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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  E04B
管理番号 1370006
異議申立番号 異議2019-700823  
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-02-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-10-16 
確定日 2020-11-18 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6501190号発明「建物及び建物ユニット」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6501190号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1ないし8〕、9及び10について訂正することを認める。 特許第6501190号の請求項1ないし10に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6501190号の請求項1ないし10に係る特許についての出願は、平成27年7月1日(パリ条約に基づく優先権主張 平成26年7月9日)を国際出願日とする出願であって、平成31年3月29日にその特許権の設定登録がされ、平成31年4月17日に特許掲載公報が発行された。本件特許についての異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和 1年10月16日 : 特許異議申立人齋藤貴広(以下「申立人」という。)による請求項1ないし10に係る特許に対する特許異議の申立て
令和 2年 1月 7日付け: 取消理由通知
令和 2年 3月13日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
令和 2年 4月16日 : 申立人による意見書の提出
令和 2年 5月29日付け: 取消理由通知(決定の予告)
令和 2年 8月 3日 : 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出

なお、令和2年3月13日に行った訂正請求は、その後、令和2年8月3日に行った訂正請求によって、取り下げられたものとみなす。(特許法第120条の5第7項)
また、申立人に対し令和2年8月3日付け訂正請求に対する意見書提出の機会を与えたが、意見書は提出されていない。

第2 訂正の適否
1 訂正の内容
令和2年8月3日になされた本件訂正請求による訂正の内容は、以下のとおりである(下線は当審で付した。以下同様。)。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「 前記点検口は、前記複数のユニットのうち前記下の階に設けられた前記ユニットの上部の内側面に設けられている」
とあるのを、
「 前記複数のユニットは、第1建築構造体からなる第1ユニットと、第2建築構造体からなり、前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを含み、
前記第1ユニットは、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱を有し、
前記第2ユニットは、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱を有し、
前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、
前記凹部は、前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられており、
前記点検口は、前記凹部の上方に位置する前記上部の内側面に設けられており、
前記上部と前記一対の側壁とには、前記第1の柱が存在する」
に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項4に
「 前記配管空間は、前記複数のユニットのうち前記下の階に設けられた前記ユニットの上部に設けられている」
とあるのを、
「 前記複数のユニットは、第1建築構造体からなる第1ユニットと、第2建築構造体からなり、前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを含み、
前記第1ユニットは、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱を有し、
前記第2ユニットは、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱を有し、
前記建物ユニットにおいて、前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、
前記凹部は、前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられており、
前記配管空間は、前記凹部の上方に位置する前記上部に設けられており、
前記上部と前記一対の側壁とには、前記第1の柱が存在する」
に訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項9に
「 前記第1ユニットには、屋内側に凹むように構成された凹部が設けられ、
前記第2ユニットには、水廻り設備が設置され、
前記建物ユニットは、前記第1ユニット及び前記第2ユニットを建築現場に運搬されて組み立てられており、
前記凹部には、前記水廻り設備を屋外から点検可能とする点検口が設けられており、
前記点検口は、前記第1ユニットの上部の内側面に設けられている」
とあるのを、
「 前記第1ユニットは、第1建築構造体からなり、
前記第2ユニットは、第2建築構造体からなり、
前記第1ユニットには、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱と、屋内側に凹むように構成された凹部とが設けられ、
前記第2ユニットには、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱と、水廻り設備とが設置され、
前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、
前記建物ユニットは、前記第1ユニット及び前記第2ユニットを建築現場に搬送されて組み立てられており、
前記凹部には、前記水廻り設備を屋外から点検可能とする点検口が設けられており、
前記凹部は、前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられており、
前記点検口は、前記凹部の上方に位置する前記上部の内側面に設けられており、
前記上部と前記一対の側壁とには、前記第1の柱が存在する」
に訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項10に
「 前記第1ユニットには、屋内側に凹むように構成された凹部が設けられ、
前記第2ユニットには、水廻り設備が設置され、
前記建物ユニットは、前記第1ユニット及び前記第2ユニットを建築現場に運搬されて組み立てられており、
前記凹部の上方には、前記水廻り設備の配管を屋外から施工可能とする配管空間が設けられており、
前記配管空間は、前記第1ユニットの上部に設けられている」
とあるのを、
「 前記第1ユニットは、第1建築構造体からなり、
前記第2ユニットは、第2建築構造体からなり、
前記第1ユニットには、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱と、屋内側に凹むように構成された凹部とが設けられ、
前記第2ユニットには、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱と、水廻り設備とが設置され、
前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、
前記建物ユニットは、前記第1ユニット及び前記第2ユニットを建築現場に搬送されて組み立てられており、
前記凹部の上方には、前記水廻り設備の配管を屋外から施工可能とする配管空間が設けられており、
前記凹部は、前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられており、
前記配管空間は、前記凹部の上方に位置する前記上部に設けられており、
前記上部と前記一対の側壁とには、前記第1の柱が存在する」
に訂正する。

2 一群の請求項
本件訂正前の請求項2、3及び8は、本件訂正前の請求項1を直接的又は間接的に引用しているところ、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるから、本件訂正前の請求項1並びに同請求項1を直接的又は間接的に引用する請求項2、3及び8は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項を構成する。
また、本件訂正前の請求項5ないし8は、本件訂正前の請求項4を直接的又は間接的に引用しているところ、訂正事項2によって記載が訂正される請求項4に連動して訂正されるから、本件訂正前の請求項4及び同請求項4を直接的又は間接的に引用する請求項5ないし8は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項を構成する。
そして、上記の請求項1ないし3及び8と、請求項4ないし8とは、共通する請求項8を有するから、上記の両一群の請求項は組み合わされて、請求項1ないし8が特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
したがって、訂正事項1及び訂正事項2の訂正は、当該一群の請求項1ないし8に対し請求されたものである。

3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
訂正事項1に係る請求項1についての訂正は、「複数のユニット」について、「第1建築構造体からなる第1ユニットと、第2建築構造体からなり、前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを含み、前記第1ユニットは、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱を有し、前記第2ユニットは、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱を有し、前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置」し、かつ「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁と」「には、前記第1の柱が存在する」ものに具体的に限定し、「凹部」について、「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられ」たものに具体的に限定するとともに、「点検口」の設けられる位置について、「前記凹部の上方に位置する」ことを具体的に限定する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げられた事項である特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。なお、この訂正により、点検口の設けられる位置に関する「前記複数のユニットのうち前記下の階に設けられた前記ユニットの」上部の内側面との記載が削除されたが、訂正後の凹部の位置に関する「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部」との記載及び点検口の位置に関する「前記凹部の上方に位置する前記」上部の内側面との記載により実質的に同じ構成が特定されている。
そして、上記の「複数のユニット」が「第1建築構造体からなる第1ユニットと、第2建築構造体からなり、前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを含み、前記第1ユニットは、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱を有し、前記第2ユニットは、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱を有」する点については、願書に添付した明細書の段落【0019】の「建物ユニット1は、例えば2階建て以上の住宅の一部を構成する住宅ユニットであり、複数階の各々の階を構成する単位ユニットを複数個積み上げて構成されている。本実施の形態における建物ユニット1は、2階建て住宅の一部を構成するものであり、図1?図3に示すように、第1ユニット11及び第2ユニット12の2つの単位ユニットを積み重ねることによって構成されている。」との記載、同段落【0022】の「第1ユニット11は、複数階のうちの一の階を構成する単位ユニットであり、本実施の形態では、建物ユニット1の1階部分を構成する下ユニットである。第2ユニット12は、複数階のうちの他の階を構成する単位ユニットであり、本実施の形態では、建物ユニット1の2階部分を構成する上ユニットである。つまり、第2ユニット12は、第1ユニット11の上方の階を構成するユニットであり、本実施の形態では、第1ユニット11の直上階を構成するユニットである。」との記載及び同段落【0024】の「第1ユニット11は、例えば木造軸組構法による建築構造体(軸組構造体)11aを有する。第2ユニット12は、第1ユニット11と同様に、例えば木造軸組構法による建築構造体(軸組構造体)12aを有する。建築構造体11a及び12aは、複数の柱や梁等の建材からなる軸組と、根太等の建材からなる床組とによって構成されており、工場等の建築現場以外の場所において予め組み立てられている。」との記載等に基づくものであるから、新規事項を追加するものではなく、また、実質的に特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
また、「前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置」し、かつ「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁と」「には、前記第1の柱が存在する」点については、図3、図4、図5、図6の記載において、図5の一番上の左右に存在する一対の柱が、図6の一番上の左右に存在する一対の柱の直下に位置するものであり、かつ、第1ユニット11の外側面のうち凹部16とされることなく残された上部18aと一対の側壁18bとに存在するものである点に基づくものであるから、新規事項を追加するものではなく、また、実質的に特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
また、上記の「凹部」が「前記下の階に設けられた前記ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部の側壁以外の部分を凹ませるように設けられ」たものであることについては、願書に添付した明細書の段落【0060】の「凹部16は、住宅の最上階以外の階に設けられ、本実施の形態では、1階部分を構成する第1ユニット11に設けられている。また、凹部16は、第1ユニット11の外側面の一部を凹ませるように設けられている。具体的には、凹部16は、第1ユニット11の外側面のうち上部18aと対向する一対の側壁18bとを残してそれ以外の部分を凹ませるように設けられている。」との記載等に基づくものであるから、新規事項を追加するものではなく、また、実質的に特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
また、上記の「点検口」の設けられる位置が「前記凹部の上方に位置する」ことについても、願書に添付した明細書の段落【0064】の「凹部16の上には上面部として上部18aが存在し、」との記載及び段落【0071】の「凹部16の天井面(内側面18a1)に、水廻り設備を屋外から点検可能とする点検口25a及び25bを設けるとよい。具体的には、点検口25a及び25bは、凹部16の天井面、つまり、第1ユニット11の上部18aの内側面18a1に設けられている。」との記載等に基づくものであるから、新規事項を追加するものではなく、また、実質的に特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(2)訂正事項2について
訂正事項2に係る請求項4についての訂正は、「複数のユニット」について、「第1建築構造体からなる第1ユニットと、第2建築構造体からなり、前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを含み、前記第1ユニットは、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱を有し、前記第2ユニットは、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱を有し、前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置」し、かつ「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁と」「には、前記第1の柱が存在する」ものに具体的に限定し、「凹部」について、「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部の側壁以外の部分を凹ませるように設けられ」たものに具体的に限定するとともに、「配管空間」の設けられる位置について、「前記凹部の上方に位置する」ことを具体的に限定する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。なお、この訂正により、配管空間の設けられる位置に関する「前記複数のユニットのうち前記下の階に設けられた前記ユニットの」上部との記載が削除されたが、訂正後の凹部の位置に関する「前記下の階に設けられた前記ユニットの外側面のうち少なくとも上部」との記載及び配管空間の位置に関する「前記凹部の上方に位置する前記」上部との記載により実質的に同じ構成が特定されている。
そして、上記の「複数のユニット」が「第1建築構造体からなる第1ユニットと、第2建築構造体からなり、前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを含み、前記第1ユニットは、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱を有し、前記第2ユニットは、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱を有」する点及び「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁と」「には、前記第1の柱が存在する」点については、上記(1)において示したのと同様に、新規事項を追加するものではなく、また、実質的に特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
また、上記の「凹部」が「前記下の階に設けられた前記ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部の側壁以外の部分を凹ませるように設けられ」たものであることについても、上記(1)において示したのと同様に、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
また、「配管空間」の設けられる位置が「前記凹部の上方に位置する」ことについては、願書に添付した明細書の段落【0069】の「また、本実施の形態では、凹部16の上方には、水廻り設備の配管を屋外から施工可能とする配管空間が設けられている。具体的には、凹部16の天井懐には、配管として、給湯管34、給水管35及び排水管36が配置されている。この配管空間は、軸組構法により形成されている。」との記載及び段落【0070】の「また、この配管空間は、配管施工後に閉塞してもよい。例えば、図8A及び図8Bに示すように、凹部16の上面部に、配管空間を閉塞する天井面を設けてもよい。この天井面は、第1ユニット11の上部18aの内側面(下面)18a1であり、例えば板材によって構成される。」との記載等に基づくものであるから、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(3)訂正事項3について
訂正事項3に係る請求項9についての訂正は、「第1ユニット」及び「第2ユニット」について、「前記第1ユニットは、第1建築構造体からなり、前記第2ユニットは、第2建築構造体からなり、」第1ユニットには「前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱」が設けられ、第2ユニットには「前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱」が設置され、「前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、」「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁と」「には、前記第1の柱が存在する」ものに具体的に限定するとともに、「凹部」について、「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部の側壁以外の部分を凹ませるように設けられ」たものに具体的に限定するとともに、「点検口」の設けられる位置について、「前記凹部の上方に位置する」ことを具体的に限定する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。なお、この訂正により、点検口の設けられる位置に関する「前記第1ユニットの」上部の内側面との記載が削除されたが、訂正後の凹部の位置に関する「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部」との記載及び点検口の位置に関する「前記凹部の上方に位置する前記」上部の内側面との記載により実質的に同じ構成が特定されている。
そして、上記(1)において示したのと同様に、この訂正は新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(4)訂正事項4について
訂正事項4に係る請求項10についての訂正は、「第1ユニット」及び「第2ユニット」について、「前記第1ユニットは、第1建築構造体からなり、前記第2ユニットは、第2建築構造体からなり、」第1ユニットには「前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱」が設けられ、第2ユニットには「前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱」が設置され、「前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、」「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁と」「には、前記第1の柱が存在する」ものに具体的に限定するとともに、「凹部」について、「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部の側壁以外の部分を凹ませるように設けられ」たものに具体的に限定するとともに、「配管空間」の設けられる位置について、「前記凹部の上方に位置する」ことを具体的に限定する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。なお、この訂正により、配管空間の設けられる位置に関する「前記第1ユニットの」上部との記載が削除されたが、訂正後の凹部の位置に関する「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部」との記載及び配管空間の位置に関する「前記凹部の上方に位置する前記」上部との記載により実質的に同じ構成が特定されている。
そして、上記(2)において示したのと同様に、この訂正は新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

4 小括
上記のとおり、訂正事項1ないし4に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1ないし8],9,10について訂正することを認める。

第3 訂正後の本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1ないし10に係る発明(以下「本件発明1」ないし「本件発明10」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された次の事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
2階建て以上の建物であって、
2階以上の部屋に設置された水廻り設備と、
前記水廻り設備が設置された階よりも下の階に設けられ、かつ、屋内側に凹むように構成された凹部と、
前記凹部を有し、当該建物の一部を構成する建物ユニットと、
前記凹部に設けられ、前記水廻り設備を屋外から点検可能とする点検口とを有し、
前記建物ユニットは、建築現場以外で予め組み立てられた複数のユニットを建築現場に搬送されて組み立てられており、
前記複数のユニットは、第1建築構造体からなる第1ユニットと、第2建築構造体からなり、前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを含み、
前記第1ユニットは、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱を有し、
前記第2ユニットは、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱を有し、
前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、
前記凹部は、前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられており、
前記点検口は、前記凹部の上方に位置する前記上部の内側面に設けられており、
前記上部と前記一対の側壁とには、前記第1の柱が存在する
建物。
【請求項2】
前記点検口は、前記凹部の上面に設けられている
請求項1に記載の建物。
【請求項3】
前記水廻り設備の排水トラップ又は配水管は、前記点検口の上に配置されている
請求項2に記載の建物。
【請求項4】
2階建て以上の建物であって、
2階以上の部屋に設置された水廻り設備と、
前記水廻り設備が設置された階よりも下の階に設けられ、かつ、屋内側に凹むように構成された凹部と、
前記凹部を有し、当該建物の一部を構成する建物ユニットと、
前記凹部の上方に設けられ、前記水廻り設備の配管を屋外から施工可能とする配管空間とを有し、
前記建物ユニットは、建築現場以外で予め組み立てられた複数のユニットを建築現場に搬送されて組み立てられており、
前記複数のユニットは、第1建築構造体からなる第1ユニットと、第2建築構造体からなり、前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを含み、
前記第1ユニットは、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱を有し、
前記第2ユニットは、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱を有し、
前記建物ユニットにおいて、前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、
前記凹部は、前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられており、
前記配管空間は、前記凹部の上方に位置する前記上部に設けられており、
前記上部と前記一対の側壁とには、前記第1の柱が存在する
建物。
【請求項5】
前記配管空間は、軸組構法により形成される
請求項4に記載の建物。
【請求項6】
前記凹部の室内側の天井空間には、ダクト式換気装置が設置されている
請求項4又は5に記載の建物。
【請求項7】
前記凹部には、前記配管空間を閉塞する天井面が設けられており、
前記天井面には、前記水廻り設備を屋外から点検可能とする点検口が設けられている
請求項4?6のいずれか1項に記載の建物。
【請求項8】
前記建物には、室外機に接続された設備が設置されており、
前記室外機は、前記凹部に設置されている
請求項1?7のいずれか1項に記載の建物。
【請求項9】
2階建て以上の建物の一部を構成する建物ユニットであって、
建築現場以外で予め組み立てられ、かつ、複数階のうちの一の階を構成する第1ユニットと、
建築現場以外で予め組み立てられ、かつ前記複数階のうちの前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを有し、
前記第1ユニットは、第1建築構造体からなり、
前記第2ユニットは、第2建築構造体からなり、
前記第1ユニットには、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱と、屋内側に凹むように構成された凹部とが設けられ、
前記第2ユニットには、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱と、水廻り設備とが設置され、
前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、
前記建物ユニットは、前記第1ユニット及び前記第2ユニットを建築現場に搬送されて組み立てられており、
前記凹部には、前記水廻り設備を屋外から点検可能とする点検口が設けられており、
前記凹部は、前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられており、
前記点検口は、前記凹部の上方に位置する前記上部の内側面に設けられており、
前記上部と前記一対の側壁とには、前記第1の柱が存在する
建物ユニット。
【請求項10】
2階建て以上の建物の一部を構成する建物ユニットであって、
建築現場以外で予め組み立てられ、かつ、複数階のうちの一の階を構成する第1ユニットと、
建築現場以外で予め組み立てられ、かつ前記複数階のうちの前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを有し、
前記第1ユニットは、第1建築構造体からなり、
前記第2ユニットは、第2建築構造体からなり、
前記第1ユニットには、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱と、屋内側に凹むように構成された凹部とが設けられ、
前記第2ユニットには、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱と、水廻り設備とが設置され、
前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、
前記建物ユニットは、前記第1ユニット及び前記第2ユニットを建築現場に搬送されて組み立てられており、
前記凹部の上方には、前記水廻り設備の配管を屋外から施工可能とする配管空間が設けられており、
前記凹部は、前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられており、
前記配管空間は、前記凹部の上方に位置する前記上部に設けられており、
前記上部と前記一対の側壁とには、前記第1の柱が存在する
建物ユニット。」

第4 取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由について
1 取消理由の概要
令和2年3月13日に受付けられた訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲に記載された請求項1ないし10に係る特許に対して、当審が令和2年5月29日に特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の要旨は、次のとおりである。

(1)請求項1ないし5、7、9及び10に係る発明は、甲第1号証ないし甲第3号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に想到することができたものである。よって、請求項1ないし5、7、9及び10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。

(2)請求項6に係る発明は、甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に想到することができたものである。よって、請求項6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。

(3)請求項8に係る発明は、甲第1号証ないし甲第3号証に記載された発明並びに甲第3号証及び甲第5号証に記載された周知技術に基いて、当業者が容易に想到することができたものである。よって、請求項8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである

2 刊行物(申立人が提出した証拠)
甲第1号証:特公平1-28194号公報
甲第2号証:特開平6-185233号公報
甲第3号証:特許第4974707号公報
甲第4号証:特開2008-150796号公報
甲第5号証:特開2012-246728号公報

(1)甲第1号証
取消理由通知(決定の予告)において引用した甲第1号証(特公平1-28194号公報)には、図面とともに以下の記載がある(下線は、当審で付した。以下同様。)。

ア 「発明の詳細な説明
本発明は上階に衛生設備を有する家屋に関する。
近年、2階建て以上の家屋において上階に浴室あるいはシヤワー室を設ける例が多くなつている。これは、敷地を有効に利用するためと、上階の居室、寝室に衛生設備を近づけるためである。
しかしながら、従来の上階に衛生設備を有する家屋では、上階部の床面の上に衛生設備を載せるように設置施工するので、衛生設備の床の高さ、即ち踏み込み高さが大きくなつて使用上不便であり、施工時の作業性が悪く、施工後の点検、補修も困難である問題があつた。
本発明は上階部に張出し部を設けて住居空間を大きくすると共に、張出し部下方に配管スペースを設け、衛生設備の踏み込み高さを小さく押さえ、施工性及び点検、補修の作業性を大きく改善させた家屋を提供するものである。」(第1欄第13行?第2欄第3行)

イ 「本発明の要旨は2階建て以上の家屋において、上階部の側部が下階部の側部より外方に張出されて張出し部が形成され、該張出し部の床面は前記上階部の床面とほぼ面一とされ、該張出し部内に衛生設備が設置され、該衛生設備の床が前記上階部の床上に接触するかわずか間隔をおいて位置されており、前記張出し部の外壁部の下端部が張出し部の床面より下方に延設されて張出し部の下方に配管空隙が形成され、前記衛生設備に連結される配管が前記配管空隙内に納められてなる上階に衛生設備を有する家屋に存する。
次に図面を参照しながら本発明を説明する。
第1図、第2図は本発明上階に衛生設備を有する家屋の一例を概略的に示している。
本発明の家屋Aは2階建て以上のものを対象にしている。又、家屋Aは鉄骨プレハブ、ツーバイフオー、ユニツト住宅などの組立家屋が好適であるが、従来工法で建築されたものも含まれる。」(第2欄第4行?21行)

ウ 「本発明の家屋Aは上階部の側部に、下階部の側部より外方に張出された張出し部Bが形成されている。該張出し部Bの床面と前記上階部の床面とはほぼ面一とされている。該張出し部Bが形成されることで、張出し部B下方の下階部には軒庇が形成されたように見える。又、張出し部Bの外壁部の下端部が張出し部Bの床面より下方に延設され、該張出し部Bの下方に配管空隙Fが形成されている。
該上階張出し部B内には衛生設備Cが設置されている。衛生設備Cとは浴室設備、シヤワー設備、洗面設備、トイレ設備等の総称であり、複数の設備が組合わせられてもよく、ユニツト化され工場で組立製造されたものであつてもよい。」(第2欄第22行?第3欄第8行)

エ 「これを可能にしているのは、上階張出し部Bの床部下方に配管空隙Fが形成されているためである。即ち、衛生設備Cからの排水管E、排水トラツプが配管空隙Fに納められることで、衛生設備Cの床を上階部の床面D上に接触するかわずか間隔をおいて位置させることができるのである。」(第3欄第18行?23行)

オ 「該配管空隙Fは着脱可能な軒天井板Gで被覆されている。配管空隙F内の配管を点検修理する際には、軒天井板Gを取外すことにより行え、衛生設備C内から作業するよりも格段に作業性が向上する。」(第3欄第27行?31行)

カ 「第3図?第8図は本発明の一例を示したものである。第3図以下の例は、家屋が鉄骨ラーメン構造のユニツト住宅である。
四隅の柱1と、上下の計8本の梁2が剛に接合されて鉄骨ラーメン構造が形成されている。住宅ユニツトが横方向に連結され積上げられる時は鉄骨1,1が隣り合うように連結され、上下方向にも位置が合わせられる。
第3図は張出し部が設けられる住宅ユニツトを水平方向に切断して示している。
第3図の住宅ユニツトでは張出し部3が長さ方向の一端部に設けられている。この住宅ユニツトでは張出し部3内方に鉄骨柱1,1´が設けられ、横方向、上下方向の住宅ユニツトの鉄骨柱1,1と位置が合わせられている。二点鎖線aは下階部の外壁部を示している。」(第3欄第35行?第4欄第6行)

キ 「又、本発明上階に衛生設備を有する家屋では、工業化された組立家屋であれば、配管類を規格化でき、施工の信頼性も増すのであり、特に、家屋がユニツト住宅であり、衛生設備が組立ユニツト形式のものであれば、工場で衛生設備を組込み、配管類を取付けて出荷し、家屋の工期を著しく短縮できるものであり、配管類が殆ど取付けられておれば、現場ではその配管類同士の接続を配管空隙の中て行うだけでよく、配管ミスなどは防止できる。」(第6欄第28行?第37行)

ク 第1図は次のものである。


ケ 第1図から、上階張出し部Bの下方箇所が、家屋側へと表面が窪んだ点が看て取れる。

コ 第2図は次のものである。


サ 第1図及び第2図から、配管空隙Fの下方は軒天井板Gで被覆されている点が看て取れる。

上記アないしサからみて、甲第1号証には以下の発明(以下、「甲1発明1」、「甲1発明2」という。)が記載されていると認められる。

(甲1発明1)
「2階建て以上のユニツト住宅などの組立家屋であって、
上階部の側部が下階部の側部より外方に張出されて張出し部が形成され、
上階張出し部B内には衛生設備Cが設置され、衛生設備Cとは浴室設備、シヤワー設備、洗面設備、トイレ設備等の総称であり、
上階張出し部Bの下方箇所が、家屋側へと表面が窪んでおり、
上階張出し部Bの外壁部の下端部が上階張出し部Bの床面より下方に延設され、
上階張出し部Bの床部下方に配管空隙Fが形成され、
配管空隙Fの下方は着脱可能な軒天井板Gで被覆されており、配管空隙F内の配管を点検修理する際には、軒天井板Gを取外すことにより行うことができ、
四隅の柱と、上下の計8本の梁が剛に接合されて鉄骨ラーメン構造が形成された住宅ユニツトが積上げられ、張出し部内方に前記柱が設けられ、上下方向の住宅ユニツトの前記柱と位置が合わせられた、
組立家屋。」

(甲1発明2)
「2階建て以上のユニツト住宅などの住宅ユニツトであって、
四隅の柱と、上下の計8本の梁が剛に接合されて鉄骨ラーメン構造が形成された住宅ユニツトが積上げられ、張出し部内方に前記柱が設けられ、上下方向の住宅ユニツトの前記柱と位置が合わせられ、
上階部の側部が下階部の側部より外方に張出されて張出し部が形成され、 上階張出し部B内には衛生設備Cが設置され、衛生設備Cとは浴室設備、シヤワー設備、洗面設備、トイレ設備等の総称であり、
上階張出し部Bの下方箇所が、家屋側へと表面が窪んでおり、
上階張出し部Bの外壁部の下端部が上階張出し部Bの床面より下方に延設され、
上階張出し部Bの床部下方に配管空隙Fが形成され、
配管空隙Fの下方は着脱可能な軒天井板Gで被覆されており、配管空隙F内の配管を点検修理する際には、軒天井板Gを取外すことにより行うことができる、
住宅ユニツト。」

(2)甲第2号証
取消理由通知(決定の予告)において引用した甲第2号証(特開平6-185233号公報)には、図面とともに以下の記載がある。
ア 「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ユニット建物におけるバスユニットの配設構造に関するものである。」

イ 「【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、浴室を2階又はそれ以上の上階に設置する場合には、浴槽をその階の建物ユニット内で支持するほかなく、上記の落し込みバスユニットの配設構造をそのまま採用することはできなかった。
【0007】本発明は、係る実情に基づいてなされたもので、2階又はそれ以上の上階であっても、落し込みタイプのバスユニットを配設することのできる落し込みバスユニットの配設構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達成するため、バスユニットが有する浴槽の底部を、該バスユニットが配設される建物ユニットの最下面よりも下方に位置させて前記バスユニットを配設する落し込みバスユニットの配設構造において、前記浴槽を下方から支持する支持部を、前記建物ユニットの真下に設けられる下階建物ユニットの天井梁間に設け、前記下階建物ユニットの天井板材に前記バスユニットの配管用点検口を設けたことを特徴としている。
【0009】
【作用】本発明に係る落し込みバスユニットの配設構造によれば、浴槽を下方から支持する支持部が、上階に設置される建物ユニットの真下に設けられる下階建物ユニットの天井梁間に設けられているので、浴槽の底部を建物ユニットの最下面よりも下方に位置させることができる。そして、下階建物ユニットの天井板材にバスユニットの配管用点検口が設けられているので、施工上、メインテナンス上も何等不具合を生じることはない。」

ウ 図1は、次のものである。


上記アないしウからみて、甲第2号証には以下の技術的事項(以下、「甲2技術的事項」という。)が記載されていると認められる。

(甲2技術的事項)
「ユニット建物におけるバスユニットの配設構造であって、バスユニットが有する浴槽の底部を、該バスユニットが配設される建物ユニットの最下面よりも下方に位置させて前記バスユニットを配設する落し込みバスユニットの配設構造において、前記浴槽を下方から支持する支持部を、前記建物ユニットの真下に設けられる下階建物ユニットの天井梁間に設け、前記下階建物ユニットの天井板材に前記バスユニットの配管用点検口を設けた点。」

(3)甲第3号証
取消理由通知(決定の予告)において引用した甲第3号証(特許第4974707号公報)には、図面とともに以下の記載がある。
ア 「【0001】
本発明は、複数階からなる建物に関するものである。」

イ 「【0032】
建物10において、二階部分12の張り出し部15の下方は、ヒートポンプ式電気給湯設備や燃料電池設備といった屋外設備機器Eを設置するための設備設置スペースSAとなっている(図4のハッチング部分参照)。すなわち、設備設置スペースSAは、張り出し部15の屋外側縁部よりも屋外側へ出ない範囲で、張り出し部15の底面と地上面(例えば、コンクリート製の叩き)との間に設けられている。例えば、ヒートポンプ式電気給湯設備は高さが2mほどの大きさを有し、ガス給湯器などに比べて体格が大きいものとなっている。この点、設備設置スペースSAは一階部分11の高さを有するスペースであるため、その大型の屋外設備機器Eであっても余裕を持って設置可能となっている。その設置状態が図1に示されている。」

ウ 「【0042】
図7及び図8に示すように、一階部分11において張り出し部15の下方には、設備設置スペースSAを囲むようにして隔壁パネル31が設けられている。この隔壁パネル231に関する構成が上記第1の実施形態とは相違しており、以下詳述する。
【0043】
隔壁パネル31は、一階部分11の外壁パネルと同じ外装材を用いて構成されており、外装材を共通化することによって他の外壁部分との一体感が醸し出されている。また、隔壁パネル31は、一階部分11の階高とほぼ同じ高さを有し、かつ二階部分12の張り出し部15の外壁面とほぼ面一で設けられている。」

エ 「【0051】
上記効果に加えて、隔壁パネル31を張り出し部15の外壁面とほぼ面一で設けたため、張り出し部15の外壁面と隔壁パネル31の外面とを連続させて建物全体としての一体感を生じさせることができる。したがって、建物の見栄えが一層向上する。またこのとき、隔壁パネル31の外面に、建物10の外壁面と同じ外装材を取り付けたため、設備設置スペースSA(及び同スペースに設けられた屋外設備機器E)の存在を一層目立たなくすることができる。」

オ 図7は、次のものである。


上記アないしオからみて、甲第3号証には以下の技術的事項(以下、「甲3技術的事項」という。)が記載されていると認められる。

(甲3技術的事項)
「複数階からなる建物において、二階部分の張り出し部の下方を、屋外設備機器を設置するための設備設置スペースとし、当該設備設置スペースを囲むようにして隔壁パネルを設け、前記隔壁パネルは、一階部分の階高とほぼ同じ高さを有し、かつ二階部分の張り出し部の外壁面とほぼ面一で設ける点。」

(4)甲第4号証
取消理由通知(決定の予告)において引用した甲第4号証(特開2008-150796号公報)には、以下の記載がある。
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、バルコニーや庇等の建物本体から張り出した部分を形成する張り出しユニット、及びその張り出しユニットが組み付けられたユニット式建物に関する。」

イ 「【0027】
図3はユニット式建物の概要を示している。ユニット式建物10は、複数の建物ユニット20を組み付けてなる建物本体11と、この建物ユニット20の上方に配設される屋根12とにより構成されている。建物本体11は、建物ユニット20と同様にユニット化されたバルコニーユニット30が組み付けられてなるバルコニー13を備えている。
【0028】
各建物ユニット20は、図1に示すように、下階(1階)部分を構成する複数の下階建物ユニット24と、上階(2階)部分を構成する複数の上階建物ユニット21とを備えている。各建物ユニット20は、周知のとおり、床大梁23、天井大梁27及びこれらを結ぶ柱により構成された躯体を備え、当該躯体に対して外壁などの建物構成部材が予め工場において一体化されることにより構成されている。」

ウ 「【0047】
また、下階建物ユニット24の天井裏スペース25(下階建物ユニット24の天井面材26と上階建物ユニット21の床面材22との間)には、吹出装置83が設置されている。この吹出装置83は下階の室内に面して設けられた吹出口83aと、側面に設けられた導入口83bとを有している。
【0048】
そして、バルコニーユニット30が建物本体11に組み付けられた状態では、ユニット側枝配管73の他端部と建物側枝配管82の他端部とが、床大梁23の配管孔23aに挿通された管継手91を介して接続されている。これにより、両枝配管73,82は一体化され、この両枝配管73,82及び主配管72を通じて水洗便器81に対する給排水が行われる。また、室内機69の吹出口69aと吹出装置83の導入口83bとが、仮想線にて示すように、天井大梁27の配管孔27aに挿通されたフレキシブルダクト92を介して接続されている。これにより、室内機69から送り出されるエアが吹出装置83を経てその吹出口83aから下階の室内に吹き出される。」

(5) 甲第5号証
取消理由通知(決定の予告)において引用した甲第5号証(特開2012-246728号公報)には、以下の記載がある。
ア 「【0001】
本発明は、上階張出し構造及び木造建物に関する。」

イ 「【0021】
次に、上述した上階張出し構造とこれを備えた木造住宅1の作用について図面に基づいて詳細に説明する。
図2に示すように、居室部からなる2階部分F2が1階部分F1よりも外方に向けて張り出した張出し部2を形成することで、この張出し部2の下方に空間Sを設けることができ、張出し部2を該空間Sの上方を覆う屋根として機能させることができる。そのため、2階部分F2の張出し部2によって、1階部分F1の外側に軒下空間を形成することができ、この軒下空間を駐車場、テラス、物置、バッテリー(蓄電池)置き場、エアコンの室外機などのスペース(図2では駐車スペース)として有効的に利用することが可能となる。」

3 当審の判断
(1)請求項1に係る発明の進歩性について
ア 対比
本件発明1と甲1発明1とを対比する。
(ア)甲1発明1の「2階建て以上のユニット住宅などの組立家屋」は、本件発明1の「2階建て以上の建物」に相当する。
また、当該甲1発明1の「組立家屋」は、「ユニット住宅などの組立家屋」である点(上記「2(1)イ」参照)、及び、「工場で衛生設備を組み込んで現場で配管類同士の接続を行えばよい」点(上記「2(1)キ」参照)から、「建築現場以外で予め組み立てられた複数のユニットを建築現場に搬送されて組み立てられ」ることは、明らかである。
(イ)甲1発明1の「衛生設備Cとは浴室設備、シヤワー設備、洗面設備、トイレ設備等の総称であ」るから、「上階張出し部B内に」「設置され」た「衛生設備C」は、本件発明1の「2階以上の部屋に設置された水廻り設備」に相当する。
(ウ)一般的に「凹む」とは、「表面が窪む」態様と解されることから、甲1発明1においては「上階部の側部が下階部の側部より外方に張出されて張出し部が形成され」、「上階張出し部Bの下方箇所が、家屋側へと表面が窪んで」いることを踏まえると、甲1発明1の「上階張出し部Bの下方箇所」は、本件発明1の「屋内側に凹むように構成された凹部」に相当する。
(エ)甲1発明1は、「上階張出し部Bの下方箇所が、家屋側へと表面が窪ん」でおり、「上階張出し部Bの床部下方に配管空隙Fが形成され、配管空隙Fの下方は着脱可能な軒天井板Gで被覆されて」いるから、「軒天井板G」は、「上階張出し部Bの下方箇所が、家屋側へと表面が窪んだ」箇所にあるといえる。そうすると、甲1発明1の「上階張出し部Bの床部下方に配管空隙Fが形成され、配管空隙Fの下方は着脱可能な軒天井板Gで被覆されており、配管空隙F内の配管を点検修理する際には、軒天井板Gを取外すことにより行うことができる」点は、本件発明1の「前記凹部に設けられ、前記水廻り設備を屋外から点検可能とする点検口とを有」する点に相当する。
(オ)甲1発明1の「四隅の柱と、上下の計8本の梁が剛に接合されて鉄骨ラーメン構造が形成された住宅ユニツトが積上げられ、張出し部内方に前記柱が設けられ、上下方向の住宅ユニツトの前記柱と位置が合わせられた」点は、本件発明1の「前記複数のユニットは、第1建築構造体からなる第1ユニットと、第2建築構造体からなり、前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを含み、前記第1ユニットは、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱を有し、前記第2ユニットは、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱を有し、前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置」する点に相当する。
(カ)甲1発明1の「上階張出し部Bの外壁部の下端部が上階張出し部Bの床面より下方に延設され」ている点と、本件発明1の「前記凹部は、前記下の階に設けられた前記ユニットの外側面のうち少なくとも上部」「を残して前記上部」「以外の部分を凹ませるように設けられて」いる点は、「凹部が建物ユニットの外側面のうち上部を残して上部以外の部分を凹ませるように設けられて」いる点で共通する。

以上のことから、本件発明1と甲1発明1とは、次の一致点で一致し、相違点で相違する。

(一致点)
「2階建て以上の建物であって、
2階以上の部屋に設置された水廻り設備と、
屋内側に凹むように構成された凹部と、
前記凹部を有し、当該建物の一部を構成する建物ユニットと、
前記凹部に設けられ、前記水廻り設備を屋外から点検可能とする点検口とを有し、
前記建物ユニットは、建築現場以外で予め組み立てられた複数のユニットを建築現場に搬送されて組み立てられており、
前記複数のユニットは、第1建築構造体からなる第1ユニットと、第2建築構造体からなり、前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを含み、
前記第1ユニットは、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱を有し、
前記第2ユニットは、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱を有し、
前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、
前記凹部は、前記建物ユニットの外側面のうち上部を残して上部以外の部分を凹ませるように設けられている
建物。」

(相違点1)
「凹部」が設けられる箇所が、本件発明1は、「水廻り設備が設置された階よりも下の階」であるのに対し、甲1発明1は、「衛生設備Cが設置され」る「上階張出し部Bの下方箇所」である点。
(相違点2)
本件発明1は、「凹部」が「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられ」たものであり、「前記上部と前記一対の側壁とには、前記第1の柱が存在する」のに対し、甲1発明1は、「上階張出し部Bの下方箇所」が、「上階張出し部Bの外壁部の下端部」を残してそれ以外の部分を凹ませるように設けられたものであり、当該箇所に一対の側壁を有しておらず、「上階張出し部Bの外壁部の下端部」及び一対の側壁に存在する柱がない点。
(相違点3)
「点検口」が設けられる箇所が、本件発明1は、「前記凹部の上方に位置する前記上部の内側面」、すなわち「前記下の階に設けられた前記ユニットの外側面」「の上部」「の内側面」であるのに対し、甲1発明1は、「上階張出し部Bの床部下方に配管空隙Fが形成され、配管空隙Fの下方は着脱可能な軒天井板Gで被覆されて」おり、当該「軒天井板Gで被覆され」た箇所である点。

イ 判断
はじめに、上記相違点2について検討する。
「第1ユニット」における「凹部」に含まれない部分である「外側面の」「上部」及び「対向する一対の側壁」に、「第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱」を存在させる点については、甲第1号証ないし甲第5号証のいずれにおいても記載も示唆もされていない。
なお、甲第3号証には、二階部分の張り出し部の下方を囲むようにして隔壁パネルを設けることが記載されているが、当該隔壁パネルに「第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱」を存在させる点については記載も示唆もされていない。
したがって、甲第1号証ないし甲第5号証に基いて、相違点2に係る本件発明1の構成に至ることは、当業者にとって容易ではない。
よって、上記相違点1及び3について検討するまでもなく、本件発明1は、甲第1号証ないし甲第5号証に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(2)請求項2及び3に係る発明の進歩性について
本件発明2及び3は、本件発明1の発明特定事項の全てを備えたものであるから、本件発明1と同様に、「第1ユニット」における「凹部」に含まれない部分である「対向する一対の側壁」に、「第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱」を存在させたものである。そして、本件発明2及び3の上記の点が、甲第1号証ないし甲第5号証に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないことは、本件発明1について上記(1)で検討したとおりである。
したがって、本件発明2及び3も、甲第1号証ないし甲第5号証に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(3)請求項4に係る発明の進歩性について
ア 対比
本件発明4と甲1発明1とを対比する。
(ア)甲1発明1の「2階建て以上のユニット住宅などの組立家屋」、「配管空隙F」は、それぞれ、本件発明4の「2階建て以上の建物」、「配管空間」に相当する。
また、当該甲1発明1の「組立家屋」は、「ユニット住宅などの組立家屋」である点(上記「2(1)イ」参照)、及び、「工場で衛生設備を組み込んで現場で配管類同士の接続を行えばよい」点(上記「2(1)キ」参照)から、「建築現場以外で予め組み立てられた複数のユニットを建築現場に搬送されて組み立てられ」ることは、明らかである。
(イ)甲1発明1の「衛生設備Cとは浴室設備、シヤワー設備、洗面設備、トイレ設備等の総称であ」るから、「上階張出し部B内に」「設置され」た「衛生設備C」は、本件発明4の「2階以上の部屋に設置された水廻り設備」に相当する。
(ウ)一般的に「凹む」とは、「表面が窪む」態様と解されることから、甲1発明1においては「上階部の側部が下階部の側部より外方に張出されて張出し部が形成され」、「上階張出し部Bの下方箇所が、家屋側へと表面が窪んで」いることを踏まえると、甲1発明1の「上階張出し部Bの下方箇所」は、本件発明4の「屋内側に凹むように構成された凹部」に相当する。
(エ)甲1発明1の「配管空隙F」は、「上階張出し部Bの床部下方」にあるから、甲1発明1の「上階張出し部Bの床部下方に配管空隙Fが形成され、配管空隙Fの下方は着脱可能な軒天井板Gで被覆されており、配管空隙F内の配管を点検修理する際には、軒天井板Gを取外すことにより行うことができる」点は、本件発明4の「前記凹部の上方に設けられ、前記水廻り設備の配管を屋外から施工可能とする配管空間とを有」する点に相当する。
(オ)甲1発明1の「四隅の柱と、上下の計8本の梁が剛に接合されて鉄骨ラーメン構造が形成された住宅ユニツトが積上げられ、張出し部内方に前記柱が設けられ、上下方向の住宅ユニツトの前記柱と位置が合わせられた」点は、本件発明1の「前記複数のユニットは、第1建築構造体からなる第1ユニットと、第2建築構造体からなり、前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを含み、前記第1ユニットは、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱を有し、前記第2ユニットは、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱を有し、前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置」する点に相当する。
(カ)甲1発明1の「上階張出し部Bの外壁部の下端部が上階張出し部Bの床面より下方に延設され」ている点と、本件発明4の「前記凹部は、前記下の階に設けられた前記ユニットの外側面のうち少なくとも上部」「を残して前記上部」「以外の部分を凹ませるように設けられて」いる点は、「凹部が建物ユニットの外側面のうち上部を残して上部以外の部分を凹ませるように設けられて」いる点で共通する。

以上のことから、本件発明4と甲1発明1とは、次の一致点で一致し、相違点で相違する。

(一致点)
「2階建て以上の建物であって、
2階以上の部屋に設置された水廻り設備と、
屋内側に凹むように構成された凹部と、
前記凹部を有し、当該建物の一部を構成する建物ユニットと、
前記凹部の上方に設けられ、前記水廻り設備の配管を屋外から施工可能とする配管空間とを有し、
前記建物ユニットは、建築現場以外で予め組み立てられた複数のユニットを建築現場に搬送されて組み立てられており、
前記複数のユニットは、第1建築構造体からなる第1ユニットと、第2建築構造体からなり、前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを含み、
前記第1ユニットは、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱を有し、
前記第2ユニットは、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱を有し、
前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、
前記凹部は、前記建物ユニットの外側面のうち上部を残して上部以外の部分を凹ませるように設けられている
建物。」

(相違点4)
「凹部」が設けられる箇所が、本件発明4は、「水廻り設備が設置された階よりも下の階」であるのに対し、甲1発明1は、「衛生設備Cが設置され」る「上階張出し部Bの下方箇所」である点。
(相違点5)
本件発明4は、「凹部」が「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられ」たものであり、「前記上部と前記一対の側壁とには、前記第1の柱が存在する」のに対し、甲1発明1は、「上階張出し部Bの下方箇所」が、「上階張出し部Bの外壁部の下端部」を残してそれ以外の部分を凹ませるように設けられたものであり、当該箇所に一対の側壁を有しておらず、「上階張出し部Bの外壁部の下端部」及び一対の側壁に存在する柱がない点。
(相違点6)
「配管空間」が設けられる箇所が、本件発明4は、「前記凹部の上方に位置する前記上部」、すなわち「前記下の階に設けられた前記ユニットの外側面」「の上部」であるのに対し、甲1発明1は、「上階張出し部Bの床部下方に配管空隙Fが形成され、配管空隙Fの下方は着脱可能な軒天井板Gで被覆されて」おり、当該「軒天井板Gで被覆され」た箇所である点。

イ 判断
はじめに、上記相違点5について検討する。
「第1ユニット」における「凹部」に含まれない部分である「外側面の」「上部」及び「対向する一対の側壁」に、「第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱」を存在させる点については、甲第1号証ないし甲第5号証のいずれにおいても記載も示唆もされていない。
したがって、甲第1号証ないし甲第5号証に基いて、相違点5に係る本件発明4の構成に至ることは、当業者にとって容易ではない。
よって、上記相違点4及び6について検討するまでもなく、本件発明4は、甲第1号証ないし甲第5号証に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(4)請求項5ないし7に係る発明の進歩性について
本件発明5及び7は、本件発明4の発明特定事項の全てを備えたものであるから、本件発明4と同様に、「第1ユニット」における「凹部」に含まれない部分である「対向する一対の側壁」に、「第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱」を存在させたものである。そして、本件発明5ないし7の上記の点が、甲第1号証ないし甲第5号証に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないことは、本件発明4について上記(3)で検討したとおりである。
したがって、本件発明5ないし7も、甲第1号証ないし甲第5号証に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(5)請求項8に係る発明の進歩性について
本件発明8は、本件発明1の発明特定事項の全て又は本件発明4の発明特定事項の全てを備えたものであるから、本件発明1及び4と同様に、「第1ユニット」における「凹部」に含まれない部分である「対向する一対の側壁」に、「第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱」を存在させたものである。そして、本件発明8の上記の点が、甲第1号証ないし甲第5号証に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないことは、本件発明1について上記(1)で検討し、また、本件発明4について上記(3)で検討したとおりである。
したがって、本件発明8も、甲第1号証ないし甲第5号証に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(6)請求項9に係る発明の進歩性について
ア 対比
本件発明9と甲1発明2とを対比する。
(ア)甲1発明2の「2階建て以上のユニット住宅などの住宅ユニット」は、本件発明9の「2階建て以上の建物の一部を構成する建物ユニット」に相当する。
また、当該甲1発明2の「住宅ユニット」は、「積上げられる」「2階建て以上のユニット住宅」であるから、「複数階のうちの一の階を構成する第1ユニット」と、「第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニット」とを有することは明らかである。さらに、「ユニット住宅などの組立家屋」は、「工場で衛生設備を組み込んで現場で配管類同士の接続を行えばよい」点(上記「2(1)キ」参照)などから、「建築現場以外で予め組み立てられた複数のユニットを建築現場に搬送されて組み立てられ」ることは、明らかであり、「建築現場以外で予め組み立てられ」る「第1ユニット及び第2ユニット」が、「建築現場に搬送されて組み立てられ」ることによって「建物ユニット」となるものであることは明らかである。
(イ)甲1発明2の「衛生設備Cとは浴室設備、シヤワー設備、洗面設備、トイレ設備等の総称であ」るから、「上階張出し部B内に」「設置され」た「衛生設備C」は、本件発明9の「2階以上の部屋に設置された水廻り設備」に相当する。
(ウ)一般的に「凹む」とは、「表面が窪む」態様と解されることから、甲1発明2においては「上階部の側部が下階部の側部より外方に張出されて張出し部が形成され」、「上階張出し部Bの下方箇所が、家屋側へと表面が窪んで」いることを踏まえると、甲1発明2の「上階張出し部Bの下方箇所」は、本件発明9の「屋内側に凹むように構成された凹部」に相当する。
(エ)甲1発明2は、「上階張出し部Bの下方箇所が、家屋側へと表面が窪ん」でおり、「上階張出し部Bの床部下方に配管空隙Fが形成され、配管空隙Fの下方は着脱可能な軒天井板Gで被覆されて」いるから、「軒天井板G」は、「上階張出し部Bの下方箇所が、家屋側へと表面が窪んだ」箇所にあるといえる。そうすると、甲1発明2の「上階張出し部Bの床部下方に配管空隙Fが形成され、配管空隙Fの下方は着脱可能な軒天井板Gで被覆されており、配管空隙F内の配管を点検修理する際には、軒天井板Gを取外すことにより行うことができる」点は、本件発明9の「前記凹部には、前記水廻り設備を屋外から点検可能とする点検口が設けられて」いる点に相当する。
(オ)甲1発明2の「四隅の柱と、上下の計8本の梁が剛に接合されて鉄骨ラーメン構造が形成された住宅ユニツトが積上げられ、張出し部内方に前記柱が設けられ、上下方向の住宅ユニツトの前記柱と位置が合わせられた」点は、本件発明9の「前記第1ユニットは、第1建築構造体からなり、前記第2ユニットは、第2建築構造体からなり、」「前記第1ユニットには、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱」「が設けられ、」「前記第2ユニットには、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱」「が設置され、」「前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置」する点に相当する。
(カ)甲1発明2の「上階張出し部Bの外壁部の下端部が上階張出し部Bの床面より下方に延設され」ている点と、本件発明9の「前記凹部は、前記下の階に設けられた前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部」「を残して前記上部」「以外の部分を凹ませるように設けられて」いる点は、「凹部が建物ユニットの外側面のうち上部を残して上部以外の部分を凹ませるように設けられて」いる点で共通する。

以上のことから、本件発明9と甲1発明2とは、次の一致点で一致し、相違点で相違する。

(一致点)
「2階建て以上の建物の一部を構成する建物ユニットであって、
建築現場以外で予め組み立てられ、かつ、複数階のうちの一の階を構成する第1ユニットと、
建築現場以外で予め組み立てられ、かつ前記複数階のうちの前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを有し、
前記第1ユニットは、第1建築構造体からなり、
前記第2ユニットは、第2建築構造体からなり、
前記第1ユニットには、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱が設けられ、
屋内側に凹むように構成された凹部が設けられ、
前記第2ユニットには、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱と、水廻り設備とが設置され、
前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、
前記建物ユニットは、前記第1ユニット及び前記第2ユニットを建築現場に搬送されて組み立てられており、
前記凹部には、前記水廻り設備を屋外から点検可能とする点検口が設けられており、
前記凹部は、建物ユニットの外側面のうち上部を残して上部以外の部分を凹ませるように設けられている
建物ユニット。」

(相違点7)
「凹部」が設けられる箇所が、本件発明9は、「第1ユニット」であるのに対し、甲1発明2は、「衛生設備Cが設置され」る「上階張出し部Bの下方箇所」である点。
(相違点8)
本件発明9は、「凹部」が「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられ」たものであり、「前記上部と前記一対の側壁とには、前記第1の柱が存在する」のに対し、甲1発明2は、「上階張出し部Bの下方箇所」が、「上階張出し部Bの外壁部の下端部」を残してそれ以外の部分を凹ませるように設けられたものであり、当該箇所に一対の側壁を有しておらず、「上階張出し部Bの外壁部の下端部」及び一対の側壁に存在する柱がない点。
(相違点9)
「点検口」が設けられる箇所が、本件発明9は、「前記凹部の上方に位置する前記上部の内側面」、すなわち「前記下の階に設けられた前記第1ユニットの外側面」「の上部」「の内側面」であるのに対し、甲1発明2は、「上階張出し部Bの床部下方に配管空隙Fが形成され、配管空隙Fの下方は着脱可能な軒天井板Gで被覆されて」おり、当該「軒天井板Gで被覆され」た箇所である点。

イ 判断
はじめに、上記相違点8について検討する。
「第1ユニット」における「凹部」に含まれない部分である「外側面の」「上部」及び「対向する一対の側壁」に、「第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱」を存在させる点については、甲第1号証ないし甲第5号証のいずれにおいても記載も示唆もされていない。
したがって、甲第1号証ないし甲第5号証に基いて、相違点8に係る本件発明9の構成に至ることは、当業者にとって容易ではない。
よって、上記相違点7及び9について検討するまでもなく、本件発明9は、甲第1号証ないし甲第5号証に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(7)請求項10に係る発明の進歩性について
ア 対比
本件発明10と甲1発明2とを対比する。
(ア)甲1発明2の「2階建て以上のユニット住宅などの住宅ユニット」、「配管空隙F」は、それぞれ、本件発明10の「2階建て以上の建物の一部を構成する建物ユニット」、「配管空間」に相当する。 また、当該甲1発明2の「住宅ユニット」は、「積上げられる」「2階建て以上のユニット住宅」であるから、「複数階のうちの一の階を構成する第1ユニット」と、「第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニット」とを有することは明らかである。さらに、「ユニット住宅などの組立家屋」は、「工場で衛生設備を組み込んで現場で配管類同士の接続を行えばよい」点(上記「2(1)キ」参照)などから、「建築現場以外で予め組み立てられた複数のユニットを建築現場に搬送されて組み立てられ」ることは、明らかであり、「建築現場以外で予め組み立てられ」る「第1ユニット及び第2ユニット」が、「建築現場に搬送されて組み立てられ」ることによって「建物ユニット」となるものであることは明らかである。
(イ)甲1発明2の「衛生設備Cとは浴室設備、シヤワー設備、洗面設備、トイレ設備等の総称であ」るから、「上階張出し部B内に」「設置され」た「衛生設備C」は、本件発明10の「2階以上の部屋に設置された水廻り設備」に相当する。
(ウ)一般的に「凹む」とは、「表面が窪む」態様と解されることから、甲1発明2においては「上階部の側部が下階部の側部より外方に張出されて張出し部が形成され」、「上階張出し部Bの下方箇所が、家屋側へと表面が窪んで」いることを踏まえると、甲1発明2の「上階張出し部Bの下方箇所」は、本件発明10の「屋内側に凹むように構成された凹部」に相当する。
(エ)甲1発明2の「配管空隙F」は、「上階張出し部Bの床部下方」にあるから、甲1発明2の「上階張出し部Bの床部下方に配管空隙Fが形成され、配管空隙Fの下方は着脱可能な軒天井板Gで被覆されており、配管空隙F内の配管を点検修理する際には、軒天井板Gを取外すことにより行うことができる」点は、本件発明10の「前記凹部の上方には、前記水廻り設備の配管を屋外から施工可能とする配管空間が設けられて」いる点に相当する。
(オ)甲1発明2の「四隅の柱と、上下の計8本の梁が剛に接合されて鉄骨ラーメン構造が形成された住宅ユニツトが積上げられ、張出し部内方に前記柱が設けられ、上下方向の住宅ユニツトの前記柱と位置が合わせられた」点は、本件発明10の「前記第1ユニットは、第1建築構造体からなり、前記第2ユニットは、第2建築構造体からなり、」「前記第1ユニットには、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱」「が設けられ、」「前記第2ユニットには、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱」「が設置され、」「前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置」する点に相当する。
(カ)甲1発明2の「上階張出し部Bの外壁部の下端部が上階張出し部Bの床面より下方に延設され」ている点と、本件発明10の「前記凹部は、前記下の階に設けられた前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部」「を残して前記上部」「以外の部分を凹ませるように設けられて」いる点は、「凹部が建物ユニットの外側面のうち上部を残して上部以外の部分を凹ませるように設けられて」いる点で共通する。

以上のことから、本件発明10と甲1発明2とは、次の一致点で一致し、相違点で相違する。

(一致点)
「2階建て以上の建物の一部を構成する建物ユニットであって、
建築現場以外で予め組み立てられ、かつ、複数階のうちの一の階を構成する第1ユニットと、
建築現場以外で予め組み立てられ、かつ前記複数階のうちの前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを有し、
前記第1ユニットは、第1建築構造体からなり、
前記第2ユニットは、第2建築構造体からなり、
前記第1ユニットには、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱が設けられ、
屋内側に凹むように構成された凹部が設けられ、
前記第2ユニットには、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱と、水廻り設備とが設置され、
前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、
前記建物ユニットは、前記第1ユニット及び前記第2ユニットを建築現場に搬送されて組み立てられており、
前記凹部の上方には、前記水廻り設備の配管を屋外から施工可能とする配管空間が設けられており、
前記凹部は、建物ユニットの外側面のうち上部を残して上部以外の部分を凹ませるように設けられている
建物ユニット。」

(相違点10)
「凹部」が設けられる箇所が、本件発明10は、「第1ユニット」であるのに対し、甲1発明2は、「衛生設備Cが設置され」る「上階張出し部Bの下方箇所」である点。
(相違点11)
本件発明10は、「凹部」が「前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられ」たものであり、「前記上部と前記一対の側壁とには、前記第1の柱が存在する」のに対し、甲1発明2は、「上階張出し部Bの下方箇所」が、「上階張出し部Bの外壁部の下端部」を残してそれ以外の部分を凹ませるように設けられたものであり、当該箇所に一対の側壁を有しておらず、「上階張出し部Bの外壁部の下端部」及び一対の側壁に存在する柱がない点。
(相違点12)
「配管空間」が設けられる箇所が、本件発明10は、「前記凹部の上方に位置する前記上部」、すなわち「前記下の階に設けられた前記第1ユニットの外側面」「の上部」であるのに対し、甲1発明2は、「上階張出し部Bの床部下方に配管空隙Fが形成され、配管空隙Fの下方は着脱可能な軒天井板Gで被覆されて」おり、当該「軒天井板Gで被覆され」た箇所である点。

イ 判断
はじめに、上記相違点11について検討する。
「第1ユニット」における「凹部」に含まれない部分である「外側面の」「上部」及び「対向する一対の側壁」に、「第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱」を存在させる点については、甲第1号証ないし甲第5号証のいずれにおいても記載も示唆もされていない。
したがって、甲第1号証ないし甲第5号証に基いて、相違点11に係る本件発明10の構成に至ることは、当業者にとって容易ではない。
よって、上記相違点10及び12について検討するまでもなく、本件発明10は、甲第1号証ないし甲第5号証に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

なお、申立人は、令和2年3月13日になされた訂正請求に対して令和2年4月16日に提出した意見書において、参考資料1(特開2008-208650号公報)及び参考資料2(特開2000-54530号公報)を新たに提示するとともに、令和2年3月13日に提出された訂正請求書の請求項1ないし10に係る発明が、甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明及び参考資料1及び2に記載された周知技術に基いて当業者が容易にすることができたものである旨を主張する。
上記第1に示したとおり、令和2年3月13日に行った訂正請求は、その後、令和2年8月3日に行った訂正請求によって、取り下げられたものとみなされるが、申立人の上記主張について検討すると、本件発明1ないし10の「第1ユニット」における「凹部」に含まれない部分である「外側面の」「上部」及び「対向する一対の側壁」に「第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱」を存在させる点が、甲第1号証ないし甲第5号証に記載も示唆もされていないことは上記のとおりであり、本件発明1ないし10の上記の点は参考資料1及び2においても記載も示唆もされていないから、本件発明1ないし10は、甲第1号証ないし甲第5号証及び参考文献1及び2に記載された周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(8)特許異議申立人の意見について
申立人に対し令和2年8月3日付け訂正請求に対する意見書提出の機会を与えたが、意見書は提出されていない。

第5 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1ないし10に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1ないし10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2階建て以上の建物であって、
2階以上の部屋に設置された水廻り設備と、
前記水廻り設備が設置された階よりも下の階に設けられ、かつ、屋内側に凹むように構成された凹部と、
前記凹部を有し、当該建物の一部を構成する建物ユニットと、
前記凹部に設けられ、前記水廻り設備を屋外から点検可能とする点検口とを有し、
前記建物ユニットは、建築現場以外で予め組み立てられた複数のユニットを建築現場に搬送されて組み立てられており、
前記複数のユニットは、第1建築構造体からなる第1ユニットと、第2建築構造体からなり、前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを含み、
前記第1ユニットは、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱を有し、
前記第2ユニットは、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱を有し、
前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、
前記凹部は、前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられており、
前記点検口は、前記凹部の上方に位置する前記上部の内側面に設けられており、
前記上部と前記一対の側壁とには、前記第1の柱が存在する
建物。
【請求項2】
前記点検口は、前記凹部の上面に設けられている
請求項1に記載の建物。
【請求項3】
前記水廻り設備の排水トラップ又は配水管は、前記点検口の上に配置されている
請求項2に記載の建物。
【請求項4】
2階建て以上の建物であって、
2階以上の部屋に設置された水廻り設備と、
前記水廻り設備が設置された階よりも下の階に設けられ、かつ、屋内側に凹むように構成された凹部と、
前記凹部を有し、当該建物の一部を構成する建物ユニットと、
前記凹部の上方に設けられ、前記水廻り設備の配管を屋外から施工可能とする配管空間とを有し、
前記建物ユニットは、建築現場以外で予め組み立てられた複数のユニットを建築現場に搬送されて組み立てられており、
前記複数のユニットは、第1建築構造体からなる第1ユニットと、第2建築構造体からなり、前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを含み、
前記第1ユニットは、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱を有し、
前記第2ユニットは、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱を有し、
前記建物ユニットにおいて、前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、
前記凹部は、前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられており、
前記配管空間は、前記凹部の上方に位置する前記上部に設けられており、
前記上部と前記一対の側壁とには、前記第1の柱が存在する
建物。
【請求項5】
前記配管空間は、軸組構法により形成される
請求項4に記載の建物。
【請求項6】
前記凹部の室内側の天井空間には、ダクト式換気装置が設置されている
請求項4又は5に記載の建物。
【請求項7】
前記凹部には、前記配管空間を閉塞する天井面が設けられており、
前記天井面には、前記水廻り設備を屋外から点検可能とする点検口が設けられている
請求項4?6のいずれか1項に記載の建物。
【請求項8】
前記建物には、室外機に接続された設備が設置されており、
前記室外機は、前記凹部に設置されている
請求項1?7のいずれか1項に記載の建物。
【請求項9】
2階建て以上の建物の一部を構成する建物ユニットであって、
建築現場以外で予め組み立てられ、かつ、複数階のうちの一の階を構成する第1ユニットと、
建築現場以外で予め組み立てられ、かつ前記複数階のうちの前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを有し、
前記第1ユニットは、第1建築構造体からなり、
前記第2ユニットは、第2建築構造体からなり、
前記第1ユニットには、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱と、屋内側に凹むように構成された凹部とが設けられ、
前記第2ユニットには、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱と、水廻り設備とが設置され、
前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、
前記建物ユニットは、前記第1ユニット及び前記第2ユニットを建築現場に搬送されて組み立てられており、
前記凹部には、前記水廻り設備を屋外から点検可能とする点検口が設けられており、
前記凹部は、前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられており、
前記点検口は、前記凹部の上方に位置する前記上部の内側面に設けられており、
前記上部と前記一対の側壁とには、前記第1の柱が存在する
建物ユニット。
【請求項10】
2階建て以上の建物の一部を構成する建物ユニットであって、
建築現場以外で予め組み立てられ、かつ、複数階のうちの一の階を構成する第1ユニットと、
建築現場以外で予め組み立てられ、かつ前記複数階のうちの前記第1ユニットの上方の階を構成する第2ユニットとを有し、
前記第1ユニットは、第1建築構造体からなり、
前記第2ユニットは、第2建築構造体からなり、
前記第1ユニットには、前記第1建築構造体の骨組みを構成する第1の柱と、屋内側に凹むように構成された凹部とが設けられ、
前記第2ユニットには、前記第2建築構造体の骨組みを構成する第2の柱と、水廻り設備とが設置され、
前記第1の柱は、前記第2の柱の直下に位置し、
前記建物ユニットは、前記第1ユニット及び前記第2ユニットを建築現場に搬送されて組み立てられており、
前記凹部の上方には、前記水廻り設備の配管を屋外から施工可能とする配管空間が設けられており、
前記凹部は、前記第1ユニットの外側面のうち少なくとも上部と対向する一対の側壁とを残して前記上部及び前記一対の側壁以外の部分を凹ませるように設けられており、
前記配管空間は、前記凹部の上方に位置する前記上部に設けられており、
前記上部と前記一対の側壁とには、前記第1の柱が存在する
建物ユニット。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2020-11-06 
出願番号 特願2016-532425(P2016-532425)
審決分類 P 1 651・ 121- YAA (E04B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 新井 夕起子  
特許庁審判長 森次 顕
特許庁審判官 西田 秀彦
袴田 知弘
登録日 2019-03-29 
登録番号 特許第6501190号(P6501190)
権利者 パナソニックIPマネジメント株式会社
発明の名称 建物及び建物ユニット  
代理人 寺谷 英作  
代理人 道坂 伸一  
代理人 寺谷 英作  
代理人 新居 広守  
代理人 道坂 伸一  
代理人 新居 広守  
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