ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード![]() |
審決分類 |
審判 全部申し立て 特許請求の範囲の実質的変更 A63F 審判 全部申し立て 特174条1項 A63F 審判 全部申し立て (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) A63F 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 A63F 審判 全部申し立て ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 A63F 審判 全部申し立て ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 A63F 審判 全部申し立て 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 A63F |
---|---|
管理番号 | 1368071 |
異議申立番号 | 異議2019-701040 |
総通号数 | 252 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2020-12-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2019-12-19 |
確定日 | 2020-09-29 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6532672号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6532672号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 特許第6532672号の請求項1に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6532672号の請求項1に係る特許(以下、「本件特許」という。)についての出願は、平成26年12月24日に出願され、令和1年5月31日にその特許権の設定登録がされ、同年6月19日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、同年12月19日に特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社により特許異議の申立てがされ、当審は、令和2年3月2日付けで取消理由を通知した。特許権者である株式会社三共は、その指定期間内である同年5月1日に意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)を行い、本件訂正請求に対して、特許異議申立人は、同年7月15日に意見書を提出した。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正請求による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(下線部は訂正箇所を示す。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、「電断が発生した後に復電した場合において、電断発生時の日時と復電時の日時とを特定可能な日時情報を記憶する日時情報記憶手段と、」と記載されているのを、 「電断が発生した後に復電した場合において、電断発生時の日時を特定可能な電断日時情報を記憶するとともに復電時の日時を特定可能な復電日時情報を記憶する日時情報記憶手段と、」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に、「前記日時情報に基づき、前記所定情報記憶手段に記憶された前記所定情報のうちの特定情報を初期化することが可能な初期化手段とを備え、」と記載されているのを、 「前記日時情報記憶手段に記憶された前記電断日時情報および前記復電日時情報に基づき、前記所定情報記憶手段に記憶された前記所定情報のうちの特定情報を初期化することが可能な初期化手段とを備え、」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項1に、「前記復電時の日時が前記電断発生時の日時よりも後の場合、初期化条件が成立しているときには前記特定情報を初期化する一方、当該初期化条件が成立していないときには当該特定情報を初期化せず、」と記載されているのを、 「前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時よりも後の場合、初期化条件が成立しているときには前記特定情報を初期化する一方、当該初期化条件が成立していないときには当該特定情報を初期化せず、」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項1に、「前記復電時の日時が前記電断発生時の日時と同じ、または前記復電時の日時が前記電断発生時の日時よりも前の場合、前記特定情報を初期化しない、遊技機。」と記載されているのを、 「前記日時情報記憶手段の記憶異常により、前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時と同じとなる場合、または、前記日時情報記憶手段の記憶異常により、前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時よりも前となる場合、前記特定情報を初期化しない、遊技機。」に訂正する。 (5)訂正事項5 願書に添付した明細書の段落【0007】に、 「(1) 所定の遊技を行う遊技機であって、 電断が発生した後に復電した場合において、電断発生時の日時と復電時の日時とを特定可能な日時情報を記憶する日時情報記憶手段と、 所定情報を記憶する所定情報記憶手段と、 前記日時情報に基づき、前記所定情報記憶手段に記憶された前記所定情報のうちの特定情報を初期化することが可能な初期化手段とを備え、 前記初期化手段は、 前記復電時の日時が前記電断発生時の日時よりも後の場合、初期化条件が成立しているときには前記特定情報を初期化する一方、当該初期化条件が成立していないときには当該特定情報を初期化せず、 前記復電時の日時が前記電断発生時の日時と同じ、または前記復電時の日時が前記電断発生時の日時よりも前の場合、前記特定情報を初期化しない。」と記載されているのを、 「(1) 所定の遊技を行う遊技機であって、 電断が発生した後に復電した場合において、電断発生時の日時を特定可能な電断日時情報を記憶するとともに復電時の日時を特定可能な復電日時情報を記憶する日時情報記憶手段と、 所定情報を記憶する所定情報記憶手段と、 前記日時情報記憶手段に記憶された前記電断日時情報および前記復電日時情報に基づき、前記所定情報記憶手段に記憶された前記所定情報のうちの特定情報を初期化することが可能な初期化手段とを備え、 前記初期化手段は、 前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時よりも後の場合、初期化条件が成立しているときには前記特定情報を初期化する一方、当該初期化条件が成立していないときには当該特定情報を初期化せず、 前記日時情報記憶手段の記憶異常により、前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時と同じとなる場合、または、前記日時情報記憶手段の記憶異常により、前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時よりも前となる場合、前記特定情報を初期化しない。」に訂正する。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的について 訂正事項1は、訂正前の「電断発生時の日時と復電時の日時とを特定可能な日時情報を記憶する日時情報記憶手段」から、「電断発生時の日時を特定可能な電断日時情報を記憶するとともに復電時の日時を特定可能な復電日時情報を記憶する日時情報記憶手段」へと訂正することにより、請求項1に記載された「日時情報記憶手段」に記憶される情報をより限定しようとするものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無について 本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)には、以下の記載がある。 「【0127】 一方、サブ制御部91は、設定変更されなかった場合(St1でN)、復電時(すなわち現在)の日時情報をRAM91cの更新時刻記憶領域から取得する(St3)。・・・ 【0128】 次に、サブ制御部91は、電断時に保持していた電断時の日時情報をRAM91cの一時記憶領域から取得する(St4)。以下の処理において、サブ制御部91は、取得した復電時の日時情報から特定した復電日時と、保持していた電断時の日時情報から特定した電断日時とを比較して、初期化条件が成立するか否か、および異常条件が成立するか否かを判定する。」 これらの記載によれば、本件特許明細書には、サブ制御部91が、「復電時(すなわち現在)の日時情報」をRAM91cの更新時刻記憶領域から取得し、「電断時の日時情報」をRAM91cの一時記憶領域から取得し、「復電時(すなわち現在)の日時情報」から特定した復電日時と、「電断時の日時情報」から特定した電断日時とを比較して、初期化条件が成立するか否か、および異常条件が成立するか否かを判定することが記載されているといえる。 そうすると、本件特許明細書に記載された「復電時(すなわち現在)の日時情報」、「電断時の日時情報」は、それぞれ訂正後の請求項1に記載された「復電日時情報」、「電断日時情報」に対応するものであり、本件特許明細書に記載された「RAM91cの更新時刻記憶領域」及び「RAM91cの一時記憶領域」は、これらを合わせて、「電断発生時の日時を特定可能な電断日時情報を記憶するとともに復電時の日時を特定可能な復電日時情報を記憶する」ものといえるから、訂正後の請求項1に記載された「日時情報記憶手段」に対応するものである。 してみると、本件特許明細書の記載から、訂正事項1に係る訂正後の記載事項を導き出すことができるから、訂正事項1は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項1は、上記アで述べたとおり特許請求の範囲を減縮するものであって、カテゴリーや対象を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的について 訂正事項2は、訂正前の「前記日時情報」について、訂正後の「前記日時情報記憶手段に記憶された前記電断日時情報および前記復電日時情報」へと、より具体的に限定するものである。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無について 本件特許明細書には、上記(1)イで摘記した事項に加えて、以下の記載がある。 「【0120】 一方、サブ制御部91は、初期化フラグ1がオンされていない場合(Sr7でN)、初期化条件が成立したことを示す初期化フラグ2がオンされたか否かを判定する(Sr9)。サブ制御部91は、初期化フラグ2がオンされた場合(Sr9でY)、RAM91cに記憶されたAT抽選契機が成立する条件となる消化ゲーム数の計数情報以外の情報を初期化する(Sr10)。」 「【0140】 一方、サブ制御部91は、異常条件2が成立しない場合(St7でN)、「復電日-電断日≧2日」で初期化条件1が成立するか否かを判定する(St8)。サブ制御部91は、初期化条件1が成立する場合(St8でY)、初期化フラグ2をオンし(St9)、本ルーチンを終了する。 【0141】 一方、サブ制御部91は、初期化条件1が成立しない場合(St8でN)、「復電日-電断日=1日」であるか否かを判定する(St10)。サブ制御部91は、「復電日-電断日=1日」である場合(St10でY)、「復電時刻がAM4:00以降」で初期化条件2が成立するか否かを判定する(St11)。サブ制御部91は、初期化条件2が成立する場合(St11でY)、初期化フラグ2をオンし(St9)、本ルーチンを終了する。 【0142】 一方、サブ制御部91は、初期化条件2が成立しない場合(St11でN)、「電断から復電まで4時間以上経過」で初期化条件3が成立するか否かを判定する(St12)。サブ制御部91は、初期化条件3が成立する場合(St12でY)、初期化フラグ2をオンし(St9)、本ルーチンを終了する。 【0143】 一方、サブ制御部91は、初期化条件3が成立しない場合(St12でN)、初期化フラグ2をオンすることなく、本ルーチンを終了する。 【0144】 St10の処理において、サブ制御部91は、「復電日-電断日=1日」でない場合(St10でN)、「復電日=電断日」であるため、「復電時刻-電断時刻≧4時間」で初期化条件4が成立するか否かを判定する(St13)。サブ制御部91は、初期化条件4が成立する場合(St13でY)、初期化フラグ2をオンし(St9)、本ルーチンを終了する。 【0145】 一方、サブ制御部91は、初期化条件4が成立しない場合(St13でN)、初期化フラグ2をオンすることなく、本ルーチンを終了する。」 これらの記載によれば、本件特許明細書には、サブ制御部91は、初期化条件1?4のいずれかが成立すると、初期化フラグ2をオンし、初期化フラグ2がオンされた場合、RAM91cに記憶されたAT抽選契機が成立する条件となる消化ゲーム数の計数情報以外の情報を初期化することが記載されているといえる。 そして、段落【0140】?【0145】の記載において、初期化条件1?4が成立するか否かを判定する際に用いられる「電断日」及び「電断時刻」、「復電日」及び「復電時刻」は、段落【0128】に「以下の処理において、サブ制御部91は、取得した復電時の日時情報から特定した復電日時と、保持していた電断時の日時情報から特定した電断日時とを比較して、初期化条件が成立するか否か、および異常条件が成立するか否かを判定する。」と記載されていることから、それぞれ訂正後の請求項1に記載された「電断日時情報から特定される電断時の日時」、「復電日時情報から特定される復電時の日時」に対応するといえ、上記(1)イで説示したとおり、「電断日時情報」及び「復電日時情報」が「日時情報記憶手段に記憶された」ものであることは、本件特許明細書に記載されていたといえるものである。 してみると、本件特許明細書の記載から、訂正事項2に係る訂正後の記載事項を導き出すことができるから、訂正事項2は、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項2は、上記アで述べたとおり特許請求の範囲を減縮するものであって、カテゴリーや対象を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的について 訂正事項3は、令和2年3月2日付けの取消理由通知において、本件訂正前の請求項1に記載された「前記復電時の日時が前記電断発生時の日時と同じ、または前記復電時の日時が前記電断発生時の日時よりも前の場合」における「復電時の日時」及び「電断発生時の日時」の技術的な意味が不明確であるなどの取消理由が通知されたことに対応するため、当該記載に係る訂正事項4における訂正とともに、同じく請求項1に記載された「前記初期化手段」を特定する記載中の「前記復電時の日時が前記電断発生時の日時よりも後の場合」についても、「前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時よりも後の場合」へと訂正して、その技術的な意味を明らかにするとともに、訂正事項4に係る訂正後の記載と整合をとろうとするものである。 したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の有無について 本件特許明細書には、上記(1)イ及び(2)イで摘記した事項に加えて、以下の記載がある。 「【0138】 図21の初期化判定処理の説明に戻り、St4の処理の後、サブ制御部91は、「復電日時=電断日時」で異常条件1が成立するか否かを判定する(St5)。サブ制御部91は、異常条件1が成立する場合(St5でY)、異常が発生した旨を示すエラーフラグをオンし(St6)、本ルーチンを終了する。 【0139】 一方、サブ制御部91は、異常条件1が成立しない場合(St5でN)、「復電日時<電断日時」で異常条件2が成立するか否かを判定する(St7)。サブ制御部91は、異常条件2が成立する場合(St7でY)、異常が発生した旨を示すエラーフラグをオンし(St6)、本ルーチンを終了する。」 これらの記載によれば、本件特許明細書には、サブ制御部91が、「復電日時=電断日時」で異常条件1が成立するか否かを判定し(【0138】)、異常条件1が成立しない場合、「復電日時<電断日時」で異常条件2が成立するか否かを判定し(【0139】)、異常条件2が成立しない場合、初期化条件1?4のいずれかが成立するか否かを判定し、初期化条件1?4のいずれかが成立すれば初期化フラグ2をオンし、成立しない場合は初期化フラグ2をオンにしない(【0140】?【0145】)構成が記載されているといえる。 そして、上記の記載によれば、異常条件1?2のいずれも成立しないのは、「復電日時>電断日時」の場合であるといえるところ、異常条件1?2が成立するか否かを判定する際に用いられる「復電日時」、「電断日時」は、段落【0128】に「以下の処理において、サブ制御部91は、取得した復電時の日時情報から特定した復電日時と、保持していた電断時の日時情報から特定した電断日時とを比較して、初期化条件が成立するか否か、および異常条件が成立するか否かを判定する。」と記載されていることから、それぞれ訂正後の請求項1に記載された「復電日時情報から特定される復電時の日時」、「電断日時情報から特定される電断時の日時」に対応するといえる。 してみると、本件特許明細書等の記載から、訂正事項3に係る訂正後の記載事項を導き出すことができるから、訂正事項3は、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項3は、訂正前の請求項1に記載された「前記復電時の日時」、「前記電断発生時の日時」に対して、それぞれ「前記復電日時情報から特定される」、「前記電断日時情報から特定される」との限定を付加するものであって、構成要件の削除はなく、カテゴリーや対象を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的について 訂正事項4は、令和2年3月2日付けの取消理由通知において、本件訂正前の請求項1に記載された「前記復電時の日時が前記電断発生時の日時と同じ、または前記復電時の日時が前記電断発生時の日時よりも前の場合」という条件が成立することは通常あり得ないことであるから、「復電時の日時」及び「電断発生時の日時」の技術的な意味が不明確であるなどの取消理由が通知されたことに対応するため、訂正前の上記記載を、「前記日時情報記憶手段の記憶異常により、前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時と同じとなる場合、または、前記日時情報記憶手段の記憶異常により、前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時よりも前となる場合」へと訂正して、本件訂正前の請求項1に記載された上記の条件が「日時情報記憶手段の記憶異常により」成立するものであり、「復電時の日時」及び「電断発生時の日時」が復電日時情報及び電断日時情報から特定されるものであることを特定することにより、「復電時の日時」及び「電断発生時の日時」の技術的な意味を明らかにしようとするものである。 したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の有無について 訂正後の請求項1に記載された「前記日時情報記憶手段の記憶異常」は、「記憶異常」という文言から、「前記日時情報記憶手段」の記憶に異常があること、すなわち、「前記日時情報記憶手段」の記憶内容に異常があることを意味するものと解される。 一方、本件特許明細書の段落【0135】には、「サブ制御部91は、異常条件1,2のうちのいずれかが成立するか否かを判定することにより、RTC97の故障などによるRTC97からサブ制御部91に対して出力された日時情報の誤りや、RAM91cの異常などによる更新時刻記憶領域に記憶された日時情報の誤りを特定する。具体的には、異常条件1,2のうちのいずれかが成立すれば、RTC故障やRAM異常などが発生していることになる。一方、異常条件1,2のうちのいずれも成立しなければ、RTC故障やRAM異常などが発生していないことになる。これにより、RTC故障やRAM異常などの発生を見極めることができる。」と記載されているところ、「RTC97の故障などによるRTC97からサブ制御部91に対して出力された日時情報の誤り」があれば、結果として、「RAM91cの更新時刻記憶領域」(【0127】)及び「RAM91cの一時記憶領域」(【0128】)(上記(1)イで説示したとおり、いずれも訂正後の請求項1に記載された「日時情報記憶手段」に対応する。)の記憶内容に異常が生じ、「RAM91cの異常などによる更新時刻記憶領域に記憶された日時情報の誤り」があれば、結果として、「RAM91cの更新時刻記憶領域」だけでなく、「RAM91cの一時記憶領域」(電断時の日時情報をRAM91cの更新時刻記憶領域から取得して格納するもの(【0109】))の記憶内容にも異常が生じることは自明の事項である。 そうすると、本件特許明細書の記載から、異常条件1?2の原因が、「RTC故障」(計時装置の異常)や「RAM異常」(記憶装置の異常)などであり、ひいては、「前記日時情報記憶手段の記憶異常」(記憶内容の異常)であるといえることは、自明のこととして導き出すことができるというべきである。 また、本件特許明細書の段落【0138】?【0139】及び図21(St5及びSt7の条件分岐において「Y」の場合に、St9を経ずにリターンする点)を参照すると、本件特許明細書等には、サブ制御部91が、「復電日時=電断日時」で異常条件1が成立するか否かを判定し、異常条件1が成立する場合、初期化フラグ2をオンにせず、異常条件1が成立しない場合、「復電日時<電断日時」で異常条件2が成立するか否かを判定し、異常条件2が成立する場合、初期化フラグ2をオンにしない構成が記載されているといえる。 そして、異常条件1?2が成立するか否かを判定する際に用いられる「復電日時」、「電断日時」は、段落【0128】に「以下の処理において、サブ制御部91は、取得した復電時の日時情報から特定した復電日時と、保持していた電断時の日時情報から特定した電断日時とを比較して、初期化条件が成立するか否か、および異常条件が成立するか否かを判定する。」と記載されていることから、それぞれ訂正後の請求項1に記載された「復電日時情報から特定される復電時の日時」、「電断日時情報から特定される電断時の日時」に対応するといえる。 以上によれば、本件特許明細書等の記載から、訂正事項4に係る訂正後の記載事項を導き出すことができるから、訂正事項4は、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。 したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項4は、訂正前の請求項1に記載された「前記復電時の日時」、「前記電断発生時の日時」に対して、それぞれ「前記復電日時情報から特定される」、「前記電断日時情報から特定される」との限定を付加するとともに、「前記復電時の日時が前記電断発生時の日時と同じ」となる場合、及び、「前記復電時の日時が前記電断発生時の日時よりも前」となる場合が発生する原因として、それぞれ「前記日時情報記憶手段の記憶異常により」という限定を付加するものであって、構成要件の削除はなく、カテゴリーや対象を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 (5)訂正事項5について 訂正事項5は、特許請求の範囲に係る訂正事項1乃至4と整合性をとるために明細書を訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 また、訂正事項5は、訂正事項1?4について検討したのと同様に、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (6)特許異議申立人の主張について ア 訂正事項1について 特許異議申立人は、令和2年7月15日付けの意見書において、「この訂正は、日時情報記憶手段の記憶の対象とする日時情報を、本件訂正前に、二つの日時を特定可能な一つの情報であったものを、本件訂正後には、それぞれ個別に一つの日時を特定可能な二つの日時情報に、変更するものである。・・・したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるから、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第6項に規定する訂正要件を満たすものではない・・・」(4頁19行?6頁6行)と主張している。 しかしながら、本件訂正前の請求項1には、「日時情報記憶手段」の記憶の対象について、「電断発生時の日時と復電時の日時とを特定可能な日時情報」と特定されているのみであって、これが二つの日時を特定可能な一つの情報であるなどとは特定されていない。また、電断発生と復電は同時に起きるものではないから、「電断発生時の日時と復電時の日時とを特定可能な日時情報」は、それぞれ電断発生時の日時と復電時の日時を表す2つの情報からなるものと解するのが自然である。そうすると、訂正事項1が実質上特許請求の範囲を拡張、又は変更するものということはできない。 したがって、特許異議申立人の上記主張は、採用することができない。 イ 訂正事項2?4について 特許異議申立人は、同意見書において、「・・・本件訂正後の構成要件E(E1及びE2を含む)においては、日時情報ではなく、かかる日時情報から特定される日時、によって初期化をするか否かを定めている。・・・他方、訂正事項2は、・・・日時情報に基づいて初期化することが可能な初期化手段を備えているものとされ、日時に基づいて初期化することが可能な初期化手段とはされていない。このように、訂正事項2と構成要件E(E1及びE2を含む)とは、初期化するか否かを判別する条件が異なるものであるから、訂正事項2は、構成要件E(E1及びE2を含む)との関係において、特許請求の範囲に記載されていない別の手段により初期化するか否かを判別することを所与の前提として含むものとなる。・・・したがって、訂正事項2は、明瞭でない記載の釈明を目的としたものではないので、特許法第120条の5第2項但し書き第3号に規定する訂正要件を満たすものではなく、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるので、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第6項に規定する訂正要件をも満たすものではない・・・構成要件E(E1及びE2を含む)についての訂正事項3、4も、訂正事項2との関係において、同様に、訂正要件を満たすものではない・・・」(8頁2行?9頁7行)と主張している。 しかしながら、本件訂正後の請求項1には、「電断発生時の日時を特定可能な電断日時情報」、「復電時の日時を特定可能な復電日時情報」と記載されており、「電断日時情報」、「復電日時情報」がそれぞれ「電断発生時の日時」、「復電時の日時」を特定可能なものであることが特定されている。そして、訂正事項3?4に係る訂正後の請求項1の記載によれば、「前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時」及び「前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時」に基づいて、特定情報の初期化の有無を決定することが特定されているといえるから、訂正事項2に係る訂正後の請求項1の「前記電断日時情報および前記復電日時情報に基づき、・・・特定情報を初期化する」についても、同様に「前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時」及び「前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時」に基づき、特定情報を初期化するものと解するのが相当である。 したがって、特許異議申立人の上記主張は、採用することができない。 ウ 訂正事項4について (ア)特許異議申立人は、同意見書において、「しかし、本件特許の明細書及び図面には、「前記日時情報記憶手段の記憶異常により、」という、日時情報記憶手段の記憶異常を判別し、かつ、それが、前記日時が同じとなった原因又は前記日時の先後が逆となった原因であることを判別する手段は何ら開示されていない。・・・よって、訂正事項4は、本件特許の明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではないから、特許法120条の5第9項において準用する特許法126条第5項に規定する訂正要件を満たすものではなく・・・」(10頁14行?12頁7行)と主張している。 しかしながら、上記(4)イで説示したとおり、本件訂正後の請求項1に記載された「前記日時情報記憶手段の記憶異常」は、「前記日時情報記憶手段」の記憶内容に異常があることを意味するものと解され、本件特許明細書の記載から、異常条件1?2(「前記復電時の日時が前記電断発生時の日時と同じとなる場合」及び「前記復電時の日時が前記電断発生時の日時よりも前となる場合」)の原因が、「RTC故障」(計時装置の異常)や「RAM異常」(記憶装置の異常)などであり、ひいては、「前記日時情報記憶手段の記憶異常」(記憶内容の異常)であるといえることは、自明のこととして導き出すことができる。 そうすると、訂正事項4は、訂正前の「前記復電時の日時」、「前記電断発生時の日時」に対して、それぞれ「前記復電日時情報から特定される」、「前記電断日時情報から特定される」との限定を付加することに伴い、「前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時と同じとなる場合」、及び「前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時よりも前となる場合」に対して、そのような場合が発生する原因として、「前記日時情報記憶手段の記憶異常により」という自明の事項を、確認的に追加して記載することにより、「復電時の日時」及び「電断発生時の日時」の技術的な意味をより明らかにしようとするものということができる。 してみると、訂正事項4における訂正後の「前記日時情報記憶手段の記憶異常により」との記載は、日時情報記憶手段の記憶異常を判別し、かつ、それが、「前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時」と「前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時」とが同じとなった原因又は先後が逆となった原因であることを判別する構成を意味するものではないことは明らかである。 したがって、特許異議申立人の上記主張は、採用することができない。 (イ)特許異議申立人は、同意見書において、「訂正事項4により、・・・本件訂正後の請求項1の記載では、「日時」をもって、復電時の日時と電断発生時の日時の比較を行っている以上、両者の日時が1時間未満の差である場合には、日時が同じであると判別することになってしまう。・・・これは、「誤って特定情報が初期化されてしまうことを防止する」(【0006】)という本件特許の目的と矛盾することとなるので、特許請求の範囲の請求項1の記載は、本件特許の明細書等に記載された発明とは異なる発明について記載したものであると解さざるを得ない。・・・したがって、この点からしても、訂正事項4は、本件特許の明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではないので、特許法120条の5第9項において準用する特許法126条第5項に規定する訂正要件に該当せず・・・」(12頁12行?13頁3行)と主張している。 しかしながら、本件特許明細書の段落【0073】には、「また、電断が発生した日時(日付および時刻)を「電断日時」とも称し、復電した日時(日付および時刻)を「復電日時」とも称する。」と記載され、同段落【0009】には、「「時刻情報」には、たとえば、「時」、「分」、および「秒」を特定する情報が少なくとも含まれる。」と記載されているから、これらの本件特許明細書に記載された用語の用法に基づけば、本件訂正後の請求項1に記載された構成であっても、復電時の日時と電断発生時の日時が1時間未満の差である場合に日時が同じであると判別することはあり得ない。 したがって、特許異議申立人の上記主張は、採用することができない。 エ 訂正事項5について 特許異議申立人は、同意見書において、「・・・前記したとおり、前記訂正事項1?4は、不適法なものであって認められるべきものではない。したがって、訂正事項1?4の訂正を前提とした訂正事項5は、明瞭でない記載の釈明を目的としたものにはなり得ず、また、特許法第120条の5第2項但し書き各号に定める他の事項を目的としたものでもないから、特許法第120条の5第2項但し書きに規定する訂正要件を満たすものではなく・・・」(14頁21行?15頁2行)と主張している。 しかしながら、上記ア?ウのとおり、訂正事項1?4は訂正要件を満たすものであるから、特許異議申立人の上記主張は採用することができない。 3 小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、本件特許の明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものである(記号A?E2は、分説のため当審で付した。また、下線は本件訂正による訂正箇所を示す。)。 「A 所定の遊技を行う遊技機であって、 B 電断が発生した後に復電した場合において、電断発生時の日時を特定可能な電断日時情報を記憶するとともに復電時の日時を特定可能な復電日時情報を記憶する日時情報記憶手段と、 C 所定情報を記憶する所定情報記憶手段と、 D 前記日時情報記憶手段に記憶された前記電断日時情報および前記復電日時情報に基づき、前記所定情報記憶手段に記憶された前記所定情報のうちの特定情報を初期化することが可能な初期化手段とを備え、 E 前記初期化手段は、 E1 前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時よりも後の場合、初期化条件が成立しているときには前記特定情報を初期化する一方、当該初期化条件が成立していないときには当該特定情報を初期化せず、 E2 前記日時情報記憶手段の記憶異常により、前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時と同じとなる場合、または、前記日時情報記憶手段の記憶異常により、前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時よりも前となる場合、前記特定情報を初期化しない、遊技機。」 第4 取消理由通知に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 訂正前の請求項1に係る特許に対して令和2年3月2日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 (1)理由1.(明確性)本件特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願についてされたものであり、取り消されるべきものである。 (2)理由2.(サポート要件)本件特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願についてされたものであり、取り消されるべきものである。 (3)理由3.(新規事項)本件特許は、平成30年11月1日付け手続補正書でした補正が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでなく、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願についてされたものであり、取り消されるべきものである。 2 当審における判断 (1)理由1(明確性)について 取消理由1は、「電断が発生した後に復電した場合」(分説B)であることを前提とすると、請求項1の分説E2の「前記復電時の日時が前記電断発生時の日時と同じ、または前記復電時の日時が前記電断発生時の日時よりも前の場合」という条件が成立することは、通常有り得ないことであり、「前記復電時の日時が前記電断発生時の日時と同じ、または前記復電時の日時が前記電断発生時の日時よりも前の場合」となるような「復電時の日時」及び「電断発生時の日時」とは、いかなる技術的な意味を有するのか不明であり、また、請求項1の分説E2の「前記復電時の日時が前記電断発生時の日時と同じ」との記載、及び、「前記復電時の日時が前記電断発生時の日時よりも前」との記載は、「電断発生時」及び「復電時」の先後関係を言うものであるが、これら「同じ」及び「前」のいずれの場合も、請求項1の分説Bの「電断が発生した後に復電した場合」の、電断が発生した時の「後に」復電した時となる先後関係と矛盾することになるから、本件特許の特許請求の範囲の請求項1の記載は、特許を受けようとする発明が明確でないというものであった。 これに対して、本件訂正の訂正事項4により、分説E2の「前記復電時の日時」が「前記復電日時情報から特定される」ものであることが特定され、同「前記電断発生時の日時」が「前記電断日時情報から特定される」ものであることが特定されるとともに、「前記復電時の日時が前記電断発生時の日時と同じ」となる場合、及び、「前記復電時の日時が前記電断発生時の日時よりも前」となる場合が発生する原因として、それぞれ「前記日時情報記憶手段の記憶異常により」という特定が付加された。 これにより、「前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時と同じとなる場合」や「前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時よりも前となる場合」が発生するような「復電時の日時」及び「電断発生時の日時」が、「日時情報記憶手段の記憶異常により」生じるものであることが明らかとなり、分説Bの「電断が発生した後に復電した場合」との記載と矛盾しないものとなった。 そうすると、本件訂正後の請求項1の記載は、特許を受けようとする発明が明確でないということはできない。 したがって、本件特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願についてされたものとはいえない。 (2)理由2(サポート要件)について 取消理由2は、請求項1の分説E1及びE2の記載における復電時の日時及び電断発生時の日時は、日時情報記憶手段に記憶されているものであることは特定されていないから、日時情報記憶手段に記憶されているもの以外のものも含むものであるが、そのようなものは本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載も示唆もされていないというものであった。 これに対して、本件訂正の訂正事項3及び4により、訂正後の分説E1及びE2において、「前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時」、「前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時」と特定されるとともに、同訂正事項1により、訂正後の分説Bにおいて、「電断発生時の日時を特定可能な電断日時情報を記憶するとともに復電時の日時を特定可能な復電日時情報を記憶する日時情報記憶手段」と特定されることにより、訂正後の請求項1において、分説E1及びE2に記載された「復電時の日時」及び「電断発生時の日時」が、「日時情報記憶手段」に記憶されているものであることが明らかになった。 そうすると、本件発明は、訂正明細書の発明の詳細な説明に記載も示唆もされていないものということはできない。 したがって、本件特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願についてされたものとはいえない。 (3)理由3(新規事項)について 取消理由3は、補正により加入された請求項1の分説E1及びE2の記載における復電時の日時及び電断発生時の日時は、日時情報記憶手段に記憶された「日時情報」により特定されるものであることは記載されていないから、日時情報記憶手段に記憶されているもの以外のものも含むものであるが、そのようなものは願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載されたものではなく、当初明細書等の記載から自明のものでもないというものであった。 これに対して、本件訂正の訂正事項3及び4により、訂正後の分説E1及びE2において、「前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時」、「前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時」と特定されるとともに、同訂正事項1により、訂正後の分説Bにおいて、「電断発生時の日時を特定可能な電断日時情報を記憶するとともに復電時の日時を特定可能な復電日時情報を記憶する日時情報記憶手段」と特定されることにより、訂正後の請求項1において、分説E1及びE2に記載された「復電時の日時」及び「電断発生時の日時」が、「日時情報記憶手段」に記憶されているものであることが明らかになった。 そうすると、本件訂正後の分説E1及びE2の記載は、当初明細書等に記載されたものでないということはできず、当初明細書等の記載から自明のものではないということもできない。 したがって、本件特許は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願についてされたものとはいえない。 第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 具体的理由イ.について 特許異議申立人は、特許異議申立書において、「4.申立て理由」における「(4)具体的理由」イ.として、「本件特許発明の構成要件Eに関して、本件特許発明に係る特許出願の特許請求の範囲の請求項1の記載は、平成29年11月1日付け手続補正書(当審注:「平成30年11月1日付け手続補正書」の誤記と認められる。)により、特許請求の範囲から「禁止手段」を削除し、代わって新たに「初期化手段」という手段を記載するように補正された。・・・そして、初期化する理由には様々な態様が考えられ、・・・明細書に記載された事項以外にも必要があれば初期化をすることがあり得るのであるから、その点に関して明細書等に具体的な説明がされ、また特許請求の範囲の請求項1においてそれが特定されていない以上、本件特許発明の構成要件Eの「初期化手段」の構成は、・・・出願当初の明細書、特許請求の範囲及び図面との関係において、新たな技術的事項を導入したものとなる。したがって、本件特許に係る出願における前記手続補正は、法17条の2第3項に定める要件を満たすものではないので、・・・取り消されるべきものである。」(6頁18行?7頁15行)と主張している。 しかしながら、本件訂正前の請求項1には、「初期化手段」について、「前記日時情報に基づき、前記所定情報記憶手段に記憶された前記所定情報のうちの特定情報を初期化することが可能な初期化手段」、「前記初期化手段は、前記復電時の日時が前記電断発生時の日時よりも後の場合、初期化条件が成立しているときには前記特定情報を初期化する・・・」と特定されているように、特定情報を初期化するのがどのような場合であるかが特定されており、どのような場合にどのような情報を初期化するものであってもよいなどとは特定されていない。そして、このことは、本件訂正後の請求項1においても同様である。 また、当初明細書等には、設定変更された場合に、RAM91cに記憶されたエラー履歴情報以外の情報を初期化することが記載されており(【0118】、【0126】)、初期化条件(初期化条件1?4)が成立した場合に「特定情報」を初期化する機能に加えて、他の条件が成立した場合に他の情報を初期化する機能をも有する初期化手段に関する技術思想も開示されているといえる。 そうすると、平成30年11月1日付けの手続補正により、請求項1に「初期化手段」の構成が記載されるようになったからといって、新たな技術的事項が導入されたものとはいえないから、特許異議申立人の上記主張は採用することができない。 2 具体的理由ウ.について 特許異議申立人は、特許異議申立書において、「4.申立て理由」における「(4)具体的理由」ウ.として、「本件特許発明の構成要件Eは、それが前提とする電断及び復電の態様が限定されていないものであるから、電断や復電が直接関係しない任意の情報(例えば、他のエラー等の情報)に基づいて、電断や復電との関連性を持たせて初期化するか否かを判定することまでをも含むものとなるにもかかわらず、本件特許の明細書又は図面にはその態様が具体的に記載されておらず、また特許請求の範囲の請求項1においてそれが特定されていない以上、あらゆる態様を含み得るものとなっている。したがって、本件特許発明の「初期化手段」に係る構成は、甲第1号証に示す出願当初の明細書、特許請求の範囲及び図面との関係において、新たな技術的事項を導入したものとなる。よって、本件特許に係る前述の手続補正は、法17条の2第3項に定める要件を満たすものではないので、・・・取り消されるべきものである。」(8頁7行?22行)と主張している。 また、特許異議申立人は、令和2年7月15日付けの意見書においても、改めて上記の特許異議申立理由について言及している(13頁5行?14頁3行)。 上記の特許異議申立理由は、令和2年3月2日付け取消理由通知において、実質的に取消理由3として通知したものであるが、特許異議申立人が上記の意見書において、当審が取消理由として取り上げなかった旨の主張をしているから(13頁24?25行)、念のため以下に検討する。 本件訂正の訂正事項3及び4により、訂正後の分説E1及びE2において、「前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時」、「前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時」と特定されるとともに、同訂正事項1により、訂正後の分説Bにおいて、「電断が発生した後に復電した場合において、電断発生時の日時を特定可能な電断日時情報を記憶するとともに復電時の日時を特定可能な復電日時情報を記憶する日時情報記憶手段」と特定されることにより、訂正後の請求項1において、分説E1及びE2に記載された「復電時の日時」及び「電断発生時の日時」が、「日時情報記憶手段」に記憶されているものであり、「電断が発生した後に復電した場合」という電断及び復電の態様を前提とするものであることが明らかになった。 そうすると、本件訂正後の分説E1及びE2の記載は、当初明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入したものとはいえず、本件訂正により特許異議申立人の主張する上記の特許異議申立理由は解消することとなったから、特許異議申立人の上記主張は採用することができない。 第6 特許異議申立人のその他の主張について 特許異議申立人は、令和2年7月15日付けの意見書において、「なお、仮に、本件訂正が認められたとしても、それでもなお、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、訂正事項2?4について先に述べた理由による記載不備が存在することとなるので、本件特許は、特許法第36条第6項第1号及び/又は同第2号に規定する要件を満たしていない特許出願についてされたものであって、特許法第113条第4号の規定に該当するものとなる・・・」(15頁19?22行)と主張している。 しかしながら、上記「第2 2(6)」イ及びウで説示したとおり、訂正事項2?4は訂正要件を満たすものであって、記載不備を含むものではないから、本件特許は、特許法第36条第6項第1号及び/又は同第2号に規定する要件を満たしていない特許出願についてされたものであるとはいえない。 したがって、特許異議申立人の上記主張は採用することができない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件訂正後の請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 遊技機 【技術分野】 【0001】 本発明は、所定の遊技を行う遊技機に関する。 【背景技術】 【0002】 遊技機として、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンがある。さらに、遊技機として、遊技媒体である遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられている入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると、所定の入賞価値を遊技者に与えるパチンコ遊技機がある。 【0003】 このような遊技機の中には、計時装置から出力された日時情報に基づき、営業時間よりも長い所定期間以上の電断が発生したときに、特典と交換可能なコインデータなどの特定情報を初期化する遊技機があった(たとえば、特許文献1参照)。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】特開2013-099390号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 特許文献1に記載の遊技機は、日時情報に基づき営業時間よりも長い所定期間以上の電断が発生したか否かを判定するものであるが、計時装置から出力された日時情報が誤っているなどの異常が発生しているときには、誤って特定情報が初期化されてしまう虞があった。 【0006】 この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、日時情報を用いた判定において、誤って特定情報が初期化されてしまうことを防止する遊技機を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 (1) 所定の遊技を行う遊技機であって、 電断が発生した後に復電した場合において、電断発生時の日時を特定可能な電断日時情報を記憶するとともに復電時の日時を特定可能な復電日時情報を記憶する日時情報記憶手段と、 所定情報を記憶する所定情報記憶手段と、 前記日時情報記憶手段に記憶された前記電断日時情報および前記復電日時情報に基づき、前記所定情報記憶手段に記憶された前記所定情報のうちの特定情報を初期化することが可能な初期化手段とを備え、 前記初期化手段は、 前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時よりも後の場合、初期化条件が成立しているときには前記特定情報を初期化する一方、当該初期化条件が成立していないときには当該特定情報を初期化せず、 前記日時情報記憶手段の記憶異常により、前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時と同じとなる場合、または、前記日時情報記憶手段の記憶異常により、前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時よりも前となる場合、前記特定情報を初期化しない。 遊技機は、以下のように構成されてもよい。 所定の遊技を行う遊技機(たとえば、スロットマシン1、パチンコ遊技機201)であって、 電断発生時と復電時とを特定可能な日付情報および時刻情報を含む日時情報を記憶する日時情報記憶手段(たとえば、RAM91c)と、 所定情報(たとえば、消化ゲーム数、エラー履歴情報などの情報)を記憶する所定情報記憶手段(たとえば、RAM91c)と、 前記日付情報に基づき、前記所定情報記憶手段に記憶された前記所定情報のうちの特定情報(たとえば、消化ゲーム数、エラー履歴情報)を初期化する初期化条件(たとえば、図22(a)の初期化条件、図30の初期化条件)が成立するか否かを判定する判定手段(たとえば、図21のSt8,St10,St11,St12,St13を実行する処理、図21のSt8,St10,St11,St12a,St13aを実行する処理)と、 前記判定手段による判定において異常が発生しているときに、前記特定情報の初期化を禁止する禁止手段(たとえば、図21のSt5でY,St7でYのときにはSt9で初期化フラグ2をオンにせず図20のSr10を実行しない、図29のSt5でY,St7でYのときにはSt9aで初期化フラグ2をオンにせず図20のSr10を実行しない)とを備える。 【0008】 このような構成によれば、初期化条件の成立有無の判定において異常が発生しているときには特定情報の初期化が禁止されるため、日時情報を用いた判定において、誤って特定情報が初期化されてしまうことを防止することができる。 【0009】 「日付情報」とは、日付に関する情報であり、「日付情報」には、たとえば、「年」、「月」、「日」、および「曜日」を特定する情報が少なくとも含まれる。「時刻情報」とは、時刻に関する情報であり、「時刻情報」には、たとえば、「時」、「分」、および「秒」を特定する情報が少なくとも含まれる。 【0010】 (2) 上記(1)の遊技機において、 前記禁止手段は、電断発生時の日時よりも復電時の日時の方が前になる異常が発生したときに、前記特定情報の初期化を禁止する(たとえば、図21のSt7でYのときにはSt9で初期化フラグ2をオンにせず図20のSr10を実行しない、図29のSt7でYのときにはSt9aで初期化フラグ2をオンにせず図20のSr10を実行しない)。 【0011】 このような構成によれば、電断発生時の日時よりも復電時の日時の方が前になる異常が発生したときには特定情報の初期化が禁止されるため、日時情報を用いた判定において、誤って特定情報が初期化されてしまうことを防止することができる。 【0012】 (3) 上記(1)の遊技機において、 前記禁止手段は、電断発生時の日時と復電時の日時とが同じになる異常が発生したときに、前記特定情報の初期化を禁止する(たとえば、図21のSt5でYのときにはSt9で初期化フラグ2をオンにせず図20のSr10を実行しない、図29のSt5でYのときにはSt9aで初期化フラグ2をオンにせず図20のSr10を実行しない)。 【0013】 このような構成によれば、電断発生時の日時と復電時の日時とが同じになる異常が発生したときには特定情報の初期化が禁止されるため、日時情報を用いた判定において、誤って特定情報が初期化されてしまうことを防止することができる。 【0014】 (4) 上記(1)?(3)のいずれかの遊技機において、 前記特定情報は、異常の発生有無を示す情報(たとえば、エラー履歴情報)である。 【0015】 このような構成によれば、日時情報に基づき初期化条件が成立するまで、特定情報によって異常の発生有無を確認することができる。 【0016】 (5) 上記(1)?(4)のいずれかの遊技機において、 前記所定情報を初期化する所定情報初期化手段(たとえば、図21のSt1でY,図29のSt1でYに判定されて図20のSr8を実行する処理)をさらに備え、 前記特定情報は、前記所定情報初期化手段によっては初期化されない(たとえば、図20のSr8ではエラー履歴情報を初期化しない)。 【0017】 このような構成によれば、日時情報に基づき初期化条件が成立するまで、特定情報を初期化することなく保持することができる。 【0018】 (6) 上記(1)?(5)のいずれかの遊技機において、 前記日時情報を出力する計時手段(たとえば、RTC97)をさらに備え、 前記計時手段が出力した前記日時情報を所定周期ごとに前記日時情報記憶手段に記憶させる記憶処理手段(たとえば、RAM91c)と、 前記日時情報記憶手段に記憶された前記日時情報を読み出し、当該日時情報に応じて所定制御(たとえば、一斉演出やエラー発生時刻の記憶)を行う所定制御手段(たとえば、図24のSg3を実行する処理、図26のSc2を実行する処理)とをさらに備える。 【0019】 このような構成によれば、無作為ではなく、所定周期ごとに計時手段が出力した日時情報を記憶することができる。さらに、日時に応じて所定制御を行うことができる。 【0020】 (7) 上記(6)の遊技機において、 電断発生時および復電時のうちの少なくとも一方において、前記計時手段が出力した前記日時情報を取得する日時情報取得手段(たとえば、図19のSd1、図21のSt3を実行する処理)とをさらに備え、 前記所定制御手段は、前記日時情報取得手段により取得された前記日時情報に応じて所定制御を行う(たとえば、変形例における[比較処理]、[日時情報の取得について]に記載の処理)。 【0021】 このような構成によれば、電断発生時および復電時のうちの少なくとも一方においては、計時手段が出力した正確な日時情報に応じて所定制御を行うことができる。 【0022】 (8) 上記(1)?(7)のいずれかの遊技機において、 異常を検出する異常検出手段(たとえば、図18のSt5,St7を実行する処理、図25のSb2を実行する処理、図29のSt5,St7を実行する処理)と、 前記異常検出手段により異常が検出されたときにその旨を報知する異常報知手段(たとえば、図26のSc5を実行する処理)と、 前記異常検出手段により検出された異常の種類に応じて、報知レベルを設定する報知レベル設定手段(たとえば、異常の種類に応じて報知レベル「高」または「低」を予め設定している部分)とをさらに備え、 前記異常報知手段は、前記異常検出手段により検出された異常の報知レベルが所定のレベル(たとえば、報知レベル=低)に設定されているときには、前記異常検出手段により異常が検出されても報知せず(たとえば、図26のSc3でYとなり、かつSc4でNとなるときにはSc5を実行しない)、 前記所定情報記憶手段は、前記異常検出手段により異常が検出されたときに、異常の報知レベルに関わらず、異常の検出と前記日時情報とを対応付けて記憶する(たとえば、図26のSc5を実行する処理)。 【0023】 このような構成によれば、異常が検出された旨の報知が行われることの煩わしさを低減しつつも、異常の検出を取りこぼすことなく記憶して確認することができる。 【図面の簡単な説明】 【0024】 【図1】本実施の形態のスロットマシンの正面図である。 【図2】リールの図柄配列を示す図である。 【図3】スロットマシンの内部構造を示す斜視図である。 【図4】スロットマシンの構成を示すブロック図である。 【図5】RTCの時刻格納領域の格納内容を示すテーブル図である。 【図6】小役の種類、小役の図柄組合せ、および小役に関連する技術事項について説明するための図である。 【図7】再遊技役の種類、再遊技役の図柄組合せ、および再遊技役に関連する技術事項について説明するための図である。 【図8】移行出目の図柄組合せ、および移行出目に関連する技術事項について説明するための図である。 【図9】遊技状態の遷移を説明するための図である。 【図10】遊技状態の概要を示す図である。 【図11】遊技状態毎に読み出される抽選対象役の組合せについて説明するための図である。 【図12】遊技状態毎に読み出される抽選対象役の組合せについて説明するための図である。 【図13】抽選対象役により入賞が許容される役の組合せについて説明するための図である。 【図14】複数の再遊技役当選時のリール制御を説明するための図である。 【図15】複数のベル当選時のリール制御を説明するための図である。 【図16】サブ制御部が一定間隔毎に実行するタイマ割込処理(サブ)の制御内容を示すフローチャートである。 【図17】サブ制御部がタイマ割込処理(サブ)において実行する日時制御処理の制御内容を示すフローチャートである。 【図18】サブ制御部がタイマ割込処理(サブ)において実行する日時制御処理の制御内容を示すフローチャートである。 【図19】サブ制御部がタイマ割込処理(サブ)において実行する電断処理(サブ)の制御内容を示すフローチャートである。 【図20】サブ制御部が実行する起動処理(サブ)の制御内容を示すフローチャートである。 【図21】サブ制御部が起動処理(サブ)において実行する初期化判定処理の制御内容を示すフローチャートである。 【図22】初期化判定処理で用いられる初期化条件判定用テーブルおよび異常条件判定用テーブルを説明するための図である。 【図23】消化ゲーム数の報知態様の変化を説明するための図である。 【図24】サブ制御部がタイマ割込処理(サブ)において実行する演出実行処理の制御内容を示すフローチャートである。 【図25】サブ制御部がタイマ割込処理(サブ)において実行する日時情報異常判定処理の制御内容を示すフローチャートである。 【図26】サブ制御部がタイマ割込処理(サブ)において実行するエラー報知処理の制御内容を示すフローチャートである。 【図27】更新時刻記憶領域の情報更新の具体例を示す説明図である。 【図28】変形例におけるサブ制御部が実行する比較処理を説明するための図である。 【図29】変形例におけるサブ制御部が起動処理(サブ)において実行する初期化判定処理の制御内容を示すフローチャートである。 【図30】変形例における初期化判定処理で用いられる初期化条件判定用テーブルを説明するための図である。 【図31】変形例におけるパチンコ遊技機の正面図である。 【発明を実施するための形態】 【0025】 [スロットマシンの構成] 本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。 【0026】 図1に示すように、スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L,2C,2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。 【0027】 図2に示すように、リール2L,2C,2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、物理的なリールに限らず、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。 【0028】 液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられている。前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53,54が設けられている。 【0029】 前面扉1bには、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8Rなどが設けられている。 【0030】 前面扉1bには、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L,2C,2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、およびリプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。 【0031】 スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。 【0032】 入賞ラインとは、リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1?LM4が設けられている。無効ラインLM1?LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1?LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(たとえば、ベル-ベル-ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。 【0033】 ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rを回転させて図柄を変動表示する。トップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。 【0034】 図3および図4に示すように、スロットマシン1には、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板91、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。 【0035】 遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L,33C,33Rからの信号に基づき、リールモータ32L,32C,32Rを駆動制御する。 【0036】 遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。 【0037】 演出制御基板90は、液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、サブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dなどを備えている。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。 【0038】 演出制御基板90には、リセット回路95が設けられている。リセット回路95は、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブ制御部91に対してリセット信号を出力する。サブ制御部91は、リセット回路95からリセット信号が入力されることを条件に、後述の起動処理(サブ)を実行する。 【0039】 演出制御基板90には、電断検出回路98が設けられている。電断検出回路98は、スロットマシン1に供給される電力を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する。サブ制御部91は、電断検出回路98から電圧低下信号が入力されることを条件に、後述の電断処理(サブ)を実行する。 【0040】 演出制御基板90には、RTC(リアルタイムクロック)97が設けられている。RTC97は、現在時刻を計時し、出力するものである。サブ制御部91は、RTC97が出力する現在の日付情報および時刻情報を含む日時情報を取得し、取得した日時情報に基づいて各種処理を実行する。日付情報としては、少なくとも現在の「年」,「月」,「日」,「曜日」の情報が含まれる。時刻情報としては、少なくとも現在の「時」,「分」,「秒」の情報が含まれる。 【0041】 RTC97は、通常、スロットマシン1に電源が供給されているときにはスロットマシン1からの電源によって動作し、スロットマシン1への電力供給が切断(以下、電断ともいう)されているときには、バックアップ電源回路から供給される電源によって動作する。従って、RTC97は、電断中であっても現在の日時を計時することができる。 【0042】 RTC97は、たとえば、水晶発振子を内蔵したシリアルインタフェース方式のリアルタイムクロックモジュールとして実現される。RTC97は、水晶発振子、出力制御部、割込制御部、バス/インタフェース回路、クロック出力/カレンダ機能部、タイマレジスタ、アラームレジスタ、コントロールレジスタ、およびシフトレジスタを含む。 【0043】 水晶発振子は、所定の発振周波数(たとえば、32.768kHz)の発振信号を出力する。クロック出力/カレンダ機能部は、水晶発振子からの発振信号に基づいてクロック信号を出力する機能を備える。また、クロック出力/カレンダ機能部は、水晶発振子からの発振信号に基づいて日時や時刻を計時する機能を備える。 【0044】 シフトレジスタは、クロック出力/カレンダ機能部が計時する日付や時刻をシリアルデータに変換してバス/インタフェース回路に出力する機能を備える。バス/インタフェース回路は、シフトレジスタからの入力に基づいて、現在の日付信号や時刻信号(DATA)をシリアルデータとして出力する機能を備える。また、バス/インタフェース回路は、クロック出力/カレンダ機能部の出力に基づいてクロック信号(CLK)を出力する機能を備える。 【0045】 出力制御部は、水晶発振子からの発振信号に基づいて、あらかじめ設定された周波数のクロック信号(FOUT)を出力する機能を備える。たとえば、出力制御部は、周波数設定レジスタを備え、外部入力(FCオン)に基づいて周波数設定レジスタにあらかじめ周波数を設定する。そして、出力制御部は、周波数設定レジスタに設定された設定周波数に基づいてクロック信号(FOUT)を出力する。 【0046】 割込制御部は、タイマレジスタに設定された設定値(定周期割込時刻)に基づいて、所定周期毎に割込信号(TIRQ)を出力する機能を備える。また、割込制御部は、アラームレジスタに設定された設定値(アラーム時刻)に基づいて、所定の時刻にアラームとしての割込信号(AIRQ)を出力する機能を備える。 【0047】 また、RTC97は、2つのイネーブル信号(CE0,CE1)の入力がともにハイレベルとなったときに、外部からのアクセスが可能となる。たとえば、RTC97の各レジスタの設定値をセットしたり、RTC97が計時する時刻を外部から調整したりする場合には、2つのイネーブル信号(CE0,CE1)の入力がともにハイレベルとされアクセス許可状態とされて、外部からコマンドが入力される。 【0048】 [RTCの格納領域] RTC97は、計時した時刻を所定の日時情報の形式で時刻格納領域に記憶し、単位更新時間毎に時刻格納領域の日時情報を書き替える。具体的には、RTC97は、水晶発振子からの発振信号に基づいて1秒を単位更新時間として生成し、1秒毎に日時情報の更新を行う。さらに、RTC97は、「年」、「月」、「日」、「時」、「分」、「秒」などの日時情報を有し、各日時情報には、時刻格納領域の8ビットずつが割り当てられ、それぞれの形式で記憶されている。 【0049】 たとえば、図5に示すように、秒(SEC)を表す格納領域として、RTC97の時刻格納領域(レジスタテーブル)に、ビット0?ビット7が設けられている。ビット0が1s分を表し、ビット1が2s分を表し、ビット2が4s分を表し、ビット3が8s分を表す。さらに、ビット4が10s分を表し、ビット5が20s分を表し、ビット6が40s分を表す。なお、ビット7は、常に“0”が読み出される。 【0050】 このような時刻格納領域において、たとえば、59sを表すには、ビット6とビット4とに“1”を格納する(ビット5には“0”を格納する)ことにより、50sを表し、ビット3とビット1とに“1”を格納する(ビット2とビット0には“0”を格納する)ことにより、9sを表す。 【0051】 分(MIN)を表す格納領域として、RTC97の時刻格納領域(レジスタテーブル)に、ビット0?ビット7が設けられている。そして、ビット0が1m分を表し、ビット1が2m分を表し、ビット2が4m分を表し、ビット3が8m分を表す。さらに、ビット4が10m分を表し、ビット5が20m分を表し、ビット6が40m分を表す。なお、ビット7は、常に“0”が読み出される。 【0052】 時(HOUR)を表す格納領域として、RTC97の時刻格納領域(レジスタテーブル)に、ビット0?ビット7が設けられている。ビット0が1h分を表し、ビット1が2h分を表し、ビット2が4h分を表し、ビット3が8h分を表すようになっている。さらに、ビット4が10h分を表し、ビット5が20h分を表すようになっている。また、ビット6およびビット7は、常に“0”が読み出される。 【0053】 曜日(WEEK)を表す格納領域として、RTC97の時刻格納領域(レジスタテーブル)に、ビット0?ビット7が設けられている。ビット0が月曜日を表し、ビット1が火曜日を表し、ビット2が水曜日を表し、ビット3が木曜日を表す。さらに、ビット4が金曜日を表し、ビット5が土曜日を表し、ビット6が日曜日を表す。なお、ビット7は、常に“0”が読み出される。 【0054】 日(DAY)を表す格納領域として、RTC97の時刻格納領域(レジスタテーブル)に、ビット0?ビット5が設けられている。ビット0が1日分を表し、ビット1が2日分を表し、ビット2が4日分を表し、ビット3が8日分を表す。さらに、ビット4が10日分を表し、ビット5が20日分を表す。なお、ビット6およびビット7は、常に“0”が読み出される。 【0055】 月(MONTH)を表す格納領域として、RTC97の時刻格納領域(レジスタテーブル)に、ビット0?ビット4が設けられている。ビット0が1月分を表し、ビット1が2月分を表し、ビット2が4月分を表し、ビット3が8月分を表す。さらに、ビット4が10月分を表す。なお、ビット5およびビット6およびビット7は、常に“0”が読み出される。 【0056】 年(YEAR)を表す格納領域として、RTC97の時刻格納領域(レジスタテーブル)に、ビット0?ビット7が設けられている。ビット0が1年分を表し、ビット1が2年分を表し、ビット2が4年分を表し、ビット3が8年分を表す。さらに、ビット4が10年分を表し、ビット5が20年分を表し、ビット6が40年分を表し、ビット7が80年分を表す。 【0057】 [設定値] 本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率(賭数設定に用いたメダルの総数と、入賞によって払い出されたメダルの総数との比率)が変わる。詳しくは、内部抽選などにおいて設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わる。設定値は1?6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち払出率の点からでは、設定値として6が設定されているときが遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。 【0058】 設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をオン状態としてからスロットマシン1の電源をオンする必要がある。設定キースイッチ37をオン状態として電源をオンすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。設定キースイッチ37がオフされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM41cに格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。 【0059】 なお、「電源オン」+「設定キーオン」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。さらに、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キーがオフ操作)が成立するまで前面扉1bの開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉1bが閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。 【0060】 設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をオン状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をオン状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をオフ状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰する。 【0061】 なお、「設定キーオン」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉1bが開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。さらに、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キーがオフ操作)が成立するまで前面扉1bの開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉1bが閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。 【0062】 [入賞役、移行出目] 図6および図7に示すように、名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せを示している。払出枚数欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与)を示している。また、図7の遊技状態欄には、入賞時に移行される遊技状態を示している。また、「/」は、「または」を示している。たとえば、図7の転落リプレイについて、図柄の組合せは、「ベル‐リプレイ‐ベル」となり、入賞時にはRT1に制御され、付与される価値は再遊技である。 【0063】 図8に示すように、移行出目は、左ベル1?4、中ベル1?4、右ベル1?4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0,2,3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。 【0064】 [遊技状態] 図9および図10に示すように、リプレイが所定の当選確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0?3のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかのRTに制御される(図9の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図10の上図の開始条件・終了条件欄の参照)。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図10の下図の丸印が抽選されるリプレイを示す)。 【0065】 [抽選対象役] 図11および図12に示すように、抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。たとえば、ベルは、RT?RT3いずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。 【0066】 図13に示すように、たとえば、弱チェリーは、下段チェリーである。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。 【0067】 [リール制御] 図14および図15に示すように、当選した抽選対象役毎に、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せが入賞ラインLNに停止させるリール制御が行われる。たとえば、リプレイGR1が当選したときにおいて、押し順が左中右であるときは、昇格リプレイ1が導出されて、押し順が左中右以外であるときは通常リプレイが導出される。また、たとえば、左ベルが当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが導出されて、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルまたは移行出目が導出される。 【0068】 スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L,2C,2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L,2C,2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。 【0069】 [ゲーム制御処理] メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると乱数抽選により入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(図11?図13など参照)が行われる。 【0070】 内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L,2C,2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(図14、図15など参照)。 【0071】 リール2L,2C,2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(図6?図8など参照)が行われる。入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算が行われる。払い出し処理が終了するとゲーム終了時処理が行われる。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。 【0072】 [コマンド] メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じたゲームの進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。 【0073】 たとえば、メイン制御部41は、設定変更を行ったときには、設定変更されたことを示す設定変更コマンドをサブ制御部91に送信する。メイン制御部41は、抽選対象役に当選したときには、当選した旨を示す当選コマンドをサブ制御部91に送信する。メイン制御部41は、スロットマシン1への電力供給が切断された後、電力供給が再開されたときには、制御状態が復帰した旨を示す復帰コマンドをサブ制御部91に送信する。なお、スロットマシン1への電力供給が切断されることを「電断」とも称し、スロットマシン1への電力供給が再開されることを「復電」とも称する。また、電断が発生した日時(日付および時刻)を「電断日時」とも称し、復電した日時(日付および時刻)を「復電日時」とも称する。 【0074】 [AT] サブ制御部91は、たとえば、所定のAT抽選契機が成立したときにアシストタイム(以下、ATという)に制御するか否かを抽選するAT抽選を行う。本実施の形態においては、非AT中の消化ゲーム数が100ゲームに到達することによってAT抽選契機が成立し、AT抽選が実行される。AT抽選でATに制御すると決定されたときにはAT当選となる。サブ制御部91は、AT当選したときに、所定のAT当選報知契機が成立するとAT当選を遊技者に対して報知するAT報知を行う。AT報知を行った後、サブ制御部91は、ATに制御する。 【0075】 AT抽選契機が成立する条件となる消化ゲーム数は、液晶表示器51の画面上に表示される。たとえば、前回のAT抽選から1ゲーム目を消化したときには、液晶表示器51の画面上に「1」と表示され、その後、2ゲーム目を消化したときには、液晶表示器51の画面上に「2」と表示される。100ゲーム目を消化して、液晶表示器51の画面上の表示が「100」に到達するとAT抽選契機が成立し、AT抽選が実行される。このため、遊技者は、液晶表示器51の画面上の消化ゲーム数に注目し、表示が「100」に到達することを期待する。 【0076】 AT抽選では、ナビストックを付与するか否か、および付与する場合にはナビストック数が決定される。付与されているナビストック数に応じてATに制御される。1ナビストックは、たとえば50ゲーム消化するまでATに制御可能となる。AT報知では、AT当選したこと、または、AT当選したことにより付与されるナビストックを報知する。 【0077】 AT中においては、内部抽選によりたとえば図14、図15に示す所定の抽選対象役に当選したときに送信される当選コマンド受信時に、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出が実行される。このため、ATに制御されることにより、遊技者は有利となる。有利な図柄組合せとは、たとえば、リプレイGR1?6当選時には昇格リプレイをいい、リプレイGR11?13当選時には通常リプレイをいい、リプレイGR21?23当選時には特殊リプレイをいい、左ベル1?右ベル4当選時には右下がりベルまたは中段ベルをいう。 【0078】 [タイマ割込処理(サブ)] 次に、サブ制御部91(CPU91c)が内部クロックのカウント値に基づいて1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)について説明する。 【0079】 図16に示すように、タイマ割込処理(サブ)において、サブ制御部91は、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sp1)。サブ制御部91は、停電判定処理を行う(Sp2)。サブ制御部91は、停電判定処理において、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。 【0080】 サブ制御部91は、電断フラグが設定されているか否かを判定する(Sp3)。サブ制御部91は、電断フラグが設定されていた場合には(Sp3でY)、電断処理(サブ)に移行する。 【0081】 サブ制御部91は、電断フラグが設定されていない場合には(Sp3でN)、コマンド解析処理を実行する(Sp4)。サブ制御部91は、コマンド解析処理において、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。サブ制御部91は、取得したコマンドに応じた処理を実行する。 【0082】 サブ制御部91は、演出効果LED52(図4参照)やリールLED55(図4参照)などの各種LEDの駆動を制御するLED出力処理を実行する(Sp5)。 【0083】 サブ制御部91は、演出用スイッチ(図示は省略)の操作を検出するスイッチ検出処理を実行する(Sp6)。サブ制御部91は、液晶表示器51での画像表示により演出用スイッチの操作(たとえば、50回連打しろ!など)を促し、演出用スイッチが操作されたときに、これに対応する演出画像を表示する。 【0084】 サブ制御部91は、RTC97から取得した時刻をRAM91cに設けられた更新時刻記憶領域に記憶させる日時制御処理を実行する(Sp7)。日時制御処理を行うことによって、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域に記憶している日時情報を、100ms毎に単位日時情報(「年」、「月」、「日」、「曜日」、「時」、「分」、「秒」)毎に更新していく。RAM91cでの記憶形式はRTC97の時刻格納領域(図5参照)での記憶形式と同様であり、単位更新時間に8ビットずつを割り当てて記憶している。 【0085】 サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報に基づいて所定時刻になったことを識別したときに一斉演出を実行する演出実行処理を実行する(Sp8)。一斉演出は所定時刻になると実行されるので、一斉演出が実行されると同一機種のスロットマシン1が複数設置されている遊技場では各スロットマシン1が同時に同一態様の演出の実行を開始する。 【0086】 サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域の日時情報が正常か否かを判定する日時情報異常判定処理を実行する(Sp9)。 【0087】 サブ制御部91は、たとえば、ドア開放エラー、払い出しエラー、投入エラー、エンプティエラー、RAM異常エラーなど、なんらかのエラーが発生したときに、その旨を報知するエラー報知処理を実行する(Sp10)。特に本実施の形態においては、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報が異常である場合にエラー報知処理が実行される。また、電断日時と復電日時とが同じである場合、および復電日時よりも電断日時の方が前である場合においてもエラー報知処理が実行される。その後、サブ制御部91は、本ルーチンを終了する。 【0088】 [日時制御処理] 次に、タイマ割込処理(サブ)内で実行される日時制御処理について説明する。 【0089】 図17および図18に示すように、サブ制御部91は、単位日時情報「秒」に対応する秒情報を更新することを示す秒情報更新フラグがオンか否かを判定する(Sa1)。サブ制御部91は、秒情報更新フラグがオンの場合には(Sa1でY)、RTC97の日時情報に基づいてRAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報のうち秒情報を更新する(Sa2)。 【0090】 次に、サブ制御部91は、秒情報更新フラグをオフにし(Sa3)、単位日時情報「分」に対応する分情報を更新することを示す分情報更新フラグをオンにする(Sa4)。 【0091】 サブ制御部91は、秒情報更新フラグがオフの場合(Sa1でN)またはSa4の処理が終了した場合には、分情報更新フラグがオンか否かを判定する(Sa5)。サブ制御部91は、分情報更新フラグがオンの場合には(Sa5でY)、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示しているか否かを判定する(Sa6)。サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示していない場合には(Sa6でN)、RTC97の日時情報に基づいてRAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報のうち分情報を更新する(Sa7)。 【0092】 次に、サブ制御部91は、分情報更新フラグをオフにし(Sa8)、単位日時情報「時」に対応する時間情報を更新することを示す時間情報更新フラグをオンにする(Sa9)。また、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示している場合にも(Sa6でY)、分情報更新フラグをオフにし(Sa8)、時間情報更新フラグをオンにする(Sa9)。 【0093】 サブ制御部91は、分情報更新フラグがオフの場合(Sa5でN)またはSa9の処理が終了した場合には、時間情報更新フラグがオンか否かを判定する(Sa10)。サブ制御部91は、時間情報更新フラグがオンの場合には(Sa10でY)、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示しているか否かを判定する(Sa11)。サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示していない場合には(Sa11でN)、RTC97の日時情報に基づいてRAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報のうち時間情報を更新する(Sa12)。 【0094】 次に、サブ制御部91は、時間情報更新フラグをオフにし(Sa13)、単位日時情報「曜日」に対応する曜日情報を更新することを示す曜日情報更新フラグをオンにする(Sa14)。また、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示している場合にも(Sa11でY)、時間情報更新フラグをオフにし(Sa13)、曜日情報更新フラグをオンにする(Sa14)。 【0095】 サブ制御部91は、時間情報更新フラグがオフの場合(Sa10でN)またはSa14の処理が終了した場合には、曜日情報更新フラグがオンか否かを判定する(Sa15)。サブ制御部91は、曜日情報更新フラグがオンの場合には(Sa15でY)、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示しているか否かを判定する(Sa16)。サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示していない場合には(Sa16でN)、RTC97の日時情報に基づいてRAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報のうち時間情報を更新する(Sa17)。 【0096】 次に、サブ制御部91は、曜日情報更新フラグをオフにし(Sa18)、単位日時情報「日」に対応する日付情報を更新することを示す日付情報更新フラグをオンにする(Sa19)。また、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示している場合にも(Sa16でY)、曜日情報更新フラグをオフにし(Sa18)、日付情報更新フラグをオンにする(Sa19)。 【0097】 サブ制御部91は、曜日情報更新フラグがオフの場合(Sa15でN)またはSa19の処理が終了した場合には、日付情報更新フラグがオンか否かを判定する(Sa20)。サブ制御部91は、日付情報更新フラグがオンの場合には(Sa20でY)、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示しているか否かを判定する(Sa21)。サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示していない場合には(Sa21でN)、RTC97の日時情報に基づいてRAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報のうち日付情報を更新する(Sa22)。 【0098】 次に、サブ制御部91は、日付情報更新フラグをオフにし(Sa23)、単位日時情報「月」に対応する月情報を更新することを示す月情報更新フラグをオンにする(Sa24)。また、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示している場合にも(Sa21でY)、日付情報更新フラグをオフにし(Sa23)、月情報更新フラグをオンにする(Sa24)。 【0099】 サブ制御部91は、日付情報更新フラグがオフの場合(Sa20でN)またはSa24の処理が終了した場合には、月情報更新フラグがオンか否かを判定する(Sa25)。サブ制御部91は、月情報更新フラグがオンの場合(Sa25でY)には、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示しているか否かを判定する(Sa26)。サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示していない場合には(Sa26でN)、RTC97の日時情報に基づいてRAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報のうち月情報を更新する(Sa27)。 【0100】 次に、サブ制御部91は、月情報更新フラグをオフにし(Sa28)、単位日時情報「年」に対応する年情報を更新することを示す年情報更新フラグをオンにする(Sa29)。また、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示している場合にも(Sa26でY)、月情報更新フラグをオフにし(Sa28)、年情報更新フラグをオンにする(Sa29)。 【0101】 サブ制御部91は、月情報更新フラグがオフの場合(Sa25でN)またはSa29の処理が終了した場合には、年情報更新フラグがオンか否かを判定する(Sa30)。サブ制御部91は、年情報更新フラグがオンの場合には(Sa30でY)、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示しているか否かを判定する(Sa31)。サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示していない場合には(Sa31でN)、RTC97の日時情報に基づいてRAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報のうち年情報を更新する(Sa32)。 【0102】 次に、サブ制御部91は、年情報更新フラグをオフにし(Sa33)、秒情報更新フラグをオンにする(Sa34)。また、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域における秒情報が59秒を示している場合にも(Sa31でY)、年情報更新フラグをオフにし(Sa33)、秒情報更新フラグをオンにする(Sa34)。 【0103】 なお、本実施の形態では100ms毎に各単位日時情報を順次更新していくが、タイマ割込み処理(サブ)は1.12ms毎に実行されるため、各単位日時情報の更新をタイマ割込み毎に行うと100ms毎の更新が行われない。このため、本実施形態では、タイマ割込み(サブ)が実行された回数をカウントするカウンタを設けている。そして、カウント値が100msに相当する回数(たとえば、100回)になったときに単位日時情報の更新を行うとともにカウント値をリセットしている。この後、引き続きカウントを行い、再度カウント値が100msに相当する回数になったときに次の単位日時情報の更新を行うとともにカウンタをリセットしている。この処理を繰り返すことにより、タイマ割込み毎に単位日時情報の更新が行われてしまうことを防止している。 【0104】 このように、RTC97の日時情報は、複数回の処理に分けてRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶されるため、演出制御基板90における処理落ちなどの不具合の発生を低減することができる。 【0105】 単位時間情報毎にRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶されている日時情報が更新される。たとえば、RTC97が演出制御基板90の外部に取り付けられ、かつシリアル通信によってサブ制御部91がRTC97から出力された日時情報を取得する場合、サブ制御部91が日時情報を取得できるまで時間が掛かることがある。この点、本実施の形態においては、無作為ではなく、所定周期ごとにRTC97が出力した日時情報を記憶することができるため、日時情報の管理を容易にすることができる。 【0106】 100ms毎にRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶されている日時情報が更新され、最小の時間情報単位である1秒間のうちに全ての単位の日時情報が更新される。このため、RAM91cに記憶されている日時情報が示す時刻と実際の時刻との間に大きな齟齬が生じることを防止することができる。 【0107】 秒情報が59秒になったときにRAM91cの日時情報の更新が制限されるため、誤った日時情報が記憶されてしまうことを防止することができる。 【0108】 [電断処理(サブ)] 図19を参照しながら、サブ制御部91がタイマ割込処理(サブ)において実行する電断処理(サブ)について説明する。 【0109】 サブ制御部91は、電断時(すなわち現在)の日時情報をRAM91cの更新時刻記憶領域から取得して、更新時刻記憶領域とは別の一時記憶領域に格納して保持する(Sd1)。なお、保持された電断時の日時情報は、後述する初期化判定処理で参照される。 【0110】 サブ制御部91は、次回起動時にRAM91cが正常か否かを判定可能とするため、RAM91cの全ての格納領域のRAMパリティが0となるようにパリティ調整用データを計算してRAM91cの所定領域に格納する(Sd2)。 【0111】 サブ制御部91は、RAMアクセスを禁止し(Sd3)、割込禁止を設定する(Sd4)。その後、サブ制御部91は、何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。これにより、電断時にサブ制御部91の動作が停止する。 【0112】 [起動処理(サブ)] 図20を参照しながら、リセット回路95からリセット信号が入力されたときにサブ制御部91が実行する起動処理について説明する。 【0113】 なお、リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動する。このため、電源投入時には、メイン制御部41が起動するよりも先にサブ制御部91が起動し、メイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態で待機できる。 【0114】 図20に示すように、サブ制御部91は、内蔵デバイスなどを初期化し(Sr1)、RAM91cへのアクセスを許可する(Sr2)。サブ制御部91は、RAM91cの全ての格納領域のRAMパリティを計算し(Sr3)、RAMパリティが0であるか否かを判定する(Sr4)。 【0115】 電断処理において、予めRAMパリティが0となるように調整されているため、サブ制御部91は、RAMパリティが0であれば(Sr4でY)、RAM91cに格納されているデータが正常であると判定し、RAMパリティが0でなければ(Sr4でN)、RAM91cに格納されているデータが異常であると判定する。 【0116】 サブ制御部91は、RAMパリティが0でない場合(Sr4でN)、RAM異常が発生した旨を示すエラーフラグをオンする(Sr5)。 【0117】 一方、サブ制御部91は、RAMパリティが0である場合(Sr4でY)、設定変更されたか否か、電断日時と複電日時とに基づき所定の初期化条件が成立するか否か、および電断日時と複電日時とに基づき所定の異常条件が成立するか否かを判定する初期化判定処理を実行する(Sr6)。 【0118】 サブ制御部91は、初期化判定処理において、設定変更されたことを示す初期化フラグ1がオンされたか否かを判定する(Sr7)。サブ制御部91は、初期化フラグ1がオンされた場合(Sr7でY)、RAM91cに記憶されたエラー履歴情報以外の情報を初期化する(Sr8)。 【0119】 ここで、エラー履歴情報以外の情報には、AT抽選契機が成立する条件となる消化ゲーム数の計数情報が含まれる。このため、設定変更されたときには、消化ゲーム数の計数が「0」に初期化される。すなわち、再度1ゲーム目から消化ゲーム数が計数されるため、AT抽選契機が成立するまで100ゲーム消化しなければならない。また、エラー履歴情報以外の情報には、消化ゲーム数の報知情報も含まれる。このため、設定変更されたときには、消化ゲーム数の報知も初期化される。すなわち、液晶表示器51の画面上のゲーム数の表示が「0」になる。 【0120】 一方、サブ制御部91は、初期化フラグ1がオンされていない場合(Sr7でN)、初期化条件が成立したことを示す初期化フラグ2がオンされたか否かを判定する(Sr9)。サブ制御部91は、初期化フラグ2がオンされた場合(Sr9でY)、RAM91cに記憶されたAT抽選契機が成立する条件となる消化ゲーム数の計数情報以外の情報を初期化する(Sr10)。 【0121】 ここで、消化ゲーム数の計数情報以外の情報には、消化ゲーム数の報知情報が含まれる。このため、電断日時と複電日時とに基づき初期化条件が成立したときには、消化ゲーム数の報知が初期化される。すなわち、液晶表示器51の画面上のゲーム数の表示が「0」になる。なお、この場合、消化ゲーム数の計数は初期化されずに継続しているため、消化ゲーム数の計数と、消化ゲーム数の報知内容との間には誤差が生じることになる。たとえば、消化ゲーム数の計数が「99」であり、かつ消化ゲーム数の報知も「99」である場合において、消化ゲーム数の報知情報が初期化されたときには、消化ゲーム数の計数は「99」のままであるのに対して、消化ゲーム数の報知は「0」になる。 【0122】 また、消化ゲーム数の計数情報以外の情報には、エラー履歴情報が含まれる。このため、電断日時と複電日時とに基づき初期化条件が成立したときには、エラー履歴情報が初期化される。 【0123】 一方、サブ制御部91は、初期化フラグ2がオンされていない場合(Sr9でN)、正常に電断復帰したことを示す正常電断復帰フラグをオンする(Sr11)。 【0124】 サブ制御部91は、Sr5、Sr8、Sr10、およびSr11のうちのいずれかの処理が終了した場合には、メイン制御部41の制御状態が復帰した旨を示す復帰コマンドの受信待ちである旨を示す復旧待ちフラグをRAM91cに設定して(Sr12)、割込を許可し(Sr13)、ループ処理に移行する。 【0125】 [初期化判定処理] 図21を参照しながら、サブ制御部91が起動処理(サブ)において実行する初期化判定処理について説明する。 【0126】 サブ制御部91は、メイン制御部41から設定変更コマンドを受信したか否かに基づき、設定変更された否かを判定する(St1)。サブ制御部91は、設定変更された場合(St1でY)、初期化フラグ1をオンし(St2)、本ルーチンを終了する。 【0127】 一方、サブ制御部91は、設定変更されなかった場合(St1でN)、復電時(すなわち現在)の日時情報をRAM91cの更新時刻記憶領域から取得する(St3)。なお、電断中はタイマ割込処理における日時制御処理が実行されないため、復電直後に更新時刻記憶領域に格納された日時情報は、電断時の日時情報とほぼ同じになる。このため、St3において、サブ制御部91は、復電後に少なくとも1回以上の日時制御処理が実行された後に、復電時(すなわち現在)の日時情報をRAM91cの更新時刻記憶領域から取得する。 【0128】 次に、サブ制御部91は、電断時に保持していた電断時の日時情報をRAM91cの一時記憶領域から取得する(St4)。以下の処理において、サブ制御部91は、取得した復電時の日時情報から特定した復電日時と、保持していた電断時の日時情報から特定した電断日時とを比較して、初期化条件が成立するか否か、および異常条件が成立するか否かを判定する。 【0129】 ここで、図22を参照しながら、初期化条件および異常条件について説明する。 図22(a)に示すように、本実施の形態においては、初期化条件1?4といった4種類の初期化条件が設定されている。サブ制御部91は、初期化条件1?4のうちのいずれかが成立するか否かを判定することにより、4時間以上の電断が発生した後に復電したか否かを判定する。具体的には、初期化条件1?4のいずれかが成立すれば、4時間以上の電断が発生した後に復電したことになる。一方、初期化条件1?4のいずれも成立しなければ、4時間未満の電断が発生した後に復電したことになる。このように、4時間以上の電断が発生した後に復電したか否かを判定することによって、開店中の停電復帰などのように瞬断後に復電したのか、あるいは、閉店中の電断などのように長期間の電断後に復電したのかを見極めることができる。 【0130】 また、初期化条件1は、日時情報のうちの日付情報のみに基づき成立有無が判定可能であるのに対して、初期化条件2?4は、日付情報のみに基づき成立有無が判定不可能である。このため、初期化条件2?4は、日付情報に加えて時刻情報も用いて成立有無が判定される。サブ制御部91は、まず初期化条件1についての成立有無を判定し、初期化条件1が成立しなかったときには、初期化条件2?4についての成立有無を判定する。これにより、初期化条件1のみで判定できるときには、時刻情報を用いることなく日付情報のみに基づいて、4時間以上の電断が発生した後に復電したことを特定することができる。 【0131】 初期化条件1は、「復電日-電断日≧2日」であることを条件に成立する。たとえば、電断日が11月15日であり、復電日が11月17日であれば、「復電日-電断日≧2日」が成立する。この場合、電断から4時間以上経過した後に復電したといえる。一方、電断日が11月15日であり、復電日が11月16日であれば、「復電日-電断日≧2日」が成立しない。この場合、電断から4時間以上経過した後に復電したとは必ずしもいえないため、初期化条件1は不成立となる。 【0132】 初期化条件2は、「復電日-電断日=1日」、かつ「復電時刻がAM4:00以降」であることを条件に成立する。たとえば、電断日時が11月16日のPM11:00であり、復電日時が11月17日のAM9:00であれば、「復電日-電断日=1日」、かつ「復電時刻がAM4:00以降」が成立する。この場合、電断から4時間以上経過した後に復電したといえる。一方、電断日時が11月16日のPM11:00であり、復電日時が11月17日のAM2:00であれば、「復電日-電断日=1日」が成立するが、「復電時刻がAM4:00以降」が成立しない。この場合、電断から4時間以上経過した後に復電したとはいえないため、初期化条件2は不成立となる。 【0133】 初期化条件3は、「復電日-電断日=1日」、かつ「電断から復電まで4時間以上経過」であることを条件に成立する。たとえば、電断日時が11月16日のPM10:00であり、復電日時が11月17日のAM3:00であれば、「復電日-電断日=1日」、かつ「電断から復電まで4時間以上経過」が成立する。この場合、電断から4時間以上経過した後に復電したといえる。一方、電断日時が11月16日のPM11:00であり、復電日時が11月17日のAM2:00であれば、「復電日-電断日=1日」が成立するが、「電断から復電まで4時間以上経過」が成立しない。この場合、電断から4時間以上経過した後に復電したとはいえないため、初期化条件3は不成立となる。 【0134】 初期化条件4は、「復電日=電断日」、かつ「復電時刻-電断時刻≧4時間」であることを条件に成立する。たとえば、電断日時が11月16日のPM7:00であり、復電日時が11月16日のPM11:00であれば、「復電日=電断日」、かつ「復電時刻-電断時刻≧4時間」が成立する。この場合、電断から4時間以上経過した後に復電したといえる。一方、電断日時が11月16日のPM7:00であり、復電日時が11月16日のPM8:00であれば、「復電日=電断日」が成立するが、「復電時刻-電断時刻≧4時間」が成立しない。この場合、電断から4時間以上経過した後に復電したとはいえないため、初期化条件4は不成立となる。 【0135】 図22(b)に示すように、本実施の形態においては、異常条件1,2といった2種類の異常条件が設定されている。サブ制御部91は、異常条件1,2のうちのいずれかが成立するか否かを判定することにより、RTC97の故障などによるRTC97からサブ制御部91に対して出力された日時情報の誤りや、RAM91cの異常などによる更新時刻記憶領域に記憶された日時情報の誤りを特定する。具体的には、異常条件1,2のうちのいずれかが成立すれば、RTC故障やRAM異常などが発生していることになる。一方、異常条件1,2のうちのいずれも成立しなければ、RTC故障やRAM異常などが発生していないことになる。これにより、RTC故障やRAM異常などの発生を見極めることができる。 【0136】 異常条件1は、「復電日時=電断日時」であることを条件に成立する。たとえば、電断日時が11月16日のPM7:00であり、復電日時も11月16日のPM7:00であれば、「復電日時=電断日時」が成立する。復電日時と電断日時とが全く同じ日時になることはあり得ないため、この場合、RTC故障やRAM異常などが発生している可能性が高い。 【0137】 異常条件2は、「復電日時<電断日時」であることを条件に成立する。たとえば、電断日時が11月16日のPM7:00であり、復電日時が11月16日のPM6:00であれば、「復電日時<電断日時」が成立する。電断日時よりも復電日時の方が前になることはあり得ないため、この場合、RTC故障やRAM異常などが発生している可能性が高い。 【0138】 図21の初期化判定処理の説明に戻り、St4の処理の後、サブ制御部91は、「復電日時=電断日時」で異常条件1が成立するか否かを判定する(St5)。サブ制御部91は、異常条件1が成立する場合(St5でY)、異常が発生した旨を示すエラーフラグをオンし(St6)、本ルーチンを終了する。 【0139】 一方、サブ制御部91は、異常条件1が成立しない場合(St5でN)、「復電日時<電断日時」で異常条件2が成立するか否かを判定する(St7)。サブ制御部91は、異常条件2が成立する場合(St7でY)、異常が発生した旨を示すエラーフラグをオンし(St6)、本ルーチンを終了する。 【0140】 一方、サブ制御部91は、異常条件2が成立しない場合(St7でN)、「復電日-電断日≧2日」で初期化条件1が成立するか否かを判定する(St8)。サブ制御部91は、初期化条件1が成立する場合(St8でY)、初期化フラグ2をオンし(St9)、本ルーチンを終了する。 【0141】 一方、サブ制御部91は、初期化条件1が成立しない場合(St8でN)、「復電日-電断日=1日」であるか否かを判定する(St10)。サブ制御部91は、「復電日-電断日=1日」である場合(St10でY)、「復電時刻がAM4:00以降」で初期化条件2が成立するか否かを判定する(St11)。サブ制御部91は、初期化条件2が成立する場合(St11でY)、初期化フラグ2をオンし(St9)、本ルーチンを終了する。 【0142】 一方、サブ制御部91は、初期化条件2が成立しない場合(St11でN)、「電断から復電まで4時間以上経過」で初期化条件3が成立するか否かを判定する(St12)。サブ制御部91は、初期化条件3が成立する場合(St12でY)、初期化フラグ2をオンし(St9)、本ルーチンを終了する。 【0143】 一方、サブ制御部91は、初期化条件3が成立しない場合(St12でN)、初期化フラグ2をオンすることなく、本ルーチンを終了する。 【0144】 St10の処理において、サブ制御部91は、「復電日-電断日=1日」でない場合(St10でN)、「復電日=電断日」であるため、「復電時刻-電断時刻≧4時間」で初期化条件4が成立するか否かを判定する(St13)。サブ制御部91は、初期化条件4が成立する場合(St13でY)、初期化フラグ2をオンし(St9)、本ルーチンを終了する。 【0145】 一方、サブ制御部91は、初期化条件4が成立しない場合(St13でN)、初期化フラグ2をオンすることなく、本ルーチンを終了する。 【0146】 以上のように、サブ制御部91は、初期化判定処理において、設定変更されたときには初期化フラグ1をオンし、起動処理において、RAM91cに記憶されたエラー履歴情報以外の情報を初期化する。また、サブ制御部91は、初期化判定処理において、4時間以上の電断が発生した後に復電したことによりいずれかの初期化条件が成立したときには初期化フラグ2をオンし、起動処理において、RAM91cに記憶された消化ゲーム数の計数情報以外の情報を初期化する。さらに、RTC97の故障やRAM91cの異常などが発生したことによりいずれかの異常条件が成立したときにはエラーフラグをオンし、後述するエラー報知処理において、エラー報知する。 【0147】 このように、初期化判定処理においては、まず、日時情報のうちの日付情報のみに基づき成立有無が判定可能である初期化条件1の成立有無が判定され、初期化条件1が成立しないときに、日付情報に加えて時刻情報に基づき初期化条件2?4の成立有無が判定される。このため、日付情報に基づき判定結果が出るときには、時刻情報に基づく判定を省略することができるため、日時情報を用いた判定が煩雑になることを防止するともに判定に掛かる処理負荷を軽減することができる。 【0148】 日付情報のみに基づく初期化条件1の判定の結果、「復電日-電断日=1日」である場合には、初期化条件2および初期化条件3の成立有無が判定され、「復電日=電断日」である場合には、初期化条件4の成立有無が判定される。このように、日付情報に基づく判定において初期化条件1が成立しない理由に応じて、時刻情報に基づく判定基準を適切に選択することができるため、日時情報を用いた判定を効率良くすることができる。 【0149】 設定変更されて初期化フラグ1がオンされたときには、エラー履歴情報が初期化されないのに対して、設定変更されずに初期化条件が成立して初期化フラグ2がオンされたときには、エラー履歴情報が初期化される。このため、日時情報に基づき初期化条件が成立するまで、エラー履歴情報を初期化することなく保持することができ、エラー履歴情報によって異常の発生有無を確認することができる。 【0150】 復電日時と電断日時とに基づき異常条件が成立したときには、初期化条件の成立有無を判定することなく、エラー報知が行われる。このように、初期化条件の成立有無の判定において異常が発生しているときには初期化条件が成立しない。言い換えると、初期化条件の成立有無の判定において異常が発生しているときにはエラー履歴情報の初期化が禁止される。このため、日時情報を用いた判定において、誤った判定結果によってエラー履歴情報が初期化されてしまうことを防止することができる。 【0151】 また、本実施の形態においては、初期化条件を店員などの操作によって適宜変更することもできる。具体的には、設定確認状態に移行したときに、液晶表示器51の画面上に初期化条件の設定画像が表示される。たとえば、店員は、ストップスイッチを操作することによって初期化条件が成立する電断時間を選択することができ、スタートスイッチ7を操作することによって選択した電断時間を確定することができる。 【0152】 たとえば、営業時間がAM10:00?PM:11:00であれば、閉店時間は13時間である。このため、店員の準備時間などを考慮すると、通常、閉店中におおよそ12時間以上の電断が生じる。よって、店員の操作によって初期化条件が成立する電断時間を「4時間」から「12時間」に変更してもよい。たとえばこの場合、初期化条件4は、「復電日=電断日」、かつ「復電時刻-電断時刻≧12時間」となる。また別の観点からすると、停電などの瞬断が生じたときに、通常、2時間あれば復電できる場合、初期化条件が成立する電断時間を「4時間」から「2時間」に変更してもよい。このように、営業時間などを考慮して、初期化条件が成立する電断時間を店員などに設定させることができる。 【0153】 [ゲーム数の報知態様の変化] 図23を参照しながら、ゲーム数の報知態様の変化について説明する。 【0154】 本実施の形態においては、AT抽選契機が成立する条件となる消化ゲーム数が計数されるとともに、その計数結果が液晶表示器51によって報知される。たとえば、液晶表示器51の画面上における左下に、現在まで消化したゲーム数が表示される。消化ゲーム数の計数が98ゲームであるときには、液晶表示器51の画面上には「98」が表示される。その後、1ゲーム消化したときには、消化ゲーム数の計数が99ゲームに更新されるともに、液晶表示器51の画面上には「99」が表示される。 【0155】 図23(a)に示すように、電断時に設定変更されたときには、起動処理においてエラー履歴情報以外の情報が初期化される。このため、消化ゲーム数の計数情報および消化ゲーム数の報知情報の両方が初期化される。よって、復電したときには、消化ゲーム数の計数が「0」に初期化されるとともに、液晶表示器51の画面上における消化ゲーム数の報知も「0」に初期化される。その後、1ゲーム消化したときには、消化ゲーム数の計数が「1」になり、消化ゲーム数の報知は「1」になる。この場合、AT抽選契機が成立しないため、AT抽選が実行されない。 【0156】 図23(b)に示すように、電断時に設定変更されず、かつ4時間未満の電断が発生した後に復電していずれの初期化条件も成立しなかったときには、起動処理においていずれの情報も初期化されない。このため、消化ゲーム数の計数情報および消化ゲーム数の報知情報の両方が継続する。よって、復電したときには、消化ゲーム数の計数が「99」のまま維持されるとともに、液晶表示器51の画面上における消化ゲーム数の報知も「99」のまま維持される。その後、1ゲーム消化したときには、消化ゲーム数の計数が「100」になり、消化ゲーム数の報知は「100」になる。この場合、AT抽選契機が成立するため、AT抽選が実行される。 【0157】 図23(c)に示すように、電断時に設定変更されず、かつ4時間以上の電断が発生した後に復電したためいずれかの初期化条件が成立したときには、起動処理において消化ゲーム数の計数情報以外の情報が初期化される。このため、消化ゲーム数の計数情報は継続するが、消化ゲーム数の報知情報は初期化される。よって、復電したときには、消化ゲーム数の計数が「99」のまま維持されるのに対して、液晶表示器51の画面上におけるゲーム数の報知は「0」に初期化される。その後、1ゲーム消化したときには、消化ゲーム数の計数が「100」になるのに対して、ゲーム数の報知は「1」になる。この場合、遊技者からの見た目上は消化ゲーム数が「1」であるが、内部で計数されている消化ゲーム数は「100」になってAT抽選契機が成立するため、AT抽選が実行される。 【0158】 このように、開店中の停電復帰などのように、4時間未満の瞬断後に復電したときには、消化ゲーム数の計数情報および報知情報のいずれも初期化されない。よって、4時間未満の瞬断後に復電したときには、液晶表示器51の画面上における消化ゲーム数の報知態様は変化することなく電断前と同じ報知態様が継続される。このため、停電時に消化ゲーム数の報知態様が変更されてしまうことによって消化ゲーム数の計数情報も初期化されてしまったのではないかという不信感を遊技者に与えてしまうことを防止することができる。 【0159】 一方、閉店中の電断などのように4時間以上の長期間の電断後に復電したときには、消化ゲーム数の計数情報は継続されるが、消化ゲーム数の報知情報は初期化される。よって、4時間以上の電断後に復電したときには、液晶表示器51の画面上におけるゲーム数の報知態様が変化し、「0」の表示に変更される。ここで、設定変更されたときにも消化ゲーム数の報知情報が初期化されるため、復電後には液晶表示器51の画面上におけるゲーム数の報知態様が変化し、「0」の表示に変更される。つまり、設定変更されて復電したときと、設定変更されずに4時間以上の長期間の電断後に復電したときとで、消化ゲーム数の報知態様は同じになる。このため、復電時における消化ゲーム数の報知態様の変更有無によって設定変更の実行有無が遊技者に認識されてしまうことを防止することができる。 【0160】 [演出実行処理] 図24を参照しながら、サブ制御部91がタイマ割込処理(サブ)において実行する演出実行処理について説明する。 【0161】 図24に示すように、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報を識別する(Sg1)。サブ制御部91は、識別した日時情報に基づいて所定時刻であるか否かを判定する(Sg2)。サブ制御部91は、所定時刻でない場合には(Sg2でN)、本ルーチンを終了する。 【0162】 一方、サブ制御部91は、所定時刻の場合には(Sg2でY)、一斉演出を開始し(Sg3)、本ルーチンを終了する。一斉演出が実行されると、たとえば、液晶表示器51からキャラクタ画像や文字が表示される。 【0163】 このように、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報に基づいて、一斉演出が実行されるため、日時に応じて好適な制御を行うことができる。 【0164】 [日時情報異常判定処理] 図25を参照しながら、サブ制御部91がタイマ割込処理(サブ)において実行する日時情報異常判定処理について説明する。 【0165】 図25に示すように、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域に格納されている日時情報の各ビットのデータを識別する(Sb1)。サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域に格納されている日時情報の各ビットのデータが異常であるか否かを判定する(Sb2)。サブ制御部91は、異常でない場合には(Sb2でN)、本ルーチンを終了する。 【0166】 一方、サブ制御部91は、異常の場合には(Sb2でY)、異常が発生した旨を示すエラーフラグをオンし(Sb3)、本ルーチンを終了する。 【0167】 [エラー報知処理] 図26を参照しながら、サブ制御部91がタイマ割込処理(サブ)において実行するエラー報知処理について説明する。 【0168】 図26に示すように、サブ制御部91は、エラーフラグがオンされたか否かを判定する(Sc1)。たとえば、メイン制御部41が検出する異常については、メイン制御部41からのエラーコマンドを受信したときに、サブ制御部91によってエラーフラグがオンされる。また、サブ制御部91が直接検出する異常については、サブ制御部91が直接異常を検出したときにエラーフラグがオンされる。 【0169】 サブ制御部91は、エラーフラグがオンされていない場合には(Sc1でN)、本ルーチンを終了する。一方、サブ制御部91は、エラーフラグがオンされている場合には(Sc1でY)、RAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報に基づいて異常が発生した時刻を特定し、異常発生時刻をRAM91cの異常発生時刻記憶領域に記憶する(Sc2)。 【0170】 サブ制御部91は、発生した異常の報知レベルが「低」であるか否かを判定する(Sc3)。異常の報知レベルは、予めエラー毎に「高」と「低」のいずれかに振り分けられている。異常の重要度が高いものは「高」に振り分けられ、異常の重要度が低いものは「低」に振り分けられる。 【0171】 サブ制御部91は、発生した異常の報知レベルが「低」の場合には(Sc3でY)、報知レベルが「低」である異常の発生回数を異常の種類毎にカウントする異常発生カウンタのカウント値をカウントアップするとともに、異常の発生回数が3回に達したか否かを判定する(Sc4)。 【0172】 サブ制御部91は、異常の発生回数が3回に達していない場合には(Sc4でN)、本ルーチンを終了する。一方、サブ制御部91は、異常の発生回数が3回に達した場合には(Sc4でY)、エラー報知を実行し(Sc5)、本ルーチンを終了する。 【0173】 一方、サブ制御部91は、異常の報知レベルが「低」でない場合、つまり、報知レベルが「高」の場合には(Sc3でN)、エラーの発生回数に関わらずエラー報知を実行し(Sc5)、本ルーチンを終了する。 【0174】 このように、たとえば、起動処理においてRAMパリティが「0」にならないRAM異常、初期化判定処理において異常条件が成立するRTC故障やRAM異常、および日時情報異常判定処理において検出されるRAM91cに記憶されている日時情報の異常といった様々な異常が生じたときには、エラー報知処理においてエラー報知が行われる。 【0175】 このように異常の発生時にエラー報知が行われることにより、店員による適切な処理を促すことができる。たとえば、起動処理においてRAMパリティが「0」にならないRAM異常が生じた場合、店員はエラー報知によって設定変更を促され、設定変更後にはRAM91cの初期化によってRAM異常が解消される。 【0176】 また、異常が発生したときには、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報から異常発生時刻が識別して記憶される。さらに、異常の報知レベルが「低」のときには即座にエラー報知が行われるのに対して、異常の報知レベルが「低」のときには即座にエラー報知が行われず、異常発生回数が3回に達したことを条件にエラー報知が行われる。 【0177】 たとえば、起動処理においてRAMパリティが「0」にならないRAM異常の報知レベルを「高」にした場合、エラーフラグがオンされたときには、エラー報知処理で即座にエラー報知が行われる。一方、初期化判定処理において異常条件が成立するRTC故障やRAM異常の報知レベルを「低」にした場合、エラーフラグがオンされたときには、エラー報知処理で即座にエラー報知が行われずに、異常発生回数が3回に達したことを条件にエラー報知が行われる。この場合、エラー報知は即座に行われないが、異常の検出は日時情報から識別した異常発生時刻に対応付けて取りこぼすことなく記憶される。 【0178】 このように、エラー報知が行われることの煩わしさを低減しつつも、異常の検出を取りこぼすことなく記憶して確認することができる。 【0179】 [更新時刻記憶領域の情報更新の具体例] 図27を参照しながら、更新時刻記憶領域の情報更新の具体例について説明する。 【0180】 図中の「RTCの時刻」は、RTC97が出力する日時情報が示す日付および時刻を示す。「RAMの更新」は、RAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報の更新を示す。「RAMの時刻」は、RAM91cの更新時刻記憶領域が記憶している日時情報が示す日付および時刻を示す。 【0181】 図27に示すように、たとえば、RTC97の日時情報が示す日付、曜日および時刻が2014年8月1日金曜日10時59分58秒であるとする。 【0182】 サブ制御部91は、秒情報の更新タイミングとなったときに、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分58秒であることに基づいて、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち秒情報を58秒に更新する。 【0183】 次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分58秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち分情報を59分に更新する。 【0184】 次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分58秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち時間情報を10時に更新する。 【0185】 次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す曜日が金曜日であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち曜日情報を金曜日に更新する。 【0186】 ここで、RTC97の日時情報が示す時刻が2014年8月1日金曜日10時59分59秒になったとする。 【0187】 次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す日付が1日であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち日付情報を1日に更新する。 【0188】 次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す月が8月であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち月情報を8月に更新する。 【0189】 次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す年が2014年であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち年情報を2014年に更新する。 【0190】 次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分59秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち秒情報を59秒に更新する。 【0191】 次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分59秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち分情報を59分に更新する。 【0192】 次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分59秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち時間情報を10時に更新する。 【0193】 次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す曜日が金曜日であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち曜日情報を金曜日に更新する。 【0194】 次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す日付が1日であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち日付情報を1日に更新する。 【0195】 次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す月が8月であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち月情報を8月に更新する。 【0196】 次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す年が2014年であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち年情報を2014年に更新する。 【0197】 次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分59秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち秒情報を59秒に更新する。 【0198】 ここで、RTC97の日時情報が示す時刻が2014年8月1日金曜日11時00分00秒になったとする。 【0199】 ここで、本来であれば、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち分情報を00分に更新するはずである。しかし、分情報を00分に更新してしまうと、未だ時間情報が11時に更新されていないため、RTC97の日時情報が示す時刻(11時00分00秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報が示す時刻(10時00分59秒)とで、約1時間の誤差が生じてしまい、誤差が大きくなる。このため、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報が示す時刻が正確性に欠ける。よって、秒情報が59秒になったときは、RAM91cに記憶している日時情報の更新を制限し、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報が示す時刻を10時59分59秒のままにしておく。 【0200】 これにより、RTC97の日時情報が示す時刻(11時00分00秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報が示す時刻(10時59分59秒)と実際の時刻との誤差を1秒に抑えることが可能になるため、誤差を小さくしておくことができる。そして、引き続き、時間情報、曜日情報、日付情報、月情報、年情報も同様に誤差が1秒より大きくなることを防止するため、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の更新を制限する。なお、更新される時間情報単位の桁が順次繰り上がるように、秒情報から順にRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新する場合に上記のような誤差が生じるため、最小の時間情報単位から順番に日時情報を更新するように構成した場合にRAM97からの日時情報の取得の制限が有効になる。 【0201】 そして、サブ制御部91は、秒情報の更新タイミングとなったときに日時情報の更新の制限を解除し、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒であることに基づいて、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち秒情報を00秒に更新する。 【0202】 次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち分情報を00分に更新する。 【0203】 次に、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒であることに基づいて、100ms後に、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち時間情報を11時に更新する。このとき、RTC97の日時情報が示す時刻(11時00分00秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す時刻(11時00分00秒)とが一致する。 【0204】 ここで、日時情報の更新の制限を解除して秒情報を更新したときに、RTC97の日時情報が示す時刻(11時00分00秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す時刻(10時59分00秒)とで1分の誤差が生じてしまうものの、約200ms後という僅かな期間でRTC97の日時情報が示す時刻と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す時刻とが一致し、この期間に異常などが発生することも稀なので、誤差を許容している。 【0205】 また、日時情報の更新の制限を解除して分情報を更新したときに、RTC97の日時情報が示す時刻(11時00分00秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す時刻(10時00分00秒)とで1時間の誤差が生じてしまうものの、約100ms後という僅かな期間でRTC97の日時情報が示す時刻と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す時刻とが一致し、この期間に異常などが発生することも稀なので、誤差を許容している。 【0206】 その後、サブ制御部91は、上記と同様に、曜日情報、日付情報、月情報、年情報を更新する。 【0207】 [変形例] 本発明は、上記の実施例に限られず、さらに種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例について説明する。 【0208】 [比較処理について] 本実施の形態におけるスロットマシン1において、図28に示す比較処理を実行するものであってもよい。図28を参照しながら、RTC97から出力された日時情報と、RAM91cに記憶された日時情報とが一致するか否かを判定する比較処理について説明する。 【0209】 この実施形態において、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の更新を制限することに代えて、RTC97から連続して取得した前後の日時情報が一致するか否かを判定し、一致した場合にRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新する。これにより、RTC97の日時情報が示す日時と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す日時とに誤差が生じないようにしている。 【0210】 なお、同一単位時間情報の更新がRTC97の日時情報が示す日時が変化する間に少なくとも2回は行われるように更新間隔が設定されている。また、RAM91cには、更新時刻記憶領域とは別に、比較に用いる日時情報を記憶する比較用時刻記憶領域が設けられている。なお、以下の例では、「曜日」、「日」、「月」、「年」の日時情報の更新は省略して説明する。 【0211】 図28に示すように、たとえば、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分59秒であるとする。 【0212】 図28(a)に示すように、サブ制御部91は、時間情報の更新タイミングとなったときに、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分59秒であることに基づいて時間情報(10時)を取得し、時間情報を更新した後の日時情報(10時59分59秒)をRAM91cの比較用時刻記憶領域に記憶する。 【0213】 図28(b)に示すように、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が10時59分59秒であることに基づいて秒情報(59秒)を取得し、秒情報を更新した後の日時情報(10時59分59秒)をRAM91cの比較用時刻記憶領域に記憶する。次に、サブ制御部91は、RAM91cの比較用時刻記憶領域に前回記憶した日時情報と今回記憶した日時情報とを比較する。 【0214】 サブ制御部91は、比較の結果、一致した場合にはRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新する。この例では、両者は一致するため、更新される。これにより、RTC97の日時情報が示す時刻(10時59分59秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す時刻(10時59分59秒)とが一致する。次に、サブ制御部91は、前回記憶した日時情報をクリアする。 【0215】 ここで、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒になったとする。 図28(c)に示すように、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒であることに基づいて分情報(00分)を取得し、分情報を更新した後の日時情報(10時00分59秒)をRAM91cの比較用時刻記憶領域に記憶する。次に、サブ制御部91は、RAM91cの比較用時刻記憶領域に前回記憶した日時情報と今回記憶した日時情報とを比較する。この例では、両者は一致しないため、更新されない。次に、サブ制御部91は、前回記憶した日時情報をクリアする。 【0216】 図28(d)に示すように、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒であることに基づいて時間情報(11時)を取得し、時間情報を更新した後の日時情報(11時00分59秒)をRAM91cの比較用時刻記憶領域に記憶する。次に、サブ制御部91は、RAM91cの比較用時刻記憶領域に前回記憶した日時情報と今回記憶した日時情報とを比較する。この例では、両者は一致しないため、更新されない。次に、サブ制御部91は、前回記憶した日時情報をクリアする。 【0217】 図28(e)に示すように、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒であることに基づいて秒情報(00秒)を取得し、秒情報を更新した後の日時情報(11時00分00秒)をRAM91cの比較用時刻記憶領域に記憶する。次に、サブ制御部91は、RAM91cの比較用時刻記憶領域に前回記憶した日時情報と今回記憶した日時情報とを比較する。この例では、両者は一致しないため、更新されない。次に、サブ制御部91は前回記憶した日時情報をクリアする。 【0218】 図28(f)に示すように、サブ制御部91は、RTC97の日時情報が示す時刻が11時00分00秒であることに基づいて分情報(00分)を取得し、秒情報を更新した後の日時情報(11時00分00秒)をRAM91cの比較用時刻記憶領域に記憶する。次に、サブ制御部91は、RAM91cの比較用時刻記憶領域に前回記憶した日時情報と今回記憶した日時情報とを比較する。この例では、両者は一致するため、更新される。これにより、RTC97の日時情報が示す時刻(11時00分00秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す時刻(11時00分00秒)とが一致する。次に、サブ制御部91は前回記憶した日時情報をクリアする。 【0219】 ここで、図28(c)の状態でRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新してしまうと、RTC97の日時情報が示す時刻(11時00分00秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報が示す時刻(10時00分59秒)とで、約1時間の誤差が生じてしまう。また、図28(d)の状態でRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新してしまうと、RTC97の日時情報が示す時刻(11時00分00秒)と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報が示す時刻(11時00分59秒)とで、約1分の誤差が生じてしまう。この場合、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報が示す時刻が正確性に欠けてしまう。 【0220】 よって、図28(c)の状態および図28(d)の状態にある場合、サブ制御部91は、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新せず、RAM91cの比較用時刻記憶領域に前回記憶した日時情報と今回記憶した日時情報とが一致したときに更新する。これにより、誤差が大きくなることを防止することができる。なお、RTC97の日時情報が示す時刻と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す時刻とが一致するまで1秒の誤差が生じてしまうが、両者が一致するまでの期間が1秒未満のわずかな期間であるため、この期間にエラーなどが発生することも稀なので、誤差を許容している。 【0221】 このように、RTC97から連続して取得した日時情報を比較し、一致した場合にRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶されている日時情報が更新されるため、誤った日時情報を記憶してしまうことを防止することができる。 【0222】 ここで、本実施の形態においては、図19に示す電断処理のSd1において、サブ制御部91は、電断時の日時情報をRAM91cの更新時刻記憶領域から取得している。しかし、RAM91cの更新時刻記憶領域に記憶している日時情報は、100ms毎に更新されていくため、RTC97の日時情報が示す日時と、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報の示す日時とに誤差が生じている可能性がある。 【0223】 そこで、電断時においては、図28で説明した比較処理のように、RTC97が出力した日時情報を連続して取得し、取得した前後の日時情報が一致するか否かを判定し、一致した場合にRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新してもよい。そして、サブ制御部91は、更新後の日時情報を、電断時の日時情報として一時記憶領域に格納して保持してもよい。 【0224】 また、本実施の形態においては、図21に示す初期化判定処理のSt3において、サブ制御部91は、復電時の日時情報をRAM91cの更新時刻記憶領域から取得している。ここで、電断中はタイマ割込処理における日時制御処理が実行されないため、復電直後に更新時刻記憶領域に格納された日時情報は、電断時の日時情報とほぼ同じになる。このため、St3において、サブ制御部91は、復電後に少なくとも1回以上の日時制御処理が実行された後に、復電時の日時情報をRAM91cの更新時刻記憶領域から取得していた。しかし、この場合、復電直後から少し遅れて日時情報が取得されるため、正確ではない。 【0225】 そこで、復電時においては、図28で説明した比較処理のように、復電直後にRTC97が出力した日時情報を連続して取得し、取得した前後の日時情報が一致するか否かを判定し、一致した場合にRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新してもよい。そして、サブ制御部91は、更新後の日時情報を、復電時の日時情報として判定処理に用いてもよい。 【0226】 なお、上記の比較処理は、電断時および複電時の両方で行われてもよいし、いずれか一方で行われてもよい。これにより、電断時および復電時のうちの少なくとも一方においては、RTC97が出力した正確な日時情報を初期化条件の成立有無の判定に用いることができる。 【0227】 [日時情報の取得について] 本実施の形態において、サブ制御部91は、100ms毎に更新されるRAM91cの更新時刻記憶領域に記憶された日時情報を用いて、図21に示す初期化条件の判定、図24に示す一斉演出の実行、および図26に示す異常発生時刻の記憶といった、所定制御を実行するものであった。 【0228】 ここで、停電などの電断が生じていない安定時においては、100ms毎に更新時刻記憶領域の日時情報が更新される。このため、所定制御に用いる日時情報の更新に関する通信形態が、RTC97とRAM91cとの間に制限されるとともに、その通信頻度も一定となる。これにより、サブ制御部91が頻繁にRTC97と通信することがなく、RTC91cに掛かる負担を軽減させている。 【0229】 一方、停電などの電断が生じた場合、電断処理に移行するなどの割込処理が実行されるため、更新時刻記憶領域の日時情報が安定して更新されない可能性がある。また、電断中も更新時刻記憶領域の日時情報が更新されないため、復電したとしても、更新時刻記憶領域の日時情報が正確ではない可能性がある。このような場合、サブ制御部91は、正確な時刻に基づいて所定制御を実行することが難しくなる。 【0230】 そこで、電断が生じたときには、電断時および複電時の少なくとも一方、望ましくは電断時および複電時の両方において、サブ制御部91がRTC97に対して直接通信し、正確な日時情報を取得してもよい。 【0231】 このように、安定時においては、RTC91cとRAM91cとの間の所定周期の通信によって負担を掛けることなく安定的に更新された日時情報に基づき所定制御が実行される一方で、異常時においては、サブ制御部91がRTC97に対して直接通信することによって正確な日時情報に基づき所定制御が実行される。 【0232】 [初期化条件について] 本実施の形態において、サブ制御部91は、図22(a)に示す初期化条件1?4を用いて、4時間以上の電断が発生した後に復電したか否かを判定するものであった。また、店員などの操作によって、初期化条件が成立する電断時間を設定できるものであった。しかし、初期化条件は、所定期間以上の電断発生後に復電したときに成立するものに限らず、他の場合に成立するものであってもよい。 【0233】 たとえば、図29および図30に示すように、初期化条件は、電断発生から所定時刻を跨いで復電したときに成立するものであってもよい。 【0234】 図29は、図21の初期化判定処理におけるSt8?St13を、St8a?St13aに代えたものである。図30は、図22(a)の初期化条件判定用テーブルにおける初期化条件1?4を、初期化条件1a?4aに代えたものである。 【0235】 図29を参照しながら、サブ制御部91が起動処理(サブ)において実行する変形例における初期化判定処理について説明する。また、図30を参照しながら、変形例における初期化条件判定用テーブルについて説明する。なお、図29に示すSt1?St7は、図22のSt1?St7と同じ処理であるため説明を割愛する。 【0236】 図30に示すように、変形例においては、初期化条件1a?4aといった4種類の初期化条件が設定されている。サブ制御部91は、初期化条件1a?4aのうちのいずれかが成立するか否かを判定することにより、電断発生からAM4:00を跨いで復電したか否かを判定する。具体的には、初期化条件1a?4aのいずれかが成立すれば、電断発生からAM4:00を跨いで復電したことになる。一方、初期化条件1a?4aのいずれも成立しなければ、電断発生からAM4:00を跨ぐことなく復電したことになる。このように、電断中にAM4:00を跨いだか否かを判定することによって、開店中の停電復帰などのように閉店中のAM4:00を跨ぐことなく復電したのか、あるいは、閉店中の電断などのように閉店中のAM4:00を跨いで復電したのかを見極めることができる。 【0237】 また、初期化条件1aは、日時情報のうちの日付情報のみに基づき成立有無が判定可能であるのに対して、初期化条件2a?4aは、日時情報のうちの日付情報に基づき成立有無が判定不可能である。このため、初期化条件2a?4aは、日付情報に加えて時刻情報も用いて成立有無が判定される。サブ制御部91は、まず初期化条件1aについての成立有無を判定し、初期化条件1aが成立しなかったときには、初期化条件2a?4aについての成立有無を判定する。これにより、初期化条件1aのみで判定できるときには、時刻情報を用いることなく日付情報のみに基づいて、電断発生からAM4:00を跨いで復電したことを特定することができる。 【0238】 初期化条件1aは、「復電日-電断日≧2日」であることを条件に成立する。たとえば、電断日が11月15日であり、復電日が11月17日であれば、「復電日-電断日≧2日」が成立する。この場合、電断発生からAM4:00を跨いで復電したといえる。一方、電断日が11月15日であり、復電日が11月16日であれば、「復電日-電断日≧2日」が成立しない。この場合、電断発生からAM4:00を跨いで復電したとは必ずしもいえないため、初期化条件1aは不成立となる。 【0239】 初期化条件2aは、「復電日-電断日=1日」、かつ「復電時刻がAM4:00以降」であることを条件に成立する。たとえば、電断日時が11月16日のPM11:00であり、復電日時が11月17日のAM9:00であれば、「復電日-電断日=1日」、かつ「復電時刻がAM4:00以降」が成立する。この場合、電断発生からAM4:00を跨いで復電したといえる。一方、電断日時が11月16日のPM11:00であり、復電日時が11月17日のAM2:00であれば、「復電日-電断日=1日」が成立するが、「復電時刻がAM4:00以降」が成立しない。この場合、電断発生からAM4:00を跨いで復電したとは必ずしもいえないため、初期化条件2aは不成立となる。 【0240】 初期化条件3aは、「復電日-電断日=1日」、かつ「電断時刻および復電時刻がAM0:00?AM3:59の間」であることを条件に成立する。たとえば、電断日時が11月16日のPM10:00であり、復電日時が11月17日のAM3:00であれば、「復電日-電断日=1日」、かつ「電断時刻および復電時刻がAM0:00?AM3:59の間」が成立する。この場合、電断発生からAM4:00を跨いで復電したといえる。一方、電断日時が11月16日のPM11:00であり、復電日時が11月17日のAM2:00であれば、「復電日-電断日=1日」が成立するが、「電断時刻および復電時刻がAM0:00?AM3:59の間」が成立しない。この場合、電断発生からAM4:00を跨いで復電したとは必ずしもいえないため、初期化条件3aは不成立となる。 【0241】 初期化条件4aは、「復電日=電断日」、かつ「電断からAM4:00を跨いで復電した」ことを条件に成立する。たとえば、電断日時が11月16日のAM2:00であり、復電日時が11月16日のAM5:00であれば、「復電日=電断日」、かつ「電断からAM4:00を跨いで復電した」ことが成立する。この場合、電断発生からAM4:00を跨いで復電したといえる。一方、電断日時が11月16日のPM2:00であり、復電日時が11月16日のPM5:00であれば、「復電日=電断日」が成立するが、「電断からAM4:00を跨いで復電した」ことが成立しない。この場合、電断発生からAM4:00を跨いで復電したとは必ずしもいえないため、初期化条件4aは不成立となる。 【0242】 図29に示すように、変形例において、サブ制御部91は、St1?St7の処理を実行した後、「復電日-電断日≧2日」で初期化条件1aが成立するか否かを判定する(St8a)。サブ制御部91は、初期化条件1aが成立する場合(St8aでY)、初期化フラグ2をオンし(St9a)、本ルーチンを終了する。 【0243】 一方、サブ制御部91は、初期化条件1aが成立しない場合(St8aでN)、「復電日-電断日=1日」であるか否かを判定する(St10a)。サブ制御部91は、「復電日-電断日=1日」である場合(St10aでY)、「復電時刻がAM4:00以降」で初期化条件2aが成立するか否かを判定する(St11a)。サブ制御部91は、初期化条件2aが成立する場合(St11aでY)、初期化フラグ2をオンし(St9a)、本ルーチンを終了する。 【0244】 一方、サブ制御部91は、初期化条件2aが成立しない場合(St11aでN)、「電断時刻および復電時刻がAM0:00?AM3:59の間」で初期化条件3aが成立するか否かを判定する(St12a)。サブ制御部91は、初期化条件3aが成立する場合(St12aでY)、初期化フラグ2をオンし(St9a)、本ルーチンを終了する。 【0245】 一方、サブ制御部91は、初期化条件3aが成立しない場合(St12aでN)、初期化フラグ2をオンすることなく、本ルーチンを終了する。 【0246】 St10aの処理において、サブ制御部91は、「復電日-電断日=1日」でない場合(St10aでN)、「復電日=電断日」であるため、「電断からAM4:00を跨いで復電した」ことで初期化条件4aが成立するか否かを判定する(St13a)。サブ制御部91は、初期化条件4aが成立する場合(St13aでY)、初期化フラグ2をオンし(St9a)、本ルーチンを終了する。 【0247】 一方、サブ制御部91は、初期化条件4aが成立しない場合(St13aでN)、初期化フラグ2をオンすることなく、本ルーチンを終了する。 【0248】 以上のように、サブ制御部91は、変形例における初期化判定処理において、電断発生からAM4:00を跨いで復電したことによりいずれかの初期化条件が成立したときには初期化フラグ2をオンし、起動処理において、RAM91cに記憶された消化ゲーム数の計数情報以外の情報を初期化する。 【0249】 このように、開店中の停電復帰などのように、閉店中のAM4:00を跨ぐことなく復電したときには、消化ゲーム数の計数情報および報知情報のいずれも初期化されない。よって、電断中にAM4:00を跨ぐことなく復電したときには、液晶表示器51の画面上における消化ゲーム数の報知態様は変化することなく電断前と同じ報知態様が継続される。このため、停電時に消化ゲーム数の報知態様が変更されてしまうことによって消化ゲーム数の計数情報も初期化されてしまったのではないかという不信感を遊技者に与えてしまうことを防止することができる。 【0250】 一方、閉店中の電断などのように閉店中のAM4:00を跨いで復電したときには、消化ゲーム数の計数情報は継続されるが、消化ゲーム数の報知情報は初期化される。よって、電断中にAM4:00を跨いで復電したときには、液晶表示器51の画面上におけるゲーム数の報知態様が変化し、「0」の表示に変更される。ここで、設定変更されたときにも消化ゲーム数の報知情報が初期化されるため、復電後には液晶表示器51の画面上におけるゲーム数の報知態様が変化し、「0」の表示に変更される。つまり、設定変更されて復電したときと、設定変更されずに電断中にAM4:00を跨ぐような長期間の電断後に復電したときとで、消化ゲーム数の報知態様は同じになる。このため、復電時における消化ゲーム数の報知態様の変更有無によって設定変更の実行有無が遊技者に認識されてしまうことを防止することができる。 【0251】 また、変形例における初期化判定処理においては、まず、日時情報のうちの日付情報のみに基づき成立有無が判定可能である初期化条件1aの成立有無が判定され、初期化条件1aが成立しないときに、日付情報に加えて時刻情報に基づき初期化条件2a?4aの成立有無が判定される。このため、日付情報に基づき判定結果が出るときには、時刻情報に基づく判定を省略することができるため、日時情報を用いた判定が煩雑になることを防止するともに判定に掛かる処理負荷を軽減することができる。 【0252】 日付情報のみに基づく初期化条件1aの判定の結果、「復電日-電断日=1日」である場合には、初期化条件2aおよび初期化条件3aの成立有無が判定され、「復電日=電断日」である場合には、初期化条件4aの成立有無が判定される。このように、日付情報に基づく判定において初期化条件1aが成立しない理由に応じて、時刻情報に基づく判定基準を適切に選択することができるため、日時情報を用いた判定を効率良くすることができる。 【0253】 設定変更されて初期化フラグ1がオンされたときには、エラー履歴情報が初期化されないのに対して、設定変更されずに初期化条件が成立して初期化フラグ2がオンされたときには、エラー履歴情報が初期化される。このため、日時情報に基づき初期化条件が成立するまで、エラー履歴情報を初期化することなく保持することができ、エラー履歴情報によって異常の発生有無を確認することができる。 【0254】 また、変形例においても、初期化条件を店員などの操作によって適宜変更できるものであってもよい。たとえば、営業時間がAM10:00?PM:11:00であれば、閉店時間はPM11:00?AM10:00である。よって、店員の操作によって、初期化条件が成立する電断中に跨る時刻を「AM4:00」から「AM2:00」に変更してもよい。このように、営業時間などを考慮して、初期化条件が成立する電断中に跨る時刻を店員などに設定させることができる。 【0255】 なお、初期化条件は4つに限らず、4つ未満であってもよいし、5つ以上であってもよい。 【0256】 [更新情報について] 本実施の形態においては、更新情報の一例として、AT抽選契機が成立するまでの消化ゲーム数を適用したが、その他の情報であってもよい。 【0257】 たとえば、更新情報は、入賞回数、ポイント数(たとえば、入賞時や特定役の当選時に得られるポイント)、ボーナス入賞回数、ATの残り回数、ユーザ所有の携帯端末を介して特典と交換可能なポイント数など、遊技の進行に伴い更新される情報であれば、いずれの情報であってもよい。 【0258】 [更新情報の報知態様について] 本実施の形態においては、更新情報の報知態様の一例として、液晶表示器51の画面上に消化ゲーム数を加算方式で表示する態様であった。また、初期化条件が成立したときには表示していた消化ゲーム数を「0」に初期化することによって、報知態様を変更するものであった。しかし、更新情報の報知態様、および報知態様の変更はこれに限らない。 【0259】 たとえば、更新情報の報知態様としては、本実施の形態のような「報知のありさま」に限らず、「報知の有無」または「報知の方法」であってもよい。 【0260】 たとえば、更新情報の報知態様を「報知の有無」とした場合、液晶表示器51の画面上に表示された消化ゲーム数を、初期化条件が成立したときには表示されないものであってもよい。 【0261】 たとえば、更新情報の報知態様を「報知の方法」とした場合、液晶表示器51の画面上にキャラクタ付きの数字で表示された消化ゲーム数を、キャラクタが消え、かつ消化ゲーム数が「0」に初期化されるものであってもよい。 【0262】 [初期化条件の設定について] 本実施の形態においては、設定確認状態において、ストップスイッチおよびスタートスイッチ7を操作することによって初期化条件を設定できるものであったが、これに限らず、その他の方法で初期化条件を設定できるものであってもよい。 【0263】 [報知情報を初期化したときの対処について] 本実施の形態においては、図23(c)に示すように、初期化条件が成立したときには、消化ゲーム数の計数が「100」になるのに対して、ゲーム数の報知は「1」となり、遊技者からの見た目上は消化ゲーム数が「1」であるが、内部で計数されている消化ゲーム数は「100」になってAT抽選契機が成立することになる。特に、AT抽選契機が成立したときに「チャンス」などの画像が表示されることによってAT抽選の実行が報知されるものであれば、遊技者に違和感を与えてしまう。また、復電したときに、見た目上の消化ゲーム数と内部で計数されている消化ゲーム数とがずれているか否かを確認することによって、設定変更されたか否かについても遊技者に認識されてしまう。このような事態を解消するため、以下のような対処をしてもよい。 【0264】 たとえば、設定変更されて復電したときには、AT抽選契機が成立する消化ゲーム数を抽選によって決定してもよい。このようにすれば、設定変更されず、かつ初期化条件が成立して復電したときと同様に、設定変更されて復電したときにも、100ゲームではなく97ゲームなどでAT抽選契機が成立することになる。これにより、必ずしも100ゲームに到達することによってAT抽選契機が成立するものに限らないため、設定変更されたか否かについて遊技者に認識されてしまうことを防止することができる。 【0265】 また、たとえば、見た目上の消化ゲーム数と内部で計数されている消化ゲーム数とがずれている場合には、1周期分、AT抽選を飛ばして見た目上の消化ゲーム数と内部で計数されている消化ゲーム数とを一致させてもよい。たとえば、内部で計数されている消化ゲーム数が「97」であるのに対して、見た目上の消化ゲーム数が初期化されて「0」である場合、内部で計数されている消化ゲーム数を1周期分繰り上げて「0」にする。この場合、1回分のAT抽選が受けられないが、その分、AT制御が確定する天井ゲーム数(たとえば、1000ゲーム)に近づくため、遊技者が不利とならない。 【0266】 [異常条件の判定について] 本実施の形態においては、図21に示す初期化判定処理において、先に異常条件の成立有無を判定し、異常条件が成立していない場合に限り初期化条件の成立有無を判定するものであった。しかし、これに限らず、先に初期化条件の成立有無を判定し、その後、異常条件の成立有無を判定し、初期化条件の成立有無に関わらず、異常条件が成立しているときにはエラー履歴情報の初期化を禁止するものであってもよい。 【0267】 また、本実施の形態において、異常条件は、「復電日時=電断日時」または「復電日時<電断日時」であるといったように、異常条件が成立すれば、おのずと初期化条件が成立しないものであった。しかし、これに限らず、異常条件は、他の場合に成立するものであってもよく、初期化条件の成立有無と、異常条件が成立有無とは無関係であってもよい。 【0268】 たとえば、異常条件は、RAM91cの更新時刻記憶領域におけるビット数の異常が検出された場合に成立するものであってもよい。この場合、たとえば、「復電日-電断日≧2日以上」の初期化条件1が成立している場合であっても、時刻情報を特定するビット数(たとえば、時間情報や分情報を特定するビット数)が異常であるときには異常条件が成立する。 【0269】 また、上記のように、RAM91cの更新時刻記憶領域におけるビット数の異常が検出された場合に異常条件が成立するものにおいても、異常条件の成立有無と初期化条件の成立有無とにおける判定順序はいずれが先であってもよい。 【0270】 なお、日時情報を用いた判定が煩雑になることを防止するという観点からすると、RAM91cの更新時刻記憶領域におけるビット数の異常を全て検出すると、日時情報を用いた判定が煩雑になるため、異常判定自体をしないものであってもよい。あるいは、異常判定においても、先に日付情報に関してビット数の異常有無を判定し、その後、日付情報におけるビット数が正常である場合に限り時刻情報(時間情報や分情報)に関してビット数の異常有無を判定するものであってもよい。 【0271】 一方、異常が発生しているときにエラー履歴情報の初期化を禁止するという観点からすると、初期化条件の前もしくは後において異常条件の成立有無を判定するものであってもよい。 【0272】 [日時情報に応じた制御について] 本実施の形態においては、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報に応じて一斉演出を行った。しかし、これに限らず、たとえば、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報に応じて演出を選択する、あるいは、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報に応じて内部抽選やAT抽選の抽選確率を変更するなど、RAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報に応じて上記実施形態と異なる制御を行ってもよい。 【0273】 [日時情報の更新について] 本実施の形態においては、一の処理においてRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報のうち単位時間情報(「年」、「月」、「日」、「曜日」、「時」、「分」)の更新を行い、一の処理に続く次の処理において他の単位時間情報の更新を行った。しかし、これに限らず、たとえば、一度の処理で複数の単位時間情報を更新する、あるいは、各単位時間情報を桁単位に分けて更新する、日時情報に変換可能なデータを所定量に分けて変換するなど、一度の処理で更新する時間情報を上記実施形態と異ならせてもよい。 【0274】 本実施の形態においては、更新される時間情報単位の桁が順次繰り上がるように、秒情報から順にRAM91cの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を更新した。しかし、これに限らず、たとえば、分情報や時間情報から更新するなど、更新する時間情報の順番を上記実施形態と異ならせてもよい。 【0275】 本実施の形態においては、最小の時間情報単位である1秒以内に全ての日時情報を更新したが、最小の時間情報単位である1秒以内に全ての日時情報を取得しないものであってもよい。 【0276】 [制御履歴について] 本実施の形態においては、異常の発生とRAM91cの日時情報とを対応付けして記憶したが、ストップスイッチやスタートスイッチ7など各種操作部の操作、設定値の変更あるいは確認、メダルの投入や払い出しの検出など、エラーの発生以外の制御と日時情報とを対応付けして記憶するものであってもよい。 【0277】 [日時情報の異常判定について] 本実施の形態においては、RAM91cの日時情報の各ビットのデータが異常であるか否かを判定することにより日時情報が異常であるか否かを判定した。しかし、これに限らず、連続して取得した日時情報同士を比較し、日時情報が正常に進んでなければ異常と判定してもよい。 【0278】 [報知レベルについて] 本実施の形態においては、報知レベルを「高」と「低」の2段階に分けたが、2段階に限らず3段階以上に分けてもよい。 【0279】 [演出や報知について] 本実施の形態においては、演出や報知を液晶表示器51で行ったが、たとえばスピーカ53,54、演出効果LED52、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(たとえば、リールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED(たとえば、演出効果LED52)、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記実施形態と異なる手段で履歴の報知を行ってもよい。また、報知は他の機能を有する装置の一部を利用して行ってもよいし(たとえば、リールLED55を用いて演出を行う場合にリールLED55はリールを背面側から照明する機能を有する)、演出のみを行う装置を設けて行ってもよい。 【0280】 [パチンコ遊技機について] 以上、所定の遊技を行う遊技機の一例としてスロットマシンを説明したが、所定の遊技を行う遊技機はパチンコ遊技機であってもよい。図31を参照しながら、変形例におけるパチンコ遊技機201について説明する。 【0281】 図31に示すように、パチンコ遊技機201は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤202と、遊技盤202を支持固定する遊技機用枠203とから構成されている。遊技盤202には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。 【0282】 遊技盤202の所定位置(図31に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置204Aと、第2特別図柄表示装置204Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置204Aおよび第2特別図柄表示装置204Bは、それぞれ、たとえば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)などから構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である特別図柄が、変動可能に表示(可変表示ともいう)される。たとえば、第1特別図柄表示装置204Aおよび第2特別図柄表示装置204Bは、それぞれ「0」?「9」を示す数字や「-」を示す記号などから構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。 【0283】 複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。以下では、第1特別図柄表示装置204Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置204Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。 【0284】 遊技盤202における遊技領域の中央付近には、画像表示装置205が設けられている。画像表示装置205は、たとえばLCD(液晶表示器)などから構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置205の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置204Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置204Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、たとえば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。 【0285】 一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア205L、205C、205Rが配置されている。特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置204Aにおける第1特図の変動および第2特別図柄表示装置204Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア205L、205C、205Rにおいて飾り図柄の変動(たとえば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置205における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア205L、205C、205Rにおいて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が停止表示される。 【0286】 このように、画像表示装置205の表示領域では、第1特別図柄表示装置204Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置204Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示する。 【0287】 「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア205L、205C、205Rにおいて可変表示される飾り図柄には、たとえば8種類の図柄(英数字「1」?「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、たとえば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。飾り図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。たとえば、「1」?「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」?「8」の図柄番号が付されている。 【0288】 飾り図柄の可変表示が開始された後、可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア205L、205C、205Rにおいて、たとえば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(たとえば「8」)である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(たとえば「1」)である飾り図柄が表示される。あるいは、飾り図柄表示エリア205L、205C、205Rのうちの少なくともいずれか1つ(たとえば「左」の飾り図柄表示エリア205Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である飾り図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である飾り図柄が表示されるようにしてもよい。 【0289】 画像表示装置205の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア205Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア205Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置206Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置206Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。 【0290】 始動入賞記憶表示エリア205Hにおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(たとえば表示色や形状)を異ならせる。この実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示とする。 【0291】 画像表示装置205の表示領域の始動入賞記憶表示エリア205Hの左側方には、変動中特図表示エリア205Iが設けられている。変動中特図表示エリア205Iには、現在実行されている可変表示に対応した画像が表示される。第1始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第1特別図柄表示装置204Aにおける第1特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中特図表示エリア205Iに丸型で青色の画像が表示される。また、第2始動入賞口に遊技球が進入したことに基づき第2特別図柄表示装置204Bにおける第2特図を用いた特図ゲームの実行中には、変動中図柄表示エリア205Iに丸型で赤色の画像が表示される。すなわち、第1または第2開始条件の成立とともに、始動入賞記憶表示エリア205Hから除去された表示がこの変動中特図表示エリア205Iにシフトして表示される。この変動中特図表示エリア205Iの表示により、遊技者は第1特別図柄表示装置204Aまたは第2特別図柄表示装置204Bのいずれで特図ゲームが実行されているかを把握することができる。 【0292】 図31に示す例では、始動入賞記憶表示エリア205Hとともに、第1特別図柄表示装置204Aおよび第2特別図柄表示装置204Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器225Aと第2保留表示器225Bとが設けられている。第1保留表示器225Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器225Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。 【0293】 画像表示装置205の下方には、普通入賞球装置206Aと、普通可変入賞球装置206Bとが設けられている。普通入賞球装置206Aは、たとえば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置206Bは、普通電動役物用となるソレノイドによって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。 【0294】 一例として、普通可変入賞球装置206Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置206Bでは、普通電動役物用のソレノイドがオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過しやすい拡大開放状態となる。なお、普通可変入賞球装置206Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、たとえば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過しにくいまたは通過できない通常開放状態とに変化する。 【0295】 普通入賞球装置206Aに形成された第1始動入賞口を通過した遊技球は、第1始動口スイッチによって検出される。普通可変入賞球装置206Bに形成された第2始動入賞口を通過した遊技球は、第2始動口スイッチによって検出される。第1始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(たとえば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(たとえば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。 【0296】 普通入賞球装置206Aと普通可変入賞球装置206Bの下方には、特別可変入賞球装置207が設けられている。特別可変入賞球装置207は、大入賞口扉用となるソレノイドによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。 【0297】 一例として、特別可変入賞球装置207では、大入賞口扉用のソレノイドがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置207では、大入賞口扉用のソレノイドがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。 【0298】 大入賞口を通過した遊技球は、カウントスイッチによって検出される。カウントスイッチによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置207において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過したときには、たとえば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置207において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置207において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。 【0299】 遊技盤202の所定位置(図31に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器220が設けられている。一例として、普通図柄表示器220は、第1特別図柄表示装置204Aや第2特別図柄表示装置204Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLEDなどから構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄を変動可能に表示する。 【0300】 普通図柄表示器220の上方には、普図保留表示器225Cが設けられている。普図保留表示器225Cは、たとえば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート241を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。 【0301】 遊技盤202の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口および大入賞口とは異なる入賞口として、たとえば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(たとえば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。 【0302】 遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音などを再生出力するためのスピーカ208L,208Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ209が設けられている。遊技機用枠203の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者などによって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。たとえば、打球操作ハンドルは、遊技者などによる操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。 【0303】 遊技領域の下方における遊技機用枠203の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠203の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機201の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。 【0304】 下皿を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ231Aが取り付けられている。スティックコントローラ231Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ231Aの操作桿を操作手で把持した状態において、所定の操作指で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。 【0305】 スティックコントローラ231Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられていればよい。たとえば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。 【0306】 上皿を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ231Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン231Bが設けられている。プッシュボタン231Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン231Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン231Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられていればよい。 【0307】 以上のようなパチンコ遊技機201においても、スロットマシン1における図17および図18の日時制御処理と同様に、パチンコ遊技機201が備えるRTCから取得した日時情報に基づいて、100ms毎にRAMの更新時刻記憶領域で記憶している日時情報を単位日時情報毎に更新することができる。これにより、処理落ちなどの不具合の発生を低減することができる。 【0308】 また、パチンコ遊技機201においても、スロットマシン1における図21の初期化判定処理および図29の初期化判定処理と同様の処理が実行されるものであってもよい。 【0309】 たとえば、遊技の進行に伴い更新される更新情報として、大当り遊技状態中に開放する大入賞口の残り開放回数、通常の状態に比べて大当りが発生する確率が高く確変状態への残り制御回数、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間が通常の状態に比べて短縮される時短状態への残り制御回数など、遊技者が注目する更新情報を画像表示装置205の画面上に表示してもよい。 【0310】 さらに、初期化判定処理において、初期化条件が成立しなかったときには、更新情報、更新情報を報知するための報知情報、およびエラー履歴情報のいずれも初期化されないものであってもよい。一方、所定条件が成立したときには、更新情報は継続されるが、更新情報の報知情報およびエラー履歴情報は初期化されるものであってもよい。 【0311】 また、初期化判定処理においては、まず、日時情報のうちの日付情報のみに基づき初期化条件の成立有無が判定され、初期化条件が成立しないときに、日付情報に加えて時刻情報に基づき初期化条件の成立有無が判定されるものであってもよい。 【0312】 初期化判定処理においては、日付情報に基づく判定において初期化条件が成立しない理由に応じて、時刻情報に基づく判定基準を異ならせてもよい。 【0313】 また、初期化判定処理においては、復電日時と電断日時とに基づき異常条件が成立したときには、初期化条件の成立有無を判定することなく、エラー報知が行われるものであってもよい。 【0314】 [その他の変形例] 上述した実施形態では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域の全てに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。 【0315】 上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。さらに、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうち何れか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえば、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るスロットマシンであってもよい。 【0316】 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機(スロットマシン、パチンコ遊技機201)を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機に本発明を適用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。 【0317】 また、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンに限らず、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筐体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。 【0318】 さらに、このような封入式の遊技機には、遊技点を計数した上で、計数結果を記録媒体処理装置(遊技用装置)の一例となるカードユニットに送信する機能を設けてもよい。この場合、遊技点の計数を指示するための計数操作手段(計数ボタン)を封入式の遊技機に設けることが望ましい。たとえば、遊技点の計数結果は“持点”に変換されて、カードユニットに挿入されている(受付けられている)カードまたは端末などの「遊技者によって携帯される記録媒体」に直接記録される。あるいは、カードユニットに接続された点数管理用サーバで記録媒体に記録されているカードIDを管理し、計数結果をカードユニットから点数管理用サーバに送信することによって、点数管理用サーバがカードID毎に遊技者の持点を記憶するようにしてもよい。 【0319】 本実施の形態では、「割合(比率、確率)」を例示したが、「割合(比率、確率)」は、これに限るものではなく、たとえば0%?100%の範囲内の値のうち、0%を含む値や、100%を含む値、0%および100%を含まない値であってもよい。 【0320】 なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。 【符号の説明】 【0321】 1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、6 MAXBETスイッチ、7 スタートスイッチ、8L,8C,8R ストップスイッチ、37 設定キースイッチ、41 メイン制御部、51 液晶表示器、91 サブ制御部、91a サブCPU、91c RAM91c、95 リセット回路、96 スイッチ回路、97 RTC、98 電断検出回路、201 パチンコ遊技機。 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 所定の遊技を行う遊技機であって、 電断が発生した後に復電した場合において、電断発生時の日時を特定可能な電断日時情報を記憶するとともに復電時の日時を特定可能な復電日時情報を記憶する日時情報記憶手段と、 所定情報を記憶する所定情報記憶手段と、 前記日時情報記憶手段に記憶された前記電断日時情報および前記復電日時情報に基づき、前記所定情報記憶手段に記憶された前記所定情報のうちの特定情報を初期化することが可能な初期化手段とを備え、 前記初期化手段は、 前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時よりも後の場合、初期化条件が成立しているときには前記特定情報を初期化する一方、当該初期化条件が成立していないときには当該特定情報を初期化せず、 前記日時情報記憶手段の記憶異常により、前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時と同じとなる場合、または、前記日時情報記憶手段の記憶異常により、前記復電日時情報から特定される前記復電時の日時が前記電断日時情報から特定される前記電断発生時の日時よりも前となる場合、前記特定情報を初期化しない、遊技機。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2020-09-16 |
出願番号 | 特願2014-260836(P2014-260836) |
審決分類 |
P
1
651・
854-
YAA
(A63F)
P 1 651・ 841- YAA (A63F) P 1 651・ 55- YAA (A63F) P 1 651・ 537- YAA (A63F) P 1 651・ 855- YAA (A63F) P 1 651・ 851- YAA (A63F) P 1 651・ 853- YAA (A63F) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 佐藤 史彬、櫻井 茂樹 |
特許庁審判長 |
石井 哲 |
特許庁審判官 |
▲吉▼川 康史 小島 寛史 |
登録日 | 2019-05-31 |
登録番号 | 特許第6532672号(P6532672) |
権利者 | 株式会社三共 |
発明の名称 | 遊技機 |
代理人 | 特許業務法人深見特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人平木国際特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人深見特許事務所 |