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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B29C
管理番号 1368545
審判番号 不服2019-2794  
総通号数 253 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-02-28 
確定日 2020-11-18 
事件の表示 特願2014-132573「適合可能な真空バッグアセンブリを使用した複合部品の真空バッグ処理」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 1月22日出願公開、特開2015- 13475〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成26年6月27日(パリ条約による優先権主張 2013年7月2日、アメリカ合衆国)を出願日とする出願であって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。

平成29年 6月27日 :手続補正書
平成30年 3月 9日付け:拒絶理由通知
平成30年 8月13日 :意見書の提出
平成30年10月23日付け:拒絶査定
平成31年 2月28日 :審判請求

第2 本願発明

本願の請求項1ないし13に係る発明は、平成29年6月27日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項9に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。

「伸縮可能な真空バッグ(42)、および
前記伸縮可能な真空バッグに取り付けられた伸縮可能なブリーザ(44)
を含み、
前記伸縮可能なブリーザ(44)は、マトリックス状に規則的配列に並べられた接着パッチ、または不規則に並べられた不連続接着ストリップによって、前記真空バッグに取り付けられることを含む、真空バッグアセンブリ(40)。」

第3 原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由は、本願発明は、本願の優先権主張日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、その優先権主張日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものである。

引用文献1.米国特許第4548859号明細書
引用文献2?4.省略

第4 引用文献の記載

1 引用文献1の記載
引用文献1には、次の事項が記載されている。(原文の摘記は省略し、訳文のみを記す。下線は当審で付したものである。)

(1)「1. 技術分野
本発明は、真空経路を提供するシート材料およびその作製方法に関し、より詳細には、材料の畝のある表面およびブリーザー材料の層を貫通する孔が経路をなし、ストレッチ性がある畝織物上のシリコーンゴム離型剤を収縮乾燥することによりブリーザー材料が形成される、シート材料に関する。」(第1欄第6?第13行)

(2)「発明の開示
本発明の主題は、不浸透層と工作物との間を真空に引いて、不浸透層が工作物に実質的に均一な圧力を付与するようにさせるシステム内で、不浸透層と工作物との間に使用するブリーザー材料である。本発明の一態様によれば、ブリーザー材料は、柔軟性のある織物、およびシリコーンゴム離型剤のコーティングを備える。この織物は、背向する主面を有し、そのうち少なくとも1つは畝がある。複数の孔が主面間に延びて織物を貫通している。これらの孔は、本質的にこの面の範囲全体にわたって離間されている。この織物は、その基本平面において少なくとも2方向にストレッチ性があり、この方向は実質的に互いに垂直である。織物上の離型剤のコーティングは、少なくとも畝のある面に背向する面を覆っている。このコーティングは、貫通して延びる複数の孔を有し、これらの孔は織物の孔に概して一致する。畝のある面上のコーティングの部分は、いずれも実質的に畝のある面の構成に密着している。不浸透層と工作物との間でブリーザー材料が押圧されると、コーティングの孔、および畝のある構成との密着により、真空のための経路が提供される。離型剤は、柔軟性とストレッチ性があり、工作物に対して非接着性であり、工作物との接触により損傷または劣化が生じないものである。」(第2欄第65行?第3欄第25行)

(3)「本発明の別の主題は、シート材料と工作物との間を真空に引いたときに、工作物に実質的に均一な圧力を付与するためのシート材料である。本発明の一態様によれば、このシート材料はブリーザー材料の層を含み、この層は上述のブリーザー材料と同じ基本特性を有する。また、シート材料は、ブリーザー材料の畝のある面に隣接する、柔軟性とストレッチ性がある不浸透性材料の層も含む。接着剤が、畝のある面を不浸透性材料に強く接合させるのには十分だが、経路をふさぐのには不十分な量で、不浸透性材料と畝のある面との間に供給される。好適には、不浸透性材料は柔軟性とストレッチ性があるシリコーンゴムを含む。」(第3欄第37行?第51行)

(4)「本発明の特徴は、畝のある面に隣接する不浸透性材料の層をさらに備える、このようなシート材料である。接着剤が、畝のある面を不浸透性材料に強く接合させるのには十分だが、畝のある面の構成および織物とコーティングとを貫通する孔により形成された経路をふさぐのには不十分な量で、不浸透性材料と畝のある面との間に供給される。
本発明のブリーザー材料は、真空バギングおよび類似の作業における繊維強化複合材料との併用に特に適している。シリコーンゴム離型剤は複合材料に接着せず、このような材料との接触により損傷または劣化が生じないので、その離型剤のコーティングにより、ブリーザー材料が剥離層として使用するのに適切なものとなる。さらに、織物の畝のある構成、その上にあるコーティング、および織物およびコーティングを貫通する孔により、実質的に均一に、真空に引くことを可能にし、次いで複合材料が圧縮される際に、複合材料に実質的に均一の圧力をかけることを可能にする経路のネットワークが提供される。ブリーザー材料を接合される不浸透性材料の層と組み合わせると、得られるシート材料は、真空バギングまたは類似の作業において複合材料を圧縮するための比較的安価で再利用可能な単独のシート材料となる。」(第5欄第11行?第38行)

(5)「本発明のブリーザー材料6の好適な実施形態は、柔軟性のある織物10と、織物10上にあるシリコーンゴム離型剤のコーティング20とを含む。織物10の背向する主面16、18のうちの1つは、畝のある構成を有する。この畝のある面16は、その表面に沿って延びる一連の概して平行のリブまたは隆起14を有する。また、織物10は、面16、18の間に貫通して延びる複数の孔12を有する。これらの孔12は、面16、18の範囲全体にわたって離間している(図7を参照されたい)。
織物10は、その基本平面において少なくとも2方向にストレッチ性がある。これらの方向は実質的に互いに垂直である。図7の両方向矢印は、好適な実施形態の織物が伸びる主な方向を示す。図面に示した織物10は、軽量の特製編地である。織物10の好適な材料は、ポリエステルである。当然、他の織りを備え、他の材料で作製された織物も、本発明の精神と範囲を逸脱せずに使用できることが理解されるべきである。
織物10上のコーティング20は、少なくとも畝のある面16に背向する面18を覆い、好適な実施形態においては、面16、18の両方を覆う(図7および図8を参照されたい)。コーティング20は、貫通して延びる多数の孔24を有する。これらの孔24は、織物10の孔12に概して一致する。織物10上の畝のある面16のコーティング20の部分は、いずれもこのような畝のある面16の畝のある構成に実質的に密着している。有孔畝織物10と織物10の有孔で畝のある構成に密着するコーティング20とのこの組合せは、畝のあるブリーザー材料6に真空のための経路26を提供する。ブリーザー材料6が不浸透性材料と工作物との間で押圧されると、経路により、確実に不浸透性材料と工作物との間を均一に真空に引くことができる。
上記したように、コーティング20はシリコーンゴム離型剤から形成される。離型剤は、柔軟性とストレッチ性があり、様々な工作物に対して非接着性であり、工作物との接触により損傷または劣化が生じないタイプである。ブリーザー材料は、繊維強化エポキシ樹脂マトリックス複合材料が形成される装置内で主に使用されることが予想されるので、コーティング20を形成する離型剤は、このようなエポキシ樹脂マトリックスに対して非接着性のものであり、このようなマトリックスとの接触により損傷または劣化が生じないことが好ましい。エポキシ樹脂と共に使用するのに適した離型剤の例としては、テキサス州FortworthのMosites Rubber Company, Inc.によりMosites No.14232-Bシリコーン離型剤の名で販売されている離型剤が挙げられる。
織物10の畝のある表面16に背向する表面18上のコーティング20は、必ずしも特定の構成である必要はない。しかし、最もよく使用される状況では、織物10の畝のある表面16に背向するコーティング20の表面22が本質的に平たんで滑らかであることが非常に好適である。このように滑らかな表面22の利点は、接触面22を最大にすることにより、この表面22から工作物にかかる圧力の均一性が最大となる点である。この最大の接触面22は、コーティング20内の孔24以外は本質的に平たんで滑らかである。これらの孔24は真空のための経路となり、ブリーザー材料6と工作物との間のあらゆる封入空気が真空によって確実に除去されるようにする。
本発明のブリーザー材料は、本発明のシート材料の要素として使用してもよく、あるいは、真空バギングまたは類似の作業において別の層として使用してもよい。このような作業において、扱いやすいブリーザー材料6を、例えば、複合材料のレイアップ上に載せて圧縮してもよく、複合材料と共に真空バッグ内に置いてもよい。従来の真空バッグ圧縮作業においては、ブリーザー材料6が別の部材であるか、あるいは不浸透性材料と接着されて真空バッグを形成するかどうかによって、顕著な差が生じることは概してない。したがって、特定の状況または特定の使用者の特別なニーズは、概して2つの材料が合わせて接合されているかどうかを左右するものであった。」(第6欄第61行?第8欄第7行)

(6)「一方、図1?図6に示し、上述の同時係属出願において詳細に述べたものなどの装置では、ブリーザー材料6を不浸透性材料に接合させ、一体型シート材料2を形成することが大きな利点となる。材料2の使用により、圧縮バッグ60を自動で下げる単独ステップで、複合材料の各プライ90の圧縮が可能となる。圧縮後にバッグ60を持ち上げて除き、テープヘッド52を別のプライ90を置く位置まで下げられるようにしてもよい。全体のプロセスは高度に自動化されており、高効率である。
シート材料2は、ブリーザー材料6と不浸透性材料4の層との間に接着剤8を含み、層4、6を合わせて接合する。図8に示したように、接着剤8は、畝のある面16を不浸透層4に強く接合させるのには十分だが、ブリーザー材料6内の孔24および材料6の畝14間の谷により形成された経路26をふさぐには不十分な量で、ブリーザー材料6の畝のある面16に塗布する。不浸透性材料4は柔軟性とストレッチ性があり、ブリーザー材料6の柔軟性およびストレッチ性を補完し、柔軟性とストレッチ性がある一体型シート材料2を提供する。不浸透層4の好適な材料は、柔軟性とストレッチ性があるシリコーンゴムである。適した接着剤の例としては、General Electric Companyが製造しているシリコーン接着剤GE RTV 133が挙げられる。」(第8欄第8行?第36行)

(7)「



第5 引用文献1に記載された発明の認定

引用文献1には、シート材料と工作物との間を真空に引いたときに、工作物に実質的に均一な圧力を付与するためのシート材料として、上記摘示(5)ないし(7)に、次の発明が記載されていると認める。

「柔軟性およびストレッチ性がある不浸透性材料の層4に畝のある織物であるブリーザー材料6を接着剤8で取り付けたシート材料2。」(以下、「引用発明」という。)

第6 対比・判断
1 対比・判断
本願発明と引用発明を対比する。
引用発明の「ブリーザー材料6」は、本願発明における「ブリーザ」に相当する。また、引用発明の「柔軟性およびストレッチ性がある不浸透性材料の層4」は、シート材料と工作物との間を真空に引いたときに、工作物に実質的に均一な圧力を付与するためのシート材料における不浸透性材料の層であるから、本願発明の「伸縮可能な真空バッグ(42)」に相当する。
引用発明の「ブリーザー材料6」(ブリーザ)は、接着剤で「不浸透性材料の層4」に接着されているから、引用発明の「材料シート2」は、本願発明における「前記伸縮可能なブリーザは、」「前記真空バッグに取り付けられることを含む真空バッグアセンブリ(40)」に相当する。
してみると、本願発明と引用発明は、

「伸縮可能な真空バッグ(42)、および
前記伸縮可能な真空バッグに取り付けられた伸縮可能なブリーザ(44)
を含み、
前記伸縮可能なブリーザ(44)は、前記真空バッグに取り付けられることを含む、真空バッグアセンブリ(40)。」

である点で一致し、次の点で相違する。

<相違点>
ブリーザの真空バッグへの取付けに関し、本願発明は、「マトリックス状に規則的配列に並べられた接着パッチ、または不規則に並べられた不連続接着ストリップによって」と特定するのに対し、引用発明は、接着剤によって行うものである点。

上記相違点について検討する。
接着する方法として、接着剤を利用した接着方法、接着パッチである両面テープを利用した接着方法、不連続接着ストリップを利用した接着方法は、例示するまでもなくいずれも周知の接着方法といえる。
してみれば、引用発明の接着剤を利用した接着方法に代えて、接着パッチである両面テープや不連続接着ストリップ等で行うことは当業者が容易になし得たことであり、隙間を埋めないように接着する引用発明のものにおいて、接着手法を接着パッチである両面テープや不連続接着ストリップに代えた場合において、接着パッチである両面テープを「マトリックス状に規則的配列に並べられた」形態とすること、及び、不連続接着ストリップを「不規則に並べられた」形態とすることは、当業者が適宜なし得ることといえる。

そして、本願発明について明細書全体を通じてみても、本願発明の「ブリーザのブリッジングをほぼ減少またはなくす」との効果及び「労働及び材料のコストを減少させる」との効果は、ブリーザを接着剤によって取り付けている引用発明においてもその効果が奏されているか、あるいは、当業者において予測可能なものといえ、相違点に係る効果は格別顕著なものとはいえない。

したがって、本願発明は、引用発明、すなわち、引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

2 請求人の主張について
(1)請求人は審判請求書の「3.本発明が特許されるべき理由」の項において、次の点を主張している。
「引用文献1には、Breather materials and methodof coating fabric with silicone rubberが記載されている。しかしながら、図7、8や他の記載(column 8, line 20 to 28など)から明らかなように、引用文献1が実質的に開示するものは、ブリーザー材料6上の全体に、接着剤8を直接適用してシート材2を接合することであり、これは、本願発明の特徴である、「ブリーザ(44)を前記真空バッグ(42)に取り付けることが、マトリックス状に規則的配列に並べられた接着パッチ、または不規則に並べられた不連続接着ストリップによって、前記ブリーザを前記真空バッグに取り付けること」と大きく相違し、更に、ブリーザー材料上に、接着剤を直接適用する替わりに、パッチやストリップを用いることについての教示も示唆も引用文献1には存在しない。
引用文献2には、・・・
引用文献3には、・・・
以上から明らかなように、審査官殿が、周知技術を示す文献として認定する引用文献2-4には、本願発明の特徴である、「ブリーザ(44)を前記真空バッグ(42)に取り付けることが、マトリックス状に規則的配列に並べられた接着パッチ、または不規則に並べられた不連続接着ストリップによって、前記ブリーザを前記真空バッグに取り付けること」については、記載も示唆も存在しない。
本願発明は、「ブリーザ(44)を前記真空バッグ(42)に取り付けることが、マトリックス状に規則的配列に並べられた接着パッチ、または不規則に並べられた不連続接着ストリップによって、前記ブリーザを前記真空バッグに取り付けること」という特徴を採用ことにより、取り付け技法の選択に影響を与える要因である、例えば、覆われる部品の大きさ、真空バック及びブリーザの厚さ及び重量、並びに真空バック及びブリーザの材料等に対して対応可能であるブリーザ(44)を真空バッグ(42)に取り付ける方法を提供するものである(段落〔0048〕)。この事は、引用文献1-4のいずれにも教示も示唆もされていない。当業者であっても、引用文献1-4から、本願発明に相当するのは、容易ではないものと思料する。本願発明は、引用文献1-4に対し、進歩性を有するものであると思料する。」

(2)上記主張について検討する。
ア 本願明細書において、ブリーザ(44)と真空バッグ(42)の接着に関わる記載は以下のとおりである。

・「【技術分野】
【0001】
本発明は概して、複合部品の真空バッグ処理に関し、さらに具体的には、部品の輪郭形成された表面に適合する伸縮可能な真空バッグアセンブリを使用する真空バギングの方法を扱うものである。
【背景技術】
・・・
【0003】
・・・ブリッジングの問題・・・不適切なブリージングが生じる・・・
【0004】
特定の形状をもつ部品の真空バッグ処理において提示される別の課題は、ブリーザの上の真空バッグの配置および位置決めを含む。・・・
【0005】
したがって、真空バッグ材料の好ましくないブリッジングを減少またはなくし、かつ労働および材料のコストを減少させる、輪郭形成された複合積層部品を真空バッグ処理する方法が必要である。さらに、部品の内側半径部分などの表面の輪郭に適合可能であり、素早く簡単に据え付けることができる真空バッグアセンブリが必要である。
【発明の概要】
【0006】
開示される実施形態は、バギングの時間、バッグの取り扱い、人件費および材料のくずを減少させる、真空バッグが複合積層部品を処理する方法を提供する。実施形態は、素早く簡単に設置し、かつ部品の上に緩くフィットすることができる真空バッグアセンブリを採用する。部品上の正確な位置でバッグのプリーツを手動形成することはほぼなくなり、その代わりに、必要とされうる任意のバッグのプリーツを部品上の任意の便利な位置で形成することができる。真空バッグアセンブリは、真空バッグとほぼ同一の広がりを持つ一体型の伸縮可能なブリーザに取り付けられた伸縮可能な真空バッグを採用する。一体型のブリーザの使用は、部品のすべての領域がブリーザ材で覆われることを可能にし、個別のブリーザ部材の切削および手動配置の必要をなくす。硬化の間、オートクレーブおよび真空バッグの圧力が熱とともに適用されるとき、ブリーザは、伸びて、内側半径部分などの部品の表面特徴に適合する。ブリーザが伸びることができることにより、真空バッグの下にギャップおよび関連する低圧領域が生じる結果となりうるブリーザのブリッジングをほぼ減少またはなくす。」

・「【0008】
・・・ブリーザと真空バッグとの間に接着ストリップを配置することにより、ブリーザは真空バッグに取り付けられうる。・・・
【0009】
・・・ブリーザに真空バッグを取り付けることは、真空バッグとブリーザとの間に両面粘着テープのストリップを配置することによって実施されうる。・・
【0010】
別の開示される実施形態によれば、・・・ブリーザは、接着剤によって真空バッグに取り付けることができ、かつ比較的軽量の不織材料を含みうる。・・・
・・・
【0012】
有利には、該方法において、真空バッグにブリーザを取り付けることは、真空バッグアセンブリの上の間隔を置いた位置において真空バッグにブリーザを取り付けることを含む。・・・」

・「【0023】
有利には、該方法において、真空バッグにブリーザを取り付けることは、ブリーザと真空バッグとの間に接着ストリップを配置することによって実行される。」

・「【0029】
有利には、該方法において、ブリーザに真空バッグを取り付けることは、真空バッグとブリーザとの間に両面粘着テープのストリップを配置することによって実行される。」

・「【0033】
有利には、ブリーザが、接着剤によって真空バッグに取り付けられる、真空バッグアセンブリ。」

・「【0047】
ここで図3、4、および4Aを参照すると、真空バッグ42は、これらの表面42a、42bに沿って、間隔を置いたかつ選択された位置において、任意の適切な手段によってブリーザ44に取り付けることができる。しかしながら、幾つかの実施形態では、真空バッグ42をブリーザ44に、それらの表面42a、42bのほぼ全体にわたって取り付けることが可能である。図3に示される実施例では、接合面42a、44aは、限定はしないが、両面粘着テープと呼ばれることがある、弾性接着剤58、60の層を表裏に有する弾性フィルム56などの任意の適切な伸縮可能な接着剤を含みうる伸縮可能な接着パッチ54によって取り付けられる。図4で最もよくわかるように、接着パッチは、マトリックス状の規則的配列に並べられる可能性があり、あらかじめ選択された距離で互いに間隔が空けられうる。他の実施形態では、接着パッチ54は、規則的に並べられない、または均一に分布されない可能性があり、様々な距離で互いに間隔が空けられうる。
【0048】
図5は、真空バッグアセンブリ40の別の実施形態を示し、真空バッグ42およびブリーザ44が、概して平行であり、かつ一定の距離で互いに間隔が空けられている、連続接着ストリップ64によって取り付けられる。図6に示されるさらに別の実施形態では、真空バッグ42が、不規則に並べられた不連続接着ストリップ66によってブリーザ44に取り付けられうる。限定はしないが、溶接を含む幅広い他の技法を、用途に応じて、真空バッグ42をブリーザ44に取り付けるまたは連結するために使用することができる。取り付け技法の選択に影響を与える要因には、限定はしないが、覆われる部品の大きさ、真空バッグ42およびブリーザ44の厚さおよび重量、ならびに真空バッグ42およびブリーザ44が製造された材料が含まれうる。」

イ 請求人の主張の検討
上記、本願明細書の記載を踏まえて、請求人の主張を検討する。
本願明細書の発明の詳細な説明においては、「ブリーザ」と「真空バッグ」との取付け方法は、接着ストリップ、両面粘着テープのストリップ、接着剤による方法が並列的に提示され(段落【0008】?【0010】)、接着された具体例として、<マトリックス状の規則的配列に並べられた両面接着テープ>、<規則的に並べられない、または均一に分布されない接着パッチ>、<概して平行であり、かつ一定の距離で互いに間隔が空けられている、連続接着ストリップ>、<不規則に並べられた不連続接着ストリップ>が提示(段落【0047】、【0048】)されていて、それぞれを選択することによる効果についての記載はない。確かに、一般的な記載として「取り付け技法の選択に影響を与える要因には、限定はしないが、覆われる部品の大きさ、真空バッグ42およびブリーザ44の厚さおよび重量、ならびに真空バッグ42およびブリーザ44が製造された材料が含まれうる」(段落【0048】)との記載はあるが、当該記載は、接着の技法の選択に影響を与える要因を指摘するのみであって、それぞれの手法とそれぞれの要因との関係は全く開示していない。
請求人が主張するとおり、引用文献1には、接着手段については接着剤を利用したものしか記載はないが、接着パッチである両面テープ、不連続接着ストリップを利用する接着手段は、いずれも例示するまでもなく周知な手段である。そして、本願明細書においては、上記記載があるのみであるから、請求人が主張する「ブリーザ(44)を前記真空バッグ(42)に取り付けることが、マトリックス状に規則的配列に並べられた接着パッチ、または不規則に並べられた不連続接着ストリップによって、前記ブリーザを前記真空バッグに取り付けること」を選択したことによる格別の効果は認められない。
したがって、当該主張を採用することはできない。

第7 むすび

以上のとおり、本願発明、すなわち、本願の請求項9に係る発明は、引用発明、すなわち、引用文献1に記載された発明に基づいて、その優先権主張日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。


 
別掲
 
審理終結日 2020-06-15 
結審通知日 2020-06-16 
審決日 2020-07-01 
出願番号 特願2014-132573(P2014-132573)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B29C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田代 吉成  
特許庁審判長 加藤 友也
特許庁審判官 大島 祥吾
神田 和輝
発明の名称 適合可能な真空バッグアセンブリを使用した複合部品の真空バッグ処理  
代理人 園田・小林特許業務法人  
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