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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1369414
審判番号 不服2020-1187  
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-01-29 
確定日 2020-12-10 
事件の表示 特願2016-248426号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 6月28日出願公開、特開2018- 99458号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件に係る出願(以下「本願」という。)は、平成28年12月21日の出願であって、平成30年8月28日付けで拒絶の理由が通知され、同年10月29日に意見書及び手続補正書が提出され、平成31年3月29日付けで最後の拒絶の理由が通知され、令和1年5月31日に意見書及び手続補正書が提出され、同年10月24日付け(謄本送達日:同年同月29日)で、同年5月31日に提出された手続補正書による補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、これに対し、令和2年1月29日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年1月29日に提出された手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、平成30年10月29日提出の手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、
「遊技が可能な遊技機であって、
遊技の進行に伴って発光する第1発光手段と、遊技媒体が通過可能な所定領域に遊技媒体が通過したか否かに関わらず発光可能な第2発光手段とを含む複数種類の発光手段と、
遊技媒体を前記所定領域に案内する案内部と、
前記案内部を補強するリブ部材と、を備え、
前記リブ部材は透光性を有し、
前記第2発光手段は、発した光が前記リブ部材に入射して反射するように設けられ、
前記複数種類の発光手段のうち前記第1発光手段ではなく前記第2発光手段の発光態様を、複数段階定められた発光態様のうちのいずれかの発光態様に操作に基づいて調整可能な調整手段をさらに備える、
ことを特徴とする遊技機。」とあったものを、

「遊技が可能な遊技機であって、
遊技の進行に伴って発光する第1発光手段と、光を反射可能な遊技球が通過可能な所定領域を遊技球が通過したか否かに関わらず発光可能な第2発光手段とを含む複数種類の発光手段と、
遊技球を前記所定領域に案内する案内部と、
前記案内部を補強するリブ部材と、を備え、
前記所定領域は、光を透過可能な壁部により画定され遊技機の後方に延びる流路を含み、
前記リブ部材は透光性を有し、
前記第2発光手段は、前記リブ部材を透過せずに遊技機の前方へ出射される光と、前記リブ部材に入射し該リブ部材の端面で反射して遊技機の前方へ出射される光と、を出射可能に設けられるとともに、出射した光が前記所定領域を通過する遊技球で反射し、反射した光が遊技機の前方へ進行可能となるように設けられ、
前記複数種類の発光手段のうち前記第1発光手段の発光態様は調整不能である一方で、前記第2発光手段の発光態様を、複数段階定められた発光態様のうちのいずれかの発光態様に操作に基づいて調整可能な調整手段をさらに備える、
ことを特徴とする遊技機。」とする補正を含むものである(なお、下線は補正前後の箇所を明示するために合議体が付した。)。

2 補正の適否について
(1) 補正の目的
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「遊技媒体」に関して、「遊技球」又は「光を反射可能な遊技球」と限定し、また、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「所定領域」に関して、「前記所定領域は、光を透過可能な壁部により画定され遊技機の後方に延びる流路を含み」と限定し、さらに、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「第2発光手段」は「発した光が前記リブ部材に入射して反射するように」設けられていることに関して、「前記リブ部材に入射し該リブ部材の端面で反射して遊技機の前方へ出射される光・・・を出射可能に設けられる」と限定し、加えて、「前記リブ部材を透過せずに遊技機の前方へ出射される光と、・・・を出射可能に設けられるとともに、出射した光が前記所定領域を通過する遊技球で反射し、反射した光が遊技機の前方へ進行可能となるように」と限定し、また、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「第1発光手段」に関して、「発光態様は調整不能である」ことを限定するものである。

(2)新規事項
本件補正は、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面における【0078】、【0099】、【0108】、【0112】、【0139】等の記載に基づくものであり、新たな技術事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

3 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)についても、以下、検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである(なお、AないしIについては、分説するため合議体が付した。)。

「A 遊技が可能な遊技機であって、
B 遊技の進行に伴って発光する第1発光手段と、光を反射可能な遊技球が通過可能な所定領域を遊技球が通過したか否かに関わらず発光可能な第2発光手段とを含む複数種類の発光手段と、
C 遊技球を前記所定領域に案内する案内部と、
D 前記案内部を補強するリブ部材と、を備え、
E 前記所定領域は、光を透過可能な壁部により画定され遊技機の後方に延びる流路を含み、
F 前記リブ部材は透光性を有し、
G 前記第2発光手段は、前記リブ部材を透過せずに遊技機の前方へ出射される光と、前記リブ部材に入射し該リブ部材の端面で反射して遊技機の前方へ出射される光と、を出射可能に設けられるとともに、出射した光が前記所定領域を通過する遊技球で反射し、反射した光が遊技機の前方へ進行可能となるように設けられ、
H 前記複数種類の発光手段のうち前記第1発光手段の発光態様は調整不能である一方で、前記第2発光手段の発光態様を、複数段階定められた発光態様のうちのいずれかの発光態様に操作に基づいて調整可能な調整手段をさらに備える、
I ことを特徴とする遊技機。」

(2)引用例
ア 引用例1
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2009-240494号公報(平成21年10月22日出願公開、以下「引用例1」という。)には、弾球遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている(なお、下線は引用発明等の認定に関連する箇所を明示するために合議体が付した。以下同様。)。

(ア)「【0024】
本実施形態のパチンコ機1は、図1に示すように、発射ハンドル2の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤3の遊技領域3aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たり(特別遊技状態)が発生した状態でアタッカー5に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成される。上記確率変動当たり(「確変当たり」ともいう)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
・・・略・・・
【0027】
また、皿ユニット16の右部には、上記発射装置を操作して遊技球を遊技領域3aに向けて打ち出すための発射ハンドル2が配設されており、皿ユニット16の左下方の台座部15には灰皿21及び遊技者参加ボタン(所謂チャンスボタン)22が配設されている。なお、図1中の符号14は、発射ハンドル2の操作で発射された遊技球Baを遊技領域3aに導くガイドレールを示し、符号55は、遊技中の状態をLEDの発光などで報知する状態表示部を示している。」

(イ)「【図1】



(ウ)「【0035】
また、パチンコ機1は、演出制御手段70を有する制御部69を内部に備えている。該制御部69は、後述する主制御基板40や副制御基板38等から構成されている。上記演出制御手段70は、放音装置12を放音駆動し、演出用照明装置11を発光駆動して遊技者の聴覚や視覚に訴える演出を行うと共に、大当たり抽選に伴って決まった演出態様に対応するように、ステージSの背面側に配置された複数の発光素子である発光ダイオード(以下、LEDという)62a,62b,62cの対応するものを発光させる制御を行う(図3参照)。なお、これらLED62a,62b,62cは、以下、説明上の必要に応じて一括してLED62という場合もある。
・・・略・・・
【0040】
すなわち、上記ステージSは、図2ないし図4に示すように、遊技盤3の前後方向(図2の矢印a)に隣接し且つそれぞれに光透過性を有する複数(本実施形態では3つ)のステージ構成部材52,53,54を有している。ステージ構成部材52,53,54は、遊技盤3の前後方向a(図2及び図5参照)と交差する左右幅方向に延在し且つ該前後方向aに沿って延びる転動路52a,53a,54aをそれぞれ有している。つまり、ステージ構成部材52は前後方向aに沿って延びる転動路52aを有し、ステージ構成部材53は前後方向aに沿って延びる転動路53aを有し、ステージ構成部材54は前後方向aに沿って延びる転動路54aを有している。そして、ステージ構成部材52,53,54は、互いに分離可能に構成されており、該ステージ構成部材53は、光透過性を有し且つ前後方向aに沿って延びるリブ53bを備えている。」

(エ)「【図4】



(オ)「【0043】
ステージ構成部材52は、前後方向aにおける前側にて転動路52aに連結されるように一体的に形成された光透過性を有するパネル部52bを有している。ステージ構成部材53は、前後方向aにおける前側にて転動路53a及びリブ53bにそれぞれ連結されるように一体的に形成された光透過性を有するパネル部53dを有している。ステージ構成部材54は、前後方向aにおける前側にて転動路54aにそれぞれ連結されるように一体的に形成された光透過性を有するパネル部54cを有している。なお、ステージ構成部材52,53,54をはじめ、これらに備えた転動路52a、転動路53a、リブ53b及び転動路54a、並びにパネル部52b,53d,54cは、いずれも光透過性を有する合成樹脂等からなる。
・・・略・・・
【0045】
更に、ステージ構成部材52の前側に隣接するステージ構成部材53は、転動路53aの前側に備えた上記パネル部53d(図3参照)と、上記リブ53bとを有すると共に、転動路52aから流下してきた遊技球Baをその勢いが弱まった際に前側の転動路54aに導く湾曲状凹部57a,57bと、転動路53aを転がり移動する遊技球Baを後方の落下孔49(図3参照)に導く案内凹部59とを転動路53aに有している。上記パネル部53d、及び背面側に一体形成されたパネル部53cには、前後方向aに貫通する貫通孔53eが形成されており、後述するステージ構成部材54のボス部68が該貫通孔53eに挿入される。」

(カ)「【図3】



(キ)「【0048】
図4及び図5に示すように、センター飾り23の正面視における転動路52a,53a,54a及びリブ53bの背面側には、前述したように、各ステージ構成部材52?54の少なくとも上下方向で重ならない露出部分E1,E2,E3の背面側に該露出部分E1,E2,E3とそれぞれ重なり合うようにLED62a,62b,62cが、基板61に実装された形で配置されている。列状の複数のLED62aうちの或るものは、転動路52aの後方に位置してその指向性のある光L1(図5参照)を該転動路52aの上下方向中央付近に照射し得るように、基板61に実装されている。列状の複数のLED62bうちの或るものは、転動路53aの後方に位置してその指向性のある光L2を該転動路53aの上下方向中央付近に照射し得るように、基板61に実装されている。列状の複数のLED62cうちの或るものは、転動路54aの後方に位置してその指向性のある光L3を該転動路54aの上下方向中央付近に照射し得るように、基板61に実装されている。なお、図5における符号eは、パチンコ機1に向かって遊技している遊技者の眼を示している。
【0049】
そして、図5に示すように、上記LED62a,62b,62cから照射される光の一部(L1,L2,L3)は、露出部分E1,E2,E3から入射して転動路52a,53a,54aを透過して拡散光L4,L5,L6として射出される。このため、指向性を持ったLED光が照射されても、直進する光は転動路52a,53a,54a内を通ってその前端面から有効に拡散してステージS前方に照射することができる。これにより、背面側からの光照射で輪郭が際立つ転動路52a,53a,54aとその周辺部とのコントラストの違いで、ステージS及びその周辺を効果的に照明して演出効果を高めることができる。
・・・略・・・
【0061】
ここで、ステージSは、前後方向aに隣接し且つそれぞれに光透過性を有するステージ構成部材52?54を有し、該ステージ構成部材52?54が、遊技盤3の前後方向aと交差する左右幅方向に延在し且つ該前後方向aに沿って延びる転動路52a,53a,54aを有し、センター飾り23の正面視において、各ステージ構成部材52?54の少なくとも上下方向で重ならない露出部分E1,E2,E3,E4,E5,E6の背面側には、該露出部分と重なり合うようにLED62a?62cが配置される。このため、ステージSをステージ構成部材52?54で構成しながら、背面側端部から転動路52a?54a内に入射した光L1,L2,L3が全反射を繰り返すなどで前側端部から射出し、また、光L′1,L′2,L′3がパネル部52b?54cを透過して拡散することで、転動路52a?54aの各前端部及びその周辺部が際立つように発光され、これにより、単に遊技球の転動パターンを変化させるだけでなく、当該ステージSでの光演出を新奇な趣向を凝らしたものとし、ステージS上での遊技球の動きを遊技者に一層関心を持たせるようにすることができる。
・・・略・・・
【0064】
更に、ステージ構成部材53が、光透過性を有し且つ前後方向に沿って延びるリブ53bを備え、センター飾り23の正面視において、リブ53bの背面側に該リブ53bと重なり合うようにLED62bを配置したことで、前端部が際立つように発光する転動路53aとともにリブ53bも同様に発光させることができ、ステージSでの光演出を一層華やかにすることができる。」

(ク)「【図5】





(ケ)【0043】の「ステージ構成部材52,53,54をはじめ、これらに備えた転動路52a、転動路53a、リブ53b及び転動路54a、並びにパネル部52b,53d,54cは、いずれも光透過性を有する合成樹脂等からなる。」との記載、【0045】の「ステージ構成部材53は、・・・転動路53aを転がり移動する遊技球Baを後方の落下孔49(図3参照)に導く案内凹部59・・・を転動路53aに有している。」との記載、【図3】の記載から、案内凹部59が光透過性を有することや、また、案内凹部59が、遊技球を落下孔49に導くための形状として、案内凹部59底面から立設される壁部を有することも、明らかである。言い換えると、案内凹部59は光透過性を有する壁部により画定される流路を含むものであることは明らかである。

上記(ア)?(ケ)から、引用例1には、実施形態として、次の発明が記載されている。なお、aないしiについては本願発明のAないしIに概ね対応させて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。
「a 遊技を行うものであるパチンコ機1(【0024】)であって、
b、c 遊技中の状態をLEDの発光などで報知する状態表示部55(【0027】)と、ステージ構成部材53の転動路53aを転がり移動する遊技球を後方の落下孔49に導く案内凹部59(【0045】)と、転動路53aの後方に位置してその指向性のある光L2を該転動路53aの上下方向中央付近に照射し得、大当たり抽選に伴って決まった演出態様に対応するように発光させるように制御されるLED62b(【0035】、【0048】)と、
d、f ステージ構成部材53が備えるものであって、光透過性を有し且つ前後方向に沿って延び、前側のパネル部53dと連結されるように一体形成されたリブ53bと(【0040】、【0043】)、を備え、
e 案内凹部59は光透過性を有する壁部により画定される流路を含むものであり(上記(ケ))、
g ステージ構成部材52?54の背面側にはLED62a?62cが配置され、背面側端部から転動路52a?54a内に入射した光L1,L2,L3が全反射を繰り返すなどで前側端部から射出して転動路52a?54aの各前端部及びその周辺部が際立つように発光させるとともに、リブ53bの背面側に該リブ53bと重なり合うようにLED62bを配置したことで、前端部が際立つように発光する転動路53aとともにリブ53bも同様に発光させる(【0061】、【0064】)、
i パチンコ機1(【0024】)」(以下「引用発明」という。)

イ 引用例2
原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用され、本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2008-264287号公報(平成20年11月6日出願公開、以下「引用例2」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている。

(ア)「【0046】
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。図2は、パチンコ機10より前面枠セット14を取り外した状態を示す正面図である(但し、図2では便宜上、遊技盤30面上の遊技領域内の構成を空白で示している)。
・・・略・・・
【0054】
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応ユニット33への入賞をトリガとしてLEDを色換え表示(変動表示)する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて装飾図柄を変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
・・・略・・・
【0062】
また、本実施形態では、センターフレーム47には、それぞれ8つのLED(LED701?708、LED709?716)を有する発光手段としての第1発光体ユニット401及び第2発光体ユニット402が設けられている。第1及び第2発光体ユニット401、402はそれぞれ円弧状をなすとともに、装飾図柄表示装置42を挟んで左右対称に設置されており、全体として略環状をなしている。また、LED701?708及びLED709?716は、第1及び第2発光体ユニット401、402の長手方向に沿って所定間隔毎に配置されている。
【0063】
尚、本実施形態では、第1及び第2発光体ユニット401、402は、LED701?708、LED709?716を搭載する基板と、基板前方に配置される透明なパネルと、パネルの前方に配置される断面略コ字状の透明なワープ構成部とを備え、前記パネル及びワープ構成部によってワープ流路152が形成されている。また、ステージ153のうち少なくともLED701?716の前方に位置する部位は透明な素材により構成されている。これらの構成により、LED701?716から発せられた光は、ワープ流路152やステージ153を介してパチンコ機10の前方へと照射されることとなる。尚、センターフレーム47には意匠性の向上を図るために発光体ユニット401、402の他にも数多くのLEDが内蔵されていることとしてもよい。」

(イ)「【図3】



(ウ)「【0108】
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、特別表示装置43、普通図柄表示装置41、その他図示しないスイッチ等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
・・・略・・・
【0110】
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカ24、各種電飾部(ランプ102?106、第1及び第2発光体ユニット401、402等)、演出ボタン131、及び明るさ調節スイッチ132が接続されている。
・・・略・・・
【0112】
さらに、コモン信号線COM1、COM2、及びセグメント信号線SEG1?SEG8は、それぞれ図示しないトランジスタ等のスイッチング素子を介して、それぞれ入出力ポート554に接続されている。各LED701?716は、アノード側及びカソード側にそれぞれ設けられたスイッチング素子が両方ともオンとなることによって通電し、点灯する構成となっている。そして、サブ制御装置262は、入出力ポート554から信号を出力することによってスイッチング素子を駆動制御(オン、オフ)し、LED701?716を点灯制御している。」

(エ)「【図6】



(オ)「【0115】
また、本実施形態では、操作手段としての明るさ調節スイッチ132の押圧操作に応じて、LED701?716の明るさを3段階で調節可能に構成されている。初期状態、すなわち、パチンコ機10の電源立上後に明るさ調節スイッチ132の操作がない状態においては最も明るい「強」の状態となるように設定されており、明るさ調節スイッチ132を1回押圧する毎に、「強」→「中」→「弱」→「強」→・・・といった具合に明るさレベルが変更される。本実施形態では、サブ制御装置262及び明るさ調節スイッチ132により調節手段が構成される。
・・・略・・・
【0360】
以上詳述したように、本実施形態では、前面枠セット14の前面に設けられた明るさ調節スイッチ132を押圧操作することで、第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさ(単位時間当たりの光量)を調節できるようになっている。このため、遊技者は、第1及び第2発光体ユニット401、402の明るさを、自分にとって好ましい明るさとなるように適宜調節することができる。つまり、第1及び第2発光体ユニット401、402による明るく煌びやかな光の態様を堪能することもできるし、第1及び第2発光体ユニット401、402が明るすぎると思われる場合には暗くして視覚疲労の抑制等を図ることができる。結果として、光の態様に対する感覚の個人差を許容し、快適な遊技環境を提供することができる。」

(カ) 【0110】の「入出力ポート554には、・・・明るさ調節スイッチ132が接続されている。」との記載と、【図6】の図示から、明るさ調整スイッチ132はサブ制御装置262に接続されていることは明らかである。

上記(ア)?(カ)からみて、引用例2には、次の事項が記載されている。なお、引用箇所の段落番号等を併記した。
「特別表示装置43および普通図柄表示装置41が主制御装置261により直接的に制御され(【0054】、【0108】)、
それぞれ8つのLED(LED701?708、LED709?716)を有する発光手段としての第1発光体ユニット401及び第2発光体ユニット402が設けられ(【0062】)、
ステージ153のうち少なくともLED701?716の前方に位置する部位は透明な素材により構成され、LED701?716から発せられた光は、ステージ153を介してパチンコ機10の前方へと照射されるものであり(【0063】)、
サブ制御装置262に接続された操作手段としての明るさ調節スイッチ132の押圧操作に応じて、サブ制御装置262がLED701?716の明るさを3段階で調節可能に構成されている(【0112】、【0115】、上記(カ))、
パチンコ機10(【0046】)」(以下「引用例2の記載事項」という。)

(4)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する(見出し(a)ないし(i)は、本願補正発明の特定事項AないしIに対応する。)。

(a)(i)引用発明の「遊技を行うものであるパチンコ機1」、「パチンコ機1」は、それぞれ本願補正発明の特定事項Aの「遊技が可能な遊技機」、特定事項Iの「遊技機」に相当する。

(b)(c)引用発明の「遊技中の状態をLEDの発光などで報知する状態表示部55」は、当業者にしてみれば、遊技の進行に伴って発光するいわゆる図柄(特図、普図)の表示部を有することは明らかであり、また、このような図柄の表示部の発光態様が調整不能であることは遊技機の技術分野において技術常識であるから、本願補正発明の「遊技の進行に伴って発光する第1発光手段」に相当する。
また、引用発明の「遊技球」は、遊技機の技術分野において遊技球が光を反射可能であることは技術常識であるから、本願補正発明の「光を反射可能な遊技球」に相当する。
さらに、引用発明の「案内凹部59」、「LED62b」は、それぞれ本願補正発明の「所定領域」、「第2発光手段」に相当する。
また、引用発明の「転動路53a」は、遊技球を案内凹部59(所定領域)に案内していることは当業者にしてみれば明らかであるから、本願補正発明の「遊技球を前記所定領域に案内する案内部」に相当する。
そうすると、引用発明のb、cと、本願補正発明の発明特定事項Bとは、「B’遊技の進行に伴って発光する第1発光手段と、第2発光手段とを含む複数種類の発光手段」で一致し、また、引用発明のb、cは、本願補正発明の「C 遊技球を前記所定領域に案内する案内部」に相当する構成を備える。

(d)引用発明の「リブ53b」は、「リブ」との用語が部材を補強する意味を持つものであることから、転動路53a(案内部)を補強する機能を備えることは当業者にしてみれば明らかであるため、本願補正発明の「D 前記案内部を補強するリブ部材」に相当する。

(e)引用発明の「e 案内凹部59は光透過性を有する壁部により画定される流路を含むものであり」は、本願補正発明の「E 前記所定領域は、光を透過可能な壁部により画定され遊技機の後方に延びる流路を含み」に相当する。

(f)引用発明の「光透過性を有し且つ前後方向に沿って延び、前側のパネル部53dと連結されるように一体形成されたリブ53b」は、本願補正発明の「F 前記リブ部材は透光性を有し」に相当する構成を備える。

(g)引用発明の「g ステージ構成部材52?54の背面側にはLED62a?62cが配置され、背面側端部から転動路52a?54a内に入射した光L1,L2,L3が全反射を繰り返すなどで前側端部から射出して転動路52a?54aの各前端部及びその周辺部が際立つように発光させるとともに、リブ53bの背面側に該リブ53bと重なり合うようにLED62bを配置したことで、前端部が際立つように発光する転動路53aとともにリブ53bも同様に発光させる」との事項について、LEDから出射される光は、ある程度の指向性はあるものの完全な直進性を有するものではなく、広がりがあることが技術常識であり、これは、引用例1の【0049】において「上記LED62a,62b,62cから照射される光の一部(L1,L2,L3)」と記載されているように、L2がLED62bから照射される光の一部であることや、引用発明において、背面側端部から転動路52a?54a内に入射した光L1,L2,L3が全反射を繰り返していることからも明らかであるところ、リブ53bと重なり合うように配置したLED62bから出射される光の一部に、リブ53bを透過せずにパチンコ機1の前方に出射する光があることは明らかである。また、引用発明においては、背面側端部から転動路52a?54a内に入射した光L1,L2,L3が全反射を繰り返すなどで前側端部から射出しており、これに加えて、リブ53bの背面側に該リブ53bと重なり合うようにLED62bを配置したことで、前端部が際立つように発光する転動路53aとともにリブ53bも同様に発光させるものであるのだから、リブ53bの内部で全反射する光があることは明らかである。
そうすると、上述した引用発明のgの事項と、本願補正発明の特定事項Gとは、「G’前記第2発光手段は、前記リブ部材を透過せずに遊技機の前方へ出射される光と、前記リブ部材に入射し該リブ部材の端面で反射して遊技機の前方へ出射される光と、を出射可能に設けられる」で一致する。

以上のとおりであるから、本願補正発明と引用発明とは、
「A 遊技が可能な遊技機であって、
B’遊技の進行に伴って発光する第1発光手段と、該第1発光手段と異なる第2発光手段とを含む複数種類の発光手段と、
C 遊技球を前記所定領域に案内する案内部と、
D 前記案内部を補強するリブ部材と、を備え、
E 前記所定領域は、光を透過可能な壁部により画定され遊技機の後方に延びる流路を含み、
F 前記リブ部材は透光性を有し、
G’前記第2発光手段は、前記リブ部材を透過せずに遊技機の前方へ出射される光と、前記リブ部材に入射し該リブ部材の端面で反射して遊技機の前方へ出射される光と、を出射可能に設けられる、
I 遊技機。」である点で一致し、以下の点で相違する。

・相違点1(特定事項B)
「第2発光手段」は、
本願補正発明では、「光を反射可能な遊技球が通過可能な所定領域を遊技球が通過したか否かに関わらず発光可能」であるのに対して、
引用発明では、案内凹部59(所定領域)を遊技球が通過したか否かにかかわらず発光可能であるのかどうか、明らかではない点。

・相違点2(特定事項G)
「第2発光手段」は、
本願補正発明では、「出射した光が前記所定領域を通過する遊技球で反射し、反射した光が遊技機の前方へ進行可能となるように設けられ」るのに対して、
引用発明では、出射した光が案内凹部59(所定領域)を通過する遊技球で反射し、反射した光が遊技機の前方へ進行可能となるように設けられているかどうかが明らかでない点。

・相違点3(特定事項H)
本願補正発明は、「前記複数種類の発光手段のうち前記第1発光手段の発光態様は調整不能である一方で、前記第2発光手段の発光態様を、複数段階定められた発光態様のうちのいずれかの発光態様に操作に基づいて調整可能な調整手段」を備えるのに対して、
引用発明は、状態表示部55(第1発光手段)及びLED62b(第2発光手段)を有するものの、両発光手段の発光態様が調整不能又は調整可能であるかに関する特定がない点。

(5)判断
ア 相違点1について
引用例1においては、案内凹部59に、遊技球を検知可能なセンサが設けられている等といったことは記載されていないから、引用発明は、案内凹部59で遊技球が通過したか否かを検出できるものではない。また、引用発明において、LED62bは、大当たり抽選に伴って決まった演出態様に対応するように発光するものであるため、案内凹部59を遊技球が通過したか否かによってLED62bを制御できるとは考えられないから、引用発明は、案内凹部59を遊技球が通過したか否かにかかわらずLED62bが発光可能な構成であるということができ、これは本願補正発明の「光を反射可能な遊技球が通過可能な所定領域を遊技球が通過したか否かに関わらず発光可能」という特定事項を備えるものである。
したがって、上記相違点1は、実質的な相違点ではない。

イ 相違点2について
上記(4)(g)において述べたとおり、一般的にLEDから出射される光は広がりがあることが技術常識である。そうすると、引用発明において、LED62bから出射した光は、その全ての光が案内凹部59を通過する遊技球に反射してLED62bへと戻るといったものではなく、例えば、案内凹部59を通過する遊技球で反射したものが他部材でさらに反射してパチンコ機1の前方へ進行したり、LED62bから出射した光が他部材で反射・拡散等してから、案内凹部59を通過する遊技球でさらに反射してパチンコ機1の前方へ進行したり、LED62bから出射した光が、案内凹部59を通過する遊技球への入射角や遊技球表面の入射領域次第で前方へと反射したりすることは、当業者にしてみれば明らかである。
したがって、上記相違点2は、実質的な相違点ではない。

ウ 相違点3について
引用例2の記載事項の「特別表示装置43及び普通図柄表示装置41」、「第1発光体ユニット401及び第2発光体ユニット402」、「3段階」、「明るさ調節スイッチ132の押圧操作」は、それぞれ本願補正発明の「第1発光手段」、「第2発光手段」、「複数段階」、「操作」に相当する。また、引用例2の記載事項において、特別表示装置43及び普通図柄表示装置41(第1発光手段)は、主制御装置261により直接的に制御され、第1発光体ユニット401及び第2発光体ユニット402(第2発光手段)は明るさ調節スイッチ132が接続されたサブ制御装置262により制御され、特別表示装置43及び普通図柄表示装置41(第1発光手段)の発光態様が調整不能であることが技術常識からみても明らかであることから、引用例2の記載事項は、相違点3に係る本願補正発明の構成について開示している。
そして、引用発明及び引用例2の記載事項は、いずれも、ステージを有し、ステージを後方から照らす発光素子を備えるといった、共通の構成を備えるパチンコ遊技機に関するものであるところ、引用発明において、光の態様に対する感覚の個人差を許容し、快適な遊技環境を提供するといった目的で(引用例2の【0360】)、引用例2の記載事項の構成を採用することで、LED62b(第2発光手段)の発光態様を調整可能とし、上記相違点3に係る本願補正発明の構成となすことは、当業者が容易に想到し得たことである。

(6)本願補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果及び引用例2の記載事項の奏する効果から、予測することができた程度のものである。

(7)請求人の主張について
請求人は、審判請求書の「4.本願発明が特許されるべき理由」の「(1)本願発明について」及び「(2)本願発明と引用発明との対比」において、以下のとおり主張している。
「4.本願発明が特許されるべき理由
(1)本願発明について
a)請求項1に係る発明は、
前記所定領域は、光を透過可能な壁部により画定され遊技機の後方に延びる流路を含み、
前記第2発光手段は、(中略)、出射した光が前記所定領域を通過する遊技球で反射し、反射した光が遊技機の前方へ進行可能となるように設けられ、
という構成を有しています。」
「(2)本願発明と引用発明との対比
a)引用文献1は、遊技球が移動する転動路52a、53a、54aの後方にLED62a、62b、62cを設け、転動路52a、53a、54a及び転動路52a、53a、54aを移動する遊技球に光を照射する技術を開示しています。この転動路52a、53a、54aは、遊技盤に対して平行となるように形成されており、本願のように遊技機の後方に向けて延びる流路を含んでいません。そのため、転動路52a、53a、54aを移動する遊技球には後方から光が照射されることになり、前方の遊技者側には遊技球で反射した光は進行することはありません。引用文献1の段落0062には、後方のLED62a、62b、62cから発せられた光が転動路52a、53a、54aを移動する遊技球により遮られ、暗くなる部分が形成される点が記載されています。このように、引用文献1は、後方に流下する遊技球に光を照射することで、反射光による演出を実行可能とする上記項目4.(1)a)に記載の構成(審決注:本願補正発明のEと、Gのうち相違点2に係る発明特定事項。)を何ら開示も示唆していないことはあきらかです。」
しかしながら、上記(4)で示したとおり、本願補正発明のEに係る発明特定事項は引用発明が有しており、また、上記(5)イで示したとおり、本願補正発明Gのうち相違点2に係る発明特定事項は、実質的な相違点とはならないものである。
したがって、上記主張は採用できない。

(8)まとめ
以上のように、本願補正発明は、当業者が、引用発明及び引用例2の記載事項に基いて容易に発明をすることができたものである。
したがって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4 むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願に係る発明は、平成30年10月29日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1、2に記載されたものであるところ、そのうち請求項1に係る発明は、上記第2〔理由〕1に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、この出願の平成30年10月29日提出の手続補正書により補正された請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

<引用文献等一覧>
1.特開2009-240494号公報
2.特開2008-264287号公報

3 引用例
引用例1(引用文献1)及び引用例2(引用文献2)は、上記第2〔理由〕3(2)ア及びイに記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明(上記第2〔理由〕1)は、本願補正発明(上記第2〔理由〕3(1))から、上記相違点1に係る発明特定事項の一部と、上記相違点2に係る発明特定事項とを含む発明特定事項を削除又は上位概念化したものである。
そうすると、本願発明と引用発明とは、事実上、相違点1、3でのみ相違するから、本願発明も、上記第2〔理由〕3(5)ア及びウで示した理由と同様の理由により、当業者が、引用発明及び引用例2の記載事項に基づいて、容易に発明をすることができたものである。

5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2020-09-16 
結審通知日 2020-09-29 
審決日 2020-10-13 
出願番号 特願2016-248426(P2016-248426)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 福田 知喜  
特許庁審判長 伊藤 昌哉
特許庁審判官 ▲高▼橋 祐介
鉄 豊郎
発明の名称 遊技機  
代理人 桜田 圭  
代理人 木村 満  
代理人 鈴木 洋雅  
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