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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A61B
管理番号 1367331
審判番号 不服2020-5052  
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-04-14 
確定日 2020-11-04 
事件の表示 特願2017-507966「内視鏡器具を洗浄するシステム及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 2月18日国際公開、WO2016/025465、平成29年10月 5日国内公表、特表2017-529132、請求項の数(18)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2015年(平成27年)8月11日(パリ条約による優先権主張 2014年8月14日 米国)を国際出願日とする出願であって、平成30年8月9日に手続補正書が提出され、令和元年6月19日付けで拒絶理由が通知され、同年9月24日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年12月6日付けで拒絶査定されたところ、令和2年4月14日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされ、同年6月4日に前置報告書が作成されたものである。

第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。

本願の請求項1-18に係る発明は、以下の引用文献1-5に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開2007-296164号公報
2.特開平11-253393号公報
3.特開昭57-084030号公報
4.特開昭57-164032号公報
5.特開2013-154171号公報

第3 本願発明
本願請求項1?18に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明18」という。)は、令和2年4月14日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?18に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である(下線は補正か所を示す。)。
「【請求項1】
ノズルと、
該ノズルに接続される圧力増大機構であって、3.45バール(50psi)よりも大きく、標準的な手術室供給圧力よりも高い圧力で、加圧流体を提供するように構成される圧力増大機構と、
該圧力増大機構と前記ノズルとの間の弁と、
加圧流体の流れを、所定の持続時間に亘って、前記圧力増大機構から前記ノズルを通じて医療器具の表面の上に放出するよう、前記弁を制御するように構成される、弁制御機構とを含み、
前記加圧流体の前記流れの量は、患者解剖学的構造内の前記医療器具の位置に基づいて決定される、
システム。
【請求項2】
前記弁は、高速弁を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記高速弁は、ソレノイド弁又は空圧弁を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記弁制御機構は、フットペダル、指ボタン、マウスボタン、又はタッチスクリーンボタンのうちの少なくとも1つを含む、トリガを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記所定の持続時間は、約0.5?50ミリ秒の範囲内にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記加圧流体の流れを開始させるために使用される高速弁からの過剰な流体を方向変更するように構成されるシャント弁を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記医療器具は、撮像器具を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
医療器具を洗浄する方法であって、
前記医療器具と関連付けられる制御システムによって、前記医療器具の表面に亘る加圧流体の流れを開始させること、及び
前記制御システムによって、所定の持続時間の後に前記加圧流体の前記流れを終了させることを含み、
前記加圧流体は、3.45バール(50psi)よりも大きく、標準的な手術室供給圧力よりも大きい圧力を有し、
前記制御システムは、患者解剖学的構造内の前記医療器具の位置に基づいて前記加圧流体の前記流れの量を決定する、
方法。
【請求項9】
前記加圧流体の前記流れを開始させることは、高速弁をアクティブ化することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記高速弁をアクティブ化することは、前記所定の持続時間の後に終了するよう設定されるタイマを開始させることを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記所定の持続時間は、約0.5?50ミリ秒の範囲内にある、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記加圧流体の前記流れを開始させることは、空圧弁を開放することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記加圧流体の前記流れを開始させることは、圧電作動ポンプ、サーボモータポンプ、ボイスコイル作動ポンプ、又はソレノイド作動ポンプのうちの1つの使用を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
消費される前記加圧流体の量は、2立方センチメートル未満の流体である、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記加圧流体の前記流れを開始させることは、フットペダル、指ボタン、マウスボタン、又はタッチスクリーンボタンを通じた使用者からの入力に応答して生じる、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
シャント弁を通じて前記加圧流体の前記流れを開始させるために使用される高速弁からの過剰な流体を方向変更することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
前記表面は、撮像ツールのレンズの表面を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
前記加圧流体は、空気、二酸化炭素、及び生理食塩水のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の方法。」


第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1の記載事項
(1)原査定に引用された引用文献1には、図面とともに、次の記載がある(下線は当審にて付した。)。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、腹腔鏡等の内視鏡先端に設けられる観察窓に流体カーテンを形成する内視鏡システムに関するものである。
・・・
【発明を実施するための最良の形態】
・・・
【0013】
本実施形態の内視鏡システムは、処置具1と硬性内視鏡4と気腹装置5とを有して概略構成される。処置具1は処置具制御部10と処置具操作部14とを有して構成され、処置具操作部14と処置具制御部10とは接続コード16により接続される。硬性内視鏡4はユニバーサルコード39によりプロセッサ装置31及び光源装置36と接続され、プロセッサ装置31はモニタ装置38に接続される。硬性内視鏡4には、ガス供給制御手段7が送気チューブ72Aを介して接続され、ガス供給制御手段7は第1のCO_(2)ガスボンベ71に接続される。気腹装置5は、気腹チューブ52と気腹制御部53と第2のCO_(2)ガスボンベ54とを有して構成され、気腹チューブ52、気腹制御部53、第2のCO_(2)ガスボンベ54の順番に接続される。図1に例示したものでは、患者腹部にはガイド管としてのトラカールが4本穿刺されている。第1のトラカール37には処置具1(後述する挿入コード15)が、第2のトラカール47には硬性内視鏡4(後述する挿入部42)が挿通されている。第3のトラカール97A及び第4のトラカール97Bには、夫々処置具96A及び96B(図中では鉗子96A及び96B)が挿通されている。
・・・
【0015】
硬性内視鏡4は本体操作部41と挿入部42とを有して概略構成され、本体操作部41から硬質部42a、アングル部42b、先端硬質部42cの順番に連結される。腹腔内の検査を行うために、挿入部42の大半の長さ分は硬質部42aにより占められる。ただし、軟性内視鏡を使用することもでき、その場合は、硬質部42aの部分が軟性部により構成される。アングル部42bは、先端硬質部42cを所望の方向に向けるために、遠隔操作により上下及び左右に湾曲操作できるようになっている。このため、本体操作部41にはアングル操作手段46aが設けられており、術者の操作でアングル部42bを湾曲させて、先端硬質部42cを所望の方向に向くように制御される。
【0016】
挿入部42の先端硬質部42cには、被検部位の観察を行うための観察手段が具備されている。図2に示されるように、先端硬質部42cの内視鏡観察手段としては、照明窓91と観察窓92と噴射ノズル93とを有して概略構成される。照明窓91は、ユニバーサルコード39に内包される図示しないライトガイドに接続され、当該ライトガイドは光源装置36に接続される。光源装置36は照明光を供給するための光源であり、光源装置36からの照明光がライトガイドを経由して照明窓91から被検部位に向かって照射される。図中では、観察窓92を挟むようにして照明窓91が2箇所に配置されている。
・・・
【0018】
噴射ノズル93からは、観察窓92の表面が汚損されたときに、それを洗浄するために、洗浄液又は清浄用ガスが選択的に噴射される。観察窓92の表面の洗浄が行われた後には、表面に付着した洗浄液の液滴を除去するために、清浄用ガスを吹き付けて観察窓92に付着した液滴の除去を行う。ここでは、清浄用ガスとしてCO_(2)ガスを使用する。このため、硬性内視鏡4の内部で洗浄液の流路となる図示しない送液通路とCO_(2)ガスの流路となる図示しない送気管路とが合流されて(主に、先端硬質部42cの先端部近傍において合流される)、合流された後の管路が噴射ノズル93にまで導かれる。
【0019】
本体操作部41には、ガス供給制御手段7と連結される送気チューブ72Aが着脱可能に接続される。ガス供給制御手段7は第1のCO_(2)ガスボンベ71から供給されるCO_(2)ガスの供給制御を行い、当該CO_(2)ガスが送気チューブ72Aから本体操作部41に導かれる。本体操作部41には、噴射ノズル93までのCO_(2)ガスの流路となる送気管路が配置されているため、当該送気管路と送気チューブ72Aとを接続することにより、第1のCO_(2)ガスボンベ71のCO_(2)ガスを噴射ノズル93にまで導くことができ、CO_(2)ガスを噴射させることができる。
・・・
【0022】
この送気送水バルブの操作による洗浄の頻度を少なくするために、噴射ノズル93から自動的に清浄用ガスとしてのCO_(2)ガスを観察窓92の表面に沿うように噴射する。これにより、術者が送気送水バルブを操作することなく、観察窓92の清浄化が図られる。噴射ノズル93からは洗浄液の液滴を除去するためにCO_(2)ガスを噴射することができる構成を採用しているため、噴射ノズル93から観察窓92の表面に沿うようにCO_(2)ガスを噴射することは可能である。
【0023】
そして、CO_(2)ガスは間欠的に噴射されるように制御を行う。つまり、所定時間を1サイクルとし、1サイクルの間にCO_(2)ガスを噴射時間と停止時間とを設ける。これをサイクリックに行うことにより、間欠的な噴射制御動作を行う。ここで、観察窓92の表面に沿うように噴射するCO_(2)ガスは、噴射圧が必要な場合と噴射時間が必要な場合とがある。その理由について説明する。
【0024】
観察窓92を汚損して観察視野を悪化させる要因としては、種々のものがある。まず、高周波ナイフ等を使用したときに発生する煙であり、この煙が観察窓92に付着すると、観察視野が悪化する。また、腹腔内は高湿な雰囲気下にあるため、腹腔内に挿入される処置具が発熱する場合には、周囲も高温状態となり、観察窓92に水蒸気が付着することもある。また、血液、脂分その他の体液が観察窓92に付着することもある。さらに、処置具1として超音波凝固切開装置を使用した場合には、超音波凝固切開装置は非常に高い周波数の超音波振動の力で患部の切開や凝固等を行うため、水分の多い組織では、大量のミストが飛散する水蒸気爆発を起こすことがある。そうすると、水蒸気爆発により飛散したミストが観察窓92に付着することになる。
・・・
【0026】
一方、水蒸気爆発により観察窓92に付着したミストを除去するためには、長時間の噴射時間は必要ないが、観察窓92に向かって高速にCO_(2)ガスを吹き付ける必要がある。水蒸気爆発によって発生したミストは高速に飛散しているため、観察窓92に付着するミストの付着強度は強いためである。
【0027】
そこで、図3に示されるように、ガス供給制御手段7には、噴射圧・噴射時間設定手段701が具備され、術者が任意の噴射圧又は噴射時間を設定可能にする。これにより、観察窓92を清浄化するために、噴射圧を優先するのか、或いは噴射時間を優先するのかを設定することができる。ただし、噴射ノズル93から無制限にCO_(2)ガスを噴射すると腹腔内が高圧状態となってしまうため、CO_(2)ガスの噴射量は所定量以下に制限される必要がある。そこで、制限量以下となる条件下で、噴射圧又は噴射時間を設定する。制限量が予め定まっていれば、噴射圧又は噴射時間の何れか一方を設定することにより、他方が一意的に決定される。従って、噴射圧又は噴射時間の何れか一方のみを設定すればよい。また、間欠動作を行うための1サイクルの時間も同時に設定する。このとき、噴射圧・噴射時間設定手段701に各種設定の数値を直接的に入力することも可能であるが、処置のモードを選択可能な構成を採ってもよい。
【0028】
以下、処置モードとして、高周波ナイフモードと超音波凝固切開装置モードとの2種類のモードが予め設定されているものとする。高周波ナイフモードは、焼灼処理により発生した煙を除去するためのモードであるため、噴射時間が長く設定されている。一方、超音波凝固切開装置モードは、水蒸気爆発により発生したミストを除去するためのモードであるため、噴射圧が高く設定されている。このときのタイムチャートを図4に示す。
・・・
【0030】
図4において、横軸は噴射時間(T)であり、縦軸は噴射圧(P)である。同図(a)は高周波ナイフモードのタイムチャートを示し、同図(b)は超音波凝固切開装置モードのタイムチャートを示す。同図(a)及び(b)において、Ctは設定される1サイクルの時間である。この1サイクルの間に、処置に応じた噴射圧・噴射時間をもって噴射ノズル93からCO_(2)ガスが噴射されるように制御される。
【0031】
同図(a)は高周波ナイフモードであるため、噴射時間が優先される。つまり、噴射時間を長く確保する必要がある。噴射時間を長く確保すると、それに比例して噴射圧を低くする必要がある。腹腔内が高圧状態となることを回避するために噴射量を制限すると、噴射時間を長く確保した場合には、その分噴射圧を低くする必要があるからである。同図(a)では、設定された1サイクルの時間Ctの間に1回のCO_(2)ガスの噴射が行われるが、噴射時間Ftは長く、停止時間Stは短い。そして、噴射圧Fpは、比較的低くなっている。
【0032】
同図(b)は超音波凝固切開装置モードであるため、高圧噴射が望ましい。つまり、高い噴射圧が確保される。上述したように、噴射圧を高くしたときには噴射時間を短くする。同図(b)では、設定された1サイクルの時間Ctの間に2回のCO_(2)ガスの噴射が行われているが、噴射時間Ftは短く、停止時間Stは長い。そして、噴射圧Fpは高い値となっている。
【0033】
高周波ナイフモードと超音波凝固切開装置モードとでは、夫々噴射圧及び噴射時間は異なるが、同図(a)及び(b)における1サイクルあたりの噴射圧と噴射時間との積、つまりCO_(2)ガスの噴射量(図中の面積)は等しくなる。何れのモードを設定するにしても、CO_(2)ガスの噴射量が制限量以下となるように噴射制御を行う。
【0034】
噴射ノズル93から噴射されるCO_(2)ガスの供給制御は、ガス供給制御手段7に具備される噴射圧・噴射時間制御手段702により行われる。噴射圧・噴射時間制御手段702は、選択されたモードに応じて、噴射圧及び噴射時間を決定する。噴射圧・噴射時間制御手段702には電磁比例弁703が接続され、噴射圧・噴射時間制御手段702の制御に基づいて、電磁比例弁703は弁の開閉制御及び流路面積の可変制御を行う。つまり、噴射圧・噴射時間制御手段702から噴射時間を長くするような制御が行われた場合には、電磁比例弁703は、噴射時間を長くするために弁の開放時間を長くし、噴射圧を低くするために弁開度を狭くする。一方、噴射圧を高くするような制御が行われた場合には、電磁比例弁703は、噴射圧を高くするために弁の弁開度を大きくし、噴射時間を短くするために弁の開放時間を短くする。電磁比例弁703を制御することにより、硬性内視鏡4の挿入部先端の噴射ノズル93から噴射されるCO_(2)ガスの噴射時間及び噴射圧を自由にコントロールすることができる。」

【図1】


【図2】


【図3】


(2)引用文献1の【0019】の「ガス供給制御手段7は第1のCO_(2)ガスボンベ71から供給されるCO_(2)ガスの供給制御を行い」、「第1のCO_(2)ガスボンベ71のCO_(2)ガスを噴射ノズル93にまで導くことができ、CO_(2)ガスを噴射させることができる。」、【0016】の「挿入部42の先端硬質部42c・・・の内視鏡観察手段としては、照明窓91と観察窓92と噴射ノズル93とを有して概略構成される」という記載と図1から、「第1のCO_(2)ガスボンベ71」と「噴射ノズル93」は接続されていることが理解できる。

(3)引用文献1の【0019】の「本体操作部41には、噴射ノズル93までのCO_(2)ガスの流路となる送気管路が配置されているため、当該送気管路と送気チューブ72Aとを接続することにより、第1のCO_(2)ガスボンベ71のCO_(2)ガスを噴射ノズル93にまで導くことができ」という記載から、図3における送気チューブ72Aは噴射ノズル93と接続されるものであり、図3から、「第1のCO_(2)ガスボンベ71」と「噴射ノズル93」の間に「電磁比例弁703」があることが見てとれる。

(4)引用発明1
上記(1)?(3)から、上記引用文献1(特に下線部参照)には、以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「内視鏡システムであって、
噴射ノズル93と、
噴射ノズル93に接続される第1のCO_(2)ガスボンベ71と、
ガス供給制御手段7とを含み、
該ガス供給制御手段7は、噴射圧・噴射時間制御手段702と電磁比例弁703を含み、
該電磁比例弁703は前記第1のCO_(2)ガスボンベ71と前記噴射ノズル93との間にあり、
噴射圧・噴射時間制御手段702は、CO_(2)ガスを噴射圧Fpで噴射時間Ftの間噴射するように、噴射圧及び噴射時間を決定し、
噴射圧・噴射時間制御手段702の制御に基づいて、電磁比例弁703は弁の開閉制御を行い、
CO_(2)ガスは噴射ノズル93から硬性内視鏡4の先端の観察窓92の表面に沿うように噴射される、
内視鏡システム。」


2 引用文献2の記載事項
(1)原査定に引用された引用文献2には、図面とともに、次の記載がある(下線は当審にて付した。)。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、挿入部の先端にある噴出ノズルに気体を供給する送気管路と液体を供給する送液管路を有した内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡の挿入部先端には対物レンズの外表面を洗浄するための噴出ノズルが設けられており、この噴出ノズルには気体を供給する送気管路と液体を供給する送液管路が接続されている。特開平6-46990号公報で知られる如く、送気管路を形成する送気チューブと送液管路を形成する送液チューブはいずれも挿入部内に配置され、また、先端部付近で一本のパイプに接続され、噴出ノズルに連通されている。
・・・
【0060】[第2実施形態]図11乃至図15を用いて本発明の第2実施形態を説明する。
(構成)内視鏡2の挿入部12の内部には気体及び液体を供給する管路送気送液チューブ49が配されており、送気送液チューブ49は先端部17において噴出ノズル20へ接続されている。また、送気送液チューブ49は噴出ノズル20に接続されない一端を送気送液管路分岐部47に接続しており、送気送液管路分岐部47には気体を供給する送気チューブ37、液体を供給する送液チューブ38が接続されている。送気チューブ37及び送液チューブ38は、ユニバーサルコード13内を通り、コネクタ部14にて対応する送気口金31と送液口金32にそれぞれ開口している。
・・・
【0075】次に、送気送液操作ボタン153の接点を1段目(送気)に戻すと、信号処理回路184は送気ポンプ166の出力を一定時間(T)上昇させる信号を出力する。これと同時に、第2のバルブ172を閉め切り、第1のバルブ171を開放する。これにより、送気チューブ37へ以前に実施された送気圧よりも高圧の気体が一定時間送り込まれる。また、吸引チューブ39については、図示されない管路を用いて、吸引口金33と吸引補助管路176を接続し、吸引補助管路176を図示されない吸引装置に接続する。」

(2)引用発明2
上記(1)から、上記引用文献2(特に下線部参照)には、以下の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。
「内視鏡であって、
内視鏡の挿入部先端に設けられ、対物レンズの外表面を洗浄するための噴出ノズル20と、
噴出ノズル20に接続された送気チューブ37とを含み、
前記送気チューブ37に高圧の気体を一定時間送り込む、
内視鏡。」


3 引用文献3の記載事項
(1)原査定に引用された引用文献3には、次の記載がある(下線は当審にて付した。)。

(引3a)第1頁右下欄第16行-第2頁左上欄第12行
「本発明は送気送水機構を改良した内視鏡装置に関する。
一般に、内視鏡によって体腔内を観察する場合、その観察窓の表面に粘液や残渣が付着して観察視界を妨げることが多い。従来、これを解消するため、先端ノズルを設けてその観察窓の表面に向けて水を噴き付けて洗浄するとともに、この送水後に空気を噴き付けて観察窓に残っている水滴を除去するようにしている。そして、上記送水および水切り送気は勢いの強いほうが、効果的で視野も早く回復して望ましい。
一方、送気は上記水切り送気の場合に限らず体腔内をある程度ふくらませるためにも送気(これを通常送気という。)を行なうが、この通常送気においては送気圧が高いと最悪の場合、体腔を破裂させるなどの事故を起す危険があり、通常送気圧としては低いほうがよい。」

(引3b)第2頁右上欄第8行-左下欄第2行
「第1図および第2図は本発明の第1の実施例を示し、1は内視鏡本体、2は送気ユニットである。上記内視鏡本体1は操作部3に挿入部4を連結してなり、さらに操作部3にはユニバーサルコード5が連結されている。ユニバーサルコード5の先端にはコネクタ6が取り付けられていて、このコネクタ6を送気ユニット2に接続できるようになっている。また、上記内視鏡本体1にはその挿入部4,操作部3およびユニバーサルコード5にわたって送気チューブ7と送水チューブ8からなる送気送水用管路が挿入配置され、この送気チューブ7と送水チューブ8の各先端側は挿入部4の先端において合体して先端ノズル9に接続されている。先端ノズル9は観察窓10の表面に向って開口している。」

(引3c)第3頁右上欄第5行-右下欄第11行
「第3図は本発明の第2の実施例を示すものである。この実施例において内視鏡本体1の構造については上記実施例と同じであり、送気ユニット31のみが異なる。すなわち、この送気ユニット31は出力を可変できる送気ポンプ32を備え、この送気ポンプ32は切換え弁33を介して送水タンク34と送気用のコンセント35に接続されている。また、切換え弁33とコンセント35を接続する管路36の途中にはリリーフ弁37が接続されている。また、上記送水タンク34は管路38を介して送水用のコンセント39に接続されている。そして、上記送気ポンプ32と切換え弁33は制御装置40によってそれぞれ制御されるようになっている。なお、41,42はその制御信号線である。さらに、上記制御装置40はそれぞれリード線43,44を介して電気コンセント45,46に接続されている。また、上記切換え弁33はたとえば3ポート2ポジションダブルソレノイド式電磁弁からなり、その第1のポートに送気ポンプ32を接続し、第2のポートは2分岐してリリーフ弁37と送気用のコンセント35に接続され、第3のポートは送水タンク34に接続されている。そして、上記制御装置40は送気スイッチ13がオンになっている間(T_(1))、切換え弁33を送気側に切り換える。つまり、第1のポートと第2のポートを連通させる。また、これと同時に送気ポンプ32を最大吐出圧が0.3kg/cm^(2)になる低い出力で作動させるようになっている。また、送水スイッチ14を操作し、オフからオンに立ち上ると、それから3秒間(T_(2))だけ切換え弁33を送水側に切り換える。つまり、第1のポートを第3のポートに連通させる。また、これと同時に送気ポンプ32を最大吐出圧が1kg/cm^(2)になる高い出力で作動させるとともに、その経過後自動的にその切換え弁33を送気側に切り換え、それから2秒間(T_(3))後に送気ポンプ32の動作を停止させるようになっている。
しかして、術者が送気スイッチ13を押すと、その押している間(T_(1))だけ送気ポンプ32が作動し、最高0.3kg/cm^(2)の低い圧力で通常送気が行なわれる。次に、送水スイッチ14を押すと、3秒間(T_(2))だけ約1kg/cm^(2)の高い圧力で送水が行なわれ、次の2秒間(T_(3))最高0.3kg/cm^(2)の圧力で水切り送気が行なわれたのち送気ポンプ32の作動が停止する。」

(2)引用文献3に記載の圧力の単位「kg/cm^(2)」について、1kg/cm^(2)は約14.22psiである。

(3)引用発明3
上記(1)、(2)から、上記引用文献3(特に下線部参照)には、以下の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。
「内視鏡装置であって、
観察窓の表面に付着した粘液や残渣を洗浄するために噴き付ける先端ノズル9を含み、
約14.22psiの高い圧力で先端ノズル9への送水を3秒間行う、
内視鏡装置。」


4 引用文献4の記載事項
(1)原査定に引用された引用文献4には、以下の記載がある(下線は当審にて付した。)。

(引4a)第1頁右下欄第7-8行
「本発明は観察窓の外表面を洗浄する手段を改良した内視鏡に関する。」

(引4b)第4頁左上欄第7行-右上欄第15行
「また、この洗浄時において送気路12の途中には絞り29があるので、そのときの送気量が抑制される。つまり、この送気量は通常の送気のみのときに比べて大巾に減少する。したがって、洗浄液に気体の混合する割合も大巾に減少する。しかし、後述するようにその洗浄力自体はさほど減少しない。そこで、この理由をこの実施例において洗浄時における送気量を送気のみのときと同じであると仮定した場合と比較して説明する。まず、この仮定のものにおいて送気ポンプ14の吐出圧ないし流量特性と供給路11の流路抵抗との関係で、洗浄時に送気ポンプ14の吐出圧が0.25kg/cm^(2)であるとする。このとき送気圧と送液圧はともに0.25kg/cm^(2)である。さらにこのとき、たとえば送気量を2.1l/min、送液量を42ml/minとする。つまり2.1lの空気に42mlの洗浄液が混った状態で噴霧が行なわれる。これに対しこの実施例では絞り29により送気路12の途中を絞ってあるので、その送気路12の流体抵抗が大きくなり、送気ポンプ14の吐出圧は、たとえば0.4kg/cm^(2)となる。しかして送気量は0.6l/minに減少し送液量は逆に61ml/minに増加する。つまり、洗浄時において送気路12を絞ることにより送気量は下るが、送液量は逆に上るので洗浄力はさほど減少しないのである。
そして、この実施例においては洗浄中に過度の送気を抑制し、必要最小限の送気を行なうので、体腔が過度に膨脹する危険を防止できる。」

(引4c)第7頁右上欄第7-13行
「また、この洗浄によっても観察窓5の汚れが落ちないときには過剰送気の危険がないことを確かめた上で、強力洗浄用スイッチ87を押し、送気専用の送気ポンプ81を高出力で短時間運転させる。この短時間(たとえば1秒間)は送気量が多い状態で吹き出すので、その洗浄力はきわめて強い。」

(2)引用文献4に記載の圧力の単位「kg/cm^(2)」について、1kg/cm^(2)は約14.22psiであるから、0.25kg/cm^(2)、0.4kg/cm^(2)はそれぞれ、約3.55psi、約5.69psiとなる。

(3)上記(1)、(2)から、引用文献4には「体腔内にて内視鏡の外表面を洗浄するために吐出する気体や液体の吐出圧を3.55psiや5.69psiとする。」という技術的事項が記載されているといえる。


5 引用文献5の記載事項
原査定に引用された引用文献5には、図面とともに以下の記載がある(下線は当審にて付した。)。

「【0044】
図1および2を参照すると、血栓摘出カテーテルシステム10が血管の中から閉塞物質を除去するために使用される場合、血栓摘出カテーテル12は、標準経皮的アクセス技術を用いて患者の静脈システム内において位置決めされる。示されていないが、カテーテル本体24および位置決めバンド26は、患者の脈管管腔内においてカテーテル12の配置を支援するためのガイドワイヤ孔を含むように形成され得る。代替的には、ガイドワイヤは、カテーテル12の配置をもたらすために、注入管腔32を通され得る。カテーテル12が脈管管腔内において位置決めされることと共に、カテーテル12は、カテーテル12の遠位端部を、閉塞物質の中、またはそれに隣接して位置決めするように前進される。次に、加圧された流体(例えば、食塩水または水)が、約100psiから約10000psiまでの圧力で高圧力流体供給源16から、流体導管20bを通して高圧力チューブ28へ供給される。代替的には、血栓溶解剤(例えば、tPA)は、加圧された流体と混合され得る。高圧力流体は、高圧力チューブ28を通して移動し、高圧力流体噴流50としてノズル開口40a(図5)から出る。高圧力流体噴流50が、位置決めバンド26の排出管腔30aの中を通過するとき、流体噴流50は、排出管腔30aの近位における噴流内への周囲流体および閉塞物質の吸い込み(entrainment)を引き起こす。開示されたさまざまなパラメータに依存して、真空が生成され、10?760mmHgの範囲であり得る。これが発生する場合、閉塞物質は、高圧力流体噴流50と接触するように引き抜かれて、そして切断される。切断された閉塞物質、および脈管管腔内の流体(例えば、血液)は、脈管管腔からカテーテル本体24の排出管腔30a、30内に排出され、カテーテル12から、導管20cへ、そして排出流体貯蔵器18内に流れる。」

【図5】

上記記載から、引用文献5には「高圧力流体噴流50をノズル開口40aから排出管腔30aへと出し、排出管腔30aの近位における噴流内への周囲流体および閉塞物質の吸い込みを引き起こして閉塞物質を切断する血栓摘出カテーテル12において、前記高圧力流体噴流50の供給圧力を約100psiから約10000psiとする。」という技術的事項が記載されているといえる。


6 引用文献6の記載事項
(1)令和2年6月4日付け前置報告書にて引用された特開平07-313445号公報(以下、「引用文献6」という。)には、以下の記載がある(原文の下線は省略した。下線は当審にて付した。)。
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内視鏡下手術において手術部位を洗浄したり、手術部位から液体を吸引するシステムに関する。さらに詳しくは、最少侵襲手術に使用される多目的洗浄・吸引システムに関する。このシステムは、洗浄や吸引を利用した多様な機能を果たすものであり、それらは例えば、組織洗浄、関節膨張、子宮膨張等である。
・・・
【0004】洗浄機能および吸引機能は一般には同時使用されるので、従来の洗浄・吸引システムは1つのシステムで両方の機能を達成し得るように開発されてきた。そして、それらの機能は1つのコンソール内に組み込まれていることが多い。一般に、洗浄システムは吸引システムと組み合わせて使用される。吸引システムは、医師が選択した値に流量を制御して、手術部位に送られた流体をその流量で除去する。各システムは、多数の可撓性チューブをひとまとめにしたチューブ集合体を使用して、流体および負圧源を体内に挿入される適切な器具に接続する。チューブ集合体は、流入管、排出管、および圧力モニタリング管等を有している。すべてのチューブは1つにパッケージングされてチューブセットを構成しており、各チューブセットは、特定のシステムを使用して特定の手術を行うのに必要なすべてのチューブとその接続部を含んだユニットとして製造される。
・・・
【0038】各カセットはそのハウジングに設けられたコード手段によって、洗浄・吸引システムから所定の機能特性を引き出す。好ましい実施例においては、これらのシステム特性は、特定の手術のために設計されたチューブセットに適した最少圧、最大圧、および流量等である。一般に、圧力パラメータはシステムの洗浄側またはポンプ側と関連するが、流量パラメータはシステムの整圧バー側と関連する。異なる材料およびサイズのチューブを備える多様なチューブセットを使用することができるが、コードを変化させて圧力および流量が調整されるならば、材料およびサイズがすべて同一のチューブを備えるチューブセットを使用した場合にもシステムは機能する。各チューブセットにおける洗浄管、吸引管、および圧力管の実際の材料および(または)サイズが異なるか否かにかかわらず、適切な作動圧力および流量の限界は手術によって異なる。このように、チューブセットに関連するコードは、作動圧力および流量の限界を規定し得るものでなければならない。好ましい実施例によるチューブセットの場合、関節鏡、腹腔鏡、および子宮鏡を使用する手術におけるパラメータは、以下の作動限界値が使用される。
関節鏡手術に使用されるチューブセットに対する作動限界値
最大作動圧力: 150mm Hg
最少作動圧力: 0mm Hg
最大作動流量: 2400ml/分
最少作動流量: 0ml/分
腹腔鏡手術に使用されるチューブセットに対する作動限界値
最大作動圧力: 1000mm Hg
最少作動圧力: 0mm Hg
最大作動流量: 2400ml/分
最少作動流量: 0ml/分
子宮鏡手術に使用されるチューブセットに対する作動限界値
最大作動圧力: 300mm Hg
最少作動圧力: 0mm Hg
最大作動流量: 750ml/分
最少作動流量: 0ml/分
したがって、ユニバーサルポンプシステムを関連するカセットおよびチューブセットとともに使用すれば、腹腔鏡を使用した組織洗浄や流体を利用した切断における変圧・高流量の流れへの要求に加えて、関節鏡や子宮鏡を使用した関節膨張や子宮膨張における低圧の可変流への要求をも満足することができる。」

(2)引用文献6に記載の圧力の単位「mmHg」について、1mmHgは約0.0193psiであるから、1000mmHgは約19.3psiとなる。

(3)上記(1)、(2)から、引用文献6には「腹腔鏡手術下における手術部位の洗浄において、洗浄のための流体を流すチューブセットの最大作動圧力を19.3psiとする。」という技術的事項が記載されているといえる。


7 引用文献7の記載事項
(1)令和2年6月4日付け前置報告書にて引用された特開2007-044372号公報(以下、「引用文献7」という。)には、以下の記載がある(下線は当審にて付した。)。
「【0003】
このような腹腔鏡下外科手術においては、硬性内視鏡の視野を確保する目的及び前記処置具を操作するための領域を確保する目的で、腹腔内に気腹用ガスとして例えば二酸化炭素ガス(以下、CO2とも記載する)などを送気する送気装置が用いられている。
・・・
【0064】
電空比例弁94は、図示しないマグネットコイルと磁針とから形成された電磁石によって、圧力制御用薄膜に作用する減圧ばねの力を変化させて圧力を電気的に調節するように構成されており、入力電圧(電流)に比例して開度が可変するようになっている。この電空比例弁94は、制御部98から出力される制御信号に基づいて、減圧器93で減圧された二酸化炭素ガスの圧力を0?500mmHgの範囲内で減圧可能である。
【0065】
なお、腹腔用に適した設定圧の範囲としてはおよそ3?25mmHgが望ましく、送気流量の適した範囲としてはおよそ0.1?35L/minが望ましい。また、皮下腔用に適した設定圧の範囲としては、およそ8?12mmHgが望ましく、送気流量の適した範囲としては0.5?4L/minが望ましい。」

(2)引用文献7に記載の圧力の単位「mmHg」について、1mmHgは約0.0193psiであるから、25mmHgは約0.483siとなる。

(3)上記(1)、(2)から、引用文献7には「腹腔鏡下外科手術における気腹用ガスを送気するにあたり、該気腹用ガスの設定圧の最大値を0.483psiとする。」という技術的事項が記載されているといえる。


8 引用文献8の記載事項
(1)当審が発見した特開2009-077762号公報(以下、「引用文献8」という。)には、以下の記載がある(下線は当審にて付した。)。
「【0016】
図1に示すように、携帯型内視鏡システム2は、携帯型内視鏡装置3と、モニタ4を有するプロセッサ装置5とから構成され、携帯型内視鏡装置3とプロセッサ装置5との信号授受を、電波を利用して行う、ワイヤレス型の内視鏡システムである。携帯型内視鏡装置3は、患者の体腔内に挿入される挿入部6と挿入部6の基端側に連設された操作部7とを有する内視鏡8を備えており、操作部7には送気・送水ユニット9が着脱自在に取り付けられる。
・・・
【0018】
図2に示すように、挿入部6の先端6aには、撮像素子の撮像面に像光を結像させるための対物レンズ11、観察対象に対して光を照射する照明窓12、鉗子の先端が突き出る鉗子出口13、対物レンズ11洗浄するために気体や液体が噴射される吹き出し口14aが形成されたノズル14が設けられている。挿入部6の先端部分は、所望の方向に向けられるように、操作部7に設けられたアングルノブ15を操作することで、上下左右方向に湾曲するようになっている。
・・・
【0020】
図3に示すように、送気・送水ユニット9には、送水用の液体が収容された貯留タンク22と、送気用の気体を収容したボンベ23とが設けられている。これら貯留タンク22とボンベ23は、ケース24に収容されている。液体や気体は、体内へ噴射されるので、貯留タンク22には、水や生理食塩水が収容され、ボンベ23には、炭酸ガスが収容される。貯留タンク22の収容量は、例えば、100cc?400cc程度である。ボンベ23は、送気用の気体の供給源であるとともに、液体や気体を送気・送水チャンネル(送出管路)26へ送り出して、ノズル14から噴射させるための送出圧を発生する圧力源である。ボンベ23には、所定容量の炭酸ガスが圧縮充填され、その炭酸ガスを放出することで、送出圧を発生させる。
・・・
【0034】
ボンベ23は、炭酸ガスが圧縮して充填されているが、その内部では、およそ60MPaの圧力がかかっている。この圧力で体腔内へ流体を放出することはできないので、ボンベ23の供給口には、体腔内で許容される圧力値に減圧するレギュレータ46が設けられている。具体的には、レギュレータ46は、60MPaの圧力を約1/1000(60KPa)?1/1100(54.5KPa)に減圧する。レギュレータ46には、60Kpa?54.5KPaの範囲で圧力を調整するための調整ネジ47が設けられている。」

(2)引用文献8に記載の圧力の単位「MPa」、「KPa」について、1Paは約145×10^(-6)psiであるから、60MPa、60KPa、及び、54.5KPaはそれぞれ、約8700psi、8.70psi、及び、7.90psiとなる。

(3)上記(1)、(2)から、引用文献8には「体腔内にて対物レンズ11を洗浄するためにノズル14から気体や液体を噴射するにあたり、炭酸ガスが圧縮充填されているボンベ23から炭酸ガスを放出して気体や液体の送出圧を発生させること、及び、該ボンベ23の内部には約8700psiの圧力がかかっているが、この圧力で体腔内へ流体を放出することはできないので、体腔内で許容される圧力値である8.70psi?7.90psiへと減圧すること。」という技術的事項が記載されているといえる。


9 引用文献9の記載事項
(1)当審が発見した中国特許出願公開第101718911号明細書(以下、「引用文献9」という。)には、以下の記載がある(和訳は当審にて作成した。また、下線は当審にて付した。)。

(引9a)

(和訳)
「技術分野
[0001] 本発明は光学イメージングの技術に関し、特に内視鏡の窓の表面の汚染を防止する装置およびその汚染防止方法の技術に関する。」

(引9b)

(和訳)
「背景技術
[0002] 工業分野で配管探査を行う際、および医療分野で胸腹、大腸肛門、食道、膣、子宮の撮像と治療を行う際などの内視鏡による観測をする時、内視鏡の窓表面の液体、粉塵あるいはペースト物の汚染により観測効果が影響を受け、内視鏡が正常に作動できないことがしばしばある。」

(引9c)

(和訳)
「[0010] 本発明が提供する内視鏡の窓表面の汚染を防止する装置およびその汚染防止方法は、導流部材が高圧ガスの高速流を導いて内視鏡の窓表面に流動ガス膜を形成させ、それにより内視鏡の窓表面を防護して汚染を免れさせることができ、内視鏡の窓表面が汚染されたとしても、流動ガス膜の送風力が汚染を除去し、これによって内視鏡が正常に撮像や観測の動作を有効に途切れず行うことが保証される。」

(引9d)

(和訳)
「[0014] 図1に示すように、本発明の第一実施例が提供する内視鏡の窓表面の汚染を防止する装置の特徴は以下にある:高圧ガス源とノズル12を含み;前記内視鏡の窓表面13は平面であり、前記ノズル12は高圧ガス源と接続し、その噴流方向は内視鏡の窓表面13に平行であり、ノズル12は高圧ガス11の高速流を導いて内視鏡の窓表面13に流動ガス膜を形成させるのに用いられる;
[0015] 本発明の第一実施例において、前記ノズルの口形は扁平状である。
[0016] 本発明第一実施例の装置の汚染防止方法の特徴は以下にある:内視鏡使用中にノズル12が内視鏡の窓表面13に向けて高圧ガス11を噴射し続けることで、高圧ガス11が持続的かつ高速で内視鏡の窓表面13を流れ、平面形流動ガス膜を形成する。
[0017] 図2に示すように、本発明第二実施例が提供する内視鏡の窓表面の汚染を防止する装置の特徴は以下にある:高圧ガス源と導流管22を含み;前記内視鏡の窓表面23は凸面とし、前記導流管22は高圧ガス源と接続し、かつ錐台形の噴流口24を設け、導流管22は高圧ガス21の高速流を導いて内視鏡の窓表面23に流動ガス膜を形成させるのに用いられ;前記内視鏡は導流管22内に取り付けられ、その窓表面23は錐台形の噴流口24に向かい、且つ錐台形の噴流口24と同軸であり;かつ内視鏡の窓表面23と接し内視鏡の窓表面23の軸線に垂直な平面は、錐台形の噴流口24の上下底面の間に位置する。
[0018] 本発明第二実施例の装置の汚染防止方法の特徴は以下にある:内視鏡使用中に高圧ガス21を導流管22に引き入れ、導流管22の錐台形の噴流口24が高圧ガス21を出射し続け、これによって高圧ガス21が持続的かつ高速で内視鏡の窓表面23を流れ、平面形流動ガス膜を形成する。
[0019] 本発明第一、第二実施例において、前記高圧ガス源のガス圧力値は1.5kg/cm^(2)?3.5kg/cm^(2)の間にある。」

(2)引用文献9に記載の圧力の単位「kg/cm^(2)」について、1kg/cm^(2)は約14.22psiであるから、1.5kg/cm^(2)、3.5kg/cm^(2)はそれぞれ、約21.3psi、約49.8psiとなる。

(3)上記(1)、(2)から、引用文献9には「内視鏡使用中に内視鏡の窓表面の汚染を防ぎ、また汚染を除去するために、窓表面に高圧ガスを流し続けて流動ガス膜を形成するにあたり、高圧ガスの圧力を21.3psi?49.8psiとする。」という技術的事項が記載されているといえる。


第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)引用発明1に基づく場合
ア 対比
(ア)引用発明1の「噴射ノズル93」は、本願発明1の「ノズル」に相当する。

(イ)引用発明1の「第1のCO_(2)ガスボンベ71」は、高圧のCO_(2)ガスを提供するものであること、また、本願の発明の詳細な説明の【0046】に「圧力増大機構は、適切な調整器に従って用いられる高圧のボンベ入りガス(瓶入り気体)であってよい。」と記載されていることから、引用発明1の「CO_(2)ガス」が本願発明1の「加圧流体」に相当し、引用発明1の「第1のCO_(2)ガスボンベ71」が本願発明1の「加圧流体を提供するように構成される圧力増大機構」に相当する。

(ウ)引用発明1の「電磁比例弁703」は、本願発明1の「弁」に相当する。

(エ)引用発明1の「硬性内視鏡4」は、本願発明1の「医療器具」に相当し、引用発明1の「観察窓92」は、本願発明1の「医療器具の表面」に相当する。

(オ)引用発明1の「噴射圧・噴射時間制御手段702」は、CO_(2)ガスの噴射圧及び噴射時間を決定し、該噴射圧及び噴射時間に基づいて「電磁比例弁703」は弁の開閉制御を行う。そのため、引用発明1の「電磁比例弁703」は弁の開閉制御を行う機構を備えているといえ、当該機構が本願発明1の「弁制御機構」に相当する。

(カ)引用発明1の「噴射圧・噴射時間制御手段702」が「CO_(2)ガスを噴射圧Fpで噴射時間Ftの間噴射するように、噴射圧及び噴射時間を決定」し、該噴射圧及び噴射時間に基づいて「電磁比例弁703」が弁の開閉制御を行って、「CO_(2)ガス」を「噴射ノズル93から硬性内視鏡4の先端の観察窓92の表面に沿うように噴射」させることが、本願発明1の「弁制御機構」が「加圧流体の流れを、所定の持続時間に亘って、前記圧力増大機構から前記ノズルを通じて医療器具の表面の上に放出するよう、前記弁を制御する」ことに相当する。

(キ)以上のことから、本願発明1と引用発明1との一致点及び相違点は次のとおりである。

【一致点】
「ノズルと、
該ノズルに接続される圧力増大機構であって、加圧流体を提供するように構成される
圧力増大機構と、
該圧力増大機構と前記ノズルとの間の弁と、
加圧流体の流れを、所定の持続時間に亘って、前記圧力増大機構から前記ノズルを通じ
て医療器具の表面の上に放出するよう、前記弁を制御するように構成される、弁制御機構
とを含む、
システム。」

【相違点1】
本願発明1の「圧力増大機構」は、「3.45バール(50psi)よりも大きく、標準的な手術室供給圧力よりも高い圧力で、加圧流体を提供するように構成される」のに対し、引用発明1の「第1のCO_(2)ガスボンベ71」が提供するCO_(2)ガスの圧力は不明である点。

【相違点2】
本願発明1では「加圧流体の前記流れの量は、患者解剖学的構造内の前記医療器具の位置に基づいて決定される」のに対し、引用発明1は患者解剖学的構造内の硬性内視鏡4の位置に基づいてCO_(2)ガスの流れの量が決定されるという構成を有しない点。

イ 判断
相違点1について検討する。
(ア)引用発明1には、「噴射ノズル93から無制限にCO_(2)ガスを噴射すると腹腔内が高圧状態となってしまうため、CO_(2)ガスの噴射量は所定量以下に制限される必要がある。そこで、制限量以下となる条件下で、噴射圧又は噴射時間を設定する。」(引用文献1の【0027】参照)及び「噴射圧を高くするような制御が行われた場合には、電磁比例弁703は、噴射圧を高くするために弁の弁開度を大きくし、噴射時間を短くするために弁の開放時間を短くする。」(引用文献1の【0034】参照)と記載されているが、CO_(2)ガス噴射圧を高くする場合の具体的な圧力の値は記載されていない。

(イ)引用文献2には、対物レンズの外表面を洗浄するための流体の圧力について、具体的な値は記載されていない。

(ウ)引用文献3、引用文献4、引用文献8には体腔内にて内視鏡の外表面を洗浄するために流体を放出するという技術的事項が記載されているが、流体の圧力はいずれも50psiより小さいものである。

(エ)引用発明1は、「噴射ノズル93から無制限にCO_(2)ガスを噴射すると腹腔内が高圧状態となってしまうため、CO_(2)ガスの噴射量は所定量以下に制限される必要がある。そこで、制限量以下となる条件下で、噴射圧又は噴射時間を設定する。」(引用文献1の【0027】参照)という技術的背景のもと、「噴射圧・噴射時間制御手段702」が制御されるものである。
一方、引用文献5には「高圧力流体噴流50の供給圧力を約100psiから約10000psiとする。」という技術的事項が記載されている。しかし、この高圧力流体噴流50は「ノズル開口40aから排出管腔30aへと出し、排出管腔30aの近位における噴流内への周囲流体および閉塞物質の吸い込みを引き起こして閉塞物質を切断する」ためのものであり、カテーテル表面ではなく血栓摘出カテーテル12を構成する排出管腔30aへと出されるのであるから、体腔内に高圧力流体噴流50が出てしまうことに起因する噴射圧や噴射時間についての制限条件は考慮されていない。つまり、引用文献5に記載の高圧力流体噴流50は、引用発明1に記載の内視鏡洗浄のためのCO_(2)ガスとは用いられ方が異なる。そうすると、引用文献5に記載の「約100psiから約10000psi」という圧力値を引用発明1のCO_(2)ガスの圧力に適用することは、当業者が容易に想到しうるものではない。

(オ)引用文献6には腹腔鏡手術下における手術部位の洗浄において、洗浄のための流体を流すという技術的事項が、引用文献7には腹腔鏡下外科手術において気腹用ガスを送気するという技術的事項がそれぞれ記載されているが、引用発明1とは流体・ガスの用途が異なるとともに、流体や気腹用ガスの圧力はいずれも50psiより小さいものである。

(カ)引用文献9には「高圧ガスの圧力を21.3psi?49.8psiとする。」という技術的事項が記載されている。しかし、この「高圧ガス」の圧力は最大でも49.8psiと、50psiより小さいものである。また、「高圧ガス」は「内視鏡使用中に内視鏡の窓表面の汚染を防ぐために、窓表面に高圧ガスを流し続けて流動ガス膜を形成する」ために用いられるものであり、内視鏡の表面に流し続ける必要がある。
そうすると、引用発明1は「噴射ノズル93から無制限にCO_(2)ガスを噴射すると腹腔内が高圧状態となってしまうため、CO_(2)ガスの噴射量は所定量以下に制限される必要がある。そこで、制限量以下となる条件下で、噴射圧又は噴射時間を設定する。」(引用文献1の【0027】参照)ものであるところ、引用発明1において引用文献9に記載の、高圧ガスの圧力を高く設定し、かつ流し続けるという技術的事項を採用することが当業者にとって容易に想到しうることとはいえない。

(キ)よって、引用文献2-9に記載された技術的事項に基づいて、引用発明1において「第1のCO_(2)ガスボンベ71」が提供するCO_(2)ガスの圧力を「3.45バール(50psi)よりも大きく」することは、当業者が容易になし得たこととはいえない。

ウ 小括
したがって、上記相違点2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明1及び引用文献2-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

(2)引用発明2に基づく場合
引用発明2には、少なくとも、前記(1)ア(キ)に記載した相違点1に係る構成である「3.45バール(50psi)よりも大きく、標準的な手術室供給圧力よりも高い圧力で、加圧流体を提供するように構成される」という点は記載されていない。
そして、前記(1)イにて記載したように、引用文献1、引用文献3-4、引用文献6-9には、流体の圧力を50psiよりも大きくする点は記載されていない。
また、引用文献5に記載の「約100psiから約10000psi」という流体の圧力値は、内視鏡洗浄のための流体とは用いられ方が異なる流体についての値であるから、当該圧力値を引用発明2に適用することは、当業者が容易に想到しうるものではない。
さらに、引用文献9に記載の「高圧ガス」は、内視鏡の表面に流し続ける必要があるところ、引用発明2は高圧の気体を一定時間送り込むものであるから、引用発明2において引用文献9に記載の、高圧ガスの圧力を高く設定し、かつ流し続けるという技術的事項を採用することが当業者にとって容易に想到しうることとはいえない。

したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明2及び引用文献1,3-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

(3)引用発明3に基づく場合
引用発明3には、少なくとも、前記(1)ア(キ)に記載した相違点1に係る構成である「3.45バール(50psi)よりも大きく、標準的な手術室供給圧力よりも高い圧力で、加圧流体を提供するように構成される」という点は記載されていない。
そして、前記(1)イにて記載したように、引用文献1-2、引用文献4、引用文献6-9には、流体の圧力を50psiよりも大きくする点は記載されていない。
また、引用文献5に記載の「約100psiから約10000psi」という流体の圧力値は、内視鏡洗浄のための流体とは用いられ方が異なる流体についての値であるから、当該圧力値を引用発明3に適用することは、当業者が容易に想到しうるものではない。
さらに、引用文献9に記載の「高圧ガス」は、内視鏡の表面に流し続ける必要があるところ、引用発明3は高い圧力での送水を3秒間だけ行うものであるから、引用発明3において引用文献9に記載の、高圧ガスの圧力を高く設定し、かつ流し続けるという技術的事項を採用することが当業者にとって容易に想到しうることとはいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明3及び引用文献1-2,4-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2 本願発明2-7について
本願発明2-7も、本願発明1の「3.45バール(50psi)よりも大きく、標準的な手術室供給圧力よりも高い圧力で、加圧流体を提供するように構成される」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1及び引用文献2-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
また、本願発明2-7は、当業者であっても、引用発明2及び引用文献1,3-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえず、引用発明3及び引用文献1-2,4-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものともいえない。

3 本願発明8について
本願発明8は、本願発明1に対応する方法の発明であり、本願発明1の「3.45バール(50psi)よりも大きく、標準的な手術室供給圧力よりも高い圧力で、加圧流体を提供するように構成される」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明1及び引用文献2-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
また、本願発明8は、当業者であっても、引用発明2及び引用文献1,3-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえず、引用発明3及び引用文献1-2,4-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものともいえない。

4 本願発明9-18について
本願発明9-18は、本願発明8を引用する発明であり、本願発明1の「3.45バール(50psi)よりも大きく、標準的な手術室供給圧力よりも高い圧力で、加圧流体を提供するように構成される」に対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明1及び引用文献2-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
また、本願発明9-18は、当業者であっても、引用発明2及び引用文献1,3-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえず、引用発明3及び引用文献1-2,4-9に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものともいえない。

第6 原査定について
令和元年9月24日付け手続補正書による請求項1-7に係る発明は「3.45バール(50psi)よりも大きく、標準的な手術室供給圧力よりも高い圧力で、加圧流体を提供するように構成される」という事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-5に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。
また、令和元年9月24日付け手続補正書による請求項8-18に係る発明は「3.45バール(50psi)よりも大きく、標準的な手術室供給圧力よりも高い圧力で、加圧流体を提供するように構成される」に対応する構成を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-5に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-10-13 
出願番号 特願2017-507966(P2017-507966)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (A61B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 佐藤 秀樹  
特許庁審判長 森 竜介
特許庁審判官 磯野 光司
渡戸 正義
発明の名称 内視鏡器具を洗浄するシステム及び方法  
代理人 大貫 進介  
代理人 伊東 忠重  
代理人 伊東 忠彦  

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