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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C11D
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C11D
審判 全部申し立て 2項進歩性  C11D
管理番号 1368084
異議申立番号 異議2020-700038  
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-12-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-01-23 
確定日 2020-09-29 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6549297号発明「自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、食器類のすすぎ方法、及び野菜又は果物洗浄用組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6549297号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?13〕〔14、15〕について訂正することを認める。 特許第6549297号の請求項1?15に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6549297号の請求項1?15に係る特許についての出願は、平成30年9月7日に出願され、令和元年7月5日にその特許権の設定登録がされ、同年7月24日に特許掲載公報が発行された。その後、その請求項1?15に係る特許に対し、令和2年1月23日に特許異議申立人竹口美穂(以下「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審は、同年3月19日に取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内(同年5月14日提出の上申書による、指定期間の30日の延長の求めを認める)である同年6月16日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」といい、訂正の内容を「本件訂正」という。)を行った。
なお、特許権者から同年6月16日に訂正請求があったこと及び意見書が提出されたことを、同年同月30日に特許異議申立人に通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、意見書は提出されなかった。

第2 本件訂正の適否についての判断
1 本件訂正の内容
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「(A)HLBが5以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)HLBが14以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)水を含有し、質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である、自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。」の記載を、「(A)仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(B)仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)水を含有し、仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である、自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。」に訂正する。
請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2?13についても同様に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3の「(B)成分がグリセリンの平均重合度が3?12、脂肪酸の炭素数が8?18のポリグリセリン脂肪酸エステルである、請求項1又は2に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。」の記載を、「(B)成分がグリセリンの平均重合度が3?12のポリグリセリン脂肪酸エステルである、請求項1又は2に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。」に訂正する。
請求項3を直接又は間接的に引用する請求項4?13についても同様に訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項10の「(A)成分の(G)成分及び/又は(H)成分の総量に対する質量比(A)/[(G)+(H)]の値が0.005?10である、請求項8又は9に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。」の記載を、「(A)成分の(G)成分及び/又は(H)成分の総量に対する仕込み値の質量比(A)/[(G)+(H)]の値が0.005?10である、請求項8又は9に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。」に訂正する。
請求項10を直接又は間接的に引用する請求項11?13についても同様に訂正する。

(4)訂正事項4
明細書の段落【0009】の「上記課題を解決するために、本発明者は鋭意検討した結果、(A)成分としてHLBが5以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)成分としてHLBが13以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)成分として水を含有し、(A)成分と(B)成分が特定の比率になるようにしたすすぎ助剤組成物が、上記従来の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。」の記載を、「上記課題を解決するために、本発明者は鋭意検討した結果、(A)成分として仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(B)成分として仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)成分として水を含有し、仕込み時の(A)成分と(B)成分が特定の比率になるようにしたすすぎ助剤組成物が、上記従来の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。」に訂正する。
また、明細書段落【0010】の
「即ち本発明は
(1)(A)HLBが5以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)HLBが14以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)水を含有し、質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である、自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(2)(A)成分がグリセリンの平均重合度が3?10であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルである、上記(1)の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(3)(B)成分がグリセリンの平均重合度が3?12、脂肪酸の炭素数が8?18のポリグリセリン脂肪酸エステルである、上記(1)又は(2)の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(4)さらに、(D)成分としてショ糖脂肪酸エステルを含有する、上記(1)?(3)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(5)さらに、(E)成分としてソルビタン脂肪酸エステルを含有する、上記(1)?(4)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(6)さらに、(F)成分として有機溶剤を含有する、上記(1)?(5)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(7)前記自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物が、クレート洗浄後のすすぎに用いられる、上記(1)?(6)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(8)さらに(G)成分として、植物性抗菌・消臭剤及び抗菌ペプチドからなる群より選ばれた1種または2種以上を含有する上記(1)?(7)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(9)さらに(H)成分として、シクロデキストリンを含有する、上記(1)?(8)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(10)(A)成分の(G)成分及び/又は(H)成分の総量に対する質量比(A)/[(G)+(H)]の値が0.005?10である、上記(8)又は(9)の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(11)(G)成分の植物性抗菌・消臭剤が、モウソウチク抽出物、モウソウチク乾留物、チャ抽出物、チャ乾留物、ブドウ種子抽出物、グレープフルーツ種子抽出物より選ばれた1種または2種以上である上記(8)?(10)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(12)自動食器洗浄機用洗浄剤を含む洗浄液を自動食器洗浄機の洗浄液タンク内で加熱保持する工程、洗浄液タンク内の洗浄液を洗浄機庫内に噴射して食器類を洗浄する工程、及び、洗浄後、上記(1)?(11)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物を含むすすぎ液ですすぐ工程を含む、自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法、及び、
(13)前記すすぎ液ですすぐ工程において、すすぎ液を洗浄機の平面積2500cm2あたり、1?3L噴射して食器類をすすぐ上記(12)の自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法を提供する。」の記載を、
「即ち本発明は
(1)(A)仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(B)仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)水を含有し、仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である、自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(2)(A)成分がグリセリンの平均重合度が3?10であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルである、上記(1)の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(3)(B)成分がグリセリンの平均重合度が3?12のポリグリセリン脂肪酸エステルである、上記(1)又は(2)の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(4)さらに、(D)成分としてショ糖脂肪酸エステルを含有する、上記(1)?(3)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(5)さらに、(E)成分としてソルビタン脂肪酸エステルを含有する、上記(1)?(4)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(6)さらに、(F)成分として有機溶剤を含有する、上記(1)?(5)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(7)前記自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物が、クレート洗浄後のすすぎに用いられる、上記(1)?(6)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(8)さらに(G)成分として、植物性抗菌・消臭剤及び抗菌ペプチドからなる群より選ばれた1種または2種以上を含有する上記(1)?(7)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(9)さらに(H)成分として、シクロデキストリンを含有する、上記(1)?(8)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(10)(A)成分の(G)成分及び/又は(H)成分の総量に対する仕込み値の質量比(A)/[(G)+(H)]の値が0.005?10である、上記(8)又は(9)の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(11)(G)成分の植物性抗菌・消臭剤が、モウソウチク抽出物、モウソウチク乾留物、チャ抽出物、チャ乾留物、ブドウ種子抽出物、グレープフルーツ種子抽出物より選ばれた1種または2種以上である上記(8)?(10)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(12)自動食器洗浄機用洗浄剤を含む洗浄液を自動食器洗浄機の洗浄液タンク内で加熱保持する工程、洗浄液タンク内の洗浄液を洗浄機庫内に噴射して食器類を洗浄する工程、及び、洗浄後、上記(1)?(11)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物を含むすすぎ液ですすぐ工程を含む、自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法、及び、
(13)前記すすぎ液ですすぐ工程において、すすぎ液を洗浄機の平面積2500cm^(2)あたり、1?3L噴射して食器類をすすぐ上記(12)の自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法を提供する。」に訂正する。

(5)訂正事項5
明細書の段落【0056】の
「実施例1?140、比較例1?13
表1?16に示す組成物を調製した。各組成物を、すすぎ助剤としてすすぎに用いた場合の乾燥性、仕上がり性、再汚染防止性、抑泡性、貯蔵安定性、抗菌性、消臭性、野菜洗浄用として用いた場合の野菜の洗浄性を試験した。表1?8、表10?15に実施例1?140の結果を、表9、表16に比較例1?13の結果をそれぞれ示す。
なお、実施例17、19、20は参考例である。」の記載を、
「実施例1?140、比較例1?13
表1?16に示す組成物を調製した。各組成物を、すすぎ助剤としてすすぎに用いた場合の乾燥性、仕上がり性、再汚染防止性、抑泡性、貯蔵安定性、抗菌性、消臭性、野菜洗浄用として用いた場合の野菜の洗浄性を試験した。表1?8、表10?15に実施例1?140の結果を、表9、表16に比較例1?13の結果をそれぞれ示す。
なお、実施例9、10、17、19、20は参考例である。」に訂正する。

(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項14の「(A)HLBが5以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)HLBが14以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)水を含有し、質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である、野菜又は果物洗浄用組成物。」の記載を、「(A)仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(B)仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)水を含有し、仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である、野菜又は果物洗浄用組成物。」に訂正する。
請求項14を引用する請求項15についても同様に訂正する。

(7)訂正事項7
明細書の段落【0011】の
「また、本発明と同様の組成を有する組成物が、野菜や果物といった食品(青果類)を洗浄するための洗浄液としても有用であることを見出した。
つまり、本発明は、
(14)(A)HLBが5以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)HLBが14以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)水を含有し、質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である、野菜又は果物洗浄用組成物、及び(15)さらに、(D)成分としてショ糖脂肪酸エステル、(E)成分としてソルビタン脂肪酸エステル、(F)成分として有機溶剤、(G)成分として植物性抗菌・消臭剤及び/又は抗菌ペプチド、並びに(H)成分としてシクロデキストリンからなる群から選択される、1種又は2種以上の成分を含む、上記(14)の野菜又は果物洗浄用組成物も提供する。」の記載を、
「また、本発明と同様の組成を有する組成物が、野菜や果物といった食品(青果類)を洗浄するための洗浄液としても有用であることを見出した。
つまり、本発明は、
(14)(A)仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(B)仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)水を含有し、仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である、野菜又は果物洗浄用組成物、及び
(15)さらに、(D)成分としてショ糖脂肪酸エステル、(E)成分としてソルビタン脂肪酸エステル、(F)成分として有機溶剤、(G)成分として植物性抗菌・消臭剤及び/又は抗菌ペプチド、並びに(H)成分としてシクロデキストリンからなる群から選択される、1種又は2種以上の成分を含む、上記(14)の野菜又は果物洗浄用組成物も提供する。」に訂正する。

2.訂正の理由
(1)一群の請求項について
ア 訂正前の請求項1?13について、請求項2?13は請求項1を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
また、請求項4?13は、請求項3を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項2によって訂正される請求項3に連動して訂正されるものである。
また、請求項11?13は、請求項10を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項3によって訂正される請求項10に連動して訂正されるものである。
従って、訂正前の請求項1?13に対応する訂正後の請求項1?13は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
イ 訂正前の請求項14及び15について、請求項15は請求項14を直接引用しているものであって、訂正事項6によって記載が訂正される請求項14に連動して訂正されるものである。
従って、訂正前の請求項14及び15に対応する訂正後の請求項14及び15は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。

(2)訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明
ア 訂正事項1について
(ア)訂正の目的について
訂正前の請求項1に係る発明では、(A)成分に関し、「HLBが5以下のポリグリセリン脂肪酸エステル」と規定されている。
これに対して、訂正後の請求項1に係る発明では、(A)成分を「仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル」と規定した。
つまり、(A)成分のHLBの値はポリグリセリン縮合リシノール酸エステルが他の成分と配合される前のHLB値であることを明記した。これは、本件明細書の実施例の記載及び本件特許の出願時の技術常識を踏まえて、特許請求の範囲に記載すべき条件を追加して特許発明の内容を明瞭にすることに該当する。
さらに、HLBの値の範囲を狭め、かつこのエステル化合物を形成する脂肪酸を縮合リシノール酸に限定し、(A)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルの範囲を限定するものであるから、特許請求の範囲を減縮することに該当する。

訂正前の請求項1に係る発明では、(B)成分に関し、「HLBが14以上のポリグリセリン脂肪酸エステル」と規定されている。
これに対して、訂正後の請求項1に係る発明では、「仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル」と規定した。
つまり、(B)成分のHLBの値は、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルが他の成分と配合される前のHLB値であることを明記した。これは、本件明細書の実施例の記載及び技術常識を踏まえて、特許請求の範囲に記載すべき条件を追加して特許発明の内容を明瞭にすることに該当する。
さらに(B)成分のHLBの値の範囲を狭め、このエステル化合物を形成する脂肪酸の種類の範囲を狭め、ポリグリセリン脂肪酸エステルの範囲を限定するものであるから、特許請求の範囲を減縮することに該当する。

また、訂正前の請求項1では「質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である」と規定されている。
これに対し、訂正後の請求項1では、「仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である」と規定した。これは、本件明細書の実施例の記載及び技術常識を踏まえて、特許請求の範囲に記載すべき条件を追加して特許発明の内容を明瞭にすることに該当する。
従って、当該訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び同第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

同様に、訂正後の請求項2?13は、訂正後の請求項1に記載された(A)成分に関する「(A)仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル」、(B)成分に関する「(B)仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル」及び「仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である」の記載を引用することにより、訂正後の請求項2?13に係る発明における(A)成分及び(B)に該当するエステル化合物の範囲を明確にし、さらにその範囲を狭めるものであるため、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び同第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(ア)の理由から明らかなように、訂正事項1は、(A)成分及び(B)成分に規定するポリグリセリン脂肪酸エステルに該当する化合物の対象を明瞭にし、かつその範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条6項に適合するものである。
また、訂正事項1は、訂正前の請求項1の記載以外に、訂正前の請求項2?13の記載について変更するものではなく、請求項2?13のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。

(ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1は、明細書の段落【0013】、【0015】、実施例等の記載及び本件特許の出願時の技術常識に基づいて導き出せる構成である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリン及び脂肪酸とのエステル化合物である。そして、材料、反応温度、触媒、精製分画などの様々な反応条件により、得られるポリグリセリン脂肪酸エステルは混合物の場合もあり、単一化合物の場合もあり得る。従って、ポリグリセリン脂肪酸エステルからなる界面活性剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステルの混合物である場合もあり、単一化合物である場合もある。そのため、ポリグリセリン脂肪酸エステルからなる界面活性剤のHLB値は、当該ポリグリセリン脂肪酸エステルが混合物である場合はそれぞれのポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値の(加重)平均値であることも周知である。
一方、ポリグリセリン脂肪酸エステルからなる界面活性剤のHLB値を表すときに、そのポリグリセリン脂肪酸エステルが混合物であっても、そのHLB値を平均値であることをあえて記載しないことも多い。つまり、ポリグリセリン脂肪酸エステルからなる界面活性剤のHLB値の表記は単に数値で表わされ、混合物からなる界面活性剤であっても、単一物からなる界面活性剤であっても相違しない。
そして、ポリグリセリン脂肪酸エステルを他の成分とともに配合して組成物を調製するときの説明として、ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値を他の成分と混合する時、つまり仕込み時のポリグリセリン脂肪酸エステルが有するHLB値で表記されることが一般的である。
以上より、(A)成分及び(B)成分のHLBの値が仕込み時のHLB値であることを規定する訂正は本件明細書の実施例の記載及び本件特許の出願時の技術常識より自明である。

また、本件特許明細書の段落【0096】以降の各表で、(A)成分及び(B)成分の配合量が示されており、(A)/(B)値も示されていることから、(A)/(B)値は、(A)成分の(B)成分に対する仕込み値の質量比であることも自明である。

(A)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルについて、明細書の段落【0013】では、「本発明のすすぎ助剤組成物において、(A)成分のHLBが5以下のポリグリセリン脂肪酸エステルとしては特に限定されないが、被洗浄物の再汚染防止性の点でHLBは0.1以上、4以下であることが好ましい。・・・(中略)・・・、本発明の(A)成分としては、被洗浄物由来の汚れの分散性および被洗浄物の再汚染防止性の点で、炭素数18のリシノール酸の縮合物の縮合リシノール酸とポリグリセリンとのエステルであるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルが特に好ましい。」と記載されている。
(B)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルについて、明細書の段落【0015】では、「本発明のすすぎ助剤組成物において、(B)成分のHLBが13以上のポリグリセリン脂肪酸エステルとしては特に限定されないが、乾燥性、仕上がり性の点で高HLBのものが好ましく、例えば、HLB値は14以上、19以下が好ましく、15以上、19以下がさらに好ましく、16以上、19以下が特に好ましい。グリセリンの平均重合度としては、3?12であることが好ましく、4?10であることがさらに好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、合成脂肪酸、動植物油脂由来の脂肪酸のいずれでもよく、炭素数8?18の脂肪酸が好ましく、炭素数8?12の脂肪酸がより好ましい。」と記載されている。
よって、(A)成分及び(B)成分のHLB値及び構成脂肪酸に関する訂正は上記に基づくものである。
以上より、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
また、訂正事項1は、訂正前の請求項1の記載以外に、訂正前の請求項2?13の記載について願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。

イ 訂正事項2について
(ア)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正事項1で(B)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルの範囲を限定することに伴い、請求項3における「脂肪酸の炭素数が8?18」の記載を削除するものであるから、当該訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項2は、訂正前の請求項3の記載以外に、訂正前の請求項4?13の記載について、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(ア)の記載から明らかなように、訂正事項2は、(B)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルの範囲を更に限定するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
また、訂正事項2は、訂正前の請求項3の記載以外に、訂正前の請求項4?13の記載について変更するものではなく、請求項4?13のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。

(ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2は、請求項3に規定する(B)成分の範囲を明細書段落【0015】の記載に基づき更に限定するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
また、訂正事項2は、訂正前の請求項3の記載以外に、訂正前の請求項4?13の記載について願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。

ウ 訂正事項3について
(ア)訂正の目的について
訂正事項3は、訂正事項1と同様に、請求項10で規定する質量比(A)/[(G)+(H)]の値を、仕込み値の質量比(A)/[(G)+(H)]の値であることを訂正する。
これは、本件明細書の実施例の記載及び技術常識を踏まえて、特許請求の範囲に記載すべき条件を追加して特許発明の内容を明瞭にすることに該当する。
よって当該訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項3は、訂正前の請求項10の記載以外に、訂正前の請求項11?13の記載について、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(ア)の記載から明らかなように、訂正事項3は請求項10で規定する質量比(A)/[(G)+(H)]の値を明瞭にして、特許発明の範囲を明瞭にするものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
また、訂正事項3は、訂正前の請求項10の記載以外に、訂正前の請求項11?13の記載について変更するものではなく、請求項11?13のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。

(ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件明細書の段落【0033】では、「本発明のすすぎ助剤組成物は、更に上記(G)成分及び/又は(H)成分を配合する場合、上記(A)成分の(G)成分及び/又は(H)成分の総量に対する質量比(A)/[(G)+(H)]の値が0.005?10となるように含有することが好ましい。」と記載され、明細書段落【0105】表10?【0110】表15の記載から、請求項10で規定する質量比(A)/[(G)+(H)]の値が仕込み値の質量比(A)/[(G)+(H)]の値であることは自明であり、技術的に新規な事項を何ら追加していない。
従って訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
また、訂正事項3は、訂正前の請求項3の記載以外に、訂正前の請求項10?13の記載について願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。

エ 訂正事項4及び5について
(ア)訂正の目的について
訂正事項4及び5は、上記訂正事項1?3に係る訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正である。よって、訂正事項4及び5は特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4は、上記訂正事項1?3に係る訂正に伴い、明細書の段落【0009】及び【0010】の記載を整備するための訂正であるため、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する126条第6項に適合するものである。
また、訂正事項5は、訂正前明細書に記載の実施例のうち、上記訂正事項1?3に係る訂正に伴い、特許請求の範囲に記載の発明に該当しないものとなった実施例を参考例とするものであるため、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する126条第6項に適合するものである。

(ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(イ)の理由から明らかなように、訂正事項4は訂正後の特許請求の範囲の記載に明細書の記載を整合させる訂正であるため、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
同様に、訂正事項5は訂正後の特許請求の範囲に記載の発明に該当しない実施例を参考例とする訂正であるため、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。

オ 訂正事項6について
(ア)訂正の目的について
訂正前の請求項14に係る発明では、(A)成分に関し、「HLBが5以下のポリグリセリン脂肪酸エステル」と規定されている。
これに対して、訂正後の請求項14に係る発明では、(A)成分を「仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル」と規定した。
つまり、(A)成分のHLBの値はポリグリセリン縮合リシノール酸エステルが他の成分と配合される前のHLB値であることを明記した。これは、本件明細書の実施例の記載及び本件特許の出願時の技術常識を踏まえて、特許請求の範囲に記載すべき条件を追加して特許発明の内容を明瞭にすることに該当する。
さらに、HLBの範囲を狭め、かつこのエステル化合物を形成する脂肪酸を縮合リシノール酸に限定し、(A)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルの範囲を限定するものであるから、特許請求の範囲を減縮することに該当する。

訂正前の請求項14に係る発明では、(B)成分に関し、「HLBが14以上のポリグリセリン脂肪酸エステル」と規定されている。
これに対して、訂正後の請求項14に係る発明では、「仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル」と規定した。
つまり、(B)成分のHLBの値は、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルが他の成分と配合される前のHLB値であることを明記した。これは、本件明細書の実施例の記載及び技術常識を踏まえて、特許請求の範囲に記載すべき条件を追加して特許発明の内容を明瞭にすることに該当する。
さらに、(B)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルのHLBの範囲、及びこのエステル化合物を形成する脂肪酸の種類の範囲を狭め、(B)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルの範囲を限定するものであるから、特許請求の範囲を減縮することに該当する。

また、訂正前の請求項14では「質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である」と規定されている。
これに対し、訂正後の請求項14では、「仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である」と規定した。これは、本件明細書の実施例の記載及び技術常識を踏まえて、特許請求の範囲に記載すべき条件を追加して特許発明の内容を明瞭にすることに該当する。
従って、当該訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び同第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

同様に、訂正後の請求項15は、訂正後の請求項14に記載された(A)成分に関する「(A)仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル」、(B)成分に関する「(B)仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル」及び「仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である」の記載を引用することにより、訂正後の請求項15に係る発明における(A)成分及び(B)成分に該当するエステル化合物の範囲を明確にし、さらにその範囲を狭めるものであるため、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び同第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(ア)の理由から明らかなように、訂正事項6は、(A)成分及び(B)成分に規定するポリグリセリン脂肪酸エステルに該当する化合物の範囲の対象を明瞭にし、かつその範囲を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条6項に適合するものである。
また、訂正事項6は、訂正前の請求項14の記載以外に、訂正前の請求項15の記載について変更するものではなく、請求項15のカテゴリーや対象、目的を変更するものではない。

(ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項6は、明細書の段落【0013】、【0015】、実施例等の記載及び本件特許の出願時の技術常識に基づいて導き出せる構成である。
ポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリン及び脂肪酸とのエステル化合物である。そして、材料、反応温度、触媒、精製分画などの様々な反応条件により、得られるポリグリセリン脂肪酸エステルは混合物の場合もあり、単一化合物の場合もあり得る。従って、ポリグリセリン脂肪酸エステルからなる界面活性剤は、ポリグリセリン脂肪酸エステルの混合物である場合もあり、単一化合物である場合もある。そのため、ポリグリセリン脂肪酸エステルからなる界面活性剤のHLB値は、当該ポリグリセリン脂肪酸エステルが混合物である場合はそれぞれのポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値の(加重)平均値であることも周知である。
一方、ポリグリセリン脂肪酸エステルからなる界面活性剤のHLB値を表すときに、そのポリグリセリン脂肪酸エステルが混合物であっても、そのHLB値を平均値であることをあえて記載しないことも多い。つまり、ポリグリセリン脂肪酸エステルからなる界面活性剤のHLB値の表記は単に数値で表わされ、混合物からなる界面活性剤であっても、単一物からなる界面活性剤であっても相違しない。
そして、ポリグリセリン脂肪酸エステルを他の成分とともに配合して組成物を調製するときの説明として、ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値を他の成分と混合する時、つまり仕込み時のポリグリセリン脂肪酸エステルが有するHLB値で表記されることが一般的である。
以上より、(A)成分及び(B)成分のHLBの値が仕込み時のHLB値であることを規定する訂正は本件明細書の実施例の記載及び本件特許の出願時の技術常識より自明である。

また、本件特許明細書の段落【0101】以降の各表で、(A)成分及び(B)成分の配合量が示されており、(A)/(B)値も示されていることから、(A)/(B)値は、(A)成分の(B)成分に対する仕込み値の質量比であることも自明である。

(A)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルについて、明細書の段落【0013】では、「本発明のすすぎ助剤組成物において、(A)成分のHLBが5以下のポリグリセリン脂肪酸エステルとしては特に限定されないが、被洗浄物の再汚染防止性の点でHLBは0.1以上、4以下であることが好ましい。・・・(中略)・・・、本発明の(A)成分としては、被洗浄物由来の汚れの分散性および被洗浄物の再汚染防止性の点で、炭素数18のリシノール酸の縮合物の縮合リシノール酸とポリグリセリンとのエステルであるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルが特に好ましい。」と記載されている。
(B)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルについて、明細書の段落【0015】では、「本発明のすすぎ助剤組成物において、(B)成分のHLBが13以上のポリグリセリン脂肪酸エステルとしては特に限定されないが、乾燥性、仕上がり性の点で高HLBのものが好ましく、例えば、HLB値は14以上、19以下が好ましく、15以上、19以下がさらに好ましく、16以上、19以下が特に好ましい。グリセリンの平均重合度としては、3?12であることが好ましく、4?10であることがさらに好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、合成脂肪酸、動植物油脂由来の脂肪酸のいずれでもよく、炭素数8?18の脂肪酸が好ましく、炭素数8?12の脂肪酸がより好ましい。」と記載されている。
よって、(A)成分及び(B)成分のHLB値及び構成脂肪酸に関する訂正は上記に基づくものである。
以上より、訂正事項6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。
また、訂正事項6は、訂正前の請求項14の記載以外に、訂正前の請求項15の記載について願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。

カ 訂正事項7について
(ア)訂正の目的について
訂正事項7は、上記訂正事項6に係る訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正である。よって、訂正事項7は特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(ア)の通り、訂正事項7は、上記訂正事項6に係る訂正に伴い、明細書の段落【0011】の記載を整備するための訂正であるため、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する126条第6項に適合するものである。

(ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(イ)の理由から明らかなように、訂正事項7は訂正後の特許請求の範囲の記載に明細書の記載を整合させる訂正であるため、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合するものである。

(2)小括
以上のとおりであるから、本件訂正は特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び6項の規定に適合する。
したがって、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?13〕〔14、15〕について訂正することを認める。

第3 本件発明
上記第2で述べたとおり、本件訂正後の請求項1?15について訂正することを認めるので、本件特許の請求項1?15に係る発明は、令和2年6月16日付けの訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1?15に記載された事項により特定される次のとおりのもの(以下「本件特許発明1」?「本件特許発明15」、まとめて「本件特許発明」ともいう。)である。

「【請求項1】
(A)仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(B)仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)水を含有し、仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である、自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項2】
(A)成分がグリセリンの平均重合度が3?10であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルである、請求項1記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項3】
(B)成分がグリセリンの平均重合度が3?12のポリグリセリン脂肪酸エステルである、請求項1又は2に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項4】
さらに、(D)成分としてショ糖脂肪酸エステルを含有する、請求項1?3のいずれか1項に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項5】
さらに、(E)成分としてソルビタン脂肪酸エステルを含有する、請求項1?4のいずれか一項に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項6】
さらに、(F)成分として有機溶剤を含有する、請求項1?5のいずれか一項に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項7】
前記自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物が、クレート洗浄後のすすぎに用いられる、請求項1?6のいずれか一項に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項8】
さらに(G)成分として、植物性抗菌・消臭剤及び抗菌ペプチドからなる群より選ばれた1種または2種以上を含有する、請求項1?7のいずれか一項に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項9】
さらに(H)成分として、シクロデキストリンを含有する、請求項1?8のいずれか一項に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項10】
(A)成分の(G)成分及び/又は(H)成分の総量に対する仕込み値の質量比(A)/[(G)+(H)]の値が0.005?10である、請求項8又は9に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項11】
(G)成分の植物性抗菌・消臭剤が、モウソウチク抽出物、モウソウチク乾留物、チャ抽出物、チャ乾留物、ブドウ種子抽出物、グレープフルーツ種子抽出物より選ばれた1種または2種以上である請求項8?10のいずれか一項に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項12】
自動食器洗浄機用洗浄剤を含む洗浄液を自動食器洗浄機の洗浄液タンク内で加熱保持する工程、洗浄液タンク内の洗浄液を洗浄機庫内に噴射して食器類を洗浄する工程、及び、洗浄後、請求項1?11のいずれかに記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物を含むすすぎ液ですすぐ工程を含む、自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法。
【請求項13】
前記すすぎ液ですすぐ工程において、すすぎ液を洗浄機の平面積2500cm^(2)あたり、1?3L噴射して食器類をすすぐ請求項12記載の自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法。
【請求項14】
(A)仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(B)仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)水を含有し、仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である、野菜又は果物洗浄用組成物。
【請求項15】
さらに、(D)成分としてショ糖脂肪酸エステル、(E)成分としてソルビタン脂肪酸エステル、(F)成分として有機溶剤、(G)成分として植物性抗菌・消臭剤及び/又は抗菌ペプチド、並びに(H)成分としてシクロデキストリンからなる群から選択された1種又は2種以上の成分を含む、請求項14に記載の野菜又は果物洗浄用組成物。」

第4 取消理由通知に記載した取消理由について
1 取消理由の概要
訂正前の請求項1?15に係る特許に対して、当審が令和2年3月17日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
理由1(明確性)本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、本件特許は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものであり、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。
理由2(サポート要件)本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、本件特許は、特許法第36条第6項第1号の規定に違反してされたものであり、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。
理由3(新規性)本件特許の請求項1、3、6に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の甲第1号証に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1、3、6に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
理由4(進歩性)本件特許の請求項1?15に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第1号証?甲第7号証に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1?15に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。

甲第1号証:特開平5-255698号公報
甲第2号証:特開昭63-17995号公報
甲第3号証:特許第6105360号公報
甲第4号証:特許第3425381号公報
甲第5号証:特許第5199529号公報
甲第6号証:特開平7-62397号公報
甲第7号証:米国特許出願公開2017/0051234号明細書

2 甲号証の記載について
(1)甲第1号証
1a「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動食器洗浄機などに用いられるすすぎ助剤に関する。」
1b「【0015】
【実施例】後記表1?4に示した組成のすすぎ助剤を調製し、以下の条件で洗浄、すすぎを行って乾燥性、スポット汚れおよび泡立ちを評価し、その結果を表1?4に示した。以下、洗浄・すすぎ方法、評価方法、各評価基準の順に示す。また、併せて低温安定性についても評価し、表1?4に示した。
【0016】(1) 洗浄・すすぎ方法
洗浄機:石川島播磨重工業(株)製、JWD-6型
自動供給装置:米国ベーター社製H-7100R
洗浄剤:アルカリ性自動食器洗浄機用洗浄剤、マイスターLE(ライオンハイジーン(株)製)
洗浄条件:洗浄剤濃度0.2%、60℃-40秒間スプレー洗浄
すすぎ条件:表1?4に示したすすぎ助剤濃度0.01%、80℃-15秒スプレーすすぎ
【0017】(2) 評価方法
ガラス製のグラスを市販牛乳でぬらし、4時間風乾した後に、洗浄、すすぎを行い、以下の基準により目視により判定した。なお、スポット汚れはグラス10個の平均をとった。
【0018】(3) グラスの乾燥性
◎:極めて良好
〇:良好
△:やや劣る
×:不良
【0019】(4) グラスのスポット汚れ
5点:全くスポットがない
4点:スポットが1個ある
3点:スポットが2?3個ある
2点:スポットが多数ある
1点:全体に曇った感じがする
【0020】(5) 泡立ち
○:泡立ちが少なく、洗浄機の運転に全く支障なし
△:泡立ちは多いが、洗浄機の運転に支障なし
×:泡立ちが極めて多く、洗浄機の運転に支障あり
【0021】(6) 低温安定性
下記表1?4に示した組成のすすぎ助剤を-5℃の恒温室に静置し、1ケ月経過後の外観を下記基準に基づき、視覚判定した。
○:透明でかつ流動性を保持
△:一部混濁ないし分離生成
×:全面的に混濁ないし分離生成
・・・
【表4】

*1)エステルはすべて、モノ、ジエステル70?80%、トリエステル10?20%、残部テトラエステル以上および未反応多価アルコールから成る。」

(2)甲第2号証
2a「〔従来の技術と問題点〕
従来よりすすぎ助剤の成分として、プルロニック系界面活性剤、食品添加物として認められているソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルの界面活性剤を用いることが公知である。
しかし、プルロニック系界面活性剤は食品添加物として認められておらず、人体に対する安全性の面で問題があり、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルは水溶性が悪く、プロピレングリコール、グリセリン、エタノールなどの可溶化剤を用いて安定な製品にするのが通常の方法である。」(第1ページ右欄第1?17行)
2b「本発明の乳状すすぎ助剤組成物の必須成分中、重合度2?12のポリグリセリンの縮合リシノレートは、乳状すすぎ助剤を得る為に特に必須な成分であり、例えばヘキサグリセリン縮合リシノレート(版本薬品のSYグリスターCR-500)、テトラグリセリン縮合リシノレート(版本薬品のSYグリスターCR-310)等が好ましく、特にヘキサグリセリン縮合リシノレートが好ましい。この重合度2?12のポリグリセリンの縮合リシノレートがないと、白色乳状のすすぎ助剤は得られない。」(第2ページ左下欄第7?17行)
2c「「ショ糖、グリセリン、ソルビタン、ソルバイド、ソルビットからなる群から選ばれた1種又は2種以上の多価アルコールと炭素原子数6?10個の脂肪酸との部分エステルとしては、ソルビタンモノカプリレート、グリセリンモノカプリレート等があり、これらは使用濃度におけるすすぎ助剤溶液の泡立ちを抑え、食器に光沢を与える。」(第2ページ右下欄3?10行目)

(3)甲第3号証
3a「【0037】
そして、本発明の自動洗浄機用プラスチック食器乾燥仕上げ剤組成物には、任意成分として、水、pH調整剤、有機酸およびその塩、染料、香料、金属腐食抑制剤、殺菌剤、消臭剤、帯電防止剤等を用いることができる。水は、水道水、軟水、イオン交換水、純水、精製水等があげられ、好ましくは、水道水、軟水が用いられる。なお、上記「水」は、本発明の組成物を構成する各成分に由来の結晶水や水溶液の形で含まれる水と外から加えられる水との総和であり、自動食器洗浄機用プラスチック食器乾燥仕上げ剤組成物全体が100%となるよう配合される。
【0038】
上記必須成分および任意成分を適宜含有してなる本発明のプラスチック食器用乾燥仕上げ剤組成物は、1000?40000倍に希釈して、乾燥仕上げ剤水溶液として、ガラス、陶器、磁器、金属、プラスチック等の材質の食器・調理器具等を効率よく洗浄する自動洗浄機のすすぎ工程に用いることができる。上記乾燥仕上げ水溶液は、特にプラスチック食器に対する乾燥性、仕上がり性に優れ、安全性に優れるとともに、低泡性で広範囲な温度における貯蔵安定性にも優れるものとなっている。」

(4)甲第4号証
4a「【0037】なお、本発明のプラスチック食器用乾燥仕上剤には、染料,香料,殺菌剤,粘度調製剤等の任意成分を、必要に応じて適宜の割合で配合することができる。」

(5)甲第5号証
5a「【0054】
そして、本発明の自動洗浄機用乾燥仕上げ剤組成物には、任意成分として、pH調整剤、有機酸およびその塩、染料、香料、金属腐食抑制剤、殺菌剤、消臭剤、帯電防止剤等を用いることができる。」

(6)甲第6号証
6a「【特許請求の範囲】
【請求項1】 必須成分として、使用時において、(1)植物より抽出される成分0.1?40mg/リットル、(2)ソルビトール、ソルビタン、ソルビッド、グリセリン、ポリグリセリン、ショ糖、プロピレングリコールから選ばれる1種または2種以上の多価アルコールと脂肪酸との部分エステル3?80mg/リットルを含有することを特徴とする消臭すすぎ助剤。」

(7)甲第7号証(訳文にて示す)
7a「[0259]使用方法
[0260]一態様において、本発明は、表面及び/又は製品をすすぐための組成物の使用を含む。別の態様において、本発明の組成物は、特に硬表面洗剤、食品接触洗剤(直接的又は間接的接触を含む)、組織接触洗剤(例えば、果物又は野菜用を含む)、種々の硬表面用の速乾助剤(例えば、ヘルスケア表面用、器具用、器具洗浄用、食品及び/又は飲料表面用等を含む)、任意の塗り付け硬表面洗剤又はすすぎ助剤としての使用に特に適当である。・・・」

3 当審の判断
(1)特許法第36条第6項第2号について
本件特許発明1及び14の(A)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルは縮合リシノール酸から得られるエステル化合物であり、(B)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルは、炭素数8?12の脂肪酸から得られるエステル化合物であり、これらの分子構造から、(A)成分と(B)成分のエステル化合物は組成物中においても明確に区別することができる。
また、特定のHLB値を有するポリグリセリン脂肪酸エステルを表記する場合に、それが混合物であっても、化合物名のみで特定して、「・・・の混合物」とは表記せず、また、HLB値が平均値であっても、「HLBが・・・のポリグリセリン脂肪酸エステル」と表記するのが一般的である。
加えて、訂正後の請求項1及び14において、(A)成分及び(B)成分は仕込み時のポリグリセリン脂肪酸エステルを指しており、他の成分と配合される前の状態でのポリグリセリン脂肪酸エステルを指している。
従って、当業者であれば、訂正後の(A)成分及び(B)成分に該当するポリグリセリン脂肪酸エステルの範囲を明確に把握できる。
そして、(A)成分と(B)成分の質量比に関し、「仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である」と特定されていることから、質量比の対象となる(A)成分及び(B)成分の範囲が明確であり、その結果、(A)成分/(B)成分の値も明確である。
以上より、訂正後の本件特許発明1の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物及び本件特許発明14の野菜又は果物洗浄用組成物に存在するポリグリセリン脂肪酸エステルに関し、(A)成分に由来するポリグリセリン脂肪酸エステルと(B)成分に由来するポリグリセリン脂肪酸エステルは重複することなく明確に区別することができるため、「質量比で(A)成分/(B)成分の値」は正確に把握することができる。
その結果、実施例の記載と、訂正後の本件特許発明1及び14に規定する「仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である」という発明特定事項も整合している。
以上より、本件特許発明1及び14は明確であり、本件特許の特許請求の範囲の記載は特許法第36条第6項第2号の要件を満たしている。
また、本件特許発明1及び14に直接的又は間接的に従属する請求項に記載の発明も明確となり、これらの記載は特許法第36条第6項第2号の要件を満たしている。

(2)特許法第36条第6項第1号について
訂正後の本件発明は、(A)成分として使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルと(B)成分として使用されるポリグリセリン脂肪酸エステルでは、構成される脂肪酸の構造が明らかに異なるため、本件特許発明の組成物中でこれらが明確に区別できることは明らかである。その結果、上述の通り、「仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9」という発明特定事項も技術的に明確となっている。

本件特許明細書の実施例では、下記の成分(A)に該当する4種のエステル化合物と(B)成分に該当する2種のエステル化合物を配合して用いている(本件特許明細書の段落【0047】、【0048】)。具体的には以下の通りである。
(A)成分
A-1:テトラグリセリン縮合リシノール酸エステル(HLB2?3)
A-2:ペンタグリセリン縮合リシノール酸エステル(HLB0.5?2)
A-3:ヘキサグリセリン縮合リシノール酸エステル1(HLB2?3)
A-4:ヘキサグリセリン縮合リシノール酸エステル2(HLB3?4)
(B)成分
B-1:テトラグリセリンカプリル酸エステル(HLB16.1)
B-2:デカグリセリンカプリル酸エステル(HLB16.1)
これらは、ポリグリセリン脂肪酸エステルを示すための一般的な記載であり、仕込み時のポリグリセリン脂肪酸エステルを示している。当業者であれば、これらの化合物の構造、性質等を容易に想定することができる。
また、本件特許明細書の段落【0096】以降に、本件特許発明の自動食器洗浄機用すすぎ助剤の成分表が記載されているが、各成分の数値は、技術常識も勘案すれば、仕込み値であることも当業者は十分理解できる。その結果、「仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である」自動食器洗浄機用すすぎ助剤がどのような組成物であるかを当業者は十分認識できるといえる。
そしてこれらの表より、本件特許発明の組成物の乾燥性、仕上がり性、再汚染防止性、抑泡性、貯蔵安定性、洗浄性(野菜)、消臭性及び抗菌性が試験されて、全ての試験項目で本件特許発明の組成物は実用性を有することが具体的に立証されているといえる。

従って、本件特許発明の、「自動食器洗浄機、特に業務用の節水型自動食器洗浄機で使用した場合にも、食器類の乾燥性、仕上がり性に優れており、自動食器洗浄機内での抑泡性、貯蔵安定性にも優れ、洗浄タンク内に汚れが存在する場合でも乾燥性、仕上がり性が良好であり、被洗浄物の再汚染防止効果を有し、野菜や果物の洗浄剤としても有用であるすすぎ助剤組成物を提供する」という課題が解決されていることは、当業者が十分に認識可能であるといえる。
以上より、訂正後の特許請求の範囲に記載された発明は、発明の詳細な説明に記載された発明であり、本件特許の特許請求の範囲の記載は特許法第36条第6項第1号の要件を満たしている。

(3)特許法第29条第1項3号及び同法同条第2項について
ア 本件特許発明1について
(ア)甲1発明との対比
甲第1号証には、比較例12の記載からみて、「テトラグリセリンステアリン酸エステル35wt%、デカグリセリンカプリン酸エステル25wt%、プロピレングリコール20wt%、純水20wt%を含有するすすぎ助剤」の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる(上記2(1)摘記1b参照)。
本件特許発明1と甲1発明を対比する。
甲1発明の「純水」は、本件特許発明1の「(C)水」に相当する。
甲1発明の「すすぎ助剤」は、自動食器洗浄機などに用いられるものであるから(摘記1a参照)、本件特許発明1の「自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物」に相当する。
そうすると、本件特許発明1と甲1発明は、「(C)水を含有する自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。」である点で一致し、以下の相違点がある。

<相違点>
自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物が、本件特許発明1では (A)仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(B)仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有し、仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9であるのに対し、甲1発明ではテトラグリセリンステアリン酸エステル35wt%、デカグリセリンカプリン酸エステル25wt%を含有する点。

(イ)相違点についての検討
甲1発明は、甲第1号証に記載されている発明としては比較例であって、比較例12として低温安定性が悪く及び泡立ち性の評価が「×」で、自動食器洗浄機の運転に支障があるすすぎ助剤として判断されている(摘記1b参照)。したがって、上記相違点は実質的な相違点である。
一方、甲第2号証では、「重合度2?12のポリグリセリンの縮合リシノレートがないと、白色乳状のすすぎ助剤は得られない」(摘記2b参照)、「ショ糖、グリセリン、ソルビタン、ソルバイド、ソルビットからなる群から選ばれた1種又は2種以上の多価アルコールと炭素原子数6?10個の脂肪酸との部分エステルとしては、ソルビタンモノカプリレート、グリセリンモノカプリレート等があり、これらは使用濃度におけるすすぎ助剤溶液の泡立ちを抑え、食器に光沢を与える」(摘記2c参照)と記載されており、重合度2?12のポリグリセリンの縮合リシノレートは乳状すすぎ助剤を形成することを目的に使用される成分であることは理解されるものの、その他の機能や効果については甲第2号証には何らの記載も示唆もされていない。
そして、甲1発明は、低温安定性が悪く、泡立ち性が自動食器洗浄機では使用できないすすぎ助剤組成物であるから、甲1発明に接した当業者は、低温安定性を改善し、泡立ちが抑えられるための改良を行うはずであり、泡立ち性に関して、多価アルコールと炭素原子数6?10個の脂肪酸との部分エステルが寄与することが記載されている甲第2号証を参照すれば、当業者であれば、甲1発明に対して、この部分エステルの添加を検討するはずである。
したがって、甲第2号証には、重合度2?12のポリグリセリン縮合リシノレートとすすぎ助剤組成物の低温安定性や泡立ち性との関係について何らの記載も示唆もない以上、甲1発明のテトラグリセリンステアリン酸エステルのトリエステルに代えて重合度2?12のポリグリセリン縮合リシノレートを使用する動機付けは見い出せないから、甲1発明において当該ポリグリセリン縮合リシノレートを採用することは、当業者が容易に想到することができたとはいえない。

(ウ)本件特許発明1の効果
本件特許明細書の段落【0096】【表1】(特に、実施例9及び10)の記載から明らかなように、

成分(A)としてポリグリセリン縮合リシノール酸エステルを用いた自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物は、再汚染防止性試験に関する3つの評価(乾燥性、仕上がり性、汚れ付着性)において優れた効果を有する。
そして、甲第1号証及び甲第2号証には、すすぎ助剤組成物における重合度2?12のポリグリセリン縮合リシノレートと再汚染防止性の関係について何らの記載も示唆もないから、本件特許発明1の効果は、甲第1号証及び甲第2号証からは当業者が予想できない顕著なものである。

(エ)小括
したがって、本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当せず、また、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものではない。

イ 本件特許発明2?13について
本件特許発明2?13は、本件特許発明1を直接又は間接的に引用するものである。
そうすると、上記アと同様の理由により、本件特許発明3、6は、上記甲第1号証に記載された発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当せず、本件特許発明2?13は、甲第1号証?甲第7号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものではない。

ウ 本件特許発明14について
本件特許発明14は、本件特許発明1と同様に、(A)成分として「仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル」を用い、(B)成分として、「仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル」を用いている。
そうすると、甲第7号証の記載を考慮したとしても、上記アと同様の理由により、本件特許発明14は、甲第1号証、甲第2号証、甲第7号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものではない。

エ 本件特許発明15について
本件特許発明15は、本件特許発明14を引用するものである。
そうすると、上記ウと同様の理由により、本件特許発明15は、甲第1号証?甲第7号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものではない。

第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由は、以下の1、2である。

1 本件特許の請求項1?15に係る発明は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に適合するものではない。
よって、本件特許の請求項1?8に係る発明に係る特許は、同法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。
2 本件特許の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、本件特許は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものであり、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものである。

1 特許法第36条第6項第1号について
(1)特許異議申立人の主張
特許異議申立人は、
「ア 「本件特許発明1では、(A)成分と(B)成分の質量比は特定されているが、組成物中の(A)成分、(B)成分の質量割合は特定されていない。例えばこれらの質量割合をそれぞれごく僅かなものとした場合に本発明の効果を発揮できることが示されておらず、サポート要件を満たさない。本件特許発明2?15も同様の取消理由を有する。
イ (B)成分(HLB が14以上のポリグリセリン脂肪酸エステル)について、本件特許明細書の実施例ではHLB16.1のものしか用いられていない(本件特許明細書の段落【0048】等)。(A)成分(HLBが5以下のポリグリセリン脂肪酸エステル)についても、HLB0.5?4のものしか用いられていない(本件特許明細書の段落【0047】等)。このような実施例にもとづいて、本件特許発明1の範囲((A)成分についてHLB5以下、 (B)成分についてHLB14以上)にわたって効果を発揮できることが示されていない。本件特許発明2?15も同様の取消理由を有する。
したがって、本件特許発明1?15は、サポート要件を満たしていない。」と主張する。
しかし、上記アについては、段落【0014】において(A)成分の配合量には制限はなく、好ましい範囲も記載されており、段落【0016】において(B)成分の配合量には制限はなく、好ましい範囲も記載されているし、これらの質量割合は、技術常識を勘案してそれぞれ配合すれば足りるものであることは明らかである。
イについては、上記第4 4(2)で検討したとおり、本件特許発明の範囲において、「自動食器洗浄機、特に業務用の節水型自動食器洗浄機で使用した場合にも、食器類の乾燥性、仕上がり性に優れており、自動食器洗浄機内での抑泡性、貯蔵安定性にも優れ、洗浄タンク内に汚れが存在する場合でも乾燥性、仕上がり性が良好であり、被洗浄物の再汚染防止効果を有し、野菜や果物の洗浄剤としても有用であるすすぎ助剤組成物を提供する」という課題が解決されていることは、当業者が十分に認識可能である。また、本件訂正により、訂正後の本件特許発明1は、(A)成分の仕込み時のHLBが4以下、(B)成分の仕込み時のHLBが14以上、19以下に限定されたことからみても、本件特許発明1?15において、上記課題が解決されていることを当業者が十分に認識可能であることは明らかである。
よって、出願人の上記主張は採用できない。

(2)小括
本件特許の請求項1?15に係る発明は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に適合するものである。

2 特許法第36条第6項第2号について
(1)特許異議申立人の主張
特許異議申立人は、
「ア 本件特許発明1では、(A)HLBが5以下のポリグリセリン脂肪酸エステルと、(B)HLBが14以上のポリグリセリン脂肪酸エステルを規定するところ、HLBの定義としてGriffinの方法により求められた値である旨記載され、1996年(平成8年)に発行された「新版 界面活性剤ハンドブック」の第234頁(甲第9号証)が挙げられている(本件特許明細書の段落【0013】)。
当該第234頁には、Griffinによって提唱されたHLBの概念は、(1)乳化力を比較して実験的に定められるものであることが記載されている。また、非イオン活性剤については簡単な計算式があり、(2)化剤が多価アルコールと脂肪酸エステルの場合の計算式として下記(5・1・6)が示されている。Sは、エステルのけん化価であり、Aは脂肪酸の酸価である旨記載されている。

更に(3)非イオン活性剤分子中の親水基の重量に着目したHLBの式として下記(5・1・9)が示されている。

このように、本件特許明細書に記載のGrifiinの方法により求められるHLBは、「新版界面活性剤ハンドブック」の第234頁の記載から少なくとも上記(1)?(3)複数を読み取ることができ、どの方法を採用するかによってHLBの値も当然変動すると考えられるため、HLBの値が一義的に定まらないと言える。なお、上(2)の方法を採用するとしても、例えばエステルのけん化価の測定方法が不明であり、例えばJIS K 0070-1992の方法を用いるのか、又は、その他の方法を用いるのかが明らかでなく、この測定方法によってもHLBの値が変動し、一義的に定まらないと言える。
したがって、ある具体的な自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物が本件特許発明1の範囲に入るか否かを当業者が理解することができない。本件特許発明2?15も同様の取消理由を有する。
イ また本件特許発明7において、「クレート洗浄後のすすぎに用いられる」なる記載が「自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物」を物としてどのように特定するのかが不明であり、結果、本件特許発明7が示す技術的内容も明確でない。本件特許発明8?13の本件特許発明7を引用する部分も同様の取消理由を有する。
以上より、本件特許発明1?15は、明確性要件を満たしていない。」と主張する。

アについて
HLB値は親水親油バランスであるから、ある界面活性剤について一義的に決まるものであり、実験により得られる値と複数の計算式によって得られる値とで一定の誤差が生じる可能性はあったにしても、上記どの方法を採用するかによってHLBの値が変動するとは解されない。
また、訂正後の本件特許発明においては、(A)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルは縮合リシノール酸から得られるエステル化合物であり、(B)成分のポリグリセリン脂肪酸エステルは、炭素数8?12の脂肪酸から得られるエステル化合物であり、これらの分子構造から、(A)成分と(B)成分のエステル化合物は組成物中においても明確に区別することができる。

イについて
本願発明7の「クレート洗浄後のすすぎに用いられる」なる記載は、「自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物」の用途を特定するものであるから、本件特許発明7が示す技術的内容も明確である。

よって、出願人の上記主張は採用できない。

(2)小括
本件特許の請求項1?15に係る発明は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に適合するものである。

第6 むすび
以上のとおりであるから、令和2年3月17日付けの取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1?15に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1?15に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、食器類のすすぎ方法、及び野菜又は果物洗浄用組成物
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、特に業務用の自動食器洗浄機用として好適なすすぎ助剤組成物に関する。また、本発明はこのすすぎ助剤組成物を用いた食器類のすすぎ方法に関する。更に本発明は野菜又は果物洗浄用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食器類の洗浄に自動食器洗浄機が広く利用されるようになっており、ホテル、レストラン、給食会社、病院、会社の食堂等においても、使用後の食器を効率よく洗浄するために、また近年の衛生意識の向上から業務用の自動食器洗浄機が広く用いられている。
【0003】
自動食器洗浄機、特に業務用の自動食器洗浄機により食器類を洗浄する場合、一般的に、所定濃度に調整した洗浄液を洗浄タンク内で加熱保持し、次いで洗浄液タンク内の洗浄液を洗浄液ノズルから洗浄機庫内に一定量噴射して洗浄機庫内の食器類を洗浄した後、所定濃度のすすぎ助剤を含むすすぎ液を洗浄機のノズルから一定量噴射してすすぎを行い、乾燥するという工程を経て洗浄が行われる。このすすぎ助剤には、界面活性剤が配合されており、これにより、すすぎ液の表面張力を下げ、食器表面の水滴を広がりやすくして乾燥を速め、更にウォータースポットと呼ばれる白斑を低減して、美観良く仕上げることができる。
【0004】
近年は特に環境意識の高まりにより節水型の自動食器洗浄機が普及してきているが、節水型の自動食器洗浄機はすすぎ量が通常の自動食器洗浄機よりも少ないため、被洗浄物により持ち込まれる汚れが洗浄タンク内に蓄積されやすく、タンク内の汚れた洗浄液による被洗浄物の再汚染が問題となっていた。
【0005】
従来のすすぎ助剤としては、特許文献1にはHLB3?13のポリグリセリン脂肪酸エステルを必須成分とするすすぎ助剤が記載されている。特許文献2には特定の重合度n(n=3、4、5)であるポリグリセリンと炭素数が(2n)?(2n+4)の脂肪酸とをエステル化してなるポリグリセリン脂肪酸エステルと、炭素数8?12の脂肪酸をエステル化してなるソルビタン脂肪酸エステルを含むプラスチック食器用乾燥仕上剤が記載されている。特許文献3には炭素数8?12の脂肪酸と平均重合度n(n=6?10)のポリグリセリンをエステル化してなるHLB10以上のポリグリセリン脂肪酸エステルと、ソルビタン脂肪酸エステル、水溶性溶剤を含む自動食器洗浄機用乾燥仕上げ剤組成物が記載されており、特許文献4には炭素数8?12の脂肪酸と平均重合度n(n=6?10)のポリグリセリンをエステル化してなるHLB10以上のポリグリセリン脂肪酸エステルと、炭素数6?12のソルビタンエステルを含むプラスチック食器用乾燥仕上げ剤組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭60-53599号公報
【特許文献2】特許第3425381号公報
【特許文献3】特許第5199529号公報
【特許文献4】特許第6105360号公報
【0007】
しかしながら特許文献1記載のすすぎ助剤は食器類の乾燥性について十分ではなく、特許文献2記載のプラスチック食器用乾燥仕上剤は乾燥性、仕上がり性について十分ではない。特許文献3記載の乾燥仕上げ剤組成物はガラス、陶器、磁器、金属、プラスチック等の材質の食器に対して良好な乾燥性、仕上がり性、低泡性に優れているが、自動食器洗浄機の洗浄タンク内に蓄積された、汚れた洗浄液により被洗浄物が再汚染されることで乾燥性や仕上がり性が低下してしまい、また、節水型の自動食器洗浄機のようなすすぎ水の量が少ない条件においても十分な乾燥性、仕上がり性が得られないという問題があった。特許文献4記載のプラスチック食器用乾燥仕上げ剤組成物もプラスチック製食器類の仕上がり性や低泡性、貯蔵安定性について優れているが、他の材質の食器類に対しては十分な性能を示さず、被洗浄物の再汚染防止効果や節水型自動食器洗浄機での乾燥性、仕上がり性についても十分ではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明は、自動食器洗浄機、特に業務用の節水型自動食器洗浄機で使用した場合にも、食器類の乾燥性、仕上がり性に優れており、自動食器洗浄機内での抑泡性、貯蔵安定性にも優れ、洗浄タンク内に汚れが存在する場合でも乾燥性、仕上がり性が良好であり、被洗浄物の再汚染防止効果を有するすすぎ助剤組成物を提供することを目的とする。また、本発明はこのすすぎ助剤組成物を用いた自動食器洗浄機による食器類のすすぎ方法を提供することを目的とする。
【0009】
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意検討した結果、(A)成分として仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(B)成分として仕込み時のHLBの平均値が14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)成分として水を含有し、仕込み時の(A)成分と(B)成分が特定の比率になるようにしたすすぎ助剤組成物が、上記従来の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち本発明は
(1)(A)仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(B)仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)水を含有し、仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である、自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(2)(A)成分がグリセリンの平均重合度が3?10であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルである、上記(1)の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(3)(B)成分がグリセリンの平均重合度が3?12のポリグリセリン脂肪酸エステルである、上記(1)又は(2)の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(4)さらに、(D)成分としてショ糖脂肪酸エステルを含有する、上記(1)?3にいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(5)さらに、(E)成分としてソルビタン脂肪酸エステルを含有する、上記(1)?(4)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(6)さらに、(F)成分として有機溶剤を含有する、上記(1)?(5)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(7)前記自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物が、クレート洗浄後のすすぎに用いられる、上記(1)?(6)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(8)さらに(G)成分として、植物性抗菌・消臭剤及び抗菌ペプチドからなる群より選ばれた1種または2種以上を含有する上記(1)?(7)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(9)さらに(H)成分として、シクロデキストリンを含有する、上記(1)?(8)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(10)(A)成分の(G)成分及び/又は(H)成分の総量に対する仕込み値の質量比(A)/[(G)+(H)]の値が0.005?10である、上記(8)又は(9)の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(11)(G)成分の植物性抗菌・消臭剤が、モウソウチク抽出物、モウソウチク乾留物、チャ抽出物、チャ乾留物、ブドウ種子抽出物、グレープフルーツ種子抽出物より選ばれた1種または2種以上である上記(8)?(10)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、
(12)自動食器洗浄機用洗浄剤を含む洗浄液を自動食器洗浄機の洗浄液タンク内で加熱保持する工程、洗浄液タンク内の洗浄液を洗浄機庫内に噴射して食器類を洗浄する工程、及び、洗浄後、上記(1)?(11)のいずれかの自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物を含むすすぎ液ですすぐ工程を含む、自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法、及び、
(13)前記すすぎ液ですすぐ工程において、すすぎ液を洗浄機の平面積2500cm^(2)あたり、1?3L噴射して食器類をすすぐ上記(12)の自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法を提供する。
【0011】
また、本発明と同様の組成を有する組成物が、野菜や果物といった食品(青果類)を洗浄するための洗浄液としても有用であることを見出した。
つまり、本発明は、
(14)(A)仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(B)仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)水を含有し、仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である、野菜又は果物洗浄用組成物、及び
(15)さらに、(D)成分としてショ糖脂肪酸エステル、(E)成分としてソルビタン脂肪酸エステル、(F)成分として有機溶剤、(G)成分として植物性抗菌・消臭剤及び/又は抗菌ペプチド、並びに(H)成分としてシクロデキストリンからなる群から選択される、1種又は2種以上の成分を含む、上記(14)の野菜又は果物洗浄用組成物も提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明のすすぎ助剤組成物は、すすぎ後の乾燥性、仕上がり性に優れ、抑泡性、貯蔵安定性、被洗浄物の再汚染防止性にも優れた効果を奏する。また、前記すすぎ助剤組成物と同様の組成を有する組成物は野菜や果物の洗浄剤としても有用である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のすすぎ助剤組成物において、(A)成分のHLBが5以下のポリグリセリン脂肪酸エステルとしては特に限定されないが、被洗浄物の再汚染防止性の点でHLBは0.1以上、4以下であることが好ましい。グリセリンの平均重合度としては、3?10であることが好ましく、4?8であることがさらに好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、合成脂肪酸、動植物油脂由来の脂肪酸のいずれでもよく、炭素数16?24の脂肪酸が好ましく、本発明の(A)成分としては、被洗浄物由来の汚れの分散性および被洗浄物の再汚染防止性の点で、炭素数18のリシノール酸の縮合物の縮合リシノール酸とポリグリセリンとのエステルであるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルが特に好ましい。なお、本発明におけるHLBはGriffinの方法により求められた値である。(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」,工学図書株式会社,1996年,p.234)
【0014】
本発明のすすぎ助剤組成物において、(A)成分を単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。(A)成分の配合量に特に制限はないが、再汚染防止性、貯蔵安定性の点から、すすぎ助剤組成物全量に対して、0.1質量%?5.0質量%配合することが好ましく、0.2質量%?3.0質量%がさらに好ましく、0.5質量%?2.0質量%が特に好ましい。(A)成分の割合が0.1質量%未満であると十分な再汚染防止性が得られない虞があり、5.0質量%を超えると貯蔵安定性が低下する虞がある。
なお、ここで示す濃度は、すすぎ助剤組成物を製品として流通もしくは保存するときの濃度を指し、使用時はすすぎに使用される水でさらに希釈される。以下の(B)?(F)成分の濃度も同様である。
【0015】
本発明のすすぎ助剤組成物において、(B)成分のHLBが13以上のポリグリセリン脂肪酸エステルとしては特に限定されないが、乾燥性、仕上がり性の点で高HLBのものが好ましく、例えば、HLB値は14以上、19以下が好ましく、15以上、19以下がさらに好ましく、16以上、19以下が特に好ましい。グリセリンの平均重合度としては、3?12であることが好ましく、4?10であることがさらに好ましい。ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、合成脂肪酸、動植物油脂由来の脂肪酸のいずれでもよく、炭素数8?18の脂肪酸が好ましく、炭素数8?12の脂肪酸がより好ましい。このようなポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、テトラグリセリンカプリル酸エステル、ヘキサグリセリンカプリル酸エステル、ヘキサグリセリンラウリン酸エステル、デカグリセリンカプリル酸エステル、デカグリセリンラウリン酸エステル、デカグリセリンミリスチン酸エステル等が挙げられ、中でも乾燥性、仕上がり性の点からテトラグリセリンカプリル酸エステル、ヘキサグリセリンカプリル酸エステル、デカグリセリンカプリル酸エステルが好ましい。
【0016】
本発明のすすぎ助剤組成物において、(B)成分は単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。(B)成分の配合量に特に制限はないが、乾燥性、仕上がり性、抑泡性、貯蔵安定性の点から、すすぎ助剤組成物全量に対して、0.1質量%?10質量%配合することが好ましく、0.2質量%?3.0質量%がさらに好ましく、0.5質量%?2.0質量%が特に好ましい(B)成分の割合が0.1質量%未満であると乾燥性、仕上がり性が不十分となる虞があり、10質量%を超えると抑泡性および貯蔵安定性が低下する虞がある。
【0017】
本発明のすすぎ助剤組成物は、上記(A)成分と(B)成分とを質量比で、(A)/(B)の値が0.1?1.9となるように含有する。(A)/(B)の値は乾燥性、仕上がり性、再汚染防止性、貯蔵安定性の点から0.4?1.5が好ましく、0.7?1.3がより好ましい。(A)/(B)の値が0.1未満であると十分な再汚染防止効果が得られず、1.9を超えると乾燥性、仕上がり性、貯蔵安定性が低下する虞がある。
【0018】
本発明のすすぎ助剤組成物において、(C)成分である水は、水道水、工業用水、再生水、イオン交換水、RO水、蒸留水、軟水等が挙げられる。これらは単独で用いても、二種以上を組み合わせてもよいが、貯蔵安定性の点からイオン交換水、RO水、蒸留水が好ましい。水道水としては、例えば、東京都荒川区の水道水(pH=7.6、総アルカリ度(炭酸カルシウム換算として)40.5mg/L、ドイツ硬度2.3°DH(そのうち、カルシウム硬度1.7°DH、マグネシウム硬度0.6°DH)、塩化物イオン21.9mg/L、ナトリウム及びその化合物15mg/L、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素1.2mg/L、フッ素及びその化合物0.1mg/L、ホウ素及びその化合物0.04mg/L、総トリハロメタン0.016mg/L、残留塩素0.4mg/L、有機物(全有機炭素量)0.7mg/L)が挙げられる。
【0019】
水は、すすぎ助剤組成物全体が100質量%となるように配合(必要に応じて後述する(D)成分?(H)成分を配合する場合、これらを含めて全体が100質量%となるように配合)されるものである。例えば、(A)成分?(F)成分の各成分を、後述する好ましい配合割合である、(A)成分0.1質量%?5.0質量%、(B)成分0.1質量%?10質量%、(D)成分0.05質量%?10質量%、(E)成分0.05質量%?3質量%、(F)成分0.1質量%?30質量%の範囲で配合する場合、(C)成分の水の配合量は、42質量%?99.6質量%である。更に後述する(G)成分、(H)成分を好ましい配合割合である、(G)成分0.5質量%?20質量%、(H)成分0.5質量%?20質量%の範囲で配合する場合、水の配合量は、2質量%?98.6質量%である。
【0020】
本発明のすすぎ助剤組成物は、仕上がり性、乾燥性、貯蔵安定性を高めるために、さらに(D)成分としてショ糖脂肪酸エステルを配合することができる。(D)成分のショ糖脂肪酸エステルに特に制限はないが、(A)成分の可溶化力の点で高HLBのものが好ましく、例えば、HLB値は13以上、20以下が好ましく、14以上、20以下がさらに好ましく、15以上、20以下が特に好ましい。具体的に、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等が挙げられ、中でも仕上がり性、乾燥性、貯蔵安定性の点からショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステルが好ましく、ショ糖ラウリン酸エステルが特に好ましい。
【0021】
本発明のすすぎ助剤組成物において、(D)成分は単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。(D)成分の配合量に特に制限はないが、乾燥性、仕上がり性、貯蔵安定性の点から、すすぎ助剤組成物全量に対して、0.05質量%?10質量%配合することが好ましく、0.1質量%?7.0質量%がさらに好ましく、0.2質量%?4.0質量%が特に好ましい。(D)成分の割合が0.05質量%未満であると仕上がり性、乾燥性、貯蔵安定性の向上効果が十分に得られない虞があり、10質量%を超えると泡立ちが多くなり、抑泡性が低下する虞がある。
【0022】
本発明のすすぎ助剤組成物は、抑泡性、貯蔵安定性を高めるために、さらに(E)成分としてソルビタン脂肪酸エステルを配合することができる。(E)成分のソルビタン脂肪酸エステルに特に制限はないが、抑泡性の点でソルビタンモノカプリル酸エステル、ソルビタンモノラウリン酸エステル、ソルビタンモノパルミチン酸エステルが好ましく、ソルビタンモノカプリル酸エステルが特に好ましい。
【0023】
本発明のすすぎ助剤組成物において、(E)成分は単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。(E)成分の配合量に特に制限はないが、抑泡性、貯蔵安定性の点から、すすぎ助剤組成物全量に対して、0.05質量%?3質量%配合することが好ましく、0.1質量%?2.0質量%がさらに好ましく、0.2質量%?1.5質量%が特に好ましい。(E)成分の割合が0.05質量%未満であると抑泡性の向上効果が十分に得られない虞があり、3質量%を超えると十分な貯蔵安定性が得られない虞がある。
【0024】
本発明のすすぎ助剤組成物は、貯蔵安定性を高めるために、さらに(F)成分として有機溶剤を配合することができる。(F)成分の有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール等のポリオール類が挙げられるが、食器類に残留した場合の安全性の点から食品添加物であることが好ましく、また、貯蔵安定性の点からエタノール、グリセリンがさらに好ましく、エタノールとグリセリンの組み合わせであることが特に好ましい。
【0025】
本発明のすすぎ助剤組成物において、(F)成分は単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。(F)成分の配合量に特に制限はないが、貯蔵安定性の点から、すすぎ助剤組成物全量に対して、0.1質量%?30質量%配合することが好ましく、5.0質量%?25質量%がさらに好ましく、8.0質量%?20質量%が特に好ましい。(F)成分の割合が0.1質量%未満もしくは30質量%を超えると貯蔵安定性の向上効果が得られない虞がある。
【0026】
本発明のすすぎ助剤組成物は、抗菌性、消臭性を高めるために、さらに(G)成分として、植物性抗菌・消臭剤及び抗菌ペプチドからなる群から選択された1種または2種以上を配合することができる。(G)成分の植物性抗菌・消臭剤としては、例えばアサ科植物、アカネ科植物、アブラナ科植物、イネ科植物、カキノキ科植物、キク科植物、シソ科植物、ショウガ科植物、ツバキ科植物、ナス科植物、ヒノキ科植物、フトモモ科植物、ブドウ科植物、マメ科植物、ミカン科植物、ユリ科植物に由来の抗菌・消臭剤が挙げられる。また抗菌ペプチドとしては、微生物由来のε-ポリリジン、ポリ-γ-グルタミン酸、ナイシン等、動物由来のリゾチーム、しらこ蛋白抽出物等が挙げられる。これらのうち、植物性抗菌・消臭剤としては、アブラナ科植物、イネ科植物、ショウガ科植物、ツバキ科植物、ブドウ科植物、ミカン科植物に由来の抗菌・消臭剤が好ましく、抗菌、消臭効果の面から、アブラナ科のカラシナ、イネ科のモウソウチク、ショウガ科のショウガ、ツバキ科のチャ、ブドウ科のブドウ、ミカン科のグレープフルーツが好ましい。また抗菌ペプチドとしては、ε-ポリリジン、ナイシンが好ましい。
【0027】
アブラナ科のカラシナ由来の抗菌・消臭剤としては、カラシナの種子の脂肪油を除いた圧搾粕を水蒸気蒸留して得られる、イソチオシアン酸アリルを主成分とするカラシ抽出物等が挙げられる。カラシナ由来の抗菌・消臭剤としては、例えば三菱化学フーズ株式会社より市販されている、商品名「ワサオーロBパウダー」等が挙げられる。イネ科のモウソウチク由来の抗菌・消臭剤としては、例えばモウソウチク抽出物、モウソウチク乾留物が挙げられる。モウソウチク抽出物は、モウソウチクの茎の表皮からエタノール等で抽出して得られるもので、成分として2,6-ジメトキシ-1,4-ベンゾキノンを含むものが挙げられる。モウソウチク乾留物は、モウソウチクの茎をチップ状にしたものを減圧加熱下で乾留して得られるもので、例えば白井松新薬株式会社より市販されている、商品名「ネオバンブス1000」、商品名「ネオバンブス2000」等が挙げられる。
【0028】
ショウガ科のショウガ由来の抗菌・消臭剤は、シンゲロールやショウガオールを成分として含むもので、例えば日本粉末薬品株式会社より市販されている、商品名「ショウガ抽出液H」、「ショウガ抽出液I」等が挙げられる。ツバキ科のチャ由来の植物性抗菌・消臭剤としては、例えばチャ抽出物、チャ乾留物が挙げられる。チャ抽出物は、チャの葉より製した茶から、水、エタノール、アセトン、酢酸エチル、グリセリン水溶液等で抽出して得られるもので、成分としてカテキンを含むものが挙げられる。例えば太陽化学株式会社より市販されている、商品名「サンフェノン30S」、商品名「サンフェノン90MB」、佐藤食品工業株式会社より市販されている、商品名「ウーロン茶エキスU1」、「紅茶エキスパウダーE」、三井農林株式会社より市販されている、商品名「ポリフェノンPF」等が挙げられる。チャ乾留物は、チャの葉より製した茶を乾留して得られるもので、例えば白井松新薬株式会社より市販されている、商品名「FS-500FP」、商品名「FS-500G」等が挙げられる。
【0029】
ブドウ科のブドウ由来の植物性抗菌・消臭剤としては、例えばブドウ種子抽出物が挙げられる。ブドウ種子抽出物は、主成分としてプロアントシアニジンを含み、例えばキッコーマンバイオケミファ株式会社より市販されている、商品名「グラヴィノール-SE」、商品名「グラヴィノール-F」等が挙げられる。ミカン科のグレープフルーツ由来の抗菌・消臭剤としては、例えばグレープルーツ種子抽出物が挙げられる。グレープルーツ種子抽出物は、主成分として脂肪酸およびフラボノイドを含み、例えば株式会社アデプトより市販されている、商品名「Desfan-10」、商品名「Desfan-100」等が挙げられる。
【0030】
本発明のすすぎ助剤組成物において、(G)成分は単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。(G)成分の配合量に特に制限はないが、消臭性、抗菌性の点から、すすぎ助剤組成物全量中に、0.5質量%?20質量%配合することが好ましく、0.8質量%?15質量%がさらに好ましく、1質量%?10質量%が特に好ましい。(G)成分の割合が0.5質量%未満の場合、消臭性、抗菌性効果が不十分となり、20質量%を超えると貯蔵安定性が低下する虞がある。
【0031】
本発明のすすぎ助剤組成物は、消臭性を高めるために、さらに(H)成分として、シクロデキストリンを配合することができる。
シクロデキストリンとしては、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、メチル-β-シクロデキストリン、高度分岐シクロデキストリン等が挙げられ、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンが好ましい。
【0032】
本発明のすすぎ助剤組成物において、(H)成分は単独で用いても、二種以上を組み合わせて用いてもよい。(H)成分の配合量に特に制限はないが、消臭性の点から、すすぎ助剤組成物全量中に、0.5質量%?20質量%配合することが好ましく、0.8質量%?15質量%がさらに好ましく、1質量%?10質量%が特に好ましい。(H)成分の割合が0.5質量%未満の場合、消臭性効果が不十分となり、20質量%を超えると貯蔵安
定性が低下する虞がある。
【0033】
本発明のすすぎ助剤組成物は、更に上記(G)成分及び/又は(H)成分を配合する場合、上記(A)成分の(G)成分及び/又は(H)成分の総量に対する質量比(A)/[(G)+(H)]の値が0.005?10となるように含有することが好ましい。(A)/[(G)+(H)]の値は消臭性、抗菌性、貯蔵安定性の点から0.01?8がより好ましく、0.05?6が更に好ましい。(A)/[(G)+(H)]の値が0.005未満であると貯蔵安定性が不良となる虞があり、10を超えると十分な消臭、抗菌効果が得られない虞がある。
【0034】
(G)成分の2種以上を併用したり、(G)成分の1種以上と(H)成分の1種以上とを併用すると、抗菌性及び消臭性の更なる向上を図ることができるため好ましい。(G)成分の2種以上を併用する場合、植物性抗菌・消臭剤の2種以上を併用しても、抗菌ペプチドの2種以上を併用しても、植物性抗菌・消臭剤の1種以上と、抗菌ペプチドの1種以上を併用しても良い。(G)成分と(H)成分を併用する場合、植物性抗菌・消臭剤の1種以上を(H)成分と併用しても、抗菌ペプチドの1種以上を(H)成分と併用しても、植物性抗菌・消臭剤の1種以上及び抗菌ペプチドの1種以上と(H)成分とを併用しても良い。また(H)成分の2種以上を併用すると、(H)成分を単独で用いた場合に比べ、消臭性の更なる向上を図ることができるため好ましい。
【0035】
本発明のすすぎ助剤組成物において、上記(D)成分?(H)成分の各成分は、1成分または2成分以上を組み合わせて配合することができる。また本発明のすすぎ助剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、更に必要に応じ当該技術分野で通常使用される他の成分を含有していてもよい。このような成分としては、金属腐食抑制剤、高分子分散剤、増粘剤、pH調整剤、酵素、色素、香料等が挙げられる。
【0036】
金属腐食抑制剤としては、短鎖のジカルボン酸もしくはトリカルボン酸などのポリカルボン酸、リン酸エステル、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールもしくはメルカプトベンゾチアゾールなどのトリアゾール、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸などのようなホスホン酸、アジピン酸、グルタル酸、又はコハク酸等が挙げられる。
【0037】
高分子分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸型共重合体、マレイン酸型共重合体、メタクリル酸型共重合体、アクリル酸-スルホン酸型モノマー共重合体等が挙げられる。
【0038】
pH調整剤としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、又は炭酸ナトリウム等が挙げられる。
【0039】
酵素としては、リパーゼ、アルカリアミラーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ、又はプルラナーゼ等が挙げられる。香料としては、例えば、天然香料、合成香料、又はこれらの調合香料等が挙げられる。また、色素としては、例えば、天然色素、合成色素、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0040】
次に本発明の食器類の洗浄方法について説明する。本発明のすすぎ助剤組成物を用いて自動食器洗浄機で食器類の洗浄を行う方法としては、自動食器洗浄機用洗浄剤を自動食器洗浄機の洗浄液タンク内で水に希釈して洗浄液タンク内で加熱保持する工程、洗浄液タンク内の洗浄液を洗浄機庫内に噴射して食器類を洗浄する工程、洗浄後に本発明のすすぎ助剤組成物を含むすすぎ液ですすぐ工程とを連続して行う方法が挙げられる。洗浄液は、自動食器洗浄機用洗浄剤濃度が0.01?0.3質量%になるように調製することが好ましい。洗浄剤組成物を水に希釈して洗浄液を調整する方法としては、水溶液の電気伝導度を測定して洗浄液を調整する方法や、定量的に洗浄剤組成物を供給して洗浄液を調整する方法等がある。電気伝導度を測定する方法では、洗浄剤組成物の水溶液の電気伝導度が溶解した洗浄剤組成物の濃度に比例することを利用し、洗浄剤組成物を溶解した洗浄液タンクの水溶液の電気伝導度を測定することで洗浄剤の濃度を制御する。通常、洗浄液タンクの水溶液の電気伝導度を測定して、電気伝導度が低い場合には、自動的に洗浄剤組成物が洗浄タンクに供給される。定量的に洗浄剤組成物を供給する方法としては、ペリスタルティックポンプ等のポンプとタイマーを連動させた装置にチューブを接続し、定量供給されるようにタイマーを設定し、チューブを通して洗浄剤組成物が洗浄タンクに供給される。これらの方法によって、洗浄剤組成物を所定濃度に希釈調製した洗浄液は、洗浄液タンク内で通常、40℃?70℃以下で保持される。洗浄液は洗浄機庫内の食器類に対し、30秒?120秒噴射される。
【0041】
本発明の食器類の洗浄方法において、すすぎ助剤組成物を含むすすぎ液ですすぐ工程は、本発明のすすぎ助剤組成物を、0.001質量%?0.1質量%、好ましくは0.002質量%?0.08質量%、より好ましくは0.005質量%?0.05質量%となるように希釈して生成されたすすぎ液を用いる。このとき、すすぎ液中の(A)成分と(B)成分の濃度の合計が0.00001質量%?0.001質量%であることが好ましく、0.00005質量%?0.0008質量%がさらに好ましく、0.0001質量%?0.0006質量%が特に好ましい。すすぎ液中の(A)成分と(B)成分の濃度の合計が0.00001質量%未満であると乾燥性、仕上がり性、再汚染防止性が不十分となる虞があり、0.001質量%を超えると経済性の点で好ましくない。当該すすぎ液を、ガラス、陶器、磁器、金属、又はプラスチック等の材質の食器・調理器具等を効率よく洗浄する自動食器洗浄機のすすぎ工程に用いることができる。本発明の洗浄方法では、たとえば上述したすすぎ助剤組成物をポンプ等により自動食器洗浄機のすすぎ配管中に供給し、すすぎ配管中の水(通常は温水)と混合して、すすぎ助剤組成物の濃度が0.001質量%?0.1質量%となるように調整してすすぎ液を生成し、当該すすぎ液を洗浄機のノズルから一定量噴射してすすぎを行う。このすすぎ液を調製する水の温度、および生成されたすすぎ液の温度は40℃?90℃が好ましく、50℃?90℃がより好ましい。40℃未満では、十分な乾燥性、仕上がり性が得られず、90℃を超える場合には、それ以上の乾燥性、仕上がり性の向上は見込まれない。
【0042】
本発明のすすぎ助剤組成物を希釈して生成されたすすぎ液は、すすぎ工程において洗浄機の平面積2500cm^(2)あたり1L?3L噴射して食器類をすすぐことが好ましい。すすぎ液は洗浄機庫内の食器類に対し、3秒?20秒噴射される。すすぎ後、すすぎ助剤組成物を含むすすぎ液は洗浄タンクに流入し、洗浄タンク内の洗浄剤の希釈溶媒として利用される。
【0043】
自動食器洗浄機で洗浄剤組成物およびすすぎ助剤組成物の希釈に使用される水としては、特に限定されず、たとえば、イオン交換水、蒸留水、純水、軟水、水道水またはこれらを用いて適度な硬度となるように塩化カルシウムなどで調整した人工硬水であってもよい。より具体的な例としては、東京都荒川区の水道水(pH=7.6、総アルカリ度(炭酸カルシウム換算として)40.5mg/L、ドイツ硬度2.3°DH(そのうち、カルシウム硬度1.7°DH、マグネシウム硬度0.6°DH)、塩化物イオン21.9mg/L、ナトリウム及びその化合物15mg/L、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素1.2mg/L、フッ素及びその化合物0.1mg/L、ホウ素及びその化合物0.04mg/L、総トリハロメタン0.016mg/L、残留塩素0.4mg/L、有機物(全有機炭素量)0.7mg/L)が挙げられる。
【0044】
本発明のすすぎ助剤組成物は、ガラス、陶器、磁器、金属、プラスチック等あらゆる材質の食器・調理器具、自動食器洗浄機中において食器・調理器具を立て掛けるクレートのすすぎ、乾燥仕上げに適しており、家庭用自動食器洗浄機、業務用自動食器洗浄機のすすぎ助剤として用いることができるが、特に、ホテル、レストラン、学校、病院、飲食店、給食会社、会社の食堂等において使用される業務用の自動食器洗浄機、特に節水型自動食器洗浄機に好適に用いることができる。ここで、クレートとは、JIS Z1655:プラスチック製通い容器のことをいう。クレート等を利用している主な業界としては、洋日配食製造業(牛乳・乳製品、ケーキ、パン等)、和日配食製造業(豆腐、納豆、漬物類)、酒類・飲料(清酒、ビール等)、農業・農協(青果物等)が挙げられる。
【0045】
本発明のすすぎ助剤組成物は、野菜又は果物といった食品(青果類)に付着した泥や異物の洗浄用にも適している。本発明の野菜又は果物洗浄用組成物は、(A)HLBが5以下のポリグリセリン脂肪酸エステル、(B)HLBが13以上のポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)水を含有し、質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9となるように(A)成分、(B)成分を含有するもので、更に(D)成分としてショ糖脂肪酸エステル、(E)成分としてソルビタン脂肪酸エステル、(F)成分として有機溶剤、(G)成分として、植物性抗菌・消臭剤及び/又は抗菌ペプチド、(H)成分としてシクロデキストリン、の1種または2種以上の成分を含有することができる。本発明の野菜又は果物洗浄用組成物は、0.005質量%?0.5質量%となるように希釈して、野菜、果物類洗浄機用の洗浄剤として使用できるし、野菜・果物の浸漬洗浄用や、表面の汚れをスポンジ等を用いて洗い落とすための洗浄剤としても使用できる。野菜又は果物洗浄用組成物より調整した洗浄水により野菜や果物類を洗浄する場合、洗浄水の温度は4℃?25℃が好ましく、5℃?15℃がより好ましい。
【実施例】
【0046】
以下、本発明を実施例と比較例により具体的に説明する。実施例、比較例において配合に用いた各成分を下記に示した。なお、表中における実施例及び比較例の配合の数値は純分の質量%を表す。
【0047】
(A)成分
A-1:テトラグリセリン縮合リシノール酸エステル(HLB2?3)
A-2:ペンタグリセリン縮合リシノール酸エステル(HLB0.5?2)
A-3:ヘキサグリセリン縮合リシノール酸エステル1(HLB2?3)
A-4:ヘキサグリセリン縮合リシノール酸エステル2(HLB3?4)
A-5:テトラグリセリンオレイン酸エステル(HLB2.9)
A-6:デカグリセリンエルカ酸エステル(HLB3.7)
【0048】
(B)成分
B-1:テトラグリセリンカプリル酸エステル(HLB16.1)
B-2:デカグリセリンカプリル酸エステル(HLB16.1)
B-3:ヘキサグリセリンラウリン酸エステル(HLB13.4)
【0049】
(C)成分
C-1:イオン交換水
【0050】
(D)成分
D-1:ショ糖ラウリン酸エステル(商品名:リョートーシュガーエステルLWA-1570、三菱化学フーズ株式会社製、HLB15)
D-2:ショ糖ミリスチン酸エステル(商品名:リョートーシュガーエステルM-1695、三菱化学フーズ株式会社製、HLB16)
D-3:ショ糖ステアリン酸エステル(商品名:リョートーシュガーエステルS-1670、三菱化学フーズ株式会社製、HLB16)
【0051】
(E)成分
E-1:ソルビタンカプリル酸エステル1(HLB10.6)
E-2:ソルビタンカプリル酸エステル2(HLB15.1)
E-3:ソルビタンラウリン酸エステル(HLB7.4)
【0052】
(F)成分
F-1:グリセリン
F-2:エタノール
F-3:ソルビトール
【0053】
(G)成分
G-1:グレープフルーツ種子抽出物(商品名:Desfan-10、株式会社アデプト製)
G-2:チャ乾留物(商品名:FS-500FP、白井松新薬株式会社製)
G-3:チャ抽出物(商品名:サンフェノン90MB-OP、太陽化学株式会社製)
G-4:カラシ抽出物(商品名:ワサオーロBパウダー、三菱化学フーズ株式会社製)
G-5:モウソウチク乾留物(商品名:ネオバンブス2000、白井松新薬株式会社製)
G-6:ブドウ種子抽出物(商品名:グラヴィノール-SE、キッコーマンバイオケミファ株式会社製)
G-7:ε-ポリリジン(商品名:ε‐ポリリジン、JNC株式会社製)
【0054】
H-1:α-シクロデキストリン(商品名:CAVAMAX W6 Food、株式会社シクロケム製)
H-2:β-シクロデキストリン(商品名:CAVAMAX W7 Food、株式会社シクロケム製)
H-3:γ-シクロデキストリン(商品名:CAVAMAX W8 Food、株式会社シクロケム製)
【0055】
(G)成分、(H)成分の比較成分
安息香酸ナトリウム
【0056】
実施例1?140、比較例1?13
表1?16に示す組成物を調製した。各組成物を、すすぎ助剤としてすすぎに用いた場合の乾燥性、仕上がり性、再汚染防止性、抑泡性、貯蔵安定性、抗菌性、消臭性、野菜洗浄用として用いた場合の野菜の洗浄性を試験した。表1?8、表10?15に実施例1?140の結果を、表9、表16に比較例1?13の結果をそれぞれ示す。
なお、実施例9、10、17、19、20は参考例である。
【0057】
*1:乾燥性試験
<被洗浄物>
直径6cm、高さ11cmのガラスコップを被洗浄物とした。
【0058】
<試験方法>
ドアタイプ自動食器洗浄機(ホシザキ株式会社製自動食器洗浄機:JWE-680AJ)を用いて、洗浄ラックに被洗浄物を設置し、洗浄、すすぎ、乾燥を行った。すすぎは、80℃に保持し、すすぎ助剤組成物0.01質量%水溶液にて行った。洗浄剤の希釈水、すすぎ助剤組成物の希釈水には塩化カルシウムを用いて硬度8°DHに調整した人工硬水を用いた。すすぎ後、被洗浄物を室温に放置し、表面の水滴および水膜が消失するまでに要する時間(乾燥時間)を測定し、以下の基準で評価した。
【0059】
<試験条件>
洗浄温度:60℃
洗浄時間:41秒
洗浄剤:ディッシュパワー(ADEKAクリーンエイド株式会社製)
洗浄剤濃度:0.1質量%
すすぎ温度:80℃
すすぎ時間:6秒
供試すすぎ助剤組成物濃度:0.01質量%
【0060】
<評価基準>
〇:乾燥時間が500秒未満。
△:乾燥時間が500秒以上750秒未満。
×:乾燥時間が750秒以上。
とし、〇、△を実用性あるものとして判定した。
【0061】
*2:仕上がり性試験
<被洗浄物>
直径6cm、高さ11cmのガラスコップを被洗浄物とした。
【0062】
<試験方法>
ドアタイプ自動食器洗浄機(ホシザキ株式会社製自動食器洗浄機:JWE-680AJ)を用いて、洗浄ラックに被洗浄物を設置し、洗浄、すすぎ、乾燥を行った。すすぎは、80℃に保持し、すすぎ助剤組成物0.01質量%水溶液にて行った。洗浄剤の希釈水、すすぎ助剤組成物の希釈水には塩化カルシウムを用いて硬度8°DHに調整した人工硬水を用いた。すすぎ後、被洗浄物を室温で30分間自然乾燥させたのち、蛍光灯にかざして、被洗浄物表面に発生するスポットの面積を目視判断し、以下の基準で評価した。
【0063】
<試験条件>
洗浄温度:60℃
洗浄時間:41秒
洗浄剤:ディッシュパワー(ADEKAクリーンエイド株式会社製)
洗浄剤濃度:0.1質量%
すすぎ温度:80℃
すすぎ時間:6秒
供試すすぎ助剤組成物濃度:0.01質量%
【0064】
<評価基準>
〇:スポット発生面積が0%以上、20%未満。
△:スポット発生面積が20%以上、40%未満。
×:スポット発生面積が40%以上、100%以下。
とし、〇、△を実用性あるものとして判定した。
【0065】
*3:再汚染防止性試験(乾燥性)
<被洗浄物>
直径6cm、高さ11cmのガラスコップを被洗浄物とした。
【0066】
<試験方法>
ドアタイプ自動食器洗浄機(ホシザキ株式会社製自動食器洗浄機:JWE-680AJ)を用いて、洗浄ラックに被洗浄物を設置し、洗浄、すすぎ、乾燥を行った。すすぎは、80℃に保持し、すすぎ助剤組成物0.01質量%水溶液にて行った。洗浄剤の希釈水、すすぎ助剤組成物の希釈水には塩化カルシウムを用いて硬度8°DHに調整した人工硬水を用いた。洗浄液には予め汚れを添加した。すすぎ後、被洗浄物を室温に放置し、表面の水滴および水膜が消失するまでに要する時間を測定し、以下の基準で評価した。
【0067】
<試験条件>
洗浄温度:60℃
洗浄時間:41秒
洗浄剤:ディッシュパワー(ADEKAクリーンエイド株式会社製)
洗浄剤濃度:0.1質量%
汚れ:マヨネーズ(キューピー株式会社製)
汚れ濃度:0.1質量%
すすぎ温度:80℃
すすぎ時間:6秒
供試すすぎ助剤組成物濃度:0.01質量%
【0068】
<評価基準>
(*3試験の乾燥時間)/(*1試験の乾燥時間)を評価値として算出した。
○:評価値が1.0以上、1.1未満。
△:評価値が1.1以上、1.4未満。
×:評価値が1.4以上。
とし、○、△を実用性あるものとして判定した。
【0069】
*4:再汚染防止性試験(仕上がり性)
<被洗浄物>
直径6cm、高さ11cmのガラスコップを被洗浄物とした。
【0070】
<試験方法>
ドアタイプ自動食器洗浄機(ホシザキ株式会社製自動食器洗浄機:JWE-680AJ)を用いて、洗浄ラックに被洗浄物を設置し、洗浄、すすぎ、乾燥を行った。すすぎは、80℃に保持し、すすぎ助剤組成物0.01質量%水溶液にて行った。洗浄剤の希釈水、すすぎ助剤組成物の希釈水には塩化カルシウムを用いて硬度8°DHに調整した人工硬水を用いた。洗浄液には予め汚れを添加した。すすぎ後、被洗浄物を室温で30分間自然乾燥させたのち、蛍光灯にかざして、被洗浄物表面に発生するスポットの面積を目視判断し、以下の基準で評価した。
【0071】
<試験条件>
洗浄温度:60℃
洗浄時間:41秒
洗浄剤:ディッシュパワー(ADEKAクリーンエイド株式会社製)
洗浄剤濃度:0.1質量%
汚れ:マヨネーズ(キューピー株式会社製)
汚れ濃度:0.1質量%
すすぎ温度:80℃
すすぎ時間:6秒
供試すすぎ助剤組成物濃度:0.01質量%
【0072】
<評価基準>
(*4試験のスポット発生面積)/(*2試験のスポット発生面積)を評価値として算出した。
○:評価値が1.0以上、1.1未満。
△:評価値が1.1以上、1.3未満。
×:評価値が1.3以上。
とし、○、△を実用性あるものとして判定した。
【0073】
*5:再汚染防止性試験(汚れ付着性)
<被洗浄物>
直径16cmのポリプロピレン皿を被洗浄物とした。
【0074】
<試験方法>
ドアタイプ自動食器洗浄機(ホシザキ株式会社製自動食器洗浄機:JWE-680AJ)を用いて、洗浄ラックに被洗浄物を設置し、洗浄のみを行い、すすぎ、乾燥は行わなかった。洗浄剤の希釈水には塩化カルシウムを用いて硬度3°DHに調整した人工硬水を用いた。洗浄液には予め洗浄剤、すすぎ助剤組成物、汚れを添加した。洗浄後、被洗浄物表面を観察し、油脂汚れの付着の様子を以下の基準で評価した。
【0075】
<試験条件>
洗浄温度:60℃
洗浄時間:41秒
洗浄剤:ウオッシュメイトL1コンク(ADEKAクリーンエイド株式会社製)
洗浄剤濃度:0.1質量%
汚れ:日清オイリオサラダオイル(日清オイリオグループ株式会社製)
汚れ濃度:0.01質量%
供試すすぎ助剤組成物濃度:0.01質量%
【0076】
<評価基準>
〇:油汚れの付着がほとんど見られない。
△:油汚れの付着がわずかに見られる。
×:油汚れの付着が多く見られる。
とし、〇、△を実用性あるものとして判定した。
【0077】
*6:抑泡性試験
<試験方法>
コンベアタイプ自動食器洗浄機(株式会社IHI製:JWF-645)を用い、以下の運転条件で運転を開始し、15分経過時に運転した状態における洗浄槽の泡高を測定し、以下の基準で評価した。洗浄剤の希釈水、すすぎ助剤組成物の希釈水には塩化カルシウムを用いて硬度3°DHに調整した人工硬水を用いた。洗浄液には予め洗浄剤、すすぎ助剤組成物、汚れを添加した。
【0078】
<運転条件>
洗浄温度:60℃
洗浄剤:ディッシュパワー(ADEKAクリーンエイド株式会社製)
洗浄剤濃度:0.2質量%
供試すすぎ助剤組成物濃度:0.05質量%
汚れ(スキムミルク(雪印メグミルク株式会社製)):0.05質量%
【0079】
<評価基準>
〇:洗浄槽内液面より泡高が0mm以上、100mm未満。
△:洗浄槽内液面より泡高が100mm以上、200mm未満。
×:洗浄槽内液面より泡高が200mm以上。
とし、〇、△を実用性あるものとして判定した。
【0080】
*7:貯蔵安定性試験
<試験方法>
各すすぎ助剤組成物を100mL透明ポリプロピレン容器にとり蓋をして-5℃、25℃、40℃の恒温槽中で保管し、-5℃、25℃の恒温槽中の場合は6か月間静置保管後、40℃の恒温槽中の場合は3か月間静置保管後の、外観を観察し以下の基準で評価した。
【0081】
<評価基準>
○:濁りはほぼなく、分離は見られない。
△:濁りは見られるが、分離は見られない。
×:分離が見られる。
とし、〇、△を実用性あるものとして判定した。
【0082】
*8:洗浄性試験(野菜)
<被洗浄物>
泥付きのホウレンソウの根元部分を切り離し、葉部分を被洗浄物とした。
【0083】
<試験方法>
各すすぎ助剤組成物を、塩化カルシウムを用いて硬度3°DHに調整した人工硬水で0.1質量%に希釈した希釈液2000mLをボウルに入れ、被洗浄物200gを10℃に調整した希釈液中に浸漬させてシリコン製のヘラを用いて60秒間ゆるやかに撹拌した後、被洗浄物を取り出して表面を観察し、以下の基準で洗浄性を評価した。
【0084】
<評価基準>
〇:泥の付着がほとんど見られない。
△:泥の付着がわずかに見られる。
×:泥の付着が多く見られる。
とし、〇、△を実用性あるものとして判定した。
【0085】
*9:消臭性試験
<試験方法>
洗浄剤および悪臭成分を洗浄機に投入し、均一になるように数回すすぎなしで稼動させる。250mLのグラスに悪臭成分2gを塗布し、ドアタイプ自動食器洗浄機(ホシザキ株式会社製自動食器洗浄機:JWE-680AJ)の洗浄ラックに設置し、洗浄、すすぎ、乾燥を行った。すすぎは80℃に保持し、すすぎ助剤組成物0.01質量%水溶液にて行った。洗浄剤の希釈水、すすぎ助剤組成物の希釈水には、塩化カルシウムを用いて硬度3°DHに調製した人工硬水を用いた。すすぎ後、被洗浄物を室温に放置し、乾燥させた後、官能試験により悪臭の有無を評価した。
【0086】
<試験条件>
洗浄温度:60℃
洗浄時間:41秒
洗浄剤:ディッシュパワー(ADEKAクリーンエイド株式会社製)
洗浄剤濃度:0.1質量%
すすぎ温度:80℃
すすぎ時間:6秒
供試すすぎ助剤組成物濃度:0.01質量%
<悪臭成分>
イカ塩辛(株式会社桃屋製)15g、マヨネーズ(キューピー株式会社製)15gの混合物、
【0087】
<評価基準>
◎:悪臭がまったくしない。
○:悪臭がほとんどしない。
△:悪臭がややする。
×:悪臭がひどくする。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして評価した。
【0088】
*10:抗菌性試験1(バイオフィルム抑制性)
<試験方法>
各すすぎ助剤組成物5gを、滅菌済みのミューラーヒントン培地(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社製)に添加して、すすぎ助剤組成物の5質量%溶液を調製した。この5質量%溶液を、更に滅菌済みミュラーヒントン培地を用いて0.01質量%に希釈調製し、各希釈液2mLを、24穴マイクロプレート(AGCテクノグラス株式会社製)のウェルに量り取った。次いで、3質量%ウシアルブミン溶液を0.3質量%となるように、希釈液を量り取ったウェルに添加した。
【0089】
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC13275)、クレブシェラ菌(Klebsiella pneumoniae ATCC13883)を、それぞれLB培地(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社製)を用いて、37℃で18時間、前培養して増殖した菌液を、マイクロプレート内の試験溶液に10μL接種した。これを37℃で48時間培養後に培養液を廃棄し、ウェル内を滅菌精製水2mLで5回洗浄した後、マイクロプレートのウェル壁に付着したバイオフィルムを0.1質量%クリスタルバイオレット液で染色し、滅菌水ですすいだ後、ウェル壁面におけるバイオフィルム形成面積を目視判断し、バイオフィルム抑制性を以下の基準により評価した。評価は、緑膿菌、クレブシェラ菌のそれぞれについてバイオフィルムが形成されている面積に応じて点数で評価し、2菌種の点数の平均によりバイオフィルム抑制性を評価した。
【0090】
<評価基準>
1点:バイオフィルムがウェル壁面の0%以上、20%未満を覆っている。
2点:バイオフィルムがウェル壁面の20%以上、40%未満を覆っている。
3点:バイオフィルムがウェル壁面の40%以上、60%未満を覆っている。
4点:バイオフィルムがウェル壁面の60%以上を覆っている。
とし、2菌種の点数の平均値より、
◎:平均値が1点以上、1.5点未満。
○:平均値が1.5点以上、2.5点未満。
△:平均値が2.5点以上、3.5点未満。
×:平均値が3.5点以上。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0091】
*11:抗菌性試験2(被洗浄物の抗菌性試験)
<試験片及び対照片の作製>
50mm角のガラスパネルにマヨネーズ(キューピー株式会社製)0.2gを均一に塗布し、室温で乾燥させた後、このガラスパネルをドアタイプ自動食器洗浄機(ホシザキ株式会社製自動食器洗浄機:JWE-680AJ)の洗浄ラックに設置し、洗浄、すすぎ、乾燥を行った。すすぎは、80℃に保持し、実施例又は比較例のすすぎ助剤組成物0.01質量%水溶液にて行った。洗浄剤の希釈水、すすぎ助剤組成物の希釈水には塩化カルシウムを用いて硬度3°DHに調整した人工硬水を用いた。すすぎ後、室温中に放置して乾燥させたものを試験片とした。一方、上記実施例又は比較例のすすぎ助剤組成物の替わりに、ADEKAクリーンエイド株式会社製のディッシュドライをすすぎ助剤として供し、試験片と同じ条件で洗浄、すすぎを行った後、同様にして乾燥させたものを対照片とした。
【0092】
<試験片作製条件>
洗浄温度:60℃
洗浄時間:41秒
洗浄剤:ディッシュパワー(ADEKAクリーンエイド株式会社製)
洗浄剤濃度:0.1質量%
すすぎ温度:80℃
すすぎ時間:6秒
供試すすぎ助剤組成物濃度:0.01質量%
【0093】
<対照片作製条件>
洗浄温度:60℃
洗浄時間:41秒
洗浄剤:ディッシュパワー(ADEKAクリーンエイド株式会社製)
洗浄剤濃度:0.1質量%
すすぎ温度:80℃
すすぎ時間:6秒
すすぎ助剤:ディッシュドライ(ADEKAクリーンエイド株式会社製)
すすぎ助剤濃度:0.01質量%
【0094】
<試験方法>
緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa NBRC13275)、クレブシェラ菌(Klebsiella pneumoniae ATCC13883)を、それぞれNB培地(栄研化学株式会社製)を用いて、37℃で18時間、前培養して増殖した菌液を、500倍に希釈したNB培地で、2.5×10^(5)?1×10^(6)cfu/mLになるように希釈したものを試験菌液とした。対照片および各試験片を、それぞれ滅菌シャーレ内に置き、シャーレ内の対照片及び試験片に試験菌液0.4mLを滴下し、その上に40mm角の滅菌ポリエチレンフィルムを被せ試験菌液を密着させた。シャーレの蓋を閉め、35℃、相対湿度90%以上で24時間培養した後、別の滅菌シャーレに対照片、試験片およびポリエチレンフィルムを試験菌液とともに移し、SCDLP培地(栄研化学株式会社製)10mLを用いて、対照片、各試験片およびポリエチレンフィルムに付着している菌液を4回以上洗浄して洗い出した。洗い出し液の生菌数を、寒天希釈平板法により測定した。
洗い出し液1mLを、リン酸緩衝生理食塩水9.0mLを入れた試験管に採取し、十分混合した後、混合液1mLを別の試験管中のリン酸緩衝生理食塩水中に加えて混合する。この操作を繰り返して10倍希釈系列希釈液を作製した後、2枚の滅菌シャーレそれぞれに、この希釈液1mLを分注する。シャーレ1枚あたり、46?48℃に保温した標準寒天培地15?20mLを加えて混合する。シャーレの蓋をして室温で放置し、培地が固まった後、シャーレを倒置して培養器中で35±1℃で40?48時間培養し、培養後、30?300個の集落が現れた希釈系列のシャーレの集落数(2枚のシャーレの集落数の平均値)を測定し、対照片及び試験片あたりの生菌数を求めた。
【0095】
<評価基準>
◎:対照片と比較して生菌数の常用対数値が4以上の減少。
〇:対照片と比較して生菌数の常用対数値が3以上、4未満の減少。
△:対照片と比較して生菌数の常用対数値が2以上、3未満の減少。
×:対照片と比較して生菌数の常用対数値が2未満の減少。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0096】
【表1】

【0097】
【表2】

【0098】
【表3】

【0099】
【表4】

【0100】
【表5】

【0101】
【表6】

【0102】
【表7】

【0103】
【表8】

【0104】
【表9】

【0105】
【表10】

【0106】
【表11】

【0107】
【表12】

【0108】
【表13】

【0109】
【表14】

【0110】
【表15】

【0111】
【表16】

(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(B)仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)水を含有し、仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である、自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項2】
(A)成分がグリセリンの平均重合度が3?10であるポリグリセリン縮合リシノール酸エステルである、請求項1記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項3】
(B)成分がグリセリンの平均重合度が3?12のポリグリセリン脂肪酸エステルである、請求項1又は2に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項4】
さらに、(D)成分としてショ糖脂肪酸エステルを含有する、請求項1?3のいずれか1項に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項5】
さらに、(E)成分としてソルビタン脂肪酸エステルを含有する、請求項1?4のいずれか一項に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項6】
さらに、(F)成分として有機溶剤を含有する、請求項1?5のいずれか一項に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項7】
前記自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物が、クレート洗浄後のすすぎに用いられる、請求項1?6のいずれか一項に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項8】
さらに(G)成分として、植物性抗菌・消臭剤及び抗菌ペプチドからなる群より選ばれた1種または2種以上を含有する、請求項1?7のいずれか一項に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項9】
さらに(H)成分として、シクロデキストリンを含有する、請求項1?8のいずれか一項に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項10】
(A)成分の(G)成分及び/又は(H)成分の総量に対する仕込み値の質量比(A)/[(G)+(H)]の値が0.005?10である、請求項8又は9に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項11】
(G)成分の植物性抗菌・消臭剤が、モウソウチク抽出物、モウソウチク乾留物、チャ抽出物、チャ乾留物、ブドウ種子抽出物、グレープフルーツ種子抽出物より選ばれた1種または2種以上である請求項8?10のいずれか一項に記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物。
【請求項12】
自動食器洗浄機用洗浄剤を含む洗浄液を自動食器洗浄機の洗浄液タンク内で加熱保持する工程、洗浄液タンク内の洗浄液を洗浄機庫内に噴射して食器類を洗浄する工程、及び、洗浄後、請求項1?11のいずれかに記載の自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物を含むすすぎ液ですすぐ工程を含む、自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法。
【請求項13】
前記すすぎ液ですすぐ工程において、すすぎ液を洗浄機の平面積2500cm^(2)あたり、1?3L噴射して食器類をすすぐ請求項12記載の自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法。
【請求項14】
(A)仕込み時のHLBが4以下のポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、(B)仕込み時のHLBが14以上、19以下のポリグリセリン脂肪酸エステルであって、該ポリグリセリン脂肪酸エステルはポリグリセリンと炭素数8?12の脂肪酸とのエステルである、ポリグリセリン脂肪酸エステル、(C)水を含有し、仕込み値の質量比で(A)成分/(B)成分の値が0.1?1.9である、野菜又は果物洗浄用組成物。
【請求項15】
さらに、(D)成分としてショ糖脂肪酸エステル、(E)成分としてソルビタン脂肪酸エステル、(F)成分として有機溶剤、(G)成分として植物性抗菌・消臭剤及び/又は抗菌ペプチド、並びに(H)成分としてシクロデキストリンからなる群から選択された1種又は2種以上の成分を含む、請求項14に記載の野菜又は果物洗浄用組成物。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2020-09-16 
出願番号 特願2018-167648(P2018-167648)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (C11D)
P 1 651・ 121- YAA (C11D)
P 1 651・ 537- YAA (C11D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 古妻 泰一  
特許庁審判長 蔵野 雅昭
特許庁審判官 瀬下 浩一
天野 斉
登録日 2019-07-05 
登録番号 特許第6549297号(P6549297)
権利者 ADEKAクリーンエイド株式会社 株式会社ADEKA
発明の名称 自動食器洗浄機用すすぎ助剤組成物、食器類のすすぎ方法、及び野菜又は果物洗浄用組成物  
代理人 梶並 順  
代理人 曾我 道治  
代理人 梶並 順  
代理人 曾我 道治  
代理人 梶並 順  
代理人 大宅 一宏  
代理人 大宅 一宏  
代理人 大宅 一宏  
代理人 曾我 道治  
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