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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G02B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G02B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B
管理番号 1368005
審判番号 不服2019-13169  
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-10-02 
確定日 2020-11-13 
事件の表示 特願2017- 75822「TOパッケージおよびTOパッケージ用のレンズキャップ」拒絶査定不服審判事件〔平成29年10月12日出願公開、特開2017-187776〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2017年4月6日(パリ条約による優先権主張2016年4月7日,ドイツ)を出願日とする外国語特許出願であって,平成29年6月6日に翻訳文が提出され、平成30年2月15日付けで拒絶理由が通知され,同年5月24日に手続補正がされ,同年10月30日付けで最後の拒絶理由が通知され,平成31年1月25日に手続補正がされ,令和元年5月31日付けで,平成31年1月25日にされた手続補正が却下されるとともに同時に拒絶査定(同年6月10日謄本送達)がされ,これに対して同年10月2日に審判請求がされるとともに同時に手続補正がされ,令和2年4月9日に上申書が提出されたものである。

第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和元年10月2日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は,特許請求の範囲を補正するものであり,このうち特許請求の範囲の請求項1は,本件補正の前後で以下のとおりである。なお,平成31年1月25日にされた手続補正は却下されているから,本件補正前の請求項1は,平成30年5月24日にされた手続補正により補正されたものである(下線は当審で付加。以下同様。)。

〈補正前〉
「【請求項1】
TOパッケージ用のレンズキャップ(1)において、
前記レンズキャップ(1)は、4mm未満の内径を有しており、前記レンズキャップ(1)は、金属ケーシング(2)を有しており、前記レンズキャップ(1)の前記金属ケーシング(2)は、前記レンズキャップ(1)の少なくとも上面(8)に、0.2mm未満の壁厚さを有しており、前記金属ケーシング(2)は、前記上面(8)に開口(10)を有しており、前記開口(10)内にレンズ(5)が設置されており、前記開口(10)の周りを取り囲んで、ケーシング壁が薄肉化されており、前記ケーシング壁の薄肉部(3)は、前記レンズ(5)の周りに前記上面(8)の縁部(9)まで延在しており、前記薄肉部(3)の範囲の壁厚さは、前記ケーシング壁の非薄肉部の範囲の壁厚さに対して、少なくとも35%だけ減少されていることを特徴とする、
レンズキャップ(1)。」

〈補正後〉
「【請求項1】
TOパッケージ用のレンズキャップ(1)において、
前記レンズキャップ(1)は、4mm未満の内径を有しており、前記レンズキャップ(1)は、金属ケーシング(2)を有しており、前記レンズキャップ(1)の前記金属ケーシング(2)は、前記レンズキャップ(1)の少なくとも上面(8)に、0.2mm未満の壁厚さを有しており、前記金属ケーシング(2)は、前記上面(8)に開口(10)を有しており、前記開口(10)内にレンズ(5)が設置されており、前記開口(10)の周りを取り囲んで、ケーシング壁が薄肉化されており、前記ケーシング壁の薄肉部(3)は、前記レンズ(5)の周りに前記上面(8)の縁部(9)まで延在しており、前記薄肉部(3)の範囲の壁厚さは、前記ケーシング壁の非薄肉部の範囲の壁厚さに対して、少なくとも35%だけ減少されており、
前記薄肉部(3)の前記開口(10)の周囲の範囲における前記ケーシング壁の壁厚さは、前記薄肉部(3)のその他の範囲における前記ケーシング壁の壁厚さよりも厚い、
ことを特徴とする、
レンズキャップ(1)。」

2 補正事項の整理
上記請求項1についての本件補正を整理すると以下のとおりとなる。
〈補正事項〉
補正前の請求項1の「前記ケーシング壁の薄肉部(3)は、前記レンズ(5)の周りに前記上面(8)の縁部(9)まで延在しており、前記薄肉部(3)の範囲の壁厚さは、前記ケーシング壁の非薄肉部の範囲の壁厚さに対して、少なくとも35%だけ減少されている」を、補正後の請求項1の「前記開口(10)の周りを取り囲んで、ケーシング壁が薄肉化されており、前記ケーシング壁の薄肉部(3)は、前記レンズ(5)の周りに前記上面(8)の縁部(9)まで延在しており、前記薄肉部(3)の範囲の壁厚さは、前記ケーシング壁の非薄肉部の範囲の壁厚さに対して、少なくとも35%だけ減少されており、前記薄肉部(3)の前記開口(10)の周囲の範囲における前記ケーシング壁の壁厚さは、前記薄肉部(3)のその他の範囲における前記ケーシング壁の壁厚さよりも厚い、」に補正すること。

3 補正の目的の適否及び新規事項の追加の有無についての検討
(1)上記補正事項は、補正前の「前記ケーシング壁の薄肉部(3)」について、「前記薄肉部(3)の前記開口(10)の周囲の範囲における前記ケーシング壁の壁厚さは、前記薄肉部(3)のその他の範囲における前記ケーシング壁の壁厚さよりも厚い」ものとして,その厚さ分布を限定するものである。よって,補正事項は,特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(2)また、前記補正事項は、本願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)の段落【0023】?【0027】、【0036】?【0043】及び【0059】?【0062】、並びに図4に記載されているといえる。よって、前記補正事項は、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3稿に規定する要件を満たすものである。

4 独立特許要件の有無の検討
上記のとおり,本件補正は,同法第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正事項を含むことから,以下においては,本件補正が,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて更に検討する。

(1)本件補正後の発明について
本件補正後の特許請求の範囲の請求項1?10に係る発明のうち,請求項1に係る発明は,その請求項1に記載されている事項により特定される以下のとおりのもの(再掲。以下「本願補正発明」という。)である。
「【請求項1】
TOパッケージ用のレンズキャップ(1)において、
前記レンズキャップ(1)は、4mm未満の内径を有しており、前記レンズキャップ(1)は、金属ケーシング(2)を有しており、前記レンズキャップ(1)の前記金属ケーシング(2)は、前記レンズキャップ(1)の少なくとも上面(8)に、0.2mm未満の壁厚さを有しており、前記金属ケーシング(2)は、前記上面(8)に開口(10)を有しており、前記開口(10)内にレンズ(5)が設置されており、前記開口(10)の周りを取り囲んで、ケーシング壁が薄肉化されており、前記ケーシング壁の薄肉部(3)は、前記レンズ(5)の周りに前記上面(8)の縁部(9)まで延在しており、前記薄肉部(3)の範囲の壁厚さは、前記ケーシング壁の非薄肉部の範囲の壁厚さに対して、少なくとも35%だけ減少されており、
前記薄肉部(3)の前記開口(10)の周囲の範囲における前記ケーシング壁の壁厚さは、前記薄肉部(3)のその他の範囲における前記ケーシング壁の壁厚さよりも厚い、
ことを特徴とする、
レンズキャップ(1)。」

(2)引用文献1に記載された発明
引用例1: 特開平6-201962号公報
原査定の拒絶の理由に引用され,本願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である特開平6-201962号公報(以下「引用例1」という。)には,図とともに,以下の記載がある。

「【0009】
【実施例】図1は本発明に係る光学用レンズ部品の第1実施例を示す縦断側面図、図2は第2実施例を示す縦断側面図であって、これらの図において、(1)はレンズ、(2)は金属製ホルダー、(3)は接着剤を示している。
【0010】レンズ(1)は、実施例では、球レンズの場合を例示しているが、他の形状のレンズであってもよい。
【0011】金属製ホルダー(2)は、板状素材をプレス絞り加工によってキャップ形状に成形し、頂部中央にレンズ(1)の外径より僅かに大きい孔(2a)を打ち抜き成形し、かつ、金属製ホルダー(2)の頂部中央の孔(2a)の周囲のレンズ接合部(2b)をレンズ(1)の光軸(k)に対して傾斜したテーパー状とし、さらに、該レンズ接合部(2b)をレンズ(1)に向けてナイフエッジ状としてある。この金属製ホルダー(2)の材質は、ステンレスその他各種の金属材料を自由に使用することができる。また、テーパー角度は、20°?80°の範囲内で適宜設定することができる。
【0012】図1と図2とは、レンズ接合部(2b)のテーパーの形成方向を逆としたものである。
【0013】上記レンズ接合部(2b)の孔(2a)内にレンズ(1)を位置決め配置し、接着剤(3)で接合固着して光学用レンズ部品(A)を作成する。接着剤(3)は低融点ガラス等を使用することができる。
【0014】図1の実施例は、レンズ(1)の直径2.000mm、金属製ホルダー(2)の孔(2a)の内径2.1mm、金属製ホルダー(2)の胴部内径3.3mm、胴部外径3.6mm、胴部軸方向長さ3.0mm、下端フランジ外径4.2mm、胴部板厚0.2mm、テーパー起点の曲率半径0.3mm、テーパー角度30°とし、レンズ(1)の光軸と直交する中心平面上で接合した場合を示している。
【0015】本発明の実施例は、以上の構成からなり、レンズ(1)を金属製ホルダー(2)のレンズ接合部(2b)に接着剤(3)で接合した際、金属製ホルダー(2)とレンズ(1)及び接着剤(3)との熱膨張率の相違により金属製ホルダー(2)のレンズ接合部(2b)を通してレンズ(1)の周囲に作用する圧縮応力(残留熱応力)は、レンズ接合部(2b)が、レンズ(1)の光軸(k)に対して傾斜したテーパー状としてあるため、図1では上向きに、図2では下向きに湾曲変形して吸収緩和され、レンズ(1)に歪みや複屈折を生じさせることがない。しかも、上記レンズ接合部(2b)は、ナイフエッジ状としてあることによって、上記作用が増大する。
【0016】上記実施例では、レンズ接合部(2b)にテーパー形状のみならず、ナイフエッジ状とした場合を例示しているが、テーパー形状だけで実施してもよい。また、ナイフエッジに代えて薄肉状としてもよい。
【0017】本発明の光学用レンズ部品は、光通信用、光センサー用その他、レーザー、フォトダイオード、LED等の発光素子側及び受光素子側のレンズ部品としても利用できるものである。」

イ ここで、図1は以下のものである。


ウ 上記アの段落【0016】には、レンズ接合部(2b)として、テーパー形状でありつつ、ナイフエッジ状に代えて薄肉状としたものが記載されているといえる。また、上記図1からは、テーパー形状とされた部分は、金属製ホルダー(2)の胴部上縁から孔(2a)にわたる部分であり、当該部分が、レンズ接合部(2b)であるといえる。

エ 以上を総合すると、引用例1には以下の発明が記載されているものと認められる(以下「引用発明」という。)。
「光学用レンズ部品であって、
金属製ホルダー(2)、レンズ(1)、及び接着剤(3)からなり、
金属製ホルダー(2)は、板状素材をプレス絞り加工によってキャップ形状に成形し、頂部中央にレンズ(1)の外径より僅かに大きい孔(2a)を打ち抜き成形し、かつ、金属製ホルダー(2)の頂部中央の孔(2a)の周囲のレンズ接合部(2b)をレンズ(1)の光軸(k)に対して傾斜したテーパー状とし、さらに、該レンズ接合部(2b)をレンズ(1)に向けてナイフエッジ状としてあり、
レンズ接合部(2b)は、金属製ホルダー(2)の胴部上縁から孔(2a)にわたる部分であり、
上記レンズ接合部(2b)の孔(2a)内にレンズ(1)を位置決め配置し、接着剤(3)で接合固着したものであり、
レンズ(1)の直径2.000mm、金属製ホルダー(2)の孔(2a)の内径2.1mm、金属製ホルダー(2)の胴部内径3.3mm、胴部外径3.6mm、胴部軸方向長さ3.0mm、下端フランジ外径4.2mm、胴部板厚0.2mm、テーパー起点の曲率半径0.3mm、テーパー角度30°とし、レンズ(1)の光軸と直交する中心平面上で接合したものであり、
金属製ホルダー(2)とレンズ(1)及び接着剤(3)との熱膨張率の相違により金属製ホルダー(2)のレンズ接合部(2b)を通してレンズ(1)の周囲に作用する圧縮応力(残留熱応力)は、レンズ接合部(2b)が、レンズ(1)の光軸(k)に対して傾斜したテーパー状としてあるため、上向き、又は下向きに湾曲変形して吸収緩和され、レンズ(1)に歪みや複屈折を生じさせることがなく、しかも、上記レンズ接合部(2b)は、ナイフエッジ状としてあることによって、上記作用が増大するものであって、
レンズ接合部(2b)は、テーパー形状でありつつ、ナイフエッジ状に代えて薄肉状としたものでもよいものである、
光学用レンズ部品。」

(3)引用文献2に記載された事項
ア 原査定の拒絶の理由に引用され,本願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である特開2006-126272号公報(以下「引用例2」という。)には,図とともに,以下の記載がある。
a
「【0002】
一般に、光学用キャップ部品は、光通信や光センサ等に用いられる発光素子或いは受光素子等の光素子を覆うもので、その内部を例えば気密状態に保持することにより、光素子に対する光の入出力を適正に行わせ得る構成とされている。この種の光学用キャップ部品としては、種々のものが提案され或いは実用化されており、例えば図7に示すような構成を備えたものが公知となっている。
【0003】
図7(a)に示す光学用キャップ部品20は、基端に接続開口端21を有する円筒状の側壁部22と、側壁部22の先端に設けられ且つその中心部にレンズ保持孔23を有する端壁部24とを備えた金属製シェル25を具備し、この金属製シェル25のレンズ保持孔23に球レンズ26を低融点ガラス27で固着したものである。そして、この光学用キャップ部品20における側壁部22の接続開口端21には、外周側に向かって張り出された鍔部28が一体形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、この光学用キャップ部品20の使用態様は、レーザダイオード等の光半導体素子30を搭載したキャップ取付台31に、光半導体素子30を覆うように光学用キャップ部品20を載置した後、接続開口端21をキャップ取付台31に抵抗溶接等によって溶着固定することにより、光半導体素子30を封入して保護している。この溶着作業は、例えば光学用キャップ部品20の接続開口端21の鍔部28に突起部28aを形成し、この突起部28aを円筒状の電極32によってキャップ取付台31に押圧すると共に、電極32に通電して光学用キャップ部品20をキャップ取付台31に溶着することによって行われる。
【0005】
しかしながら、図7(a)に示す光学用キャップ部品20は、円筒状の側壁部22の先端に平板状の端壁部24の外周縁が直接連なっている関係上、側壁部22に曲げ変形が生じた場合には、その変形は直接的に端壁部24に影響を及ぼすことになる。詳述すると、図7(b)に示すように、溶着時に加えられる電極32の機械的負荷によって鍔部28における突起部28aの潰れ方に偏りが生じて側壁部22に曲げ変形が生じた場合、例えば側壁部22が軸心に対して傾斜状態となる変形、或いは側壁部22の一部が軸心に沿う方向に位置ズレを来すような変形を生じた場合には、端壁部24もこれに伴って曲げ変形する。そのため、球レンズ26を固着している低融点ガラス27に割れ或いはクラックが入るなどして、光学用キャップ部品20の耐久性が低下する問題を有していた。また、光学用キャップ部品20とキャップ取付台31とで囲繞された空間に気密性を要する場合であっては、低融点ガラス27にクラック等が生じれば、その気密封止性が容易に破られるという問題を有していた。」
b
「【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、金属製シェルの側壁部に変形が生じた場合に、端壁部の中央部分への変形の波及を可及的に抑制して、端壁部におけるレンズの固着状態への悪影響を効果的に防止することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために創案された本発明は、基端に接続開口端を有する筒状の側壁部と、該側壁部の先端に設けられ且つその中心部にレンズ保持孔を有する端壁部と、前記側壁部及び端壁部の相互間を連結する連結壁部とを備えた金属製シェルを具備し、該金属製シェルのレンズ保持孔にレンズを固着してなる光学用キャップ部品において、前記連結壁部の内周側端部端から前記側壁部の軸方向中間に至る部位の一部領域または全領域に、その領域の直近の壁部における肉厚よりも薄い薄肉部を形成したことを特徴とするものである。
【0014】
ここで、上記の「連結壁部」とは、端壁部の外周端と側壁部の先端とを連結する領域を意味し、」
・・・(中略)・・・
【0015】
このような構成によれば、連結壁部の内周側端部から側壁部の軸方向中間に至る部位の一部領域または全領域に、その領域の直近の壁部における肉厚よりも薄い薄肉部が形成されているため、薄肉部はその領域の直近の壁部よりも変形しやすく、側壁部に曲げ変形や捩り変形等の変形が生じた場合であっても、その変形の波及は薄肉部によって抑止される。詳述すると、例えば、側壁部の基端部が径方向に偏倚するような変形が生じた場合には、その変形の波及は、側壁部の軸方向中間から連結壁部の内周側端部に至るまでの何れかの部位で抑止されることになり、これに伴って端壁部への変形の波及も適切に抑止される。この場合、既に述べたように、上記の薄肉部で変形の波及が完全に抑止されるとは限らず、その変形が僅かながらでも端壁部全領域の外周端に波及されるという事態が生じ得るが、この端壁部全領域は大面積部分であることから、その外周端から遠距離の位置にあるレンズ保持孔には、上記の変形が波及し難くなる。これにより、従来のように端壁部に薄肉部を形成した場合に比して、端壁部におけるレンズの固着状態を良好に維持することができ、端壁部の不当な変形に起因するレンズの剥離等の問題が生じ難くなる。
・・・(中略)・・・
【0022】
上記の構成において、薄肉部の最小肉厚(薄肉部の形成領域において最小となっている肉厚)aは、側壁部の薄肉部非形成部位の肉厚bに対して、0.6b≦a≦0.9bであることが好ましい。
【0023】
すなわち、上記の最小肉厚aと肉厚bとの関係が、a<0.6bであると、薄肉部の最小肉厚が過度に薄くなることから、強度不足や耐久性の低下を招くのに対して、a>0.9bであると、薄肉部の最小肉厚が過度に厚くなることから、変形の波及を抑止する効果が十分に得られなくなるという不具合を招く。したがって、最小肉厚aと肉厚bとの関係は、上記の数値範囲内にあることが好ましい。なお、このような事項を勘案すれば、上記の関係は、0.7b≦a≦0.8bであることがより好ましい。」
c
「【0031】
以下、本発明に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0032】
図2に示すように、本実施形態に係る光学用キャップ部品6は、基端に接続開口端7を有する円筒状の側壁部2と、この側壁部2の先端に設けられ且つその中心部にレンズ保持孔8を有する端壁部1と、側壁部2及び端壁部1の相互間を連結する円弧状に湾曲した連結壁部3f(図3中、湾曲部の基端と先端を境界にもつクロスハッチングで示す領域)とを備えた金属製シェル9を具備し、この金属製シェル9のレンズ保持孔8に球レンズ10が嵌め込まれ、その周囲が低融点ガラス11で気密固着されている。そして、この金属製シェル9には、連結壁部3fの内周側端部4から側壁部2の軸方向中間に至る部位に、その直近の壁部における肉厚よりも薄い薄肉部12が形成されている。
【0033】
詳しくは、図3に示すように、薄肉部12は、連結壁部3fの外周側端部5から側壁部2の先端部(または連結壁部3fの基端部)に亘って形成されており、その外表面に連結壁部3fの外周側端部5を先端縁として基端側に向かって延びる周面13を有し、この周面13の基端縁と、側壁部2における薄肉部非形成部位の外表面との間に段差部14を形成することで薄肉形成している。この薄肉部12の肉厚aは、側壁部2の薄肉部非形成部位の肉厚bに対して、0.6b≦a≦0.9bになるように設定されている。また、連結壁部3fの外表面が形成する円弧の曲率半径rは、端壁部1の外表面から段差部14までの軸方向寸法cに対して、r>cとなるように設定されている。なお、図示例では周面13が軸方向と平行に延在しているが、基端側が拡径しているものであってもよい。また、図中に示す点線は、直近の壁部と同一肉厚を示すものである(後述する図5及び図6において同様)。
【0034】
そして、上記のように構成された光学用キャップ部品6は、図2に示すように、キャップ取付台31に搭載された光半導体素子30を覆うように載置され、キャップ取付台31に抵抗溶接(例えば、プロジェクション溶接)により溶着固定される。勿論、この溶着作業は、抵抗溶接に限らず、例えばレーザ溶接等を用いることもできる。なお、この溶着作業をドライ窒素の雰囲気下で行って、光学用キャップ部品6とキャップ取付台31とで囲繞された空間にドライ窒素を充填させてもよい。この場合、ドライ窒素は水分を除去した純粋なガスなので、水分による光半導体素子30の劣化をより確実に防止することができる。」

イ 以上から、引用文献2には以下の各技術事項が記載されているといえる。
a 一般に、光学用キャップ部品20は、光通信や光センサ等に用いられる発光素子或いは受光素子等の光素子を覆うものであって、基端に接続開口端21を有する円筒状の側壁部22と、側壁部22の先端に設けられ且つその中心部にレンズ保持孔23を有する端壁部24とを備えた金属製シェル25を具備し、この金属製シェル25のレンズ保持孔23に球レンズ26を低融点ガラス27で固着したものであり、光学用キャップ部品20の使用態様は、レーザダイオード等の光半導体素子30を搭載したキャップ取付台31に、光半導体素子30を覆うように光学用キャップ部品20を載置した後、接続開口端21をキャップ取付台31に抵抗溶接等によって溶着固定することにより、光半導体素子30を封入して保護すること。

b 基端に接続開口端を有する筒状の側壁部と、該側壁部の先端に設けられ且つその中心部にレンズ保持孔を有する端壁部と、前記側壁部及び端壁部の相互間を連結する連結壁部とを備えた金属製シェルを具備し、該金属製シェルのレンズ保持孔にレンズを固着してなる光学用キャップ部品において、前記連結壁部の内周側端部端から前記側壁部の軸方向中間に至る部位の一部領域または全領域に、その領域の直近の壁部における肉厚よりも薄い薄肉部を形成し、当該薄肉部が形成されているため、薄肉部はその領域の直近の壁部よりも変形しやすく、側壁部に曲げ変形や捩り変形等の変形が生じた場合であっても、その変形の波及は薄肉部によって抑止されるものであり、当該薄肉部の最小肉厚(薄肉部の形成領域において最小となっている肉厚)aは、側壁部の薄肉部非形成部位の肉厚bに対して、0.6b≦a≦0.9bであること。

(4)対比
本願補正発明と引用発明とを比較する。
ア 引用発明の「光学用レンズ部品であって、 金属製ホルダー(2)、レンズ(1)、及び接着剤(3)からなり、 金属製ホルダー(2)は、板状素材をプレス絞り加工によってキャップ形状に成形し」たものと、本願発明の「TOパッケージ用のレンズキャップ(1)」とは、「レンズキャップ」である点で一致する。

イ 引用発明の「金属製ホルダー(2)は、」「頂部中央にレンズ(1)の外径より僅かに大きい孔(2a)を打ち抜き成形し、かつ、金属製ホルダー(2)の頂部中央の孔(2a)の周囲のレンズ接合部(2b)をレンズ(1)の光軸(k)に対して傾斜したテーパー状とし、さらに、該レンズ接合部(2b)をレンズ(1)に向けてナイフエッジ状としてあり、 上記レンズ接合部(2b)の孔(2a)内にレンズ(1)を位置決め配置し、接着剤(3)で接合固着したものであ」るから、当該「金属製ホルダー(2)」、「レンズ(1)」、「頂部中央の孔(2a)」及び「頂部中央の孔(2a)の周囲のレンズ接合部(2b)」は、それぞれ、本願補正発明の「金属ケーシング(2)」、「レンズ(5)」、「開口(10)」及び「上面(8)」に相当し、引用発明に係る前記構成は、本願補正発明の「前記金属ケーシング(2)は、前記上面(8)に開口(10)を有しており、前記開口(10)内にレンズ(5)が設置されて」いることに相当する。

ウ 引用発明の「光学用レンズ部品」に係る「金属製ホルダー(2)」は、「胴部内径3.3mm、胴部外径3.6mm、」であるから、当該構成は、本願補正発明の「レンズキャップ(1)は、4mm未満の内径を有して」いることに相当する。

エ 引用発明においては、「金属製ホルダー(2)は、板状素材をプレス絞り加工によってキャップ形状に成形」されたものであるところ、「金属製ホルダー(2)の胴部内径3.3mm、胴部外径3.6mm」であるから、「胴部」における厚さは、(3.6mm-3.3mm)/2=0.15mmであって、前記「薄肉状」とされた部分はこれよりも厚さが減少させられたものであるから、当該構成は、本願補正発明の「前記レンズキャップ(1)の前記金属ケーシング(2)は、前記レンズキャップ(1)の少なくとも上面(8)に、0.2mm未満の壁厚さを有しており」との構成に相当する。

オ 引用発明においては、「金属製ホルダー(2)の頂部中央の孔(2a)の周囲のレンズ接合部(2b)をレンズ(1)の光軸(k)に対して傾斜したテーパー状とし、さらに、該レンズ接合部(2b)をレンズ(1)に向けてナイフエッジ状としてあ」るところ、「レンズ接合部(2b)は、テーパー形状でありつつ、ナイフエッジ状に代えて薄肉状としたものでもよいものである」。ここで、「レンズ接合部(2b)は、金属製ホルダー(2)の胴部上縁から孔(2a)にわたる部分であ」ることから、当該引用発明の「レンズ接合部(2b)」の「ナイフエッジ状に代えて薄肉状としたもの」に係る構成は、本願補正発明の「前記開口(10)の周りを取り囲んで、ケーシング壁が薄肉化されており、前記ケーシング壁の薄肉部(3)は、前記レンズ(5)の周りに前記上面(8)の縁部(9)まで延在して」いることに相当する。

カ 上記オのとおりであるから、引用発明の、前記「金属製ホルダー(2)の頂部中央の孔(2a)の周囲のレンズ接合部(2b)をレンズ(1)の光軸(k)に対して傾斜したテーパー状とし、さらに、該レンズ接合部(2b)をレンズ(1)に向けてナイフエッジ状としてあ」るものについて「レンズ接合部(2b)」の「ナイフエッジ状に代えて薄肉状としたもの」と、本願補正発明の「前記薄肉部(3)の範囲の壁厚さは、前記ケーシング壁の非薄肉部の範囲の壁厚さに対して、少なくとも35%だけ減少されており」とは、「前記薄肉部(3)の範囲の壁厚さは、前記ケーシング壁の非薄肉部の範囲の壁厚さに対して、減少されており」との点で一致する。

キ したがって,引用発明と本願補正発明とは,
「レンズキャップ(1)において、
前記レンズキャップ(1)は、4mm未満の内径を有しており、前記レンズキャップ(1)は、金属ケーシング(2)を有しており、前記レンズキャップ(1)の前記金属ケーシング(2)は、前記レンズキャップ(1)の少なくとも上面(8)に、壁厚さを有しており、前記金属ケーシング(2)は、前記上面(8)に開口(10)を有しており、前記開口(10)内にレンズ(5)が設置されており、前記開口(10)の周りを取り囲んで、ケーシング壁が薄肉化されており、前記ケーシング壁の薄肉部(3)は、前記レンズ(5)の周りに前記上面(8)の縁部(9)まで延在しており、前記薄肉部(3)の範囲の壁厚さは、前記ケーシング壁の非薄肉部の範囲の壁厚さに対して、減少されている、
レンズキャップ(1)。」
である点で一致する。

ク 一方両者は,以下の各点で相違する。
《相違点1》
本願補正発明においては,「TOパッケージ用のレンズキャップ(1)」を備えるが、引用発明は、「レンズキャップ」を備えるものの、「TOパッケージ用の」ものであることまでは特定されていない点。

《相違点2》
本願補正発明は、「前記薄肉部(3)の範囲の壁厚さは、前記ケーシング壁の非薄肉部の範囲の壁厚さに対して、少なくとも35%だけ減少されており」との構成を備えるのに対し、引用発明は、「前記薄肉部(3)の範囲の壁厚さは、前記ケーシング壁の非薄肉部の範囲の壁厚さに対して、減少されており」に対応する構成は備えるものの、当該「減少」が「少なくとも35%だけ」であることまでは特定されていない点。

《相違点3》
本願補正発明は、「前記薄肉部(3)の前記開口(10)の周囲の範囲における前記ケーシング壁の壁厚さは、前記薄肉部(3)のその他の範囲における前記ケーシング壁の壁厚さよりも厚い」との構成を備えるが、引用発明は、そのような構成を備えない点。

(4)判断
上記各相違点について検討する。
ア 相違点1について
引用文献2について、前記(3)イaに記載したとおり、一般に、光学用キャップ部品は、「基端に接続開口端」を有する「円筒状の側壁部」を備え、「レーザダイオード等の光半導体素子30を搭載したキャップ取付台31に、光半導体素子30を覆うように光学用キャップ部品20を載置した後、接続開口端21をキャップ取付台31に抵抗溶接等によって溶着固定することにより、光半導体素子30を封入して保護する」ように、光半導体素子が搭載されたキャップ取付台に溶着固定して用いるものであり、そのようにして構成された、キャップ取付台及び光学用キャップ部品からなる光半導体素子のパッケージは、円筒状の外観を備える、いわゆるTOパッケージと称されるものである。そして、引用発明に係る、内径及び外径を有し、キャップ形状とされた金属製ホルダー(2)を備える「光学用レンズ部品」も、これと同様に用いられて、TOパッケージを構成することは明らかであるから、相違点1は実質的な相違点ではなく、仮にそうでないとしても、当業者が適宜になしえたことである。

イ 相違点2について
引用発明は、「レンズ(1)の周囲に作用する圧縮応力(残留熱応力)は、レンズ接合部(2b)が、レンズ(1)の光軸(k)に対して傾斜したテーパー状としてあるため、上向き、又は下向きに湾曲変形して吸収緩和され、レンズ(1)に歪みや複屈折を生じさせることがなく、しかも、上記レンズ接合部(2b)は、ナイフエッジ状としてあることによって、上記作用が増大する」ものであるから、「レンズ接合部(2b)」を「ナイフエッジ状に代えて薄肉状としたもの」に係る構成についても、当該「薄肉状」とされた部分は、「湾曲変形して吸収緩和」する「作用が増大」されるものであり、「薄肉状」とされることにより変形しやすいものとなっていることは明らかである。
ところで、引用文献1には、当該薄肉化の程度について具体的な数値の記載はないが、上記「変形」をしやすくするためにどの程度厚さを減少させるかは、設計事項であるといえる。
また、引用文献2について前記(3)イbに記載したとおり、光学用キャップ部品であって、「直近の壁部における肉厚よりも薄い薄肉部を形成し、当該薄肉部が形成されているため、薄肉部はその領域の直近の壁部よりも変形しやすく」したものについて「当該薄肉部の最小肉厚(薄肉部の形成領域において最小となっている肉厚)aは、側壁部の薄肉部非形成部位の肉厚bに対して、0.6b≦a≦0.9b」とすること、すなわち、10%ないし40%減少された厚さとすることが記載されている。
よって、引用発明において、前記「薄肉状」とした部分を、「薄肉状」とされない部分に比して、「10%ないし40%」の範囲内である35%を超える程度に厚さを減少させて、相違点3に係る構成を備えることは、当業者が適宜になしえたことである。

ウ 相違点3について
一般に、光半導体素子のパッケージにおいて、キャップのレンズに接する部分の厚さを、その周囲に比して厚くすることは、例えば以下の周知例1ないし3にも記載されているように、周知の構成であって、当該周知の構成を引用発明において採用することに何ら困難はない。また、本願明細書を見ても、相違点3に係る構成を備えることにより、格別な作用効果が得られるとは認められない。
よって、引用発明において、相違点3に係る構成を備えることは、当業者が適宜になしえたことである。

周知例1:特開昭63-255984号公報
本願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である特開昭63-255984号公報には,図とともに,以下の記載がある。
「また、第3図から第5図は、本発明の他の実施例を説明する図で、第1図と同様、レーザコリメータの製造方法と構成を示す図である。第3図、第4図第5図とも、サブマウント9がストッパの役割をはたし、第3図では、レンズ6固定部の周辺23を、第4図では、ヘッダ14の抵抗溶接部近傍24を第5図では、キャップ26の側面に作成した凹部28を変形させて作製されたものである。」(3ページ左上欄5?13行)
ここで、第3図は次のものである。

上記第3図から、キャップのレンズ6に接する部分の厚さを、その周囲に比して厚くしたものが見て取れる。

周知例2:特開2004-47831号公報
本願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である特開2004-47831号公報には,図とともに,以下の記載がある。
「【0044】
つづいて、図1の受光素子モジュール3の詳細な構成について説明する。図8(A)(B)は、図1の受光素子モジュール3の水平断面図、垂直断面図を示すものである。図8に示す如く、受光素子モジュール3は、差動構成の信号ピン41a、41b、ホトダイオード18のバイアス電圧の供給ピン43a、トランスインピーダンスアンプ19の電源電圧の供給ピン43b、およびグランドピン42a、42b等がマウントされる円板状のステム10と、放物面鏡16および複数の素子が搭載される台形柱状の台座11と、光ファイバ20から出射される信号光を集光する球レンズ12と、台座11などを外部から密閉するための円筒形のキャップ部材13と、および光ファイバ20が接続されたフェルール21が挿入されるレセプタクル2等を備えている。」
ここで、図8は次のものである。

上記図8から、キャップ部材13の球レンズ12に接する部分の厚さを、その周囲に比して厚くしたものが見て取れる。

周知例3:特開昭64-17011号公報
本願の優先日前に日本国内において頒布された刊行物である特開昭64-17011号公報には,図とともに,以下の記載がある。
「第1図に示すように本発明の光半導体装置は、LEDチップ1上にサファイヤよりなる直径500μmの球レンズ2が樹脂により取り付けられている。
・・・(中略)・・・
この平行光はキャップ5に設けたレンズ3で焦点に集光する。」(3ページ左上欄1?10行)
ここで、第1図は次のものである。


上記第1図から、キャップ5のレンズ3に接する部分の厚さを、その周囲に比して厚くしたものが見て取れる。

(5)小活
よって、本願補正発明は、周知技術を勘案し、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

5 まとめ
以上のとおり,本願補正発明は,特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
令和元年10月2日にされた手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明は,平成30年5月24日にされた手続補正により補正された明細書,特許請求の範囲及び図面の記載から見て,その請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。(以下「本願発明」という。)
「【請求項1】
TOパッケージ用のレンズキャップ(1)において、
前記レンズキャップ(1)は、4mm未満の内径を有しており、前記レンズキャップ(1)は、金属ケーシング(2)を有しており、前記レンズキャップ(1)の前記金属ケーシング(2)は、前記レンズキャップ(1)の少なくとも上面(8)に、0.2mm未満の壁厚さを有しており、前記金属ケーシング(2)は、前記上面(8)に開口(10)を有しており、前記開口(10)内にレンズ(5)が設置されており、前記開口(10)の周りを取り囲んで、ケーシング壁が薄肉化されており、前記ケーシング壁の薄肉部(3)は、前記レンズ(5)の周りに前記上面(8)の縁部(9)まで延在しており、前記薄肉部(3)の範囲の壁厚さは、前記ケーシング壁の非薄肉部の範囲の壁厚さに対して、少なくとも35%だけ減少されていることを特徴とする、
レンズキャップ(1)。」

2 引用発明
引用発明は,前記第2の5「(2)引用文献1に記載された発明」に記載したとおりのものである。

3 対比・判断
前記第2「1 本件補正の内容」?第2「3 補正の目的の適否及び新規事項の追加の有無についての検討」において記したように,本願補正発明は,補正前の請求項1における発明特定事項である「前記ケーシング壁の薄肉部(3)」について,「前記薄肉部(3)の前記開口(10)の周囲の範囲における前記ケーシング壁の壁厚さは、前記薄肉部(3)のその他の範囲における前記ケーシング壁の壁厚さよりも厚い」ものとして,その厚さ分布をより限定するものである。言い換えると,本願発明は,本願補正発明から前記各限定を除いたものである。
そうすると,本願発明の構成要件をすべて含み,これをより限定したものである本願補正発明が,前記第2 4「(3)対比」?第2 4「(5)小括」において検討したとおり,周知技術を勘案し、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も同様の理由により,当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって,本願発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび
以上のとおりであるから,本願は,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2020-06-03 
結審通知日 2020-06-09 
審決日 2020-06-25 
出願番号 特願2017-75822(P2017-75822)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G02B)
P 1 8・ 561- Z (G02B)
P 1 8・ 575- Z (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 渡邉 勇  
特許庁審判長 瀬川 勝久
特許庁審判官 吉野 三寛
近藤 幸浩
発明の名称 TOパッケージおよびTOパッケージ用のレンズキャップ  
代理人 前川 純一  
代理人 アインゼル・フェリックス=ラインハルト  
代理人 二宮 浩康  
代理人 上島 類  
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