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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  D21H
審判 全部申し立て 2項進歩性  D21H
管理番号 1368089
異議申立番号 異議2019-700957  
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-12-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-11-27 
確定日 2020-10-05 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6523726号発明「新聞用紙」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6523726号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?10〕について訂正することを認める。 特許第6523726号の請求項1?10に係る特許を維持する。 
理由
1 手続の経緯
特許第6523726号の請求項1?10に係る特許についての出願は、平成27年3月20日(優先権主張 平成26年3月26日)に出願され、令和元年5月10日にその特許権の設定登録がされ、令和元年6月5日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、令和元年11月27日に特許異議申立人赤松智信(以下「申立人」という。)より、特許異議の申立てがされ、当審から、令和2年2月17日付け取消理由を期間を指定して通知した。特許権者より、その指定期間内である令和2年4月9日に意見書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」といい、訂正自体は「本件訂正」という。)がなされ、本件訂正請求に対して令和2年6月10日に申立人より、意見書が提出されたものである。

2 訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、以下のア、イのとおりである。(訂正箇所に下線を付す。)
ア.訂正事項1
訂正前の特許請求の範囲の請求項1に
「比散乱係数が50m^(2)/kg以上であり、且つ
サーモメカニカルパルプの配合率が全パルプ絶乾質量当たり10質量%以下であることを特徴とする新聞用紙」と記載されているのを、
「比散乱係数が50m^(2)/kg以上であり、
曲げこわさが58μN・m以下であり、且つ
サーモメカニカルパルプの配合率が全パルプ絶乾質量当たり10質量%以下であることを特徴とする新聞用紙」に訂正する。
請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2?10も同様に訂正する。

イ.訂正事項2
訂正前の特許請求の範囲の請求項5に「前記新聞用紙の曲げこわさが70μN・m以下であることを特徴とする、請求項1?4のいずれか1項に記載の新聞用紙」と記載されているのを、「前記新聞用紙の曲げこわさが50μN・m以下であることを特徴とする、請求項1?4のいずれか1項に記載の新聞用紙」に訂正する。
請求項5の記載を直接的又は間接的に引用する請求項6?10も同様に訂正する。

(2)一群の請求項
本件訂正は、訂正前の請求項1と、請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2?10についてするものであるから、特許法第120条の5第4項に規定された一群の請求項〔1?10〕に対して請求されたものである。

(3)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア.訂正事項1について
(ア)訂正の目的の適否について
訂正事項1による訂正は、新聞用紙の「曲げこわさ」について特定されていない訂正前の請求項1に係る特許発明を、「曲げこわさが58μN・m以下であり」と限定するものであり、請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2?10も同様である。
よって、訂正事項1による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ)新規事項の有無について
訂正事項1による「曲げこわさ」を限定する訂正は、願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の段落【0032】の「本発明の新聞用紙の曲げこわさは、70μN・m以下であることが好ましい。曲げこわさは、ISO2493に則り、MD方向(抄紙方向)の曲げこわさとして測定することができる。曲げこわさが適度に低いことにより、しなやかさや柔らかさが向上し、めくりやすい紙となる。曲げこわさの下限値は、限定されないが、印刷機(特に折り機)での加工適正及び作業性を考慮すれば、通常、30μN・m程度であろう。めくりやすさと加工適性を高いレベルで両立するためには、45μN・m以上、65μN・m以下であることが望ましい。」との記載、訂正前の請求項5の「新聞用紙の曲げこわさが70μN・m以下である」との記載、及び、表1に列挙されている具体例に基づくものである。
また、訂正事項1による「曲げこわさ」の具体的な数値範囲を「58μN・m以下」と限定する訂正は、数値範囲を上記特許明細書又は請求項5に記載されていた数値範囲の一部に限定するものである。
そうすると、訂正事項1による訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。
よって、訂正事項1による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項1による訂正は、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項1による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

イ.訂正事項2について
(ア)訂正の目的の適否について
訂正事項2による訂正は、訂正前の請求項5において「新聞用紙の曲げこわさが70μN・m以下であること」を「新聞用紙の曲げこわさが50μN・m以下であること」として曲げこわさの範囲を限定するものであり、請求項5の記載を直接的又は間接的に引用する請求項6?10も同様である。
よって、訂正事項2による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(イ)新規事項の有無について
訂正事項2による「曲げこわさ」の具体的な数値範囲を「50μN・m以下」と限定する訂正は、数値範囲を請求項5に記載されていた数値範囲の一部に限定するものである。
そうすると、訂正事項2による訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。
よって、訂正事項2による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。

(ウ)特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項2による訂正は、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項2による訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)小括
以上のとおりであるから、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?10〕について訂正することを認める。

3 訂正後の本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1?10に係る発明(以下「本件発明1?10」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1?10に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。

【請求項1】
古紙パルプを含有し、坪量が45g/m^(2)以下で、JIS-P8251に記載の525℃燃焼法で測定した紙中灰分が10質量%以上の、顔料塗工層を設けていない新聞用紙であって、
抄紙時に添加された軽質炭酸カルシウムを含み、
JIS-P8251に記載の525℃燃焼法で測定した紙中灰分とJIS-P8252に記載の900℃燃焼法で測定した紙中灰分との差が2.0質量%以上であり、
比散乱係数が50m^(2)/kg以上であり、
曲げこわさが58μN・m以下であり、且つ
サーモメカニカルパルプの配合率が全パルプ絶乾質量当たり10質量%以下であることを特徴とする新聞用紙。

【請求項2】
前記軽質炭酸カルシウムが、フレッシュな軽質炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1に記載の新聞用紙。

【請求項3】
機械パルプの配合率が全パルプ絶乾質量当たり5質量%以上、30質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の新聞用紙。

【請求項4】
前記機械パルプが、サーモメカニカルパルプ(TMP)又はリファイナーグラウンドパルプ(RGP)であることを特徴とする請求項3に記載の新聞用紙。

【請求項5】
前記新聞用紙の曲げこわさが50μN・m以下であることを特徴とする、請求項1?4のいずれか1項に記載の新聞用紙。

【請求項6】
ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記新聞用紙のサンプルに対し、ブレード付きロータを100mNの押し込み圧力として上から押し込んだ後に回転数2.0(/sec)で回転させ、前記試料台の振動を振動センサで測定したとき、TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)が70dBV2rms以下であり、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度(TS7)が130dBV2rms以下であることを特徴とする、請求項1?5のいずれか1項に記載の新聞用紙。

【請求項7】
マクベス反射濃度計により測定した印刷面の印面濃度が1.15となるように印刷を施し、23℃、50RH%の環境下で24時間調湿した後に、マクベス反射濃度計により印刷面裏面の反射率を測定したとき、次式: 裏抜け値(%)=(印刷裏面の反射率/未印刷の裏面の反射率)×100で算出される裏抜け値が85%以上のであることを特徴とする、請求項1?6のいずれか1項に記載の新聞用紙。

【請求項8】
請求項1?7のいずれか1項に記載の新聞用紙を巻き取ることによりなる、新聞巻取紙。

【請求項9】
前記新聞用紙を段ボール古紙を主体とする紙管に巻き取ることによりなる、請求項8に記載の新聞巻取紙。

【請求項10】
請求項1?7のいずれか1項に記載の新聞用紙を断裁し、複数枚重ねて折ってなる、新聞紙。

4 取消理由通知に記載した取消理由について
(1)取消理由の概要
訂正前の請求項1?10に係る特許に対して、当審が令和2年2月17日に特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。なお、申立人が特許異議申立書に記載した全ての申立て理由が通知された。

・理由1(進歩性)
請求項1?7、10に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基づき、又は、甲第1号証に記載された発明及び周知の事項に基づき当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、請求項8,9に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と甲第9号証に記載された発明、又は、甲第1号証に記載された発明と甲第9号証に記載された発明及び周知の事項に基づき当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、請求項1?10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。



引用文献等一覧
(1)甲第1号証:特開2012-214963号公報
(2)甲第2号証:JIS P8251:2003、「紙,板紙及びパルプ-灰分試験方法-525℃燃焼法」日本工業規格、501?504ページ
(3)甲第3号証:JIS P8252:2003、「紙,板紙及びパルプ-灰分試験方法-900℃燃焼法」日本工業規格、505?508ページ
(4)甲第4号証:土田幸造「紙の光学的性質」、紙パルプ技術協会発行、紙パ技協誌第33巻第4号、昭和54年4月1日発行、260?271ページ
(5)甲第5号証:特開2009-243034号公報
(6)甲第6号証:特開2008-248398号公報
(7)甲第7号証:特開2004-256948号公報
(8)甲第8号証:河崎雅行「高品質新聞用紙の優れた印刷効果について」、紙パルプ技術協会発行、紙パ技協誌第61巻第1号、2007年1月1日、63?67ページ
(9)甲第9号証:特開2009-242035号公報
(10)甲第10号証:越智隆「パピルス 新聞用紙の今昔」、紙パルプ技術協会発行、紙パ技協誌第62巻第12号、2008年12月1日、96?98ページ

・理由2(サポート要件)
本件特許明細書の発明の詳細な説明に、RGPを配合した実施例が記載されていないこともあり、本件特許請求の範囲の記載は、当該発明の詳細な説明の記載により、当業者がRGPを配合した場合に本件特許発明の課題、すなわち「古紙パルプを含有し、低坪量、高灰分でありながらも、適度な紙のこわさを持ちつつ、裏抜けしにくく、めくりやすい新聞用紙を提供すること」(本件特許明細書の段落【0011】)との課題を解決できると認識できる範囲のものである、あるいは、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該課題を解決できると認識できる範囲のものであるとは認められない。
したがって、本件特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たさない出願に対してなされたものである。

(2)甲号証の記載
甲第1号証(特開2012-214963号公報)には、以下の記載がある。

ア.「【0001】
本発明は、超々軽量新聞用紙に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省資源化による環境への配慮や、用紙や、輸送および郵送コストの削減を両立する要望もあり、低坪量品への需要がますます高まっている。特に新聞印刷用紙は軽量化が進行し、普通紙(49g/m^(2))、軽量紙(46g/m^(2))、超軽量紙(43g/m^(2))、と軽量化され、現在は一部の大手ユーザーで40.5g/m^(2)の超々軽量新聞が使用されている。」

イ.「【0006】
しかし、新聞用紙の更なる軽量化を進めるにあたっては、オフセット印刷に耐え得る表面強度と印刷適性を新聞用紙に付与するために外添澱粉の有効塗工量を多くする必要があるが、塗工量を多くすると原紙坪量をさらに低くせざるを得ないため、上記の方法を用いても十分な引っ張り強度、曲げこわさを達成することは困難であった。また、新聞用紙を軽量化すると紙の反対面の印刷が透けて見える裏抜けが悪化するため、それをカバーするために原紙に内添填料を多く配合することになるが、それによって紙のこしが悪化し、曲げこわさがより一層低下してしまう。
【0007】
このような状況に鑑み、本発明の課題は、十分な引っ張り強度、曲げこわさを有し、さらに紙中灰分が高くても、前記紙質に加え、オフセット印刷時の紙粉発生や刷版の摩耗が抑制された超々軽量新聞用紙を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、特定の粘度特性を有する澱粉由来の高分子化合物を原紙に比較的多量塗布することにより、紙中灰分が多い場合であっても、新聞用紙の引っ張り強度や曲げこわさが大きく向上することを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
これに限定されるものではないが、本発明は、以下の発明を包含する。
(1) 澱粉系高分子を原紙上に両面合計で2.0g/m^(2)以上塗工し、坪量が43g/m^(2)未満で、紙中灰分が10重量%を超える新聞用紙であって、澱粉系高分子として、固形分濃度35重量%の澱粉系高分子スラリーを、ラピッドビスコアナライザー(Rapid Visco Analyzer:RVA)を用いて、0?5分の5分間で98℃まで昇温、5?9分の4分間は98℃に保持、9?12分の3分間で50℃まで降温、12?16分の4分間は50℃に保持という蒸煮条件で蒸煮したときに、蒸煮16分後の粘度が3000mPa・s以下である澱粉系高分子を用いる、上記新聞用紙。
(2) 原紙坪量が40.3g/m^(2)以下である、請求項1に記載の新聞用紙。
(3) 填料として軽質炭酸カルシウムを用いる、請求項1または2に記載の新聞用紙。
(4) 前記軽質炭酸カルシウムの含有量が5?30重量%である、請求項3に記載の新聞用紙。
(5) ・・・
【発明の効果】
【0010】
本発明では、低坪量の新聞印刷用紙において、特定の粘度の澱粉由来の高分子化合物を特定量塗布することにより、引っ張り強度や曲げこわさが良好であるオフセット印刷用新聞用紙を得ることができる。また、紙中灰分が高い場合であっても、引っ張り強度や曲げこわさを良好に維持することができる。さらに、本発明の新聞用紙は、表面強度に優れ、印刷時の紙粉発生や刷版の摩耗が抑制される。」

ウ.「【0012】
クリア塗工
本発明の新聞用紙は、原紙の片面または両面に、特定の粘度特定を有する澱粉系高分子を含むクリア塗工液を塗布し、クリア(透明)塗工層を有する。本発明においてクリア塗工とは、例えば、ポンド式サイズプレス、ゲートロールコータ、ロッドメタリングサイズプレス、カーテンコータ、スプレーコータなどのコータ(塗工機)を使用して、塗布液(表面処理液)を原紙上に塗布(サイズプレス)することをいう。」

エ.「【0021】
本発明においては、必要に応じて、分散剤、増粘剤、保水剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤等、通常のクリア塗工に配合される各種助剤を適宜使用できる。
原紙
[原料パルプ]
本発明で製造される新聞用紙のパルプ原料としては、特に限定されるものではなく、グランドパルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)、脱墨パルプ(DIP)、針葉樹クラフトパルプ(NKP)など、一般的に抄紙原料として使用されているものであればよい。中でも、環境面から脱墨パルプの使用が多いほど望ましい。具体的には、全パルプ固形分に対し脱墨パルプを50重量%、好ましくは60重量%、さらに70重量%以上であることがより好ましい。もちろん、脱墨パルプを100重量%使用することが最も好ましい。
【0022】
[填料]
本発明の紙に使用される填料は、紙中灰分が紙の絶乾重量に対し、10?30重量%であり、好ましくは12?25%、さらに好ましくは14?20%である。本発明で原紙に含有される填料としては、抄紙時に、用紙中に含有される灰分が上記の範囲となるように添加する。また、本願によれば、澱粉系高分子の塗工量を多くすることができるため、灰分を20重量%以上、さらには25重量%以上としても、新聞用紙のこわさや印刷適性を効果的に向上させることができる。灰分の上限は特にないが、紙の強度や操業性を考慮すると、40重量%以下であることが好ましい。一般に灰分は、紙に含まれる無機物の量を示すため、基本的に紙中に含まれる填料の量を反映する。紙の灰分は、紙料に添加されるフレッシュな填料に由来するものと、DIP(古紙パルプ、脱墨パルプ)などのパルプ原料によって持ち込まれるもので構成される。DIPによって持ち込まれる灰分としては、炭酸カルシウムが比較的多いが、炭酸カルシウム以外の無機成分も含まれ、炭酸カルシウムと他の無機成分との割合は、新聞古紙や雑誌古紙などの古紙の種類や回収状況などによって異なる。本発明において灰分は、JIS P 8251に規定される紙および板紙の灰分試験方法に準拠し、燃焼温度を525±25℃に設定した方法で測定される。」

オ.「【0024】
特に、本発明においては、安価でかつ光学特性に優れていることから、炭酸カルシウムを填料として使用することが好ましい。炭酸カルシウムとしては、白色度、不透明度向上の他、原紙中での均一な填料分布が得られることから、針状またはロゼッタ型の軽質炭酸カルシウムが望ましい。炭酸カルシウムの含有量としては、紙絶乾重量あたり5?30重郎%が好ましい。また、炭酸カルシウム-シリカ複合物(例えば、特開2003-212539号公報あるいは特開2005-219945号公報等に記載の軽質炭酸カルシウム-シリカ複合物)などの複合填料も使用可能である。酸性抄紙では、前記中性抄紙で使用する填料から、酸溶解性のものを除いた填料が使用され、その単独または適宜2種類以上を組み合わせて使用される。」

キ.「【0042】
[紙質評価]
本発明の新聞用紙の紙質は、下記に規定される方法に準じて測定した。
(1)坪量:ISO536
(2)紙中灰分:ISO1762
(3)引張り強さ(MD):JIS P 8113
(4)ISO曲げこわさ(MD):ISO2493に則り、MD方向(抄紙方向)の曲げこわさを測定した
(5)操業性:ゲートロールコーターで塗工中にボイリング、ミストの発生状況を目視にて次の基準により3段階で評価した。○:良好、△:やや悪い。×:悪い
実施例1
DIP(カナダ標準濾水度180ml)80部、TMP(濾水度100ml)15部、及び針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP、濾水度600ml)5部を混合離解して調製したパルプスラリーに、対パルプ固形分に対し有姿0.5%の液体硫酸バンドを添加し、製品灰分が15%になるように軽質炭酸カルシウム(奥多摩工業社製「TP-121」)を添加し、対パルプ固形分350ppmの歩留まり向上剤を添加した後、このスラリーを1%まで希釈して紙料を調成した。
【0043】
この紙料を、ツインワイヤー型抄紙機を用いて抄紙速度1200m/分で中性抄紙して坪量37.0g/m^(2)の新聞用紙原紙を得た。得られた原紙は、紙面pHが7.0であった。
【0044】
この原紙にゲートロールコーターを用いて、接着剤(バインダー)として低粘度ヒドロキシエチル化澱粉(Tate&Lyle社製Ethylex2005:蒸煮16分後の160rpmでのRVA粘度1500mPa・s)、表面サイズ剤としてカチオン性スチレン/アクリル酸エステル共重合体を含む表面塗工剤(ヒドロキシエチル化澱粉の固形分濃度14.5%、表面サイズ剤の固形分濃度0.20%)をフェルト面、ワイヤー面の両面に均等に塗工し、高温ソフトニップカレンダーで表面処理しオフセット印刷用新聞用紙を得た(坪量:40.0g/m^(2))。ヒドロキシエチル化澱粉とカチオン性表面サイズ剤の塗工量は、それぞれ3.0g/m^(2)(両面)及び0.040g/m^(2)(両面)であった。」

ク.「【0050】
実施例7
製品灰分が20%となるように軽質炭酸カルシウムを添加した以外は、実施例1と同様の方法でオフセット印刷用新聞用紙を得た(坪量:40.0g/m^(2))。」

ケ.「【0056】
【表1】

上の表に結果を示す。表から明らかなように、本発明にしたがって、蒸煮後の特定時間における粘度が極めて低い澱粉を塗工することにより、引張強度、曲げこわさ、表面強度に優れた新聞用紙を製造することができた。特に本発明によれば、新聞原紙と塗工量のバランスを、現在一般的なものよりも原紙を軽量化し塗工量を増やすことが可能になり、ユニークな新聞用紙を製造することが可能になる。また、本発明によれば、紙中灰分量を20%程度まで増大させても、引張強さや曲げ強度を向上ないし維持することができた。」

以上によれば、甲1には、特に「実施例1」及び「実施例7」に着目すると、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

「脱墨パルプ(DIP)80部とサーモメカニカルパルプ(TMP)15部と針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)5部を含有し、坪量が40.0g/m^(2)で、
JIS-P8251に記載の525℃燃焼法で測定した紙中灰分が15質量%又は20質量%の、
顔料塗工層を設けていないオフセット印刷用新聞用紙であって、
抄紙時に添加された軽質炭酸カルシウムを含み、
曲げこわさは68μN・m、又は、65μN・mである、
オフセット印刷用新聞用紙。」

(3)当審の判断
ア.特許法第29条第2項について
(ア)対比
本件発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「脱墨パルプ(DIP)」は、その構成及び機能からみて、本件発明1の「古紙パルプ」に相当する。同様に、「オフセット印刷用新聞用紙」は「新聞用紙」に、「サーモメカニカルパルプ(TMP)」は「サーモメカニカルパルプ」に相当する。
また、坪量に関して、甲1発明の「40.0g/m^(2)」は、本件発明1の「45g/m^(2)以下」に含まれ、JIS-P8251に記載の525℃燃焼法で測定した紙中灰分に関して、甲1発明の「15質量%又は20質量%」は本件発明1の「10質量%以上」に含まれる。
また、曲げこわさに関して、甲1発明は「曲げこわさが所定値」である限りにおいて本件発明1と一致し、サーモメカニカルパルプの配合率に関して、甲1発明は「サーモメカニカルパルプの配合率が全パルプ絶乾質量当たり所定量」である限りにおいて本件発明1と一致する。
そうすると、両者の一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>
古紙パルプを含有し、坪量が45g/m^(2)以下で、JIS-P8251に記載の525℃燃焼法で測定した紙中灰分が10質量%以上の、顔料塗工層を設けていない新聞用紙であって、
抄紙時に添加された軽質炭酸カルシウムを含み、
比散乱係数が50m^(2)/kg以上であり、
曲げこわさが所定値であり、且つ
サーモメカニカルパルプの配合率が全パルプ絶乾質量当たり所定量である新聞用紙。

<相違点1>
本件発明1は、「JIS-P8251に記載の525℃燃焼法で測定した紙中灰分とJIS-P8252に記載の900℃燃焼法で測定した紙中灰分との差が2.0質量%以上」であるのに対して、甲1発明には、かかる紙中灰分の差について特定されていない点。

<相違点2>
本件発明1は、「比散乱係数が50m^(2)/kg以上」であるのに対して、甲1発明には、比散乱係数について特定されていない点。

<相違点3>
本件発明1は、「サーモメカニカルパルプの配合率が全パルプ絶乾質量当たり10質量%以下」であるのに対して、甲1発明では、サーモメカニカルパルプ(TMP)の配合率が15質量%である点。

<相違点4>
本件発明1は、「曲げこわさが58μN・m以下」であるのに対して、甲1発明では、曲げこわさは68μN・m、又は、65μN・mである点。

(イ)判断
(a)相違点4について
事案に鑑み、先ず、相違点4について検討する。
本件発明1は、「本発明では、古紙パルプを含有し、低坪量、高灰分でありながらも、適度な紙のこわさを持ちつつ、裏抜けしにくく、めくりやすい新聞用紙を提供すること」(本件特許明細書【0011】)を課題として、古紙パルプの含有量、坪量、灰分量などの種々の要件を設定した発明である。特に、曲げこわさの数値範囲に関しては、「本発明の新聞用紙の曲げこわさは、・・・曲げこわさが適度に低いことにより、しなやかさや柔らかさが向上し、めくりやすい紙となる。・・・めくりやすさと加工適性を高いレベルで両立するためには、・・・65μN・m以下であることが望ましい。」(【0032】)と記載されるように、曲げこわさを意図的に低い値としたことでしなやかさや柔らかさを向上させるという技術的意味を読み取ることができる。
他方、甲1発明は、「十分な引っ張り強度、曲げこわさを有」すること(甲1【0007】)を課題とするものであり、「新聞用紙の引っ張り強度や曲げこわさが大きく向上することを見出し、本発明を完成させた。」(【0008】)のであって、「本発明では、・・・引っ張り強度や曲げこわさを良好に維持することができる。」(【0010】)という効果を奏するものである。そして、上記4(2)で認定したとおり、甲1発明は、曲げこわさが68μN・m、又は、65μN・mであるし、甲1の他の具体例を見ても、実施例6の64μN・mや比較例1の60μN・mが記載されるにとどまり、さらに、甲1には、曲げこわさとしてどのような数値範囲を取るべきかについての示唆等の記載はない。
そうすると、上記した甲1発明の課題等に照らせば、甲1発明において曲げこわさを十分に有するように開示された具体例以上の曲げこわさとすることはあっても、曲げこわさを低下させることには、阻害要因があるといえる。
なお、相違点が数値範囲である場合は、一定の課題を解決するための数値範囲の最適化又は好適化は、当業者の通常の創作能力の発揮であるとして進歩性を否定し得る場合もあるが、本件発明1と甲1発明では曲げこわさの最適化又は好適化の方向性が異なること、また、新聞用紙に一般的に用いられている曲げこわさの好適な数値範囲よりも本件発明1の数値が小さいことから、本件発明1と甲1発明との曲げこわさに係る装置範囲の相違を単なる設計事項と断ずることもできない。
そうすると、甲1発明において、曲げこわさを58μN・m以下とすることは、当業者といえども容易に想到し得たことではない。

(b)判断のまとめ
上記(a)のとおりであるから、相違点1?3について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
また、請求項2?10は請求項1を引用するものであり、本件発明2?10は、本件発明1をさらに限定したものであるから、本件発明1と同様に甲1発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

イ 特許法第36条第6項第1号について
リファイナーグランドパルプ(以下「RGP」という。)とサーモメカニカルパルプ(以下「TMP」という。)は、繊維長や強度などの点において相違するものであるから、TMPの実施例が示されればRGPにおいても同様の結果が得られるとまでは直ちには言えないものの、両者は共に、新聞用紙として従前から代替的に又は混合して用いられてきた機械パルプの一種である点で共通するから、TMPとRGPとで類似の性質が得られることについても一応推定できる。
この点に関して、本件特許明細書には「十分な強度をもつ新聞用紙を製造するために、機械パルプを含有することが好ましく、パルプ製造時における繊維のダメージが少ないサーモメカニカルパルプ(TMP)又はリファイナーグラウンドパルプ(RGP)がさらに好ましい。」(【0016】)ことが記載されて、TMPとRGPを同様に採用し得ることについて示唆されている。
また、RGPが同様に採用し得ることは、特許権者が令和2年4月9日に提出した意見書において示した実験成績証明書においても裏付けられている。
以上のような出願時の技術常識や本件特許明細の記載を踏まえれば、本件特許明細書は、RGPの実施例が記載されていないとしても、本件発明は課題を解決できると当業者が認識できる範囲のものであると認められる。よって、本件発明は、発明の詳細な説明の記載したものである。

ウ 申立人の意見について
(ア)進歩性について
申立人は、訂正の請求により追加された「曲げこわさが58μN・m以下」とする(「曲げこわさを低くする」)点に関して、(ア)甲1の新聞用紙において、めくりやすいものとするために、曲げこわさを低くしようとする動機付けは存在すること、(イ)甲1は曲げこわさを特定の値以上とすることを求めていないこと、(ウ)曲げこわさの設定は設計事項であること、(エ)特定された数値を境とする臨界的意義を見出せないことを主張する。
しかしながら、主張(ア)については、上記したとおり、甲1発明の曲げこわさを低くしようとすることは、甲1の解決しようとする課題等に照らして阻害要因があることから、新たに追加された甲11号証等に、「こわさ」と「めくりやすさ」は用途に応じて必要なバランスが異なるという技術常識が示されていたとしても、甲1発明に曲げこわさを低くしようとする動機付けが存在するとは言えない。また、主張(イ)?(ウ)についても、上記した通り、新聞用紙に一般的に用いられている曲げこわさの好適な数値範囲よりも本件発明1の数値が小さいことに照らせば、単なる設計事項であるとすることはできない。よって、申立人の上記主張は採用できない。
なお、申立人は、本件特許明細書に記載されている曲げこわさの測定方法が不明確である旨も新たに主張している。このような申立て時に主張されていない申立て理由について検討しなければならないものではないが、念のために検討すると、ISO2493に則り、曲げこわさを測定することは、甲1(【0042】)においても採用されているし、また、こわさの単位として「N・m」が抄紙分野で用いられることは、例えば、特開2009-58258号公報の段落【0027】に「以上のような抄紙機によりタコグラフ記録用紙用基材として要請される以下のような物性を有するように多層抄き紙が抄造される。・・・JIS P8125に基づくテーバーこわさ(横)が0.70mN・m以上となるように調整される。」と記載されるように周知の技術的事項である。また、「ISO 2493」と「JIS P8125」との対応関係も、例えば、「紙パルプ関連試験規格の動向-ISO 規格の情勢とJIS での対応-」(2004年江前敏晴【検索日】2020年9月7日、インターネット(URL:http://www.enomae.com/publish/pdf/2004JTAPPI_TestingStandard.pdf)の「4.3.2 紙の力学特性・・・(5)JIS P 8125:2000 紙及び板紙-こわさ試験方法-テーバーこわさ試験機法(対応国際規格ISO 2493:1992 Paper and board-Determination of resistance to bending)片持ち梁の試験片を,15度曲げるのに要する曲げモーメント(mN・m)を求める。ISO規格との相違点は,左右両方の曲げを必ず用いる,板紙だけでなく紙にも適用,振り子の摩擦係数に関する記述を追加した点。」と記載されているように、当業者が認識している事項である。したがって、本件特許明細書に記載されている曲げこわさの測定方法が如何なるものであるかを当業者は理解できるものであるから、申立人の上記主張は採用できない。

(イ)サポート要件について
申立人は、特許・実用新案審査基準の第II部第2章第2節「3.2.1類型(3)について」の記載を引用しつつ、特許権者が提出した実験成績報告書(乙第1号証)によって記載不備は解消できない旨を主張する。また、申立人は、本件発明1におけるTMPの配合率は「全パルプ絶乾質量当たり10質量%以下」と規定しているのに対して、乙第1号証におけるRGPの配合率は15?17質量%であり、RGPを配合した場合にTMPと同様に本件発明の課題を解決できると認識できないとも主張する。
しかしながら、上記したとおり、本件特許明細書の記載や技術常識を総合的に勘案すれば、本件は、TMPの実施例が示されることで、RGPにおいても類似の性質が得られることについても推定可能である。よって、申立人の上記主張は採用できない。
また、本件の請求項1の「サーモメカニカルパルプの配合率が全パルプ絶乾質量当たり10質量%以下」との記載は、その記載のとおりTMPの配合率を特定するものであって、RGPや機械パルプ全体の配合量を特定するものではない。そして、本件の請求項3において「機械パルプの配合率が全パルプ絶乾質量当たり5質量%以上、30質量%以下である」と特定され、請求項4において「前記機械パルプが、サーモメカニカルパルプ(TMP)又はリファイナーグラウンドパルプ(RGP)である」と特定されていることから、本件発明1?10では、RGPの配合率に関して、全パルプ絶乾質量当たり10質量%を超える場合を包含することは明らかであるから、乙第1号証のRGPの配合率は本件発明1?10の範囲内のものである。また、このことは、本件特許明細書に「<新聞用紙> 1)パルプ・・・機械パルプは任意の割合で混合して使用することができるが、紙の強度としなやかさを両立するためにも、5質量%以上、30質量%以下が好ましい。」と記載されていることとも整合している。よって、申立人の上記主張には理由がない。
なお、申立人は、曲げこわさを低下させた場合の印刷時の作業性について、本件特許の明細書の発明の詳細な説明において全く評価されていないことを理由として、サポート要件違反である旨を新たに主張している。この主張についても当審が検討しなければならないものではないが、念のために検討すると、本件特許明細書には、「【0032】・・・曲げこわさの下限値は、限定されないが、印刷機(特に折り機)での加工適正及び作業性を考慮すれば、通常、30μN・m程度であろう。めくりやすさと加工適性を高いレベルで両立するためには、45μN・m以上、65μN・m以下であることが望ましい。」との記載があり、また、印刷時の作業性は、例えば印刷された用紙にシワが無いなどの印刷結果として容易に把握可能であることや印刷時の作業性の確保は新聞用紙に求められる基本的な要件であることが技術常識であることに照らせば、本件特許明細書の発明の詳細な説明において、印刷時の作業性の評価に関する明示の記載がなくとも、印刷時の作業性を確保した上で、他の要件である「めくりやすさ」等を追求した新聞用紙が開示されていると当業者は理解できるものである。したがって、申立人の上記主張は採用できない。

5 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1?10に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1?10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
古紙パルプを含有し、坪量が45g/m^(2)以下で、JIS-P8251に記載の525℃燃焼法で測定した紙中灰分が10質量%以上の、顔料塗工層を設けていない新聞用紙であって、
抄紙時に添加された軽質炭酸カルシウムを含み、
JIS-P8251に記載の525℃燃焼法で測定した紙中灰分とJIS-P8252に記載の900℃燃焼法で測定した紙中灰分との差が2.0質量%以上であり、
比散乱係数が50m^(2)/kg以上であり、
曲げこわさが58μN・m以下であり、且つ
サーモメカニカルパルプの配合率が全パルプ絶乾質量当たり10質量%以下であることを特徴とする新聞用紙。
【請求項2】
前記軽質炭酸カルシウムが、フレッシュな軽質炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1に記載の新聞用紙。
【請求項3】
機械パルプの配合率が全パルプ絶乾質量当たり5質量%以上、30質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の新聞用紙。
【請求項4】
前記機械パルプが、サーモメカニカルパルプ(TMP)又はリファイナーグラウンドパルプ(RGP)であることを特徴とする請求項3に記載の新聞用紙。
【請求項5】
前記新聞用紙の曲げこわさが50μN・m以下であることを特徴とする、請求項1?4のいずれか1項に記載の新聞用紙。
【請求項6】
ティシューソフトネス測定装置TSAにより、試料台に設置した前記新聞用紙のサンプルに対し、ブレード付きロータを100mNの押し込み圧力として上から押し込んだ後に回転数2.0(/sec)で回転させ、前記試料台の振動を振動センサで測定したとき、TSA上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)が70dBV^(2)rms以下であり、6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度(TS7)が130dBV^(2)rms以下であることを特徴とする、請求項1?5のいずれか1項に記載の新聞用紙。
【請求項7】
マクベス反射濃度計により測定した印刷面の印面濃度が1.15となるように印刷を施し、23℃、50RH%の環境下で24時間調湿した後に、マクベス反射濃度計により印刷面裏面の反射率を測定したとき、次式:
裏抜け値(%)=(印刷裏面の反射率/未印刷の裏面の反射率)×100
で算出される裏抜け値が85%以上のであることを特徴とする、請求項1?6のいずれか1項に記載の新聞用紙。
【請求項8】
請求項1?7のいずれか1項に記載の新聞用紙を巻き取ることによりなる、新聞巻取紙。
【請求項9】
前記新聞用紙を段ボール古紙を主体とする紙管に巻き取ることによりなる、請求項8に記載の新聞巻取紙。
【請求項10】
請求項1?7のいずれか1項に記載の新聞用紙を断裁し、複数枚重ねて折ってなる、新聞紙。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2020-09-25 
出願番号 特願2015-58439(P2015-58439)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (D21H)
P 1 651・ 121- YAA (D21H)
最終処分 維持  
前審関与審査官 河島 拓未  
特許庁審判長 久保 克彦
特許庁審判官 森藤 淳志
中村 一雄
登録日 2019-05-10 
登録番号 特許第6523726号(P6523726)
権利者 日本製紙株式会社
発明の名称 新聞用紙  
代理人 小野 新次郎  
代理人 新井 規之  
代理人 小笠原 有紀  
代理人 小笠原 有紀  
代理人 中村 充利  
代理人 小野 新次郎  
代理人 新井 規之  
代理人 中村 充利  
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