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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1368648
審判番号 不服2019-5545  
総通号数 253 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-01-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-04-25 
確定日 2020-11-26 
事件の表示 特願2017-254810「ゲーム機及びそのコンピュータプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 7月22日出願公開、特開2019-118547〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年12月28日の出願であって、平成30年10月23日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月26日付けで意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成31年1月28日付けで拒絶査定がなされ、それに対して、平成31年4月25日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 平成31年4月25日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成31年4月25日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載の補正を含むものであり、本件補正前の平成30年12月26日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、それぞれ以下のとおりである(下線部は補正箇所を示す。)。

(本件補正前)
「【請求項1】
プレイヤが行うべきダンスの動作を指示する指示画像が表示される第1表示装置と、
少なくとも一人のプレイヤがゲームをプレイすべき場として設定されたフロア面を有し、前記フロア面に対して垂直方向に延ばされた前記第1表示装置の表示面の前方に配置されたステージと、
前記フロア面上で前記プレイヤが行った動作を検出する動作検出手段と、
表示面が前記フロア面と重なるように設けられた第2表示装置と、
前記ゲームを制御するゲーム制御装置と、を備え、
前記ゲーム制御装置には、
前記プレイヤが行うべき動作を記述した指示データに基づいて、前記指示画像を前記第1表示装置に表示させる動作指示手段と、
前記動作指示手段の指示と前記動作検出手段が検出した動作との比較に基づいて前記プレイヤの動作を評価して評価データに記録する評価手段と、
前記評価手段の評価結果を示す情報画像を前記第1表示装置に表示させる画像生成手段と、
前記評価データに基づいて、前記評価手段の評価結果と関連付けられた情報をゲーム関連情報として前記第2表示装置に表示させるゲーム関連情報提示手段と、
が設けられたゲーム機。」

(本件補正後)
「【請求項1】
プレイヤが行うべきダンスの動作を指示する指示画像が表示される第1表示装置と、
少なくとも一人のプレイヤがゲームをプレイすべき場として設定されたフロア面を有し、前記フロア面に対して垂直方向に延ばされた前記第1表示装置の表示面の前方に配置されたステージと、
前記フロア面上で前記プレイヤが行った動作を検出する動作検出手段と、
表示面が前記フロア面と重なるように設けられた第2表示装置と、
前記ゲームを制御するゲーム制御装置と、を備え、
前記ゲーム制御装置には、
前記プレイヤが行うべき動作を記述した指示データに基づいて、前記指示画像を前記第1表示装置に表示させる動作指示手段と、
前記動作指示手段の指示と前記動作検出手段が検出した動作との比較に基づいて前記プレイヤの動作を評価して評価データに記録する評価手段と、
前記評価手段の評価結果を示す情報画像を前記第1表示装置に表示させる画像生成手段と、
前記評価データに基づいて、前記評価手段の評価結果と関連付けられた情報をゲーム関連情報として前記第2表示装置に表示させるゲーム関連情報提示手段と、
が設けられ、
前記ゲーム関連情報提示手段は、前記ゲーム関連情報として前記評価データに基づく評価結果を表示させる、ゲーム機。」

2 補正の適否
本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「前記評価データに基づいて、前記評価手段の評価結果と関連付けられた情報をゲーム関連情報として前記第2表示装置に表示させるゲーム関連情報提示手段」について、「前記ゲーム関連情報提示手段は、前記ゲーム関連情報として前記評価データに基づく評価結果を表示させる」との限定を付加する補正を含むものである。
そして、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明とは、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
そうすると、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
また、本件補正は、本願の願書の最初に添付した明細書の段落【0055】及び図13等の記載に基づいており、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

そこで、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本願補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、前記1(本件補正後)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献に記載された事項
ア 原査定の拒絶の理由で引用され本願の出願前に頒布された刊行物である特開2007-275422号公報(以下「引用文献」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。

「【技術分野】
【0001】
本発明は、床設置型のフラットパネルディスプレイ装置を用い、プレーヤの足の位置を検出することによりゲームを進行するゲーム装置に関する。

【背景技術】
【0002】
従来、業務用ゲーム装置で、プレーヤが足で踏みつけることにより遊ぶものとして、例えば、ダンスゲーム装置がある(特許文献1参照)。特許文献1には、複数のフットスイッチを備えた踏み台と、そのフットスイッチ上に位置するプレーヤと向かい合わせて設置したモニタと、を具備し、所定のダンス音楽に合わせた一連のステップをモニタの画面を通じてプレーヤに案内し、その案内に対応したプレーヤの実際のステップをフットスイッチで検出し、案内されたステップと実際のステップとを比較してプレーヤの技量を評価するゲーム装置が開示されている。
【0003】
一方、プレーヤのダンス動作を検出する装置として、踏み込み式のフットスイッチの代わりに赤外線のような非接触型のセンサを使用して、プレーヤのステップ以外の手の振り付け等のダンス動作を検出して、様々なダンスをゲームとして楽しめるようにしたダンスゲーム装置が開示されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第3003851号公報
【特許文献2】特許第3329786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の従来のダンスゲーム装置は、アクリル板等で作られた電飾効果を奏する踏み位置指示マークが標記された踏み台部を有する床盤面体が、当該プレーヤに踏まれたことを踏みセンサにより検知するものである。また、ダンス域は、9個のマス目によって構成され、大きな星印が表記された中央マス目に該当するホームポジション部に対し、前後左右位置の4個のマス目である踏み台部には中央マス目から見た方向を示す矢印が表記され、ホームポジション部から見て斜め方向の4個のマス目である補助台部には小さい星印が表記されている。そして、プレーヤは、ゲーム装置のスクロール表示により表示される踏み位置指示により案内される踏み動作タイミング指示に従い床盤面体を踏むことになる。そのため、プレーヤは、決まった位置にある床盤面体を踏むことになり、動きの自由度は、予め用意された9個の位置に限定されたものとなる。
【0005】
また、特許文献2に記載の別の従来のダンスゲーム装置は、プレーヤのステップや手の振り付け等を距離センサにより把握し、正しいステップや手の振り付け等が行われた場合には、照明灯を点灯もしくは点滅するものである。特許文献1と比較して、プレーヤの動きの自由度はあるものの、照明灯を点灯もしくは点滅するといった演出は、ステップが正しいか否かの正誤判断ができるにすぎず、床面の表示演出は、当該照明灯の点滅に限定されたものとなる。
【0006】
一方、近年、液晶表示等のフラットパネルディスプレイ装置の技術水準の向上により、より大型かつ薄型のフラットパネルディスプレイ装置が開発されている。本発明者は、このフラットパネルディスプレイ装置を床に設置し、さらに当該プレーヤの足の位置を検出するセンサと組み合わせることで、プレーヤの動きの自由度が高く、検出した足の位置に応じて床面に様々な表示演出を行うことができるゲーム装置を開発して提供することを考えた。」

「【0034】
図1は、本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置1の全体外観図である。本ゲーム装置1は、床に設置されたフラットパネル状の液晶、プラズマ等のメイン表示部11を備えるメイン表示部本体10と、その奥に隣接して配設されるサブ表示部21を備えるゲーム機本体20と、から構成されている。」

「【0036】
ゲーム機本体20は、プレーヤが、メイン表示部11上に立った時に、視認できる場所にモニタ装置であるサブ表示部21を配設し、サブ表示部21の両側には音声出力用のスピーカ22と、電飾用としてのランプ23とが配設されている。また、ゲーム機本体20は、コイン投入口24を備えている。
【0037】
図2は、プレーヤが本発明の好適な実施形態の一例に係るゲーム装置1でモグラ踏みゲームを楽しんでいる様子を示す図である。このように、プレーヤが1人プレーでゲームを楽しむ場合には、メイン表示部11上にプレーヤが乗り、足で踏みつけることにより、ゲームを楽しむことができる。また、サブ表示部21に画像を表示させることにより、プレーヤは、メイン表示部11とサブ表示部21の両方を見ながらゲームを楽しむことができる。」

「【0043】
サブ制御基板170は、制御部110が制御するゲームの進行に応じて各種の演出を制御する。具体的には、制御部110からの所定の制御信号(例えば、得点(ポイントデータ)獲得など)を受信したことに応じて、サブ制御基板170は、所定の演出を行うための音声信号を音声出力制御部171に送信し、ランプ点滅信号を電飾制御部172に送信する。さらに、音声出力制御部171が受信した音声信号に基づいてスピーカ22を駆動し、効果音等を出力する。また、電飾制御部172が受信したランプ点滅信号に基づいてランプ23を駆動し、点滅等をさせる。」

「【0045】
検出部130は、圧力センサ、および光学センサ等により構成し、メイン表示部11上のプレーヤの動きを検出する。」

「【0057】
引き続き図6のフローチャートを用いてゲームメイン処理について説明する。制御部110は、ゲーム進行制御テーブルの生成が終了すると、ゲーム進行制御テーブルの順序に従って標的となるモグラをメイン表示部11に表示させる(ステップS105)。制御部110は、標的を表示した後、タイマスタートの処理を行い(ステップS106)、後述する判定処理を行う(ステップS107)。このタイマは、所定のタイミングに達するか否かの判定をする際(ステップS108)に使用され、所定のタイミングが到来したときに制御部110によりリセットする(ステップS109)。所定のタイミングとは、ゲーム進行制御テーブルの表示間隔を指す。モグラの最終出現数に達するまで、制御部110は、ゲーム進行制御テーブルの条件に従って標的をメイン表示部11に表示する(ステップS110)。なお、標的によりメイン表示部11に表示する画像は異なるものを使用する。図9は、標的が「ノーマルモグラ」の場合の画像であり、図10は、標的が「うんち」である場合の画像である。また、図11は標的が「パワフルモグラ」である場合の画像である。
【0058】
制御部110は、標的の表示数が最終出現数に達したときには、ゲームを終了させる(ステップS110)。当該ゲームは、獲得した得点(ポイントデータ)が高得点(ポイントデータ)になるほど、勝ったと思えるものであり、ゲーム装置1の最高得点(ポイントデータ)とプレーヤがプレーした得点(ポイントデータ)とをサブ表示部21に双方表示してもよい。
【0059】
次に図12について説明する。図12は、図6のフローチャートに記載されている判定処理(ステップS107)の詳細を示すフローチャートである。判定処理は、標的の表示時間内に、標的がプレーヤにより踏まれたか否かを判定し、処理を行うものである。制御部110は、判定処理を開始後、タイマスタート処理を行う(ステップS201)。制御部110は、このタイマを、所定の時間に達するか否かの判定をする際(ステップS212)に使用し、制御部110は、所定の時間が到来したときにリセットする(ステップS213)。所定の時間とは、ゲーム進行制御テーブルの表示時間を指す。
【0060】
次に、制御部110は、標的が踏まれたか否かを判定する(ステップS202)。制御部110は、標的が踏まれたか否かは、標的の画像に外接する円の領域と、検出部130からのメイン表示部11上の位置データを含む検出記号を受信することにより、検出したプレーヤの足の踏んでいる領域と、が重なるか否かにより判定する。重なり部分があれば、制御部110は、その標的は踏まれたものと判断し、次の処理へ遷移する(ステップS203)。
【0061】
標的が踏まれたと判断された場合に、踏んだ標的のキャラクタに応じて次の処理を行う。まず、プレーヤが「ノーマルモグラ」を踏んだ場合には、制御部110は、図13に示すような踏まれたモグラの画像を表示し(ステップS204)、得点(ポイントデータ)を加算する(ステップS205)。次に、プレーヤが「うんち」を踏んだ場合には、制御部110は、図14に示すような踏まれたうんちの画像を表示し(ステップS206)、得点(ポイントデータ)を減算する(ステップS207)。最後に、プレーヤが「パワフルモグラ」を踏んだ場合には、制御部110は、まず、同一のキャラクタを踏んだ回数をカウントし、1回目であれば、図15に示すような、1回踏まれてちょっと弱ったモグラの画像を表示させ(ステップS211)、処理を続行する。もし、踏んだ回数が2回目だったら、制御部110は、図13に示すような踏まれたモグラの画像を表示させ(ステップS209)、得点(ポイントデータ)としてボーナス点を加算する(ステップS210)。
【0062】
ここで、ポイントデータとは、上述の例のようにゲームにおいて当該プレーヤが獲得した得点として制御部110が記憶部120に記憶しても良いし、逆にゲームにおいて当該プレーヤの減点として制御部110が記憶部120に記憶しても良い。あるいは、ゲーム中で当該プレーヤに関して内部的に使用する情報として制御部110が記憶部120に記憶してもよい。
【0063】
ここまでは、本発明に係る「モグラ踏みゲーム」について説明したが、本発明が提供するゲームはそれに限られない。たとえば、制御部110は、標的の画像をメイン表示部11に表示させる直前のタイミングで、サブ表示部21に、当該標的の画像を表示させてもよい。サブ表示部21に次の画像を表示させることにより、プレーヤは、次に出現する標的の場所と、キャラクタを知ることができ、次の手の準備ができるため、高得点(ポイントデータ)を狙うことができる。また、サブ表示部21に次の画像を表示させることにより、初心者にとっては、ゲームを円滑に行うガイドの役割を果たすことができる。さらに、サブ表示部21に次の画像を表示させることにより、ゲーム装置1の周りで観戦している人が、次の手を見ることができるため、プレーヤにアドバイスすることにより、プレーヤと観戦者が一体となってゲームを楽しむことができる可能性がある。」

上記記載事項を総合すれば、引用文献には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「プレーヤが1人プレーでゲームを楽しむ場合には、その上にプレーヤが乗り、足で踏みつけることにより、ゲームを楽しむことができる、床に設置されたフラットパネル状のメイン表示部11を備えるメイン表示部本体10と、
前記メイン表示部本体10の奥に隣接して配設されるゲーム機本体20に備えられ、プレーヤが、前記メイン表示部11上に立った時に、視認できる場所に配設されたサブ表示部21であって、画像を表示させることにより、プレーヤが、前記メイン表示部11との両方を見ながらゲームを楽しむことができるサブ表示部21と、
前記メイン表示部11上のプレーヤの動きを検出する検出部130と、
ゲームの進行を制御する制御部110と、を備え、
前記制御部110は、
ゲーム進行制御テーブルの条件に従って標的の画像を前記メイン表示部11に表示させ、
標的の画像を前記メイン表示部11に表示させる直前のタイミングで、前記サブ表示部21に、プレーヤが次に出現する標的の場所と、キャラクタを知ることができる、当該標的の画像を表示させ、
標的の表示時間内に、標的の画像に外接する円の領域と、前記検出部130が検出したプレーヤの足の踏んでいる領域と、が重なるか否かにより、標的がプレーヤにより踏まれたか否かを判定し、
プレーヤが標的となる「ノーマルモグラ」を踏んだ場合には、踏まれたモグラの画像を前記メイン表示部11に表示して得点を加算し、プレーヤが標的となる「うんち」を踏んだ場合には、踏まれたうんちの画像を前記メイン表示部11に表示して得点を減算し、プレーヤが標的となる「パワフルモグラ」を踏んだ場合には、同一のキャラクタを踏んだ回数をカウントし、1回目であれば、1回踏まれてちょっと弱ったモグラの画像を前記メイン表示部11に表示させ、踏んだ回数が2回目だったら、踏まれたモグラの画像を前記メイン表示部11に表示させて得点としてボーナス点を加算し、
得点獲得に応じて、前記サブ表示部21の両側に配設された音声出力用のスピーカ22に効果音を出力させ、前記サブ表示部21の両側に配設された電飾用としてのランプ23に点滅をさせる制御信号を送信し、
標的の表示数が最終出現数に達したときに、ゲームを終了させ、ゲーム装置1の最高得点とプレーヤがプレーした得点とを前記サブ表示部21に双方表示する、
ゲーム装置1。」

(3)対比・判断
ア 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
(a)引用発明において、「標的の画像」は、これを足で踏むというプレーヤが行うべき動作を指示する指示画像といえる。
また、引用発明の「標的の画像を前記メイン表示部11に表示させる直前のタイミングで」「プレーヤが次に出現する標的の場所と、キャラクタを知ることができる、当該標的の画像」は、指示画像といえるメイン表示部11に表示させる標的の画像が表示される直前のタイミングで表示される、次に出現する標的の画像であることから、少なくとも、指示画像と関連付けられた画像といえる。
したがって、本願補正発明の「プレイヤが行うべきダンスの動作を指示する指示画像が表示される第1表示装置」と、引用発明の「標的の画像を前記メイン表示部11に表示させる直前のタイミングで」「プレーヤが次に出現する標的の場所と、キャラクタを知ることができる、当該標的の画像を表示」する「サブ表示部21」とは、「プレイヤが行うべき動作を指示する指示と関連付けられた画像が表示される第1表示装置」の点で共通する。

(b)引用発明において、「メイン表示部11」は、「床に設置されたフラットパネル状の」ものであることから、フロア面を有するものということができる。
また、引用発明において、「メイン表示部本体10」は、「メイン表示部本体10」が「有」する「メイン表示部11上に」「プレーヤが」「立っ」て「乗」るものであることから、ステージということができる。
また、引用発明において、「サブ表示部21」は、「前記メイン表示部本体の奥に隣接して配設されるゲーム機本体20に備えられ、プレーヤが、前記メイン表示部11上に立った時に、視認できる場所に配設された」ものであるから、ステージであるメイン表示本体部11が、フロア面に対して隣接して配設されたサブ表示部21の表示面の前方に配置されていることは明らかである。
したがって、本願補正発明の「少なくとも一人のプレイヤがゲームをプレイすべき場として設定されたフロア面を有し、前記フロア面に対して垂直方向に延ばされた前記第1表示装置の表示面の前方に配置されたステージ」と、引用発明の「プレーヤが1人プレーでゲームを楽しむ場合には、その上にプレーヤが乗り、足で踏みつけることにより、ゲームを楽しむことができる、床に設置されたフラットパネル状のメイン表示部11を備えるメイン表示部本体10と、前記メイン表示部本体10の奥に隣接して配設されるゲーム機本体20に備えられ、プレーヤが、前記メイン表示部11上に立った時に、視認できる場所に配設されたサブ表示部21であって、画像を表示させることにより、プレーヤが、前記メイン表示部11との両方を見ながらゲームを楽しむことができるサブ表示部21」からなる構成とは、「少なくとも一人のプレイヤがゲームをプレイすべき場として設定されたフロア面を有し、前記第1表示装置の表示面の前方に配置されたステージ」を備える点で共通する。

(c)引用発明の「前記メイン表示部11上のプレーヤの動きを検出する検出手段130」は、本願補正発明の「前記フロア面上で前記プレイヤが行った動作を検出する動作検出手段」に相当する。

(d)引用発明の「メイン表示部11」は、「フラットパネル状」で「画像を」「表示」させることができるものであるから表示面を有するといえ、また、上記(b)で検討したようにフロア面を有するといえ、表示面がフロア面と重なることは明らかであるから、本願補正発明の「表示面が前記フロア面と重なるように設けられた第2表示装置」に相当する。

(e)引用発明の「ゲームの進行を制御する制御部110」は、本願補正発明の「前記ゲームを制御するゲーム制御装置」に相当する。

(f)引用発明の「ゲーム進行制御テーブル」は、「標的の画像」を表示する条件を定めるものであるから、上記(a)で検討した、「標的の画像」が、標的を足で踏むというプレーヤが行うべき動作を指示する指示画像といえることを踏まえれば、プレーヤが行うべき動作を記述した指示データといえる。
そうすると、引用発明の「ゲーム進行制御テーブルの条件に従って標的の画像を前記メイン表示部11に表示させ」ることは、プレーヤが行うべき動作を記述した指示データに基づいて、指示画像をメイン表示部11に表示させるものといえる。
また、引用発明の「制御部110」には、これを足で踏むというプレーヤが行うべき動作を指示する「標的の画像を」「表示させ」ることを「前記メイン表示部11に」指示することから、動作指示手段が設けられているといえる。
したがって、本願補正発明の「前記プレイヤが行うべき動作を記述した指示データに基づいて、前記指示画像を前記第1表示装置に表示させる動作指示手段」と、引用発明とは、「前記プレイヤが行うべき動作を記述した指示データに基づいて、前記指示画像を表示装置に表示させる動作指示手段」に相当する構成が設けられている点で共通するといえる。

(g)上記(f)の検討を踏まえれば、引用発明の「ゲーム進行制御テーブルの条件に従って」「メイン表示部11に表示さ」れる「標的の画像に外接する円の領域」は、プレーヤが行うべき動作を記述した指示データであるゲーム進行制御テーブルに基づく指示といえる。
そうすると、本願補正発明の「前記プレイヤが行うべき動作を記述した指示データに基づいて、前記指示画像を前記第1表示装置に表示させる動作指示手段」「の指示と前記動作検出手段が検出した動作との比較に基づいて前記プレイヤの動作を評価」することと、引用発明の「標的の表示時間内に」、「ゲーム進行制御テーブルの条件に従って」「メイン表示部11に表示さ」れる「標的の画像に外接する円の領域と、前記検出部130が検出したプレーヤの足の踏んでいる領域と、が重なるか否かにより、標的がプレーヤにより踏まれたか否かを判定」することとは、「前記指示データに基づく指示と前記動作検出手段が検出した動作との比較に基づいて前記プレイヤの動作を評価」する点で共通する。
したがって、本願補正発明と引用発明 とは、「前記指示データに基づく指示と前記動作検出手段が検出した動作との比較に基づいて前記プレイヤの動作を評価する評価手段」に相当する構成が設けられている点で共通するといえる。

(h)引用発明の「標的の表示数が最終出現数に達したときに、ゲームを終了させ」た後に「前記サブ表示部21に」「表示」される「プレーヤがプレーした得点」は、「プレーヤが標的となる」「ノーマルモグラ」「うんち」及び「パワフルモグラ」を「踏んだ」か否か、すなわち、「標的の表示時間内に、標的の画像に外接する円の領域と、前記検出部130が検出したプレーヤの足の踏んでいる領域と、が重なるか否か」の判定の結果に関連付けられて、「加算」、「減算」及び「ボーナス点を加算」した「得点」であることから、「判定」の結果と関連付けられた情報を示す情報画像といえる。
したがって、本願補正発明と引用発明とは、「前記評価手段の評価結果と関連付けられた情報を示す情報画像を前記第1表示装置に表示させる画像生成手段」に相当する構成が設けられている点で共通するといえる。

(i)引用発明の「メイン表示部11に」「踏まれたモグラの画像」、「踏まれたうんちの画像」及び「1回踏まれてちょっと弱ったモグラの画像」を「表示」させるか否かは、「プレーヤが標的となる」「ノーマルモグラ」、「うんち」及び「パワフルモグラ」「を踏んだ」か否か、すなわち、「標的の表示時間内に、標的の画像に外接する円の領域と、前記検出部130が検出したプレーヤの足の踏んでいる領域と、が重なるか否か」の判定の結果を表示させることといえる。
したがって、本願補正発明と引用発明とは、「前記評価手段の評価結果と関連付けられた情報をゲーム関連情報として前記第2表示装置に表示させるゲーム関連情報提示手段」「が設けられ」「前記ゲーム関連情報提示手段は、前記ゲーム関連情報として」「評価結果を表示させる」ことに相当する構成が設けられている点で共通といえる。

(j)引用発明の「ゲーム装置1」は、本願補正発明の「ゲーム機」に相当する。

してみると、本願発明と引用発明とは、
「プレイヤが行うべき動作を指示する指示と関連付けられた画像が表示される第1表示装置と、
少なくとも一人のプレイヤがゲームをプレイすべき場として設定されたフロア面を有し、前記第1表示装置の表示面の前方に配置されたステージと、
前記フロア面上で前記プレイヤが行った動作を検出する動作検出手段と、
表示面が前記フロア面と重なるように設けられた第2表示装置と、
前記ゲームを制御するゲーム制御装置と、を備え、
前記ゲーム制御装置には、
前記プレイヤが行うべき動作を記述した指示データに基づいて、前記指示画像を表示装置に表示させる動作指示手段と、
前記指示データに基づく指示と前記動作検出手段が検出した動作との比較に基づいて前記プレイヤの動作を評価する評価手段と、
前記評価手段の評価結果と関連付けられた情報を示す情報画像を前記第1表示装置に表示させる画像生成手段と、
前記評価手段の評価結果と関連付けられた情報をゲーム関連情報として前記第2表示装置に表示させるゲーム関連情報提示手段と、
が設けられ、
前記ゲーム関連情報提示手段は、前記ゲーム関連情報として評価結果を表示させる、ゲーム機。」
である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点1)
「プレイヤが行うべき」「動作」について、本願補正発明は「ダンスの」動作であるのに対し、引用発明は「標的」を「足で踏」む動作である点。

(相違点2)
「前記第1表示装置の表示面」について、本願補正発明は「前記フロア面に対して垂直方向に延ばされた」ものであるのに対し、引用発明の「サブ表示部21」が「メイン表示部11」のフロア面に対して垂直方向に延ばされたものか否か、特定されていない点。

(相違点3)
「第1表示装置」に「表示される」のが、本願補正発明は「プレイヤが行うべき動作を指示する指示画像」であるのに対し、引用発明は、標的の画像をメイン表示部11に表示させる直前のタイミングで、プレーヤが次に出現する標的の場所と、キャラクタを知ることができる、当該標的の画像が表示される点。

(相違点4)
「評価手段」が、「前記プレイヤの動作を評価」する際、「前記動作検出手段が検出した動作との比較」の対象が、本願補正発明では「前記指示画像を前記第1表示装置に表示させる」「動作指示手段の指示」であるのに対し、引用発明では、「ゲーム進行制御テーブルの条件に従って」「メイン表示部11に表示さ」れる「標的の画像に外接する円の領域」である点。

(相違点5)
本願補正発明は「画像生成手段」が「前記評価手段の評価結果と関連付けられた情報を示す情報画像を前記第1表示装置に表示させる」のに対し、引用発明は「判定」の結果としての「得点獲得に応じて、」「前記サブ表示部21の両側に配設された電飾用としてのランプ23に点滅をさせ」る点。

(相違点6)
「評価手段」が「前記プレイヤの動作を評価し」た後、本願補正発明は「評価データに記録する」ものであるのに対し、引用発明はそのように特定されていない点。

(相違点7)
「第2表示装置に表示させるゲーム関連情報として」の「前記評価手段の評価結果と関連付けられた情報」及び「評価結果」の「表示」が、本願補正発明は「前記評価データに基づ」くものであるのに対し、引用発明の「メイン表示部11に表示」される「踏まれたモグラの画像」、「踏まれたうんちの画像」及び「1回踏まれてちょっと弱ったモグラの画像」の「表示」が、「判定」の結果を記録したデータに基づくことが、特定されていない点。

イ 判断
(相違点1について)
引用文献において、段落【0001】には、本発明は、プレーヤの足の位置を検出することによりゲームを進行するゲーム装置に関すると記載され、また、段落【0002】ないし【0006】には、背景技術及び発明が解決しようとする課題として、ダンス動作を検出するダンスゲーム装置が記載されていること、及び、プレーヤの足の位置を検出してゲームを進行するダンスゲーム装置は、例えば、特開2000-37490号公報及び特開2001-299975号公報に記載されているように周知技術であることに鑑みれば、引用発明のゲーム装置1をダンスゲーム装置に適用して、相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得たものである。

(相違点2について)
プレーヤの足の位置を検出することによりゲームを進行するゲーム装置において、フロア面の端部から垂直に延ばされた立壁に表示部を備えるようにして、表示部をフロア面に対して垂直方向に延ばされたものとすることが、例えば、特開2001-299975号公報(「【0019】・・・地面に対して垂直に起立したかたちで壁状のモニタ装置2・・・が設けられ」との記載及び図1を参照)に記載されているように周知技術であることに鑑みれば、引用発明において、フロア面を有する「メイン表示部11を備えるメイン表示本体部10の奥に隣接して配設されるゲーム機本体20に備えられ」た「サブ表示部21」を、メイン表示部11のフロア面に対して垂直方向に延ばされたものとすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。

(相違点3について)
プレーヤの足の位置を検出することによりゲームを進行するゲーム装置において、プレーヤに対する動作指示を、床に設置された表示部と、プレーヤが前記表示部上に立った時に、視認できる場所に配設された別の表示部との両方に表示させることは、例えば、特開2000-37490号公報(「【0040】冷陰極線管点灯制御部113は踏み位置指示データメモリ105からの踏み位置指示データに対応する踏み台部13F,13B,13L,13Rの内空間に設けられた冷陰極線管26を個別に点灯表示させる点灯信号を出力する」及び「【0037】図7?図9は、表示面31の一例・・・を示すもので、図7では、図2の右側のダンス域11でプレーヤがゲームをする場合で、ダンス画像Dの背景と、順次画面上方から所定の速度で下方に向けてスクロール移動する踏み位置指示マークM1?M4が、M1,M4,M2,M3の順で表示されている」の記載を参照)に記載されているように周知技術であり、引用発明は、プレーヤが、前記メイン表示部11だけでなくサブ表示部21も見ながらゲームを楽しむことができるものであることから、この周知技術を、「標的の画像を前記メイン表示部11に表示させる直前のタイミングで、前記サブ表示部21に、プレーヤが次に出現する標的の場所と、キャラクタを知ることができる、当該標的の画像を表示させ」ることに代えて、または、加えて適用して、標的の画像をサブ表示部21に表示させるようにして、相違点3に係る本願補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得たものである。

(相違点4について)
上記(相違点3について)で検討したように、引用発明において、標的の画像をメイン表示部11と共にサブ表示部21にも表示させるのであれば、「制御部110」が、「メイン表示部11」と同様に、「サブ表示部21」にも「ゲーム進行制御テーブルの条件に従」った「標的の画像に外接する円の領域」を表示させることを共通の動作指示手段で行うことに格別の困難性はなく、そのようにした場合に、「プレーヤの足の踏んでいる領域」との比較のための「標的の画像に外接する円の領域」の情報を、その情報を有する動作指示手段の指示によるものとすることは、当業者が容易になし得たものである。

(相違点5について)
引用発明は、「得点獲得に応じて」「前記サブ表示部21の両側に配設された電飾用としてのランプ23に点滅をさせる」ものであり、また、「サブ表示部21」に「画像を表示させることにより、プレーヤが、前記メイン表示部11との両方を見ながらゲームを楽しむことができる」ものであるところ、判定の結果の報知態様は当業者が適宜選択し得るものであるから、「得点獲得に応じて」、「サブ表示部21の両側に配設された電飾用としてのランプ23に点滅をさせる」ことに代えて、「サブ表示部21」を点滅表示させるようにして、相違点5に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。

(相違点6及び7について)
引用発明の「制御部110」において、「標的の表示時間内に、標的の画像に外接する円の領域と、前記検出部130が検出したプレーヤの足の踏んでいる領域と、が重なるか否かにより、標的がプレーヤにより踏まれたか否かを判定し」た結果に基づいて、「プレーヤが標的となる「ノーマルモグラ」を踏んだ場合には、踏まれたモグラの画像を前記メイン表示部11に表示して得点を加算し、プレーヤが標的となる「うんち」を踏んだ場合には、踏まれたうんちの画像を前記メイン表示部11に表示して得点を減算し、プレーヤが標的となる「パワフルモグラ」を踏んだ場合には、同一のキャラクタを踏んだ回数をカウントし、1回目であれば、1回踏まれてちょっと弱ったモグラの画像を前記メイン表示部11に表示させ、踏んだ回数が2回目だったら、踏まれたモグラの画像を前記メイン表示部11に表示させて得点としてボーナス点を加算」する制御をしていることは明らかである。
そして、コンピュータにおいて、データをキャッシュメモリやRAMに一時的に記録し、それに基づいて制御を行うことが技術常識であることに鑑みれば、引用発明において、「制御部110」が、「メイン表示部11に」「踏まれたモグラの画像」、「踏まれたうんちの画像」及び「1回踏まれてちょっと弱ったモグラの画像」を「表示させ」る制御を、「判定」した結果に基づいてなされるようにするための具体化手段として、「判定」した結果をデータとして一時的に記録し、そのデータに基づいて表示制御を行うようにすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。

そして、本願補正発明の発明特定事項によって奏される効果も、引用発明及び上記周知技術から、当業者が予測し得る範囲内のものである。

したがって、本願補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4)審判請求書における請求人の主張について
請求人は、審判請求書において、
a 引用文献においてはサブ表示部21(本願補正発明の「第1表示装置」に対応する)に、評価結果は表示されない、
b メイン表示部11(本願補正発明の「第2表示装置」に対応する)には、標的のシンボル等が表示されるのみであり、これは、動作指示手段による指示と検出した動作との比較に基づいてプレイヤの動作を評価して記録した評価データに基づく評価結果とは異なる、
c 請求項1に係る発明には、フロア面と重なるように設けられた第2表示装置に上記評価結果を表示させることにより、プレイヤのプレイを視聴する者に対して、第1表示装置に表示された指示画像(動作指示)に対して適切な動作であったか否かを判別する手がかりを与えるという技術的意義、すなわち、プレイを視聴する者は、第1表示装置に表示される指示画像を見なくとも、プレイヤのプレイが適切なものであったか否かを判別することができるが、引用文献は、当該技術的意義の認識、すなわち課題認識を欠いており、視聴者が第1表示装置に表示された指示画像を見ないという状況を考慮していないので、本願補正発明の解決すべき課題は、新規でありかつ当業者が通常は着想しない、
旨を主張する。

しかしながら、請求人の上記aの主張について、上記(相違点5について)で検討したように、引用発明は、「得点獲得に応じて」「前記サブ表示部21の両側に配設された電飾用としてのランプ23に点滅をさせる」ものであり、また、「サブ表示部21」に「画像を表示させることにより、プレーヤが、前記メイン表示部11との両方を見ながらゲームを楽しむことができる」ものであるところ、判定の結果の報知態様は当業者が適宜選択し得るものであるから、「得点獲得に応じて」、「サブ表示部21の両側に配設された電飾用としてのランプ23に点滅をさせる」ことに代えて、「サブ表示部21」を点滅表示させるようにすることは、当業者が容易になし得たものである。

また、請求人の上記bの主張について、上記(3)ア(i)で検討したように、引用発明の「メイン表示部11に」「踏まれたモグラの画像」、「踏まれたうんちの画像」及び「1回踏まれてちょっと弱ったモグラの画像」を「表示」させるか否かは、「プレーヤが標的となる」「ノーマルモグラ」、「うんち」及び「パワフルモグラ」「を踏んだ」か否か、すなわち、「標的の表示時間内に、標的の画像に外接する円の領域と、前記検出部130が検出したプレーヤの足の踏んでいる領域と、が重なるか否かにより、標的がプレーヤにより踏まれたか否かを判定し」た結果を表示させることといえる。そして、上記(相違点6及び7について)で検討したように、引用発明において、「制御部110」が、「メイン表示部11に」「踏まれたモグラの画像」、「踏まれたうんちの画像」及び「1回踏まれてちょっと弱ったモグラの画像」を「表示させ」る制御を、「判定」した結果に基づいてなされるようにするための具体化手段として、「判定」した結果をデータとして一時的に記録し、そのデータに基づいて表示制御を行うようにすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。

さらに、請求人の上記cの主張について、引用文献の段落【0063】を参照すれば、引用発明においても、ゲーム装置1の周りで観戦している観戦者を想定できることから、フロア面を有するメイン表示部11に、踏まれたモグラの画像、踏まれたうんちの画像、1回踏まれてちょっと弱ったモグラの画像が表示されるか否かで、それを見た観戦者は、プレーヤが、標的となる「ノーマルモグラ」を踏んだか否か、プレーヤが標的となる「うんち」を踏んだか否か、プレーヤが標的となる「パワフルモグラ」を踏んだか否かを判別する手がかりを与え、プレイヤのプレイが適切なものであったか否かを判別することができることとなるのは明らかである。

したがって、請求人の主張は採用できない。

(5)本件補正についてのむすび
以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成30年12月26日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1の(本件補正前)に記載したとおりのものである。

2 原査定の拒絶理由
原査定の拒絶の理由のうち請求項1に係るものは、
(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
・特開2007-275422号公報(引用文献)
・特開2000-37490号公報(周知技術を示す文献)
というものである。

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献の記載事項は、前記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本願補正発明から、「前記ゲーム関連情報提示手段は、前記ゲーム関連情報として前記評価データに基づく評価結果を表示させる」との限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2[理由]2(3)に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2020-09-28 
結審通知日 2020-09-29 
審決日 2020-10-12 
出願番号 特願2017-254810(P2017-254810)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮本 昭彦  
特許庁審判長 藤本 義仁
特許庁審判官 尾崎 淳史
藤田 年彦
発明の名称 ゲーム機及びそのコンピュータプログラム  
代理人 山本 晃司  
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