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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H01L
管理番号 1368017
審判番号 不服2020-5281  
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-04-17 
確定日 2020-12-01 
事件の表示 特願2016-181762「基板処理装置及び基板移送方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 3月22日出願公開,特開2018- 46236,請求項の数(17)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成28年9月16日の特許出願であって,その手続の経緯は,概略,以下のとおりである。
令和 元年11月 6日付け:拒絶理由通知書
令和 2年 1月 8日 :意見書
令和 2年 1月 8日 :手続補正書
令和 2年 1月17日付け:拒絶査定(以下,「原査定」という。)
令和 2年 4月17日 :審判請求書
令和 2年 4月17日 :手続補正書

第2 原査定の概要
原査定(令和2年1月17日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1ないし19に係る発明は,以下の引用文献1ないし3に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2015-073062号公報
2.特開2010-182747号公報
3.特開平11-168135号公報

第3 審判請求時の補正について
審判請求時の補正は,特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。
そして,「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように,補正後の請求項1ないし17に係る発明は,独立特許要件を満たすものである。

第4 本願発明
本願請求項1ないし17に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明17」という。)は,令和2年4月17日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし17に記載された事項により特定される発明であり,以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
第1の酸素濃度を有し,基板を露出させた状態で搬送可能な基板搬送領域と,
該基板搬送領域に隔壁を介して隣接して設けられるとともに,前記第1の酸素濃度よりも高い第2の酸素濃度を有し,前記基板を基板保管器内に保持した状態で搬送可能な基板保管器搬送領域と,
該基板保管器搬送領域内に設けられ,前記基板保管器を一時的に保管可能な基板保管器保管棚と,
該基板保管器保管棚に保管された前記基板保管器の内部にパージガスを供給可能な第1のパージガス供給手段と,
該第1のパージガス供給手段から前記基板保管器の内部に供給された前記パージガスの積算流量を取得する積算流量取得手段と,
前記基板保管器搬送領域内で前記基板保管器を搬送可能な搬送手段と,
前記基板保管器搬送領域内の前記隔壁と隣接した所定箇所に設けられ,前記基板保管器を前記基板搬送領域に移送するために載置する移送載置部と,
前記移送載置部に載置された前記基板保管器の内部にパージガスを供給可能な第2のパージガス供給手段と,
前記移送載置部に載置された前記基板保管器を前記隔壁に密着させた状態で前記基板保管器を開放し,前記基板を前記基板搬送領域内に移送する基板移送手段と,
予め設定された前記基板保管器内の所定の酸素濃度初期値と,前記積算流量取得手段により取得された前記パージガスの積算流量と,前記第1のパージガス供給手段からの前記パージガスの供給停止時間及び前記基板保管器の前記基板保管器保管棚から前記基板搬送領域への移動時間中の前記パージガスの供給が無い時間とに基づいて前記移送載置部に載置された前記基板保管器の内部の酸素濃度を推定し,該酸素濃度が所定の閾値以下の場合には,前記基板移送手段に前記基板を前記基板搬送領域に移送させ,前記酸素濃度が前記所定の閾値を超えている場合には,前記第2のパージガス供給手段に前記基板保管器の内部に前記パージガスを供給させ,前記基板保管器の内部の前記酸素濃度が前記所定の閾値以下になってから前記基板移送手段に前記基板を前記基板搬送領域に移送させる制御手段と,を有し,
前記制御手段は,取得した前記積算流量に基づいて,前記基板保管器保管棚に保管された前記基板保管器の内部の前記酸素濃度が所定の第2の閾値に到達したと判定したときに,前記第1のパージガス供給手段からの前記パージガスの供給を停止させる制御を行い, 前記第2の閾値は,予め測定した前記パージガスの供給を継続しても酸素濃度がそれ以上低下しない限界値に設定されている基板処理装置。
【請求項2】
前記所定の閾値は,前記第1の酸素濃度よりも高いが,前記基板保管器を開放しても,前記基板搬送領域の前記第1の酸素濃度を,前記基板の表面に自然酸化膜が形成される濃度にまでは変化させない濃度に設定されている請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記積算流量取得手段は,前記制御手段内に設けられ,
前記制御手段は,前記第1のパージガス供給手段と,前記搬送手段の動作も制御する請求項1又は2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記基板保管器保管棚に前記基板保管器が保管されたことを検出する基板保管器保管検出手段を更に有し,
該基板保管器保管検出手段により前記基板保管器の保管が検出されたときに,前記制御手段は,前記第1のパージガス供給手段に前記パージガスの供給を開始させる請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記所定の閾値と前記第2の閾値は,同じ濃度に設定されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記移送載置部に前記基板保管器が載置されたことを検出する基板保管器載置検出手段を更に有し,
前記制御手段は,該基板保管器載置検出手段により前記基板保管器の載置が検出されたときに,前記酸素濃度の推定を行う請求項1乃至5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記制御手段は,予め測定した前記基板保管器保管棚における前記第1のパージガス供給手段からの前記パージガスの供給による酸素置換特性,前記パージガスの供給したときの酸素濃度保持特性,前記移送載置部における前記第2のパージガス供給手段からの前記パージガスの供給による酸素置換特性に基づいて,前記基板保管器の内部の前記酸素濃度を推定する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1のパージガス供給手段からの前記パージガスの供給による酸素置換特性,前記パージガスの供給を停止したときの酸素濃度保持特性,前記移送載置部における前記第2のパージガス供給手段からの前記パージガスの供給による酸素置換特性は,横軸を時間,縦軸を酸素濃度とする特性である請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記パージガスは窒素ガスである請求項1乃至8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記基板保管器保管棚は,複数個設けられている請求項1乃至9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記基板保管器は,前面に開閉可能な蓋が設けられ,複数枚の基板を収納可能なFOUPであり,
前記基板移送手段は,該蓋を開放することにより前記基板保管器を開放する請求項1乃至10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記基板搬送領域には,前記基板を処理する処理容器が設けられた請求項1乃至11のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記処理容器は,熱処理を行う反応管であり,
前記基板搬送領域には,該反応管に複数の基板を保持した状態で収容可能な基板保持具が設けられ,
前記基板移送手段は,前記基板を前記基板保管器から該基板保持具に移載するように構成された請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
基板を収納した基板保管器を,基板保管器搬送領域内に設けられた基板保管器保管棚に一時的に保管する工程と,
該基板保管器保管棚に保管された前記基板保管器の内部にパージガスを供給する工程と,
前記基板保管器の内部に供給された該パージガスの積算流量を算出する工程と,
前記基板を露出した状態で搬送可能な基板搬送領域に移送するため,前記基板を,前記基板搬送領域と前記基板保管器搬送領域とを仕切る隔壁に隣接して設けられた前記基板保管器搬送領域内の移送載置部に載置する工程と,
該移送載置部に載置された前記基板保管器の内部の酸素濃度を,予め設定された前記基板保管器内の所定の酸素濃度初期値と,前記パージガスの積算流量と,前記パージガスの供給停止時間及び前記基板保管器の前記基板保管器保管棚から前記基板搬送領域への移動時間中の前記パージガスの供給が無い時間とに基づいて推定し,前記酸素濃度が所定の閾値以下の場合には,前記基板保管器を前記隔壁に密着させた状態で開放させて前記基板を前記基板搬送領域内に移送し,前記酸素濃度が前記所定の閾値を超える場合には,前記基板保管器の内部に前記パージガスを供給し,前記基板保管器の内部の前記酸素濃度が前記所定の閾値以下となってから前記基板を前記基板搬送領域に移送する工程と,を有し,
前記基板を収納した前記基板保管器を前記基板保管器保管棚に一時的に保管する工程は,前記基板保管器保管棚に保管された前記基板保管器の内部の前記酸素濃度が所定の第2の閾値に到達したと判定したときに,前記パージガスの供給を停止する工程を含み,
前記第2の閾値は,予め測定した前記パージガスの供給を継続しても酸素濃度がそれ以上低下しない限界値に設定されている基板移送方法。
【請求項15】
前記所定の閾値は,前記基板搬送領域内の酸素濃度よりも高いが,前記基板保管器を開放しても,前記基板搬送領域内の酸素濃度を,前記基板の表面に自然酸化膜が形成される濃度にまでは変化させない濃度に設定されている請求項14に記載の基板移送方法。
【請求項16】
前記移送載置部に載置された前記基板保管器の内部の前記酸素濃度は,予め測定した前記基板保管器保管棚における前記パージガスの供給による酸素置換特性,前記パージガスの供給を停止したときの酸素濃度保持特性,前記移送載置部における前記パージガスの供給による酸素置換特性に基づいて推定する請求項14又は15に記載の基板移送方法。
【請求項17】
前記基板保管器保管棚における前記パージガスの供給による酸素置換特性,前記パージガスの供給を停止したときの酸素濃度保持特性,前記移送載置部における前記パージガスの供給による酸素置換特性は,横軸を時間,縦軸を酸素濃度とする特性である請求項16に記載の基板移送方法。」

第5 引用文献,引用発明等
1 引用文献1について
(1)原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている。(下線は当審で付加した。以下同じ。)
「【請求項1】
基板を処理する処理容器と,
前記基板が収容される基板収容器に不活性ガスを第1流量で供給する第1パージを実行する第1パージ部と,
前記基板収容器に不活性ガスを前記第1流量よりも少ない第2流量で供給する第2パージを実行する第2パージ部と,
を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記基板収容器を開閉する基板収容器開閉部と,
前記基板収容器を保管する基板収容器保管棚と,
を備え,前記第1パージ部は前記基板収容器開閉部に設けられ,前記第2パージ部は前記基板収容器保管棚に設けられる請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記基板処理装置に前記基板収容器を搬入する際に前記基板収容器が載置される基板収容器受渡し台と,
前記基板収容器を保管する基板収容器保管棚と,
を備え,前記第1パージ部は前記基板収容器受渡し台に設けられ,前記第2パージ部は前記基板収容器保管棚に設けられる請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記基板収容器を搬送する基板収容器搬送装置と,
前記基板収容器を前記第1パージ部から前記第2パージ部に搬送するように前記基板収容器搬送装置を制御する搬送制御部と,
前記第1パージ部に前記基板収容器があるときに前記第1パージを実行するように前記第1パージ部を制御すると共に,前記第1パージ部から第2パージ部に前記基板収容器が搬送されたときに前記第2パージを実行するように前記第2パージ部を制御するパージ制御部と,
を備える請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置。」

「【技術分野】
【0001】
本発明は,基板処理装置,パージ装置,半導体装置の製造方法,及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
大規模集積回路(Large Scale Integrated Circuit: 以下LSI)などの半導体装置を製造する処理装置では,処理する基板への自然酸化膜の形成を抑制するために,処理装置内の酸素濃度や,処理装置に搬送されるポッド内の酸素濃度を低減することが行われている。(例えば特許文献1参照)。
・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら,このような構成の処理装置では,最新の微細化技術が求める,自然酸化膜の形成を抑制しつつ半導体装置の品質を向上させることや,製造スループットを向上させることが困難であった。
【0005】
本発明は,自然酸化膜の形成を抑制しつつ半導体装置の品質を向上させると共に,製造スループットを向上させることが可能な基板処理装置,パージ装置,半導体装置の製造方法及びプログラムを提供することを目的とする。」

「【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0013】
(基板処理装置の構成)
まず,本実施形態に係る基板処理装置100の構成について,主に図1及び図2を用いて説明する。図1は,本実施形態に係る基板処理装置100の斜透視図である。図2は,本実施形態に係る基板処理装置100の側面透視図である。本実施形態に係る基板処理装置では,半導体装置や半導体素子を製造する工程の内,基板に膜を形成する工程や,膜を改質する工程等が行われる。ここで,半導体装置とは,上述のLSIのような集積回路,マイクロプロセッサ,半導体メモリ等である。また,半導体素子とは,ダイオード,トランジスタ,サイリスタ等である。
【0014】
図1及び図2に示すように,本実施形態に係る基板処理装置100は,耐圧容器として構成された筐体111を備えている。筐体111の正面壁111aの正面前方には,メンテナンス可能なように設けられた開口部としての正面メンテナンス口103が設けられている。正面メンテナンス口103には,正面メンテナンス口103を開閉する正面メンテナンス扉104が設けられている。
【0015】
基板としてのウエハ200を筐体111内外へ搬送するには,複数のウエハ200を収納するウエハキャリア(基板収容器)としてのポッド110が使用される。ウエハキャリアとしては,例えば,(FOUP)が用いられる。筐体111の正面壁111aには,ポッド搬入搬出口(基板収容器搬入搬出口)112が,筐体111内外を連通するように開設されている。ポッド搬入搬出口112は,フロントシャッタ(基板収容器搬入搬出口開閉機構)113によって開閉されるように構成されている。ポッド搬入搬出口112の正面下方側には,ロードポート(基板収容器受渡し台)114が設置されている。ポッド110は,工程内搬送装置によって搬送され,ロードポート114上に載置されて位置合わせされるように構成されている。なお,ウエハ200はシリコン(Si)等で構成されている。ウエハ200上には,半導体装置を構成する金属配線や電極としての金属膜が形成され,金属膜上への自然酸化膜の形成が問題となっている。また,ウエハ200に形成される半導体装置の構造は,複雑に構成されている場合がある。このような半導体装置の製造中の基板には,表面積が大きくなっている場合が有る。例えば,高アスペクト比の凹凸が形成されている。このような複雑な構造や表面積が大きくなっている基板では,局所的に自然酸化膜が形成されてしまう問題が有る。また,ウエハの大型化による表面積の増大によって,局所的に自然酸化膜が形成されてしまうことも考えられる。
【0016】
発明者等は,このようなウエハ200への自然酸化膜の形成を抑制しつつ,半導体装置の品質を向上させる処理を行いつつ,製造スループットを向上させるには,後述の酸素濃度を低下させる技術が必要となることを見出した。
【0017】
(基板収容器搬送室)
筐体111内であってロードポート114の後方には,ポッド110の搬送空間となる基板収容器搬送室150が構成されている。
【0018】
(基板収容器搬送装置)
筐体111内におけるロードポート114の近傍には,ポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)118が設置されている。筐体111内のポッド搬送装置118のさらに奥,筐体111内の前後方向の略中央部における上方には,回転式ポッド棚(基板収容器載置棚)105が設置されている。
【0019】
ポッド搬送装置118は,ポッド110を保持したまま昇降可能なポッドエレベータ(基板収容器昇降機構)118aと,搬送機構としてのポッド搬送機構(基板収容器搬送機構)118bとで構成されている。ポッド搬送装置118は,ポッドエレベータ118aとポッド搬送機構118bとの連続動作により,ロードポート114と,後述の回転式ポッド棚105と,ポッドオープナ121との間で,ポッド110を相互に搬送するように構成されている。
【0020】
(第1パージ部)
筐体111内であって,ロードポート114の近傍,例えば上方には,ポッド110内の雰囲気をパージし,ポッド110内の酸素濃度を所定管理値以下にする,第1パージ部(主載置部)としての主置換棚160が設けられている。ここでパージとは,後述のようにポッド110内の酸素濃度を下げることをいう。主置換棚160には,図4に示す,主パージポートが設けられている。主パージポートには,主ガス供給口410と,主ガス排気口420が設けられている。主ガス供給口410には,ガス供給管411が接続されている。ガス供給管411には,主流量制御装置412が設けられ,後述のコントローラ280によって流量が制御されるように構成されている。主流量制御装置412は,バルブ(不図示)とマスフローコントローラ(不図示)のいずれか若しくは両方で構成されている。主ガス排気口には,ガス排気管421が接続されている。また,ガス排気管421に主排気バルブ422を設け,ガス排気量を調整できるように構成しても良い。また,ガス排気管421に,ポッド110内またはポッド110からの排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計423を設けても良い。また,ポッド110内またはポッド110からの排気ガス中の湿度を検出する露点計424を設けても良い。
【0021】
(第2パージ部)
筐体111内であって,基板収容器搬送室150の後方には,第2パージ部(副載置部)としての副置換棚(ポッド棚)105が設けられている。ポッド棚105には,複数枚の棚板117(基板収容器載置台)が設けられ,複数個のポッド110が保管されるように構成されている。また,複数の棚板にはそれぞれ副パージポートが設けられており,ポッド110内をパージ(ガス置換)することによって,ポッド110内の酸素濃度を所定管理値以下にできるようになっている。なお,ポッド棚105は,回転式に構成しても良い。回転式のポッド棚105では,複数枚の棚板117に加えて,垂直に立設されて水平面内で間欠回転される支柱116が設けられている。図5に示すように,副パージポートには,副ガス供給口510と,副ガス排気口520が設けられている。副ガス供給口510には,ガス供給管511が設けられている。ガス供給管511には副流量制御装置512が設けられ,後述のコントローラ280で流量を制御できるように構成されている。副流量制御装置512は,バルブ(不図示)とマスフローコントローラ(不図示)のいずれか若しくは両方で構成されている。副ガス排気口には,ガス排気管521が設けられている。ガス排気管521には,副排気バルブ522を設けて排気量を調整できるように構成しても良い。また,ガス排気管521に,ポッド110内または排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計523を設けても良い。また,ポッド110内または排気ガス中の湿度を検出する露点計524を設けても良い。
上記した第1パージ部と第2パージ部により,基板処理装置100に好適なパージ装置が構成される。
【0022】
(所定管理値)
酸素濃度の所定管理値として,第1管理値と第2管理値が設定されている。第1管理値と第2管理値データは後述の記録媒体に記録され,後述のCPU280aでの算出結果によって変更できるように構成されている。また,第1管理値と第2管理値は,入力装置281から入力されるデータで設定できるように構成されている。好ましくは,第1管理値は,第2管理値よりも低く設定されている。より好ましくは,第1管理値は,600ppmであり,第2管理値は600ppm以上1000ppm以下である。主載置部では,第1管理値以下になるようにパージされ,副載置部では,第2管理値以下になるようにパージされる(以下,第1管理値以下にパージすることを第1パージ,第2管理値以下にすることを第2パージと呼ぶ)。
【0023】
なお,第1パージする際には,主パージポートからポッド110内に第1流量で不活性ガスが供給される。また第2パージする際には,副パージポートからポッド110内に第2流量で不活性ガスが供給される。ここで第1流量は,20slm?100slmで例えば50slmである。第2流量は,0.5slm?20slmで,例えば5slmである。
【0024】
(ポッド内の酸素濃度調整方法)
ポッド110内の酸素濃度の調整では,上述の酸素濃度計423,523を用いてポッド110内の酸素濃度または排気ガス中の酸素濃度を検出して,検出した酸素濃度値に基づいてフィードバック制御しても良い。また,事前に,不活性ガスの供給量と供給時間とポッド110内の酸素濃度の関係を求めておき,それらの関係に基づき,不活性ガスの供給量と供給時間の設定によって調整できるようにしても良い。
【0025】
筐体111内の下部には,サブ筐体119が,筐体111内の前後方向の略中央部から後端にわたって設けられている。サブ筐体119の正面壁119aには,ウエハ200をサブ筐体119内外に搬送する一対のウエハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)120が,垂直方向に上下二段に並べられて設けられている。上下段のウエハ搬入搬出口120のそれぞれには,ポッドオープナ(基板収容器開閉部)121が設置されている。
【0026】
各ポッドオープナ121は,ポッド110を載置する一対の載置台122と,ポッド110のキャップ(蓋体)を着脱するキャップ着脱機構(蓋体着脱機構)123とを備えている。ポッドオープナ121は,載置台122上に載置されたポッド110のキャップをキャップ着脱機構123によって着脱することにより,ポッド110のウエハ出し入れ口を開閉するように構成されている。
【0027】
サブ筐体119内には,ポッド搬送装置118や回転式ポッド棚105等が設置された空間から流体的に隔絶された基板搬送室としての搬送室124が構成されている。搬送室124の前側領域にはウエハ搬送機構(基板搬送機構)125が設置されている。ウエハ搬送機構125は,ウエハ200を水平方向に回転ないし直動可能なウエハ搬送装置(基板搬送装置)125aと,ウエハ搬送装置125aを昇降させるウエハ搬送装置エレベータ(基板搬送装置昇降機構)125b(図1参照)とで構成されている。ウエハ搬送装置エレベータ125bは,サブ筐体119の搬送室124前方領域右端部と筐体111右側端部との間に設置されている(図1参照)。ウエハ搬送装置125aは,ウエハ200の載置部としてのツイーザ(基板保持体)125cを備えている。これらウエハ搬送装置エレベータ125b及びウエハ搬送装置125aの連続動作により,ウエハ200をボート(基板保持具)217に対して装填(チャージング)及び脱装(ディスチャージング)するように構成されている。」

「【0052】
(基板処理装置の動作と搬送工程)
次に,本実施形態に係る基板処理装置100の動作と基板収容器の搬送工程および基板の搬送工程について,主に図1,図2,図7を用いて説明する。本実施形態に係る基板収容器の搬送工程は,図7の様になっている。
【0053】
(ロードポートから搬入(T110))
図1及び図2に示すように,ポッド110がロードポート114に供給されると,ポッド搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放される。そして,ロードポート114上のポッド110は,ポッド搬送装置118によってポッド搬入搬出口112から筐体111内部へと搬入される。
【0054】
(ウエハ枚数カウント(T120))
筐体111内部へと搬入されたポッド110は,ポッド搬送装置118によってポッドオープナ121に搬送され,ポッドオープナ121の載置台122上に搬送される。ポッドオープナ121のウエハ搬入搬出口120はキャップ着脱機構123によって閉じられており,搬送室124内にはクリーンエア133が流通され,充満されている。例えば,不活性ガス等のクリーンエア133で搬送室124内が充満されることにより,搬送室124内の酸素濃度が例えば20ppm以下となり,大気雰囲気である筐体111内の酸素濃度よりも遥かに低くなるように設定されている。
【0055】
載置台122上に載置されたポッド110は,その開口側端面がサブ筐体119の正面壁119aにおけるウエハ搬入搬出口120の開口縁辺部に押し付けられるとともに,そのキャップがキャップ着脱機構123によって取り外され,ウエハ出し入れ口が開放される。ウエハ出し入れ口が開放される際には,ポッド110内とポッドオープナ121の内部が不活性ガスでパージされる。このときのパージでは,ポッド110内の酸素濃度を第1管理値になるようにパージされることが好ましい。より好ましくは,20ppm以下にパージされる。その後,ウエハ枚数カウンタ装置によってポッド110内のウエハ200の枚数のカウントやウエハ200の状態がチェックされる。ウエハ200の枚数がカウントされた後,キャップ着脱機構123によりキャップが閉じられる。
【0056】
(第2パージ(T130))
ポッドオープナ121でポッド110内のウエハ200の枚数がカウントされた後,ポッド110は,ポッド棚105に搬送され,載置される。ポッド棚105に載置されたポッド110は,副パージポートにより,ポッド110内の酸素濃度が第2管理値以下になるように,第2パージされる。第2パージは,載置されている間に継続して行われても良いし,任意の時間で間欠的に行われても良い。また,ポッド110をロードポート114からポッド棚105への搬送工程は,ポッド棚105に載置可能なポッド数だけ繰返されてもよい。
【0057】
(第1パージ(プリパージ)(T140))
ポッド棚105に載置されている複数のポッド110の内,成膜対象となったポッド110がポッド棚105から主置換棚160に搬送される。主置換棚160に搬送されたポッド110は,主置換棚160上に載置される。主載置棚160に載置されたポッド110は,主載置部160に設けられた主パージポートにより第1パージ(プリパージ)される。
【0058】
(ボートへのウエハ装填(T150))
主載置棚160で第1パージされたポッド110は,主載置棚160からポッドオープナ121に搬送され,ポッドオープナ121の載置台122上に搬送される。載置台122上に載置されたポッド110は,その開口側端面がサブ筐体119の正面壁119aにおけるウエハ搬入搬出口120の開口縁辺部に押し付けられるとともに,そのキャップがキャップ着脱機構123によって取り外され,ウエハ出し入れ口が開放される。このときには,T120のようにパージが行われずに,開放される。ポッド110が開放されると,ウエハ搬送装置125aのツイーザ125cによってウエハ出し入れ口を通じてポッド110内からピックアップされ,ノッチ合わせ装置にて円周方向の位置合わせがされた後,搬送室124の後方にある待機部126内へ搬入され,ボート217内に装填(チャージング)される。ボート217内にウエハ200を装填したウエハ搬送装置125aは,ポッド110に戻り,次のウエハ200をボート217内に装填する。」

「【0076】
(本実施形態に係る効果)
本実施形態によれば,以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
【0077】
(a)本実施形態によれば,ポッド内のパージを主載置部と副載置部で分けることにより,ガスシステムを簡略化させ,使用部品コストを低減することができる。
【0078】
(b)本実施形態によれば,ポッドオープナへの搬送前でプリパージを行うことで,ポッドオープナでのキャップ開閉に必要なパージ時間を省略することができ,搬送スループットを向上させることができる。」

「【0086】
<本発明の他の実施形態>
以上,本発明の実施形態を具体的に説明したが,本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0087】
例えば,搬送工程を,図11に記すフローの様に行ってもよい。図11に記す搬送工程を説明する。
【0088】
(ロードポートから搬入(T310))
ロードポート114にポッド110が載置されると,ポッド搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放される。そして,ロードポート114上のポッド110は,ポッド搬送装置118によって,ポッド搬入搬出口112から筐体111の内部に搬入される。
【0089】
(第2パージT320))
ロードポート114から筐体111の内部に搬入されたポッド110は,ポッド搬送装置118によってポッド棚105に搬送される。この搬送は,ポッド棚105に載置可能なポッド数や,基板処理工程に必要なポッド数だけ繰返される。ポッド棚105に載置されたポッド110には,上述の第2パージが行われる。なお,ポッド棚105に載置される時間が短時間の場合は,第2パージを行わなくてもよい。
【0090】
(第1パージ(T330))
ポッド棚105に載置されたポッド110は,ポッド棚105から主載置棚160へ搬送され,主載置棚160に載置される。主載置棚160に載置されたポッド110では,上述の第1パージが行われる。
【0091】
(ウエハ枚数カウント及びボートへのウエハ装填(T340))
主載置棚160でポッド110内の酸素濃度が第1管理値以下になるパージが行われたポッド110は,主載置棚160からポッドオープナ121へ搬送され,ポッドオープナ121の載置台122上に載置される。載置台122上に載置されたポッド110は,その開口側端面がサブ筐体119の正面壁119aにおけるウエハ搬入搬出口120の開口縁辺部に押し付けられるとともに,そのキャップがキャップ着脱機構123によって取り外され,ウエハ出し入れ口が開放される。このときには,T120のようにパージが行われずに開放される。ポッド110が開放されると,ウエハ枚数カウンタ装置(不図示)によってポッド110内のウエハ200の枚数のカウントやウエハ200の状態がチェックされる。ウエハ200の枚数がカウントされた後,上述のT150の手順でウエハ200がボート217に装填される。
装填が完了すると,上述の様にボートローディングが行われる。ボートローディング後は,上述の基板処理工程が行われ,上述の基板搬出工程が行われる。」

「【0124】
なお,本発明では,第1パージ部として,主載置部を用いた例を示したが,これに限らず,ポッドオープナ121やロードポート114に同様の機能を有するように構成し,第1パージ部としても良い。また,主載置部を複数個所に設けるようにしても良い。
【0125】
ポッドオープナ121やロードポート114を第1パージ部として機能させる場合は,ポッドオープナ121やロードポート114のポッド載置部に,上述の主置換棚160と同様な構成を設けることができる。
【0126】
また,ポッドオープナ121を第1パージ部として機能させる場合,以下のように構成してもよい。
図16は,ポッドオープナ121の平面断面図である。図16に示すように,載置台122の上面には位置決めピン28が設けられる。この位置決めピン28により,載置台122の所定位置にポッド110が載置される。また,ポッドオープナ121は,ポッドオープナ筐体48を備える。ポッドオープナ筐体48の内部(収容室49)には,上記したキャップ着脱機構123が収容される。キャップ着脱機構123は,ウエハ搬入搬出口120の閉塞と開放を行うことができる。なお,符号54,55,56は,キャップ着脱機構123でウエハ搬入搬出口120を閉塞したときの気密性を確保するためのパッキンである。」

「【0131】
ウエハ出し入れ口50が閉塞した状態で,収容室49にガス供給管52から不活性ガスを供給する。これにより,収容室49とポッド110の内部に存在した空気がガス排気管53から排出され,収容室49とポッド110の内部が不活性ガスに置換される。このときの不活性ガスの流量は,ポッド110の内部の酸素濃度が第1管理値以下になるように第1流量(あるいはそれよりも多い流量)に設定される。なお,ポッドオープナ121による収容室49とポッド110の内部の酸素濃度の調整では,上述の酸素濃度計72を用いて収容室49及びポッド110内の酸素濃度または排気ガス中の酸素濃度を検出して,検出した酸素濃度値に基づいてフィードバック制御しても良い。また,事前に,不活性ガスの供給量と供給時間と収容室49及びポッド110内の酸素濃度の関係を求めておき,それらの関係に基づき,不活性ガスの供給量と供給時間のいずれか若しくは両方を設定することによって調整するようにしても良い。」

















(2)上記記載から,引用文献1には,次の技術的事項が記載されているものと認められる。
・引用文献1に記載された技術は,本発明は,基板処理装置に関するものであり,自然酸化膜の形成を抑制しつつ半導体装置の品質を向上させると共に,製造スループットを向上させることが可能な基板処理装置を提供することを解決すべき課題とするものであること。(【0001】,【0005】)

・引用文献1に記載された技術は,
基板収容器を開閉する基板収容器開閉部と,基板収容器を保管する基板収容器保管棚とを備えた基板処理装置において,
前記基板収容器開閉部に,基板収容器へ不活性ガスを第1流量で供給する第1パージを実行する第1パージ部を設け,
前記基板収容器保管棚に,前記第1流量よりも少ない第2流量で不活性ガスを供給する第2パージを実行する第2パージ部を設けることで前記課題を解決したものであること。(【請求項1】,【請求項2】)

・引用文献1の最初に記載された実施形態が,以下の構成を備えた基板処理装置であること。(【0012】ないし【0058】)
a 基板処理装置100が,耐圧容器として構成された筐体111を備えていること。
b 基板としてのウエハ200を筐体111内外へ搬送するには,複数のウエハ200を収納するウエハキャリア(基板収容器)としてのポッド110が使用され,ウエハキャリアとしては,例えば,(FOUP)が用いられること。
c 筐体111内には,ポッド110の搬送空間となる基板収容器搬送室150が構成されていること。
d 筐体111内には,ポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)118が設置されていること。
e 筐体111内には,回転式ポッド棚(基板収容器載置棚)105が設置されていること。
f ポッド搬送装置118は,回転式ポッド棚105と,ポッドオープナ121との間で,ポッド110を搬送するように構成されていること。
g 筐体111内には,ポッド110内の雰囲気をパージし,ポッド110内の酸素濃度を所定管理値以下にする,第1パージ部(主載置部)としての主置換棚160が設けられていること。
h 主置換棚160には,主パージポートが設けられており,当該主パージポートは,主ガス供給口410と,主ガス排気口420とを備え,主ガス供給口410には,ガス供給管411が接続され,ガス供給管411には,主流量制御装置412が設けられ,流量が制御されるように構成されており,主流量制御装置412は,バルブとマスフローコントローラのいずれか若しくは両方で構成され,主ガス排気口には,ガス排気管421が接続されており,ガス排気管421に,ポッド110内またはポッド110からの排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計423を設けても良いこと。
i 筐体111内には,第2パージ部(副載置部)としての副置換棚(ポッド棚)105が設けられており,ポッド棚105には,複数枚の棚板117(基板収容器載置台)が設けられ,複数個のポッド110が保管されるように構成され,複数の棚板にはそれぞれ副パージポートが設けられており,ポッド110内をパージ(ガス置換)することによって,ポッド110内の酸素濃度を所定管理値以下にできるようになっていること。
j 副パージポートには,副ガス供給口510と,副ガス排気口520が設けられており,副ガス供給口510には,ガス供給管511が設けられ,ガス供給管511には副流量制御装置512が設けられ,コントローラ280で流量を制御できるように構成されており,副流量制御装置512は,バルブとマスフローコントローラのいずれか若しくは両方で構成され,副ガス排気口には,ガス排気管521が設けられており,ガス排気管521には,副排気バルブ522を設けて排気量を調整できるように構成しても良く,ガス排気管521に,ポッド110内または排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計523を設けても良いこと。
k 酸素濃度の所定管理値として,第1管理値と第2管理値が設定されており,主載置部では,第1管理値以下になるようにパージされ,副載置部では,第2管理値以下になるようにパージされ,好ましくは,第1管理値は,第2管理値よりも低く,より好ましくは,第1管理値は,600ppmであり,第2管理値は600ppm以上1000ppm以下であること。
m 第1パージする際には,主パージポートからポッド110内に第1流量で不活性ガスが供給され,第2パージする際には,副パージポートからポッド110内に第2流量で不活性ガスが供給され,ここで第1流量は,20slm?100slmで例えば50slmであり,第2流量は,0.5slm?20slmで,例えば5slmであること。
n ポッド110内の酸素濃度の調整は,上述の酸素濃度計423,523を用いてポッド110内の酸素濃度または排気ガス中の酸素濃度を検出して,検出した酸素濃度値に基づいてフィードバック制御しても良く,また,事前に,不活性ガスの供給量と供給時間とポッド110内の酸素濃度の関係を求めておき,それらの関係に基づき,不活性ガスの供給量と供給時間の設定によって調整できるようにしても良いこと。
o 筐体111内には,サブ筐体119が,筐体111内の前後方向の略中央部から後端にわたって設けられており,サブ筐体119の正面壁119aには,ウエハ200をサブ筐体119内外に搬送する一対のウエハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)120が,垂直方向に上下二段に並べられて設けられ,上下段のウエハ搬入搬出口120のそれぞれには,ポッドオープナ(基板収容器開閉部)121が設置されていること。
p サブ筐体119内には,ポッド搬送装置118や回転式ポッド棚105等が設置された空間から流体的に隔絶された基板搬送室としての搬送室124が構成されており,搬送室124内にはクリーンエア133が流通され,充満されており,例えば,不活性ガス等のクリーンエア133で搬送室124内が充満されることにより,搬送室124内の酸素濃度が例えば20ppm以下となり,大気雰囲気である筐体111内の酸素濃度よりも遥かに低くなるように設定されていること。
q 搬送室124にはウエハ搬送機構(基板搬送機構)125が設置されていること。
r 基板処理装置100の動作と基板収容器の搬送工程および基板の搬送工程は,以下のとおりであること。
(a)ポッド110が,ポッド搬送装置118によって筐体111内部へと搬入される工程。
(b)筐体111内部へと搬入されたポッド110が,ポッド搬送装置118によってポッドオープナ121に搬送される工程。
(c)載置台122上に載置されたポッド110が,その開口側端面がサブ筐体119の正面壁119aにおけるウエハ搬入搬出口120の開口縁辺部に押し付けられるとともに,そのキャップがキャップ着脱機構123によって取り外され,ウエハ出し入れ口が開放され,ウエハ出し入れ口が開放される際には,ポッド110内とポッドオープナ121の内部が不活性ガスでパージされ,このときのパージでは,ポッド110内の酸素濃度を第1管理値になるようにパージされることが好ましく,より好ましくは,20ppm以下にパージされ,その後,ウエハ枚数カウンタ装置によってポッド110内のウエハ200の枚数のカウントやウエハ200の状態がチェックされ,ウエハ200の枚数がカウントされた後,キャップ着脱機構123によりキャップが閉じられる工程。
(d)ポッドオープナ121でポッド110内のウエハ200の枚数がカウントされた後,ポッド110は,ポッド棚105に搬送され,載置される工程。
(e)ポッド棚105に載置されたポッド110が,副パージポートにより,ポッド110内の酸素濃度が第2管理値以下になるように,第2パージされる工程であって,第2パージは,載置されている間に継続して行われても良いし,任意の時間で間欠的に行われても良い工程。
(f)ポッド棚105に載置されている複数のポッド110の内,成膜対象となったポッド110がポッド棚105から主置換棚160に搬送される工程。
(g)主載置棚160に載置されたポッド110が,主載置部160に設けられた主パージポートにより第1パージ(プリパージ)される工程。
(h)主載置棚160で第1パージされたポッド110が,主載置棚160からポッドオープナ121に搬送され,ポッドオープナ121の載置台122上に搬送される工程。
(i)載置台122上に載置されたポッド110が,その開口側端面がサブ筐体119の正面壁119aにおけるウエハ搬入搬出口120の開口縁辺部に押し付けられるとともに,そのキャップがキャップ着脱機構123によって取り外され,ウエハ出し入れ口が開放される工程であって,このときには,パージが行われずに,開放される工程。
(j)ポッド110が開放されると,ウエハ搬送装置125aによってウエハ出し入れ口を通じてポッド110内からピックアップされ,ノッチ合わせ装置にて円周方向の位置合わせがされた後,搬送室124の後方にある待機部126内へ搬入され,ボート217内に装填(チャージング)される工程。

・引用文献1には,別の実施形態として,以下の態様が記載されていること。(【0086】ないし【0091】)
ロードポート114から筐体111の内部に搬入されたポッド110を,ポッド搬送装置118によってポッド棚105に搬送してもよいこと。

・引用文献1には,さらに別の実施形態として,以下の態様が記載されていること。(【00124】)
第1パージ部として,主載置部を用いず,ポッドオープナ121に同様の機能を有するように構成し,第1パージ部としても良いこと。

・ポッドオープナ121による収容室49とポッド110の内部の酸素濃度の調整では,酸素濃度計72を用いて収容室49及びポッド110内の酸素濃度または排気ガス中の酸素濃度を検出して,検出した酸素濃度値に基づいてフィードバック制御しても良く,また,事前に,不活性ガスの供給量と供給時間と収容室49及びポッド110内の酸素濃度の関係を求めておき,それらの関係に基づき,不活性ガスの供給量と供給時間のいずれか若しくは両方を設定することによって調整するようにしても良いこと。

(3)上記(1),(2)から,引用文献1には次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「耐圧容器として構成された筐体111を備えた基板処理装置100であって,
基板としてのウエハ200の筐体111内外への搬送には,複数のウエハ200を収納するウエハキャリア(基板収容器)としてのポッド110を使用するものであり,
筐体111内には,
(a)回転式ポッド棚(基板収容器載置棚)105であって,第2パージ部(副載置部)としての副置換棚(ポッド棚)105となる回転式ポッド棚(基板収容器載置棚)105と,
(b)ポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)118であって,回転式ポッド棚105と,ポッドオープナ121との間で,ポッド110を搬送するポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)118と,
(c)ポッド110内の雰囲気をパージし,ポッド110内の酸素濃度を所定管理値以下にする,第1パージ部(主載置部)としての主置換棚160と,
(d)回転式ポッド棚(基板収容器載置棚)105とポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)118と主置換棚160を備えた,ポッド110の搬送空間となる基板収容器搬送室150と,
(e)サブ筐体119であって,サブ筐体119内には,ポッド搬送装置118や回転式ポッド棚105等が設置された空間から流体的に隔絶された基板搬送室としての搬送室124が構成されており,搬送室124内にはクリーンエア133が流通され,充満されており,例えば,不活性ガス等のクリーンエア133で搬送室124内が充満されることにより,搬送室124内の酸素濃度が例えば20ppm以下となり,大気雰囲気である筐体111内の酸素濃度よりも遥かに低くなるように設定されたサブ筐体119と,
が,設けられており,
サブ筐体119の正面壁119aには,ウエハ200をサブ筐体119内外に搬送する一対のウエハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)120が,垂直方向に上下二段に並べられて設けられ,上下段のウエハ搬入搬出口120のそれぞれには,ポッドオープナ(基板収容器開閉部)121が設置されており,
搬送室124にはウエハ搬送機構(基板搬送機構)125が設置されており,
ポッド棚105には,複数枚の棚板117(基板収容器載置台)が設けられ,複数個のポッド110が保管されるように構成され,複数の棚板にはそれぞれ副パージポートが設けられており,ポッド110内をパージ(ガス置換)することによって,ポッド110内の酸素濃度を所定管理値以下にできるようになっており,
主置換棚160には,主パージポートが設けられており,当該主パージポートは,主ガス供給口410と,主ガス排気口420とを備え,主ガス供給口410には,ガス供給管411が接続され,ガス供給管411には,主流量制御装置412が設けられ,流量が制御されるように構成されており,主流量制御装置412は,バルブとマスフローコントローラのいずれか若しくは両方で構成され,主ガス排気口には,ガス排気管421が接続されており,ガス排気管421に,ポッド110内またはポッド110からの排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計423を設けても良く,
副パージポートには,副ガス供給口510と,副ガス排気口520が設けられており,副ガス供給口510には,ガス供給管511が設けられ,ガス供給管511には副流量制御装置512が設けられ,コントローラ280で流量を制御できるように構成されており,副流量制御装置512は,バルブとマスフローコントローラのいずれか若しくは両方で構成され,副ガス排気口には,ガス排気管521が設けられており,ガス排気管521には,副排気バルブ522を設けて排気量を調整できるように構成しても良く,ガス排気管521に,ポッド110内または排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計523を設けても良く,
ポッド110内の酸素濃度の調整は,上述の酸素濃度計423,523を用いてポッド110内の酸素濃度または排気ガス中の酸素濃度を検出して,検出した酸素濃度値に基づいてフィードバック制御しても良く,また,事前に,不活性ガスの供給量と供給時間とポッド110内の酸素濃度の関係を求めておき,それらの関係に基づき,不活性ガスの供給量と供給時間の設定によって調整できるようにしても良い基板処理装置100。」

2 引用文献2について
また,原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には,図面とともに次の事項が記載されている。
「【0040】
反応管203とヒータ207との間には,処理ガス供給ノズル220が設けられている。処理ガス供給ノズル220は,反応管203の外壁の側部に沿うように配設されている。処理ガス供給ノズル220の上端(下流端)は,反応管203の頂部(上述した反応管203の上端に形成された開口)に気密に設けられている。反応管203の上端開口に位置する処理ガス供給ノズル220には,処理ガス供給孔が複数設けられている。」

「【0045】
APCバルブ233及び圧力センサ232には,圧力制御部277が電気的に接続されている。圧力制御部277は,圧力センサ232により検出された圧力値に基づいて,処理室201内の圧力が所望のタイミングにて所望の圧力となるように,APCバルブ233を制御するように構成されている。」

3 引用文献3について
また,原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には,図面とともに次の事項が記載されている。
「【0111】図8は,第2の保管方法に従い,市販のポッドを用いてウエハを保管した場合に得られるポッド内の不純物ガス濃度の経時変化例を示す。ここでは,不純物ガスとして,特にウエハ表面の酸化汚染の要因となる水(H_(2)O)と酸素(O_(2))をとりあげている。縦軸はポッド内の不純物ガスの濃度(C)を,横軸は保管時間(T)を示す。なお,縦軸は対数スケールである。
【0112】同図中一点鎖線Co(O_(2))は,密閉タイプとして使用される市販のポッドを用いて,ポッド内を一旦N_(2)ガスで置換した後,そのままの状態で放置した場合のポッド内の酸素濃度の実測値を示す。また,点線Co(H_(2)O)は,同じ条件におけるポッド内の水分濃度の実測値を示す。
【0113】一般に市販のポッドでは,ポッドの密閉性が完全ではなく,時間の経過とともに,外気の進入による不純物ガスの進入を阻止できない。このため,保管時間の経過に伴い,酸素濃度および水分濃度が上昇する。例えば,同図に示す,実測値によれば,N_(2)でポッド内を置換した直後の酸素濃度は1ppm以下であるが,約30分後には10ppm程度に悪化する。
【0114】この市販ポッドと同程度の密閉性を有するポッドと専用蓋とを用いて,上述の第2の保管方法を用いてウエハの保管を行った場合のポッド内の酸素濃度と水分濃度の予測値を実線C(O_(2)),破線C(H_(2)O)で示した。同図上部には,第2の保管方法における保管時間(T)に対応するガス供給バルブのバルブ開閉操作を示している。
【0115】第2の保管方法例を用い,ガス供給バルブの開栓と閉栓動作を所定時間(t_(7),t_(9))ごとに繰り返せば,同図に示すように,不純物ガスの進入を所定時間ごとに低減させることができるため,不純物ガスの濃度を一定濃度以下に保持することが可能となる。例えば,ガス供給時間t_(7)を約15分,ガス供給停止時間t_(9)を約10分とした場合は,酸素不純物濃度を常に5ppm以下に保持することが可能となる。」





第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると,次のことがいえる。
ア 引用発明における「ポッド搬送装置118や回転式ポッド棚105等が設置された空間から流体的に隔絶された基板搬送室としての搬送室124」,「『大気雰囲気である筐体111内の酸素濃度よりも遥かに低くなるように設定された』『例えば20ppm以下』の『搬送室124内の酸素濃度』」は,それぞれ,本願発明1における「基板を露出させた状態で搬送可能な基板搬送領域」,「第1の酸素濃度」に相当する。

イ 上記アから,引用発明における「『筐体111内』に設けられた『回転式ポッド棚(基板収容器載置棚)105とポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)118と主置換棚160を備えた,ポッド110の搬送空間となる基板収容器搬送室150』」は,本願発明1の「該基板搬送領域に隔壁を介して隣接して設けられるとともに,前記第1の酸素濃度よりも高い第2の酸素濃度を有し,前記基板を基板保管器内に保持した状態で搬送可能な基板保管器搬送領域」に相当するといえる。

ウ 引用発明の「回転式ポッド棚(基板収容器載置棚)105であって,第2パージ部(副載置部)としての副置換棚(ポッド棚)105となる回転式ポッド棚(基板収容器載置棚)105」は,本願発明1の「該基板保管器搬送領域内に設けられ,前記基板保管器を一時的に保管可能な基板保管器保管棚」に相当する。

エ 引用発明の「『副ガス供給口510と,副ガス排気口520が設けられており,副ガス供給口510には,ガス供給管511が設けられ,ガス供給管511には副流量制御装置512が設けられ,コントローラ280で流量を制御できるように構成されており,副流量制御装置512は,バルブとマスフローコントローラのいずれか若しくは両方で構成され,副ガス排気口には,ガス排気管521が設けられており,ガス排気管521には,副排気バルブ522を設けて排気量を調整できるように構成しても良く,ガス排気管521に,ポッド110内または排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計523を設けても良』い『副パージポート』」は,本願発明1の「該基板保管器保管棚に保管された前記基板保管器の内部にパージガスを供給可能な第1のパージガス供給手段」に相当する。

オ 引用発明の「ポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)118であって,回転式ポッド棚105と,ポッドオープナ121との間で,ポッド110を搬送するポッド搬送装置(基板収容器搬送装置)118」は,本願発明1の「前記基板保管器搬送領域内で前記基板保管器を搬送可能な搬送手段」に相当する。

カ 引用発明の「『サブ筐体119の正面壁119a』の『ウエハ200をサブ筐体119内外に搬送する一対のウエハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)120』に設けられた「ポッドオープナ(基板収容器開閉部)121」は,本願発明1の「前記基板保管器搬送領域内の前記隔壁と隣接した所定箇所に設けられ,前記基板保管器を前記基板搬送領域に移送するために載置する移送載置部」に相当する。

キ 引用発明の「ウエハ搬送機構(基板搬送機構)125」は,本願発明1の「前記移送載置部に載置された前記基板保管器を前記隔壁に密着させた状態で前記基板保管器を開放し,前記基板を前記基板搬送領域内に移送する基板移送手段」に相当する。

したがって,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。

(一致点)
「第1の酸素濃度を有し,基板を露出させた状態で搬送可能な基板搬送領域と,
該基板搬送領域に隔壁を介して隣接して設けられるとともに,前記第1の酸素濃度よりも高い第2の酸素濃度を有し,前記基板を基板保管器内に保持した状態で搬送可能な基板保管器搬送領域と,
該基板保管器搬送領域内に設けられ,前記基板保管器を一時的に保管可能な基板保管器保管棚と,
該基板保管器保管棚に保管された前記基板保管器の内部にパージガスを供給可能な第1のパージガス供給手段と,
前記基板保管器搬送領域内で前記基板保管器を搬送可能な搬送手段と,
前記基板保管器搬送領域内の前記隔壁と隣接した所定箇所に設けられ,前記基板保管器を前記基板搬送領域に移送するために載置する移送載置部と,
前記移送載置部に載置された前記基板保管器を前記隔壁に密着させた状態で前記基板保管器を開放し,前記基板を前記基板搬送領域内に移送する基板移送手段と,を有する
基板処理装置。」

(相違点)
(相違点1)本願発明1は,「該第1のパージガス供給手段から前記基板保管器の内部に供給された前記パージガスの積算流量を取得する積算流量取得手段」を有し「予め設定された前記基板保管器内の所定の酸素濃度初期値と,前記積算流量取得手段により取得された前記パージガスの積算流量と,前記第1のパージガス供給手段からの前記パージガスの供給停止時間及び前記基板保管器の前記基板保管器保管棚から前記基板搬送領域への移動時間中の前記パージガスの供給が無い時間とに基づいて前記移送載置部に載置された前記基板保管器の内部の酸素濃度を推定し,該酸素濃度が所定の閾値以下の場合には,前記基板移送手段に前記基板を前記基板搬送領域に移送させ,前記酸素濃度が前記所定の閾値を超えている場合には,前記第2のパージガス供給手段に前記基板保管器の内部に前記パージガスを供給させ,前記基板保管器の内部の前記酸素濃度が前記所定の閾値以下になってから前記基板移送手段に前記基板を前記基板搬送領域に移送させる制御手段と,を有し,前記制御手段は,取得した前記積算流量に基づいて,前記基板保管器保管棚に保管された前記基板保管器の内部の前記酸素濃度が所定の第2の閾値に到達したと判定したときに,前記第1のパージガス供給手段からの前記パージガスの供給を停止させる制御を行い,前記第2の閾値は,予め測定した前記パージガスの供給を継続しても酸素濃度がそれ以上低下しない限界値に設定されている」という構成を備えるのに対し,引用発明はそのような構成を備えていない点。

(相違点2)本願発明1は,「前記移送載置部に載置された前記基板保管器の内部にパージガスを供給可能な第2のパージガス供給手段」という構成を備えるのに対し,
引用発明は,「主置換棚160には,主パージポートが設けられており,当該主パージポートは,主ガス供給口410と,主ガス排気口420とを備え,主ガス供給口410には,ガス供給管411が接続され,ガス供給管411には,主流量制御装置412が設けられ,流量が制御されるように構成されており,主流量制御装置412は,バルブとマスフローコントローラのいずれか若しくは両方で構成され,主ガス排気口には,ガス排気管421が接続されており,ガス排気管421に,ポッド110内またはポッド110からの排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度計423を設けても良」いという構成を備えるものである点。

(2)相違点についての判断
上記相違点1について検討すると,相違点1に係る本願発明1の構成は,上記引用文献2,3には記載されておらず,本願の出願時において周知技術であったとも認められない。
したがって,上記相違点2について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用発明,引用文献2,3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2 本願発明2ないし13について
本願発明2ないし13も,本願発明1の「該第1のパージガス供給手段から前記基板保管器の内部に供給された前記パージガスの積算流量を取得する積算流量取得手段」を有し「予め設定された前記基板保管器内の所定の酸素濃度初期値と,前記積算流量取得手段により取得された前記パージガスの積算流量と,前記第1のパージガス供給手段からの前記パージガスの供給停止時間及び前記基板保管器の前記基板保管器保管棚から前記基板搬送領域への移動時間中の前記パージガスの供給が無い時間とに基づいて前記移送載置部に載置された前記基板保管器の内部の酸素濃度を推定し,該酸素濃度が所定の閾値以下の場合には,前記基板移送手段に前記基板を前記基板搬送領域に移送させ,前記酸素濃度が前記所定の閾値を超えている場合には,前記第2のパージガス供給手段に前記基板保管器の内部に前記パージガスを供給させ,前記基板保管器の内部の前記酸素濃度が前記所定の閾値以下になってから前記基板移送手段に前記基板を前記基板搬送領域に移送させる制御手段と,を有し,前記制御手段は,取得した前記積算流量に基づいて,前記基板保管器保管棚に保管された前記基板保管器の内部の前記酸素濃度が所定の第2の閾値に到達したと判定したときに,前記第1のパージガス供給手段からの前記パージガスの供給を停止させる制御を行い,前記第2の閾値は,予め測定した前記パージガスの供給を継続しても酸素濃度がそれ以上低下しない限界値に設定されている」と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明,拒絶査定において引用された引用文献2,3に記載された技術的事項及び上記周知技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3 本願発明14ないし17について
本願発明14ないし17は,本願発明1に対応する方法の発明であり,本願発明1の「該第1のパージガス供給手段から前記基板保管器の内部に供給された前記パージガスの積算流量を取得する積算流量取得手段」を有し「予め設定された前記基板保管器内の所定の酸素濃度初期値と,前記積算流量取得手段により取得された前記パージガスの積算流量と,前記第1のパージガス供給手段からの前記パージガスの供給停止時間及び前記基板保管器の前記基板保管器保管棚から前記基板搬送領域への移動時間中の前記パージガスの供給が無い時間とに基づいて前記移送載置部に載置された前記基板保管器の内部の酸素濃度を推定し,該酸素濃度が所定の閾値以下の場合には,前記基板移送手段に前記基板を前記基板搬送領域に移送させ,前記酸素濃度が前記所定の閾値を超えている場合には,前記第2のパージガス供給手段に前記基板保管器の内部に前記パージガスを供給させ,前記基板保管器の内部の前記酸素濃度が前記所定の閾値以下になってから前記基板移送手段に前記基板を前記基板搬送領域に移送させる制御手段と,を有し,前記制御手段は,取得した前記積算流量に基づいて,前記基板保管器保管棚に保管された前記基板保管器の内部の前記酸素濃度が所定の第2の閾値に到達したと判定したときに,前記第1のパージガス供給手段からの前記パージガスの供給を停止させる制御を行い,前記第2の閾値は,予め測定した前記パージガスの供給を継続しても酸素濃度がそれ以上低下しない限界値に設定されている」に対応する構成を備えるものであるから,本願発明1と同様の理由により,当業者であっても,引用発明,拒絶査定において引用された引用文献2,3に記載された技術的事項及び上記周知技術に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

第7 原査定について
審判請求時の補正により,本願発明1ないし17は,「該第1のパージガス供給手段から前記基板保管器の内部に供給された前記パージガスの積算流量を取得する積算流量取得手段」を有し「予め設定された前記基板保管器内の所定の酸素濃度初期値と,前記積算流量取得手段により取得された前記パージガスの積算流量と,前記第1のパージガス供給手段からの前記パージガスの供給停止時間及び前記基板保管器の前記基板保管器保管棚から前記基板搬送領域への移動時間中の前記パージガスの供給が無い時間とに基づいて前記移送載置部に載置された前記基板保管器の内部の酸素濃度を推定し,該酸素濃度が所定の閾値以下の場合には,前記基板移送手段に前記基板を前記基板搬送領域に移送させ,前記酸素濃度が前記所定の閾値を超えている場合には,前記第2のパージガス供給手段に前記基板保管器の内部に前記パージガスを供給させ,前記基板保管器の内部の前記酸素濃度が前記所定の閾値以下になってから前記基板移送手段に前記基板を前記基板搬送領域に移送させる制御手段と,を有し,前記制御手段は,取得した前記積算流量に基づいて,前記基板保管器保管棚に保管された前記基板保管器の内部の前記酸素濃度が所定の第2の閾値に到達したと判定したときに,前記第1のパージガス供給手段からの前記パージガスの供給を停止させる制御を行い,前記第2の閾値は,予め測定した前記パージガスの供給を継続しても酸素濃度がそれ以上低下しない限界値に設定されている」という事項を有するものとなっており,当業者であっても,拒絶査定において引用された引用文献1ないし3に基づいて,容易に発明できたものとはいえない。したがって,原査定の理由を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。

 
審決日 2020-11-11 
出願番号 特願2016-181762(P2016-181762)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H01L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山口 大志  
特許庁審判長 辻本 泰隆
特許庁審判官 小川 将之
加藤 浩一
発明の名称 基板処理装置及び基板移送方法  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 伊東 忠重  
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