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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G08B |
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管理番号 | 1367996 |
審判番号 | 不服2019-8801 |
総通号数 | 252 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-12-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-07-01 |
確定日 | 2020-12-01 |
事件の表示 | 特願2018-500001「検知システムおよび検知システムの表示方法」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 8月24日国際公開,WO2017/141629,請求項の数(9)〕について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,平成29年1月23日の国際出願(優先権主張平成28年2月15日)であって,平成30年9月5日に手続補正がなされ,平成30年9月28日付けで拒絶理由が通知され,平成30年12月5日に手続補正がなされ,平成31年1月9日付けで最後の拒絶理由が通知され,平成31年3月20日に手続補正がなされ,平成31年3月28日付けで平成31年3月20日の補正が却下されると共に拒絶査定(原査定)がされ,これに対し,令和元年7月1日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ,令和2年3月4日付けで拒絶理由が通知(以下,「当審第1拒絶理由通知」という。)され,令和2年6月3日に手続補正がなされ,令和2年7月1日付けで拒絶理由が通知(以下,「当審第2拒絶理由通知」という。)され,令和2年9月4日に手続補正がなされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成31年3月20日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 ・請求項1-5,7-11 ・引用文献等1-6 ・請求項6,12 ・引用文献等1-8 1.特開2014-166197号公報 2.特開2015-203881号公報 3.国際公開第2015/011591号(周知技術を示す文献) 4.飯尾尊優,距離画像センサを用いた高齢者の見守りに関する意識調査,第32回日本ロボット学会学術講演会 2014年 The 32nd Annual Conference of the Robotics Society of Japan,日本,2014年9月4日,P.1000-1002(周知技術を示す文献) 5.特開2009-290505号公報(周知技術を示す文献) 6.特開2013-041323号公報(周知技術を示す文献) 7.特開2010-157119号公報(周知技術を示す文献) 8.特開2014-149731号公報(周知技術を示す文献) 第3 当審拒絶理由の概要 1.当審第1拒絶理由の概要は次のとおりである。 1(明確性)この出願は,特許請求の範囲の記載が下記の点で,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 2(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 ■理由1(明確性) ●請求項:1 (1)表示部に表示する対象が不明瞭である。 (2)「被監視者の全体像が含まれるように」とはどのような状態か不明瞭である。 ●請求項2-5 請求項1を引用して記載しているから,同様の理由を有する。 請求項4の記載でも,請求項1の(1)と同様の理由を有する。 ●請求項:6 (1)請求項1の(1)(2)と同様である。 (2)請求項6記載の発明は,「取得するステップ」「検知するステップ」「生成するステップ」「表示するステップ」を備える「検知方法」である。 そして,「検知するステップ」において検知は終了しており,検知の結果を用いる「生成するステップ」と「表示するステップ」が「検知方法」とどのように関連しているのか不明瞭である。 ●請求項:7,9,10 請求項6の(2)と同様である。 ●請求項7-10 請求項6-9を引用して記載しているから,同様の理由を有する。 ■理由2(進歩性) ●請求項 :1-10 ・引用文献:1-3 1.特開2014-149731号公報(原査定時の引用文献8) 2.特開2014-166197号公報(原査定時の引用文献1) 3.特開2010-237873号公報(当審において新たに引用した文献) 2.当審第2拒絶理由の概要は次のとおりである。 この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 ・請求項 :1,6 ・引用文献:1 ・請求項 :2-4,7-9 ・引用文献:1-2 ・請求項 :5,10 ・引用文献:1-3 1.特開2010-237873号公報(当審第1拒絶理由通知の引用文献3) 2.特許第5632512号公報(当審において新たに引用した文献) 3.特開2014-149731号公報(当審第1拒絶理由通知の引用文献3,原査定時の引用文献8) 第4 本願発明 本願請求項1-9に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明9」という。)は,令和2年9月4日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-9に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1-9は以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 監視すべき監視対象である見守り対象者を撮影した画像データに基づいて,前記見守り対象者の所定の行動を検知する検知システムにおいて, 前記見守り対象者が所在を予定している空間を監視可能に配置され,前記空間を撮影対象とした画像データを取得する撮像部と, 取得した画像データに基づいて,前記見守り対象者における所定の行動を検知する監視処理部と, 前記見守り対象者について,前記画像データに基づいて,前記見守り対象者に対応する位置を示す位置データを生成する生成部と, 前記見守り対象者における所定の行動が検知されたことに応じて,前記画像データ,及び,前記所定の行動の検知を示すための前記位置データに基づく見守り対象者位置標識を表示する表示部と,を備え, 前記表示部は,前記見守り対象者位置標識を,前記見守り対象者の全体像を前記見守り対象者位置標識が含むように,前記画像データに重畳して表示し, 前記表示部は,前記監視処理部により検知された所定の行動を識別するための識別情報をさらに表示し, 前記識別情報は,検知された所定の行動の種類に応じて異なる表示態様で前記表示部に表示される, 検知システム。 【請求項2】 前記監視処理部によって検知される所定の行動には,前記見守り対象者における,寝具からの起床,寝具からの離床,寝具からの転落,及び,前記見守り対象者の転倒の少なくともいずれかを含む, 請求項1に記載の検知システム。 【請求項3】 前記表示部は,前記見守り対象者位置標識である矩形の画像を,前記見守り対象者の全体像を前記見守り対象者位置標識が含むように,前記画像データに重畳して表示する, 請求項1または請求項2に記載の検知システム。 【請求項4】 前記表示部は,前記検知システムに含まれる携帯端末装置が備える, 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の検知システム。 【請求項5】 監視すべき監視対象である見守り対象者を撮影した画像データに基づいて,前記見守り対象者の所定の行動を検知する検知システムにおける表示方法であって, 前記見守り対象者が所在を予定している空間を監視可能に配置され,前記空間を撮影対象とした画像データを撮像部で取得するステップと, 取得した画像データに基づいて,前記見守り対象者における所定の行動を監視処理部で検知するステップと, 前記見守り対象者について,前記画像データに基づいて,前記見守り対象者に対応する位置を示す位置データを生成するステップと, 前記見守り対象者における所定の行動が検知されたことに応じて,前記画像データ,及び,前記所定の行動の検知を示すための前記位置データに基づく見守り対象者位置標識を表示部に表示するステップと,を備え, 前記表示するステップは,前記見守り対象者位置標識を,前記見守り対象者の全体像を前記見守り対象者位置標識が含むように,前記画像データに重畳して表示し, 前記表示するステップは,前記監視処理部により検知された所定の行動を識別するための識別情報をさらに表示し, 前記識別情報は,検知された所定の行動の種類に応じて異なる表示態様で前記表示部に表示される, 検知システムにおける表示方法。 【請求項6】 前記生成するステップは,前記検知するステップにおいて所定の行動が検知されたことに対応して,前記位置データを生成する, 請求項5に記載の検知システムにおける表示方法。 【請求項7】 前記検知するステップにおいて検知される所定の行動には,前記見守り対象者における,寝具からの起床,寝具からの離床,寝具からの転落,及び,前記見守り対象者の転倒の少なくともいずれかを含む, 請求項5または請求項6に記載の検知システムにおける表示方法。 【請求項8】 前記表示するステップは,前記見守り対象者位置標識である矩形の画像を,前記見守り対象者の全体像を前記見守り対象者位置標識が含むように,前記画像データに重畳して表示する, 請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の検知システムにおける表示方法。 【請求項9】 前記表示部は,前記検知システムに含まれる携帯端末装置が備える, 請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の検知システムにおける表示方法。」 第5 引用文献,引用発明等 1.引用文献1について 当審第2拒絶理由及び当審第1拒絶理由に引用された特開2010-237873号公報(以下,「引用文献1」という。下線は当審が付与。)には, 「【0001】 本発明は,姿勢変化検出装置,姿勢変化検出方法,及び姿勢変化検出プログラムに係り,特に動作変化の過程から人物の姿勢を高精度に検出するための姿勢変化検出装置,姿勢変化検出方法,及び姿勢変化検出プログラムに関する。」 「【0029】 <姿勢変化検出装置の概略構成例> 図1は,本実施形態における姿勢変化検出装置の概略構成の一例を示す図である。図1に示す姿勢変化検出装置10は,入力手段11と,出力手段12と,蓄積手段13と,人物検出手段14と,身長推定手段15と,追跡手段16と,姿勢認知手段17と,不審者検出手段18と,画面生成手段19と,通知手段20と,送受信手段21と,制御手段22とを有するよう構成されている。なお,送受信手段21には,所定の領域を撮影するカメラ等の撮像手段23が接続されており,撮像手段23により撮影された映像に含まれる時系列の各画像を取得することができる。また,撮像手段23は,姿勢変化検出装置10と一体に構成されていてもよい。 【0030】 入力手段11は,ユーザ等からの人物検出指示や,身長推定指示や,追跡指示,姿勢認知指示,画面生成指示,通知指示,送受信指示,等の各種指示を受け付ける。なお,入力手段11は,例えばキーボードや,マウス等のポインティングデバイス,マイク等の音声入力デバイス等からなる。 【0031】 出力手段12は,入力手段11により入力された指示内容や,各指示内容に基づいて生成された制御データや人物検出手段14,身長推定手段15,追跡手段16,姿勢認知手段17,不審者検出手段18,画面生成手段19,通知手段20,送受信手段21等の各構成により実行された経過又は結果により得られる各種情報の内容を表示したり,その音声を出力する。なお,出力手段12は,ディスプレイ等の画面表示機能やスピーカ等の音声出力機能等を有する。」 「【0033】 人物検出手段14は,カメラ等の撮像手段23等により撮影された映像を取得し,その取得した映像に含まれる時系列の各画像のうち,所定の画像(各フレーム画像や数フレーム分の間隔を空けた画像等)について1又は複数の人物の顔を検出する。なお,人物検出手段14は,例えば連続する画像フレーム同士を比較して,色(輝度,色度等)が所定時間内に変化する場所が存在し,更にその場所が所定の領域以上のものを人物として検出する。 【0034】 また,他の人物検出手法としては,例えば,[0]エッジ等を用いて人の形状にマッチする領域を抽出する手法や,熱画像を用いて背景とは異なる熱源を人体領域とする手法,複数のカメラを用いて形状や大きさを認識し人らしい物体を検出する手法,人の動き(歩いている様子)等に対してシルエット画像等を用いて事前に学習することで人体を検出する手法等も用いることができる。なお,人物検出手段14における人物検出手法については,本発明においてはこれに限定されない。 【0035】 身長推定手段15は,画像中に含まれる1又は複数の人物を検出し,その人物がいた場合に新規の人物であるか否かを判断し,新規人物である場合,その人物領域の足の先と,その画像に対応する消失点とから実空間上の人物の位置を算出し,画像上の見かけ上の大きさを併せて,実際の人物の身長を推定する。なお,消失点は,画像中に含まれる場合もあるが,カメラのアングル等により画像中に含まれない場合もある。この場合には,仮想的な空間上に消失点を設定し,その消失点を利用する。」 「【0038】 また,追跡手段16は,画像中に表示されている1又は複数の人物を経時的に追跡する。ここで,追跡手段16には,人物領域を推定する機能も設けられている。具体的には,人物領域推定手段として,画像中に存在する人体に関してその外領域からなり人物が存在することを画面上で認識するための人物領域を推定する。また,人物領域推定手段は,例えば,遮蔽物により人物の一部で隠蔽されている部分が存在すると判断された場合に,正しい人体の領域を推定する。また,追跡手段16は,隠蔽されている人体部分の外形(シルエット)又は領域を画面上に表示させる。これにより,隠蔽物により画像上に表示されていない人物のいる位置を正確に把握することができる。」 「【0040】 姿勢認知手段17は,人物の身長(矩形の高さ)の変化から姿勢変化を算出する手法である。具体的には,本発明は,画像中の人物領域の足の先と,消失点から実空間上の人物の位置を算出し,画像上の見かけ上の大きさと併せて,実際の人物の身長を推定する。人物の足,頭の位置特徴から人物を追跡し,同一として判断できる人物の身長が変化した際に,その変化の仕方に応じて,例えばしゃがみ,倒れこみ,ホールドアップ(両手挙げ)等を判定する。 【0041】 不審者検出手段18は,追跡手段16による追跡結果や姿勢認知手段17による姿勢認知結果により,予め設定される時系列の挙動データ等を比較することで,撮像手段23により撮影された人物が不審者である場合に検出を行う。 【0042】 例えば,不審者検出手段18は,追跡対象人物が遮蔽物に隠れたり,カメラを所定時間以上気にしてみていたり,キョロキョロしていたり,長時間滞在している等の不審行動が少なくとも1つある場合には,その人物を不審者として検出する。更に,不審者検出手段18は,追跡対象人物がマスクをしていたり,サングラスをかけていることで,顔を隠している場合にも不審者として検出する。また,不審者検出手段18は,検出された不審者情報を,通知手段に通知する。 【0043】 画面生成手段19は,撮像手段23により撮影された映像を表示する画面を生成する。また,画面生成手段19は,追跡手段16により推定された人物領域を現在撮像手段23等により撮影された画像に反映させる。具体的には,画面生成手段19は,人物領域と推定された領域の外側をフレーム化して合成して表示させる。また,画面生成手段19は,画面生成により得られた画像をディスプレイ等の出力手段に表示される。このとき,画面生成手段19は,例えば人物領域のフレームの位置情報を数値化したもの等を画面上に表示させることができる。」 「【0045】 通知手段20は,不審者検出手段18により得られる不審者として検出された画像と,その画像に関する情報(検出日時,検出場所,その前の所定時間分の映像等)を画面生成手段19により生成させて,表示させる。また,通知手段20は,そのような不審行動検出における問題発生信号に対応させて,管理者や警備会社におけるそのビルの担当警備員,監視員,代表責任者等に通知を行うアラート機能を有する。」 「【0054】 <追跡手段16における追跡手法> 次に,本実施形態における追跡手段16による追跡手法について,図を用いて説明する。図3は,追跡手段における実空間上での移動範囲を考慮した人物追跡の一例を示す図である。また,図4は,時間経過後の移動結果の一例を示す図である。なお,図3及び図4に示す図面は,上述する画面生成手段19によって生成され,ディスプレイ上に表示される画面である。 【0055】 図3及び図4に示す画面40には,実際の撮影画面41と,人物位置情報42と,追跡結果画面43とを有している。撮影画面41には,人物44が矩形等に囲まれた人物認定領域45により表示されている。なお,人物認定領域44の形状は,本発明においては,矩形に限定されるものではなく,円形や楕円形,他の多角形,人物44の外形形状から所定倍率拡大させたシルエット形状であってもよい。 【0056】 また,人物44の人物位置情報42としては,例えば,カメラ等の撮像手段23からの距離と角度,視界全体の画素数を基準にして人物44の位置を左右の距離(h1,h2)を計測し,その計測結果から得られる人物座標(x,y,z)を取得する。」 「【0062】 例えば,姿勢認知手段17は,身長データの経時的な変化のパターンから,例えばホールドアップ(両手挙げ),かがみ込む,立ち上がる,倒れこむ,直立等の姿勢を判定し,その判定結果を画面に表示する。これにより,予め不審な挙動を蓄積しておき,姿勢認知手段17により認知された姿勢情報と瞬間的又は経時的に比較することにより,その対象人物が不審者か否かを容易に把握することができる。」 「【0064】 なお,図6(a)?図6(d)に示す姿勢情報表示画面60では,日時情報61,人物特徴情報62が表示される。日時情報61は,撮影された日時が表示される。人物特徴情報62では,人物認定領域45における縦の幅,横の幅,人物認定領域45の面積,姿勢認知手段17により認知された姿勢情報が表示される。これらの情報を用いて不審者検出手段18により上述したように不審者である変化パターンの存在を検出し,実際に犯罪等が起こる前に未然に犯罪の発生を把握し,警備員等に連絡して急行してもらうことで,未然に事件の発生を防止することができる。 【0065】 <画面生成手段19> 次に,本実施形態における画面生成例について図を用いて説明する。なお,上述した図2?図6については,画面生成手段19により生成される画面であり,ディスプレイ等の表示画面等により表示させることができる。 【0066】 なお,図6等に示す人物特徴情報62としては,本発明においては上述の内容に限定されず,例えば撮影された時間や人物が顔特徴量等を画面から抽出して測定できる場合には,その人物の指名や性別,推定年齢(年代でもよい)を表示させることができる。」 【図6】 の記載があるから,上記引用文献1には, 「動作変化の過程から人物の姿勢を高精度に検出するための姿勢変化検出装置であって, 入力手段11と,出力手段12と,蓄積手段13と,人物検出手段14と,身長推定手段15と,追跡手段16と,姿勢認知手段17と,不審者検出手段18と,画面生成手段19と,通知手段20と,送受信手段21と,制御手段22とを有し,送受信手段21には,所定の領域を撮影するカメラ等の撮像手段23が接続されており,撮像手段23により撮影された映像に含まれる時系列の各画像を取得することができ, 出力手段12は,各種情報の内容を表示したり,その音声を出力し,ディスプレイ等の画面表示機能やスピーカ等の音声出力機能等を有し, 人物検出手段14は,カメラ等の撮像手段23等により撮影された映像を取得し,人物を検出し, 身長推定手段15は,画像中に含まれる1又は複数の人物を検出し,実際の人物の身長を推定し, 追跡手段16は,画像中に表示されている1又は複数の人物を経時的に追跡し,人物領域を推定する機能も設けられ,具体的には,画像中に存在する人体に関してその外領域からなり人物が存在することを画面上で認識するための人物領域を推定し, 姿勢認知手段17は,人物の身長の変化から姿勢変化を算出する手法であって,その変化の仕方に応じて,しゃがみ,倒れこみ,ホールドアップ等を判定し, 不審者検出手段18は,追跡手段16による追跡結果や姿勢認知手段17による姿勢認知結果により,撮像手段23により撮影された人物が不審者である場合に検出を行い,検出された不審者情報を,通知手段に通知し, 画面生成手段19は,撮像手段23により撮影された映像を表示する画面を生成し,人物領域のフレームの位置情報を数値化したもの等を画面上に表示させることができ,生成され,ディスプレイ上に表示される画面40には,実際の撮影画面41と,人物位置情報42と,追跡結果画面43とを有し,撮影画面41には,人物44が矩形等に囲まれた人物認定領域45により表示され,人物認定領域45の形状は,矩形に限定されるものではなく,円形や楕円形,他の多角形,人物44の外形形状から所定倍率拡大させたシルエット形状であってもよく,人物44の人物位置情報42としては,カメラ等の撮像手段23からの距離と角度,視界全体の画素数を基準にして人物44の位置を左右の距離を計測し,その計測結果から得られる人物座標を取得し, 姿勢認知手段17は,身長データの経時的な変化のパターンから,ホールドアップ(両手挙げ),かがみ込む,立ち上がる,倒れこむ,直立等の姿勢を判定し,その判定結果を画面に表示し, 姿勢情報表示画面60では,日時情報61,人物特徴情報62が表示される。日時情報61は,撮影された日時が表示され,人物特徴情報62では,人物認定領域45における縦の幅,横の幅,人物認定領域45の面積,姿勢認知手段17により認知された姿勢情報が「姿勢:立っている」「姿勢:しゃがんでいる」「姿勢:倒れている」「姿勢:手を挙げている」として表示され,その人物の指名や性別,推定年齢を表示させることができる 姿勢変化検出装置10」(以下,「引用発明1」という。) が記載されている。 2.引用文献2について 当審第2拒絶理由に引用された特許第5632512号公報(以下,「引用文献2」という。下線は当審が付与。)には, 「【0140】 不審者検知部65では,物品取得行動検知部33において陳列棚の商品を手に取る物品取得行動を行う人物が検知されると,その人物が行う物品取得行動の特異性に基づいて,その人物が不審者か否かの判定が行われ,不審者と判定されると,報知部66において,その人物を監視者に報知する報知情報を生成する。例えば,同一の陳列棚で物品取得行動を連続して所定回数以上行った場合には,一度に大量の商品を窃取する,いわゆる大量窃盗の疑いがある不審者と判断して,その人物に関する報知情報を生成する。 【0141】 図19は,図18に示した警備室および売場バックヤードに設置されたモニタ61,62の表示画面を示す説明図である。警備室および売場バックヤードに設置されたモニタ61,62には,報知部66で生成した報知情報に基づいて,不審者が存在することを示す画面表示が行われる。図19に示す例では,モニタ61,62の表示画面に,報知情報として,不審者と判断された人物を取り囲む人物枠71が表示される。これにより,店舗内に不審者が存在することを警備室の警備員および売場の店員が確認することができる。」 の記載があるから, 「行動の特異性に基づいて判断した人物を人物枠で取り囲んで表示する」(以下,「周知技術1」という。) は周知である。 3.引用文献3について 当審第2拒絶理由及び当審第1拒絶理由及び原査定の理由に引用された特開2014-149731号公報(以下,「引用文献3」という。)には,【0001】,【0027】,【0040】,【0043】-【0048】,【0051】を参照すれば, 「病院や老人介護施設等で病人や被介護者の状態を監視する監視システムにおいて, 監視領域を赤外線レーザーセンサで監視し,方位と関連付けられた距離データから三次元空間内に置かれた監視対象者の位置・形状を立体的に把握し, 被介護者のはみ出し,起き上がり,離床を検出すると,異常検出信号を携帯端末に送信し, 携帯端末に『101号室 田中 起き上がり(離床)』のような場所と個人名,発生事象が表示されると共に,シルエット画像が合わせて表示され,シルエット画像以外の実際のカメラ画像を含めてよく,これらの画像の全て或いは一部をディスプレイ画面上に表示し, シルエット画像は,方位と関連付けられた距離データのそれぞれの被計測ポイントについて,方位データを画面上の位置座標に換算した上でその座標上に,モノクロ表示させたときのこれらのポイントの集合で表現される画像であって,監視対象物の外形が鮮明に表示されるものである 監視システム。」(以下,「引用発明2」という。) の発明が記載されている。 4.引用文献4について 当審第1拒絶理由及び原査定の理由に引用された特開2014-166197号公報(以下,「引用文献4」という。)には,特に,【0015】,【0023】,【0026】,【0028】,【0036】,【0037】,【0042】,【0050】,【0072】を参照すると, 「ナースコール等の施設に設置された設備と連携して行う情報処理装置であって, ベッドを撮影した動画像を取得し,見守り対象者の行動として,ベッド上での起き上がり,ベッドにおける端座位,ベッドの柵越え,ベッドからの落下,及び,ベッドからの離床,のうち少なくともいずれかの行動を推定し, 危険の迫る予兆を示す行動である場合に,当該見守り対象者を見守る見守り者に当該予兆を知らせるための通知を行い,通知として,情報処理装置1に接続されるディスプレイに,見守り対象者に危険の迫る予兆があることを見守り者に知らせるための画面を表示させてもよく,通知としてナースコールによる呼び出しを行ってもよい,情報処理装置。」(以下,「引用発明3」という。) が記載されている。 5.引用文献5について 原査定の理由に引用された特開2015-203881号公報(以下,「引用文献5」という。)には,特に,【0015】,【0022】-【0024】,【0144】を参照すると, 「見守り対象者を撮像部により撮影し,撮影した撮影画像を撮影画像データベースに登録し,ユーザインタフェース装置に表示し,撮影画像情報には撮影画像を識別する情報に体動領域を示す座標または部位を含めること」(以下,「引用発明4」という。) が記載されている。 6.引用文献6について 原査定の理由に引用された国際公開第2015/011591号(以下,「引用文献6」という。特に,[0021],[0023],[0027],[0037],[0041]を参照。)に記載されているように,「監視対象をビデオにより監視し,監視対象者の体の位置に基づいて動きを分類し,頭部や脚部を識別する領域を示す円を表示させること」は周知である。 7.引用文献7について 原査定の理由に引用された飯尾尊優,距離画像センサを用いた高齢者の見守りに関する意識調査,第32回日本ロボット学会学術講演会 2014年 The 32nd Annual Conference of the Robotics Society of Japan,日本,2014年9月4日,P.1000-1002(以下,「引用文献7」という。)によれば,「距離画像センサにより,人の位置,高さ,身体方向を計算し,人位置を緑の円で表示し,点灯時には,人位置の緑の円を赤く表示させていること」は周知である。 8.引用文献8について 原査定の理由に引用された特開2009-290505号公報(以下,「引用文献8」という。特に,【0011】,【0037】,【0046】,【0060】,【0061】を参照。)に記載されているように,「動作パターンを識別するIDを有し,センサに基づいて動作パターンを検出が検出されると,動作の種類に対応付けて識別可能な画像を表示すること」は周知である。 9.引用文献9について 原査定の理由に引用された特開2013-041323号公報(以下,「引用文献9」という。特に,【0028】,【0042】,【0046】)に記載されているように,「センサデータに基づいて行動が識別され,行動を識別する学習データを有し,識別結果においてアイコン表示すること」は周知である。 10.引用文献10について 原査定の理由に引用された特開2010-157119号公報(以下,「引用文献10」という。特に,【0037】,【0043】を参照。)に記載されているように,「見守りシステムにおいて携帯端末装置に表示すること」は周知である。 第6 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明1を対比する。 引用発明1は,カメラ等の撮像手段23等により撮影された映像を取得して,人物を検出して,検出した人物を経時的に追跡しているから,引用発明1の「人物」は「監視対象者」である。 引用発明1は,「所定の領域を撮影するカメラ等の撮像手段23」が接続されており,「カメラ等の撮像手段23により撮影された映像を取得」するから,「カメラ等の撮像手段23」は,「所定の領域」すなわち「空間」「を監視可能に配置され」ていて,「前記空間を撮影対象とした画像データを取得する撮像部」であるといえる。 引用発明1は,カメラ等の撮像手段23により撮影された映像を取得して,人物の姿勢変化を算出して,変化の仕方に応じて,しゃがみ,倒れこみ,ホールドアップ等を判定しているから,「監視対象を撮影した画像データに基づいて,監視対象者の所定の行動」を検知する検知システムであり,「取得した画像データに基づいて,前記監視対象者における所定の行動を検知する監視処理部」を備えているといえる。 引用発明1の「人物領域のフレームの位置情報を数値化したもの」は「前記監視対象者に対応する位置を示す位置データ」であって,画面上に表示するために,生成していることは明らかであるから,「前記監視対象者に対応する位置を示す位置データを生成する生成部」を有しているといえる。 引用発明1の「出力手段12」は,「各種情報の内容を表示」する「ディスプレイ等の画面表示機能」を有するから,「表示部」を有している。 引用発明1の「人物44が矩形等に囲まれた人物認定領域45」は,撮影画面41における人物領域であって,「矩形等」は,人物を囲むから,「矩形等」は「監視対象者位置標識」である。そして,「人物44が矩形等に囲まれた人物認定領域45により表示され」ているから「前記画像データ,及び,監視対象者位置標識」を表示し,「監視対象者位置標識」は,「監視対象者の全体像を前記監視対象者位置標識が含むように,画像データに重畳して表示」しているといえる。 引用発明1は,しゃがみ,倒れこみ,ホールドアップ等を判定して,経時的な変化のパターンから,姿勢情報である「立っている」「しゃがんでいる」「倒れている」「手を挙げている」を表示するから,「前記検知部により検知された所定の行動を識別するための識別情報」を,「検知された所定の行動の種類に応じて異なる表示態様」で前記表示部に表示しているといえる。 したがって,本願発明1と引用発明1とは, 「監視対象者を撮影した画像データに基づいて,前記監視対象者の所定の行動を検知する検知システムにおいて, 空間を監視可能に配置され,前記空間を撮影対象とした画像データを取得する撮像部と, 取得した画像データに基づいて,前記監視対象者における所定の行動を検知する監視処理部と, 前記監視対象者について,前記画像データに基づいて,前記監視対象者に対応する位置を示す位置データを生成する生成部と, 前記画像データ,及び,前記位置データに基づく監視対象者位置標識を表示する表示部と,を備え, 前記表示部は,前記監視対象者位置標識を,前記監視対象者の全体像を前記監視対象者位置標識が含むように,前記画像データに重畳して表示し, 前記表示部は,前記監視処理部により検知された所定の行動を識別するための識別情報をさらに表示し, 前記識別情報は,検知された所定の行動の種類に応じて異なる表示態様で前記表示部に表示される, 検知システム。」 で一致し,下記の点で相違する。 (相違点1) 本願発明1の監視対象者は,「監視すべき監視対象である見守り対象者」であって,撮像部は「前記見守り対象者が所在を予定している空間」を監視可能に配置しているのに対し,引用発明1の監視対象者は,「所定の領域を撮影するカメラ等の撮像手段23」が監視する「所定の領域」の「不審者検出手段」によって「不審者である」か否かを検知する人物であって,特定の「見守り対象者」ではなく,撮像手段は「所定の領域」を監視している点。 (相違点2) 本願発明1の表示部は「前記見守り対象者における所定の行動が検知されたことに応じて,前記画像データ,及び,前記所定の行動の検知を示すための前記位置データに基づく見守り対象者位置標識を表示する」のに対し,引用発明1の画面の表示は,「画像中に存在する人体に」対して人物領域を推定して,「ホールドアップ(両手挙げ),かがみ込む,立ち上がる,倒れこむ,直立等の姿勢」の判定結果と人物が矩形等に囲まれた人物認定領域を表示するが,どのようなことに応じて表示し,また,何のための表示であるか記載がない点。 (2)判断 相違点1について検討する。 本願発明1は,「監視すべき監視対象である見守り対象者」を監視対象としており,「前記見守り対象者が所在を予定している空間」を監視可能に配置しているのに対し,引用発明1は,「不審者」を判断する装置であるから,前提となる装置が異なっている。 また,引用発明1の姿勢変化検出装置を,「監視すべき監視対象である見守り対象者」を監視対象とする装置に対して用いることができることは記載されておらず,引用文献2-10に記載される各引用発明や周知技術にも記載されていない。 したがって,相違点2について検討するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用発明1,引用文献2-10に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.本願発明2-4について 本願発明2-4も,本願発明1と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明1,引用文献2-10に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 3.本願発明5について 本願発明5は,本願発明1の検知システムにおける表示方法の発明であるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明1,引用文献2-10に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 4.本願発明6-9について 本願発明6-9も,本願発明5と同一の構成を備えるものであるから,本願発明5と同じ理由により,当業者であっても,引用発明1,引用文献2-10に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 したがって,当審第2拒絶理由によって本願を拒絶することはできない。 第7 当審第1拒絶理由についての判断 1.明確性について 表示部に表示する対象は明瞭となった。 請求項6記載の発明は,「表示方法」となり「取得するステップ」「検知するステップ」「生成するステップ」「表示するステップ」との関連は明瞭となった。 2.進歩性について 本願発明1と引用発明2を対比する。 引用発明2の「シルエット画像」は,「方位と関連付けられた距離データのそれぞれの被計測ポイントについて,方位データを画面上の位置座標に換算した上でその座標上に,モノクロ表示させたときのこれらのポイントの集合で表現される画像」であるから,「位置データに基づく対象者位置標識」であるといえる。 引用発明2の携帯端末の「起き上がり(離床)」の表示は,「所定の行動の種類に応じ」た表示であるといえる。 したがって,本願発明1と引用発明2は, 「見守り対象者の所定の行動を検知する検知システムにおいて, 前記見守り対象者が所在を予定している空間を監視可能に配置され,前記空間を撮影対象とした画像データを取得する撮像部と, 前記見守り対象者における所定の行動を検知する監視処理部と, 前記見守り対象者について,前記見守り対象者に対応する位置を示す位置データを生成する生成部と, 前記見守り対象者における所定の行動が検知されたことに応じて,前記画像データ,及び,前記所定の行動の検知を示すための前記位置データに基づく見守り対象者位置標識を表示する表示部と,を備え, 前記表示部は,前記見守り対象者位置標識を,前記画像データと表示し, 前記表示部は,前記監視処理部により検知された所定の行動を識別するための識別情報をさらに表示し, 前記識別情報は,検知された所定の行動の種類に応じて異なる表示態様で前記表示部に表示される, 検知システム。」 で一致し,下記の点で相違する。 (相違点) 本願発明1は,検知システムが「監視すべき監視対象である見守り対象者を撮影した画像データに基づいて」おり,「取得した画像データに基づいて」所定の行動を検知し,「前記画像データに基づいて」位置データを生成するのに対し,引用発明2は,「赤外線レーザーセンサ」に基づいて検知している点。 相違点について検討すると,引用発明2は,カメラ画像は携帯端末への通知に使用されているだけで,「被介護者のはみ出し,起き上がり,離床」の検出は赤外線レーザーセンサで監視していて,通知に使用されるだけのカメラ画像を「被介護者のはみ出し,起き上がり,離床」の検出に使用することは,引用発明2において想定されていないから,引用発明2において,被介護者の離床等の検出を画像データに基づいて行うことは,当業者が容易に想到しうるものではない。 また,引用文献1,4の記載を考慮しても,引用発明2において被介護者の離床等の検出を画像データに基づいて行うことは,当業者が容易に想到しうるものではない。 本願発明2-9についても同様である。 したがって,当審第1拒絶理由により本願を拒絶することはできない。 第8 原査定についての判断 本願発明1と引用発明3を対比すると, 「監視すべき監視対象である見守り対象者を撮影した画像データに基づいて,前記見守り対象者の所定の行動を検知する検知システムにおいて, 前記見守り対象者が所在を予定している空間を監視可能に配置され,前記空間を撮影対象とした画像データを取得する撮像部と, 取得した画像データに基づいて,前記見守り対象者における所定の行動を検知する監視処理部と, 前記見守り対象者における所定の行動が検知されたことに応じて,表示する表示部と,を備え, 検知システム。」 で一致し,下記の点で相違する。 (相違点) 本願発明1は表示部が, 「前記見守り対象者における所定の行動が検知されたことに応じて,前記画像データ,及び,前記所定の行動の検知を示すための前記位置データに基づく見守り対象者位置標識を表示する表示部と,を備え, 前記表示部は,前記見守り対象者位置標識を,前記見守り対象者の全体像を前記見守り対象者位置標識が含むように,前記画像データに重畳して表示し, 前記表示部は,前記監視処理部により検知された所定の行動を識別するための識別情報をさらに表示し, 前記識別情報は,検知された所定の行動の種類に応じて異なる表示態様で前記表示部に表示される,」 のに対し,引用発明3は, 「当該予兆を知らせるため」 の通知を行う点。 上記相違点に係る本願発明1の構成は,引用文献3,5-10のいずれにも記載されておらず,本願優先日前における周知技術でもないので,本願発明1は,当業者であっても,原査定における引用文献3-10に基づいて容易に発明できたものではない。 また,本願発明2-9についても同様である。 したがって,原査定を維持することはできない。 第9 むすび 以上のとおり,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。 他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2020-11-10 |
出願番号 | 特願2018-500001(P2018-500001) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G08B)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 中村 信也、寺谷 大亮 |
特許庁審判長 |
北岡 浩 |
特許庁審判官 |
中野 浩昌 吉田 隆之 |
発明の名称 | 検知システムおよび検知システムの表示方法 |
代理人 | 櫻井 智 |
代理人 | 小谷 悦司 |
代理人 | 小谷 昌崇 |