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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H05B
管理番号 1369382
審判番号 不服2019-7622  
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-06-10 
確定日 2020-12-09 
事件の表示 特願2016-569684「延長された寿命を有する高解像低消費電力OLEDディスプレイ」拒絶査定不服審判事件〔平成27年12月 3日国際公開、WO2015/183954、平成29年 8月 3日国内公表、特表2017-521819〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続等の経緯
特願2016-569684号(以下「本件出願」という。)は、2015年(平成27年)5月27日(パリ条約に基づく優先権主張外国庁受理 2014年(平成26年)5月27日(US)アメリカ合衆国 2014年(平成26年)5月30日(US)アメリカ合衆国 2014年(平成26年)7月18日(US)アメリカ合衆国 2014年(平成26年)10月24日(US)アメリカ合衆国 2015年(平成27年)1月26日(US)アメリカ合衆国 2015年(平成27年)1月26日(US)アメリカ合衆国 2015年(平成27年)4月28日(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする国際特許出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
平成29年 1月26日 :手続補正書の提出
平成30年10月26日付け :拒絶理由通知書
平成31年 1月21日 :意見書の提出
平成31年 1月21日 :手続補正書の提出
平成31年 2月13日付け :拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和 元年 6月10日 :審判請求書の提出
令和 元年 6月10日 :手続補正書の提出
令和 元年12月26日 :上申書の提出

第2 原査定の概要
原査定の拒絶の理由は、概略、本件出願の請求項1?11、44に係る発明は、本件出願の優先権主張の日(以下「本件優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である下記の引用文献に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献に記載された発明に基づいて、本件優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1:特開2014-45166号公報
引用文献2:米国特許出願公開第2013/0285537号明細書
引用文献3:特表2008-539554号公報
引用文献4:米国特許出願公開第2009/0295283号明細書
引用文献5:特開2007-317915号公報
引用文献6:特開2014-59560号公報
(当合議体注:引用文献1?4は、いずれも主引用例である。引用文献5?6は、いずれも周知技術を示す文献である。)


第3 本願発明
本件出願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和元6月10日にした手続補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりの、次のものである。
「 フルカラーOLEDディスプレイを含むデバイスであって、
前記フルカラーOLEDディスプレイにおけるフルカラー画素配列が、
基板と、
複数の画素とを含み、
各画素が、基板上で互いに隣り合って配置される、異なる色の少なくとも2色の発光領域を含み、
各画素が、黄色発光領域を含み、各黄色発光領域が、隣り合う画素における黄色発光領域と隣り合い、
前記フルカラーOLEDディスプレイが、少なくとも600dpiの解像度を有することを特徴とするデバイス。」
なお,令和元年6月10日にした手続補正のうち,請求項1についての補正は,補正前の請求項7を請求項1とする補正(請求項の削除)を目的とする補正である。


第4 引用文献、引用発明
1 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用文献1として引用され、本件出願の最先の優先権主張の日(以下「本件優先日」という。)前に、日本国内又は外国において、頒布された刊行物である、特開2014-45166号公報(以下、同じく「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。なお、下線は、当合議体が付与したものであり、引用発明の認定に活用した箇所を示す。

(1)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成される配線パターンと、
前記配線パターン上に積層され、所定の位置に上下方向のコンタクトホールが形成される第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に形成され、前記コンタクトホールに貫入して前記配線パターンに電気的に接続されるコンタクト部を有する下部電極と、
前記下部電極上に形成される発光層と、
前記発光層上に形成される上部電極と、
前記発光層が前記下部電極と前記上部電極とに挟まれる発光領域を、前記コンタクト部を含む領域として規定する発光領域規定部材と、
前記基板上で少なくとも前記コンタクト部に対応する領域に配置されるカラーフィルタと
を備える表示装置。
・・・(省略)・・・
【請求項16】
基板上に配線パターンを形成する工程と、
前記配線パターン上に第1の絶縁膜を積層し、該第1の絶縁膜の所定の位置に上下方向のコンタクトホールを形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上に、前記コンタクトホールに貫入して前記配線パターンに電気的に接続されるコンタクト部を有する下部電極を形成する工程と、
前記下部電極上に発光層を形成する工程と、
前記発光層上に上部電極を形成する工程と、
前記発光層が前記下部電極と前記上部電極に挟まれる発光領域を、前記コンタクト部を含む領域として規定する工程と、
前記基板上で少なくとも前記コンタクト部に対応する領域にカラーフィルタを配置する工程と
を含む、表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記下部電極を形成する工程は、
前記第1の絶縁膜上に前記コンタクトホールに貫入して前記配線パターンに電気的に接続されるコンタクト部を有する第1の下部電極を形成する工程と、
前記第1の下部電極上に第2の絶縁膜を積層し、該第2の絶縁膜の所定の位置に開口部を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、前記開口部の側面に貫入して前記下部電極に接続される第2の下部電極を形成する工程と
を含み、
前記発光領域を規定する工程では、前記発光層が前記第2の下部電極と前記上部電極に挟まれる領域を前記発光領域として規定する、請求項16に記載の表示装置の製造方法
【請求項18】
基板上に配線パターンを形成する工程と、
前記配線パターン上に第1の絶縁膜を積層し、該第1の絶縁膜の所定の位置に上下方向のコンタクトホールを形成する工程と、
前記第1の絶縁膜上に第2の絶縁膜を積層し、該第2の絶縁膜の所定の位置に、前記コンタクトホールを包含する開口部を形成する工程と、
前記第2の絶縁膜上に、前記開口部および前記コンタクトホールに貫入して前記配線パターンに電気的に接続されるコンタクト部を有する下部電極を形成する工程と、
前記下部電極上に発光層を形成する工程と、
前記発光層上に上部電極を形成する工程と、
前記発光層が前記下部電極と前記上部電極に挟まれる発光領域を、前記コンタクト部を含む領域として規定する工程と、
前記基板上で少なくとも前記コンタクト部に対応する領域にカラーフィルタを配置する工程と
を含む、表示装置の製造方法。
【請求項19】
基板上に形成される配線パターンと、
前記配線パターン上に積層され、所定の位置に上下方向のコンタクトホールが形成される第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に形成され、前記コンタクトホールに貫入して前記配線パターンに電気的に接続されるコンタクト部を有する下部電極と、
前記下部電極上に形成される発光層と、
前記発光層上に形成される上部電極と、
前記発光層が前記下部電極と前記上部電極に挟まれる発光領域を、前記コンタクト部を含む領域として規定する発光領域規定部材と、
前記基板上で少なくとも前記コンタクト部に対応する領域に配置されるカラーフィルタと
を有する表示装置を備える電子機器。
【請求項20】
基板上に形成される配線パターンと、前記配線パターン上に積層され、所定の位置に上下方向のコンタクトホールが形成される第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に形成され、前記コンタクトホールに貫入して前記配線パターンに電気的に接続されるコンタクト部を有する下部電極と、前記下部電極上に形成される発光層と、前記発光層上に形成される上部電極と、前記発光層が前記下部電極と前記上部電極に挟まれる発光領域を、前記コンタクト部を含む領域として規定する発光領域規定部材と、前記基板上で少なくとも前記コンタクト部に対応する領域に配置されるカラーフィルタとを含む表示装置を、
前記配線パターンに電気的に接続される画素駆動回路によって、前記発光層を含む発光素子が逆バイアス状態で容量性素子として機能するように駆動させる、表示装置の駆動方法。」

(2)「【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置、電子機器、表示装置の製造方法および表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED(Light Emitting Diode)やOLED(Organic Light Emitting Diode)を発光素子として用いた自発光型の表示装置が普及している。こうした表示装置では、陽極(アノード)と陰極(カソード)との間に発光素子を配置し、電圧を印加することによって素子を発光させる。素子が電極間に挟まれて発光する領域を発光領域という。表示領域に占める発光領域の割合が大きいほど、表示装置は効率的に発光することになる。
【0003】
ところが、実際には、さまざまな原因で発光領域の大きさが制限される。そこで、限られた発光領域の中でより効率的に光を取り出す技術が提案されている。例えば、特許文献1には、発光素子の発光面の周囲に凹面鏡部を立設して光を反射させることによって、配光特性の均一さを維持しつつ配光角度や分布などを制御する技術が記載されている。
【0004】
一方、特許文献2には、表示装置の画素駆動回路において、発光素子を逆バイアス状態で容量性素子として機能させる技術が記載されている。この場合、発光領域の大きさが、発光素子が容量性素子として機能する場合の容量に影響する。発光領域が大きければ、容量素子として機能する場合により大きな容量が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-218296号公報
【特許文献2】特開2007-171828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、自発光型の表示装置では、発光領域をより大きくすることが求められる場合がある。そこで、本開示では、自発光型の発光装置において、発光領域をより大きくすることが可能な、新規かつ改良された表示装置、表示装置の製造方法、電子機器および表示装置の駆動方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
・・・(省略)・・・
【0009】
また、本開示によれば、基板上に形成される配線パターンと、上記配線パターン上に積層され、所定の位置に上下方向のコンタクトホールが形成される第1の絶縁膜と、上記第1の絶縁膜上に形成され、上記コンタクトホールに貫入して上記配線パターンに電気的に接続されるコンタクト部を有する下部電極と、上記下部電極上に形成される発光層と、上記発光層上に形成される上部電極と、上記発光層が上記下部電極と上記上部電極に挟まれる発光領域を、上記コンタクト部を含む領域として規定する発光領域規定部材と、上記基板上で少なくとも上記コンタクト部に対応する領域に配置されるカラーフィルタとを有する表示装置を含む電子機器が提供される。
・・・(省略)・・・
【0011】
発光領域に下部電極のコンタクト部を含めることで、コンタクト部を含めない場合に比べて発光領域を大きくすることが可能である。コンタクト部で発光層の膜厚が変化することによる発光の色度のずれは、カラーフィルタを用いてカットすることができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本開示によれば、自発光型の発光装置において、発光領域をより大きくすることができる。」

(3)「【0016】
(1.第1の実施形態)
(1-1.関連技術の説明)
はじめに、本開示の実施形態の理解のために、関連技術について説明する。既に述べたように、自発光型の表示装置では、さまざまな原因で発光領域の大きさが制限される。その原因の1つが、下部電極を配線パターンに接続するコンタクト部の存在である。これについて、以下で図1および図2を参照して説明する。
【0017】
図1は、コンタクト部によって発光領域が制限される例を示す断面図である。図1には、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ10が示されている。有機ELディスプレイ10は、基板11、TFT(Thin Film Transistor)層20、平坦化絶縁膜30、下部電極40、発光層50、上部電極60、および開口規定絶縁膜70を有する。TFT層20は、ゲート電極21、ゲート絶縁膜22、半導体層23、層間絶縁膜24、および配線パターン25を含む。有機ELディスプレイ10は、上部電極60側から光を取り出すトップエミッション型の表示装置である。
【0018】
図示された有機ELディスプレイ10において、発光領域E_(0)は、発光層50が下部電極40と上部電極60との間に挟まれている領域である。ここで、発光領域E_(0)は、開口規定絶縁膜70に形成された開口部によって規定される。発光領域E_(0)以外の領域では、下部電極40と発光層50との間に開口規定絶縁膜70が介在しているため、発光層50は発光しない。
【0019】
ここで、下部電極40は、コンタクト部40cで配線パターン25に電気的に接続されている。コンタクト部40cは、下部電極40が平坦化絶縁膜30に形成されたコンタクトホール30cに貫入する部分である。コンタクトホール30cは、平坦化絶縁膜30を上下方向に貫通して形成される開口部である。
【0020】
図示されているように、有機ELディスプレイ10における発光領域E_(0)は、下部電極40のコンタクト部40cを含まないように設定される。これは、コンタクト部40cを発光領域E_(0)として下部電極40上に発光層50を形成すると、形成された段差(配線パターン25に向かって凹んでいる)のために発光層50の膜厚が他の部分とは異なってしまうためである。発光層50の膜厚が発光領域の中で変化すると、その部分で発光の色度がずれてしまう。特に、キャビティ設計によって発光層50の厚さを設定している場合、色度のずれは特に大きくなる。
・・・(省略)・・・
【0030】
(表示領域の構成)
図5は、有機ELディスプレイ100における表示領域101の平面構成の例を示す図である。図5に示すように、表示領域101には、赤色発光素子110R、緑色発光素子110G、および青色発光素子110Bがマトリクス状に配列される。一組の赤色発光素子110R、緑色発光素子110G、および青色発光素子110Bは、画素110を構成する。
【0031】
図6は、図5の緑色発光素子110G部分のI-I断面図である。なお、以下で説明しる構造は、赤色発光素子110R、および青色発光素子110Bの部分についても同様である。図6に示すように、基板111上には、基板111側から順に、TFT層120、平坦化絶縁膜130、下部電極140、発光層150、上部電極160、および開口規定絶縁膜170が形成される。上部電極160上には、図示しない封止用基板が配置される。上部電極160と封止用基板との間には、保護層などのさらなる層が形成されてもよい。下部電極140、発光層150、および上部電極160によって、発光素子が構成される。なお、有機ELディスプレイ100は、発光素子の光が上部電極160側から取り出されるトップエミッション型の表示装置である。
【0032】
基板111は、平坦面を有する支持体である。基板11としては、例えば、石英、ガラス、金属箔、または樹脂製のフィルムやシートなどが用いられる。
【0033】
TFT層120は、ゲート電極121、ゲート絶縁膜122、半導体層123、層間絶縁膜124、および配線パターン125を含む。TFT層120には、例えば図4に示した駆動トランジスタTr1、書き込みトランジスタTr2、およびキャパシタCsなどを含む画素駆動回路が形成される。ゲート電極121は、例えばMoによって形成されうる。また、配線パターン125は、例えばTi/Al/Tiの積層構造によって形成されうる。
【0034】
ここで、上述の通り、TFTの構造としては各種の構造を用いることが可能である。従って、図示されたボトムゲート構造のTFT層120は一例にすぎず、TFT層120はトップゲート構造であってもよい。また、TFT層120には、例えばアモルファスシリコン(a-Si)TFT、低温ポリシリコン(LTPS:Low-Temperature Poly Silicon)TFT、有機TFT、または透明酸化物半導体(TOS:Transparent Oxide Semiconductor)TFTなど、各種のTFTを形成することが可能である。なお、例えばスマートフォンや携帯電話などのモバイル機器における高精細化のためには移動度が高いLTPSが適し、フレキシブルパネルには折り曲げに強い有機TFTが適し、大型ディスプレイには大型プロセスに対応可能なa-SiやTOSが適する。
【0035】
平坦化絶縁膜130は、TFT層120の表面を平坦化するために設けられる。平坦化絶縁膜130には、コンタクトホール130cが形成される。コンタクトホール130cは、平坦化絶縁膜130を上下方向に貫通して形成される開口部であり、そこに下部電極140のコンタクト部140cが貫入して配線パターン125に電気的に接続される。そのため、平坦化絶縁膜130は、例えばポリイミド系の有機材料、または酸化ケイ素(SiO_(2))などの無機材料のような、パターン精度がよい材料によって形成されることが望ましい。
【0036】
下部電極140は、発光素子のアノードであり、上述のようにコンタクトホール130cに貫入するコンタクト部140cによってTFT層120の配線パターン125に電気的に接続される。下部電極140は、発光素子ごとに設けられ、例えばITO(Indium Tin Oxide)/Al合金、またはAl合金のような金属材料で形成される。なお、後述するように有機ELディスプレイ100はボトムエミッション型であってもよいが、その場合、下部電極140は、例えばITOを用いて、厚さが数十nm?数百nmの透明電極として形成される。
【0037】
発光層150は、発光素子の色に対応する所定の波長範囲に少なくとも1つのピーク波長を有する発光材料を含んで形成され、下部電極140と上部電極160との間に電圧が印加されることによって発光する層である。発光層150は、例えば、アノード側から正孔注入層、正孔輸送層、発光材料層、電子輸送層、電子注入層の積層構造によって形成される。本実施形態では、発光層150が発光素子ごとに塗り分けられてもいる。この場合、塗り分けられるのは発光材料層だけであり、正孔注入層など他の層は表示領域101の全面に共通して形成されてもよい。発光層150は、印刷または転写によって形成されてもよく、蒸着によって形成されてもよい。
【0038】
上部電極160は、発光素子のカソードであり、低抵抗化のために表示領域101の全面に共通して設けられる。つまり、上部電極160は、各発光素子の共通電極である。上部電極160は、例えば膜厚数nm?数十nmのMgAg(薄膜化することで半透明電極になる)、または膜厚数十nm?数百nmのIZO(Indium Zinc Oxide;透明電極)などを用いて形成されうる。なお、有機ELディスプレイ100がボトムエミッション型である場合、上部電極160は、例えば膜厚数十nm?数百nmのMgAgなどを用いて形成されうる。
【0039】
開口規定絶縁膜170は、下部電極140と上部電極160との間の絶縁性を確保するとともに、形成された開口部によって発光領域を規定する。開口規定絶縁膜170は、例えば酸化ケイ素などの無機絶縁材料によって形成されてもよい。あるいは、開口規定絶縁膜170は、上記の無機絶縁材料の上に、感光性ポリイミドなどの感光性樹脂を積層して形成されてもよい。
【0040】
上記のような有機ELディスプレイ100において、発光領域E_(1)は、発光層150が下部電極140と上部電極160との間に挟まれている領域である。発光領域E_(1)は、開口規定絶縁膜170に形成された開口部によって規定される。発光領域E_(1)以外の領域では、下部電極140と発光層150との間に開口規定絶縁膜170が介在しているため、発光層150は発光しない。
【0041】
図示されているように、発光領域E_(1)は、下部電極140のコンタクト部140cを含んで設定される。上述のように、コンタクト部140cを発光領域E_(1)に含め、コンタクト部140cで下部電極140上に発光層150を形成すると、形成された段差(配線パターン125に向かって凹んでいる)のために発光層150の膜厚が他の部分とは異なることによって、発光の色度のずれが生じる。そこで、本実施形態では、発光の色度のずれを、発光領域E_(1)に設けられるカラーフィルタ(図示せず)を用いてカットすることによって、コンタクト部140cを含む発光領域E_(1)を設定することを可能にする。
・・・(省略)・・・
【0054】
(2.第2の実施形態)
次に、図9を参照して、本開示の第2の実施形態について説明する。図9は、本開示の第2の実施形態に係る表示装置の表示領域の断面図である。なお、以下で説明する点を除いて、本実施形態の構成は上記の第1の実施形態の構成と同様である。
【0055】
図9に示されるように、本開示の第2の実施形態に係る表示装置である有機ELディスプレイ200では、発光層250が、複数の発光素子に共通して形成される。発光層250を共有する各発光素子では、カラーフィルタ(図示せず)が設けられ、発光層の光から各発光素子に対応する色の光を取り出す。ここで設けられるカラーフィルタは、コンタクト部140cの部分で発光層250の膜厚が他の部分と異なることによって生じる発光の色度のずれをカットするためにも用いられる。
【0056】
このように共通形成される発光層250の例としては、赤色(R)および緑色(G)(黄色(Y)が加えられてもよい)の発光素子に共通して形成される黄色発光層、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)(白色(W)が加えられてもよい)の発光素子に共通して形成される白色発光層などがある。白色発光層の場合、画素を構成するすべての発光素子が共通の発光層を用いることになるため、発光層250は表示領域101の全面に形成される。
【0057】
例えば、発光層を共通形成することで、発光層を発光素子ごとに塗り分ける場合に比べて高い解像度を実現することが可能である。例えば、第1の実施形態のように発光層を発光素子ごとに塗り分ける場合、現在のメタルマスク蒸着技術では解像度200ppi程度が限界であるために、それ以上の解像度の場合には印刷または転写によって発光層を形成する。
【0058】
一方、発光層を青色(B)および黄色(Y)の2色の塗り分けとすれば、解像度300ppi程度までメタルマスク蒸着技術で製造することが可能である。また、発光層を白色(W)1色のみとして表示領域101の全面に形成すれば、解像度500ppi程度までメタルマスク蒸着技術で製造することが可能である。
【0059】
なお、発光層の塗り分けやカラーフィルタの配置に関するバリエーションについては、後でさらに詳しく説明する。
・・・(省略)・・・
【0112】
(9.発光層のバリエーション)
次に、図27?図31を参照して、本開示の実施形態における発光層のバリエーションについて説明する。上述のように、本開示の実施形態は、発光層が発光素子間で塗り分けられる場合(例えば第1および第3の実施形態)と、発光層が発光素子間で共通形成される場合(例えば第2および第4の実施形態)とを含む。これらの実施形態を単独で、または組み合わせて実現することによって、任意のパターンの発光層の配置を実現することが可能である。
【0113】
なお、以下の説明の図では、カラーフィルタの配置が“CF”として、発光層の配置(塗り分け)が“OLED”として、発光領域(開口部)の配置が“WIN”として、それぞれ示されている。これらの配置の重ね合わせによって、“Pixel”として示す各種の画素配置が実現される。また、以下の説明の図では、例えば黄色の発光層を発光層Y、青色の発光素子を発光素子B、といったように、色を示す文字によって各色の発光層を区別して示す場合がある。
【0114】
図27は、発光層の第1のバリエーションを示す平面図である。この例では、発光層が黄色(Y)および青色(B)の2色塗り分けで形成される。カラーフィルタは、発光層Yに赤色(R)、黄色(Y)および緑色(G)が、発光層Bに青色(B)が配置される。これによって、R,Y,G,Bの4色の発光素子からなる画素配置が実現される。
【0115】
なお、この場合、発光素子Y,Bでは、発光する色と発光層の色とが同じであるために、必ずしもカラーフィルタは設けられなくてもよい。しかしながら、上述の通り、発光素子においてコンタクト部140cを含む発光領域を設定する場合、コンタクト部140cの部分で発光層250の膜厚が他の部分と異なることによって生じる発光の色度のずれをカットするためにカラーフィルタが用いられる。従って、コンタクト部140cを発光領域に含めるのであれば、発光素子Y,Bでもカラーフィルタが設けられる。
【0116】
図28は、発光層の第2のバリエーションを示す平面図である。この例では、上記の第1のバリエーションと同じく、発光層が黄色(Y)および青色(B)の2色塗り分けで形成される。一方、カラーフィルタは、発光層Yに赤色(R)および緑色(G)が、発光層Bに青色(B)が配置される。これによって、R,G,Bの3色の発光素子からなる画素配置が実現される。この場合も、コンタクト部140cを発光領域に含めるのであれば、発光素子Bでもカラーフィルタが設けられる。
・・・(省略)・・・
【0121】
(10.画素パターンの配置)
次に、図32A?図42を参照して、本開示の実施形態における付加的な構成としても採用することが可能な、画素パターンの配置について説明する。
・・・(省略)・・・
【0129】
図36Aおよび図36Bは、画素パターンの反転配置の第1の例を示す図である。この例では、図27を参照して説明した発光層の第1のバリエーションと同様に、黄色(Y)および青色(B)の2色塗り分けで発光層が形成され、発光層Yに赤色(R)、黄色(Y)および緑色(G)、発光層Bに青色(B)のカラーフィルタが配置される。
【0130】
図36Aは、R,Y,G,Bの4色の発光素子によって構成される画素配置のパターンが、発光層Yと発光層Bとが交互に配列される方向(図中のy軸方向)に配列された状態を示す。この例において、パターンP11,P12,P13は、反転していない。一方、図36Bは、図36Aに示された画素配置のパターンを1つおきに反転させた状態を示す。図示された例では、図36AではP12として示されたパターンがy軸方向について反転して、P12Rになっている。
【0131】
図37Aおよび図37Bは、それぞれ、図36Aおよび図36Bの例における発光層の配置を示す図である。図示された例では、発光素子R,Y,Gに対応する領域に黄色(Y)発光層が、発光素子Bに対応する領域に青色(B)発光層が、それぞれ形成されている。これらの発光層は、例えば、発光層Bを表示領域の全面にエリアマスクを用いて蒸着し、発光層Yを所定の領域にスリットマスクを用いて蒸着することによって形成される。なお、発光層Yは、転写または印刷によって形成されてもよい。
【0132】
このとき、塗り分けの境界部分では、蒸着の誤差を考慮して、発光素子の発光領域との間にマージンが設けられる。図37Aに示された、画素配置のパターンが反転されない例では、発光層Yと発光層Bとの境界部分で、発光層Y側ではマージンy(m1)が、発光層B側ではマージンy(m2)が設けられる。この結果、y軸方向について、発光層Yの発光領域y(rgy)と、発光層Bの発光領域y(b)とは、画素全体のサイズy(pix)に対して、下記の式1を満たすように設定される。
【0133】
【数1】

【0134】
一方、図37Bに示された、画素配置のパターンが反転される例では、発光層Yと発光層Bとの境界部分でマージンy(m1),y(m2)が設けられることは反転されない例と同じである。しかし、反転したパターンとそうではないパターンとの境界部分、すなわちパターンP11とパターンP12Rとの境界部分、およびパターンP12RとP13との境界部分では、発光層B、または発光層Yが続いており、蒸着の誤差を考慮しなくてよいために、マージンy(m1),y(m2)を設けなくてよい。この場合の隣接する発光領域同士の間隔を、y(m3)とする。ここで、y(m3)<y(m1)+y(m2)である。この結果、y軸方向について、発光層Yの発光領域y(rgy)と、発光層Bの発光領域y(b)とは、画素全体のサイズy(pix)に対して、下記の式2を満たすように設定される。
【0135】
【数2】

【0136】
上記のようにy(m3)<y(m1)+y(m2)であるために、この場合、発光領域y(rgy)および発光領域y(b)として使える領域が(y(m1)+y(m2))-y(m3)だけ大きくなる。従って、図36Aおよび図37Aに示されたようにパターンを反転させずに配置する場合よりも、図36Bおよび図37Bに示されたようにパターンを1つおきに反転させて配置する場合の方が、開口率、つまり表示領域における発光領域の割合は大きくなる。
・・・(省略)・・・
【0145】
(11.電子機器への適用)
次に、図44を参照して、本開示の実施形態に係る表示装置を有する電子機器の構成について説明する。図44は、電子機器の構成を示す概略的なブロック図である。
【0146】
図44を参照すると、電子機器1000は、有機ELディスプレイ100、制御回路1100、操作部1200、記憶部1300、および通信部1400を含む。電子機器1000は、例えば、テレビジョン、携帯電話(スマートフォン)、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータなど、表示部として有機ELディスプレイ100を有する何らかの機器である。なお、図示された例では、表示部として上記の第1の実施形態に係る有機ELディスプレイ100が示されているが、第2?第4の実施形態に係る有機ELディスプレイ200?400であってもよく、他の実施形態に係る表示装置であってもよい。」

(4)図1




(5)図5




(6)図6




(7)図9




(8)図27




(9)図36A




(10)図36B




(11)図37A




(12)図37B




2 引用発明
(1)【0054】?【0058】、図9に記載された第2の実施形態に係る表示装置の表示領域は、発光層が異なることを除いて、【0031】、図6に記載された第1の実施形態の構成と同様である。
(2)【0112】の記載により、【0114】、図27に記載された発光層の第1のバリエーションは、第2の実施形態に対応するものである。
(3)【0121】の記載により、【0129】?【0136】、図36B、図37Bに記載された画素パターンの配置は、第1のバリエーションに対応する第2の実施形態において採用されるものである。
(4)【0146】の記載により、【0145】?【0146】、図44に記載された電子機器への適用は、第2の実施形態に係る有機ELディスプレイであってもよいものである。
(5)そうしてみると、引用文献1には、第2の実施形態として次の発明(「以下「引用発明」という。」)が記載されていると認められる。なお、用語を統一して記載した。

「 有機ELディスプレイ、制御回路、操作部、記憶部、および通信部を含む電子機器であって、
有機ELディスプレイの基板上には、基板側から順に、TFT層、平坦化絶縁膜、下部電極、発光層、上部電極、および開口規定絶縁膜が形成され、
発光層が黄色および青色の2色塗り分けで形成され、カラーフィルタは、黄色発光層に赤色、黄色および緑色が、青色発光層に青色が配置され、これによって、赤色、黄色、緑色、青色の4色の発光素子からなる画素配置が実現され、
赤色、黄色、緑色、青色の4色の発光素子によって構成される画素配置のパターンを1つおきに反転させ、黄色発光層は、画素配置のパターンと画素配置のパターンとの境界部分で続いている、
デバイス。」


第5 当審の判断
1 対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
(1)フルカラーOLEDディスプレイ
引用発明の「有機ELディスプレイ」の「基板上には、基板側から順に、TFT層、平坦化絶縁膜、下部電極、発光層、上部電極、および開口規定絶縁膜が形成され」、「発光層が黄色および青色の2色塗り分けで形成され、カラーフィルタは、黄色発光層に赤色、黄色および緑色が、青色発光層に青色が配置され、これによって、赤色、黄色、緑色、青色の4色の発光素子からなる画素配置が実現され」ている。
ここで、上記の基板上の構成からみて,引用発明の「有機EL」とは、有機発光ダイオード(OLED)のことである。また、引用発明の「ディスプレイ」は、その文言が意味するとおりのものである。さらに、上記の発光層の構成からみて、引用発明の「有機ELディスプレイ」は、フルカラーである。
そうしてみると、引用発明の「赤色、黄色、緑色、青色の4色の発光素子からなる画素配置が実現され」る「有機ELディスプレイ」は、本願発明の「フルカラーOLEDディスプレイ」に相当する。

(2)フルカラー画素配列、基板、画素
引用発明の「有機ELディスプレイ」は、上記(ア)で述べた構成に加えて、「赤色、黄色、緑色、青色の4色の発光素子によって構成される画素配置のパターンを1つおきに反転させ」た構成を具備する。
そうしてみると、引用発明の「基板」上の複数の「画素」からなる「画素配置のパターン」は、本願発明の「前記フルカラーOLEDディスプレイにおける」とされる「フルカラー画素配列」に相当するとともに、引用発明の「画素」は、本願発明の「画素」に相当する。
また、引用発明の「基板」は、その文言どおり、本願発明の「基板」に相当する。
さらに、上記構成と上記の相当関係から、引用発明の「画素配置のパターン」は、本願発明の「フルカラー画素配列」における、「基板と」、「複数の画素とを含み」という要件を満たす。

(3)発光領域
引用発明は、「発光層が黄色および青色の2色塗り分けで形成され、カラーフィルタは、黄色発光層に赤色、黄色および緑色が、青色発光層に青色が配置され、これによって、赤色、黄色、緑色、青色の4色の発光素子からなる画素配置が実現され」、「赤色、黄色、緑色、青色の4色の発光素子によって構成される画素配置のパターンを1つおきに反転させ、黄色発光層は,画素配置のパターンと画素配置のパターンとの境界部分で続いている」ものである。
上記構成から、引用発明の「画素」は、本願発明の「画素」の「基板上で互いに隣り合って配置される、異なる2色の発光領域を含み」という要件を満たす。
また、上記構成から、引用発明の「発光層」は発光する領域を有し、引用発明の「発光層」の発光する領域は、本願発明の「発光領域」に相当し、引用発明の「黄色発光層」は黄色発光する領域を有し、引用発明の「黄色発光層」の黄色発光する領域は、本願発明の「黄色発光領域」に相当する。
さらに、上記構成から、引用発明の「画素」は、本願発明の「画素」の「黄色発光領域を含み、各黄色発光領域が、隣合う画素における黄色発光領域と隣り合い」という要件も満たす。

(4)デバイス
上記(1)ないし(3)より、引用発明の「電子機器」は、本願発明の「デバイス」に相当する。また、引用発明の「有機ELディスプレイ、制御回路、操作部、記憶部、および通信部を含む電子機器」は、本願発明の「フルカラーOLEDディスプレイを含むデバイス」という要件を満たす。

2 一致点・相違点
(1)一致点
以上の対比結果を踏まえると、本願発明と引用発明は、以下の点で一致する。
「 フルカラーOLEDディスプレイを含むデバイスであって、
前記フルカラーOLEDディスプレイにおけるフルカラー画素配列が、
基板と、
複数の画素とを含み、
各画素が、基板上で互いに隣り合って配置される、異なる色の少なくとも2色の発光領域を含み、
各画素が、黄色発光領域を含み、各黄色発光領域が、隣り合う画素における黄色発光領域と隣り合う、デバイス。」

(2)相違点
本願発明と引用発明は、以下の点で相違する。
(相違点)
「フルカラーのOLEDディスプレイ」が、本願発明は、「少なくとも600dpiの解像度を有する」のに対して、引用発明は、そのような特定がなされていない点。

3 判断
上記相違点について検討する。
OLEDディスプレイを含む表示デバイスの技術分野において、解像度が高いほど望ましいのは当然であって、どの程度の解像度とするかは、当業者にとって適宜選択可能な設計事項にすぎず、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

なお、引用文献1の【0058】には、「一方、発光層を青色(B)および黄色(Y)の2色の塗り分けとすれば、解像度300ppi程度までメタルマスク蒸着技術で製造することが可能である。」と記載されている。
しかしながら、上記記載は、メタルマスク蒸着技術で製造すると解像度が300ppi程度になると述べているだけであって、技術思想として解像度を300ppi(当合議体注:本願発明でいう「dpi」は、引用発明でいう「ppi」である。)とすることが好ましいことを意味するものではない。また、引用文献1の特許請求の範囲において、表示装置の製造方法が記載されているところ、特許請求の範囲における表示装置の製造方法がおいてはメタルマスク蒸着技術は記載されておらず、引用文献1における発光層の成膜方法は必ずしもメタルマスク蒸着技術に限定されるものではない(当合議体注:このことは、引用文献1の【0131】の記載からも確認できる。)。

さらに進んで検討すると、引用文献1の【0058】の「300ppi」という記載は、大量生産を前提とした場合におけるメタルマスク蒸着技術の限界を述べたものであって、実験レベルの製造技術や、メタルマスク蒸着技術よりも高い解像度を達成できる製造技術を見込んだ上で、それを採用して解像度を「600dpi」などと規定することは、当業者が容易になし得ることである。
そうしてみると、引用文献1の上記記載は阻害要因とはならない。

4 効果についての検討
本件出願明細書の【0018】の「本明細書に開示される各種実施形態は、OLEDディスプレイなどのデバイス及びその作製のための技術を提供し、これらによれば、含まれる発光領域の数が限定されていながらも、フルカラーディスプレイ及びこれに類するデバイスを提供するために十分な色範囲を提供することができる。」、【0249】の「本明細書に開示されるディスプレイは、また、比較的高い解像度を有することができる。例えば、250、300、400、500、600、700dpi、若しくはそれ以上、又はこれらの値の間の任意の値などの解像度を有することができる。」という効果は、引用発明から予測できる範囲内のものである。

5 審判請求人の主張について
審判請求人は、平成31年1月21日提出の意見書の「4.(2)」において、「引用文献1には、請求項1における「少なくとも600dpiの解像度を有する」フルカラーOLEDディスプレイについて、何ら記載も示唆もありません。」、令和元年6月10提出の審判請求書の「3.(c)」において、「引用文献1(図36-39)には、青色発光領域が隣接することの記載はありますが、黄色発光領域が隣接することについては記載がありません。」、令和元年12月26日提出の上申書の「1.」において、「引用文献1は『少なくとも600dpiの解像度』に対して阻害要因を有すると理解できます。」と、主張している。
しかしながら、上記1ないし3で示したように、審判請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。

6 小括
本願発明は、引用文献1に記載された発明に基づいて、本件優先日前の当業者が容易に発明をすることができたものである。


第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2020-07-01 
結審通知日 2020-07-07 
審決日 2020-07-21 
出願番号 特願2016-569684(P2016-569684)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H05B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 井上 徹本田 博幸  
特許庁審判長 樋口 信宏
特許庁審判官 関根 洋之
井口 猶二
発明の名称 延長された寿命を有する高解像低消費電力OLEDディスプレイ  
代理人 流 良広  
代理人 廣田 浩一  
代理人 松田 奈緒子  
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