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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B01J
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B01J
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B01J
管理番号 1366986
異議申立番号 異議2019-700259  
総通号数 251 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-11-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-04-04 
確定日 2020-10-12 
異議申立件数
事件の表示 特許第6403658号発明「低シリカ/アルミナ比を有する菱沸石ゼオライト触媒」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6403658号の請求項1?12に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第6403658号の請求項1?12に係る特許についての出願は、2009年(平成21年)11月 5日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2008年(平成20年)11月 6日 アメリカ合衆国(US)、2009年(平成21年)11月 4日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特願2011-534913号の一部を、平成27年11月20日に新たな特許出願としたものであって、平成30年 9月21日に特許権の設定登録がされ、平成30年10月10日に特許掲載公報が発行された。その後、その請求項1?12に係る特許について2件の特許異議の申立てがあり、次のとおりに手続きが行われた。

平成31年 4月 4日 特許異議申立人 岩部 英臣(以下、「申立人 1」という。)による特許異議の申立て 平成31年 4月10日 特許異議申立人 堀 久美子(以下、「申立人 2」という。)による特許異議の申立て
令和 1年 8月 5日付け 取消理由通知
令和 1年11月 6日 特許権者による意見書の提出
令和 1年12月 9日 申立人2による上申書の提出
令和 2年 1月 9日付け 取消理由通知(決定の予告)
令和 2年 2月 7日 申立人2による上申書の提出
令和 2年 4月14日 特許権者による意見書の提出
令和 2年 5月12日 申立人2による上申書の提出
令和 2年 6月29日 申立人2による上申書の提出


第2 本件発明
特許第6403658号の請求項1?12の特許に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」・・・「本件発明12」といい、まとめて「本件発明」という。)は、設定登録時の特許請求の範囲の請求項1?12に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】
基材上に配置され、NOxを低下させるように機能するCHA結晶構造を有するゼオライトからなる触媒物品であって、前記ゼオライトは、銅で修飾され、15未満のシリカ/アルミナのモル比を有し、0.5質量パーセント未満のアルカリ含有量を有し、当該アルカリ含有量は、ゼオライト中にカチオンとして存在するナトリウムおよびカリウムのそれぞれの酸化物に対する質量%を基準とする、触媒物品。
【請求項2】
前記ゼオライトは、非合成の、天然に存在するゼオライトを含む、請求項1に記載の触媒物品。
【請求項3】
前記ゼオライトは、10未満のシリカ/アルミナのモル比を有する、請求項1に記載の触媒物品。
【請求項4】
白金族成分をさらに含む、請求項1に記載の触媒物品。
【請求項5】
前記基材は、すすフィルタである、請求項1に記載の触媒物品。
【請求項6】
前記すすフィルタは、ウォールフロー基材を含む、請求項5に記載の触媒物品。
【請求項7】
前記基材は、ハニカムフロースルー基材を含む、請求項1に記載の触媒物品。
【請求項8】
請求項1?7のうちのいずれか1項に記載の触媒物品を含む、排気ガス処理システム。
【請求項9】
前記触媒物品の上流で前記触媒物品と流体連通している酸化触媒およびすすフィルタをさらに含む、請求項8に記載の排気ガス処理システム。
【請求項10】
ガス流中のNOxを低下させる方法であって、請求項1に記載の触媒物品と前記ガス流を接触させることを含む方法。
【請求項11】
請求項1?7のうちのいずれか1項に記載の触媒物品を製造する方法であって、アンモニウム塩溶液を用いて、初期アルカリ含有量の前記CHA結晶構造を有するゼオライトのアルカリ形態をイオン交換し、前記アルカリ含有量を低下させ、
前記低下したアルカリ含有量の前記イオン交換したゼオライトを焼成し、焼成ゼオライトを得、
次いで、アルカリ含有量をさらに低下させるために、溶液を用いて前記焼成ゼオライトをイオン交換し、15未満のシリカ/アルミナのモル比および0.5質量パーセント未満のアルカリ含有量を有するゼオライトを得、
さらに、銅溶液を用いて金属イオン交換を行い、金属促進性のゼオライトを得ることを特徴とする触媒物品の製造方法。
【請求項12】
前記焼成を、少なくとも350℃の温度で、少なくとも1時間行う請求項11に記載の方法。」


第3 取消理由の概要
1 令和 2年 1月 9日付けの取消理由通知(決定の予告)について
本件発明1?12に対して、令和 2年 1月 9日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、以下のとおりである。

(サポート要件)本件特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
具体的には、要するに、本件明細書の発明の詳細な説明に記載された実施例は、CHAゼオライトからなる触媒物品として、「シリカ/アルミナのモル比」が、5.5(実施例1)及び7.26(実施例3)のものしか記載されておらず、比較対照とされている「標準Fe-β技術」の詳細も不明であるから、本件発明は、発明の詳細な説明の記載により、発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲のものであるということはできないというものである。

2 令和 1年 8月 5日付けの取消理由通知について
本件発明1?12に対して、上記1の取消理由の他に、令和 1年 8月 5日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、以下のとおりである。

(進歩性)本件発明1?10は、甲2-1に記載された発明及び甲2-1に記載された技術事項に基いて、また、本件発明11、12は、甲2-1に記載された発明並びに甲2-1及び甲2-4に記載された技術事項に基いて、それぞれ当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(引用文献)
甲2-1:国際公開第2008/106519号
(対応日本語公報:特表2010-519038号(甲2-10 ))
甲2-4:尾崎萃 他編、「触媒調製化学」、1980年、p.66-69
(なお、甲2-1、甲2-4及び甲2-10は、それぞれ申立人2が提出した甲第1号証、甲第4号証及び甲第10号証である。)

第4 取消理由(サポート要件違反)についての当審の判断
1 サポート要件(特許法第36条第6項第1号)について
特許請求の範囲の記載が、明細書のサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か(以下では、両範囲をまとめて「当業者において課題解決できると認識できる範囲」という。)を検討して判断すべきものであると解される。
以下、この観点に立って、改めてサポート要件について検討をする。

2 特許請求の範囲の記載
特許請求の範囲の記載は、上記第2のとおりである。

3 発明の詳細な説明の記載
摘記は省略するが、本件明細書の発明の詳細な説明には、技術分野(【0001】、【0002】)、背景技術(【0003】?【0005】)、発明の概要(【0006】?【0013】)、発明を実施するための形態(【0015】?、【0044】)及び実施例(【0045】?【0066】)について記載され、図1?4Cには、本件発明に従って作製された新鮮な及び熟成したCuSynCHAのSCR触媒物品の、温度に対するNOx変換(%)の標準化されたデータを、Fe-βのSCR触媒物品と比較して表したグラフなどが示されている。

4 「当業者において課題解決できると認識できる範囲」について
(1)本件発明の課題及び技術常識について
上記3の発明の詳細な説明の記載中には、項目立てして本件発明の課題について記載した箇所はないが、当該課題に関連する記載として、【0016】に次の記載を認めることができる。
・「出願者は、本明細書で開示されるプロセスによって作製された触媒物品が、広い温度範囲にわたって優れた熱水安定性および高い触媒活性を示すことを見出した。」
この記載などに照らすと、本件発明の課題は、広い温度範囲にわたって優れた熱水安定性及び高い触媒活性を示す触媒物品の提供にあると解するのが相当である。
また、同段落には、次の記載がある。
・「以前は、低Si/Al比のCHAゼオライトはNOx還元触媒として使用されるのに十分なNOx変換および/または熱水安定性を示さないと考えられていた。」
この記載から、逆に、高Si/Al比のCHAゼオライトについては、従来より、十分なNOx変換性(高い触媒活性)および熱水安定性(優れた熱水安定性)を示するものとして、当業者間で認知されていたと解するのが合理的である。

(2)本件発明の課題に関連する記載について
ア 本件発明の課題に係る特性、すなわち、熱水安定性及び触媒活性に着目しながら、発明の詳細な説明を子細にみると、まず、実施例以外の記載の中から、次の記載を認めることができる。
・「【0016】・・・1つもしくは複数の本発明の実施形態によれば、低アルカリ含有量の低Si/Al比のCHAゼオライトは、良好な熱水安定性および少なくとも約50%を超えるNOx変換を示す。」
・「【0017】本明細書で示す触媒物品を調製するために使用されたゼオライトは、CHA結晶構造を有する。特定の実施形態では、CHAゼオライトのSi/Al比は低く、より具体的にはSSZ-13CHAのものより低い。CHAゼオライトのSi/Al比は、具体的には約15未満、より具体的には約10未満、さらに具体的には約5未満である。・・・1つもしくは複数の実施形態では、CHAゼオライトは低Si/Al比および低アルカリ含有量も有する。・・・1つもしくは複数の実施形態では、このようなCHAゼオライトは、NOx還元触媒としての使用に良好な熱水安定性およびNOx変換を示す。」
・「【0022】本発明の一態様では、低Si/Al比を有するCuNatCHAおよびCuSynCHAが比較的低いアルカリ含有量を提供する。一実施形態では、アルカリ含有量は約6質量パーセント未満であり、より具体的には約3質量パーセント未満、約2質量パーセント未満、約1質量パーセント未満、約0.5質量パーセント未満、約0.1質量パーセント未満、または0.05質量パーセント未満の量で存在する。・・・ゼオライトのアルカリ酸化物質量パーセントの減少は、低Si/Al比および低アルカリ含有量のCuNatCHAおよびCuSynCHAを提供し、排気ガス流中のNOxを少なくとも約50%超減少させることを示す。」
・「【0023】1つもしくは複数の実施形態では、触媒物品は低Si/Al比(例えば、15または10未満)を有するCuNatCHAまたはCuSynCHAが、比較的低いアルカリ含有量(例えば、約6質量パーセント、3質量パーセント、1質量パーセント、または0.5質量パーセント未満)で、シリカ/アルミナ比が15より高く、例えばSSZ-13のようなCHA結晶構造を有するゼオライトと混合されたものも提供することを含む。この混合物は所望のNOx還元および熱水安定性を得るために任意の好適な各ゼオライト量を含むことができる。」
これらの記載から、本件発明が課題としている優れた熱水安定性及び高い触媒活性を得るためには、低Si/Al比及び低アルカリ含有量のCu-CHAであることが重要であることを理解することができる。

イ また、発明の詳細な説明の実施例をみると、実施例1(段落【0046】?【0049】、特に段落【0048】参照)として、Si/Al比:5.5、アルカリ含有量:0.08質量%のCu-CHAが、実施例3(段落【0054】?【0059】、特に段落【0056】参照)として、Si/Al比:7.26、アルカリ含有量:0.17質量%のCu-CHAがそれぞれ記載され、実施例2(段落【0050】?【0052】、図1)および実施例4(段落【0060】?【0062】、図2、3)には、これらのCu-CHAは、優れた熱水安定性および高い触媒活性を示す触媒物品であることが示されている。
ここで、当該実施例2、4においては、比較対象として、標準Fe-β技術が用いられ、その詳細は明らかにされていないものの、当業者は、これが従来の標準的な触媒物品(本件発明の従来品として特許権者が認知しているもの)であることを理解することができるのであるから、当該実施例2、4により、当業者において、上記実施例1、2に係る触媒物品は、上記課題を解決できるものと認識できるというべきである。

(3)「当業者において課題解決できると認識できる範囲」の認定
上記(2)イのとおり、発明の詳細な説明の実施例の記載から、Si/Al比:5.5、アルカリ含有量:0.08質量%、及び、Si/Al比:7.26、アルカリ含有量:0.17質量%のCu-CHAについて、当業者は、本件発明の課題を解決することができるものと認識できるといえる。
そして、上記(1)の技術常識に照らすと、これらのCu-CHAよりもSi/Al比が高いものについても同様に、本件発明の課題を解決することができるというべきであるし、これらのCu-CHAよりもSi/Al比が低いものについても、CHA結晶構造を前提とする以上、Si/Al比の下限値はおのずと定まり、その下限値が上記実施例のSi/Al比から遠くかけ離れた値となるとは言い難いから、本件発明の課題を解決することができると解すべきである。
そうすると、上記実施例の記載や技術常識などに照らすと、上記実施例に記載された特定のCu-CHAと同等の特性を発現し、もって、当業者が本件発明の課題が解決できると認識できる範囲として、本件発明1が規定するような、Si/Al比が15未満、アルカリ含有量が0.5質量パーセント未満のCu-CHAを認めることができるから、結局、「当業者において課題解決できると認識できる範囲」は、本件発明1の範囲を包含するものと解するのが合理的である。また、本件発明2?12についても同様である。

5 サポート要件適合性について
上記1の判断手法に照らして、上記2の特許請求の範囲の記載と上記3の発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、上記4の「当業者において課題解決できると認識できる範囲」のものであるか否かを検討すると、上記4(3)のとおり、本件発明1?12は、「当業者において課題解決できると認識できる範囲」のものであるといえるから、本件の特許請求の範囲の記載は、サポート要件に適合するものである。

6 小活
以上のとおり、サポート要件違反に係る取消理由には理由がない。


第5 取消理由(進歩性欠如)についての当審の判断
1 各引用文献の記載事項
(1)甲2-1の記載事項
甲2-1には、以下の記載がある(「」内の訳は、対応する日本語公報である甲2-10の日本語訳を参考にした)。

1a「[0003] Zeolites are aluminosilicate crystalline materials having rather uniform pore sizes which, depending upon the type of zeolite and the type and amount of cations included in the zeolite lattice, typically range from about 3 to 10 Angstroms in diameter. Both synthetic and natural zeolites and their use in promoting certain reactions, including the selective reduction of nitrogen oxides with ammonia in the presence of oxygen, are well known in the art.
・・・・・
[0006] Aspects of the invention are directed to zeolites that have the CHA crystal structure (as defined by the International Zeolite Association), catalysts comprising such zeolites, and exhaust gas treatments incorporating such catalysts. The catalyst may be part of an exhaust gas treatment system used to treat exhaust gas streams, especially those emanating from gasoline or diesel engines.
[0007] One embodiment of the present invention pertains to copper CHA catalysts and their application in exhaust gas systems such as those designed to reduce nitrogen oxides. In specific embodiments, novel copper chabazite catalysts are provided which exhibit improved NH_(3 )SCR of NOx. The copper chabazite catalysts made in accordance with one or more embodiments of the present invention provide a catalyst material which exhibits excellent hydrothermal stability and high catalytic activity over a wide temperature range. When compared with other zeolitic catalysts that find application in this field, such as Fe Beta zeolites, copper CHA catalyst materials according to embodiments of the present invention offer improved low temperature activity and hydrothermal stability.」
([0003]
ゼオライトは、ゼオライトのタイプ及びゼオライト格子中に含まれるカチオンの量に依存し、そして代表例では、直径が約3?10オングストロームの、比較的均一な孔径を有するアルミノシリケート結晶材料である。合成ゼオライトと天然ゼオライトの両方、及び所定の反応(反応は、酸化窒素とアンモニアを酸素の存在下に反応させる選択的反応を含む)を促進するための、その使用は、この技術分野で公知である。
・・・・・
[0006]
本発明は、(International Zeolite Assosiationによって定義された)CHA結晶構造を有するゼオライト、このようなゼオライトを含む触媒、及びこのような触媒を組込んだ排気ガス処理(装置)に関する。この触媒は、排気ガス流(特にガソリン又はディーゼルエンジンから放出される排気ガス流)を処理するために使用される排気ガス処理システムの一部であって良い。
[0007]
本発明の一実施の形態は、銅CHA触媒及び(酸化窒素を還元するために設計されたもののような)排気ガスシステムにおける、その使用に関する。特定の実施の形態では、(NO_(X)の改良されたNH_(3)SCRを示す)新規の銅菱沸石触媒が提供される。本発明の一つ以上の実施の形態に従い製造された銅菱沸石触媒は、熱水での卓越した安定性、及び広い温度範囲における高い触媒活性を示す触媒材料を提供する。)

1b「SUBSTRATES
[0044] The catalyst compositions are disposed on a substrate. The substrate may be any of those materials typically used for preparing catalysts, and will usually comprise a ceramic or metal honeycomb structure. Any suitable substrate may be employed, such as a monolithic substrate of the type having fine, parallel gas flow passages extending therethrough from an inlet or an outlet face of the substrate, such that passages are open to fluid flow therethrough (referred to as honeycomb flow through substrates). The passages, which are essentially straight paths from their fluid inlet to their fluid outlet, are defined by walls on which the catalytic material is disposed as a washcoat so that the gases flowing through the passages contact the catalytic material. The flow passages of the monolithic substrate are thin- walled channels, which can be of any suitable cross-sectional shape and size such as trapezoidal, rectangular, square, sinusoidal, hexagonal, oval, circular, etc. Such structures may contain from about 60 to about 400 or more gas inlet openings (i.e., cells) per square inch of cross section.
[0045] The substrate can also be a wall-flow filter substrate, where the channels are alternately blocked, allowing a gaseous stream entering the channels from one direction (inlet direction), to flow through the channel walls and exit from the channels from the other direction (outlet direction). AMOX and/or SCR catalyst composition can be coated on the flow through or wall- flow filter. If a wall flow substrate is utilized, the resulting system will be able to remove particulate matter along with gaseous pollutants. The wall-flow filter substrate can be made from materials commonly known in the art, such as cordierite, aluminum titanate or silicon carbide. It will be understood that the loading of the catalytic composition on a wall flow substrate will depend on substrate properties such as porosity and wall thickness, and typically will be lower than loading on a flow through substrate.」
( 基材
[0044]
触媒組成物は、基材に設けられる。基材は、触媒を製造するために使用される如何なるものであっても良く、そして通常、セラミック又は金属ハニカム構造を含む。適切な如何なる基材も使用して良く、例えば入口から出口面まで伸びる微細で平行なガス流通路(該ガス流通路は開口しており、流体が通路を流れることができる)を有するモノリス基材(ハニカム流通基材と称される)を使用して良い。その流体入口から流体出口までを実質的にまっすぐに伸びる通路は、壁部によって規定されており、この壁部に触媒材料がワッシュコートとして堆積され、これにより通路を流れるガスが触媒材料と接触する。モノリス基材の流体通路は薄壁の流路(通路:channel)であり、該流路は、台形、長方形、四角形、正弦曲線、六角形、長円形、円形等の適切な如何なる断面形状と大きさを有していても良い。このような構造は、断面の1平方インチ当たり、約60?約400又はそれ以上の入口開口部(すなわちセル)を含んでいても良い。
[0045]
基材は、流路が交互に閉塞されており、そして一方向(入口方向)から流路に入るガス状流を、流路壁を通って流し、そして他方向(出口方向)から、流路から出す後構成の壁流フィルタ基材も可能である。AMOX及び/又はSCR触媒組成物は、流通(貫流)又は壁流フィルターに被覆することができる。壁流基材が使用された場合、得られるシステムは、ガス状汚染物質の他に、粒子状物質も除去することができる。壁流フィルター基材は、コージライト、アルミニウムチタネート又はシリコンカーバイド等のこの技術分野では公知の材料から作ることができる。壁流基材に触媒組成物を積載することは、基材の特性、例えば多孔度(多孔率)及び壁の厚さに依存し、そして一般的には、その積載量は、流通基材への積載量よりも少ない。)

1c「[0055] It has been demonstrated that a CuCHA washcoat containing a precious metal, for example, Pt, provides an AMOX catalyst. It is expected that not only was ammonia in gas flowing through the catalyst destroyed, but there was continued removal of NOx by conversion to N_(2) . In a specific embodiment, the zeolite has a ratio of SiO_(2)/Al_(2)O_(3) from about 15 to about 256, and an Al/M ratio between 2 and 10, wherein M represents the total Cu and precious metal. In one embodiment, the precious metal comprises platinum and the platinum content is between 0.02% and 1.0% by weight of the catalyst, and the part loading is from about 0.5 to about 5 g/in^(3) .」
([0055]
貴金属、例えばPtを含むCuCHAワッシュコートはAMOX触媒を提供することが立証された。ガス流中のアンモニアが破壊(分解)されるのみならず、N_(2)に変換することによる、連続的なNO_(X)の連続的な除去も期待される。特定の実施の形態では、ゼオライトは、SiO_(2)/Al_(2)O_(3)
の割合が約15?256であり、そしてAl/M割合が2?10の範囲である(但し、MはCuと貴金属の合計を表す)。一実施の形態では、貴金属は白金を含み、そして白金の含有量は、触媒に対して、0.02質量%?1.0質量%であり、及び部分積載(part loading)は、0.5?5g/in
^(3)である。)

1d「EXAMPLE 1
[0062] A CuCHA powder catalyst was prepared by mixing 100 g of NH
_(4)^(+)-form CHA, having a silica/alumina mole ratio of 30, with 400 mL of a copper(II) sulfate solution of 1.0 M. The pH was adjusted to 3.5 with nitric acid. An ion-exchange reaction between the NH_(4)^(+)-form CHA and the copper ions was carried out by agitating the slurry at 80℃ for 1 hour. The resulting mixture was then filtered, washed with 800 mL of deionized water in three portions until the filtrate was clear and colorless, which indicated that substantially no soluble or free copper remained in the sample, and the washed sample was dried at 90℃. The above process including the ion-exchange, filtering, washing and drying was repeated once.
[0063] The resulting CuCHA product was then calcined at 640℃ in air for 6 hours. The obtained CuCHA catalyst comprised CuO at 2.41% by weight, as determined by ICP analysis. A CuCHA slurry was prepared by mixing 90 g of CuCHA, as described above, with 215 mL of deionized water. The mixture was ball-milled. 15.8 g of zirconium acetate in dilute acetic acid (containing 30% ZrO_(2)) was added into the slurry with agitation.
[0064] The slurry was coated onto l"Dx3"L cellular ceramic cores, having a cell density of 400 cpsi (cells per square inch) and a wall thickness of 6.5 mil. The coated cores were dried at 110℃ for 3 hours and calcined at 400℃ for 1 hour. The coating process was repeated once to obtain a target washcoat loading of 2.4 g/in^(3) .
[0065] Nitrogen oxides selective catalytic reduction (SCR) efficiency and selectivity of a fresh catalyst core was measured by adding a feed gas mixture of 500 ppm of NO, 500 ppm of NH_(3), 10% O_(2),5% H_(2)O, balanced with N_(2) to a steady state reactor containing a 1"D x 3"L catalyst core. The reaction was carried at a space velocity of 80,000 hr^(-1) across a 150℃to 460℃ temperature range.
[0066] Hydrothermal stability of the catalyst was measured by hydrothermal aging of the catalyst core in the presence of 10% H_(2)O at 800℃ for 50 hours, followed by measurement of the nitrogen oxides SCR efficiency and selectivity by the same process as outlined above for the SCR evaluation on a fresh catalyst core.」

( 実施例1
[0062]
(シリカ/アルミナモル割合が30の)100gのNH_(4)^(+)状CHAを400mLの1.0Mの銅(II)サルフェート溶液と混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。硝酸で、pHを3.5に調節した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH_(4)^(+)状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、800mLの脱イオン水で、ろ液が透明で無色になるまで(3箇所で)洗浄した。このことは、溶解性又は遊離銅がサンプル内に実質的に残っていないことを示す。そして洗浄したサンプルを90℃に乾燥した。イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、もう一度繰り返した。
[0063]
次に得られたCuCHA生成物を、640℃で6時間か焼した。得られたCuCHA触媒は、ICP分析で測定して、CuOを2.41%含んでいた。90gの上述したCuCHAを、215mLの脱イオン水(純水)と混合させることにより、CuCHAスラリーを製造した。混合物をボールミル(粉砕)した。稀酢酸中の15.8gのジルコニウムアセテート(30%のZrO_(2)を含む)を、スラリーに攪拌させながら加えた。
[0064]
セル密度が400cpsi(平方インチ当たりのセル)及び壁厚が6.5ミルの1”Dx3”Lセル状セラミックコアにスラリーを被覆した。被覆したコア(核)を110℃で3時間乾燥し、そして400℃で1時間か焼した。被覆工程をもう一度繰り返し、2.4g/in^(3)のワッシュコートの目標積載量を得た。
[0065]
500ppmのNO、500ppmのNH_(3)、10%O_(2)、5%H_(2)OのN_(2)でバランスした供給ガス混合物を、1”Dx3”L触媒コアを含む定常状態の反応器に加えることにより、新しい触媒コアの窒素酸化物の選択的触媒還元(SCR)の効率と選択性を測定した。150℃?460℃の温度範囲にわたり、空間速度80,000hr^(-1)で、反応を行った。^( )
[0066]
10%H_(2)Oの存在下に、800℃で5時間、触媒コアを熱水的に熟成(老化)させ、触媒の熱水の安定性を測定し、次に新しい触媒コア上のSCR評価について上述したものと同一の工程により窒素酸化物のSCR効率と選択性を測定した。)


1e「EXAMPLE 6
[0078] A CuCHA powder catalyst was prepared by mixing 0.2 g of NH_(4)^(+) -form CHA, having a silica/alumina mole ratio of 15, with 16 mL of a copper(II) sulfate solution of 25 mM. An ion-exchange reaction between the NH_(4)^(+)-form CHA and the copper ions was carried out by agitating the slurry at 80℃ for 1 hour. The resulting mixture was then filtered, washed with deionized water and dried at 90℃. The above process including the ion-exchange, filtering, washing and drying was repeated once. The resulting CuCHA product was then calcined at 540 ℃ in air for 16 hours. The obtained CuCHA catalyst comprised CuO at 4.57% by weight.
[0079] The catalyst powder was hydrothermally aged in the presence of 10% H_(2)O at 800℃ for 50 hours, followed by measurement of the nitrogen oxides SCR efficiency.
[0080] Catalyst performance was evaluated using a microchannel catalytic reactor containing a bed of approximately 12.6 mm^(3) of catalyst. The flow rate (standard temperature and pressure) of 500 cc/min of reactants, consisting of 500 ppm NOx, 500ppm NH,10% O_(2), 5% H_(2)O, balanced with He, plus 25 cc/min steam was passed over the bed at various temperatures (200, 250, 300, 350, 400, 450 and 500℃) to determine the reactivity of the catalyst. Conversion of NOx was determined by 100^(*)(NOx fed- NOx out)/(NOx fed) using a mass spectral analyzer.
EXAMPLE 7
[0081] CuCHA powder catalyst comprising 2.94% CuO by weight was prepared by the same process as that in Example 6, including ion-exchange, filtering, washing, drying, calcinations and hydrothermal aging, except that the silica/alumina mole ratio was 30 and that the ion-exchange process was repeated 4 times.
[0082] The SCR NOx evaluation is the same as outlined above for Example 6.
EXAMPLE 8
[0083] CuCHA powder catalyst comprising 0.45% CuO by weight was prepared by the same process as that in Example 6, including ion-exchange, filtering, washing, drying, calcinations and hydrothermal aging, except that the silica/alumina mole ratio was 50.
[0084] The SCR NOx evaluation is the same as outlined above for Example 6.
EXAMPLE 9
[0085] A CuCHA powder catalyst was prepared by mixing 15.O g of NH_(4)^(+)-form CHA, having a silica/alumina mole ratio of 256, with 61 mL of a copper(II) sulfate solution of 0.64 M. An ion-exchange reaction between the NH_(4)^(+)-form CHA and the copper ions was carried out by agitating the slurry at 80℃ for 1 hour. The resulting mixture was then filtered, washed with deionized water and dried at 90℃. The above process including the ion-exchange, filtering, washing and drying was repeated 4 times. The resulting CuCHA product was then calcined at 540℃ in air for 16 hours. The obtained CuCHA catalyst comprised CuO at 2.63% by weight.
[0086] The hydrothermal aging and SCR NOx evaluation was the same as outlined above for Example 6.
・・・・・
[0095] Table 2 shows the normalized NOx conversion for Examples 6-9, which contained varying SiO_(2)/Al_(2)O_(3) Mole ratios and Cu/Al Atomic ratios. Example 7 exhibited the best performance. While the performance of Examples 6, 8 and 9 was not optimal, it is to be noted that each of the Examples was aged at a rather high temperature of 800℃. Not all catalysts will experience such high temperatures, and it is believed that samples aged at lower temperatures would exhibit acceptable performance at a wider acceptable silica/alumina ratio. For example, in an exhaust gas treatment system having an SCR catalyst downstream of a catalyzed soot filter, the SCR would typically be exposed to high temperatures, e.g., exceeding about 700℃. If the SCR is disposed on the CSF, the SCR may experience temperatures as high as about 800℃, or higher. According to embodiments of the present invention, greater flexibility in locating a catalyst such as an SCR catalyst in an exhaust gas treatment system is provided due to the CuCHA catalysts which exhibit improved hydrothermal stability compared with other types of zeolite materials. Samples having a range of silica to alumina ratio between about 15 and 256 which experience operational temperatures below about 800 ℃ would be expected to exhibit acceptable low temperature NOx conversion. Thus, according to embodiments of the invention, silica to alumina ratios of about 15 to about 256 are within the scope of the invention, however, narrower ranges having a lower range endpoint of about 10, 20, about 25 and about 30 and a higher range endpoint of 150, 100, 75, 50 and 40 are within the scope of the invention.


( 実施低6
[0078]
(シリカ/アルミナモル割合が15の)0.2KgのNH_(4)^(+)状CHAと、16mLの25mMの銅(II)サルフェート溶液を混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH_(4)^(+)状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、脱イオン水で洗浄し、そして90℃で乾燥した。イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、もう一度繰り返した。得られたCuCHA生成物を次に空気中で540℃で16時間か焼した。得られたCuCHA触媒は4.57質量%のCuOを含んでいた。
[0079]
触媒粉末を、10%H_(2)Oの存在下、800℃で50時間、熱水的に熟成し、次に窒素酸化物SCR効率を測定した。
[0080]
約12.6mm^(3)の触媒床を含むミクロ流路(microchannel)触媒反応器を使用して触媒性能を評価した。Heでバランスさせた、500ppmNOx、500ppmNH_(3)、10%O_(2)、5%H_(2)Oから成る反応物質500cc/min(標準温度と圧力)と、25cc/minの蒸気の流速を、種々の温度(200、250、300、350、400、450及び500℃)で床に通し、触媒の反応性を測定した。質量スペクトル解析を使用し、100*(NO_(X)fed-NO_(X)out)/(NO_(X)fed)にNO_(X)よりの変換を測定した。
実施例7
[0081]
シリカ/アルミナモル割合が30、及びイオン交換工程を4回繰り返したこと以外は、実施例6と同様の方法(該方法は、イオン交換、ろ過、洗浄、乾燥、か焼及び熱水的熟成を含む)を使用して、2.94質量%のCuOを含むCuCHA粉触媒を製造した。
[0082]
SCR NO_(X)評価は、実施例6で概説したものと同様である。
実施例8
[0083]
シリカ/アルミナモル割合が50であること以外は、実施例6と同様の方法(該方法は、イオン交換、ろ過、洗浄、乾燥、か焼及び熱水的熟成を含む)を使用して、0.45質量%のCuOを含むCuCHA粉触媒を製造した。
[0084]
SCR NO_(X)評価は、実施例6で概説したものと同様である。
実施例9
[0085]
(シリカ/アルミナモル割合が256の)15.0gのNH_(4)^(+)状CHAと、61mLの0.64Mの銅(II)サルフェート溶液を混合することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。スラリーを80℃で1時間攪拌させて、NH_(4)^(+)状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。得られた混合物を次にろ過し、脱イオン水で洗浄し、そして90℃で乾燥した。イオン交換、ろ過、洗浄及び乾燥を含む上述した工程を、もう4回繰り返した。得られたCuCHA生成物を次に空気中で540℃で16時間か焼した。得られたCuCHA触媒は2.63質量%のCuOを含んでいた。
[0086]
熱水熟成とSCR NO_(X)評価は、実施例6について概説したものと同様であった。
・・・・・
[0095]
表2は、SiO_(2)/Al_(2)O_(3)モル割合及びCu/Al原子割合を変化させたことを含む、実施例6?9の標準化したNO_(X)変換を示している。実施例7は、最良の性能を示している。実施例6、8及び9の性能が最良ではない一方、各実施例は、むしろ高温の800℃で成熟されたことに注意するべきである。全ての触媒が、このような高温を被るわけではなく、そして低温で熟成したサンプルは、広範囲の許容できるシリカ/アルミナ割合で、許容できる性能を示す。例えば、触媒化煤フィルターの下流にSCR触媒を有する排気ガス処理システムにおいて、SCRは、典型的には、高温、例えば約700℃を超える温度に曝される。SCRがCFSに設けられた場合、SCRは、約800℃、あるいはそれ以上の温度を被り得る。本発明の実施の形態に従えば、(ゼオライト材料の他のタイプと比較して熱水的安定性が改良されたCuCHA触媒のために、)排気ガス処理システム中のSCR触媒等の触媒の積載に大きな柔軟性が与えられる。約800℃未満の運転温度を被る、シリカのアルミナに対する割合が15?256の範囲のサンプルは、許容可能な低温NO_(X)変換を示すと期待されている。従って、本発明の実施の形態に従えば、15?256の範囲のシリカのアルミナに対する割合が、発明の範囲内である。しかしながら、約10、約20、及び約30の下限値(lower range endpoint)及び150、100、75、50及び40のより上限値(higher range endpoint)も本発明の範囲内である。



1f「 EXAMPLE 18
[0121] A CuCHA powder catalyst was prepared by ion-exchange with copper acetate. A 0.40 M of copper (II) acetate monohydrate solution was prepared by dissolving 89.8 g of the copper salt in 1.125 L of deionized water at 70℃. 300 g of NH_(4)^(+)-form CHA was then added to this solution. An ion-exchange reaction between the NH_(4)^(+)-form CHA and the copper ions was carried out by agitating the slurry at 70℃ for 1 hour. The pH was between 4.8 and 4.5 during the reaction. The resulting mixture was then filtered, washed until the filtrate had a conductivity of <200 μScm^(-1),which indicated that substantially no soluble or free copper remained in the sample, and the washed sample was dried at 90℃. The obtained CuCHA catalyst comprised CuO at 3.06 % by weight and Na_(2)O at 140 ppm.
[0122] The slurry preparation, coating and SCR NOx evaluation were the same as outlined above for Example 1. As shown in Fig. 7, Example 18 exhibited the same SCR performance as Example 3 that was prepared by twice ion-exchanges with copper sulphate plus an incipient wetness impregnation.
・・・・・
[0126] The Cu loadings of Examples 18 - 21 are compared with that of Example 1 in Table 4. We see that copper acetate is more efficient than copper sulphate to provide desired Cu loading with a low concentration of copper solution at lower reaction temperature. 」
( 実施例18
[0121]
銅アセテートでイオン交換することにより、CuCHA粉末触媒を製造した。89.8gの銅塩を1.125Lの脱イオン水に70℃で加えることにより、0.40Mの銅(II)アセテートモノヒドレート溶液を製造した。次に、300gのNH_(4)^(+)状CHAをこの溶液に加えた。このスラリーを70℃で1時間攪拌することにより、NH_(4)^(+)状CHAと銅イオンとの間のイオン交換反応を行った。反応の間、pHは、4.8と4.5の間であった。得られた混合物を次にろ過し、ろ液の伝導度が<200μScm^(-1)になるまで洗浄し(このことは、溶解性銅又は遊離銅がサンプル内に残っていないことを示す)、そして洗浄したサンプルを90℃で乾燥させた。得られたCuCHA触媒はCuOを3.06質量%及びNa_(2)Oを140ppm含んでいた。
[0122]
スラリーの製造、被覆及びSCR NO_(X)評価は、実施例1について概説したものと同様であった。図7に示すように、実施例18は、実施例3(銅サルフェートで2回イオン交換し、加えて初期湿潤含浸を行うことにより製造したもの)と同様のSCR性能を示した。
・・・・・
[0126]
表4で、実施例18?21のCu積載量を、実施例1のものと比較した。低い反応温度で、低濃度の銅濃度で、所望のCu積載量を得るのに、銅アセテートが銅サルフェートよりも効率的であることがわかる。)

1g「 1. A catalyst comprising: a zeolite having the CHA crystal structure and a mole ratio of silica to alumina greater than about 15 and an atomic ratio of copper to aluminum exceeding about 0.25.」
(【請求項1】
CHA結晶構造を有し、及びシリカのアルミナに対するモル割合が約15よりも大きく、及び銅のアルミニウムに対する原子割合が約0.25を超えるゼオライトを含むことを特徴とする触媒。)

(2)甲2-4の記載事項
4a「ゼオライトを数100℃で焼成すると,交換陽イオンの移動が起こり,狭い場所に存在するNaイオンが,広い場所の陽イオンと入れ替わることが知られている.この現象を利用して、HY型ゼオライト中に残存するNa量を非常に少なくすることができる.NH_(4)イオンによる通常の陽イオン交換操作を行った後、400-850℃で焼成し再びイオン交換を行う.この操作を繰り返すことによりNa含有量を0.02wt%にまで減少させることができる^(18)).」(69ページ下から5行目?最下行)

2 甲2-1に記載された発明
記載事項1eによると、実施例18として、CuOを含み、Na_(2)Oを140ppm含むCuCHA触媒が記載されている。
記載事項1d、1eによると、上記CuCHA触媒は、セル状セラミックコアを被覆するものである。
そして、実施例18は、実施例1のCu積載量を変更するものであるから、実施例1と同様なシリカ/アルミナモル割合が30のCHAを触媒調製に使用していると認められる。
記載事項1a、1d、1eによると、CuCHA触媒は、銅を含み、CHA結晶構造を有するゼオライトからなるSCR触媒であって、NO_(X)変換を行うものである。
以上のことから、本件発明1の記載にしたがって整理すると、甲2-1(実施例18)には、次の発明(以下、「甲2-1発明」という。)が記載されていると認められる。
「セル状セラミックコア上に被覆され、NO_(X)変換を行うCHA結晶構造を有するゼオライトからなる触媒であって、前記ゼオライトは、銅を含み、30のシリカ/アルミナのモル割合を有し、140ppmのNa_(2)Oを含む、触媒。_(」)

3 対比・判断
(1)本件発明1について
本件発明1と甲2-1発明とを対比する。
甲2-1発明の「セル状セラミックコア」、「被覆」、「NO_(X)変換を行う」、「触媒」、「銅を含み」、「モル割合」は、本件発明1の「基材」、「配置」、「NO_(X)を低下させるように機能する」、「触媒物品」、「銅で修飾され」、「モル比」にそれぞれ相当する。
そうすると、本件発明1と甲2-1発明とは、
「基材上に配置され、NO_(X)を低下させるように機能するCHA結晶構造を有するゼオライトからなる触媒物品であって、前記ゼオライトは、銅で修飾されている、触媒物品。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

(相違点)
本件発明1は、「15未満のシリカ/アルミナのモル比を有し、0.5質量パーセント未満のアルカリ含有量を有し、当該アルカリ含有量は、ゼオライト中にカチオンとして存在するナトリウムおよびカリウムのそれぞれの酸化物に対する質量%を基準とする」ことが特定されているのに対して、甲2-1発明は、シリカ/アルミナのモル比が30であり、140ppmのNa_(2)Oを含むことが規定されている点。

上記相違点について検討する。
甲2-1発明は、記載事項1fの実施例18のCuCHA触媒により認定したところ、当該触媒は、Na_(2)Oの含有量が規定されているのみであり、カリウムを含むアルカリ含有量は明らかでない。
また、記載事項1eによると、触媒のシリカのアルミナに対するモル割合が「約10の下限値・・・も本発明の範囲内である。」と一応記載されている。しかし、甲2-1では、シリカのアルミナに対するモル割合は、表2によると実施例7の30が、熟成後のNOx変換率は最良の形態を示し、この実施例7やモル割合50の実施例8より、モル割合15の実施例6は熟成後のNOx変換率は全体的に小さくなっている。そして、甲2-1においては、シリカのアルミナに対するモル割合が約15より大きいことが規定されている請求項1の記載(記載事項1g)、及び記載事項1eの「本発明の実施の形態に従えば、(ゼオライト材料の他のタイプと比較して熱水的安定性が改良されたCuCHA触媒のために、)排気ガス処理システム中のSCR触媒等の触媒の積載に大きな柔軟性が与えられる。約800℃未満の運転温度を被る、シリカのアルミナに対する割合が15?256の範囲のサンプルは、許容可能な低温NOX変換を示すと期待されている。従って、本発明の実施の形態に従えば、15?256の範囲のシリカのアルミナに対する割合が、発明の範囲内である。」【0084】の記載からすると、甲2-1に記載の発明は、シリカのアルミナに対するモル割合を15より大きい範囲に規定することを特徴とするものであり、当該モル割合を15未満にするという動機付けが見出せない。しかも、記載事項1e等の記載からは、触媒のアルカリ含有量をどのように規定すればよいのかも明らかでない。
そうすると、甲2-1発明において、相違点に係るシリカのアルミナに対するモル割合を15未満とし、かつアルカリ含有量を0.5%未満に規定することは、当業者が容易に想到し得るものであるとはいえない。

したがって、本件発明1は、甲2-1に記載された発明及び甲2-1に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものであるとすることはできない。

(2)本件発明2?10について
本件発明2?10は、本件発明1を直接的又は間接的に引用し、何れも本件発明1の特定事項を含むものであるから、本件発明1と同様に、甲2-1に記載された発明及び甲2-1に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものであるとすることはできない。

(3)本件発明11、12について
本件発明11、12は、本件発明1を直接的又は間接的に引用し、何れも本件発明1の特定事項を含むものである上、甲2-4にも上記相違点1に関連する記載は見当たらないから、甲2-1に記載された発明並びに甲2-1及び甲2-4に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものであるとすることはできない。


第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 採用しなかった特許異議申立理由
取消理由に採用しなかった申立人1、2による特許異議申立書に記載された申立の理由は、次の(1)、(2)のとおりである。

(1)申立人1による申立理由及び証拠方法
ア 申立理由1-1(特許法第29条第2項)
本件発明1?12は、甲1-1?甲1-4に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(証拠方法)
甲1-1:国際公開第03/020641号(及び抄訳)
甲1-2:特開平9-38499号公報
甲1-3:特表2007-501353号公報
甲1-4:国際公開第2008/106518号(及び抄訳)

イ 申立理由1-2(特許法第36条第6項第1号)
本件発明9は、酸化触媒及びすすフィルタが触媒物品の上流で前記触媒物品と流体連通していることを特定しているが、本件明細書の段落【0043】及び【図4C】は、触媒基材34に対して、排気流の下流に第1の基材12(すすフィルタ)及び第2の基材27(SCR触媒)を配置しているから、本件発明9は、発明の詳細な説明に記載された発明ではない。

ウ 申立理由1-3(特許法第36条第6項第2号)
(ア)本件発明1の「当該アルカリ含有量は、ゼオライト中にカチオンとして存在するナトリウムおよびカリウムのそれぞれの酸化物に対する質量%を基準とする」の記載は意味するところが不明である。

(イ)本件発明11は、「アルカリ含有量をさらに低下させるために、溶液を用いて前記焼成ゼオライトをイオン交換し、15未満のシリカ/アルミナのモル比および0.5質量パーセント未満のアルカリ含有量を有するゼオライトを得」ることを特定しているが、シリカ/アルミナのモル比を15未満にするための処理が特定されていないから、本件発明11は明確でない。

(2)申立人2による申立理由及び証拠方法
ア 申立理由2-1(特許法第29条第1項及び第2項)
本件発明1?12は、甲2-1に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、または、本件発明1?12は、甲2-1に記載された発明及び甲2-1?2-5、2-13の記載に基いて当業者が容易に発明できたものであるから、その特許は、特許法第29条第1項又は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

イ 申立理由2-2(特許法第29条第1項及び第2項)
本件発明1?12は、甲2-2に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、または、本件発明1?12は、甲2-2に記載された発明及び甲2-1、2-3?2-5、2-13の記載に基いて当業者が容易に発明できたものであるから、その特許は、特許法第29条第1項又は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

ウ 申立理由2-3(特許法第29条第1項及び第2項)
本件発明1?12は、甲2-3に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、または、本件発明1?12は、甲2-3に記載された発明及び甲2-1、2-2、2-4、2-5、2-13の記載に基いて当業者が容易に発明できたものであるから、その特許は、特許法第29条第1項又は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(証拠方法)
甲2-1 :国際公開第2008/106519号公報
甲2-2 :米国特許出願公開第2008/0241060号公報(及び抄 訳)
甲2-3 :特開昭51-147470号公報
甲2-4 :尾崎萃 他編、「触媒調製化学」、1980年、p.66-6 9
甲2-5 :小野嘉夫他編、「ゼオライトの科学と工学」、2005年4月 1日第3刷、p.1、248、249
甲2-13:米国特許第3402996号明細書(及び抄訳)


2 採用しなかった申立理由についての判断
(1)申立人1の申立理由について
ア 申立理由1-1(特許法第29条第2項)
甲1-1の6ページ8?17行目、請求項13?16によると、甲1-1には、「窒素酸化物を還元するCHA結晶構造を有するゼオライトからなる触媒であって、前記ゼオライトは、窒素酸化物の触媒還元を可能とする金属又は金属イオン(コバルト、銅又はそれらの混合物)を含んでいてよく、アルミニウム酸化物に対するケイ素酸化物のモル比が約10を超えて有する、触媒。」の発明(以下、「甲1-1発明」という。)が記載されていると認められる。
申立人1は、甲1-1には、アンモニウムを用いたイオン交換によってアルカリ金属カチオンを除去することが記載されているから(甲1-1:6ページ8?10行)、甲1-1には、本件発明1と同様にアルカリ含有量を0.5質量パーセント未満とすることが記載され、また、甲2には、ゼオライトの残存アルカリ量を0.5質量%未満の値とすることが記載され、さらに、ゼオライトを基材上に配置することは甲1-3及び甲1-4に例示されるように周知の技術であることから、本件発明1は、甲1-1及び周知技術(甲1-3及び甲1-4)に基づいて、又は、甲1-1、甲1-2及び周知技術(甲1-3及び甲1-4)に基づいて、当業者が容易に想到できたものである旨主張している。
しかし、甲1-1には、アルカリ金属カチオンをイオン交換することが記載されているのみであり、ゼオライトのアルカリ含有量を0.5質量%未満とすることまでは記載されていないのであるから、当該アルカリ含有量を0.5質量%未満とすることが当業者にとって容易であるとはいえない。また、甲1-1には、窒素酸化物を還元する触媒の具体例はなく、アルミニウム酸化物に対するケイ素酸化物のモル比が約10を超えることは記載されているが、これを15未満とする動機付けはない。さらに、甲1-2は、炭化水素の接触分解触媒に関するものであり、甲1-3は、SCR触媒の排気処理システム及び甲1-4は、Cu交換チャバザイトモレキュラーシーブを用いてもよい処理システムについて記載されているにすぎない。
したがって、本件発明1は、甲1-1?甲1-4に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
また、本件発明2?12は、本件発明1を直接又は間接的に引用するものであるから、本件発明1と同様に、甲1-1?甲1-4に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
よって、申立理由1-1は、理由がない。


イ 申立理由1-2(特許法第36条第6項第1号)
本件発明9の排気ガス処理システムにおいて、CHAゼオライト触媒物品は、「一般に、触媒物品の上流あるいは下流で、他のガス処理成分と流体連通して提供される」(段落【0038】)ものであり、図4C中の「第1の基材12」には、本件発明1などの触媒物品を含有する「SCR触媒基材12」であり(段落【0040】)、「第2の基材27」は、「ウォールフロー基材または高効率開放気泡フォームフィルタ」の場合、すすフィルタとして機能することが理解できるから(段落【0042】)、図4Cにおいて、酸化触媒が配置された「触媒基材34」及びすすフィルタとしての「第2の基材27」は、本件発明1などの触媒物品を含有する「第1の基材12」の上流で流体流通しているといえる。
したがって、本件発明9に対する申立て理由1-2は、理由がない。

ウ 申立理由1-3(特許法第36条第6項第2号)
(ア)本件発明1
本件発明1のアルカリ含有量について「ゼオライトは・・・0.5質量パーセント未満のアルカリ含有量を有し、当該アルカリ含有量は、ゼオライト中にカチオンとして存在するナトリウムおよびカリウムのそれぞれの酸化物に対する質量%を基準とする」と記載されているから、ゼオライトに対するアルカリの酸化物含有量を特定していることは明らかである。
したがって、本件発明1に対する申立て理由1-3は、理由がない。

(イ)本件発明11
本件発明11は、アルカリ含有量を低下させるイオン交換処理の工程の後に得られたゼオライトが少なくも15未満のシリカ/アルミナのモル比を有することが特定されたものであることを当業者であれば理解でき、また、シリカ/アルミナのモル比の調整は周知慣用技術であるから、シリカ/アルミナのモル比を15未満にするための処理が特定されていないことをもって、本件発明11が明確でないとはいえない。
したがって、本件発明11に対する申立て理由1-3は、理由がない。

(2)申立人2の申立理由について
ア 申立理由2-1(特許法第29条第1項及び第2項)
申立人2は、本件発明1は、甲2-1に記載された発明である旨主張している。しかし、本件発明1と甲2-1に記載された発明との間に実質的な相違点が存することは、上記第5のとおりである。
また、申立人2は、上記第5において検討した甲2-1及び甲2-4に加えて、甲2-2、甲2-3、甲2-5及び甲2-13を引用して、本件発明1?12は、当業者が容易に想到できた旨主張している。しかし、甲2-2は、シリカ/アルミナ比が0.6のCHA型ゼオライトが、甲2-3には、チャバザイト等のゼオライトのシリカ/アルミナ比が2?6であること及びアルカリ金属イオンを除去することが、甲2-5には、SAPO-34がCHAゼオライトであることが記載されているが、上記第5の検討と同様、甲2-1発明において、シリカ/アルミナ比を15より小さくすることの動機付けがあるとはいえない。
したがって、申立人2の主張は採用できず、申立理由2-1は、理由がない。

イ 申立理由2-2(特許法第29条第1項及び第2項)
申立人2は、本件発明1は、甲2-2に記載された発明である旨主張している。しかし、甲2-2には、具体的なアルカリ含有量について記載がないから、本件発明1は、甲2-2に記載された発明であるとはいえない。
また、申立人2は、甲2-2を主引用例として、甲2-1、甲2-3?甲2-5、甲2-13の記載に基づき当業者が容易に想到できた旨主張している。しかし、甲2-2には、ゼオライトのナトリウム及びカリウムを除去することは記載されているが、ナトリウム及びカリウムを含むアルカリ金属含有量を0.5質量%未満まで除去可能であったのかは不明であり、甲2-1、甲2-3?甲2-5、甲2-13には、ゼオライトのナトリウム含有量を小さくすることは記載されているが、ナトリウム及びカリウムを含むアルカリ含有量として0.5質量%未満とすることまでは記載されていないから、甲2-2に記載された発明において、ナトリウム及びカリウムを含むアルカリ含有量を0.5質量%未満にすることの動機付けがあるとはいえない。
したがって、申立人2の主張は採用できず、申立理由2-2は、理由がない。

ウ 申立理由2-3(特許法第29条第1項及び第2項)
申立人2は、本件発明1は、甲2-3に記載された発明である旨主張している。しかし、甲2-3には、銅担持ゼオライト触媒が記載されているが、チャバサイトは単にゼオライトの選択肢の一つとして記載されているのみであるから、本件発明1は、甲2-3に記載された発明とはいえない。
また、申立人2は、甲2-3を主引用例として、甲2-1、甲2-2、甲2-4、甲2-5、甲2-13の記載に基づき当業者が容易に想到できた旨主張しているが、、甲2-3には、約6?13Åの範囲の細孔直径のゼオライトが望ましいことが記載されているから(4ページ5、6行)、甲2-3に記載の発明において、チャバサイトを選択し、さらにアルカリ含有量を0.5質量%未満にすることの動機付けがあるとはいえない。
したがって、申立人2の主張は採用できず、申立理由2-3は、理由がない。


第7 むすび
以上のとおりであるから、取消理由及び申立理由によっては、本件請求項1?12に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1?12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
異議決定日 2020-09-29 
出願番号 特願2015-227283(P2015-227283)
審決分類 P 1 651・ 537- Y (B01J)
P 1 651・ 121- Y (B01J)
P 1 651・ 113- Y (B01J)
最終処分 維持  
前審関与審査官 西山 義之  
特許庁審判長 日比野 隆治
特許庁審判官 岡田 隆介
後藤 政博
登録日 2018-09-21 
登録番号 特許第6403658号(P6403658)
権利者 ビーエーエスエフ コーポレーション
発明の名称 低シリカ/アルミナ比を有する菱沸石ゼオライト触媒  
代理人 江藤 聡明  

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