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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05B
管理番号 1367340
審判番号 不服2019-12430  
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-09-19 
確定日 2020-10-16 
事件の表示 特願2017-204876「表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 5月10日出願公開、特開2018- 73823〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年10月24日(パリ条約に基づく優先権主張 2016年(平成28年)10月24日 韓国)の出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
平成30年10月15日付け :拒絶理由通知書
平成31年 1月18日 :意見書の提出
令和 元年 5月15日付け :拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和 元年 9月19日 :審判請求書の提出
令和 元年 9月19日 :手続補正書の提出
(以下、この手続補正書による補正を「本件補正」という。)
令和 元年10月30日 :手続補正書の提出(審判請求書の補正)
令和 2年 3月25日 :上申書の提出

第2 令和元年9月19日付けの手続補正書による手続補正についての補正却下の決定
[結論]
令和元年9月19日付けの手続補正書による手続補正を却下する。

[理由]
1 本件補正の内容
(1)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前、すなわち、この出願の願書に最初に添付された特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。
「 有機発光ダイオードが形成された表示部とチップオンフィルムが付着されたパッド部を含むプラスチック基板と、
前記プラスチック基板の上部に付着した上部保護部材と、
前記プラスチック基板の下部全面に付着した下部保護部材とを含み、
前記上部保護部材は、少なくとも前記表示部を覆い、前期パッド部の両側部を覆う表示装置。」

(2)本件補正後の特許請求の範囲
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。なお、下線は当合議体が付したものであり、補正箇所を示す。
「 有機発光ダイオードが形成された表示部及びチップオンフィルムが付着されたパッド部を含むプラスチック基板と、
前記プラスチック基板の上部表面に付着し、少なくとも前記表示部を覆い、前記パッド部の両側端を覆う上部保護部材と、
前記プラスチック基板の下部全面に付着した下部保護部材とを含み、
前記有機発光ダイオードの少なくとも一つの電極に直接的に接触する接着層によって、前記上部保護部材が前記プラスチック基板の前記上部表面に付着し、前記接着層が前記電極の輪郭を埋めて平坦化することを特徴とする表示装置。」

2 補正の適否について
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「表示部」及び「パッド部」について、「有機発光ダイオードが形成された表示部とチップオンフィルムが付着されたパッド部」を「有機発光ダイオードが形成された表示部及びチップオンフィルムが付着されたパッド部」と補正(以下「補正事項1」という。)し、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「上部保護部材」について、本件出願の出願当初の明細書の【0049】及び図7、10等の記載に基づき、「前記プラスチック基板の上部に付着し」を「前記プラスチック基板の上部表面に付着し、少なくとも前記表示部を覆い、前記パッド部の両側端を覆う」と補正(以下「補正事項2」という。)し、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「プラスチック基板」及び「上部保護部材」について、本件出願の出願当初の明細書の【0044】及び図8等の記載に基づき、「前記有機発光ダイオードの少なくとも一つの電極に直接的に接触する接着層によって、前記上部保護部材が前記プラスチック基板の前記上部表面に付着し、前記接着層が前記電極の輪郭を埋めて平坦化すること」を限定(以下「補正事項3」という。)するものである。
上記補正事項2及び3は、本件補正前の請求項1に記載される発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする、「外部の衝撃から基板が損傷することを防止すること」及び「表示装置の破損及び駆動不良を防止すること」との本件出願の出願当初の明細書の【0007】に記載された課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合するとともに、同条第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正後発明」という。)が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正後発明
本件補正後発明は、上記「1」「(2)本件補正後の特許請求の範囲」に記載したとおりのものである。

(2)引用文献1及び引用発明
ア 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用文献1として引用され、本件出願の優先権主張の日(以下「本件優先日」という。)前に、日本国内又は外国において、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明を記載した、国際公開第2016/127642号(以下、同じく「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は、「FIELD OF THE INVENTION」等項目において付与されたものを除いて、当合議体が付与したものである。)。

(ア)「 FIELD OF THE INVENTION
[0002] The present invention generally relates to the display technologies and, more particularly, relates to a flexible display panel, a method for fabricating the same, and anapparatus for forming the same.

BACKGROUND
[0003] A flexible display panel often includes a flexible display body and corresponding integrated circuit (IC) chips. The IC chip is often bonded onto the flexible display body for forming the flexible display panel.
[0004] In an existing method for fabricating the display panel, laser is often used to lift off or separate the flexible display body from a glass or plastic substrate. The IC chip is further bonded onto the flexible display body to form a flexible display panel.
[0005] However, in the existing method for fabricating the display panel, when the flexible display body is separated from the glass substrate, the flexible display body is susceptible to curling or folding because of its thinness. Particularly, the curling of the portion of the flexible display body corresponding to the IC chip may adversely affect the accuracy of alignment when the IC chip is bonded onto the flexible display body. As a result, it may be difficult to bond the IC chip onto the flexible display body.

BRIEF SUMMARY OF THE DISCLOSURE
[0006] The present invention addresses the above problems in the prior art. The present disclosure provides a flexible display panel, a method for fabricating the flexible display panel, and an apparatusfor bonding the IC chip onto the flexible display body to form the flexible display panel.」

翻訳文
「 技術分野
[0002] 本発明は全般的には表示技術に関し、特にフレキシブル表示パネル、その製造方法、及び該フレキシブル表示パネルを形成するための装置に関する。

背景技術
[0003] 通常、フレキシブル表示パネルはフレキシブルディスプレイボディ及び対応する集積回路(IC)チップを備える。ICチップは、通常、フレキシブルディスプレイボディに接合されてフレキシブル表示パネルを形成する。
[0004] 表示パネルを製造するための従来の方法においては、しばしばレーザーを利用してフレキシブルディスプレイボディをガラス又はプラスチックの基板からリフトオフ又は分離する。更に、ICチップをフレキシブルディスプレイボディに接合してフレキシブル表示パネルを形成する。
[0005] しかしながら、表示パネルを製造するための従来の方法においては、フレキシブルディスプレイボディをガラス基板から分離するとき、フレキシブルディスプレイボディはその薄さのために反り又は折れがちである。特に、ICチップをフレキシブルディスプレイボディに接合する際に、フレキシブルディスプレイボディのICチップに対応する部分の反りは位置合わせ精度に悪影響を与える可能性がある。そのため、ICチップをフレキシブルディスプレイボディに接合することが困難である。
発明の概要
[0006] 本発明は先行技術の上記課題を解決するものである。本開示はフレキシブル表示パネル、該フレキシブル表示パネルを製造するための方法、及びICチップを該フレキシブルディスプレイボディに接合してフレキシブル表示パネルを形成するための装置を提供する。」

(イ)「 DETAILEDDESCRIPTION
[0042] For those skilled in the art to better understand the technical solution of the invention, reference will now be made in detail to exemplary embodiments of the invention, which are illustrated in the accompanying drawings. Wherever possible, the same reference numbers will be used throughout the drawings to refer to the same or like parts.
[0043] One aspect of the present disclosure provides method for bonding an integrated circuit (IC) chip onto a flexible display body. Figure 1 illustrates a process for fabricating a display panel. Figure 2 illustrates certain portions of the display panel using the method according to the present disclosure.
[0044] As shown in Figures 1 and 2, a substrate (not shown) may first be provided. The substrate may include a flexible display body 1 thereon. A stiffening component 8 may be aligned with the first flexible display body 1 and further placed on the flexible display body 1. An IC bonding region is included on the flexible display body 1. The IC bonding region may correspond to the area where the IC chip 3 is bonded onto the flexible display body 1. The stiffening component 8 may include side stiffening portions 7 to correspond to at least two sides of the IC bonding region. The substrate may be separated from the flexible display body 1 and the stiffening component 8 to expose the back surface of the flexible display body 1.
[0045] Further, the IC chip 3 may be bonded onto the IC bonding region on the flexible display body 1.
[0046] In one embodiment, the flexible display body 1 may be a flexible display panel. In another embodiment,the flexible display body 1 may be a combination of a flexible display substrate and a display unit. The flexible display body 1 may include components for displaying images such as organic light-emitting diode (OLED) pixels and thin-film transistor (TFT) circuits for driving and operating the pixels. The disclosed method for fabricating the flexible display panel or the flexible display substrate uses the stiffening component 8 on the flexible display body 1 to provide or improve support to the flexible display body 1. With the support provided by the stiffening component 8, the flexible display body 1 may be prevented from curling after being separated from the glass substrate.
[0047] In addition, the stiffening component 8 may include side stiffening portions 71, corresponding to at least two sides of the IC bonding region. The sides of the IC bonding region may refer to all the sides or side are as neighboring the IC chip 3. The sides or side areas may surround the IC chip 3. A portion of the stiffening component 8 may be positioned in at least two sides of the bonding region of the IC chip 3 such that the side stiffening portions 71 may provide support to the IC chip 3 on the flexible display body 1 to prevent the IC bonding region from folding or curling. Thus, the IC chip 3 can be bonded to the flexible display body 1 with higher accuracy, and the bonding process can be easy to implement.
[0048] As further shown in Figures 3 and 4, the stiffening component 8 may be an encapsulation layer 2 of the flexible display body 1. In other words, the stiffening component 8 may be a sealing portion of the flexible display body. The encapsulation layer 2 may include a main encapsulation portion 23. The main encapsulation portion 23 may correspond to the display region 11 of the flexible display body 1. The main encapsulation portion 23 may extend to form the side stiffening portions 71.」

翻訳文
「 発明を実施するための形態
[0042] 本発明の技術案を当業者がより理解し易いよう、添付図面に示す本発明の例示的な実施例について詳細に参照する。可能な限り、図面全体を通して同一の参照番号を使用して同一もしくは同等の部品を指すこととする。
[0043] 本開示の1つの態様は、集積回路(IC)チップをフレキシブルディスプレイボディに接合するための方法を提供する。図1は表示パネルを製造するための工程を示す。図2は本開示による方法を使用した表示パネルの一部を示す。
[0044] 図1及び図2に示すように、まず、基板(図示せず)を提供する。基板はその上にフレキシブルディスプレイボディを備える。補強部品8を第1フレキシブルディスプレイボディ1に位置合わせ、更にフレキシブルディスプレイボディ1に配置する。フレキシブルディスプレイボディ1には、IC接合領域を含む。IC接合領域は、ICチップ3をフレキシブルディスプレイボディ1に接合する領域に対応する。補強部品8は、IC接合領域の少なくとも二つの側方に対応する側方補強部7を備える。フレキシブルディスプレイボディ1と補強部品8から基板を分離してフレキシブルディスプレイボディ1の背面を露出させる。
[0045] 更に、ICチップ3をフレキシブルディスプレイボディ1のIC接合領域に接合する。
[0046] 一実施例では、フレキシブルディスプレイボディ1はフレキシブル表示パネルである。他の実施例では、フレキシブルディスプレイボディ1はフレキシブルディスプレイ基板とディスプレイユニットの組合せである。フレキシブルディスプレイボディ1は、イメージを表示するための部品、例えば有機性発光ダイオード(OLED)画素と、画素を駆動して作動させるための薄膜トランジスター(TFT)回路を備える。フレキシブル表示パネル又はフレキシブルディスプレイ基板の製造に関して開示した方法は、フレキシブルディスプレイボディ1の補強部品8を使用して、フレキシブルディスプレイボディ1を支持するか、又はフレキシブルディスプレイボディ1に対する支持を改善する。補強部品8から提供される支持によって、ガラス基板から分離された後のフレキシブルディスプレイボディ1の反りを防止する。
[0047] また、補強部品8はIC接合領域の少なくとも二つの側方に対応する側方補強部71を備える。IC接合領域の側方とは、すべての側方又はICチップ3に近隣する側方領域を指す。側方又は側方領域はICチップ3を囲む。側方補強部71がフレキシブルディスプレイボディ1にあるICチップ3を支持してIC接合領域の折れ又は反りを防止するように、ICチップ3の接合領域の少なくとも二つの側方に補強部品8の一部を位置させる。これにより、ICチップ3を高い精度でフレキシブルディスプレイボディ1に接合でき、接合工程が実施し易くなる。
[0048] 図3及び図4に更に示すように、補強部品8はフレキシブルディスプレイボディ1の封入層2である。言い換えると、補強部品8はフレキシブルディスプレイボディのシール部である。封入層2はメイン封入部23を備える。メイン封入部23はフレキシブルディスプレイボディ1の表示領域11に対応する。メイン封入部23は延びて側方補強部71を形成する。」

(ウ)「[0094] Another aspect of the present disclosure provides a flexible display panel. As shown in Figure 2, the flexible display panel may include a flexible display body 1, a stiffening component 8, and an IC chip 3.
[0095] The stiffening component 8 may be placed on the flexible display body 1. An IC bonding region may be included on the flexible display body 1. The stiffening component 8 may include two side stiffening portions 71 corresponding to at least two sides of the IC bonding region. The IC chip 3 may be placed in the IC bonding region on the flexible display body 1.
[0096] In one embodiment, the flexible display body 1 may be the flexible display panel. In the disclosed flexible display panel, by placing or attaching a stiffening component 8 on the flexible display body 1, support can be provided to the flexible display body 1 such that the flexible display body 1 can be prevented from curling or folding after separated from the glass substrate. Further, the stiffening component 8 may include side stiffening portions 71. The side stiffening portions 71 may correspond to at least two sides of the IC bonding region. That is, portions ofthe stiffening component 8 may be placed on at least two sides of the IC bonding region such that the side stiffening portions 71 may provide protection and support to the IC bonding region on the flexible display body 1. The IC bonding region on the flexible display body 1 may be prevented from curling orfolding. Thus, when the IC chip I is aligned with and bonded onto the flexible display body 1, the operation can be accurate and convenient.
[0097] As shown in Figure 4, in some embodiments, the stiffening component 8 may be the encapsulation layer 2 of the flexible display body 1. The encapsulation layer 2 may include the main encapsulation portion 23 and side stiffening portions 71. The main encapsulation portion 23 may correspond to the display region 11 of the flexible display body 1. The main encapsulation portion 23 may extend to the sides to form side stiffening portions 71.
[0098] In one embodiment, by using the encapsulation layer 2 of the flexible display body 1 as the stiffening component 8, encapsulating of the flexible display body 1 and improving support for the flexible display body 1 can be realized simultaneously. The flexible display body 1 can be prevented from curling or folding after being separated from the glass substrate. The side stiffening portions 71 may cover the two sides of the IC bonding region. Besides the side stiffening portions 71, the rest of the encapsulation layer 2 may be referred as the main encapsulation portion 23. The main encapsulation portion 23 may correspond to the display region 11 of the flexible display body 1. The stiffening component 8 may be formed through various means. For example, the stiffening component 8 may be a single-layered adhesive or bonding film with certain thickness and certain mechanical strength, or may be a multiple-layered adhesives or bonding films stacked together.
[0099] As shown in Figure 3,in some embodiments, the encapsulation layer 2 may include a water-repellent layer 21 and a surface-adhesive layer 22. The water-repellent layer 21 may be bonded to the surface-adhesive layer 22, and the surface-adhesive layer 22 may be further bonded to the flexible display body 1.
[00100] The encapsulation layer 2 may be formed by various means. In one embodiment, the water-repellent layer 21 and the surface-adhesive layer 22 may be adhered or bonded together.The water-repellent layer 21 may be an aqueous oxygen barrier layer. The water-repellent layer 21 may be bonded to the flexible display body 1 through the surface-adhesive layer 22. In one embodiment, the water-repellent layer 21 may have a desired thickness to provide sufficient support to the flexible display body 1. When the water-repellent layer 21 and the surface-adhesive layer 22 are bonded to the flexible display body 1, the first opening may beformed on the water-repellent layer 21 and the surface-adhesive layer 22 separately, e.g., the first opening on the water repellent layer 21 and the first opening on the surface-adhesive layer 22 may be cut separately. Alternatively, the water-repellent layer 21 and the surface adhesive layer 22 may be bonded onto the flexible display body 1 and the first opening may beformed (e.g., by cutting) in the water-repellent layer 21 and the surface-adhesive layer 22 together. The side stiffening portions 71 may cover both the water-repellent layer 21 and the surface-adhesive layer 22. By aligning the water-repellent layer 21 and the surface-adhesive layer 22 with the flexible display body 1 and bonding the water-repellent layer 21 and thesurface-adhesive layer 22 onto the flexible display body 1 with pressure, the side stiffening portions 71 may correspond to the sides of the IC bonding region to provide support for the flexible display body 1. Thus, the flexible display panel can be encapsulated.
[00101] As shown in Figure 6,the stiffening component 8 may also include a stiffening film 4. The stiffening film 4 may be bonded to the other surface of the flexible display body 1, i.e.,the surface not bonded with the encapsulation layer 2. The stiffening film 4 may include a main stiffening film portion 43 corresponding to the displayregion 11 of the flexible display body 1, and side stiffening portions 72 extended from the main stiffening film portion 43. The main stiffening film portion 43 and the side stiffening portions 72 may form an opening region 41. The opening region 41 may correspond to the IC bonding region.
[00102] In one embodiment,the stiffening component 8 may include two layers, i.e. the encapsulation layer 2 and the stiffening film 4. The encapsulation layer 2 may be bonded to one surface (e.g., the front surface) of the flexible display body 1 and the stiffening film 4 may be bonded to the other surface (e.g., the back surface) of the flexible display body 1. That is, in practice, when more support for the flexible display body 1 is required, a stiffening film 4 may be bonded to theother surface of the flexible display body 1, i.e., the surface not bonded with the encapsulation layer 2. The stiffening film 4 may provide additional support to the encapsulation layer 2 for supporting the flexible display body 1. The main stiffening film portion 43 on the stiffening film 4 may correspond to the display region 11 of the flexible display body 1. The portions extended from the main stiffening film portion 43 may be the side stiffening portions 72. Similarly to the side stiffening portions 71, the side stiffening portions 72 may be bonded to the sides of the IC bonding region to provide support for the bonding region.
・・・(中略)・・・
[00107] In one embodiment,when in operation, the flexible display body 1 may be placed flat on a supporting surface. As shown in Figures 6 and 7, the encapsulation layer 2 and the IC chip 3 may be placed on the front surface of the flexible display body 1, and the stiffening film 4 may be bonded on the back surface of the flexible display body 1. The area defined by the main stiffening film portion 43 and the side stiffening portions 72 may correspond to the IC bonding region. An opening region 41 may be formed through cutting such that the supporting pad 6 can fitin the opening region 41. The supporting pad 6 may be placed within the opening region 41. The supporting pad 6 may be used to provide support to the IC bonding region on the flexible display body 1.
・・・(中略)・・・
[00115] As shown in Figures 5 and 7, in one embodiment, the stiffening film 4 may further include a direct stiffening portion 42. The direct stiffening portion 42 may directly correspond to or contact the IC bonding region. The direction stiffening portion 42, the main stiffening film portion 43, and the side stiffening portions 72 may be connected together.
[00116] In one embodiment,the stiffening film 4 may also not include the opening region 41. In this case,the supporting pad 6 may not be required to support the flexible display body 1. That is, the stiffening film 4 may be uncut. The stiffening film 4 may bealigned with and bonded onto the flexible display body 1. The stiffening film 4 may include a direct stiffening portion 42, a main stiffening film portion 43, and side stiffening portions 21 connected together. The direct stiffening portion 42 may correspond to the IC bonding region. The side stiffening portions 72 may correspond to the two sides of the IC bonding region.
・・・(中略)・・・
[00118] Another aspect of the present disclosure provides a display apparatus. The display apparatus may incorporate the disclosed flexible display panel.」

翻訳文
「[0094] 本開示の他の態様は、フレキシブル表示パネルを提供する。図2に示すように、フレキシブル表示パネルは、フレキシブルディスプレイボディ1と、補強部品8と、ICチップ3を備える。
[0095] 補強部品8をフレキシブルディスプレイボディ1に配置する。一つのIC接合領域をフレキシブルディスプレイボディ1に含む。補強部品8は、IC接合領域の少なくとも二つの側方に対応する二つの側方補強部71を備える。ICチップ3をフレキシブルディスプレイボディ1のIC接合領域に設置する。
[0096] 一実施例では、フレキシブルディスプレイボディ1はフレキシブル表示パネルである。開示したフレキシブル表示パネルにおいて、補強部品8をフレキシブルディスプレイボディ1に配置する又は取り付けることによって、フレキシブルディスプレイボディ1を支持できる。よって、ガラス基板から分離した後のフレキシブルディスプレイボディ1の反り又は折れを防止できる。更に、補強部品8は側方補強部71を備える。側方補強部71は、IC接合領域の少なくとも二つの側方に対応する。すなわち、側方補強部71がフレキシブルディスプレイボディ1のIC接合領域を保護・支持するよう、補強部品8をIC接合領域の少なくとも二つの側方に設置する。フレキシブルディスプレイボディ1のIC接合領域の反り又は折れが防止される。このように、ICチップ1をフレキシブルディスプレイボディ1に位置合わせて接合するとき、操作は正確かつ便利なものとなる。
[0097] 図4に示すように、いくつかの実施例では、補強部品8はフレキシブルディスプレイボディ1の封入層2である。封入層2はメイン封入部23と側方補強部71を備える。メイン封入部23はフレキシブルディスプレイボディ1の表示領域11に対応する。メイン封入部23は側方へ伸びて側方補強部71を形成する。
[0098] 一実施例では、フレキシブルディスプレイボディ1の封入層2を補強部品8として使用することによって、フレキシブルディスプレイボディ1の封入と、フレキシブルディスプレイボディ1への支持の改善を同時に実現できる。ガラス基板から分離した後のフレキシブルディスプレイボディ1の反り又は折れを防止できる。側方補強部71は、IC接合領域の二つの側方を覆う。側方補強部71を除く残りの封入層2をメイン封入部23と称する。メイン封入部23はフレキシブルディスプレイボディ1の表示領域11に対応する。補強部品8はさまざまな手段によって形成される。例えば、補強部品8は、特定の厚さ、かつ特定の機械的な強度を有する単層の接着剤又は接合フィルム、あるいは積み重ねされた複層接着剤又は接合フィルムである。
[0099] 図3に示すように、いくつかの実施例では、封入層2は撥水層21と表面接着層22を備える。該撥水層21は表面接着層22と接合され、該表面接着層22は更にフレキシブルディスプレイボディ1に接合される。
[00100] 封入層2はさまざまな手段によって形成される。一実施例では、撥水層21と表面接着層22を接着又は接合する。撥水層21は含水酸素バリヤー層である。表面接着層22によってフレキシブルディスプレイボディ1に撥水層21を接合する。一実施例では、撥水層21はフレキシブルディスプレイボディ1を十分に支持するのに望ましい厚さを有する。撥水層21と表面接着層22をフレキシブルディスプレイボディ1に接合するとき、第1開口を撥水層21と表面接着層22に別々に形成する。例えば、撥水層21における第1開口及び表面接着層22における第1開口を別々に切出す。撥水層21と表面接着層22をフレキシブルディスプレイボディ1に接合し、第1開口を撥水層21とともに表面接着層22に(例えば、切断によって)形成してもよい。側方補強部71は撥水層21と表面接着層22の両方を覆う。撥水層21と表面接着層22をフレキシブルディスプレイボディ1に位置合わせ、撥水層21と表面接着層22を圧力によってフレキシブルディスプレイボディ1に接合することによって、側方補強部71はIC接合領域の側方に対応してフレキシブルディスプレイボディ1を支持する。こうすることで、フレキシブル表示パネルを封入できる。
[00101] 図6に示すように、補強部品8は補強フィルム4を更に備える。補強フィルム4を、フレキシブルディスプレイボディ1の他方の表面、すなわち封入層2と接合されていない表面に接合する。補強フィルム4は、フレキシブルディスプレイボディ1の表示領域11に対応するメイン補強フィルム部43と、メイン補強フィルム部43から伸びる側方補強部72を備える。メイン補強フィルム部43と側方補強部72は開口領域41を形成する。開口領域41はIC接合領域に対応する。
[00102] 一実施例では、補強部品8は2つの層、すなわち封入層2と補強フィルム4を備える。封入層2をフレキシブルディスプレイボディ1の一方の表面(例えば、前面)に接合し、補強フィルム4をフレキシブルディスプレイボディ1の他方の表面(例えば、背面)に接合する。すなわち、実際には、フレキシブルディスプレイボディ1への更なる支持が必要となる場合、補強フィルム4をフレキシブルディスプレイボディ1の他方の表面、すなわち封入層2と接合されていない表面に接合してもよい。補強フィルム4は、封入層2に追加の支持エフェクトを与えてフレキシブルディスプレイボディ1を支持する。補強フィルム4のメイン補強フィルム部43はフレキシブルディスプレイボディ1の表示領域11に対応する。メイン補強フィルム部43から伸びる部分は側方補強部72である。側方補強部71と同様に、側方補強部72をIC接合領域の側方に接合して接合領域を支持する。
・・・(中略)・・・
[00107] 一実施例では、稼動中に、フレキシブルディスプレイボディ1を支持面に平らに設置する。図6及び図7に示すように、封入層2とICチップ3をフレキシブルディスプレイボディ1の前面に設置し、補強フィルム4をフレキシブルディスプレイボディ1の背面に接合する。メイン補強フィルム部43と側方補強部72によって定義される領域はIC接合領域に対応する。
・・・(中略)・・・
[00115] 図5及び図7に示すように、一実施例では、補強フィルム4は直接補強部42を更に備える。直接補強部42は、IC接合領域と直接に対応するか、又は接触する。直接補強部42と、メイン補強フィルム部43と、側方補強部72は互いに繋がっている。
[00116] 一実施例では、補強フィルム4は開口領域41を備えなくてもよい。この場合、支持パッド6はフレキシブルディスプレイボディ1を支持しなくてもよい。すなわち、補強フィルム4を切出さなくてもよい。補強フィルム4をフレキシブルディスプレイボディ1に位置合わせて接合する。補強フィルム4は、互いに繋がる直接補強部42と、メイン補強フィルム部43と、側方補強部21を備える。直接補強部42はIC接合領域に対応する。側方補強部72はIC接合領域の二つの側方に対応する。
・・・(中略)・・・
[00118] 本開示の他の態様は表示装置を提供する。該表示装置には開示したフレキシブル表示パネルを組み込む。」

(エ)Figure 2



(オ)Figure 3





(カ)Figure 4




(キ)Figure 5



(ク)Figure 6




(ケ)Figure 7




イ 引用発明
(ア)引用文献1の[0046]には、「フレキシブルディスプレイボディ1は、イメージを表示するための部品、例えば有機性発光ダイオード(OLED)画素と、画素を駆動して作動させるための薄膜トランジスター(TFT)回路を備える。」と記載されていることから、引用文献1のフレキシブルディスプレイボディは、有機性発光ダイオード画素と、画素を駆動して作動させるための薄膜トランジスター回路を備える。
(イ)引用文献1の[0042]には、「本発明の技術案を当業者がより理解し易いよう、添付図面に示す本発明の例示的な実施例について詳細に参照する。可能な限り、図面全体を通して同一の参照番号を使用して同一もしくは同等の部品を指すこととする。」と記載されていることから、引用文献1の図5に記載された符号1は、[0094]?[00114]に記載された「フレキシブルディスプレイボディ1」を示す。また、引用文献1の図5に記載された符号21及び22は、[0094]?[00114]に記載された「封入層2」における「撥水層21」及び「表面接着層22」を示す。
(ウ)上記(ア)と引用文献1の[0094]には、「本開示の他の態様は、フレキシブル表示パネルを提供する。図2に示すように、フレキシブル表示パネルは、フレキシブルディスプレイボディ1と、補強部品8と、ICチップ3を備える。」、[00118]には、「本開示の他の態様は表示装置を提供する。該表示装置には開示したフレキシブル表示パネルを組み込む」と記載されていることから、引用文献1の表示装置は、フレキシブル表示パネルを組み込み、フレキシブル表示パネルは、有機性発光ダイオード画素と、画素を駆動して作動させるための薄膜トランジスター回路を備えるとともに、[0094]?[00116]に記載された「フレキシブル表示パネル」における「フレキシブルディスプレイボディ」を備えるものである。

(エ)そうしてみると、引用文献1には、[00115]?[00116]、図5、7に記載された実施例として、次の発明(「以下「引用発明」という。」)が記載されていると認められる。

「 フレキシブル表示パネルを組み込む表示装置であって、
フレキシブル表示パネルは、フレキシブルディスプレイボディと、補強部品と、ICチップを備え、
フレキシブルディスプレイボディは、有機性発光ダイオード画素と、画素を駆動して作動させるための薄膜トランジスター回路を備え、
一つのIC接合領域をフレキシブルディスプレイボディに含み、ICチップをフレキシブルディスプレイボディ1のIC接合領域に設置し、
補強部品はフレキシブルディスプレイボディの封入層であり、封入層はメイン封入部と側方補強部を備え、メイン封入部はフレキシブルディスプレイボディの表示領域に対応し、メイン封入部は側方へ伸びて側方補強部を形成し、側方補強部は、IC接合領域の二つの側方を覆い、
封入層は撥水層と表面接着層を備え、撥水層は表面接着層と接合され、表面接着層は更にフレキシブルディスプレイボディに接合され、
補強部品は補強フィルムを更に備え、
封入層とICチップをフレキシブルディスプレイボディの前面に設置し、補強フィルムをフレキシブルディスプレイボディの背面に接合し、
補強フィルムは、互いに繋がる直接補強部と、メイン補強フィルム部と、側方補強部を備え、直接補強部はIC接合領域に対応し、側方補強部はIC接合領域の二つの側方に対応する、
表示装置。」

(3)対比
本件補正後発明と引用発明とを対比する。
ア プラスチック基板
引用発明の「フレキシブルディスプレイボディ」は、「有機性発光ダイオード画素と、画素を駆動して作動させるための薄膜トランジスター回路を備え、」「一つのIC接合領域を」「含み、」「ICチップを」「IC接合領域に設置し」、「メイン封入部は」「表示領域に対応」するものである。
引用発明の「有機性発光ダイオード画素」及び「表示領域」は、その文言どおり、それぞれ、本件補正後発明の「有機発光ダイオード」及び「表示部」に相当する。
ここで、上記構成、及び「有機性発光ダイオード画素」が「フレキシブルディスプレイボディの表示領域」に形成されたものであることは技術常識であることにより、引用発明の「フレキシブルディスプレイボディ」は、「有機性発光ダイオード画素」が形成された「表示領域」、及び「ICチップを」「設置した」「IC接合領域」を備えるものである。また、上記構成及び技術常識より、引用発明の「フレキシブルディスプレイボディ」が基板であることは明らかであり、引用発明の「ICチップ」が「フレキシブルディスプレイボディ」に付着されたものであることは明らかである。さらに、引用発明の「IC接合領域」は、その機能から、本願発明の「パッド領域」に相当する。
そうしてみると、引用発明の「フレキシブルディスプレイボディ」と本願発明の「プラスチック基板」は、「基板」という点で共通し、引用発明の「ICチップ」と本願発明の「チップオンフィルム」は、「チップ」という点で共通し、引用発明の上記構成を具備する「フレキシブルボディ」と本願発明の「有機発光ダイオードが形成された表示部及びチップオンフィルムが付着されたパッド部を含むプラスチック基板」は、「有機発光ダイオードが形成された表示部及びチップ」「が付着されたパッド部を含む」「基板」という点で共通する。

イ 上部保護部材
引用発明の「封入層」は、「メイン封入部と側方補強部を備え、メイン封入部はフレキシブルディスプレイボディの表示領域に対応し、メイン封入部は側方へ伸びて側方補強部を形成し、側方補強部は、IC接合領域の二つの側方を覆い、」「ICチップ」とともに、「フレキシブルディスプレイボディの前面に設置」されるものである。
上記構成及び技術常識より、引用発明の「封入層」は、「フレキシブルディスプレイボディ」に付着され、「フレキシブルディスプレイボディ」のうち少なくとも「表示領域」及び「IC接合領域」の二つの側方を覆うことにより、保護する部材といえる。また、上記構成より、引用発明においては、「フレキシブルディスプレイボディ」の「ICチップ」を設置した面を「前面」としている。
これに対して、本願発明は、「プラスチック基板」の「チップオンフィルムが付着された」面を「上部表面」としている。
そうしてみると、引用発明の「前面」は、本願発明の「上部表面」に相当し、引用発明の「封入層」は、本願発明の「上部保護部材」に相当する。また、引用発明の上記構成を具備する「封入層」と本願発明の「プラスチック基板の上部表面に付着し、少なくとも前記表示部を覆い、前記パッド部の両側端を覆う上部保護部材」は、「基板の上部表面に付着し、少なくとも前記表示部を覆い、前記パッド部の両側端を覆う上部保護部材」という点で共通する。

ウ 下部保護部材
引用発明の「補強フィルム」は、「フレキシブルディスプレイボディの背面に接合」され、「互いに繋がる直接補強部と、メイン補強フィルム部と、側方補強部を備え、直接補強部はIC接合領域に対応し、側方補強部はIC接合領域の二つの側方に対応する」ものである。
上記構成より、引用発明の「補強フィルム」は、「フレキシブルディスプレイボディ」の全面に接合されるものである(図5からも看取される構成である。)。また、上記構成と技術常識より、引用発明の「補強フィルム」は、「フレキシブルディスプレイボディ」に付着されているといえる。さらに、引用発明の「補強フィルム」は、「フレキシブルディスプレイボディ」の「ICチップ」の設置されていない面に付着され、「フレキシブルディスプレイボディ」を保護するものである。
これに対して、本願発明は、「プラスチック基板」の「チップオンフィルムが付着され」ていない面を「下部」「面」としている。
そうしてみると、引用発明の「補強フィルム」は、本願発明の「下部保護部材」に相当し、引用発明の上記構成と本願発明の「プラスチック基板の下部全面に付着した下部保護部材」は、「基板の下部全面に付着した下部保護部材」という点で共通する。
(エ)上記ア?ウの対比結果並びに本件補正後発明と引用発明の全体構成からみて、引用発明の「表示装置」は、本件補正後発明の「表示装置」に相当する。また、両者は、「基板と」、「上部保護部材と」、「下部保護部材とを含み」という点で共通する。

(4)一致点・相違点
ア 一致点
以上の対比結果を踏まえると、本件補正後発明と引用発明は、以下の点で一致する。

「 有機発光ダイオードが形成された表示部及びチップが付着されたパッド部を含む基板と、
前記基板の上部表面に付着し、少なくとも前記表示部を覆い、前記パッド部の両側端を覆う上部保護部材と、
前記基板の下部全面に付着した下部保護部材とを含む表示装置。」

イ 相違点
本件補正後発明と引用発明は、以下の点で相違するか、一応相違する。

(相違点1)
「チップ」が、本件補正後発明は、「チップオンフィルム」であるのに対して、引用発明は、「ICチップ」である点。

(相違点2)
「基板」が、本件補正後発明は、「プラスチック基板」であるのに対して、引用発明は、「フレキシブルディスプレイボディ」である点。

(相違点3)
本件補正後発明は、「前記有機発光ダイオードの少なくとも一つの電極に直接的に接触する接着層によって、前記上部保護部材が前記プラスチック基板の前記上部表面に付着し、前記接着層が前記電極の輪郭を埋めて平坦化する」のに対して、引用発明は、そのような特定がなされていない点。

(5)判断
上記相違点について検討する。
ア 相違点1について
「表示パネルとICチップを接続するための手段として、チップオンフィルムを用いること」は、周知技術(国際公開第2007/142065号の[0032]、図1、特開2010-231979号公報の【0035】、図1参照。)であるから、外部の配線基板と接続するために、引用発明の「ICチップ」をチップオンフィルムとすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

イ 相違点2について
フレキシブルディスプレイボディの基板としてプラスチック基板を用いることは、慣用手段である。当業者からしてみれば、引用発明においても、プラスチック基板が採用されていることは明らかであるから、上記相違点2は実質的な差異ではない。

ウ 相違点3について
引用発明は、「封入層とICチップをフレキシブルディスプレイボディの前面に設置」するものであり、引用発明の「フレキシブルディスプレイボディ」は、「有機性発光ダイオード画素と、画素を駆動して作動させるための薄膜トランジスター回路を備え」るものである。ここで、本願出願時の技術常識に照らせば、引用発明の「有機性発光ダイオード画素」は電極を有し、「フレキシブルディスプレイボディ」の「ICチップ」と同じ面に設けるものである。そうしてみると、引用発明の「有機性発光ダイオード画素」の電極は、「フレキシブルディスプレイボディ」の前面にあるといえる。
また、引用発明の「封入層」は、「撥水層と表面接着層を備え、撥水層は表面接着層と接合され、表面接着層は更にフレキシブルディスプレイボディ1に接合され」るものである。
そして、「有機発光素子を封止しかつ保護部材と接着するための手段として、有機発光ダイオードの少なくとも一つの電極に直接接触する接着層によって上部保護部材が基板の上部表面に付着し、前記接着層が前記電極の輪郭を埋めて平坦化すること」は、周知技術(例えば、特開2008-242249号公報の【0086】、図12、特開2015-103389号公報の【0032】、【0103】、【0113】、図1参照。)である。
そうしてみると、有機発光素子を封止しかつ保護部材と接着するための手段として、引用発明の「表面接着層」に上記周知技術を適用して上記相違点3に係る本件補正後発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(6)効果
本件補正後発明の効果に関して、本願明細書の【0013】には、「本発明の実施形態に係る表示装置は、プラスチック基板の下部と上部に保護部材を備えるが、パッド部の端を覆うように配置することにより、プラスチック基板の側面に加えられた衝撃から、プラスチック基板が損傷されることを防止することができる利点がある。したがって、表示装置の損傷及び駆動不良を防止することができる。」と記載されている。
しかしながら、このような効果は、引用発明も奏する効果にすぎない。

なお、審判請求人は、令和2年3月25日に提出された上申書において補正案のとおりの補正をする用意があるとしている。
しかしながら、上記補正案における「上部保護部材の複数の突出部と下部保護部材の複数の突出部とにおいて、プラスチック基板の外側で対向する突出部を互いに合着すること」は、周知技術であり、上記補正案に係る発明の効果も、引用発明及び周知技術から予測できる範囲内のものである。
したがって、上記補正案に係る発明も、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、上記補正案を採用することはできない。

(7)小括
本件補正後発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

3 補正却下の決定のむすび
本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、前記「令和元年9月19日付けの手続補正書による手続補正についての補正却下の決定」[結論]のとおり決定する。


第3 本願発明について
1 本願発明
以上のとおり、本件補正は却下されたので、本件出願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1(1)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
本願発明の原査定の拒絶の理由は、本願発明は、本件優先日前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である下記の引用文献に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献に記載された発明に基づいて、本件優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1:国際公開第2016/127642号
引用文献2:国際公開第2007/142065号
引用文献3:特開2010-231979号公報
引用文献4:米国特許出願公開第2010/0001307号明細書
引用文献5:特開2011-128481号公報
引用文献6:特開2009-115942号公報
引用文献7:特開2011-44375号公報
(当合議体注:引用文献1は、主引用例である。引用文献2?7は、いずれも周知技術を示す文献である。)

3 引用文献及び引用発明
引用文献1の記載及び引用発明は、前記第2[理由]2(2)ア及びイに記載したとおりである。

4 対比及び判断
本願発明は、前記第2[理由]2で検討した本件補正後発明から、前記第2[理由]1で述べた限定を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を限定した本件補正後発明が、前記第2[理由]2に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、前記第2[理由]2に記載した理由と同様に、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。


第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2020-04-28 
結審通知日 2020-05-12 
審決日 2020-06-03 
出願番号 特願2017-204876(P2017-204876)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H05B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小久保 州洋三笠 雄司  
特許庁審判長 樋口 信宏
特許庁審判官 神尾 寧
井口 猶二
発明の名称 表示装置  
代理人 吉澤 弘司  
代理人 岡部 讓  
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