】
(削除)
【請求項15】
光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー光ファイバコーティングの生成方法であって、
紫外線照射を使用して硬化させることができる1つ以上の反応性官能基を有するシルセスキオキサン成分であって、前記1つ以上の反応性官能基がアクリレート、ビニルエーテル又はエポキシからなる群から選択される、シルセスキオキサン成分、及び
任意成分として、紫外線照射を使用して硬化させることができ、フリーラジカル硬化性アクリレート、カチオン硬化性エポキシ及びカチオン硬化性ビニルエーテルからなる群から選択される1つ以上の反応性官能基を有する共反応性非シルセスキオキサンモノマー及び/又はオリゴマー
を備える組成物を光ファイバ又は光導波路上に配置する工程であって、前記コーティング組成物が光ファイバ上に配置及び硬化され、硬化させる前の前記シルセスキオキサン成分及び前記共反応性非シルセスキオキサンモノマーの平均官能性が1より大きい、工程、並びに
紫外線照射を使用して前記組成物を硬化させて248nmの紫外線書込み波長において1マイクロメート当たり0.04未満の光学吸光度能を示すコーティングを生成する工程
を備え、前記コーティングが、15%超の破断伸び及び300?1200MPaの23℃での弾性率を示す、方法。
【請求項16】
光開始剤を更に含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項17】
光開始剤を更に含む、請求項12に記載のコーティング。
【請求項18】
(削除)」

第4 取消理由
本件訂正前の請求項1?18に係る特許に対して、当審が令和元年10月25日付けで特許権者に通知した取消理由は、以下の理由1?6である。

理由1
本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、本件特許は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

理由2
本件特許の明細書の発明の詳細な説明の記載は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないから、本件特許は、特許法第36条第4項第1号の規定に違反してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

理由3
本件特許の請求項1?3、5?8、12、16、17に係る発明は、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物(甲1、4)に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本件特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。

理由4
本件特許の請求項1?3、5、6、12、16、17に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物(引用文献A)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものである。
したがって、本件特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。

理由5
本件特許の請求項1?3、5、6、8、12、16、17に係る発明は、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物(引用文献A)に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、本件特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。

理由6
本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、本件特許は、特許法第36条第6項第1号の規定に違反してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

<刊行物>
特開2006-215447号公報(特許異議申立人が提出した甲第1号証。以下、「甲1」ともいう。)
特開2009-256662号公報(特許異議申立人が提出した甲第4号証。以下、「甲4」ともいう。)
特開平4-31806号公報(以下、「引用文献A」ともいう。)

第5 当審が通知した取消理由についての判断
1 理由1(明確性要件)について
(1) 理由1の概要

理由1の概要は、概ね下記ア?クのとおりである。なお、本件訂正前の特許第6442041号の請求項1?18に係る発明を、以下「本件特許発明1」?「本件特許発明18」ともいい、まとめて「本件特許発明」ともいう。


本件特許発明1は「前記組成物の平均官能性」を発明特定事項として備えるものであるが、「平均官能性」の意味(例えば、その定義や測定方法など)が明確ではないので、本件特許発明1は、明確ではない。
同様の理由により、本件特許発明12、15及び本件特許発明1、12、15のいずれかを、直接または間接的に引用する本件特許発明2?11、13、14、16?18も、明確ではない。


本件特許発明1の「選択的に」が、この記載よりも後に記載されているどの事項とどの事項を選択することを意味しているのかが不明であるから、本件特許発明1は、明確ではない。
同様の理由により、本件特許発明12、15及び本件特許発明1、12、15のいずれかを、直接または間接的に引用する本件特許発明2?11、13、14、16?18も、明確ではない。


本件特許発明3の「アクリレート官能化シルセスキオキサン成分」(請求項3の冒頭)と、本件特許発明1の「シルセスキオキサン成分」において「1つ以上の反応性官能基」として「アクリレート」を選択した場合の「シルセスキオキサン成分」と同じものを意味するのか、それとも、別の成分を意味するのかが不明であるから、本件特許発明3は、明確ではない。
本件特許発明4も、「エポキシ官能化シルセスキオキサン成分」(請求項4の冒頭)を発明特定事項として備えるものであるから、同様の理由で、明確ではない。
本件特許発明9も、「フリーラジカル硬化性アクリレート官能化非シルセスキオキサン成分」(請求項9の冒頭)を発明特定事項として備えるものであるから、同様の理由で、明確ではない。


本件特許発明3の「双方のいずれか」は、「双方」なのか「いずれか」なのかが不明である。


本件特許発明3は、「前記非アクリレート共反応性成分が、メタクリレート、ビニル、ビニルエーテル及びチオールからなる群から選択される」(下線は、当審が付した。)を発明特定事項として備えるものであるところ、「ビニル」は、一般的には基の名称に使用される用語であって化合物名ではない。また、「チオール」は、技術常識に照らして、「共反応性成分」になりえない化合物である。
したがって、この記載の意味するところが不明であるから、本件特許発明3は、明確ではない。


本件特許発明6は、「前記反応性官能基が、ホモポリマー又はコポリマー上に、骨格の骨格鎖に沿って配置されているか、あるいは前記骨格の外にペンダント基として配置されている」を発明特定事項として備えるものであるところ、「ホモポリマー又はコポリマー」が何を意味しているのか(例えば、具体的な物質名など)が不明であるから、本件特許発明6は、明確ではない。


本件特許発明6は、「前記反応性官能基が、ホモポリマー又はコポリマー上に、骨格の骨格鎖に沿って配置されているか、あるいは前記骨格の外にペンダント基として配置されている」を発明特定事項として備えるものであるところ、「骨格の骨格鎖に沿って配置されている」という配置がどのような配置を意味しているのか(前記骨格の外にペンダント基として配置されているとの違いも含む)不明であるから、本件特許発明6は、明確ではない。


本件特許発明7の「前記シルセスキオキサン」の選択肢には、本件特許発明7が引用する本件特許発明1の「シルセスキオキサン」の「シルセスキオキサン」に該当しないものが含まれているので、本件特許発明7は、明確ではない。

(2) 理由1についての判断
アについて
「平均官能性」の意味について、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)には、例えば、その定義や測定方法や測定例などが一切記載されていない。
「平均官能性」という用語は、平均値を算出する対象の物質について、「当該物質に含まれている官能基の総数を、当該物質に含まれている分子の総数で割った値」を意味するものであると解することが合理的であり、本件訂正発明1の「前記組成物の平均官能性」において、平均値を算出する対象の物質は、「前記組成物」であると認められる。
また、本件訂正発明1の組成物は、シルセスキオキサン成分及び任意成分を備えることが特定されているだけであって、これらの成分以外の成分として、例えば、光開始剤や各種の添加剤などの反応性官能基を備えていない物質を含んでいてもよいものである(本件特許の明細書の【0013】、【0026】、【0029】)。したがって、本件訂正発明1の「前記組成物の平均官能性」は、光開始剤などの添加剤も含めて本件訂正発明1の組成物に含まれている全ての物質の総分子数で、組成物中に含まれている反応性官能基の総数を割った値を意味するものであると解することが文言上素直な解釈である。
しかしながら、特許権者は、令和2年1月28日付けの意見書(9頁19行?10頁末行)、同年6月25日付け意見書(5頁8行?7頁1行)で、「官能基の総数を、当該官能基を有する物質の総数で割った値」を意味するものであると解するべきであると主張しているので、本件特許明細書の記載及び技術常識に基づいてこのような解釈をする余地があるか検討する。

本件訂正発明1の組成物は、当該組成物を構成する成分について、シルセスキオキサン成分及び任意成分(紫外線照射を使用して硬化させることができ、フリーラジカル硬化性アクリレート、カチオン硬化性エポキシ及びカチオン硬化性ビニルエーテルからなる群から選択される1つ以上の反応性官能基を有する共反応性非シルセスキオキサンモノマー及び/又はオリゴマー)を備えることが特定されているだけであるが、本件特許明細書の記載を総合すると、光開始剤などの添加剤を除き、実質的にシルセスキオキサン成分及び任意成分からなる組成物であると認められる。
そうすると、「平均官能性」を算出する対象の物質(「前記組成物」)は実質的にシルセスキオキサン成分及び任意成分のみからなるものであって、官能基を有していない物質を実質的に含んでいないのであるから、特許権者が主張する「官能基の総数を、当該官能基を有する物質の総数で割った値」を計算する対象として不自然なところはない。
一方、上記の「文言上素直な解釈」は、当技術分野において、光開始剤などの添加剤も含めて平均官能性の値を算出している従来技術が見当たらない点で不自然な解釈である。

以上のとおりであるから、本件訂正発明1の「前記組成物の平均官能性」という記載は、一見複数の解釈をする余地があるものの、「シルセスキオキサン成分及び任意成分に含まれている官能基の総数を、シルセスキオキサン成分及び任意成分の合計の分子数で割った値」を意味するものであると解することが合理的であると認められる。
したがって、本件訂正発明1の「平均官能性」意味が、明確ではないとはいえない。

同様の理由により、本件特許発明12、15及び、本件特許発明1、12、15のいずれかを、直接または間接的に引用する本件特許発明2?11、13、14、16?18も、明確ではないとはいえない。

イ?クについて
イ?クの取消理由については、いずれも、これらを明確にする訂正(対応する訂正事項は、下記のとおり。)がそれぞれ行われた結果、解消していると認められる。各訂正事項の内容については、上記「第2 1」を参照。

イは、本件特許発明1、12、15の「選択的に」の意味が明確ではないことに関するものであるところ、それぞれ、訂正事項2、15、20により訂正されたことにより、本件特許発明1、12、15は、いずれも明確になった。
ウは、請求項3、4、9の冒頭(「アクリレート官能化シルセスキオキサン成分」などの記載)部分の記載の意味が明確ではないことに関するものであるところ、それぞれ、訂正事項4、7、11により訂正されたことにより、本件特許発明3、4、9は、いずれも明確になった。
エは、本件特許発明3の「双方のいずれか」の意味が明確ではないことに関するものであるところ、訂正事項5により訂正されたことにより、本件特許発明3は、明確になった。
なお、本件特許発明4の「両方のいずれか」についても、訂正事項8により同様の訂正がなされたことにより、本件特許発明4も、明確になった。
オは、本件特許発明3の「前記非アクリレート共反応性成分」の選択肢に、当該成分に該当しないものが含まれていたことに関するものであるところ、訂正事項6により訂正されたことにより、本件特許発明3は、明確になった。
カ、キは、本件特許発明6に関するものであるところ、訂正事項9により本件特許発明6は削除された。
クは、本件特許発明7の「前記シルセスキオキサン」の選択肢に、当該成分に該当しないものが含まれていたことに関するものであるところ、訂正事項10により訂正されたことにより、本件特許発明7は、明確になった。

(3) 理由1についての小括
以上のとおりであるから、理由1のア?クのいずれによっても、本件訂正発明の少なくともいずれかが明確ではないとすることはできないから、理由1によって本件特許を取り消すべきものとすることはできない。

2 理由2(実施可能要件)について
(1) 理由2の概要
理由2の概要は、概ね以下のとおりである。


理由1のとおり、本件特許発明は、明確ではないから、当業者といえども、具体的に実施した発明が本件特許発明に該当するのか否かを確認することができないため、発明の詳細な説明は、当業者が本件特許発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものであるとはいえない。

本件特許発明10及び11の「コーティング組成物」は、UV透過率、UV吸光度又は光学吸光度が特定の数値範囲に限定されているものであるが、どのような手段を適用することによりこれを充足する組成物にすることができるのか、実施例6、7を含めた発明の詳細な説明の記載をみても理解できず、発明の詳細な説明に説明等が記載されていなくても、上記の発明特定事項を充足する組成物にすることができるといえる技術常識もないから、発明の詳細な説明の記載は、本件特許発明10及び11を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものではない。

本件特許発明13の「コーティング」は、光学吸光度及び屈折率が特定の数値範囲に限定されているものであるが、どのような手段を適用することによりこれを充足する組成物にすることができるのか、実施例6、7を含めた発明の詳細な説明の記載をみても理解できず、発明の詳細な説明に説明等が記載されていなくても、上記の発明特定事項を充足する組成物にすることができるといえる技術常識もないから、発明の詳細な説明の記載は、本件特許発明10及び11を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものではない。

本件特許発明14の「コーティング」は、破断伸び及び弾性率が特定の数値範囲に限定されているものであるが、どのような手段を適用することによりこれを充足する組成物にすることができるのか、実施例9を含めた発明の詳細な説明の記載をみても理解できず、発明の詳細な説明に説明等が記載されていなくても、上記の発明特定事項を充足する組成物にすることができるといえる技術常識もないから、発明の詳細な説明の記載は、本件特許発明10及び11を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものではない。を示す、請求項12に記載のコーティング」という発明特定事項を備えるものであるが、発明の詳細な説明には、本件特許発明14の「コーティング」においてどのような手段を適用することにより上記の発明特定事項を充足する組成物にすることができるのか、説明が一切記載されていない。

(2) 理由2についての判断
ア 検討手法

特許法第36条第4項第1号は、明細書の発明の詳細な説明の記載は、「その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したもの」でなければならないと定めるところ、この規定にいう「実施」とは、物の発明においては、その物を作ることができ、かつ、その物を使用できることである。また、明細書の記載が実施可能要件を満たすといえるためには、明細書にその物を生産する方法及び使用する方法についての具体的な記載が必要であるが、そのような記載がなくても、明細書及び図面の記載並びに出願当時の技術常識に基づき、当業者がその物を作ることができ、かつ、その物を使用できるのであれば、上記の実施可能要件を満たすということができる。また、「使用できる」といえるためには、特許発明に係る物について、例えば発明が目的とする作用効果等を奏する態様で用いることができることを要するというべきである。
以下、上記観点に沿って検討する。

イ 本件特許の願書に添付した明細書の発明の詳細な説明の記載

本件特許の願書に添付した明細書の発明の詳細な説明(以下、「発明の詳細な説明」という。)には以下の記載がある。

「【0014】
(中略)各R基は、重合中にコーティングを硬化させ得る反応性基であってもよく、あるいは、組成物中に存在する他の化学種との化学的適合性を容易にし得る非反応性基であってもよい。重合又は適合を可能にするその役割に加えて、種々のタイプのR基が、他の所望の性質、例えば、可撓性又は剛性、熱安定性、耐薬品性、硬化速度、屈折率等を付与するために選択又は適合され得る。(以下、略)」
「【0025】
モノマー及びオリゴマーは、硬化させるのを目的とするのを除いて、UV光を著しく吸収しないように選択され、コーティング組成物を10?100,000、好ましくは2,000?5,000センチポイズの粘度、厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて10%以上の硬化後のコーティング組成物のUV光透過率(すなわち、波長248nmにおいて0.04/μm未満のUV光吸光度)にするのに有効な量で添加される。一実施形態では、多官能性アクリレートオリゴマーは、コーティング組成物の総重量に基づいて、2?98wt%、好ましくは60?80wt%の量で使用されてもよい。」
「【0043】
実施例2
表1からのPOSSアクリレート及びメタクリレート成分のブレンドが、コーティング配合物の性質、例えば、UV吸光強度、架橋の度合い及び屈折率を適合させる1つのアプローチとして探索された。更に遅い重合速度は望ましくない場合があるため、メタクリレートに対するアクリレートの1より大きいモル比を有するブレンドが、メタクリレートがアクリレートと比較して相対的に遅いホモ重合速度を表わすという一般知識を考慮し、UV吸光度を最小化するために、将来のWTC配合物が低レベルの光開始剤を使用する可能性があることも考慮して優先的に調査された。結果を表2a及び表2bに示す。市販のPOSSアクリレート化成分及びメタクリレート化成分のこれらのブレンドは、予想外に互いに低レベルの相互親和性を表わした。」
「【0045】
実施例3
(中略)イソボルニルアクリレートのIBOA(SR506A、Sartomer)及びトリシクロデカンジメタノールジアクリレートのTCDDMDA(SR833、Sartomer)が、これらの試験用の希釈モノマーとして選択された。双方とも、低いUV吸光度をもたらすと予測される脂環構造体を含有する。双方とも、室温において高いガラス転移点(Tg)及び高い弾性率を付与することが知られている。(以下、略)」
「【0059】
実施例6
(中略)サンプル(6A、6B、6C、6D、6E、6F)が、表6に列記されたように調製された。全てのサンプルは、良好な光学的透明性により証明されたように、液状であるそれらの成分の中でも良好な適合性を示した。最初の4つのサンプルはIrgacure819を利用し、混合後に液体が幾らか黄色掛かったが、サンプル6E及び6FはIrgacure4265を利用し、それらの液体は比較的無色のままであった。」
「【0061】
(中略)248nmのUV波長での種々のサンプルの光学吸光度についての値を表6にまとめる。表6は、比較基準であるライトスルーコーティングAHF116の膜についてのデータを含む。データは、アクリレート系配合物のUV吸光度がUV露光量により強力に影響され、液体から硬化状態に向かって低下することを証明する。UV吸光度は、光開始剤の種類及び量により更に影響を受ける。」
「【0066】
そして、サンプル7A及び7Bは、実施例6で記載された方法を使用して、水晶ディスク間での厚み25マイクロメートルの膜として試験された。248nmのUV波長でのサンプル7A及び7Bの光学吸光度についての値が、比較基準であるライトスルーコーティングAHF116の膜についてのデータと比較して表7にまとめられる。データは、エポキシ系POSS配合物の、より高いレベルで増加するUV吸光度が光開始剤の量によって影響されることを証明する。(以下、略)」
「【0075】
実施例9
この実施例は、特定のPOSS分子を含有する硬化膜の動的弾性率(貯蔵弾性率)を測定するように行った。表8は、試験された3つの本発明の材料の組成物(サンプル9A、9C及び9D)及び1つの比較材料の組成物(サンプル9B)を記載する。図7は、サンプル9A及び9Bの硬化膜の動的弾性率及びtanδ損失スペクトルを示す。POSS含有配合物(サンプル9A)は、平衡弾性率において、UV透過率においてマイナーペナルティーでサンプル9Bを3倍超上回る増加を示す。膜は1J/cm^(2)で硬化され、データは1rad/秒の発振周波数で収集された。」

ウ 検討

アについて
理由2のアは、本件特許発明が明確ではないことを前提とするものであるところ、上記「2(3)」のとおり、本件訂正発明のいずれについても明確ではないとすることはできないから、理由2のアによって本件特許を取り消すべきものとすることはできない。

イ?エについて
発明の詳細な説明(上記「イ 本件特許の願書に添付した明細書の発明の詳細な説明の記載」を参照。)には、市販材料の選択及び複数の材料の配合比の選択によって、「UV透過率」、「UV吸光度」、「光学吸光度」、「屈折率」、「破断伸び」、「弾性率」等の特性を適宜変えることができることが開示されている。
また、発明の実施に用いられ得る材料の調製や特性の計測の具体的な手順などについて、本件特許明細書に実施例が記載されている。
したがって、本件特許明細書の開示に触れた当業者であれば、所望の特性を得るためにいくつかの市販材料を選択し、これらの配合比を選択することは適宜なし得ることであり、その際、実施例に記載されている具体的な配合比や光ファイバのコーティング材料に係る当業者における技術常識を勘案しつつ試作実験等の試行錯誤を適宜行うことで、各発明特定事項を実現するための具体的な材料、配合比等を適宜見いだすことができると認められるから、発明の詳細な説明は、当業者が本件訂正発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものであると認められる。

(3) 理由2についての小括
以上のとおりであるから、理由2のア?エのいずれによっても、本件特許を取り消すべきものとすることはできない。

3 理由3?5について

理由3?5は、いずれも、本件特許発明1?18のうち、一部の発明に係る特許を対象とするものであり、甲1あるいは引用文献Aを主たる刊行物として引用して、それらの特許に係る発明は、新規性あるいは進歩性がないものであるから、それらの発明に係る特許は取り消すべきものであるというものである。
そして、理由3は、本件特許発明1?3、5?8、12、16、17を対象とするものであり、理由4は、本件特許発明1?3、5、6、12、16、17を対象とするものであり、理由5は、本件特許発明1?3、5、6、8、12、16、17を対象とするものであったから、本件特許発明10、14に係る特許は、理由3?5のいずれにおいてもその対象となっていない。
これに対し、本件訂正発明1は、本件訂正(訂正事項3)により、本件特許発明10、14に規定されていた事項を備えるものとなったから、実質的に本件特許発明10あるいは14をさらに限定したものに該当するものとなった。
そうすると、さらに検討するまでもなく、理由3?5のいずれによっても、本件特許を取り消すべきものであるとすることはできない。

4 理由6(サポート要件)について
(1) 理由6の概要
本件特許発明が解決しようとする課題は、光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー(write-through)光ファイバコーティングを製造するための組成物を提供することであると認められるから、本件特許発明の組成物の用途は、「光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー(write-through)光ファイバコーティングを製造するための組成物」に限定されていることを要するものであり、かつ、その解決手段として、(A)UV硬化性であり、(B)機械的に堅牢なファイバグレーティングの高速での製造が可能となるものであり、(C)コーティングは硬化された後に十分に低い紫外線吸光度を有することによって、5?82.5マイクロメートル(μm)、好ましくは30?40マイクロメートルのコーティング厚においてファイバブラッググレーティングのライトスルー製造を可能ならしめるものである、に対応する事項を備えるものに特定されていることを要すると認められるが、本件特許発明1?18は、いずれも、これらの事項を全て備えるものには限定されていない。

(2) 検討
本件訂正により、本件訂正発明1の用途が「光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー光ファイバコーティングを製造するための組成物」に限定されるとともに、「UV硬化性」(上記(A)に該当する。)であるものに限定され(上記「第2 1」の訂正事項1を参照。)、さらに、「UV透過率、UV吸光度又は光学吸光度」(上記(C)に該当する。)と「破断伸び及び弾性率」(上記(B)に該当する。)も限定された(上記「第2 1」の訂正事項3を参照。)。
また、本件訂正発明12、15も、本件訂正により本件訂正発明1と同様の訂正がなされている。
そうすると、本件訂正発明1、12、15、及び、これらのいずれかの発明を直接あるいは間接的に引用する発明は、いずれも、発明の詳細な説明の記載により、その課題を解決することができるものであると理解することができる。

(3) 理由6についての小括
以上のとおりであるから、理由6によって本件特許を取り消すべきものとすることはできない。

第6 取消理由通知(決定の予告)で採用しなかった特許異議の申立ての理由について
1 特許異議申立人が申立てた理由及び提出した証拠

特許異議申立人が申立てた取消理由は、下記の理由A?Fであり、提示した証拠は、下記の甲第1?5号証である。

<取消理由>
理由A(新規性)
本件特許の請求項1?3、5?7、12、16、17に係る発明は、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物(甲1)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないものであり、その特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。

理由B(進歩性)
本件特許の請求項1?9、12、16、17に係る発明は、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物(甲2、1)に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。

理由C(進歩性)
本件特許の請求項1?3、5?8、10?13、15?17に係る発明は、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物(甲3、1)に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。

理由D(進歩性)
本件特許の請求項18に係る発明は、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物(甲1?3のいずれか、及び5)に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。

理由E(サポート要件)
本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、本件特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない出願に対してなされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

理由F(明確性要件)
本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、本件特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない出願に対してなされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。

<証拠>
特開2006-215447号公報(甲第1号証(甲1))
特開2008-38117号公報(甲第2号証。以下、「甲2」ともいう。)
米国特許公開第2013/0139963号(甲第3号証。以下、「甲3」ともいう。)
特開2009-256662号公報(甲第4号証。(甲4))
特表2008-536973号公報(甲第5号証。以下、「甲5」ともいう。)

2 検討
理由A?Fのうち、理由A、E、Fは、取消理由通知で採用あるいは実質的に採用したものである。
また、理由Bは、本件特許発明1?9、12、16、17に係る特許を対象とするものであって、本件特許発明10、14に係る特許は、その対象となっていなかったから、本件特許異議の申立ては、実質的に、本件特許発明10、14などに係る特許と重複する部分については除かれていたと解されるところ、本件訂正発明1は、本件訂正(訂正事項3)により、本件特許発明10、14に規定されていた事項を備えるものとなった。また、本件特許発明12及び15も本件特許発明1と同様の訂正がなされている。
そうすると、さらに検討するまでもなく、理由Bによって、本件特許を取り消すべきものであるとすることはできない。
また、理由Cは、本件特許発明1?3、5?8、10?13、15?17に係る特許を対象とするものであって、本件特許発明14に係る特許は、その対象となっていなかったから、本件特許異議の申立ては、実質的に、本件特許発明14などに係る特許と重複する部分については除かれていたと解されるところ、本件訂正発明1は、本件訂正(訂正事項3)により、本件特許発明14に規定されていた事項を備えるものとなった。また、本件特許発明12及び15も本件特許発明1と同様の訂正がなされている。
そうすると、さらに検討するまでもなく、理由Cによって、本件特許を取り消すべきものであるとすることはできない。
また、理由Dは、本件特許発明18を対象とするものであるが、本件訂正によって本件特許の請求項18は削除された。

3 小括

取消理由通知で採用しなかった特許異議の申立ての理由は、いずれも理由がないか、その対象となる請求項が本件訂正によって(実質的に)削除されたものであるから、これらの理由によって本件特許を取り消すべきものであるとすることはできない。

第7 むすび

以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由のいずれによっても、本件請求項1?5、7?9、11?13、15?17に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1?5、7?9、11?13、15?17に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
さらに、本件請求項6、10、14、18に係る特許異議の申立ては、対象となる請求項が存在しないものとなったから、特許法第120条の8第1項において準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。


 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー光ファイバコーティングを製造するためのコーティング組成物であって、
紫外線照射を使用して硬化させることができる1つ以上の反応性官能基を有するシルセスキオキサン成分であって、前記1つ以上の反応性官能基がアクリレート、ビニルエーテル又はエポキシからなる群から選択される、シルセスキオキサン成分、及び
任意成分として、紫外線照射を使用して硬化させることができ、フリーラジカル硬化性アクリレート、カチオン硬化性エポキシ及びカチオン硬化性ビニルエーテルからなる群から選択される1つ以上の反応性官能基を有する共反応性非シルセスキオキサンモノマー及び/又はオリゴマーを備え、前記コーティング組成物が光学物品上に配置及び硬化され、前記光学物品が光ファイバ又は光平板導波路のうちの少なくとも一方であり、前記組成物の平均官能性が1より大きく、硬化後の前記コーティング組成物が、厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて10%超のUV透過率、厚み25マイクロメートル及び波長248nmにおいて1未満のUV吸光度又は0.04/μm未満の光学吸光度を有し、硬化後の前記コーティング組成物が、15%超の破断伸び及び300?1200MPaの23℃での弾性率を示す、コーティング組成物。
【請求項2】
前記シルセスキオキサン成分が、多面体かご型構造体、はしご型構造体、ランダム構造体又はそれらの組合せを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記アクリレートを前記反応性官能基として有する前記シルセスキオキサン成分及び前記フリーラジカル硬化性アクリレートの少なくとも1つが、非アクリレート共反応性成分を有し、前記非アクリレート共反応性成分が、メタクリレート及びビニルエーテルからなる群から選択される、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項4】
前記エポキシを前記反応性官能基として有する前記シルセスキオキサン成分及び前記カチオン硬化性エポキシの少なくとも1つが、共反応性ヒドロキシル含有成分を更に備える、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項5】
前記シルセスキオキサンは、式1?3:
【化1】

に示された構造体又はそれらの組合せのうちの少なくとも1つを有し、
Rが反応性官能基であるか、又は前記組成物中に存在する他の化学種との化学的適合性を容易にする非反応性基であり、各Rが独立して同じであっても異なっていてもよく、前記非反応性基がC_(1)?C_(24)の直鎖、分岐鎖又は環状アルキル、脂肪族又は脂環式のエーテル又はポリエーテル、脂肪族又は脂環式のエステル又はポリエステル、脂肪族又は脂環式のシロキサン又はポリシロキサン、脂肪族又は脂環式のカーボネート又はポリカーボネート、脂肪族又は脂環式のフルオロカーボン、ハロカーボン、脂肪族又は脂環式のウレタンエーテル、ウレタンエステル又はウレタンカーボネートを含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
前記シルセスキオキサンが、多面体シルセスキオキサンであり、前記多面体シルセスキオキサンが、アクリロイソブチルシルセスキオキサン、アクリロシルセスキオキサンかご型混合物、エポキシシクロヘキシルイソブチルシルセスキオキサン、エポキシシクロヘキシルシルセスキオキサン、グリシジルシルセスキオキサン、グリシジルエチルシルセスキオキサン、グリシジルイソブチルシルセスキオキサン、グリシジルイソオクチルシルセスキオキサン、トリグリシジルイソブチルシルセスキオキサン、オクタエポキシシクロヘキシルジメチルシリルシルセスキオキサン、オクタグリシジルジメチルシリルシルセスキオキサン又はそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項8】
25℃で1,000?40,000センチポイズの粘度を有する、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項9】
前記フリーラジカル硬化性アクリレートを有する非シルセスキオキサン成分が、ポリウレタンアクリレートである、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項10】
(削除)
【請求項11】
前記光学吸光度が、248nmにおいて0.02/μm未満である、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項12】
光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー光ファイバコーティングであって、
紫外線照射を使用して硬化させることができる1つ以上の反応性官能基を有するシルセスキオキサン成分であって、前記1つ以上の反応性官能基がアクリレート、ビニルエーテル又はエポキシからなる群から選択される、シルセスキオキサン成分、及び
任意成分として、紫外線照射を使用して硬化させることができ、フリーラジカル硬化性アクリレート、カチオン硬化性エポキシ及びカチオン硬化性ビニルエーテルからなる群から選択される1つ以上の反応性官能基を有する共反応性非シルセスキオキサンモノマー及び/又はオリゴマーを備えるコーティング組成物の反応生成物を備え、前記コーティング組成物が光学物品上に配置及び硬化され、前記光学物品が光ファイバ又は光平板導波路のうちの少なくとも一方であり、硬化させる前の前記コーティング組成物の平均官能性が1より大きく、前記コーティングが光ファイバ上に、5?82.5マイクロメートルの厚みで配置され、前記コーティングが248nmのUV書込み波長において0.04/μm未満の光学吸光度を有し、前記コーティングが、15%超の破断伸び及び300?1200MPaの23℃での弾性率を示す、コーティング。
【請求項13】
前記コーティングが1.48?1.50の屈折率を有する、請求項12に記載のコーティング。
【請求項14】
(削除)
【請求項15】
光ファイバブラッググレーティングの製造のための紫外線(UV)硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー光ファイバコーティングの生成方法であって、
紫外線照射を使用して硬化させることができる1つ以上の反応性官能基を有するシルセスキオキサン成分であって、前記1つ以上の反応性官能基がアクリレート、ビニルエーテル又はエポキシからなる群から選択される、シルセスキオキサン成分、及び
任意成分として、紫外線照射を使用して硬化させることができ、フリーラジカル硬化性アクリレート、カチオン硬化性エポキシ及びカチオン硬化性ビニルエーテルからなる群から選択される1つ以上の反応性官能基を有する共反応性非シルセスキオキサンモノマー及び/又はオリゴマー
を備える組成物を光ファイバ又は光導波路上に配置する工程であって、前記組成物が光ファイバ上に配置及び硬化され、硬化させる前の前記シルセスキオキサン成分及び前記共反応性非シルセスキオキサンモノマーの平均官能性が1より大きい、工程、並びに
紫外線照射を使用して前記組成物を硬化させて248nmの紫外線書込み波長において1マイクロメートル当たり0.04未満の光学吸光度能を示すコーティングを生成する工程
を備え、前記コーティングが、15%超の破断伸び及び300?1200MPaの23℃での弾性率を示す、方法。
【請求項16】
光開始剤を更に含む、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項17】
光開始剤を更に含む、請求項12に記載のコーティング。
【請求項18】
(削除)
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2020-08-18 
出願番号 特願2017-504405(P2017-504405)
審決分類 P 1 651・ 536- YAA (C09D)
P 1 651・ 121- YAA (C09D)
P 1 651・ 537- YAA (C09D)
P 1 651・ 113- YAA (C09D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 田澤 俊樹  
特許庁審判長 天野 斉
特許庁審判官 木村 敏康
蔵野 雅昭
登録日 2018-11-30 
登録番号 特許第6442041号(P6442041)
権利者 オーエフエス ファイテル,エルエルシー
発明の名称 光ファイバブラッググレーティングの製造のためのUV硬化性シルセスキオキサン含有ライトスルー光ファイバコーティング及びそれから製造されたファイバ  
代理人 岡部 洋  
代理人 吉澤 弘司  
代理人 岡部 讓  
代理人 三村 治彦  
代理人 三宅 高志  
代理人 岡部 讓  
代理人 特許業務法人太陽国際特許事務所  
代理人 三村 治彦  
代理人 三宅 高志  
代理人 吉澤 弘司  
代理人 岡部 洋  
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