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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G09G
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G09G
管理番号 1367756
審判番号 不服2019-9091  
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-07-05 
確定日 2020-10-28 
事件の表示 特願2016-561830「装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年11月19日国際公開、WO2015/175113、平成29年 9月21日国内公表、特表2017-527833〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年4月8日にされた国際特許出願(パリ条約による優先権主張、外国庁受理2014年5月12日、米国、2014年9月26日、米国)であって、平成29年11月27日付けの拒絶理由通知に対し、平成30年3月5日に意見書及び手続補正書が提出され、平成30年8月1日付けの拒絶理由通知(最後の拒絶理由通知)に対し、平成30年10月25日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、この手続補正書でされた補正が平成31年2月28日付けで却下され、また同日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)がなされ(送達日:平成31年3月5日)、これに対して、令和元年7月5日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に特許請求の範囲についての補正(以下、「本件補正」という。)がなされたものである。


第2 本件補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲についての補正であって、本件補正前及び本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、以下のとおりである。(下線は補正箇所を示す。)

補正前
「【請求項1】
複数の部品が全て内部に配設されている一体型筐体と、
プロセッサと、
少なくとも2つのディスプレイと、
少なくとも2つのカメラと、
前記少なくとも2つのカメラから入力を取得するよう、そして、前記少なくとも2つのディスプレイにディスプレイ情報を供給するよう前記プロセッサに指示するためのコードを有するストレージシステムと
を備え、
前記少なくとも2つのカメラは、第1のカメラおよび前記第1のカメラよりも解像度の高い第2のカメラを含み、
前記少なくとも2つのディスプレイは、前記第1のカメラに隣接している第1のディスプレイおよび前記第2のカメラに隣接している第2のディスプレイを含み、
前記第2のカメラは、前記第2のカメラにより撮像された撮像画像を更新し、更新した前記撮像画像を送信する、
装置。」

(2)補正後
「 【請求項1】
複数の部品が全て内部に配設されている一体型筐体と、
プロセッサと、
少なくとも2つのディスプレイと、
少なくとも2つのカメラと、
前記少なくとも2つのカメラから入力を取得するよう、そして、前記少なくとも2つのディスプレイにディスプレイ情報を供給するよう前記プロセッサに指示するためのコードを有するストレージシステムと
を備え、
前記少なくとも2つのカメラは、第1のカメラおよび前記第1のカメラよりも解像度の高い第2のカメラを含み、
前記少なくとも2つのディスプレイは、前記第1のカメラに隣接している第1のディスプレイ、および、前記第2のカメラに隣接し、前記第1のディスプレイとヒンジで接続され、前記ヒンジにより裏面が前記第1のディスプレイの裏面と対向可能な第2のディスプレイを含み、
前記第2のカメラは、前記第2のカメラにより撮像された撮像画像を更新し、更新した前記撮像画像を送信する、
装置。」

2 本件補正の目的
本件補正は、補正前の請求項1に係る発明に、その「第2のディスプレイ」が「前記第1のディスプレイとヒンジで接続され、前記ヒンジにより裏面が前記第1のディスプレイの裏面と対向可能」である旨の限定を付加して、補正後の請求項1に係る発明とするものである。
そして、補正前の請求項1に記載された発明と、補正後の請求項1に記載される発明とは、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するものを含む補正である。

そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について検討を行う。

3 独立特許要件についての判断
(1)本件補正発明
本件補正発明は、前記1(2)に記載された事項により特定されるとおりのものである。

(2)引用文献1に記載された事項、引用発明
原査定の拒絶の理由の「引用文献1」である特開2014-78234号公報(公開日:平成26年5月1日)には、次の記載がある。(下線は当審で付した。以下同様。)

ア「【0129】
図26を参照すると、本実施形態によるマルチディスプレイ装置100は、通信部110、マルチメディア部120、制御部130、撮像部140、センサ部150、入/出力部160、保存部170、電源部180、及び第1、2ディスプレイ部190a、190bを含む。」

イ「【0144】
制御部130は、通信部110、マルチメディア部120、撮像部140、センサ部150、入/出力部160、保存部170、電源部180、及び第1、2ディスプレイ部190a、190bを制御する。制御部130は、これらのハードウェアにクロックを提供し、制御信号を送出するCPU、プロセスを一時的に又は半永久的に保存するためのメモリ、グラフィック処理のためのGPU、メモリとCPU及びGPUの間にデータ伝達のためのシステムバスを含む。なお、ハードウェア構成を駆動するためのオペレーティングシステム(OS)、OS上でユーザインターフェースを提供してフレームワークで伝達するアプリケーションを含む。制御部130の各構成については、詳細に後述する。
【0145】
撮像部140は、図26に示すように、第1カメラ141及び第2カメラ142のうちの少なくとも一方を含む。但し、図26では、第1カメラ141及び第2カメラ142のみを示しているが、実施形態に応じて、更なるカメラを含んでもよい。」

ウ「【0165】
第1に、保存部170は、マルチディスプレイ装置100の動作を制御するためのOSプログラムを保存する。保存されたOSは、マルチディスプレイ装置100がターンオンされた場合に、保存部で読み取られ、コンパイルされて装置の各構成を作動させる。」

エ「【0196】
上述のように、マルチディスプレイ装置100でタッチ及びその他のユーザ操作が検知されると、制御部130はユーザ操作が意図されたものか否かを判断する。判断結果、意図されたユーザ操作であると判断されると、そのユーザ操作に対応する動作に対する情報を保存部170から読み取った後、その情報に対応する動作を行う。このような制御部130の動作は、保存部170に保存された各種プログラムの実行によって具現される。撮像部140は、ユーザ操作に応じて撮像作業を行う。撮像部140は、マルチディスプレイ装置100内において、複数個設けられる。例えば、第1ディスプレイ部190aが設けられた第1ボディ2に第1撮像部が設けられ、第2ディスプレイ部190bが設けられた第2ボディ4に第2撮像部が設けられる。制御部130は、撮像部140によって撮像されたイメージを保存するか又はメール、メッセンジャ、メッセージ等に添付して外部に伝送する。或いは、撮像部140によって撮像されたイメージを分析してユーザのモーションジェスチャーを認識し、そのモーションジェスチャーに対応する制御動作を行うこともできる。」

オ「【0202】
オペレーティングシステム(OS)420は、ハードウェア410の動作全般を制御し、ハードウェア410及びアプリケーションに対応するプロセスを管理する機能を実行する。即ち、OS420は、ハードウェア管理とメモリ、セキュリティ等の基本的な機能を担当する階層である。OS420は、マルチディスプレイ部を駆動させるためのディスプレイドライバ、データ送受信のための通信ドライバ、カメラを駆動させるためのカメラドライバ、オーディオ部を駆動させるためのオーディオドライバ、電源管理者等のモジュールを含む。なお、開発者がアプローチできるようなAPIライブラリとランタイム(runtime)が含まれてもよい。OS420は、アプリケーションの呼び出しを処理し、処理結果に応じてハードウェアを作動させる。」

カ「【0252】
図35は、本発明の一実施形態によるマルチディスプレイ装置100の細部斜視図である。ここでは、マルチディスプレイ装置100がヒンジ部185で結合された2つのディスプレイ部(190a、190b)を備える場合の構成を示す。
【0253】
図35を参照すると、マルチディスプレイ装置100は、第1及び第2ボディ(body)2、4で構成され、第1及び第2ボディ2、4は、ヒンジ部185によって接続されて相対的に移動できるように構成される。第1ボディ2の一面には第1ディスプレイ部190aが備えられ、第1ディスプレイ部190aの一側面には少なくとも1つの物理的なボタン部161(図26参照)が配置される。第2ボディ4の一面には、第2ディスプレイ部190bが備えられ、第2ディスプレイ部190bの一側面には少なくとも1つの物理的なボタン部161'が配置される。物理的なボタン部161、161'は、プッシュボタン及びタッチボタンの少なくとも一方を含む。一実施形態として、スピーカ163及びマイク162(図26参照)を備えた第1ボディ2に配置された第1ディスプレイ部190aはメインスクリーンとして作動し、そうではない第2ボディ4に配置された第2ディスプレイ部190bはサブスクリーンとして作動する。一実施形態として、第1ボディ2は第1カメラ141を備え、第2ボディ4は第2カメラ142を備える。」

キ「【0262】
図36は、本発明の一実施形態によるマルチディスプレイ装置100を示す斜視図である。図36に示すように、第1ボディ2及び第2ボディ4上の第1及び第2ディスプレイ部190a、190bが各々対向している状態であり、第1ボディ2と第2ボディ4とが互いに接している。即ち、第1ディスプレイ部190aの反対側に第2ディスプレイ部190bが位置する。ユーザが第1ディスプレイ部190aを見る場合、第2ディスプレイ部190bは反対側に位置するため、ユーザは第2ディスプレイ部190bを直接見ることができない。このように、ユーザは1つのディスプレイ部のみを見ることができる。」

ク「【0270】
図40は、図39において説明したスタンディングモードの他の実施形態として、ヒンジの一部分が床に触れるようにマルチディスプレイ装置100を立てた状態を示すものとして、ポートレートモード(「縦向きに見る」モード)と称する。「縦向きに見る」モードは、第1及び第2ボディ2、4の間の相対角度が30度?90度の間であり、加速度センサによってマルチディスプレイ装置100が縦に立てられていると判断された場合、「縦向きに見る」モードと認知する。

・・・

【0272】
「縦向きに見る」モードは、2名以上のユーザの各々異なる映像を提供する必要があるアプリケーション、一例として、テレビ会議、マルチ動画アプリケーション等に適用される。」

【図26】


【図35】

【図36】

【図40】

ケ 図35の記載から、第1ディスプレイ部190aが第1カメラ141に隣接し、また第2ディスプレイ部190bが第2カメラ142に隣接することは明らかである。

コ 段落【0262】と図36の記載から、2つのディスプレイ部の裏面が対向可能であることは明らかである。

そうすると、上記ア-コより、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「ヒンジ部185によって接続されて相対的に移動できるように構成された第1及び第2ボディ2、4と、(【0253】)
CPUを含む制御部130と、(【0129】、【0144】)
撮像部140と、(【0129】)
第1ボディ2の一面に備えられた第1ディスプレイ部190aと、第2ボディ4の一面に備えられた第2ディスプレイ部190bと、(【0253】)
第1ボディ2に備えられた第1カメラ141と、第2ボディ4に備えられた第2カメラ142と、(【0253】)
マルチディスプレイ装置100の動作を制御するためのOSプログラムを保存する保存部170であって(【0129】、【0165】)、OS420は、マルチディスプレイ部を駆動させるためのディスプレイドライバ、カメラを駆動させるためのカメラドライバを含む(【0202】)、保存部170と、
を含み、
第1ディスプレイ部190aは第1カメラ141に隣接し、第2ディスプレイ部190bは第2カメラ142に隣接し(図35)、2つのディスプレイ部はヒンジ部185で結合され(【0252】)、互いの裏面が対向可能であり(【0262】、図36)、
制御部130は、第1カメラ141と第2カメラ142を含む撮像部140によって撮像されたイメージを外部に伝送し、(【0145】、【0196】)
2名以上のユーザの各々異なる映像を提供する必要があるテレビ会議等に適用される「縦向きに見る」モードを備える、(【0272】)
マルチディスプレイ装置100。(【0129】)」

(3)対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。

まず、引用発明の「ヒンジ部185によって接続されて相対的に移動できるように構成された第1及び第2ボディ2、4」の内部にマルチディスプレイ装置100を構成する複数の部品の全てが配設されていることは明らかであり、「第1ボディ2」と「第2ボディ4」とは、「ヒンジ部185」によって一体化されているといえるから、該「第1及び第2ボディ2、4」は、本件補正発明の「複数の部品が全て内部に配設されている一体型筐体」に相当する。
次に、引用発明の「CPUを含む制御部130」、「第1ボディ2の一面に備えられた第1ディスプレイ部190aと、第2ボディ4の一面に備えられた第2ディスプレイ部190b」及び「第1ボディ2に備えられた第1カメラ141と、第2ボディ4に備えられた第2カメラ142」は、それぞれ本件補正発明の「プロセッサ」、「少なくとも2つのディスプレイ」及び「少なくとも2つのカメラ」に相当する。
さらに、引用発明の「OS420」に含まれる「マルチディスプレイ部を駆動させるためのディスプレイドライバ、カメラを駆動させるためのカメラドライバ」は、本件補正発明の「2つのディスプレイにディスプレイ情報を供給するよう」に、また「少なくとも2つのカメラから入力を取得するよう」に「プロセッサに指示するためのコード」に相当する。よって、引用発明の「マルチディスプレイ装置100の動作を制御するためのOSプログラムを保存する保存部170であって、OS420は、マルチディスプレイ部を駆動させるためのディスプレイドライバ、カメラを駆動させるためのカメラドライバを含む、保存部170」は、本件補正発明の「前記少なくとも2つのカメラから入力を取得するよう、そして、前記少なくとも2つのディスプレイにディスプレイ情報を供給するよう前記プロセッサに指示するためのコードを有するストレージシステム」に相当する。
また、引用発明において、「第1ディスプレイ部190aは第1カメラ141に隣接し、第2ディスプレイ部190bは第2カメラ142に隣接し、2つのディスプレイ部はヒンジ部185で結合され、互いの裏面が対向可能であ」ることは、本件補正発明において、「前記少なくとも2つのディスプレイは、前記第1のカメラに隣接している第1のディスプレイ、および、前記第2のカメラに隣接し、前記第1のディスプレイとヒンジで接続され、前記ヒンジにより裏面が前記第1のディスプレイの裏面と対向可能な第2のディスプレイを含」むことに相当する。
そして、引用発明においては、「第1カメラ141と第2カメラ142を含む撮像部140によって撮像されたイメージ」は制御部により「外部に伝送」されており、また「2名以上のユーザの各々異なる映像を提供する必要があるテレビ会議等に適用される」ものとされている。通常テレビ会議においては、会議参加者の画像が順次更新されて送信表示されるものであることを考慮すれば、引用発明の「2名以上のユーザの各々異なる映像を提供する必要があるテレビ会議等に適用される「縦向きに見る」モード」において、「第1カメラ141と第2カメラ142を含む撮像部140によって撮像されたイメージを外部に伝送」すること、すなわち、「第1カメラ141と第2カメラ142」のそれぞれで「撮像されたイメージ」の両方を外部に伝送」することは、本件補正発明において「前記第2のカメラは、前記第2のカメラにより撮像された撮像画像を更新し、更新した前記撮像画像を送信する」ことに相当するといえる。
また、引用発明の「マルチディスプレイ装置100」は、本件補正発明の「装置」に相当する。

したがって、本件補正発明と引用発明とは、

「複数の部品が全て内部に配設されている一体型筐体と、
プロセッサと、
少なくとも2つのディスプレイと、
少なくとも2つのカメラと、
前記少なくとも2つのカメラから入力を取得するよう、そして、前記少なくとも2つのディスプレイにディスプレイ情報を供給するよう前記プロセッサに指示するためのコードを有するストレージシステムと
を備え、
前記少なくとも2つのディスプレイは、前記第1のカメラに隣接している第1のディスプレイ、および、前記第2のカメラに隣接し、前記第1のディスプレイとヒンジで接続され、前記ヒンジにより裏面が前記第1のディスプレイの裏面と対向可能な第2のディスプレイを含み、
前記第2のカメラは、前記第2のカメラにより撮像された撮像画像を更新し、更新した前記撮像画像を送信する、
装置。」

である点(以下、「一致点」という。)で一致し、以下の相違点で相違する。

[相違点]
本件補正発明が、「前記少なくとも2つのカメラは、第1のカメラおよび前記第1のカメラよりも解像度の高い第2のカメラを含」むのに対して、引用発明では、第1カメラ141と第2カメラ142の解像度は不明である点。

(4)判断
上記相違点について検討する。
いわゆるPDAやスマートフォンなどの携帯端末において、2つのカメラを設ける際に、カメラ部品のコストや容積などを考慮して、両者の解像度を異なるものとすることは、周知の技術(以下、「周知技術」という。)である。

例えば、原査定の拒絶の理由において引用され、本願の優先日前に発行された特開2006-140596号公報には、

「【0013】
図1(A)および図1(B)を参照して、この発明の一実施例である通信端末10は、上部筐体12および下部筐体14を含む。上部筐体12および下部筐体14はヒンジ機構16によって互いに連結され、開閉動作が可能である。なお、図1(A)および図(B)は開状態を示し、図2(A)および図2(B)は閉状態を示す。
【0014】
通信端末10を開いたときに露出する面つまり内面に注目すると、上部筐体12にスピーカ20a,サブカメラ24aおよびメインLCD26aが設けられ、下部筐体14にマイク22aおよびキー操作部28が設けられる。通信端末10の開閉にかかわらず露出する面つまり外面に注目すると、上部筐体12にマイク22b,メインカメラ24bおよびサブLCD26bが設けられ、下部筐体14にスピーカ20bが設けられる。」

「【0008】
請求項2の発明に従う通信端末は、請求項1に従属し、複数のカメラはお互いに異なる解像度を有し、複数のカメラの各々によって撮影された被写界像の間の解像度のずれを抑制する抑制手段をさらに備える。これによって、相手方の通信端末に同程度の解像度の映像を送ることができる。」

【図1】



といった記載があり、撮像後にわざわざ解像度のずれを抑える処理を行うにもかかわらず、カメラの解像度を互いに異なるものとしたものが記載されている。
そして、上記周知技術を引用発明における、第1カメラと第2カメラに適用して、いずれかのカメラを他のカメラよりも解像度の高いものとすることに特段の困難性は無い。

したがって、上記周知技術を引用発明に適用して、上記相違点に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。
そして、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明と上記周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

よって、本件補正発明は、引用発明と上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

4 むすび
以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。


第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記第2において述べたとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2の1(1)に記載された事項により特定されるとおりのものである。

2 原査定における拒絶の理由3の概要
本願発明は、その優先日前に日本国内又は外国において頒布された以下の引用文献1-7に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

1.特開2014-78234号公報
2.特開2005-215453号公報
3.米国特許出願公開第2013/0021265号明細書
4.米国特許出願公開第2014/0101578号明細書
5.特開2012-175456号公報
6.特開2006-140596号公報
7.特開2010-45539号公報

3 引用文献1に記載された事項
引用文献1には、前記第2の3(2)において認定したとおりの「引用発明」が記載されていると認められる。

4 対比・判断
本願発明は、本件補正発明から、「第2のディスプレイ」が「前記第1のディスプレイとヒンジで接続され、前記ヒンジにより裏面が前記第1のディスプレイの裏面と対向可能」である旨の限定を省いたものである。

そして、本願発明の構成を全て含み、さらに前記の限定を付加した本件補正発明は、前記第2の3(4)において示したとおり、引用発明と上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、この限定を省いた本願発明も、同様に、引用発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。


第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。


 
別掲
 
審理終結日 2020-05-28 
結審通知日 2020-06-02 
審決日 2020-06-15 
出願番号 特願2016-561830(P2016-561830)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G09G)
P 1 8・ 121- Z (G09G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 越川 康弘  
特許庁審判長 小林 紀史
特許庁審判官 濱野 隆
中塚 直樹
発明の名称 装置  
代理人 龍華国際特許業務法人  
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