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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W |
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管理番号 | 1368776 |
審判番号 | 不服2019-8786 |
総通号数 | 253 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-01-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-07-01 |
確定日 | 2020-12-15 |
事件の表示 | 特願2017-125200「移動体通信システム、基地局および移動端末」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 9月14日出願公開、特開2017-163620、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2010年(平成22年)4月21日(優先権主張 2009年4月28日、2009年6月19日、2010年4月2日)を国際出願日とする特願2011-511290号の一部を、平成24年9月4日に新たな特許出願とした特願2012-194229号の一部を、平成26年4月1日に新たな特許出願とした特願2014-75297号の一部を、平成27年4月28日に新たな特許出願とした特願2015-91168号の一部を、平成29年6月27日に更に新たな特許出願としたものであり、その後の手続の経緯は以下のとおりである。 平成29年 6月27日 上申書の提出 平成30年 8月23日付け 拒絶理由通知書 平成30年10月31日 意見書、手続補正書の提出 平成31年 3月26日付け 拒絶査定 令和 1年 7月 1日 拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提 出 令和 2年 8月 5日付け 拒絶理由通知書(当審) 令和 2年10月 9日 意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1ないし4に係る発明は、令和2年10月9日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された以下のとおりのものである。 「【請求項1】 複数の部分キャリアを集めるキャリアアグリゲーションを使用して、前記複数の部分キャリアを集めた集合キャリアに対応した移動端末と基地局との間で無線通信する移動体通信システムであり、 前記集合キャリアに対応した移動端末のキャリアアグリゲーションに関する能力情報を前記集合キャリアに対応した移動端末から前記基地局に送信する移動体通信システムであって、 前記集合キャリアに対応した移動端末のキャリアアグリゲーションに関する能力情報が、前記移動端末から前記基地局への上り方向の無線通信に対応した上り能力情報と、この上り能力情報とは異なり前記基地局から前記移動端末への下り方向の無線通信に対応した下り能力情報とを含むことを特徴とする移動体通信システム。 【請求項2】 前記請求項1に記載の移動体通信システムにおいて、 前記基地局からの要求に応答して、前記集合キャリアに対応した移動端末のキャリアアグリゲーションに関する能力情報を、前記集合キャリアに対応した移動端末から前記基地局に送信することを特徴とする移動体通信システム。 【請求項3】 複数の部分キャリアを集めるキャリアアグリゲーションを使用して、前記複数の部分キャリアを集めた集合キャリアに対応した移動端末と無線通信する基地局であり、 前記集合キャリアに対応した移動端末から送信されてきた、前記集合キャリアに対応した移動端末のキャリアアグリゲーションに関する能力情報を受信する基地局であって、 前記集合キャリアに対応した移動端末のキャリアアグリゲーションに関する能力情報が、前記移動端末から前記基地局への上り方向の無線通信に対応した上り能力情報と、この上り能力情報とは異なり前記基地局から前記移動端末への下り方向の無線通信に対応した下り能力情報とを含むことを特徴とする基地局。 【請求項4】 複数の部分キャリアを集めるキャリアアグリゲーションを使用して基地局と無線通信する、前記複数の部分キャリアを集めた集合キャリアに対応した移動端末であり、 前記集合キャリアに対応した移動端末のキャリアアグリゲーションに関する能力情報を前記基地局に送信する移動端末であって、 前記集合キャリアに対応した移動端末のキャリアアグリゲーションに関する能力情報が、前記移動端末から前記基地局への上り方向の無線通信に対応した上り能力情報と、この上り能力情報とは異なり前記基地局から前記移動端末への下り方向の無線通信に対応した下り能力情報とを含むことを特徴とする移動端末。」 第3 優先権主張について 本願は、特願2009-109310号(優先日:平成21年4月28日)、特願2009-146293号(優先日:平成21年6月19日)、特願2010-86194号(優先日:平成22年4月2日)に基づく優先権の主張を伴うものである。しかし、請求項1の「前記集合キャリアに対応した移動端末のキャリアアグリゲーションに関する能力情報を前記集合キャリアに対応した移動端末から前記基地局に送信する移動体通信システムであって、前記集合キャリアに対応した移動端末のキャリアアグリゲーションに関する能力情報が、前記移動端末から前記基地局への上り方向の無線通信に対応した上り能力情報と、この上り能力情報とは異なり前記基地局から前記移動端末への下り方向の無線通信に対応した下り能力情報とを含む」との事項、請求項3の「前記集合キャリアに対応した移動端末から送信されてきた、前記集合キャリアに対応した移動端末のキャリアアグリゲーションに関する能力情報を受信する基地局であって、前記集合キャリアに対応した移動端末のキャリアアグリゲーションに関する能力情報が、前記移動端末から前記基地局への上り方向の無線通信に対応した上り能力情報と、この上り能力情報とは異なり前記基地局から前記移動端末への下り方向の無線通信に対応した下り能力情報とを含む」との事項、及び、請求項4の「前記集合キャリアに対応した移動端末のキャリアアグリゲーションに関する能力情報を前記基地局に送信する移動端末であって、前記集合キャリアに対応した移動端末のキャリアアグリゲーションに関する能力情報が、前記移動端末から前記基地局への上り方向の無線通信に対応した上り能力情報と、この上り能力情報とは異なり前記基地局から前記移動端末への下り方向の無線通信に対応した下り能力情報とを含む」との事項は、上記特願2010-86194号の願書に最初に添付した明細書の【0532】ないし【0556】には記載されているが、上記特願2009-109310号及び上記特願2009-146293号の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面には、記載されていない。 したがって、上記特願2009-109310号及び上記特願2009-146293号に基づく優先権主張の効果は認められない。 よって、請求項1ないし4に係る発明に対する進歩性等の判断の基準日は、平成22年4月2日とする。 第4 当審の拒絶理由及び原査定について 当審の令和2年8月5日付け拒絶理由通知書において、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとした請求項1、4及び6と当該請求項1を引用する請求項3は、令和2年10月9日提出の手続補正書による補正で削除されたから、この拒絶の理由は解消した。 また、原査定において引用された引用文献1(ZTE,Downlink control structure for LTE-A[online],3GPP TSG-RAN WG1#56 R1-090628,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_56/Docs/R1-090628.zip>,2009年 2月 9日)、引用文献2(NTT DOCOMO,Initial Access Procedure for Asymmetric Wider Bandwidth in LTE-Advanced[online], 3GPP TSG-RAN WG1#55b R1-090312,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_55b/Docs/R1-090312.zip>,2009年 1月12日)、引用文献4(CATT,DL Control Channel Scheme for LTE-A[online],3GPP TSG-RAN WG1#57 R1-091994,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_57/Docs/R1-091994.zip>,2009年 5月 4日)、引用文献5(Panasonic,Discussion on when UE starts aggregating carriers[online],3GPP TSG-RAN WG1#55b R1-090261,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_55b/Docs/R1-090261.zip>,2009年 1月12日)のいずれにも、請求項1ないし4に係る発明の「前記集合キャリアに対応した移動端末のキャリアアグリゲーションに関する能力情報が、前記移動端末から前記基地局への上り方向の無線通信に対応した上り能力情報と、この上り能力情報とは異なり前記基地局から前記移動端末への下り方向の無線通信に対応した下り能力情報とを含む」という発明特定事項について記載も示唆もされておらず、当該事項は、技術常識又は周知技術であるとも認められない。 したがって、請求項1ないし4に係る発明は、原査定で引用された各引用文献に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2020-11-25 |
出願番号 | 特願2017-125200(P2017-125200) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H04W)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 青木 健 |
特許庁審判長 |
國分 直樹 |
特許庁審判官 |
望月 章俊 畑中 博幸 |
発明の名称 | 移動体通信システム、基地局および移動端末 |
代理人 | 中島 成 |
代理人 | 井上 和真 |
代理人 | 辻岡 将昭 |
代理人 | 特許業務法人山王内外特許事務所 |
代理人 | 濱田 初音 |