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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04W
管理番号 1367962
審判番号 不服2019-15561  
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-11-20 
確定日 2020-11-12 
事件の表示 特願2017-539232「アンライセンスバンドのチャネル情報フィードバック方法、装置及び通信システム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 8月 4日国際公開、WO2016/119138、平成30年 2月 8日国内公表、特表2018-504045〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2015年(平成27年)1月28日を国際出願日とする出願であって,その手続の経緯の概略は以下のとおりである。

平成29年 8月10日 :手続補正書の提出
平成30年 6月22日付け:拒絶理由通知書
平成30年 8月31日 :意見書,手続補正書の提出
平成31年 1月 7日付け:拒絶理由通知書
平成31年 3月15日 :意見書,手続補正書の提出
令和 元年 8月 9日付け:拒絶査定
令和 元年11月20日 :拒絶査定不服審判の請求,手続補正書の提


第2 令和元年11月20日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
令和元年11月20日にされた手続補正(以下,「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により,特許請求の範囲の請求項1の記載は,次のとおり補正された。(下線部は,補正箇所である。)
「 ユーザ装置(UE)に応用される,アンライセンスバンドのチャネル情報をフィードバックする装置であって,
前記ユーザ装置に接続されるプライマリ・セルの物理下りリンク制御チャネル(PDCCH),又は無線リソース制御(RRC)シグナリングにより伝送される構成(configuration)情報に基づいて,チャネル情報をフィードバックするサブフレームを確定し,また,前記チャネル情報をフィードバックするサブフレームに基づいて,チャネル品質を測定するサブフレームを確定するための確定ユニット;
前記チャネル品質を測定するサブフレームに事前定義の参照信号が存在するかを検出するための検出ユニット;及び
前記検出ユニットにより,前記チャネル品質を測定するサブフレームに事前定義の参照信号が存在することを検出した時に,前記チャネル情報をフィードバックするサブフレームにおいて,前記チャネル品質を測定するサブフレームに対してのチャネル品質測定結果を報告するためのフィードバックユニットを含み,
前記フィードバックユニットは,前記ユーザ装置に接続されるプライマリ・セルの物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)又は物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)により,前記チャネル品質測定結果を報告する,装置。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の,平成31年3月15日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「 ユーザ装置(UE)に応用される,アンライセンスバンドのチャネル情報をフィードバックする装置であって,
前記ユーザ装置に接続されるプライマリ・セルの物理下りリンク制御チャネル(PDCCH),又は無線リソース制御(RRC)シグナリングにより伝送される構成(configuration)情報に基づいて,チャネル情報をフィードバックするサブフレームを確定し,また,前記チャネル情報をフィードバックするサブフレームに基づいて,チャネル品質を測定するサブフレームを確定するための確定ユニット;
前記チャネル品質を測定するサブフレームに事前定義の参照信号が存在するかを検出するための検出ユニット;及び
前記検出ユニットにより,前記チャネル品質を測定するサブフレームに事前定義の参照信号が存在することを検出した時に,前記チャネル情報をフィードバックするサブフレームにおいて,前記チャネル品質を測定するサブフレームに対してのチャネル品質測定結果を報告するためのフィードバックユニットを含む,装置。」

2 補正の適否
本件補正は,本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「フィードバックユニット」について,上記のとおり限定を付加するものであって,補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから,特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで,本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について,以下,検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は,上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用例の記載事項
ア 引用例1
原査定の拒絶の理由に引用されたNEC,Impact of LBT regulation on LAA,3GPP TSG-RAN WG1#79 R1-144866,2014年11月8日アップロード,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_79/Docs/R1-144866.zip>(以下,「引用例1」という。)には,以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与した。)

「1. Introduction
In RAN 65 meeting, the study item of Licensee-Assisted Access (LAA) using LTE has been approved [1].
・ Identify and evaluate physical layer options and enhancements to LTE to meet the requirements and targets for unlicensed spectrum deployments identified in the previous bullet, including consideration of the methods to address the co-existence aspects on unlicensed bands with other LTE operators and other typical use of the band. [RAN1].

In RAN1 #78bis, required functionalities for LAA have been discussed. The agreement is that DFS, LBT, TPC, maximum transmission duration, and carrier selection should be considered in LAA, although not all of them may have spec impact or would be mandatory for all LAA eNBs/UEs [2]. In this contribution, we study the impact of LBT regulation on LAA.
(中略)
3. Impact of LBT on LAA
3.1. Control signaling
In LAA, since the availability of the channel in unlicensed band is not predictable, the control signaling transmission should be reconsidered. In order to guarantee the transmission in unlicensed band, the control signaling should be properly transmitted between eNBs and UEs. Since the unlicensed band transmission is assisted by the licensed band, one option is to transmit the control signaling in licensed band. We can reuse the existing CA schemes as much as possible. The other option is to transmit the control signaling in unlicensed band, but give higher priority to the control channel when competing for the operating channel.

Proposal 1: As to control signaling transmission, consider following two options:
・ Option 1: Transmit control channel in licensed band and reuse the existing CA schemes as much as possible.
・ Option 2: Transmit control channel in unlicensed band, but give control channel higher priority when competing for the operating channel.

3.2. CRS and CSI-RS
Since CRS and CSI-RS are used to measure RSRP, RSRQ and CSI, they must be transmitted in unlicensed band. However, due to the uncertainty of the channel and the occupancy restriction, we can no longer transmit these signals in the same way as in legacy system. The eNB needs to perform CCA before every CRS/CSI-RS transmission. It may or may not transmit the CRS/CSI-RS depending on the channel status. The reference signals are transmitted only when the channel is detected as “IDLE”. To minimize the impact of the channel uncertainty, we may use periodical reference signal transmission or opportunistic reference signal transmission.

When the channel changes slowly, e.g. indoor scenario, or channel is easy to obtain, e.g. sparse deployment scenario, we can transmit the reference signal periodically. The period can be set as 5ms, 10 ms, etc. LBT is performed before each transmission. The CRS/CSI-RS will be transmitted when the CCA result is “IDLE”. The UEs are configured to measure according to the CRS/CSI-RS period. When CRS/CSI-RS are not detected, the UEs report the last effective measurement results.

When the channel changes quickly, or the channel is too busy to be obtained, periodical CRS/CSI-RS transmission may not provide timely measurement of the channel. Therefore, we can use opportunistic transmission scheme. The eNB keeps performing CCA and transmits CRS/CSI-RS whenever the channel is detected as “IDLE”. In this case, the UEs will also keep measuring the channel and reporting the measurement results or the last effective measurement results if no CRS/CSI-RS is detected.

Proposal 2: Periodically or opportunistically transmit the CRS/CSI-RS in unlicensed band.」

(当審仮訳:
1. イントロダクション
RAN 65会議で,LTEを使用したライセンシー支援アクセス(LAA)の調査項目が承認された[1]。
・ 前の箇条書きで特定されたアンライセンススペクトラム導入の要件と目標を満たすため,物理層のオプションとLTEの拡張機能を特定して評価する。これには,アンライセンスバンドにおける他のLTEオペレーター及び当該バンドの他の特定の使用との共存の側面に対処する方法の検討も含まれる。[RAN1]。

RAN1#78bisでは,LAAに必要な機能について議論された。LAAでは,DFS,LBT,TPC,最大伝送期間,及びキャリア選択を検討する必要があることが合意されたが,それらの全てが仕様に影響があるとは限らず,また全てのLAA eNB/UEに必須であるとは限らない[2]。 この寄書では,LAAにおけるLBTレギュレーションの影響を検討する。
(中略)
3. LLAにおけるLBTの影響
3.1. 制御シグナリング
LAAでは,アンライセンスバンドでのチャネルの利用可能性を予測できないため,制御シグナリングの伝送を再検討する必要がある。アンライセンスバンドでの伝送を保証するために,制御シグナリングはeNBとUEの間で適切に伝送される必要がある。アンライセンスバンドの伝送は,ライセンスバンドによって支援されるため,あるオプションは,ライセンスバンドで制御シグナリングを伝送することである。既存のCAスキームを可能な限り再利用できる。他のオプションは,アンライセンスバンドで制御シグナリングを伝送し,動作チャネルと競合する場合は制御チャネルに高い優先順位を与えることである。

提案1: 制御シグナリング伝送に関して,次の2つのオプションを検討する。
・ オプション1: ライセンスバンドで制御チャネルを伝送し,既存のCAスキームを可能な限り再利用する。
・ オプション2: アンライセンスバンドで制御チャネルを送信し,動作チャネルと競合する場合は制御チャネルに高い優先順位を与える。

3.2. CRS及びCSI-RS
CRS及びCSI-RSはRSRP,RSRQ,CSIの測定に使用されるため,アンライセンスバンドで送信する必要がある。ただし,チャネルの不確実性と占有制限のため,レガシーシステムと同じ方法でこれらの信号を送信することはできない。eNBは,全てのCRS/CSI-RS送信の前にCCAを実行する必要がある。チャネル状態に応じて,CRS/CSI-RSを送信する場合と送信しない場合がある。参照信号は,チャネルが「アイドル」として検出された場合にのみ送信される。チャネルの不確実性の影響を最小限に抑えるために,周期的な参照信号送信又はオポチュニスティックな参照信号送信を使用する場合がある。

チャネルの変化が遅い場合,例えば,屋内シナリオの場合,又はチャネルが簡単に取得できる場合,例えば,疎な配置シナリオの場合は,参照信号を周期的に送信できる。周期は5ms,10msなどに設定できる。LBTは各送信の前に実行される。CRS/CSI-RSは,CCAの結果が「アイドル」のときに送信される。UEは,CRS/CSI-RS期間に従って測定するように構成される。CRS/CSI-RSが検出されない場合,UEは最新の有効な測定結果を報告する。

チャネルが急速に変化する場合,又はチャネルがビジー状態で取得できない場合,周期的なCRS/CSI-RS送信では,チャネルのタイムリーな測定が提供されないことがある。したがって,オポチュニスティック送信スキームを使用できる。eNBはCCAを実行し続け,チャネルが「アイドル」として検出されるたびにCRS/CSI-RSを送信する。この場合,UEはチャネルを測定し続け,測定結果を報告し続けるか,CRS/CSI-RSが検出されない場合,最新の有効な測定結果を報告し続ける。

提案2: 周期的又はオポチュニスティックにCRS/CSI-RSをアンライセンスバンドで送信する。)

上記記載から,引用例1には,次の技術的事項が記載されている。

(ア) 「3.2. CRS及びCSI-RS」の「CRS及びCSI-RSはRSRP,RSRQ,CSIの測定に使用されるため,アンライセンスバンドで送信する必要がある。」との記載によれば,CSIの測定に使用されるCSI-RSはアンライセンスバンドで送信されることが記載されているといえる。
また,「3.2. CRS及びCSI-RS」の「参照信号を周期的に送信できる。」及び「CRS/CSI-RSは,CCAの結果が「アイドル」のときに送信される。UEは,CRS/CSI-RS期間に従って測定するように構成される。CRS/CSI-RSが検出されない場合,UEは最新の有効な測定結果を報告する。」との記載によれば,UEは,周期的に送信される参照信号,すなわちCSI-RSを測定し,CSI-RSが検出されない場合,最新の有効な測定結果を報告することが記載されているといえる。ここで,LTEシステムにおいてCSI-RSの測定結果としてCSIを報告することは技術常識であるところ,「3.2. CRS及びCSI-RS」の上記記載中の「測定結果」に関して,「CSI-RS」についての測定結果はCSIであるといえ,このことは「3.2. CRS及びCSI-RS」の「CRS及びCSI-RSはRSRP,RSRQ,CSIの測定に使用されるため」との記載とも整合する。更に,CSI-RSの測定は,UEがeNBにCSIを報告するために行うものであるから,UEがCSI-RSの測定を行い,CSI-RSが検出された場合に,検出されたCSI-RSの測定結果であるCSIを報告していることは明らかである。
よって,引用例1には,「アンライセンスバンドで周期的に送信されるCSI-RSを測定し,CSI-RSが検出された場合,検出されたCSI-RSの測定結果であるCSIを報告し,CSI-RSが検出されない場合,最新の有効な測定結果を報告するUE」が記載されている。

(イ) 「3.1. 制御シグナリング」の「制御シグナリングはeNBとUEの間で適切に伝送される必要がある。」及び「ライセンスバンドで制御シグナリングを伝送することである。」との記載によれば,eNBとUEの間の制御シグナリングは,ライセンスバンドで伝送されることが記載されているといえる。
よって,引用例1には,「eNBとUEの間の制御シグナリングは,ライセンスバンドで伝送される」ことが記載されている。

上記(ア),(イ)から,引用例1には,次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されている。

「 アンライセンスバンドで周期的に送信されるCSI-RSを測定し,CSI-RSが検出された場合,検出されたCSI-RSの測定結果であるCSIを報告し,CSI-RSが検出されない場合,最新の有効な測定結果を報告するUEであって,
eNBとUEの間の制御シグナリングは,ライセンスバンドで伝送される,UE。」

イ 引用例2
原査定の拒絶の理由に引用された特表2013-541297号公報(以下,「引用例2」という。)には,以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与した。)

「【0036】
ワイヤレス通信デバイス102は,フィードバック報告モジュール104,コーダ/デコーダA108,モデムA110,トランシーバA112および/あるいは1つまたは複数のアンテナ114a?nを含み得る。トランシーバA112は,1つまたは複数の信号(たとえば,信号116)を受信し,および/または1つまたは複数のアンテナ114a?nを使用して1つまたは複数の信号(たとえば,報告118)を送信することができる。たとえば,トランシーバA112は,基地局122から信号116を受信し,増幅し,ダウンコンバートすることができ,それをモデムA110に提供することができる。トランシーバA112はまた,モデムA110によって与えられた変調された信号を取得することができる。トランシーバA112は,変調された信号をアップコンバートし,増幅し,1つまたは複数のアンテナ114a?nを使用して送信することができる。
(中略)
【0039】
フィードバック報告モジュール104は,基地局122から受信した信号116に基づいてフィードバック(たとえば,CQI,PMI,RI,および/またはACK/NACK)を生成することができる。たとえば,フィードバック報告モジュール104は,1つまたは複数のチャネル特性(たとえば,信号対雑音比(SNR),干渉,位相シフト,タイミング,周波数ドリフト,指向性,ビット誤り率など) を測定し,フィードバックを生成することができ,そのフィードバックは,報告118として基地局122に送信される。いくつかの構成では,報告118は,CQI,PMI,RI,ACK/NACK,および/またはチャネル状態情報(CSI)などを含み得る。
【0040】
フィードバック報告モジュール104は,リファレンスサブフレーム決定モジュール106を含み得る。リファレンスサブフレーム決定モジュール106は,フィードバック(たとえば,CQI,PMI,RIなど)を生成するために使用されるリファレンスサブフレームを決定することができる。たとえば,特定のサブフレームに言及するフィードバック報告118がワイヤレス通信デバイス102によって生成され得る。言い換えれば,フィードバック報告モジュール104は,報告サブフレームに基づいて決定され得るリファレンスサブフレームに基づいてフィードバックを決定することができる。このフィードバックは,ワイヤレス通信デバイス102と基地局122との間の通信(たとえば,信頼性,信号強度など)を改善するために使用され得る。フィードバック(たとえば,CQI,PMI,RI)はまた,サブフレームにおいて基地局122に送信され得る。たとえば,フィードバックは,「報告」サブフレームとして記述されるサブフレームにおいて基地局122に送信され得る。
(中略)
【0042】
いくつかの構成では,リファレンスサブフレーム決定モジュール106は,リミットおよび1つまたは複数の制限基準に基づいてリファレンスサブフレームを決定することができる。たとえば,リファレンスサブフレーム決定モジュール106は,リミットと,報告サブフレーム(番号),1つまたは複数のリミット,トリガリングのタイプ(たとえば,周期的または非周期的),サブフレームの「有効性」,サブフレームのタイプ(たとえば,タイプ「U」またはタイプ「N」,アップリンクサブフレーム,ダウンリンクサブフレーム,DCIサブフレームなど),サブフレームが干渉測定および/またはチャネル測定のために使用され得るかどうか,および/またはリファレンス信号のタイプ(たとえば,共通リファレンス信号(CRS)またはチャネル状態情報リファレンス信号(CSI-RS))などの1つまたは複数の制限基準とに基づいて,リファレンスサブフレームを決定することができる。追加的にまたは代替的に,リファレンスサブフレーム決定モジュール106は,リファレンスサブフレームを決定するための複数のモードのうちの1つを決定または選択することができる。場合によっては,モードは,基地局122からの信号116(たとえば,命令,コマンドなど)に基づいて選択され得る。本明細書で開示するシステムおよび方法による,1つまたは複数のリファレンスサブフレームの決定に関するいくつかの可能な構成の例が,以下でさらに詳細に与えられる。
(中略)
【0050】
ワイヤレス通信デバイス102は,報告サブフレームn236を決定することができる。たとえば,ワイヤレス通信デバイス102は,(たとえば,周期的フィードバックに従って)指定されたサブフレーム中で定期的にフィードバック報告を送信するように構成されることができ,または(たとえば,非周期的トリガリングに従って)基地局122によって要求されたときにフィードバック報告を送信するように構成されることができる。報告サブフレーム236nは,フィードバック報告118がワイヤレス通信デバイス102から基地局122に送信されるサブフレームであることができる。報告サブフレーム236の番号はnで示されることができる。
【0051】
ワイヤレス通信デバイス102はまた,リファレンスリソースサブフレームn-n_(reference)234(本明細書では「リファレンスサブフレーム」と呼ばれることがある)を決定することができる。ワイヤレス通信デバイス102は,フィードバック報告をリファレンスサブフレーム234に基づくことができる。たとえば,ワイヤレス通信デバイス102は,CQI,PMIおよび/またはRIを生成するためにリファレンスサブフレーム234中に含まれるデータまたは情報を使用することができる。リファレンスリソースサブフレーム番号は,リファレンスサブフレームn-n_(reference)(たとえば,n-n_(CQI_ref))として記載されることができる。言い換えれば,リファレンスリソースサブフレーム番号n-n_(reference)は,報告サブフレーム番号に基づき,および/または報告サブフレーム番号に関して記載されることができる。n_(reference)232(たとえば,n_(CQI_ref))は,報告サブフレームn236とリファレンスリソースサブフレームn-n_(reference)234との間のサブフレーム番号238の差であることができる。
(中略)
【0054】
図3は,ワイヤレス通信デバイス102上でリファレンスサブフレームを決定するための方法300の一構成を示す流れ図である。ワイヤレス通信デバイス102は,報告サブフレームnを決定することができる(302)。たとえば,ワイヤレス通信デバイス102は,周期的フィードバックまたは非周期的トリガリング(たとえば,基地局122によって要求されたとき)に基づいて指定された報告サブフレームn内でフィードバック報告118を送信するように構成されることができる。
【0055】
ワイヤレス通信デバイス102は,可能な場合,リファレンスサブフレームn -n_(reference)を決定し得る(304)。より詳細には,ワイヤレス通信デバイス102は,可能な場合,リミット(たとえば,4,k,L)と,(たとえば,報告サブフレーム番号nに加えて)1つまたは複数の制限基準とに基づいて,リファレンスサブフレームを決定し得る(304)。たとえば,リミットは,n_(reference)のための可能な値の範囲を制限することができる。一構成では,たとえば,リミットが4である場合,n_(reference)≧4である。制限基準は,304においてリファレンスサブフレームを決定するためにワイヤレス通信デバイス102によって使用され得る1つまたは複数の追加の条件であることができる。たとえば,制限基準は,1つまたは複数の追加のリミット(たとえば,最大値,最小値または両方),サブフレームが「有効」であるかどうか,サブフレームがダウンリンク制御情報(DCI)サブフレームであるかどうか,周期的フィードバックが使用されたのかまたは非周期的(フィードバック)トリガリングが使用されたのか,リファレンス信号のタイプ(たとえば,CRSまたはCSI-RS),サブフレームタイプ,ワイヤレス通信デバイス102が異種ネットワーク(たとえば,HET-NET)において動作しているかどうか,サブフレームがワイヤレス通信デバイス102に割り当てられたかどうか,サブフレームが測定ギャップおよびモードに入るかどうかを含み得る。場合によっては,リミットと1つまたは複数の制限基準とを満たす利用可能なサブフレームがない場合,リファレンスサブフレームが決定されないことがある。サブフレームの数が時間量(たとえば,遅延)に対応し得ることに留意されたい。リミットおよび1つまたは複数の制限基準の例について,図4?図12に関して以下で説明する。
【0056】
ワイヤレス通信デバイス102は,リファレンスサブフレームが決定された場合,リファレンスサブフレームに基づいて(フィードバック)報告118を生成することができる(306)。たとえば,ワイヤレス通信デバイス102は,リファレンスサブフレームから(たとえば,共通リファレンス信号(CRS)またはチャネル状態情報リファレンス信号(CSI-RS)から)の測定に基づいて,CQI,PMIおよび/またはRIのうちの1つまたは複数を生成することができる。場合によっては,リファレンスサブフレームは,決定可能でないことがある。たとえば,リミットおよび1つまたは複数の制限基準は,利用可能なサブフレームによって満たされないことがある。そのような場合,報告118が生成されないことがある。」

上記記載から,引用例2には,次の技術的事項が記載されている。

(ア) 【0039】,【0050】の記載から,ワイヤレス通信デバイスが,報告サブフレームにおいて,チャネル状態情報(CSI)を含むフィードバック報告を基地局に送信することが記載されているといえ,このことは,【0040】の「フィードバックは,「報告」サブフレームとして記述されるサブフレームにおいて基地局122に送信され得る。」との記載とも整合する。
よって,引用例2には,ワイヤレス通信デバイスが,「報告サブフレームにおいて,チャネル状態情報(CSI)を含むフィードバック報告を基地局に送信する」ことが記載されている。

(イ) チャネル状態情報(CSI)は,CQI,PMI,RIを含む情報であり,チャネル状態情報リファレンス信号(CSI-RS)の測定に基づいて生成される情報であることが技術常識であるところ,【0051】,【0056】の記載から,ワイヤレス通信デバイスが,リファレンスサブフレームに含まれるチャネル状態情報リファレンス信号(CSI-RS)の測定に基づいて,チャネル状態情報(CSI)を含むフィードバックを生成しているといえる。
よって,引用例2には,ワイヤレス通信デバイスが,「リファレンスサブフレームに含まれるチャネル状態情報リファレンス信号(CSI-RS)の測定に基づいて,チャネル状態情報(CSI)を含むフィードバックを生成する」ことが記載されている。

(ウ) 【0036】の記載,及び【0040】の「フィードバック報告モジュール104は,報告サブフレームに基づいて決定され得るリファレンスサブフレームに基づいてフィードバックを決定することができる。」との記載によれば,ワイヤレス通信デバイスは,報告サブフレームに基づいて,リファレンスサブフレームを決定するものといえる。このことは,【0042】,【0055】の記載とも整合する。
よって,引用例2には,ワイヤレス通信デバイスが,「報告サブフレームに基づいて,リファレンスサブフレームを決定する」ことが記載されている。

上記(ア)ないし(ウ)から,引用例2には,次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されている。

「 報告サブフレームにおいて,チャネル状態情報(CSI)を含むフィードバック報告を基地局に送信し,
リファレンスサブフレームに含まれるチャネル状態情報リファレンス信号(CSI-RS)の測定に基づいて,チャネル状態情報(CSI)を含むフィードバックを生成し,
報告サブフレームに基づいて,リファレンスサブフレームを決定する,
ワイヤレス通信デバイス。」

ウ 引用例3
原査定の拒絶の理由に引用されたIntel Corporation,Discussion on PHY layer options for LAA using LTE,3GPP TSG-RAN WG1#79 R1-144666,2014年11月8日アップロード,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_79/Docs/R1-144666.zip>(以下,「引用例3」という。)には,以下の事項が記載されている。(下線は当審が付与。)

「2. Solutions for LAA using LTE
In this section, we present physical layer design options for LAA together with their potential specification impact.
(中略)
Control signals carried via uplink
Due to shared use of the unlicensed spectrum among multiple LAA operators, as well as WiFi, the robustness requirements (i.e. timing constraint, bit error rate etc.) for various LTE control signals may not be satisfied. Moreover, the unlicensed channel may not be available for control signals to be transmitted at the designated time, depending on the activity of other RATs and/or LAAs from other operators. While additional mechanisms to enhance reliable transmission over the unlicensed spectrum can be studied, at the initial stage of the study item, the control signals can be assumed to be transmitted using the licensed PCell. To this end, we propose to use the licensed UL carrier for HARQ ACK/NACK transmissions as well as for channel feedback transmissions.

Proposal 7: HARQ ACK/NACK for DL transmission on LAA unlicensed carrier, as well as CQI/PMI/RI feedbacks for unlicensed carrier should be transmitted using the uplink licensed carrier.

Specification impact of Proposal 7: No impact since it is in accordance with the current CA related specifications.」

(当審仮訳:
2. LTEを用いるLAAのためのソリューション
このセクションでは,LAAのための物理レイヤ設計オプションと,それらの潜在的な仕様への影響について説明する。
(中略)
アップリンクを介して伝送される制御信号
アンライセンススペクトルを複数のLAAオペレーター及びWiFiで共有して使用するため,様々なLTE制御信号の堅牢性要件(すなわち,タイミング制約,ビットエラー率など)が満たされない場合がある。更に,アンライセンスチャネルは,他のオペレーターからの他のRAT及び/又はLAAの活動によっては,指定された時間に伝送される制御信号のために使用できない場合がある。アンライセンススペクトルでの信頼性の高い伝送を強化する追加のメカニズムを検討することができるが,調査項目の初期段階では,制御信号はライセンスされたPCellを使用して伝送されると仮定することができる。この目的のために,HARQ ACK/NACK送信及びチャネルフィードバック送信にライセンスULキャリアを使用することを提案する。

提案7: LAAアンライセンスキャリアにおけるDL送信のためのHARQ ACK/NACK,及びアンライセンスキャリアのためのCQI/PMI/RIフィードバックは,アップリンクライセンスキャリアを使用して送信する必要がある。

提案7の仕様への影響: 現在のCA関連の仕様に準拠しているため,影響はない。)

上記記載から,引用例3には,次の技術的事項が記載されている。

チャネル状態情報(CSI)フィードバックは,CQI,PMI,RIフィードバックを含む情報であり,UEからeNBに送信される制御信号の一種であることが技術常識であるところ,上記の「制御信号はライセンスされたPCellを使用して伝送されると仮定することができる。この目的のために,HARQ ACK/NACK送信及びチャネルフィードバック送信にライセンスULキャリアを使用することを提案する。」,「アンライセンスキャリアのためのCQI/PMI/RIフィードバックは,アップリンクライセンスキャリアを使用して送信する必要がある。」との記載から,UEは,アンライセンスキャリアのためのCQI/PMI/RIフィードバック,すなわちチャネル状態情報(CSI)フィードバックを,PCellのアップリンクライセンスキャリアを使用してeNBに送信しているといえる。

そうすると,引用例3には,次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されている。

「アンライセンスキャリアのためのチャネル状態情報(CSI)フィードバックを,PCellのアップリンクライセンスキャリアを使用してeNBに送信するUE。」

(3) 対比・判断
本件補正発明と引用発明1とを対比すると,

ア 引用発明1の「アンライセンスバンドで周期的に送信されるCSI-RSを測定し,CSI-RSが検出された場合,検出されたCSI-RSの測定結果であるCSIを報告し」について,引用発明1の「CSI-RS」はアンライセンスバンドで送信されるものであるところ,引用発明1の「検出されたCSI-RSの測定結果であるCSI」がアンライセンスバンドについてのCSIであることは自明である。そして,CSIはチャネル状態情報の略語でありチャネル情報の一種であるから,引用発明1の「検出されたCSI-RSの測定結果であるCSI」は,本件補正発明の「アンライセンスバンドのチャネル情報」に含まれる。
また,引用発明1の「UE」が「検出されたCSI-RSの測定結果であるCSIを報告」することは,UEに対して送信されたCSI-RSを測定し,測定した結果であるCSIをフィードバックすることに他ならない。
更に,引用発明1の「UE」が,「アンライセンスバンドで周期的に送信されるCSI-RSを測定し,CSI-RSが検出された場合,検出されたCSI-RSの測定結果であるCSIを報告」を行うために応用される装置を備えていることは明らかである。
したがって,本件補正発明と引用発明1は,「ユーザ装置(UE)に応用される,アンライセンスバンドのチャネル情報をフィードバックする装置」である点で共通する。

イ 引用発明1の「アンライセンスバンドで周期的に送信されるCSI-RSを測定し,CSI-RSが検出された場合,検出されたCSI-RSの測定結果であるCSIを報告し」について,LTEシステムにおいて,CSI-RSの測定及びCSIの報告がサブフレームにおいて実行されることは技術常識である。また,CSI-RS の測定の結果得られるCSIがチャネル品質情報(CQI)を含むことは技術常識であるから,CSI-RSを測定することは,チャネル品質を測定することを含むものである。
そうすると,引用発明1は「CSI-RSを測定し」,「検出されたCSI-RSの測定結果であるCSIを報告」するものであるから,引用発明1の「UE」が,チャネル品質を測定するサブフレーム,及び,CSI-RSの測定結果であるCSIを報告するサブフレームを何らかの方法で確定しており,当該サブフレームを確定するための装置,すなわちユニットを備えていることは自明である。
したがって,本件補正発明と引用発明1は,「チャネル情報をフィードバックするサブフレームを確定し,チャネル品質を測定するサブフレームを確定するための確定ユニット」を含む点で共通する。

ただし,「チャネル情報をフィードバックするサブフレームを確定」することに関し,本件補正発明は「ユーザ装置に接続されるプライマリ・セルの物理下りリンク制御チャネル(PDCCH),又は無線リソース制御(RRC)シグナリングにより伝送される構成(configuration)情報に基づいて,チャネル情報をフィードバックするサブフレームを確定」するものであるのに対して,引用発明1は,そのような特定がされていない点で相違する。
更に,「チャネル品質を測定するサブフレームを確定する」ことに関し,本件補正発明は「チャネル情報をフィードバックするサブフレームに基づいて,チャネル品質を測定するサブフレームを確定する」ものであるのに対して,引用発明1は,そのような特定がされていない点で相違する。

ウ 引用発明1は「CSI-RSを測定し,CSI-RSが検出された場合,検出されたCSI-RSの測定結果であるCSIを報告し,CSI-RSが検出されない場合,最新の有効な測定結果を報告する」ものであるから,引用発明1の「UE」が,CSI-RSを測定するサブフレームにおいて,「CSI-RS」が存在するかを検出するための装置,すなわちユニットを備えているのは明らかである。更に,「CSI-RS」はUEにおいて測定を行う参照信号の一種であるところ,「CSI-RS」の測定を行うために,「CSI-RS」の参照信号としての特性を事前に定義していることは自明である。
したがって,本補正発明と引用発明1は,「前記チャネル品質を測定するサブフレームに事前定義の参照信号が存在するかを検出するための検出ユニット」を含む点で共通する。

エ 引用発明1の「CSI-RSを測定し,CSI-RSが検出された場合,検出されたCSI-RSの測定結果であるCSIを報告し」について,「検出されたCSI-RSの測定結果であるCSI」が,CSI-RSの測定を行ったサブフレームに対しての測定結果であるCSIであることは明らかである。
そして,引用発明1の「UE」が,「報告」,すなわちフィードバックの処理を行う装置,すなわちユニットを備えていることは明らかである。
したがって,本補正発明と引用発明1は,「前記検出ユニットにより,前記チャネル品質を測定するサブフレームに事前定義の参照信号が存在することを検出した時に,前記チャネル情報をフィードバックするサブフレームにおいて,前記チャネル品質を測定するサブフレームに対してのチャネル品質測定結果を報告するためのフィードバックユニット」を含む点で共通する。

オ 本件補正発明の「物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)又は物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)」は,双方とも上りリンクチャネルに属するものである。
これに対して,引用発明1において,「UE」による「検出されたCSI-RSの測定結果であるCSI」の「報告」が上りリンクチャネルで行われることは明らかであるから,本件補正発明と引用発明1は,「前記フィードバックユニットは,上りリンクチャネルにより,前記チャネル品質測定結果を報告する」点で共通する。
ただし,「チャネル品質測定結果を報告する」ための「上りリンクチャネル」が,本件補正発明においては「ユーザ装置に接続されるプライマリ・セルの物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)又は物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)」であるのに対して,引用発明1においては,そのような特定がされていない点で相違する。

以上を総合すると,本件補正発明と引用発明1とは,以下の点で一致し,また,相違している。

(一致点)
「 ユーザ装置(UE)に応用される,アンライセンスバンドのチャネル情報をフィードバックする装置であって,
チャネル情報をフィードバックするサブフレームを確定し,チャネル品質を測定するサブフレームを確定するための確定ユニット,
前記チャネル品質を測定するサブフレームに事前定義の参照信号が存在するかを検出するための検出ユニット,
前記検出ユニットにより,前記チャネル品質を測定するサブフレームに事前定義の参照信号が存在することを検出した時に,前記チャネル情報をフィードバックするサブフレームにおいて,前記チャネル品質を測定するサブフレームに対してのチャネル品質測定結果を報告するためのフィードバックユニットを含み,
前記フィードバックユニットは,上りリンクチャネルにより,前記チャネル品質測定結果を報告する,装置。」

(相違点1)
「チャネル情報をフィードバックするサブフレームを確定」することに関し,本件補正発明は「ユーザ装置に接続されるプライマリ・セルの物理下りリンク制御チャネル(PDCCH),又は無線リソース制御(RRC)シグナリングにより伝送される構成(configuration)情報に基づいて,チャネル情報をフィードバックするサブフレームを確定」するものであるのに対して,引用発明1は,そのような特定がされていない点。

(相違点2)
「チャネル品質を測定するサブフレームを確定する」ことに関し,本件補正発明は「チャネル情報をフィードバックするサブフレームに基づいて,チャネル品質を測定するサブフレームを確定する」ものであるのに対して,引用発明1は,そのような特定がされていない点。

(相違点3)
「チャネル品質測定結果を報告する」ための「上りリンクチャネル」が,本件補正発明においては「ユーザ装置に接続されるプライマリ・セルの物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)又は物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)」であるのに対して,引用発明1においては,そのような特定がされていない点。

以下,上記各相違点について検討する。

(相違点1について)
「チャネル情報をフィードバックするサブフレームを確定」することに関し,本件補正発明は,「前記ユーザ装置に接続されるプライマリ・セルの物理下りリンク制御チャネル(PDCCH),又は無線リソース制御(RRC)シグナリングにより伝送される構成(configuration)情報に基づいて,チャネル情報をフィードバックするサブフレームを確定」するものである。すなわち,本件補正発明は,「物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)」と「無線リソース制御(RRC)シグナリング」のいずれか一方から伝送された「構成(configuration)情報」に基づいて,チャネル情報をフィードバックするサブフレームを確定すればよいものであるから,上記「構成(configuration)情報」が「無線リソース制御(RRC)シグナリング」により伝送される場合について以下に検討する。
ここで,引用発明1は「eNBとUEの間の制御シグナリングは,ライセンスバンドで伝送される」ものであるところ,LTEシステムにおいて,ユーザ装置(UE)が,ユーザ装置(UE)に接続されるライセンスバンドのプライマリ・セルを介して制御シグナリングに関する通信を行うことは一般的に行われている手法にすぎない。更に,「UEが,RRCシグナリング により伝送される構成情報に基づいて,チャネル情報をフィードバックするサブフレームを決定する。」ことは, 周知技術(以下,「周知技術1」という)である。(必要であれば,特表2014-516235号公報(特に,段落【0102】,【0109】の記載),及び特表2013-526231号公報(特に,段落【0117】の記載)を参照のこと。)
そして,RRCシグナリングは制御シグナリングの一種であるところ,引用発明1において,eNBとUEの間で伝送される「制御シグナリング」として,当該周知技術1の「RRCシグナリング」を適用し,UEに接続されるプライマリ・セルを介して伝送することは格別困難なことではない。
してみれば,引用発明1に対して,上記の周知技術1を適用して,「ユーザ装置に接続されるプライマリ・セルの物理下りリンク制御チャネル(PDCCH),又は無線リソース制御(RRC)シグナリングにより伝送される構成(configuration)情報に基づいて,チャネル情報をフィードバックするサブフレームを確定」することは,当業者が容易に想到しうることである。

(相違点2について)
引用例2には,上記「(2)引用例の記載事項」の「イ 引用例2」で説示したとおり,
「 報告サブフレームにおいて,チャネル状態情報(CSI)を含むフィードバック報告を基地局に送信し,
リファレンスサブフレームに含まれるチャネル状態情報リファレンス信号(CSI-RS)の測定に基づいて,チャネル状態情報(CSI)を含むフィードバックを生成し,
報告サブフレームに基づいて,リファレンスサブフレームを決定する,
ワイヤレス通信デバイス。」という発明(引用発明2)が記載されている。
ここで,引用発明2の「チャネル状態情報(CSI)」はチャネル情報の一種である。また,引用発明2の「チャネル状態情報(CSI)」に,チャネル品質情報(CQI)が含まれることは技術常識である。
そうすると,引用発明2の「報告サブフレーム」は,チャネル情報をフィードバック報告するためのサブフレームであり,引用発明2の「リファレンスサブフレーム」は,チャネル品質を測定するためのサブフレームである。
そして,引用発明1と引用発明2は,双方ともUE(ワイヤレス通信デバイス)がCSI-RSを測定し,当該測定によって得られたCSIを報告するものであるから,引用発明1に対して引用発明2を適用して,「チャネル情報をフィードバックするサブフレームに基づいて,チャネル品質を測定するサブフレームを確定する」ことは,当業者が容易に想到しうることである。

(相違点3について)
上記「(2)引用例の記載事項」の「ウ 引用例3」で説示したとおり,
「 アンライセンスキャリアのためのチャネル状態情報(CSI)フィードバックを,PCellのアップリンクライセンスキャリアを使用してeNBに送信するUE。」という発明(引用発明3)が記載されている。
ここで,「UEが,PUCCH又はPUSCHにより,チャネル状態情報(CSI)を報告する。」ことは,例えば本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった3GPP規格である3GPP TS 36.213 V12.4.0 (2014-12) ,2015年 1月7日アップロード,インターネット(特に,第74ページ第18行?同ページ第26行を参照。)に記載されているように,技術常識(以下「技術常識1」という。)であるところ,引用発明3の「UE」において,アンライセンスキャリアのためのチャネル状態情報(CSI)フィードバックをPCellのアップリンクライセンスキャリアを使用し,PUCCH又はPUSCHによりeNBに送信していることは自明である。また,引用発明3の「PCell」が,ユーザ装置(UE)に接続されたプライマリ・セル(PCell)であり,引用発明3の「チャネル状態情報(CSI)フィードバック」にチャネル品質測定結果の一種であるチャネル品質情報(CQI)が含まれることは明らかである。
そして,引用発明1と引用発明3は,双方ともUEがアンライセンスバンド(アンライセンスキャリア)のチャネル状態情報(CSI)を報告(フィードバック)するものであるから,引用発明1の「UE」に対して引用発明3及び技術常識1を適用して,「ユーザ装置に接続されるプライマリ・セルの物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)又は物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)により,前記チャネル品質測定結果を報告する」ことは,当業者が容易に想到しうることである。

そして,本件補正発明の作用効果も,引用発明1ないし3,周知技術1及び技術常識1に基づいて当業者が予測し得る範囲のものであり,格別なものではない。

したがって,本件補正発明は,引用発明1ないし3,周知技術1及び技術常識1に基づき,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により,特許を受けることができない。

3 結語

したがって,令和元年11月20日にされた手続補正(本件補正)は,本件補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって,上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1 本願発明
令和元年11月20日にされた手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項に係る発明は,平成31年3月15日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるものであるところ,その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,その請求項1に記載された事項により特定される,上記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由の概要は,
「2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」というものであり,請求項1に係る発明に対しては,引用例1ないし2に記載された発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるというものである。

3 引用例
原査定の拒絶の理由で引用された引用例1ないし2の記載事項及び引用例1ないし2に記載された発明(引用発明1ないし2)は,上記第2の[理由]2(2)に説示したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は本件補正発明から,「フィードバックユニット」について,「前記フィードバックユニットは,前記ユーザ装置に接続されるプライマリ・セルの物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)又は物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)により,前記チャネル品質測定結果を報告する」との限定(すなわち,上記第2の[理由]2(3)で検討した相違点3に係る発明特定事項)を省いたものである。

そうすると,本願発明と引用発明1とを対比すると,上記第2の[理由]2(3)で挙げた相違点1及び相違点2のみで相違し,その余の点で一致する。そして,当該相違点1及び2については,上記 第2の[理由]2(3)で説示したとおり,引用発明1に周知技術1及び引用発明2を適用することにより,当業者が容易に想到し得ることである。
したがって,本願発明は,引用発明1ないし2及び周知技術1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

そして,本願発明の作用効果も,引用発明1ないし2及び周知技術1に基づいて当業者が予測できる範囲のものである。

5 むすび
以上のとおり,本願発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。

よって,結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2020-09-02 
結審通知日 2020-09-08 
審決日 2020-09-23 
出願番号 特願2017-539232(P2017-539232)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉村 真治▲郎▼  
特許庁審判長 國分 直樹
特許庁審判官 相澤 祐介
望月 章俊
発明の名称 アンライセンスバンドのチャネル情報フィードバック方法、装置及び通信システム  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 伊東 忠重  

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